苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

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Q-273現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.3;苫米地式「綸」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29257774.html

 vol.2;苫米地式「言」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29294634.html

 vol.3;苫米地式「綸」

 

 

A3:今回は「綸言」の「綸」。

デジタル大辞泉によると、「綸」とは、1)絹糸をより合わせたもの、2)釣り糸、3)おさめ整える、4)天子の言葉のこと。

礼記中の「重い意味(綸:太い糸)」と合わせて現代的に解釈すると、「綸言」とは、「リーダーが発する重要なメッセージ」と理解することができそうです。

 

 講演や講義などで「リーダー」に関連する話をすると、途端につまらなそうにされる方々がいます。「私には関係ない」「興味がない」という心の声が聞こえてきそうw

 実際、「綸言汗の如し」という言葉を用いて話をしたときに、「私、リーダーじゃないんで」と拒絶されたことがあります。

 

 でも、そんなことはありません。誰もが自分自身の人生のリーダーです。

 それが「自由」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 今のあなたはどうでしょう。試しに心の中でこう呟いてみてください。

 

私は自分の人生のすばらしいリーダーだ

 

 少しでも違和感(=認知的不協和)を感じたなら、それは心が自由ではないということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 苫米地博士ならきっと、「それって奴隷じゃん」と話されるでしょう。「奴隷」という言葉が辛いなら、「無人運転」「自動運転」に置き換えてください。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 

 私たちは「言葉(words)」と「映像(pictures)」に「感情(emotion)」を加えた3つの軸で思考しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 前回(Q-272)は、1)「思考の3つの軸」がコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をうみだしている、2)CZはホメオスタシスにより強力に維持されている、3CZの外側はスコトーマに隠れ、認識することさえできない ことを確認しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *ホメオスタシスはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「思考の3つの軸」が生みだし、強力なホメオスタシスで維持されているCZとは、あなたのセルフイメージであり、ブリーフシステム(Belief SystemBS)そのものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 BSとは「信念が集まってできあがった脳内の統合的なシステム」のこと。信念(ブリーフ)とは「脳内の前頭前野や大脳辺縁系に作りあげられた認識のパターン」のことです。そのパターンは「強い情動を伴った記憶(情動記憶)」により生みだされています。

 つまり、「人は過去に縛られている」ということ。

 その証拠に、ほとんどの人が過去の結果が現在であると教えられ、現在の結果が未来であるという生き方を受け入れています。「過去→現在→未来」という時間観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 ここで質問中の表現を確認してみましょう。

 「コーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした

 

 この発言は「うまくいかなかった」という過去の因果に縛られた発想から発せられています。「今はまだ成果が出ていない」ではなく、「成果が出ない」と断言しているのは、未来を、未来の自分の姿を、信じられないからです。エフィカシーが不当に下がっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 では、エフィカシーが下がっている(なかなか上がらない)のはなぜでしょうか?

 

私がコメント中に感じるのは「『過去や現在の組み合わせから最適な選択をする』というブリーフ」の存在。そのブリーフがエフィカシーを下げているはずです。シンプルに表記すると「ブリーフが過去に縛られたまま→現状の外にゴールが設定できない→ゴール達成の確信=エフィカシーが上がらない(上がりようがない)」。

もしも思い当たるなら、今すぐゴールの再考を!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴール設定がうまくできていないことが「エネルギーが全く出ない」原因ならば(w0)、解決はゴール設定をすればいいだけです(w1)。その結果、ブリーフは書き換わっていきます。コーチングマインドを持つ者らしく。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 さぁ「ゴール」や「ゴール設定」について再確認し、バランスを意識に上げながら設定し直してみましょう。趣味や家族のカテゴリから取り組むことをお勧めします。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 過去や現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の選択ができるのが真実のリーダーです。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

以下、苫米地博士の著書「201冊目で私が一番伝えたかったこと」(ヴィレッジブックス)より引用します。博士の“気”を受け取ってください。

 

