Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか?
どのようにゆらがすのですか?
下記リンクのブログ記事をお読みの方より御質問をいただきました。ありがとうございます。
F-318~:観自在
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html
その一部に回答いたします。
(変更を加えています)
Q:「Rをゆらがすとブリーフシステムが変わっていく」「Rゆらぎによりゴールがふっと見えてくる」という感覚がわかりません。”ゆらがしながら”とは、何をゆらがすのでしょうか? どうゆらがしていくのでしょうか?
具体例なども含めてお教えいただけると幸いです
A:まずは「何をゆらがすのか?」から確認しましょう。
「Rをゆらがす(ゆるがす)」の「R」とは、「現実(Reality)」のこと。
デジタル大辞泉で「現実」を調べると、「いま目の前に事実として現れている事柄や状態」と書かれています。ちなみに、「事実」は「実際に起こった事柄」「現実に存在する事柄」、「事柄」は「物事の内容・ようす。また、物事そのもの」、「状態」は「人や物事の、ある時点でのありさま」です。
「いま」「目の前」「現れている」という言葉に象徴されるように、一般的な「現実」は、抽象度を軸とした場合の情報空間の底面である物理空間にロックオンしています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
つまり、現実とは「五感にもとづいた物理空間の情報」。これが認知科学以前の「現実(Reality)」の定義です。
L-182:2022年06月医療研修会 -05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html
認知科学以降の「現実(Reality)」は、物理空間の情報のみが生みだすものではありません。情報空間の情報によって生みだされた世界も、同じように現実であると考えます。
Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html
その定義はとてもシンプル。認知科学以降の「現実」とは、「いま本人にとって臨場感のある世界」のこと。それをプリンシプル化したものが「I×V=R」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
よって、Rがゆらいだ状態とは、「目の前の現実世界(R)を、臨場感の高いイメージ(I×V)であると感じられる状態」のこと。シンプルに表記すると「I×V←R」。
「物理次元の束縛から解き放たれた意識状態」というとわかりやすいでしょうか。
Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html
それは「深い変性意識状態」ともいえます。
F-284~:気楽 ver.2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html
一言でいうと「自由」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
完全に自由な意識状態だからこそ、「ゴールがふっと見えてくる」し、その結果として「ブリーフシステムが変わって」いきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
反対にいうと、Rがゆらぐことがなければ、ゴールを見つけることはできません。当然、ゴールを達成する(=まったく新しいw2に移行する。その結果として関数pが書き換わる)こともありません。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
Rゆらぎは「内部表現書き換え」や「情報空間(情報場)の移動」のための重要な縁起であるといえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
次は「どうゆらがしていくのか?」を確認しましょう。
基本は「呼吸をモニタリングする」ことです。
F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html
呼吸は人間の生命維持に必要なホメオスタシスのなかで最も重要であるにもかかわらず、意識でコントロールすることができます。つまり、「意識をホメオスタシスに介入させる窓口」として呼吸を利用するということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
コーチング中におこる「内部表現の書き換え」「情報空間(情報場)の移動」(w1→w2)とは、「現状(w1)を維持するように働いているホメオスタシスを、ゴール側のコンフォートゾーン(w2)に働くように書き換える」ことで実現します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
そのファーストステップが「呼吸のモニタリング」。
呼吸を意識に上げると、次第に自分の呼吸のパターンがわかるようになります。「どこで息が浅く速くなるのか?」「どこで息が止まるのか?」などがわかると、自分の心もうまくコントロールできるようになります。
F-320:観自在 <理論編-3;自在に観る>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32922467.html
そのように呼吸(身体機能)の観察からはじめ、心の状態(精神機能)までコントロールしていくことが「Rゆらぎ」です。
Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html
ゆらぎを得たら、セカンドステップとして、呼吸自体を能動的にコントロールしていきます。具体的には「逆腹式呼吸」。逆腹式呼吸を続け、同時にモニタリングを重ねることで、リラックスを深め、さらなるゆらぎを得ていきます。
詳しくはこちらをどうぞ↓
L-166:2022年01月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html
最後にもう一つ、「Rゆらぎ」の秘訣をお伝えします。その秘訣とは「非言語」。
L-082:2021年3月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html
以下、苫米地博士の著書「一瞬で相手をオトす洗脳術」(マキノ出版、p51)より引用します。呼吸を用いて十分にゆらぎながら、言語を超えた次元にある“非言語メッセージ”を受け取ってください。Feel!
