苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:RAS

L-133202111月シークレットレクチャー -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 

202111月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。3回を通してのメインテーマは「」ですw

 

 」とは何か? 「」がコーチングとどう関係するのか?

 

 当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 01;メインテーマ「□」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32989957.html

 02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 

 

 私たち人間は「ある枠組みを作って、その中だけで思考する」ことができます。その「枠組み」が、今回のメインテーマである」=フレーム。

 フレームの外は認識することができません。それがスコトーマ(scotoma)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スコトーマについて簡潔にまとめると

     もともとは「盲点」を意味する医学用語

     コーチングの祖 ルー・タイスさんにより「心理的盲点」として拡張

     目の前のものはすべて見えていると思いがち。しかし実際には、ザルで水をすくように情報は抜け落ちている

     例えば、1秒間に五感から入力される情報量は数百万ビットなのに対して、認識している情報量は40ビット …40/000000ビット=1/100000しか認識していない

     スコトーマを生みだす/外すポイントは3…1)知識、2)重要性、3)役割(責任)

 

 スコトーマを生みだす/外すポイントは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。さらに抽象度を上げて考えると、スコトーマを生みだす/外すものは「自我」だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 自我はマインド(脳と心)の中にだけ存在しています。

 (脳と心の関係がはっきりしない場合はこちら↓)

 Q-269:薬をやめることができますか? <中編:case-side(ワーク付き)>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29213970.html

 

 その実体は名前や肩書き、好みなどすべて他との関係からなる情報のこと。数学の点と同じで、概念(または機能)上は存在しますが、実在はしていません。自我とは「部分関数」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その一方で、自我は自分にとって重要な記憶によって作られた「評価関数(重要性関数)」ともいえます。例えば、自己紹介時に話すのは、「職業は」「出身は」「趣味は」といった自分が大事だと思うことのはず。「昨夜は〇〇を食べました」みたいな情報が優先されることはまずありません。その重要度による並べ替えが「評価関数(重要性関数)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 まとめると、脳は重要なもの=自我に合致したもの のみを認識するようになっています。RASReticular Activating System)が自分にとって価値が低いと思う情報を遮断するのです(=スコトーマに隠れる)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 では、このRAS&スコトーマとコーチングの関係は?

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p178)より引用します。“コーチングの本質”をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

悟りとはすべてのスコトーマが外れる体験

 この本の第3章で、自我とは自分にとって重要な順番で記述した評価関数であることをお話ししました。そして、自我によって生まれるのがスコトーマです。

 脳の認識機能は、自分にとって重要なものは見えるが、重要でないものは見えないようになっています。例えば目の前の恋人は自分にとって重要なので見えていますが、テーブルに置かれたペンは重要ではないので目に入りません。目の前の物質だけでなく、概念についてもスコトーマは起こります。書くということを知らない原始人が目の前にあるペンを見ても、その存在そのものを認識できないでしょう。

 釈迦は瞑想によって自我はない(または空である)と知りました。それが悟りの状態です。自我がなくなった状態ですから、すべてのスコトーマが外れており、すべてを認識することが可能になっています。目の前の恋人や机の上のペンだけでなく、「自分」も「宇宙」もすべて同時に認識できるのです。

 自我という評価関数がなくなりますから、重要度に順番はつきません。宇宙のすべてのものを、同じように重要だと感じます。洗脳されたものを含めてあらゆる価値観から解放された状態、その境地が釈迦の悟りなのです。

 悟りとは「自分」と「宇宙」の両方を完全に認識すること、ともいうことができます。「自我」やあらゆる「概念」は数学の部分関数として考えることができます。部分関数とは何でしょう。たとえば「偶数」という部分関数では、自然数nを入力すると「2468……」と偶数を出力します。偶数を定義すれば、奇数も自動的に定義されます。自然数で偶数でないものが奇数だからです。

 すべての「概念」は、宇宙のすべてからものを選び出す部分関数ということができます。「犬」という概念は、宇宙のすべての犬を選び出す部分関数です。「人間」という概念は、宇宙のすべての人間を選び出す部分関数であり、現在だけでなく、過去に生きていた人間、未来に生まれてくる人間すべてを含んでいます。

 同じように、「自我」の概念とは、宇宙のすべてから、たったひとりの「自分自身」を選び出すという部分関数と言うことができるでしょう。

 そして、偶数が定義されると奇数が定義されるように、「自我」が定義されると、それ以外の「宇宙のすべて」も同時に定義されるのです。ということは、自分を正確に認識できれば、宇宙も完全に見ることができる。すべてが認識できるということです。

 釈迦には、自分、そして宇宙のゲシュタルトが見えました。ゲシュタルトとは、今までランダムに見えていたものを高い抽象度で見ることで整合的なパターンとして認識できることを言います。動物もゲシュタルト能力を持っています。犬でも肉やドッグフードを同じ食べ物として認識しているからです。人間の場合は、さらに抽象度の高いゲシュタルト能力を持っています。

 多くの人間が集まっている様子を見て、ただ「たくさん人がいる」ではなく、「朝なので通勤の人が多い」「コンサートに来た客が行列をなしている」と理解することができるのです。

 釈迦には自分と宇宙のゲシュタルトがわかったのです。それは宇宙を大まかに定義することではなく、分子、素粒子といった部分のひとつひとつが等しく重要でありながら、宇宙という全体と統合された理解です。当然、自分と宇宙のゲシュタルトは言語を超えた体感に他なりません。

 そして釈迦が、この境地を人に伝えるにはどうすべきかと考えて生み出された説明原理が十二支縁起なのです。悟っていない、すなわちすべてを認識できていない「無明」から、誤った認識の「行」が生じ、最終的に苦が生まれると説明したのです。逆に、悟ってしまえば、誤った認識はないのですから、苦もありません。すなわち煩悩から解き放たれた状態なのです。

 引用終わり

 

 

 洗脳されたものを含めてあらゆる価値観から解放された状態、その境地が釈迦の悟り

 

 …RAS&スコトーマとコーチングの関係はクリアでしょうか?

 

 コーチングとは、RASをコントロールしスコトーマを消すことで、これまでの価値観から自らを解放し、新たな認識を得る技術です。

 Q-280:今までRASとスコトーマは<後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29681889.html

 

新たな認識を得て“現状の外”にゴールを設定すると、ゴールの世界にふさわしい評価関数をつくりあげることができます。それがコーチング!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *こちらもどうぞ↓

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 コーチングを実践すると、心はどんどん自由になります。なぜでしょうか?

 心が自由になると、ますます“いい状態(well-being)”になっていきます。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

L-134につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 自我について補足します。

 

 自我の正体はマインド(脳と心)の中にある情報です。よって、死んでから自我のみが取り出されて別の生命に宿ることはありえません というのが輪廻を完全否定した釈迦の無我説。釈迦の時代はストレートに「自我はない」と説いていました。

 

 後の大乗ムーブメントにより、「自我は空である」と表現されるようになりました。「部分関数」は無としての自我、「評価関数(重要性関数)」は有としての自我といえます。その無と有を包摂する概念が空です。

 「私はない」といえますが(無)、同時に「私はものすごくある」ともいえます(有)。

 PM-02-16:空観、仮観、中観

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「自我は空」が体感的に理解できると、“現状の外”へのゴール設定はますますうまくできるようになります。なぜ?

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 その答えは、「コーチングを実践すると心がどんどん自由になるのはなぜ?」「心が自由になるとますます“いい状態(well-being)”になるのはなぜ?」の答えと同じ。

参考にこちらをどうぞ↓

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催はR6.1/28(日)の予定、テーマは「コーチングのコア×how?」です。4週前に御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-311~:デジタル自傷行為

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html

Q-222:チュータリング・コースでも自身のゴール設定についてアドバイスは頂けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27505564.html

Q-268~:薬をやめることができますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421168.html

Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 

お釈迦さまの脳科学

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L-128202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -09;セルフトーク×エフィカシー

 

 202111月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた研修を行いました。テーマは「心豊かに働き、心豊かに生きるために」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見(橙色で表示)に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;イントロダクション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32612689.html

 02;「心豊か」はゴール次第

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32648883.html

 03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32663640.html

 04;ゴールが見つからないときは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32698474.html

 05;働く仲間とゴールを共有するワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32710871.html

 06;マインドが変わると、“現実”が書き換わる(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32748380.html

 07;すべては自分次第。その自分とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32763806.html

 08;「苫米地式コーチング」にとって最も大切なポイント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32797793.html

 09;セルフトーク×エフィカシー

 

 

 前回(L-127)はスコトーマについて掘り下げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 今回はRASReticular Activating System)について掘り下げましょう。

 RAS(ラス)とは、「膨大な量の情報を、必要なものと不必要なものに分別するシステム」のこと。「Reticular Activating System」は「網様体賦活系」と訳されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

そのRASは脳の基底部にあり、自分にとっての重要度に基づいて、遮断する情報と受け入れる情報をふるい分けています。その重要度を決めるのがブリーフシステム(Belief SystemBS)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

RASは、いわば情報のフィルター機能。

私たちはRASのおかげでエネルギーを浪費しないようになっています。つまり、RASにより脳はいつでも処理可能なスタンバイ状態を保っているということ。しかも効率的に。

繰り返しますが、RASが通過させるのは、そのときの生体(または種の保存)にとって重要だと思われる情報だけ。それ以外の情報は、どんどん遮断されてしまいます。

 

だからこそ、教育が重要!