 

 真のリーダーになるには

 あなたが「超一流脳」の持ち主になるための必須条件がもう一つあります。それは、「リーダー」になることです。

 世の中には、総理大臣、会社の経営者、サークルの代表、クラブのキャプテンなど、さまざまなリーダーがいます。リーダーは、なろうと思えば誰にでもなることができるものです。たとえば、会社が求めているノルマを順調にクリアし続けていけば、いずれあなたはマネージャーになれるでしょう。また、勉強ができずとも半端ではない根性があれば、地元の商店街のリーダーくらいにはなれるかもしれません。

 いずれにせよ、自分の才能と環境がマッチさえすれば、ある特定の分野でリーダーになることはそれほど難しいことではありません。

 しかし、逆に言えば、才能と環境がマッチしないと、リーダーになることはとても難しいのです。

 仮にあなたに根性があったとしても、どうしても苦手な分野においては、才能を発揮しきることができないでしょうし、当然リーダーになることは難しいでしょう。なれたとしても、それは一時的なもので、長くは勤まらないはずです。

 あなたが真のリーダーになることを本気で志しているのなら、自分が得意としている分野を見つけることが最も重要だということです。

 ここをクリアしていないと、どれだけ高い能力を持っていても、リーダーになる前に挫折してしまう可能性があります。

 自分の得意とする分野を見つけて入っていく。そのうえで、情報収集能力、同調能力、責任能力などさまざまな能力が必要になってきます。

 情報収集応力は、文字通り情報を集める力のこと。リーダーは、あらゆる場面で決断を迫られるものですが、その際に必要になってくるのが情報です。

 一般的にはリーダーに最も求められる能力は「決断力」であるとされていますが、本当に必要なのはその決断を支える「情報収集能力」です。必要な情報がしっかりそろっていれば、決断の局面において誤りを犯すことはありません。

 また、リーダーには他人を引き寄せる魅力、カリスマ性がなければなりません。情報を収集し、判断を下した後は、下の人間たちにそれを受け入れてもらう必要があります。

 カリスマ性の有無は、リーダーの判断に部下が自然と従うかどうかを左右します。この自然と部下を従わせる能力のことを、「同調能力」と言います。これは、説得力とは異なります。あれこれと細かい説明に時間を割かずとも自分の考えやビジョンを相手に伝えられる能力のことです。

 最後に必要になるのが、「責任能力」です。これは、あなたがリーダーとして責任をとる覚悟があるのかどうかということと同義です。物事がうまくいっているときよりも、物事がうまくいかなかったときこそ、リーダーの真価が問われるのです。

 引用終わり

 

 

 もう一度。過去や現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の選択ができるのが真実のリーダーです。

そのリーダーとしての自覚と責任が、自分自身を束縛(Matrix)から開放し、あなたと縁ある人たちをも自由にしていきます(evolutionsrevolutions)。

F-206~:マトリックス/Matrix

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

 

 その先にはきっと“無敵”が待っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

Q-274につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

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S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

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Q-272現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.2;苫米地式「言」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

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 vol.2;苫米地式「言」

 

 

A2:「綸言」の「言」とは言葉のこと。

 私たちは「言葉(words)」と「映像(pictures)」に「感情(emotion)」を加えた3つの軸で思考しています。

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 「コーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされる」という言葉によって、「共感出来ない」あるいは「信用できない」といったイメージ(抽象化された映像)が強化されていきます(I)。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 “強化”されるのは臨場感。そこに不安や不満といった情動が結びつきエスカレートしていくと、ますます臨場感が強化されていきます(V)。

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 その臨場感あふれるイメージが、あなたにとっての現実(R)。だから「そのとおり」です。

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 言い換えれば、その臨場感あふれるイメージは、あなたにとってのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)。