F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html
言葉を使用せずに行う
一目ぼれは言葉を遣わずに行います。
なぜ言葉を遣わないかといえば、相手にバレるからです。言語を遣えば、相手の意識に上がります(意識することが可能となります)。意識に上がったものはコントロールが可能になります。
呼吸は意識に上がるため、肺の速度はコントロール可能です。しかし、心臓の鼓動は意識に上げづらいために、ヨガの行者などを除けば、一般にはコントロールできません。
相手の臨場感世界を書き換えようとしているときに、相手の意識に上がったら、相手にコントロールされてしまう可能性すらあります。一目ぼれ現象を起こしたいのならば、相手の臨場感世界の支配者にならなくてはいけません。
言葉は想起性を持っています。そのため、言葉にすることによって相手の意識に上がってしまうのは避けなくてはなりません。
昔の洗脳は、必ず言葉がついていました。「だんだん右手が重くなる……」「光の点がゆらゆらして……」といった言葉を、テレビなどで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
こうした言葉による誘導は、あまりに直接的で、意識に上がりやすい。その欠点を補うために、催眠療法家として著明なミルトン・エリクソンなどが考え出したのが間接的な暗示です。また、メタファーを使いました。
間接的なことをいうことによって、メタファーを作り上げていく。もしくは、メタファーでも暗示でもなく、まず臨場感空間を作るために言語による働きかけをするという方法もあります。
有名なのは、エリクソン派といわれる人たちの言語による催眠療法です。
「みなさんはいすに座っています。座り心地がよくふわふわのいすの感触をおしりで感じています」とか、「私の顔が見えています」とか、それが直接誘導とわからないように言葉を遣って誘導していく技術です。
自分の物理的に体感している世界そのもの、たとえばおしりの感触など、皮膚感覚を言語化されることで、通常のモーダルチャンネル(人が認識するための情報の入り口。五感プラス言語)ではないところから誘導が入ってきます。特に抽象化された相手が介入してくる世界に入っていく。それはもう通常の世界ではない「Rのゆらぎ」です。
Rのゆらぎとは、R(リアリティ)がゆらぐ世界を指します。つまり、身体で感じている臨場感から、言語の世界の臨場感に相手を誘っているのです。
しかし、そうしたRのゆらぎも言葉を遣うので、相手に洗脳の知識があったら気づかれてしまいます。
たとえば、漫画『空手バカ一代』のモデルとなった大山倍達さんの時代には、アメリカの身体の大きなレスラー相手に、日本の空手家や柔道家は連戦連勝していました。なぜそんなことができたかといえば、だれも空手の技を知らなかったからです。どんなテクニックなのかわからなかったために、アメリカのレスラーは投げ飛ばされていました。
しかし、今はなかなか勝てません。世界的に空手や柔道の技が知れ渡っているためです。技をかけようとすれば、相手にそれがどんなテクニックなのかを瞬時に知られてしまう。これでは、勝つことはできません。
洗脳のテクニックもこれと同じです。今では、洗脳のテクニックが出回っています。私自身、一般の人の安全性を保つために、本を書くことで洗脳のテクニックの開示を始めたという経緯もあります。
言葉による介入に対しては、技術も含めて浸透してきました。具体的なテクニックがわかる人もいるだろうし、一般の人もなんとなく仕掛けられているとわかるようになってきました。
言葉が意識に上げられれば、自分を守れるようになります。そうした背景もあり、私は『洗脳原論』(春秋社)や『洗脳護身術』(三才ブックス)、そして本書を書いているのです。
自分を守るためには、攻撃があったという事実を知ることは重要です。
そのため、本書はハッカー側の本ともいえるでしょう。あくまで相手の内部表現を書き換える側になるのです。
引用終わり
…引用した部分の次の見出しは「すべては空である」。
そこで苫米地博士は、言語を遣わないもっと重要な理由として、「内部表現を書き換えようとしていることが、言語では表現できないから」と書かれています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
その後ツォンカパについて言及され、このように書かれています。
ツォンカパの思想の中核には、言葉の全否定があるのです。その根底にあるのは、空は無でもなく、有でもないということです
…「Rゆらぎ」という部分情報と「空」、そして「中」という部分情報が一つのゲシュタルトとなったとき、きっとコーチとしてのさらなる“覚醒”を体現するはずです。お楽しみに。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
…以上、私の回答です。
御質問ありがとうございました。
CoaHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
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