教育によって、「生体にとって重要」を、より抽象度の高い次元に引き上げていくことができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それが「人間形成」であり、「自己実現」です。

(詳しくはこちら↓)

 PM-05-13~15:そもそも教育とは?-6)人間形成

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 そして、そのはじまりがゴール設定!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

欲求階層説(自己実現理論)

Wikipediaより引用

自己実現理論 - Wikipedia

 

 

 では、回答に戻りましょう。

 

□ゴール設定を自分で考えることが難しく思いました

 そのとおり。ゴールを「自分で考える」ことは簡単ではありません。その「自分」は“本当の自分”ではないから。自分で考え行動しているつもりでも、ほとんどが「無人運転」です。よくて「自動運転」でしょう。

F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 今認識している世界は、すべて他人のモノサシや社会の価値観の投影(しかも過去)

 

 その事実を忘れることなく、つねに意識に上げ続けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

大切なことなので今回も繰り返しますが、目の前の世界は過去の記憶でつくられたブリーフシステム(BS)が生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ゴールはそのCZの外側(=現状の外=高次の抽象度次元)に設定します。その感覚が「自分中心を捨て去る」。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html


 その「自分中心を捨て去る」とは、「自分の定義をひろげていく」ということでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

まとめると、ゴール設定とは、認識している世界から何かを選ぶことではなく、自我を拡張しながら(=抽象度を上げながら)認識する世界そのものを生みだすこと。

 

 ゴールに向かう過程で、“自分(関数P)”は「ゴールの世界(w1)」にひろがっていきます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 そのプロセスで大きく変化していくのがエフィカシー。「自分のゴール達成能力の自己評価」であるエフィカシーを高める鍵となるのが、「セルフトークのコントロール」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 では、ここでプチワークを行いましょう。

 エフィカシーをイメージしながら下記の感想を読み、“何か”を感じ取ってください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

□はじめの抽象度のところが概念として難しく感じました

□普段の生活で意識付けを変えることで結果が変わることを知ることができた。早速試してみたくなりました

□トータルペインをもっと具体的に教えて欲しい

 

 

 自分への語りかけであるセルフトークには4つの段階があります。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 1段階は「無理だ」「できるわけがない」という“あきらめ”。

 いままでお答えしてきた御質問・御意見は、ほとんどが第1段階のはず。その場合、無意識は「難しい」→「理解できない」→「変わらなくていい(しょうがない)」という現状維持です。

 

 2段階は目的論的なものが生まれてくる、いわば“希望”が芽生える段階。

 その希望が「早速試したい」というwant toを生みだします。ただし、そのwantはまだ弱く、長続きしません。ちょっとしたきっかけで「まぁいいや」と現状に戻ってしまいます。

 

 3段階は“誓い”。

「私はいつも~している」というセルフイメージができあがると、目標に向かって問題解決をしている自分のイメージを探し始めます。誓いが生みだすwantはけっこう強く、まわりにもひろがっていきます。「具体的に教えて欲しい」はその表出です。

しかしながら、結局は元にもどってしまいます。現状に引き戻す強力なホメオスタシス・フィードバックが働くからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 では、どうすればいいのでしょう? セルフトークの第4段階とは?

 

 そのようなことを問いながら、下記文章をお読みください。苫米地博士の著書「30代で思い通りの人生に変える69の方法」(泰文堂、p208)より引用します。

 

 

62 「~すれば、~になる」という考え方をやめる

 ポジティブ思考をする上では、エフィカシーを上げることも大切です。すでに紹介したように、エフィカシーとは自負心であり、自己の能力の自己評価のことです。

 たとえば、先のニセコーチの「水が半分も入っていると考えなさい」という発想は、その昔の支配者の説教にあった「下見て生きろ」の発想と非常によく似ています。「下見て生きろ」というのは、人間は上を見て生きてもなかなか這い上がれないから、下を見て優越感と満足を得なさい、という奴隷の思想です。

 「半分も入っている」という認識によってもたらされる満足は、「3分の110分の1よりもましだ」という下を見て生きる発想に結びついています。それは最悪のコースで、エフィカシーを大きく下げてしまいます。

 自己の能力に対する自己評価が低くなれば、何事においても「オレにはできる」という確信が揺らぎ、パフォーマンスも低くなります。

 ポジティブに物事を捉えるためにも、エフィカシーを下げるのは論外で、つねにそれを上げてやらなければなりません。

 エフィカシーを上げるのは簡単で、現在すでにエフィカシーが上がっていると認識することです。つまり、「いまの私はすごい」「いまオレのエフィカシーは最高だ」、あるいは「すでにオレは成功している」というふうに、現在形の自己イメージを持つことです。

 正しいコーチングでも、これをやっています。

 ところが、これが間違ったニセコーチングになると、全部、未来形でやってしまいます。たとえば、「こうすれば、あなたは将来にゴールを達成できる」とか、「未来の成功のイメージをしっかりつくりなさい」というように。

 じつは、未来にあなたは成功するという話法を使うと、現状を肯定することになってしまいます。

 本人の無意識は、未来に成功するのだから「オレはこのままがいいんだ」と思い、現状を変えようとはしなくなります。現状を変えることがなければ、未来においても延々と今日が続いていくだけのことです。

 これでは、現状を否定することによって初めて実現する人生のゴール達成も、ありえないということになってしまいます。

 そこで、現状を否定するためには、「いまオレのエフィカシーは最高だ」「オレはすでに成功している」という具合に現在形で認識するワザを使うわけです。こう認識する人は、あれこれ悩んで心の問題を抱えようがありません。

 エフィカシーが最高に高まっているわけですから、自信と勇気が胸に満ち溢れていますし、すごくハッピーです。前頭前野の活動も活発になり、IQも高まっています。こういう状態にある人は、うつ病になることはおろか、あれこれ思い悩むことさえできなくなってしまいます。

 「胸に力がみなぎって、最高に自信に満ちているし、最高にハッピーなんですが、思い悩んでばかりいるんです」ということが起こるはずがありません。

 心を鍛える方法が唯一あるとすれば、それはエフィカシーを上げることしかないといえるでしょう。

 ▶今の自分が最高の自分であると認識しよう

 引用終わり

 

 

エフィカシーを上げるのは簡単で、現在すでにエフィカシーが上がっていると認識することです。つまり、「いまの私はすごい」「いまオレのエフィカシーは最高だ」、あるいは「すでにオレは成功している」というふうに、現在形の自己イメージを持つことです

 

 現在形の自己イメージを持つ それが第4段階です。

 4段階ではゴールを“実現”した新しい自分のイメージで自然なセルフトークができます。コンフォートゾーンがゴール側に移行しているから。

 

ゴール実現に向けてRASがオープンになると、スコトーマが外れ、今まで見えなかったこと/ものがどんどん認識できるようになります。

 

目の前の世界はゴール実現のための挑戦

すべてが必ず実現するゴールの世界の一部

 

 これがコーチング実践者の感覚。これがエフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

L-129につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

たとえば、先のニセコーチの「水が半分も入っていると考えなさい」という発想は、その昔の支配者の説教にあった「下見て生きろ」の発想と非常によく似ています。「下見て生きろ」というのは、人間は上を見て生きてもなかなか這い上がれないから、下を見て優越感と満足を得なさい、という奴隷の思想です

 

 苫米地博士と出会う前の私は、病院長として、「コップの水が半分しかないと考えるか、半分も入っていると考えるか」という話をよくしていました。

 とても残念で、気恥ずかしく思う、“失敗”の記憶です。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 そういえば日本のリーダーは、昨年(2022年)、世界に向けて「コップの水が」とスピーチしていました。早く“失敗”に気づいてほしいものです。

□外務省HP>外交政策>経済外交>国際的ルール作りと政策協調の推進>世界経済フォーラム(ダボス会議)

 「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説 |外務省 (mofa.go.jp)

 □[参考2]岸田総理大臣によるスピーチ

 100291106.pdf (mofa.go.jp)

 

 

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L-125202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -06;マインドが変わると、“現実”が書き換わる(ワーク付き)

 

 202111月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた研修を行いました。テーマは「心豊かに働き、心豊かに生きるために」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;イントロダクション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32612689.html

 02;「心豊か」はゴール次第

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32648883.html

 03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32663640.html

 04;ゴールが見つからないときは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32698474.html

 05;働く仲間とゴールを共有するワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32710871.html

 06;マインドが変わると、“現実”が書き換わる(ワーク付き)

 

 

 心豊かに働き、心豊かに生きる

 

 私にとっての「心豊か」とは、幸福(well-being)のこと。

 私は平和に至るマインドの変化が「antiwithwell」であり、そのプロセスそのものが“幸福(well-being)”だと思っています。

 F-176:“幸福(well-being)”とは?… -1;ゴールが幸福を定義する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25101418.html

 

 前回(L-124/05)は、私が考えている「antiwithwell」の秘訣についてお伝えしました。それは

 

 共有するゴールのイメージ(I)×コレクティブ・エフィカシー(V)×共有する人数(一宇宙/Universe)=R

 

 

 受講者の皆さんにワークに取り組んでいただいている間、私は「全員がお互いのドリームサポーターになっている未来」を強くイメージしていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 そんなイメージのまま研修会場に意識を戻すと、全員がワークをとても楽しんでいるように思えました。和やかな“場”の中で。

もちろん、私のその認識には理由があります。RAS&スコトーマです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

以下、苫米地博士の著書「ため息をやめれば年収1億円への道が開ける」(宝島社、p5)より2回に分けて引用します。まずはブリーフシステム(BSBelief System)とRAS&スコトーマの関係を意識に上げながら読み進めてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 

 先に「心も自我も存在しない」と私は言いました。これに対して、「今ここで嘆き悲しんでいる私には確かに心は存在している」という反駁がなされるかもしれません。しかし、心や自我を本当に見ることができますか? 脳のどこかに確固たるものとして存在していますか? そんなものは誰も証明できません。所詮、文学や娯楽の世界です。私たちが脳の働きで唯一わかっているのは「何かを認識する働き」と、それが一定のパターンを持っていることです。このことを私はブリーフシステムと呼んでいます。ブリーフシステムはその人が持っている信念といったもので、物事を認識する際の核となるものです。これは生まれたときから親や教師、友人、テレビなどの情報によって他動的に刷り込まれた認識の集合体と理解していいでしょう。ただし、信念といっても自由意思で獲得したものではなく、他者から植えつけられた後天的な認識のパターンです。たとえば、親がコーヒー好きだった場合、紅茶かコーヒーという選択を迫られたとき、人は無意識のうちにブリーフシステムの働きでコーヒーを選択します。あるいは、国立大学に入って公務員になることが人生の最適な選択だと親に言われ続けてきた子供はそれが人生の最終目標になるでしょう。また、高校受験のときに「おまえの実力ならばA高校がせいぜい」と教師に言われたら、本当はもっと上位校のB高を諦めざるをえないかもしれません。