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 私たちはコンフォートゾーンを強力に維持しようとしています。その働きがホメオスタシス(恒常性維持機能)。例えば「運動すると汗がでる」のは、発汗(→気化熱→温度低下)によって適切な体温を保とうとするホメオスタシス・フィードバックです(=CZ維持)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「汗」は物理空間での話ですが、大脳が発達した人間の場合、ホメオスタシスは情報空間にまで拡張しています。だから映画を観ているだけで、鳥肌が立ったり、涙を流したりするのです。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 コンフォートゾーンの外側はスコトーマに隠れ、認識することができません。まずは「固まったスコトーマ」により「共感」できなくなっている自身の状態をしっかり自覚(モニタリング)してください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 さらに付け加えると、コーチの本当のすごさは、クライアント側からはわかりにくいものです。抽象度が違うから。もしもクライアントさんが「すごさ」を実感しているように思えたら、私自身はクライアントさんと同調している可能性を疑います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 繰り返しますが、自分の言葉が目の前の現実を生みだし、自身の言葉が現状のCZを強化し続けています。そのことをしっかり意識に上げてください。意識に上げ続けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 その上で行うのは?

 

 そう、言葉によって新たなイメージを創りだし、言葉によってその新たなイメージを強化していくこと。そのために行うのが「ゴール設定」と「アファメーション(Affirmation)」です。

 アファメーションとは「未来における特定の状況を、マインドの中で事実として認識して宣言する」こと。言葉の持つ想起性を利用して、ゴール側のCZの臨場感を強化する技術です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「『言葉』があなたの人生を決める」(フォレスト出版)から引用します。

まずは現在の「言葉」や「アファメーション」など“内省言語”についてしっかりチェックしてください。それが「w0」。

その後は、現状の外に設定したゴールがうみだす「w1」を、「言葉」や「アファメーション」を使って強化していきましょう。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

これは今すぐ取り組むべき重要なワークです。

 

 

言葉のメカニズムを解明したアファメーション

 ルー・タイスの重要な著作のひとつに、「アファメーション」(フォレスト出版)という本があります。アファメーションというのは、簡単にいえば、自分で自分に語り聞かせる言葉のことです

 これは、ルー・タイスが提示する方法論の中で、人生のゴールを達成するためのコアとなる技術です。人間が自分の望みを実現する原理を突きつめて考えていくと、アファメーションを自分に言い聞かせていくだけで人生のゴールを達成してしまう、とさえいうことができます。

 ルーは、「アファメーション」の中で、そこに働くゴール実現メカニズムを解明しています。ただ、その説明原理は、私がルーとともに彼のコーチングプログラムを再構築する以前の一世代前の心理パラダイムをベースとしたものになっています。いまあらためて読み返してみると、もう少し現代脳科学的な視点からの補足や説明を加えたほうが、さらに多くの人々によりよくルーのゴール実現メカニズムを学んでもらえただろうと感じました。

 「アファメーション」は、ルー・タイスが彼のプリンシプルを余すことなく伝えようとした、それほどコアな力作です。この名著にもう一度スポットを当てるためにも、私が認知科学者としての知見に基づいて、その入門編として成り立つような書物を著わす意義がありそうだと考えたわけです。

 言葉というのは、じつに不思議な力を持っています。

 どんな言葉を使うか。その使い方ひとつで、その人の人生は決まってしまいます。

 言葉がいかにその人に強い影響を与えるかについて記された本は、たとえばひところはやった「魔法のつぶやき」などのように、世の中にはいくつもあります。しかし、なぜそれが人生に大きな影響を与えるのか、残念ながら、そのメカニズムを明快に解き明かしたものはありません。

 あるとすれば、唯一、ルーの「アファメーション」だけではないでしょうか。

 現状を抜け出し、人生のゴールを達成したいあなたは、本書で、そのメカニズムをさらにはっきりと知ることになると思います。

 言葉が人生を決定する、その仕組みを理解することで、あなたは、現状を抜け出すことの意味や、そのために人生のゴールをより大きなものに描く必要性も理解することができるようになるでしょう。もちろん、人生のゴールを達成するために、あなたが身につけるべき考え方の全体像も、はっきりと把握できるに違いありません。
 引用終わり