 これらの選択は一見主体的に自らが選択したもののように見えますが、実は他者の思考・選好から形成されたブリーフシステムが無意識になしたことです。

 ですから、他者に縛られない、自分の本当のゴールを持った生き方をするためには、あらかじめ他人に刷り込まれて構築された認識のパターン、すなわちブリーフシステムを改変する必要があります。その方法は本書の中で「コーチング」というキーワードで示されています。

 引用終わり

 

 

    ブリーフシステム

=情報によって他動的に刷り込まれた認識の集合体

=自由意思で獲得したものではなく、他者から植えつけられた後天的な認識のパターン

    他者に縛られない、自分の本当のゴールを持った生き方をするためには、あらかじめ他人に刷り込まれて構築された認識のパターン、すなわちブリーフシステムを改変する必要がある

 

 ブリーフシステム(BS)とは、その人の自我や世界観を形成する基盤となるもの。そのBSにより、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という固定的な思考=信念が生まれます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 そして、その固定的な思考=信念が投影されて、目の前の世界ができあがります。ダイナミックに。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 つまり、多くの人にとっての“現実”とは、「無人運転」「自動運転」によって生みだされる「過去の集積」。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 では先程の引用の続きを。今度は「ゴールが生みだす新たな未来」という視点でお読みください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 人生に取り返しのつかない過去というのはありません。なぜならば、過去は過去であり、あなたの未来に何の関係もないからです。私たちが立っている現在とは決して過去の集積ではありません。そう考えるのは科学ではなく、もはや文学や映画などの娯楽です。ノスタルジー(郷愁)というのは確かに甘美なものなのでしょうが、それがこれからのあなたの未来に何か有益な影響を及ぼすでしょうか。私たち人間の脳は今この瞬間に常にブリーフシステムによりベストな選択を無意識に行い、行動の最適化を実行しています。ですから、過去の行為もすべてその時あなたがベストと思った選択なのです。それなのに過去の行いを悔やんでため息をつくというのは全く無意味であり、必要以上に自分を貶めることと言えるでしょう。もちろん、過去の悲しみや思い出を追憶し、ノスタルジーに浸ることを私は否定しません。ただし、それはあなたの人生を充実させることには何も寄与しないことを銘記してください。追憶は映画やテレビドラマを見て涙を流すのと同じ程度にたいした価値のない娯楽に過ぎません。そうした情動を娯楽として楽しむ分には構いませんが、過去の軛(くびき)にとらわれて、ことあるごとにため息をつくのはいただけません。それは自分で自分のエフィカシー(ゴール達成のための自分の能力の自己評価のこと)を下げる行為にほかなりません。

 本書を読むことで、過去へのしがらみを断ち切り、新しい自分を見つけていただけたら幸いです。今の自分が嫌だったり、不満に思ったりしているならば、むしろ自分を変えるチャンスです。物事への認識(あるいは視点)をほんの少し変えるだけで、生きていくことが楽しくてわくわくするものになるはずです。

引用終わり

 

 

私たち人間の脳は今この瞬間に常にブリーフシステムによりベストな選択を無意識に行い、行動の最適化を実行している

 

 そのように確信できる力がエフィカシー!

 「ベストな選択を無意識に行い、行動の最適化を実行している」の先にはゴール実現が待っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ぜひとも心に留めておいて欲しいのは、「自分のマインドがすべてを生みだしている」という事実。その「すべて」がゴールからはじまります。

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 その大事なポイントを心に刻んでいただくため、「『今日はいい日になるぞ』と思うと、必ずいい日になる」というワークを紹介しました。「自己充足的予言」です。

 

 その理由はもうおわかりですよね。

「いい日になる」と確信するほど、“悪いこと”がスコトーマに隠れ、認識できなくなる(あるいは解釈が変わる)から。つまり

F-258:不満と傲慢のはざまvol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html

 

マインドが変わると、スコトーマが変化し、“現実”が書き換わる

 

 では、楽しくワークに取り組んでくださいw

 

 

<ワーク> 自己充足的予言 

*就寝前や起床時、入浴時がおすすめ

 

    逆腹式呼吸(吐きながら緩める)を行い、リラックスしてください

*逆腹式呼吸はこちら↓

F-217:不安と不満のはざまで <1st. Step;「どうせ私なんか」と思った時は

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27570183.html

 

    十分にリラックスしたら、「今日(明日)はいい日になる」とセルフトーク

*セルフトークについて、詳しくはこちら↓

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

    あとは一日中その意識状態( 今日はいい日である)で過ごすだけ。Have a nice day

*“意識状態”についてはこちらをどうぞ↓

F-284~:気楽 ver.2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 

 以上が当日の講演内容です。次回からは、いたただいた御質問や御意見に回答いたします。

 

L-126につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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 次回の開催は11/26(日)。詳しくはこちら↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

 

ため息をやめれば年収1億円への道が開ける



Q-348:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始? <vol.5;走りながら考えるのは「〇〇〇〇」、その時気をつけるのは「〇〇」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:将来コーチとして活動するために学んでいますが、未だに「現状全てがwant to」という状態には達しておりません。

 このような場合、自分自身の人生を変えることに専念した方がよいのでしょうか? それとも同時並行で他者へのコーチング活動を開始した方がよいのでしょうか?

 未来のクライアントさんの利益を最大にするということを考えると、どうするべきか迷ってしまいます。

 

 vol.1;「走りながら考える」 理論編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32496942.html

 vol.2;「走りながら考える」 コーチング実践編・自由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32510309.html

 vol.3;「走りながら考える」 コーチング実践編・縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32548402.html

 vol.4;「走りながら考える」 同時並行“の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32562546.html

 vol.5;走りながら考えるのは「〇〇〇〇」、その時気をつけるのは「〇〇」

 

 

A5:前回は「IQIntelligence Quotient)」という視点で、“同時並行”の意味について考えました。

 

 IQとは、「情報空間における操作能力」であり、「抽象度の高い空間で、五感をともなう身体的な操作ができる能力」であり、そして「仕事で結果を出せる能力」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

自分の仕事上のIQが高まっているかどうかを調べる方法があります。それは「今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?」という自問自答(内省言語)。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 その自問(今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?)は、「走りながら考える」ためにもとても重要です。なぜでしょう?

 

 

 前回(Q-347)は、苫米地博士の著書「あなたの収入が必ず増える!! 即断即決『脳』のつくり方」(ゴマブックス、p135)から引用しました。

 

 

あなたの収入が必ず増える!! 即断即決『脳』のつくり方

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: あなたの収入が必ず増える!! 即断即決「脳」のつくり方 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

 

 その書籍の中で、苫米地博士は2種類の知識に言及されています。1つは「抽象化された知識」、もう1つは「自然界で起こっている現象、目の前で起こっているありのままの現象を理解するための知識」です。

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 そのような知識体系を探るのがIQの役割のひとつ。

 ところが、目の前の現象をありのままに見るというのは簡単ではありません。1つ目の「抽象化された知識」を一度頭の中から取り除いた状態で目の前の現象を見なければ、“ありのままに見る”ことができないから。必ずスコトーマが生じてしまうのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 私たちは、常に、すでに持っている「知識(既成概念、信念)という色眼鏡」を通して目の前の世界を認識しています。「知識(既成概念、信念)」がブリーフシステム(BSBelief System)で、「色眼鏡」がRASReticular Activating System)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

今回の御質問に対する私の回答は「走りながら考える」。考え続けるものを突き詰めると、それは「現状の外」だといえます。それは「知識(既成概念、信念)という色眼鏡」を外してはじめて見える世界であり、ブリーフシステムを再構築することで認識できる新たな宇宙です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 ブリーフシステムが変わらないまま続く時間軸上の未来は、本当の未来ではなく、「現状」(のまま)です。本当の未来とは「ゴールを達成している世界」のこと。だから「今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?」という内省は、とても重要な問いかけになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 もしも去年の自分でもできることをやっているのであれば、それは「現状」の中に留まっているということ。その理由は「そもそもゴールがない」か、「ゴールをすでに達成している」かでしょう。いずれにせよ、そのままではエネルギーと創造性を失っていきます。

 Q-178:家族ががんで治療中です… -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 「自分自身の人生を変え」ながら「コーチング活動」を行っていると、縁あるクライアントさんはどんどんゴールを実現していくことになります。すると、かつての夢の世界、すなわちゴール側のコンフォートゾーン(CZComfort Zone)で幸せに包まれていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

もちろん、それはとてもすばらしいことです。しかしながら、そのCZは強力な「現状維持の壁」となって、さらなる進化・向上を妨げてしまいます。だから

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 「現状の外」を志向し続ける!

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp176)から引用します。コーチ自身が「現状の外」を志向し続け、クライアントさんにも「現状の外」を考え続けてもらうのですが、そのときに気をつけるべき注意点があります。それを想像しながら読み進めてください。

 

 

現状の外のゴールの作り方

 コーチングのメソッドの多くは、いまいった「いままでのコンフォートゾーン」から出るためのものでもあるのです。そして、その方法とはすでに本書でも提示しているように現状の外にゴールを作ることです。

 ところが、この現状の外にゴールを作ることはなかなか難しいのは前述した通りです。とてつもなく大きなゴールを作りましょう、という言い方をする時もありますが、通常ではなかなか設定できません。そんな中でどうやって現状の外にゴールを設定すればいいのでしょうか?

 一番確実なのはコーチングを受けることです。第1章でも言ったようにコーチはもともとクライアントの現状の外にいますから、現状の外のゴールを設定できるように導くことができます。ですから、一番の近道はコーチに頼むことです。

 とはいえ、クライアント自身が現状の外のゴールがどういうものか知っておくことも大切です。現状の外のゴールがどういうものかを理解していればコーチングはよりスムーズに進むでしょう。

 それではまず、現状の外側にゴールを設定する場合の要点を見ていきましょう。重要なことはさきほども言った利他的なゴールであるということです。自分だけが得するゴールを設定しているうちは現状の外に出ることはかなり難しいでしょう。

 そもそも現状というのは現在のコンフォートゾーンであり、コンフォートゾーンとは排他的な空間なのです。排他的とは言葉を換えれば、利己的もしくは自分と自分の仲間だけが得すればいいという空間です。その空間から出るためには排他をやめることが肝要となります。つまり、利他的な思考を巡らせることがいまのコンフォートゾーンから自然に出ることになるのです。

 これまで何回も例にしてきましたが、元水泳選手のマイケル・フェルプスのゴールは「水泳をアメリカのメジャースポーツのひとつにし、アメリカ人の健康促進のために尽くす」でした。

 私のゴールも「世界から戦争と差別をなくす」です。ルー・タイスのゴールも私と同じものでした。ルーの場合は紛争地域に行って争う両派の代表と会って「ルーがそう言うなら争いをやめよう」ということで紛争をおさめたことまであります。

 現状の外のゴールは確かに設定するのは難しいでしょう。それはあまりにも大きすぎてリアリティが湧かないからですが、本質的には利他的なことを考えていけばいいだけなのです。

 例えば、「自分がお金持ちになる」「プロのサッカー選手になる」などといったゴールを実現させるのは確かに簡単ではありません。しかし、大きなゴールかと言われれば、それほどでもありません。なぜなら、自分だけのゴールはどこまでも自分だけのものだからです。

 お金持ちになりたいのであれば、「なんのためにお金持ちになるのか」を考えてください。「儲けたお金をどう使うのか?」を考えてみてください。「そんなことはお金を手にしてから考える」ではダメなのです。そんな考え方だからお金の奴隷のような人になってしまうのです。

 第1章で述べたように、お金はただの道具で、それをどう使うかが問題なのです。そして、お金は社会に貢献するために使うものです。お金というシステムがない時代、私たちは自分の機能を共同体に提供していました。お金があるいまの時代もそこに変わりはありません。利他的になるというのは「そういう当たり前のことを思い出してください」ということなのです。

 どうですか? 現状の外にゴールを設定するためのヒントになりましたか?

 あとは自分の機能と相談しながら何を社会に提供できるのかを考えればいいのです。単純に「私は〇〇をすることで人の役に立つ」でもいいでしょう。〇〇の部分に何を入れるかはその時点で夢中になっていることでもいいのです。そこから始めれば、現状の外にゴールを設定することはそれほど難しいことではないはずです。

 引用終わり

 

 

    現状というのは現在のコンフォートゾーン

    コンフォートゾーンとは排他的な空間。排他的とは、利己的もしくは自分と自分の仲間だけが得すればいいという空間

    その空間から出るためには排他をやめることが肝要となる

    利他的な思考を巡らせることがいまのコンフォートゾーンから自然に出ることになる

 

 利他的な思考 → 現状の外の志向 です。

 それは抽象度が上がる方向性への変化を生みだしますが、そのとき問題になるのがお金への執着です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そう、「現状の外」を考えるときに気をつけるべき注意点とは、「お金」。

「お金はただの道具であり、それをどう使うかはゴールにより決まる」ということをしっかり教えてあげてください。「Goal comes 1st.」とともに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 お金ではなく、利他的なことを考え続ける

 

 それをしっかり伝えることが、「未来のクライアントさんの利益を最大にする」ための大事なポイントだと思います。

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 先月(20239月)から、月刊誌「サイゾー」にて、苫米地博士の連載がはじまりました。タイトルは「ドクター苫米地に聞け! 僕たちは洗脳されているんですか?」。

 記念すべき第1回のテーマは「ビッグモーターの不祥事は『洗脳集団』の暴走ですか?」。

 

 博士は「一部の日本人の倫理観の欠如の表れ」と語られています。その本当の問題(case)と解決(plan)について、ぜひ御確認ください↓

 Amazon.co.jp: サイゾー 2023年11月号 [雑誌] eBook : サイゾー編集部: Kindleストア

 

 

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今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は11/26(日)の予定です。10月下旬に御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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I-110:なぜやる? なぜやめない? ~ブログ投稿スケジュール変更のお知らせ

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L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

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Q-169~:自身の信念を失いそうです

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Q-332:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.73つのケースとケース別プラン>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32012561.html

 

 

オーセンティック・コーチング




F-311:デジタル自傷行為 <case-side -1;ブリーフシステム・RAS&スコトーマ>

 

 「デジタル自傷行為」という概念をご存じですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 デジタル自傷行為とは、「ソーシャルメディアに匿名で自分を傷つけるような内容の投稿をしたり、それを他者に送ったり共有したりする」というもの。

 

 米ウィスコンシン大学オークレア校Cyberbullying Research Centerの研究(2019年)によると、米国の中高生4972名の調査によって、1)8.6%の生徒が自分に関する意地の悪い投稿をしている、2)5.1%が自分に対するネットいじめを経験している ことが明らかになったそうです。

つまり、約9%の若者がデジタル自傷行為を行っているということ。

 さらには、デジタル自傷行為経験者は、1)死にたいと思う(自殺念慮)確率が5~7倍高く、2)実際に自殺を図る(自殺企図)確率が9~15倍高い こともわかりました。

 

 「デジタル自傷行為」を生みだした現代社会が抱える課題(case)と解決(plan)について、コーチとして考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 case-side -1;ブリーフシステム・RAS&スコトーマ

 

 

 「約9%の若者がデジタル自傷行為を経験」「自殺念慮5~7倍」「自殺企図9~15倍」という事実(data)は、とても衝撃的に感じられると思います(claim)。決して少なくない若者が死にたいほど苦しんでいるということだから(warrant)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 衝撃的なのは私も同じなのですが、その一番の理由(point of view)は一般とは大きく異なるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

このブログをお読みの皆さまには理解していただけると思いますが、私には問題の本質がスコトーマに隠れてしまっているように感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ディベートでいうならクリティーク(Kritik)。「前提となっているパラダイムそのものが違う(おかしい)」という感じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

実際のところ、コーチとしての私が驚いたのは、「約9%」という数字の少なさです。

私には、若者だけでなく、大人まで含めたほぼすべての人が“デジタル自傷行為”を行っているように感じられます。そうとは知らずに。

Q-327:最近「記憶が抜ける」ようなvol.2;感情が起こるメカニズム -後編-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

皆さんはどうですか?

 

 

 一般的な「デジタル自傷行為」という概念は、おそらく、認知科学者 苫米地英人博士がおっしゃる“第0世代”をベースとしたもののはず。それは「物理空間がある(情報空間はスコトーマに隠れがち)」「自分がいて、他人がいる」という機械論(&決定論)的な世界観です。

関係と存在でいうと、「存在があり、関係が生まれる」というもの。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 そのような“第0世代”に対して、現在の苫米地理論は“第3世代”。「物理空間と情報空間は抽象度の違い(物理空間は情報空間の底面)」「自と他の違いはなく、その本質は空(くう)」と考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「空」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 関係と存在でいうと、「関係が存在を生みだす」という縁起。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリはない)」「すべて心(マインド)が生みだしている」というプリンシプルに至ります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 *「すべて心(マインド)が生みだしている」はこちら↓

 F-2333錠じゃないと飲まん! <後編:排中律を昇華させるポイント>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28402002.html

 

 

 クリアでしょうか?

 少し具体的に考えてみましょう。

 

 通常、「行為」とは、物理空間での行動のこと。その物理空間での行動を、情報空間では「思考」と呼びます。

 苫米地博士がよくおっしゃっている表現でいうと、「思考は情報空間での運動」です。

 Q-302:「死が迫る老人を慮りながら、目の前の世界をよりよくしていく感じ」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30818379.html

 

 とても大切なことなので繰り返しますが、「物理空間と情報空間は抽象度の違い(物理空間は情報空間の底面)」です。つまり、「脳と心」「体と心」でひとつ。「行動(運動)と思考」でひとつです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 それが理解できると、「ほぼすべての人が“デジタル自傷行為”を行っている(そうとは知らずに)」の意味がわかるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

「『行動(運動)と思考』でひとつ」を、“第2世代”である超情報場理論のフレームで表現し直すと、「物理空間での行動(real performance)は、情報空間での思考(self image self talk)の写像」。

 Q-155191019/20 鹿児島セミナーレポート -12QA vol.3

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23604469.html

 

 それなのに、一般的な「デジタル自傷行為」という概念は、高次の情報空間がスコトーマに隠れ(lock out)、底面である物理空間ばかりに囚われています(lock on)。

 

きっとソーシャルネットワークという情報空間への書き込みを「デジタル行為」としているのだと思いますが、その書き込み自体は物理空間での行動(real performance)のことです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 そうではなく、情報空間での行為のことを“デジタル行為”というのであれば、それは思考(self image self talk)そのものの話です。つまり、自分に対してネガティブなイメージや内省言語が生まれた時点で“デジタル自傷行為”だということ。

 Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html

 

 *「内省言語」はこちら↓

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 それが「ほぼすべての人が“デジタル自傷行為”を行っている(そうとは知らずに)」という理由。そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 御承知のとおり、BSとは、人の行動や行動性向といわれる無意識の行動を決めるシステムのこと。BSは「強い情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でつくられています。つまり、過去。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 脳の記憶特性は失敗駆動型であり、“失敗”であるほど強く記憶されます。“失敗”とは「予想と違う」「予期とは異なる」ということであり、必ずしもネガティブを意味するわけではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 しかしながら、人が実際に思い出すのは痛みを伴うネガティブな記憶ばかり。そうですよね?