 

Q-273につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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Q-271現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.1;すべて「そのとおり」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 

 

A1:御質問に対する私の回答は「すべて『そのとおり』」。

 

 目の前の世界はすべて心(マインド)が生みだしています。

 それは記憶でつくられ、ホメオスタシスで維持される、重要な情報の集まり。つまり、幻想です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 ひとつの情報空間(情報場)にホメオスタシスがフィードバック関係を持つようになると、当然その臨場感は高くなっており、その空間(場)がリアルになります。その人にとって。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *情報空間はこちら↓

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

この認知科学的事実をプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式 I×V=R」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 目の前の世界(R)は、すべて個人の情報処理(I×V)の結果です。

 だから、すべて「そのとおり」。詳しくはこちらで↓

 F-078~:ヘンリー・フォードの教え

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_342433.html

 

 

私は「クライアントのコンテンツに関わらずに共感することは可能」「共感はクライアントに伝わる」と考えています。そもそも共感できない人はコーチとはいえません。

Q-169~:自身の信念を失いそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

鍵は「抽象度」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

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コーチ自身のゴールが抽象度を上げ続けることを可能にします。

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抽象度を上げながら、宇宙の理を理解し、「仮」として生ききる

 

それがコーチとしての責任です。

Q-230~:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416986.html

 

表現を変えるなら、「revengeavengeに書き換える覚悟」。

F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

以下、認知科学者 苫米地英人博士の「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ)から引用します(p151)。博士の“気”を受け取ってください。

 

 

 現代版慈悲は「一緒に楽しみましょう」

 宗教は、たくさんの人に開かれていて、役に立ってこそ存在意義があります。ブッダの時代は「四つの苦をなくしてあげる」といえば、そのニーズは絶大でした。でも、今はそれではだれもついてこないのです。

 ブッダの時代、大衆のニーズに、教えを説いて応えた実績は意義深いです。しかし、今やニーズが違ってきています。そういう意味では、ブッダの教えが有効に人々の役に立っていないような懸念を感じます。

 宗教は、多くの場合は本人の救済に役立ってこそのものです。そういう機能を提供していくことの大前提として、たくさんの人の耳に届く、たくさんの人が聞きたいと思うメッセージを発信していないといけません。ブッダの教えも基本は不変ですが、時代が変わるにつれて説き方もバージョンアップしていくべきですし、コンパッションという考え方もどんどん現代化していくべきです。

 二十一世紀のコンパッションは、「一緒に苦しみましょう」とか、「一緒に憐れみましょう」とか、「私もあなたと同じように苦しんでいるんですよ」でなくていいと思います。もちろん、そういうニーズにも応えますが、もっと一般的な、基本的には現代社会の楽しさや快適さを享受できている人たちに応える「一緒に楽しみましょう」でいいのです。

 引用終わり

 

Q-272につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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 第5回目(R4.8/21開催)のテーマは「スコトーマ」。詳細は今後投稿するセミナー案内で御確認ください。

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F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

Q-192~:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_410371.html

Q-197:前代未聞の国会愚弄事件をなぜ衆参両院の憲法審査会は取り上げなかったのでしょうか? クズ政府の他責にせず自己責任なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26238799.html

Q-210~:世の中はどうしてドリームキラーばかりなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414219.html

 

 

近未来のブッダ




ブログ・シリーズ編

S-04:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

S-04-05:自責の意味

 

問題です。

鏡の中の自分に微笑んでもらうためにはどうすればいいでしょうか?

私の答えは、このシリーズの最後でw

 

 告知(I-038):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22227952.html

 S-04-00(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22305802.html

 

 

前回(S-04-04)、「他責」と「自責」について定義しました。自分には責任がないことを前提に相手を責めるのが「他責」、客観的に状況を見ようと努め自分の責任も認めるのが「自責」です。

「他責」、すなわち「自分には責任がない。あなたが悪い」という態度は、相手との間に軋轢が生じる原因になります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22599317.html

 

その「責任」に関連して、よくいただく御質問があります。

それは「自然災害で被災した場合や先天的な障がいを持って生まれてきた場合も、『自責』である必要があるのでしょうか?」というものです。

 

「自責」とは、「災害が起こる場所にいた自分が悪い」「あたりまえに生まれてこなかった私が悪い」と自身を責めることではありません。以下、参考としている苫米地英人博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(開拓社、復刊版)から引用します。

 

 理不尽な出来事に遭遇したときに、「なんの責任もないのに自分だけひどい目に遭った」と相手を責めるだけの人は「自分中心な人」、いわゆる「自己チューな人」です。自分中心な人は、同じ出来事を前にしても、自分中心ではない人よりも心の傷が深くなります。そして、その心の傷に長くとらわれてしまうことになります。

 ここでいう「自分にも責任がある」とは、例えば夜道を一人で歩いていて暴漢に襲われた女性に対し、不用心な彼女にも責任がある、などと責めることとは違います。そうではなく、私たちは生きていく以上、さまざまな理不尽を引き受けていかねばなりません。それが生きていくということだからです。さまざまな理不尽を引き受け、この世界の理を踏まえて生きていく心構えのことを「責任」と言っているのです。

 引用終わり

 

さまざまな理不尽を引き受け、この世界の理を踏まえて生きていく心構えが「責任」

 

すなわち、「自責」とは、自分の自由意志でこの世界を生き抜くという決意のこと。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 

それは、無人運転や自動運転ではなく、自分自身の思考で未来を切り拓いていくという覚悟のことでもあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html

 

 もっとシンプルにいうと「ゴールを自分で決める」という意思。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 「この世界の理」とは“縁起”のことです。「関係が存在を生みだす」という“縁起”を突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」と「この世は心(マインド)が生みだしている」という2つのプリンシプルにいきつきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 それは西洋の哲学や科学がたどり着いた結論でもあります。不完全性であり、不確定性です。理不尽はある一定の確率で起こりえますが、一方で“現状の外”を見いだすことも起こりえるのです。コーチングを学び実践することで、「“現状の外”を見いだす確率」を高めていくことができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

 よって、「さまざまな理不尽を引き受け、この世界の理を踏まえて生きていく心構えが『責任』」という苫米地博士の言葉を踏まえた上で「責任を果たす」という言葉を考察すると、「自由意志でゴール設定をしっかり行う(更新し続ける)こと」と考えることができます。

 そして、それが「自責」の意味だといえます。

 

次回は、「心に深い傷を負う理由」を考察します。

 

 (S-04-06につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

コロナ禍をきっかけに、最近、「リーダーの責任」についてよく考えます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

 

さまざまな理不尽を引き受け、この世界の理を踏まえて生きていく心構えが『責任』」という苫米地博士の言葉を踏まえた上で「リーダーの『責任を果たす』という言葉」を考察すると、「自由意志で抽象度の高いゴール設定を行い(更新し続け)、しっかり実装すること」といえるのではないでしょうか。やはり、鍵は抽象度といえそうです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 

-追記2

 最近、親友の一人に会いました。抽象度の低いリーダーからひどいパワハラを受けたと聞いていたので、じつは少し心配していました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22463773.html

 

しかし、友が発する言葉に「他責」は一切なく、しっかり未来を向いていました。私は「さすがK。やっぱりすごい野郎(86)だぜ~」と伝えました。非言語で。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

理不尽な思いは、“正しい”ゴール設定によって、未来を切り拓くエネルギーとクリエイティビティに変わります。怒りや悲しみ、悔しさといったネガティブな感情を、余裕で克服している友のさらなる飛躍がとても楽しみです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

-参考書籍-

苫米地英人コレクション3

「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(開拓社、復刊版)

 

 

Q-127190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -06

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 研修内容はこちら(Q-122)↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