 

その記憶には「辛い」「悲しい」「悔しい」「許せない」「情けない」といったwetな情動がべったりと張り付いています。ラベリングでいうと「D」です。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 さらには、その記憶には「他人の視点」や「社会の価値観」といった“外”からのモノサシがたっぷりと刷り込まれています。つまり、「私は“本当の私”ではない」ということ。本当は誰もが「無人運転」「自動運転」のままです。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 私たちの目の前の世界は、シンプルにいえば、各自のBSが生みだしています。

先程、情報空間での行動(運動)が思考であると書きました。その思考とは、「記憶と情報の関連性を無作為に組み合わせていくもの」でもあります。

つまり、思考がイメージ(I)と臨場感(V)を生みだし、現実(R)をつくりだしているのです。そうとは知らずに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 以下、苫米地博士の著書「現代洗脳のカラクリ 洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用」(ビジネス社)の第2章(p71~)から一部を引用します。ブリーフシステムとRAS&スコトーマ、そして洗脳との関係性を感じながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

網様体賦活系 = Reticular Activating System

 私たちは自分の見ている世界が現実で、目の前の世界は正しいと思っています。しかし、それは大きな錯覚です。

 私たちは誰一人として現実世界など見ていないのです。自分が見たいと思っているもの、重要だと判断したものしか見えていません。

 というのも、人間の脳の基底部に網様体賦活系(RASReticular Activating System)という、不要な情報をフィルターするシステムがあり、RASは特定の情報(例えば自分の趣味に関する情報など)だけを抜き出して、あとは認識にあげないようにしているからです。

 ですから、男性は妻が妊娠すると妊婦が街に多いことに気づくのです。当然ながら突如妊娠ブームが起きたわけではありません。彼の妻が妊娠する前から街には妊婦が多かったのです。

 ところが、妊婦に関する事柄に男性は無関心ですから気がつかないのです。目の前に妊婦がいてもわからないし、マタニティマークをさげた女性がいても、そのマークが目に入りません。自分の妻が妊娠し、妊娠に類することに興味を持ったことで初めて、それが“見える”ようになるのです。

 人は、「これが大事だ」と思わなければ、認識できないのです。

 

RASがあるから洗脳される

 その最も有名な例がカクテル・パーティー効果と呼ばれるものです。

 カクテル・パーティーでは多くの人が同時にさまざまなことをしゃべっています。横の2人、後ろのグループなどがまったく違う話題を話しているのが普通です。そんな喧騒の中でも私たちは目の前の人との会話が成立するのは、不要な情報を遮断しているからです。

 もちろん、周りの会話は耳には入ってきますし、人々の動きも見えます。しかし、それを認識するかどうかはRASにおける重要度が判断し、重要でなければ情報として入ってきても意識にはあげないのです。逆に何でもかんでも意識にあげてしまったら、わずらわしくて会話など成立しません。

 そもそも人の世界は情報の渦です。目に見えるもの、聴こえるものをすべて認識していたら、とてもではありませんが生活などできないでしょう。

 重要ではないものは見ているようで見ていない。大した話でなければ聞き流す。こういったことをしていかなければ脳の情報処理は追いつかないのです。

 ですから、その情報が重要かどうかの取捨選択は、人が生きていく上で、なくてはならない機能となります。

 ところが、RASのこの機能こそが人を洗脳に導いてしまうのです。

 重要な情報を認識する能力があるがゆえ、人は重要な情報を見逃してしまうのです。

 引用終わり

 

F-312につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 そのような“第0世代”に対して、現在の苫米地理論は“第3世代”。「物理空間と情報空間は抽象度の違い(物理空間は情報空間の底面)」「自と他の違いはなく、その本質は空(くう)」と考えます

 

 詳しくいうと、“第1世代”が「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 “第2世代”が「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 そして、“第3世代”が「生命素粒子理論」。知能の正体にまで迫る理論です。

 Q-330:最近「記憶が抜ける」ようなvol.5;イメージの限界が自分の限界>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31958269.html

 

 

-追記2

さらには、その記憶には「他人の視点」や「社会の価値観」といった“外”からのモノサシがたっぷりと刷り込まれています。つまり、「私は“本当の私”ではない」ということ。本当は誰もが「無人運転」「自動運転」のままです

 

 …だから、「デジタル自傷行為」という概念中の「自」そのものの再構築が必要。私は“本当の私”ではないのだから。

 Q-169~:自身の信念を失いそうです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 

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-関連記事-

F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

F-030:「人間関係が嫌になった」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9188068.html

F-037:「もうおねがい ゆるしてください」 ~心の傷はやがて脳の傷になってしまうという科学的事実~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10114934.html

F-093:安全行動

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18223480.html

F-156:人間関係リセット症候群

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23823944.html

F-157:指一本でも役に立ちたい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

 

現代洗脳のカラクリ

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F-281:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~ <前編;疑心暗鬼>

 

 すべての国民にとっても、家族観や価値観や、そして社会が変わってしまう。こうした課題です。

 

 これは国会で「同性婚をなぜ認めないのか?」と質問された際の岸田文雄首相の発言です(202321日)。このコメントを聞きながら、私は「社会が変わってしまう」ことに対する首相自身の危機感や嫌悪感を感じました。コーチング関連用語でいうと「認知的不協和」でしょうか。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 医療従事者でもある私の立場でいうと、社会はとっくに変わってしまっています。しかもダイナミックかつシビアに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私自身の認知的不協和を掘り下げながら感じたことをまとめます。

 

 <前編;疑心暗鬼>

 

 

 ほんの3年前(2020年)は“沈黙の春”でした。それが現在は完全ににぎわいを取り戻しています。

 F-139:沈黙の春

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22636357.html

 

 ものすごい数の人たちが今も亡くなり続けているというのに。

(詳細は「ドクターシミズ」さんのブログで御確認を↓)

 2023年1月超過死亡数大爆増 デマだと思うのは自由です(2023.02.17 データ追加) – ドクターシミズのひとりごと (promea2014.com)

 

 その変化を引き起こしたのは人々の意識の変化。中でも一番は“慣れ”でしょう。

 Q-257:私、立ち直れるかな? <中編;組織~社会の視点で>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28703188.html

 

この状況にすっかり慣れてしまった一般社会と、どんどん疲弊している医療・介護現場との間に、今、とても大きなギャップが生じています。

 そのギャップはますます現場を緊張させます。医療・介護現場に携わる方々は、今後さらに「Fight or Flight」に陥りやすくなるはずです。老病死に苦しむ患者さんやその家族とともに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 人々が慣れてしまったのは感染症だけではありません。私が危惧しているのは“コロナワクチン”と呼ばれている試験薬。20212月、当時の菅義偉首相は治験のプロセスを省略し、特例承認という形で“ワクチン”接種を開始しました。

 

 厚労省のHPを確認すると「新型コロナワクチンの臨床試験(治験)が終わっていないというのは本当ですか」という疑問に対して、「新型コロナワクチンは、臨床試験(第Ⅲ相試験)で、有効性と安全性に関して厳格な評価が行われた後に承認されています。その上で、効果の持続性等を確認するために、臨床試験の一部が継続されています」という回答が書かれています。

 

 

厚労省HP「新型コロナワクチンQ&A」

厚生労働省HPより引用

厚労省HP>新型コロナワクチンQA>これは本当ですか?

これは本当ですか?|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 

 このように書かれると、きっと多くの方々が「有効性と安全性の検証がしっかり行われている」と信じるはず。しかし、とても残念なことに、科学的な検証は最初から放棄されています。

  

 “ワクチン”接種がはじまる3か月前(202011月)、日本薬剤疫学会、日本疫学会、日本臨床疫学会、日本ワクチン学会は「新型コロナウイルスワクチンの安全性確保に関する4学会共同声明」を発表しました。その主旨は「ワクチン被接種者全員を登録・追跡するシステムを構築し、接種記録の共有と接種後の転帰の確認を可能とする」こと。
 いわゆる「レジストリ(登録)制度」の整備を訴えたのです。

 新型コロナウイルスワクチンの安全性確保に関する4学会共同声明

 Microsoft Word - COVID19_jointstatement20201127Japanese (mhlw.go.jp)

 

 ところが、政府および厚労省は専門学会の提言を完全に無視しました。その結果、詳細な分析や検証は不可能な状況に陥っています。

 

 先日(2023128日)、菅政権でワクチン接種推進担当大臣を務めた河野太郎氏が「(新型コロナのワクチン接種に反対する)運動を行っている方々のほとんどは科学的に根拠のない話を繰り返している。デマを通じて接種を妨げるのは慎んでいただきたい」と発言しました(現在は「所管外」のはずですが)。

 反ワクチンに根拠なし 河野デジタル相が演説 - 産経ニュース (sankei.com)

 

 トゥールミンロジックでいうと、「『データ(data)やワラント(warrant)がない』というクレーム(claim)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 問題はまさにそこ!

 

 そもそもの話でいうと、「メッセンジャーRNAmRNA)と呼ばれる天然化学物質の人口複製物を使用して免疫反応を起こす」という今回の“ワクチン”は、人類史上初めて用いられている技術です。本当の効果(solvency)や長期的な安全/危険性(disadvantage)は、まだ誰にもわかりません。つまり、「デマ」と断言することがデマ !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

 だからこそ、「ワクチン被接種者全員を登録・追跡するシステム」を構築し、長期的にフォローする必要がありました。
 「科学的に根拠のない話が繰り返される」根本的な要因は、システムを構築しなかったことにあります(inherency)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 その当然の帰結として、私のまわりでもこのような言葉がとても増えています

 

 “ワクチン”接種が、いいのか、悪いのか、わからない

 

 それはゲシュタルトができていない(あるいは崩壊した)状態。繰り返しますが、その原因は「データ(data)やワラント(warrant)がない」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「ゲシュタルトができていない(あるいは崩壊した)」という不安定な状態だと、動物的な大脳辺縁系優位になってしまいがち。皆さんのまわりでも「戦うか、逃げるか」のような言動が増えていませんか?

 F-231~3錠じゃないと飲まん!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418468.html

 

 その一方で、前頭前野での思考により抽象化が行われ、「ワクチン全部が信じられない」「医療が信じられない」といった不信も高まっているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 一言でいうと「疑心暗鬼」。

これはとてもまずい状況です。RASが“悪いこと”ばかりを拾い上げ、“良いこと”をスコトーマに隠してしまうから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 世界全体が「絶望」に飼い慣らされていく

 

 そのような社会にとっくに変わっている気がします。

 

 

 私は、このような厳しい状況だからこそ、“希望”を大切にするべきだと思っています。

 PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 次回、その“希望”をキーワードにお届けします。

F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

あるワクチンの話です。

 

F-282につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

この状況にすっかり慣れてしまった一般社会と、どんどん疲弊している医療・介護現場との間に、今、とても大きなギャップが生じています。そのギャップはますます現場を緊張させます。医療・介護現場に携わる方々は、今後さらに「Fight or Flight」に陥りやすくなるはずです。老病死に苦しむ患者さんやその家族とともに

 

 そのような厳しい現状に対して、私が意識しているのが”風通し“

 

 コロナやインフルエンザといった感染症への具体的な対策(生物学的レベル)としてだけでなく、個人の心でも(心理レベル)、組織や社会といった次元でも(社会レベル)、“風通し”が重要なはず。

 F-186:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -033つの“感染症”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25734821.html

 

 そんな“風通し”のイメージを言語化してみました↓

 F-276~:L下でのBSB

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423822.html

 

 

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 第11回目(R5.3/5開催)のテーマは「リーダーシップ」。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30729325.html

 

 

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-関連記事-

I-092:【重要】「[超党派議連]ワクチン大議論会 2022.10.18」動画のお知らせ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29928102.html

I-098:【重要】大切な人の命を守るために ~新型コロナワクチンに関する情報(リンクあり)の御紹介~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30221437.html

F-071~:「糖尿病リスク予測ツール」に思う

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_319922.html

F-146~:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_401494.html

F-215:これりすくん

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27469761.html

F-216:激烈な腹痛の最中に得たインスピレーション -真夜中に、一人きりで-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27521647.html

 

 

 

F-268:「Classic」 後編;縁起+RAS&スコトーマ

 

 子どもの頃、私は「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031488.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031602.html

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて書いたのがこのブログ記事↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 そして、第2弾が前々回までのこちら↓

 F-257~:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421948.html

 

 “あの頃”とは80年代から90年代にかけて。

 そんな私の青春時代によく聞いていたのがカナダ出身のミュージシャン ブライアン・アダムス(Bryan Guy Adams1959~)です。

苫米地博士と同じ63歳にして現役バリバリのロッカーであり続けるブライアンは、今年(2022年)3年ぶりのアルバム「So Happy It Hurts」を発表し、最近ベスト盤「Classic」をカップリングした2枚組CDとして再リリースしました。

 その「Classic」を縁に湧き上がったインスピレーションを言語化します。

 

 前編;トリガー&アンカー+ゲシュタルトwith時間の流れ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30112410.html

 後編;縁起+RAS&スコトーマ

 

 

 前回御紹介したとおり、「Classic」では、昔の曲をオリジナルと同じように(アレンジなしで)演奏し、“あの頃”と同じように歌っています。60代となったブライアンの“今”の声で。

 

 そんな「Classic」誕生には、2つのきっかけ(縁)があったそうです。1つはレコード会社にマスターテープ返却を断られたこと。もう一つはテイラー・スウィフト(Taylor Alison Swift1989~)の存在です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 マスターテープ返却を断ったレコード会社とはユニバーサル(Universal)。20086月に米国のUniversal Studiosで火災が発生し、膨大な数のマスターテープが焼失したと噂されています。ブライアンのマスター音源も含まれていて、そもそも返却できない状況だったのかもしれません。そのような状況(case)に対してのブライアンの解決(plan)は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

じゃあ、新たに録りなおそう!

 

過去に囚われない未来志向で、この「Classic」の企画は動きはじめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 その時参考にしたのがテイラー・スウィフトだとブライアン自身が語っています。

 親子ほど年が離れた二人のつながりは意外ですが、20188月に行われたテイラーのライブにブライアンが飛び入り参加しています。二人で「Summer of ‘69」を歌っている映像がこちら↓

 Taylor Swift, Bryan Adams - Summer of ‘69 (Live from reputation Stadium Tour) - Bing video

  

 その翌年(2019年)、テイラーは過去に所属していたビッグマシン・レコードとスクーター・ブラウン(Scott Samuel ScooterBraun1981~)から過去の楽曲の使用を阻まれていることを公表しました。

 ことのはじまりはテイラーの“天敵”スクーターがビッグマシン・レコードを買収したこと。アルバムの原盤権を所有したスクーターから過去の楽曲を歌うことを禁じられたというテイラーは、過去作品を全て再録音することで楽曲の権利を取り戻すと宣言。そして、2008年発表の「Fearless」と2012年発表の「Red」の再録盤を2021年にリリースしました。

 きっとその一連の行動を生みだした“エネルギーと創造性”がブライアンに“感染”したのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 *“感染”のメカニズムはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 テイラーの話はなんとなく聞いていましたが、ブライアンの行動に大きく影響していたとは知りませんでした。「Classic」を縁にスコトーマが外れました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

スコトーマといえば、じつは、「So Happy It Hurts」は日本未発売。

 それなのに予約ができたのは、私のブライアンに対する重要度が高く、RASがオープンだったから。リリース情報をしっかりキャッチすることができました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 ところが、キャッチできていない重要な情報があったことを、このブログを書きながら知りました。「So Happy It Hurts」発売の1週間前に、ブロードウェイで上演されたミュージカル「Pretty WomanThe Musical」に提供した楽曲のセルフカバーがリリースされていたのです。さらに「Classic」の第1弾もその頃リリースされていました。

わずか1ヶ月の間に3つのアルバムが連続リリースされていたとは

 

 私にとってブライアンの重要度は高いはずなのに、なぜアルバム発売の情報を見逃したのだろう?

 

 止観して気付いたのは「重要度の違い」。もっと正確に表現すると、「一段低い抽象度での重要度の違い」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

じつは「So Happy It Hurts」以外の2つはデジタルリリース。

 私のRASCDという物理的実体である「So Happy It Hurts」はキャッチしましたが、情報的存在であるデジタル版の「Pretty WomanThe Musical」と「Classic」は逃しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 過去の情動記憶によって作られたブリーフが強固だからでしょう。CDという情報記録媒体へのこだわりの強さが、デジタル版の存在をスコトーマに隠してしまったに違いありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 じつは私が初めて購入したCDはブライアン・アダムスのアルバム。ずっと欲しかったCDプレーヤーをやっと手に入れた時、最初の1枚に選んだのが「Reckless」でした。

ドキドキしながら封を開け、キラキラ光るCDを慎重にトレイに載せ、再生ボタンをプッシュ。すぐに聞こえてきた「One Night Love Affair」のイントロ

 

 “あの日”の感動は、今もはっきり覚えています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516364.html

 

 あれから40年ほどの時が流れ

若者とも楽しげに交流し、デジタル化にも余裕で適応しながら、今もエネルギッシュに活動し続ける“18 Til I Die”のブライアン・アダムスは、今も私の中で輝き続ける“Star”です。

 F-038~:「若いうちはやりやりたいこと なんでもできるのさ♪」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 ブライアン・アダムスに関する小ネタを4つ。

 

 今年(2022年)、日本でも大ヒットした「Top GunMaverick」。その1作目は1986年に公開され大ヒット。ケニー・ロギンス(Kenny Loggins)が歌う主題歌「Danger Zone」も大ヒットしました。じつは、最初に主題歌のオファーを受けていたのはブライアン。作品のコンセプトを知った直後に断ったそうです。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 「Top Gun」は断ったブライアンですが、その後手掛けた映画の主題歌が大ヒットします。「(Everything I doI do it for you」(ロビン・フッド/Robin HoodPrince of Thieves1991年)、「Have You Ever Really Loved a Woman?」(ドンファン/Don Juan Demarco1995年)、「I Finally Found Someone」(マンハッタン・ラプソディー/The Mirror Has Two Faces1996年)等々。
 私にとっての特別な1曲は「All For Love」(三銃士/The Three Musketeers1993年)。スティング(Sting)、そしてロッド・スチュワート(Sir Roderick David Rod Stewart)との夢のようなコラボ曲です↓

 (174) Bryan Adams, Rod Stewart, Sting - All For Love (Official Music Video) - YouTube

 

 「サントラ職人」とまで評されたブライアンですが、映画関連楽曲を集めたベスト盤の発売は拒み続けているそう。その理由は「バラードばかり」だから。

Rock」がセルフイメージであり続けるブライアンにとって、人々から「Ballad」というイメージで見られることは受け入れられないのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 最後の小ネタも映画関連。私の大のお気に入り ハンス・ジマー(Hans Florian Zimmer)と映画「SpiritStallion of the Cimarron」でコラボしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

 

もう1つ追加します。ブライアンの“夢のコラボ”といえば、やっぱりこちら↓ It’s not funnyw

(174) Bryan Adams and Tina Turner - It's Only Love - YouTube

 

その15年後が↓

 (174) Tina Turner & Bryan Adams - Live London (1999) - Full Performance I HD 1080p - YouTube

 

 

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 R4.11/27に開催する予定だった第8回(「現状の外」)は、急なスケジュール変更のため中止とさせていただきます。御了承ください。

 

 

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-関連記事-

F-064:「第九」に込められたベートーベンの思い

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F-076Ya Ya(あの時代を忘れない)

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F-128Fading Like a Flower

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21580684.html

F-225Don’t look back in anger

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28015120.html

F-252It’s my life~No goals, No life~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29304282.html

 

classic




Q-280:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました <後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

前編と後編とでまったく違う回答になります。

もしも混乱したなら、その混乱自体を楽しんでください。Rがゆらぐことで、新たなゴールを見つけやすくなるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *「Rゆらぎ」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

気楽にどうぞw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 前編;RAS=情報のフィルター機能

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29637526.html

 後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム

 

 

Q:これまでの説明を聞いていて、RASとスコトーマの話は認識しているものの中から何を選ぶかという話だと思っていました

 

A2:前回は「RAS=情報のフィルター機能」というゲシュタルトで回答しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

ゲシュタルト(Gestalt)とは「全体性を持ったまとまりのある構造」のこと。全体の意味は、部分の構造的な一方向の組みあげからくるのではなく、意味のある全体として存在していると考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 例えば、「ルビンの壺」でいうと、「壺」という認識や「向き合った人の顔」という認識がゲシュタルト。「壺」(全体)では模様(部分)に思えたところが、「向き合った人の顔」(全体)では鼻や口(部分)に見えてきます。

 

 

ルビンの壺(Wikipedia)

「ルビンの壺の一例」

Wikipediaより引用

 

 

部分の意味はゲシュタルトが決め、ゲシュタルトは同時に1つしか維持できません。

つまり、ゲシュタルトが意味を決め、ゲシュタルトが変わると意味が変わるということ。

Q-199:状況は意味により変わる? 意味は状況の中にある?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26292382.html

 

 「RAS」という概念はひとつのゲシュタルトであり、「スコトーマ」もひとつのゲシュタルトです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

人間はゲシュタルト同士をより大きなひとつのゲシュタルトに統合することができます(connect the dots)。それが人間が持つ「ゲシュタルト能力」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルト同士を統合してより大きなゲシュタルトをつくるほど、理解はどんどん深まっていきます。“意味”がわかるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

ではここで、認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)を確認してみましょう(p101)。

 

 

オーセンティック・コーチング

 

 

前回(Q-279)引用した部分で、苫米地博士は「RASは)重要なものを活性化している」「意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステムがRAS」と書かれていました。

 よって、「認識しているものの中から何を選ぶか」で正解です。より正確に表現しなおすと、「無意識下で認識しているものの中から何を意識に上げて選ぶか」。

 

その新たなRASの定義でゲシュタルトを再構築してみましょう。鍵は「無意識のコントロール」です。ぜひ「しっかり感じて(feel!)、しっかり意識に上げる」をハビット化してください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 以下、「オーセンティック・コーチング」から引用します。

 

 

 ◎無意識をコントロールする

 RASは自分のリアルタイムの重要性で意識に何を上げるのかを選択します。大切なのは、それを自分でコントロールできるものにするか、しないかなのですが、基本的に私たちは無意識の世界をコントロールできません。

 では、「無意識」は絶対にコントロールできないのか、といえばそんなこともありません。例えば、呼吸です。普段、私たちは無意識に呼吸を行っていますが、意識に上げてコントロールすることもできます。早く息をしたり、息を止めることは誰でもできます。

 歩行に関しても、普段は無意識にバランスを取っていますが、足場の悪いところを歩く時には意識してバランスを取ることができます。

 さらに言えば、心臓の鼓動も訓練次第でコントロールできます。私の友人のヨーガの行者 成瀬雅春氏は心臓の鼓動をほとんど止めることができますし、スイスなどにいる時計職人たちも同様に心臓をほぼ止めて機械式時計を組み上げています。

 つまり、無意識を意識することは可能なのです。

 とはいえ、いまからヨーガを始めてください、時計職人になりましょう、という話ではありません。もちろん、やりたいのであれば止めはしませんが、ポイントは「無意識を意識することは可能である」と知っておくことです。

 無意識はコントロールできるんだ、とわかっていれば、コントロールはだいぶ楽になります。呼吸をコントロールする訓練から始めていけば、無意識のコントロールは誰でも可能となります。

 呼吸のコントロールができるようになったら無意識と意識の境界で一部だけは意識して、一部だけは無意識にするようにしてください。要はテニスの素振り、バットの素振りと同じです。徹底的に意識的なコントロールを繰り返して無意識化することで無意識の操作を可能にしていくのです。大切なのは「無意識の存在」を意識することです。

 この辺の感覚がわかってくるとヨーガの達人のように背骨の骨の一つひとつを動かせるようにもなります。初めは当然できませんが、背骨に意識を集中して身体の曲げ伸ばしをしていくことで背骨の骨の一つひとつを動かせるようになるのです。

 そうやって身体を精密にコントロールすることによって、無意識のコントロールは可能になっていきます。

 引用終わり

 

  

 ゲシュタルト・モデルのエッセンスは、「自我の存在を分析的にとらえず、環境との総体的な関わりあいのなかでとらえる」こと(「洗脳原論」p72)。そのゲシュタルトを破壊することが、洗脳の典型的手法のひとつです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 今、いきなり“洗脳”という言葉がでてきてびっくりしているのでは?w

 じつは“洗脳”は特別なことではなく、ごく身近にも潜んでいる日常的な出来事です。

 

そもそも「わたし」というセルフイメージ=ブリーフシステム=自我そのものは情報に過ぎません。いわば幻想です。その「わたし」を破壊することが洗脳のひとつ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 コーチングの観点でいえば、未来(ゴール)側からの「わたし」の創造的破壊です。

 L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

最近、苫米地博士は「“洗脳技術”は個人のゴール達成に極めて有用」と話されました。そして、「その前に”1億総脱洗脳“が必要」とも。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *詳しくはこちら(「バラいろダンディ」2022822日)↓

 "洗脳"のリスクをよく理解して認知戦の現代を生き抜け Dr.苫米地 2022年8月22日 - YouTube

 

 

220822 洗脳(バラダン)-5

「バラいろダンディ」(TOKYO MX2022822日放送回)より引用

 

 

 苫米地博士は「脱洗脳において、この破壊されたゲシュタルトを正常化することは、デプログラミングそのもののプロセスというより、洗脳の後遺症を解決するという意味合いが強い」と述べられています。なぜなら、ゲシュタルト破壊は、教義や思想の刷りこみという洗脳の中心的な役割に比べると、現実世界からの切り離しという補助的なものであるからです(「洗脳原論」p74)。

 

 とはいうものの、ゲシュタルト破壊による人格破壊を解決しなければデプログラミングが終了したとはいえないため、ゲシュタルトはしっかり正常化する必要があります。

 その正常化のポイントになるのが「無意識を意識に上げる」こと。

 F-163:アンチからウィズ、そしてウェルへ vol.1「生」;好きなことだけやる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 具体的には「体に意識を戻す」ことを常に行い、自身の手や足の感覚に注意を向けていきます(focus of attention)。モニタリングです。

 Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html

 

 まずは身体のモニタリングを。次は自分のいる時間と場所(「いま、ここ」)を確認していきましょう。物理空間上の4次元座標の意識化です。

苫米地博士は「時計を持たせて頻繁に時間を確認させ、現実の世界のなかで時間の流れに乗っている実感を湧かせることなどが重要である」と書かれています(「洗脳原論」p75)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 その4次元座標から、より高次の情報空間中にひろがる可能性(可能世界)に目を向けることができるようになると、今はまだスコトーマに隠れているさらなるゴールを見つけられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それが「無意識下で認識しているものの中から何を意識に上げて選ぶか」の意味。

 

 先程、「そもそも『わたし』というセルフイメージ=ブリーフシステム=自我そのものは情報に過ぎません。いわば幻想です」と書きました。その「セルフイメージ=ブリーフシステム=自我」は「より高次の情報空間中にひろがる可能性(可能世界)」のことでもあります。

 つまり、自我と宇宙はまったく同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 博士のメッセージ(「“洗脳技術”は個人のゴール達成に極めて有用」「その前に”1億総脱洗脳“が必要」)をストレートに受け取りながら、私は、「自我と宇宙はまったく同じ」を理解することがコーチングのスタート地点であり、「自我と宇宙はまったく同じ」をしっかり体得することがゴール達成(&新たなゴールへのスタート)であると感じました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 コーチングを学びはじめた若者にとっては難解な回答だったかもしれませんねw

 私が伝えたいのは、「RAS」や「スコトーマ」という基本的な概念であっても、その背後(根底)には巨大な知の体系があるということ。

 

 いつまでも“好奇心”を失うことなく、学び続けてください。もちろん、100%want toで。

 F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

 

 さらなるゴールを感じながら学習を続けていると、今はまだ思い描くことさえできないような大きな“夢”が見つかります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 まずはゴール設定を! それも人生のあらゆる領域に(バランスホイール)!

 ゴールに向かって生きているうちに、ますます自由になりながら、新たなゴールを見つけるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

  

 その新たなゴールが人生をさらに明るくあたたかく書き換えていきます。あなた自身だけでなく、あなたと縁ある人すべての人生をです。そんな輝く人生を存分に楽しんでください。気楽にw

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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 第7回目(R4.10/23開催)のテーマは「中観」です。詳細は近日中に投稿するセミナー案内(I-087)を御参照ください。

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-関連記事-

F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

Q-268~:薬をやめることができますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421168.html

 

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Q-279:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました <前編;RAS=情報のフィルター機能>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

前編と後編とでまったく違う回答になります。

もしも混乱したなら、その混乱自体を楽しんでください。Rがゆらぐことで、新たなゴールを見つけやすくなるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *「Rゆらぎ」はこちら↓

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気楽にどうぞw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 前編;RAS=情報のフィルター機能

 

 

Q:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 

A1:まずは「RAS」と「スコトーマ」について再確認しましょう。

 

 人間の脳には、膨大な量の情報を、必要なものと不必要なものに分別するシステムが備わっています。その脳の機能がRAS(ラス)。RASとは「Reticular Activating System」の略で、「網様体賦活系」と訳されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 RASは脳の基底部にあり、自分にとっての重要度に基づいて、遮断する情報と受け入れる情報をふるい分けています。いわば情報のフィルター機能。

 私たちはRASのおかげで莫大なエネルギーを消費しないようになっています。つまり、RASにより、脳はいつでも処理可能なスタンバイ状態を効率的に保っているのです。

 RASが通過させるのは、そのときの生体または種の保存にとって重要だと思われる情報だけ。それ以外の情報は遮断されてしまいます。

 その「RASによって遮断された情報」がスコトーマです。

 

 スコトーマはギリシア語由来の言葉で「盲点」を意味します。発見者であるフランスの物理学者にちなんで「マリオット盲点(暗点、盲斑)」と呼ばれたりもする医学用語です。

「盲点」とは網膜上の視神経乳頭にあたる部分で、そこは視細胞がないために光を感じることができません。簡単なワークで「盲点」を体感することができます。こちらでどうぞ↓

PM-02-04:スコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その生物学的盲点(物理空間上)を、コーチングの祖 ルー・タイスさんが心の空間(情報空間)にまで拡張した「心理的盲点」が、コーチングでいうスコトーマ(scotoma)です。

 (注:抽象度を軸とした場合、物理空間は情報空間の底面です)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 スコトーマは、誰にも、必ずあります。

希望や夢がスコトーマに隠れてしまうと、絶望しか感じられなくなります。

PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

反対にスコトーマを上手くコントロールできると、どんな逆境の中にも希望を見いだせるようになります。

F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 スコトーマを生みだす/外すポイントは3つ。1)知識、2)重要性、3)役割(責任)です。

 

 先ほど「RASが通過させるのは、そのときの生体または種の保存にとって重要だと思われる情報だけ」と書きました。だからこそ、教育が重要!

教育によって、「生体にとって重要」を、より抽象度の高い次元に引き上げていくことができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それが「人間形成」。詳しくはこちらで↓

 PM-05-13~15:そもそも教育とは?-6)人間形成

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

欲求階層説(自己実現理論)

Wikipediaより引用

 

 

 本題に戻りましょう。

 質問者が自ら気づいたとおり、「認識しているものの中から何を選ぶか?」という発想には注意が必要です。

 

 「認識」を生みだすものは、これまでのブリーフシステム(Belief SystemBS)だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

表現を変えると、「認識しているものの中」とは現状(Status QuoSQ)のことであり、現在のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 たとえばレストランに行ったときに、「認識しているものの中」から食べるものを選ぶことは何の問題もありません。むしろ、そうしないといけないでしょうw

 

 しかし、ゴールは違います。ゴールは1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外!

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

現状の外とは、もちろん「認識しているものの中」ではありません。今までのBSでは認識さえできないもの/ことであり、これまでのCZを遥かに超えたもの/ことです。

 

つまり、ゴール設定とは、認識している世界から何かを選ぶことではなく、「認識する世界」そのものを生みだすこと

 

 その感覚を理解し、しっかり体得してください。

(詳しくはこちらで↓)

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

Q-280につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 今回の質問者は、じつは、コーチングを学びはじめたばかりの若者。

 だから、一般向けの「RAS=情報のフィルター機能」というゲシュタルトでお話ししました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 コーチ向けには違うRASの定義(ゲシュタルト)があります。それは守秘義務に該当する知識であるため、このブログでお伝えすることはできません

 のはずでしたが、今春(2022年)、認知科学者 苫米地英人博士が著書内で解禁されました。

 

以下、「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)から引用します(p92)。「RAS」についてアップデートした上で、再度「スコトーマ」とconnectしてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

 ◎スコトーマは人間にとってなくてはならないもの

 スコトーマは誰にでもあって、はっきり言えば、私の師匠のルー・タイスにもありました。だからこそ、ルーはかつての私に「ドクターT、キミが私のスコトーマを見つけてくれ」と言ったのです。

 ですから、人は誰であってもスコトーマはあります。ないほうがおかしいのです。もっと言えば、スコトーマは人が生きていくためには必要なものなのです。

 ここで、なぜ、スコトーマが発生するのか、その原理を説明しておきましょう。これを理解することで、現状の外にゴールを作る方法も見えてきます。

 

 まず、私たちの脳の基底部にはRASReticular Activating System)という情報のフィルターのようなものがあるというのはこれまでの本でも書いてきました。日本語で網様体賦活系というものですが、実は、このシステムは、重要な情報以外は見ることができないというものではないのです。

 Reticular Activating SystemというようにRASActivating Systemで、本来活性化させるものです。

 つまり、「見えなく」させているのではなく、「重要なものを活性化」しているのです。

 これまでRASの説明は、自分にとって重要なものだけが見えるというものでしたが、その説明では重要ではないものは見えなくなってしまう理屈です。

 しかし、実際はそんなことはなく、我々はすべてのものを見ているのです。RASが行っているのは見ているものの中で、「重要なものを活性化している」だけなのです。つまり、重要なものだけを意識に上げ、重要ではないものは無意識下にして活性化させていないのです。

 本来、人がモノを見るとき、網膜に映ったものはすべて取り込んでいます。ただし、その時の重要度によって何が見えるかが変わってきます。要は、意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステムがRASなのです。

 引用終わり

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第6回目(R4.9/18開催)のテーマは「洗脳」です。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29507008.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

Q-169~:自身の信念を失いそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 

オーセンティック・コーチング



Q-132190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -11

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 研修内容はこちら(Q-122)↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

 アンケート結果概要(Q-123):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21141120.html

 

 いただいた御意見・御質問に回答いたします。Q-130からは「疑問や難しかったこと」です。

 

 

・人の位置、天井、床などのデザインを覚えて、それを再現すると覚えているつもりで覚えていないことが多く難しかったです

 

A:人は一度認識すると、次回からはたいして認識しません。細かい情報はスコトーマに隠れてしまうのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 試しにスマホのホーム画面を描いてみてください。アプリのデザイン、配置など正確に再現できるでしょうか?

 

 どうですか?

 縦横に何列ならんでいるかさえ思い出せない方もいるはずw

 

 前回(Q-131)御紹介したとおり、目の前の世界はアプリオリに「ある」のではありません。わずか1/100000の情報量で各人のマインド(脳と心)が生みだしている「あるともないともいえる(あるともないともいえない)」ものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21828929.html

 

それを大乗仏教では「空(くう)」と表現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 

・自分の認識を自分でうまくコントロールするのは難しいと思いました。他人から教えてもらうと案外すんなり切りかわったりする気がします

 

A目の前の世界を生み出すものは“重要度”です。そして、その重要度は過去の記憶によりつくられています(ブリーフシステム)。そして、それは自我そのもの。よって、「認識を自分でうまくコントロールするのは難しい」のです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 「他人から教えてもらうと案外すんなり切り替わる」のは、他人との縁により一時的に重要度が変わるから。RAS(網様体賦活系)のフィルターを通過する情報が変わり、見える(感じる)世界が一変します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 しかし、その変化はたいてい“一時的”です。いつの間にか「見慣れた世界」(=コンフォートゾーン)に戻ってしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

ホメオスタシス(恒常性維持機能)が強力に働いているからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 

・勉強会の内容を聞いて「わかっているんだけれど」という気持ちになるが、実際の行動へ結びつけることが難しい(切迫した必要性がないから。それはゴールがないから?)

 

Aでは、「認識を自分でうまくコントロールする」ために必要なものはなんでしょうか? 気づきを「実際の行動へ結びつける」ために最も重要なことは?

 

 そのとおり! 答えはゴールです。ゴールが「切迫した必要性」を生みだします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

“現状の外”にあるゴールが必要性を生みだし、新たな重要度を、すなわち新しい自我をつくりだします。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 

RASに関して知りたいです

 

ARAS(ラス)とは「Reticular Activating System」の略で、網様体賦活系と訳されます。脳が持つ機能のひとつで、五感で受け取る膨大な情報の中から重要な情報だけを選びだすフィルターの役割を担っています。

 そのRASを、「過去の記憶」ではなく、「未来の記憶」で書き換えるものがゴールです。

ゴールを達成した未来の記憶でつくった重要度で生きていると、目の前の世界は「ゴール達成のきっかけ」に感じられます。うれしいことも悔しいこともすべて大切な「きっかけ」。

そんな境地でいると、やがては未来からの時間の流れを感じられるようになり、「未来に戻る」という感覚になります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13626536.html

 

 

・一人の人が見守りや言葉遣いをちゃんとしてても、他の人たちがしてないと難しい(悲しい)なぁと思った。チームワークをつくることが難しい

 

A:「チームワークをつくる」ための最大のポイントは、「ゴールの共有」です。ゴールを共有するということは、「同じ未来に生きる(見る、感じる)」ということ。

もちろん、「同じ未来に生きる」といっても、人により見える(感じる)細かい情報には差があります。抽象度が高いところではがっちり一致していても、抽象度が低い具体的な話になると相違が生まれます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

じつはその相違が重要!

ゴールをしっかりと共有しながら違う意見を受け入れることで、お互いに「認識を自分でうまくコントロールする」ことができるようになります。「他人から教えてもらうと案外すんなり切りかわる」から。

 私は、その先に“無敵”があると信じています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

Q-133につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 RAS(ラス)とは「Reticular Activating System」の略で、網様体賦活系と訳されます。脳が持つ機能のひとつで、五感で受け取る膨大な情報の中から重要な情報だけを選びだすフィルターの役割を担っています

 

 その先は苫米地博士の教材「マインド・プロファイリングⅡ -Everlasting Influence-」(フォレスト出版)で学ぶことができます。

 フォレスト出版HP>マインド・プロファイリングⅡ紹介ページ:

 https://www.forestpub.co.jp/mp2/

 

 

マインドプロファイリングⅡ(フォレスト出版)

マインド・プロファイリングⅡ

フォレスト出版HPより引用

 

 

PMThe Power of Mind

PM-02苫米地理論における重要用語解説

PM-02-05RAS(網様体賦活系)

 

 この章では、苫米地理論の中でとくに重要な概念をピックアップし、解説いたします。
 第二章目次:
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12936581.html
 


05)RAS(網様体賦活系)

 

 RAS(ラス)とは「Reticular Activating System」の略で、網様体賦活系と訳されます。

 

 脳が持つ機能のひとつで、五感で受け取る膨大な情報の中から重要な情報だけを選びだすフィルターの役割を担っています。

 

ルー・タイス氏はRASを「優秀な秘書」に例えていました。重要な情報のみを届け、重要でない情報はどんどん処分してくれるものという意味です。

 

 その重要性を決めるものがブリーフシステムhttp://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.htmlで、RASによりはじかれ認識に上がらないことを「スコトーマに隠れる」と表現します。
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 RASをコントロールできると、認識する情報を自由に選択することができるようになります。

ゴール設定を行い、ハイエフィカシーでその世界に向かっている人にとっては、目に映るものすべてがゴール実現のための重要な縁起に感じられます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 2022年春に発売された「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)の中で、苫米地博士は一般向けにもRAS&スコトーマの概念をアップデートされました。

 以下、同書より引用します。

 引用前半はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 Reticular Activating SystemというようにRASActivating Systemで、本来活性化させるものです。

 つまり、「見えなく」させているのではなく、「重要なものを活性化」しているのです。

 これまでRASの説明は、自分にとって重要なものだけが見えるというものでしたが、その説明では重要ではないものは見えなくなってしまう理屈です。

 しかし、実際はそんなことはなく、我々はすべてのものを見ているのです。RASが行っているのは見ているものの中で、「重要なものを活性化している」だけなのです。つまり、重要なものだけを意識に上げ、重要ではないものは無意識下にして活性化させていないのです。

 本来、人がモノを見るとき、網膜に映ったものはすべて取り込んでいます。ただし、その時の重要度によって何が見えるかが変わってきます。要は、意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステムがRASなのです。

 引用終わり

 

―関連記事-

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

  

オーセンティック・コーチング




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