 アンケート結果概要(Q-123):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21141120.html

 

 いただいた御意見・御質問に回答いたします。まずは「印象に残ったもの」です。

 

 

当日の研修ではこんなケースを紹介しました。私のいくつかの経験をもとにしたものです。医療・福祉関係者以外の方も、ぜひ“気楽”に考えてみてください。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19980130.html

 

 <ケースワーク:入院(入所)患者さんが転倒してしまった事例>

認知症の合併があり、昼夜問わず徘徊している高齢男性患者さん。下肢筋力低下やバランス障害の進行により転倒することが増えていた。事故防止のために腰ベルトを用いた車イス離床を行うことを検討したが、家族が「親父を縛りつけるのか!」と強く反対したため実施できずにいた。そんな折、食事中に突然立ち上がった患者さんが転倒。とても痛そうにしており、動くことができない。どうやら骨折していそう

 

Q1:家族に報告する際、どのようなことを心がければいいでしょうか?

 

検査にて大腿骨頸部の骨折が判明。再度家族に連絡すると、「骨折とはどういうことだ!あなたたちの安全管理はどうなっているんだ!! 責任者を出せ!!!」と怒りまくっている。

 

 Q2:どのような対応をするべきでしょうか?

 

 

 四苦(特に老病死)の場である病院や施設では、転倒・転落による骨折や誤嚥による窒息・肺炎は決して珍しいことではありません。

 もちろん一番大変なのは患者さん本人ですが、医療・福祉従事者にとっても辛く苦しいものです。その苦しみを「ファイト・オア・フライト」が増幅します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 

・自責(という言葉)

 

A:このようなケースでは、2つの対応の仕方があります。

「だから、腰ベルトを用いた車イス管理にしましょうと言ったではないですか。『それはやめろ』と言ったのはあなたでしょう!」と、「自分には責任がないこと」を前提に相手を責めるパターン。

もう一つは、相手を責めたい気持ちをぐっとこらえて、「それだけ父親を思っているのだな。転倒により骨折する可能性はしっかり伝えたはずだが、しっかりイメージできていなかったんだな。もっといい伝え方はできなかったかな?」と客観的に状況を見ようと努め、自分の責任も認めるパターン。

前者が「他責」、後者が「自責」です。

 

じつは、心の傷(の深さ)を決めるものは、出来事そのもののインパクトではないことが明らかになっています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 

 

100%相手のせいにすれば、自分も相手も傷つける

 

A心の傷(の深さ)を決めるものは「理不尽度」です。そして、その理不尽度は「自己責任感の大小」で決まります。

ショックな出来事に対して「自分にも責任がある」と感じる人にとって、その出来事の理不尽度は小さくなります。反対に、その出来事に対して「自分には責任がない」と感じる人にとっては、理不尽度はとても大きくなります。

 

つまり、「自分にも責任がある(自責)」と考える人の心の傷は深くはならず、その一方で、「自分には責任がない(他責)」と考える人の心の傷はとても深くなってしまうのです。

よって、100%相手のせいにするような生き方は、相手ばかりではなく自分自身も、つまりみんなを苦しめる生き方であるといえます。

 

 

・自分の非を認めることが成長につながるという言葉

 

A:「他責」の問題点は他にもあります。「自分には責任がない」として相手を責める人の無意識は、「だから自分は変わらなくていい」と現状を肯定します。それではコンフォートゾーンは変化せず、ますますスコトーマは外れにくくなります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 反対に「自分にも責任がある」と考えられる人の無意識は、責任を果たすために働き続けます(もちろんwant toで)。その結果、貴重な気づきを得られ(スコトーマが外れる)、新たな解決策を“発見”するのです(「Invent on the wayby Mr. Lou Tice)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 

・自分のことだけでなく他者のことを考えること

 

Aその積み重ねは、個人を成長させ、組織(チーム)を進化に導きます。なぜなら視点が上がっていくから。視点とは抽象度のことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 「自分のことだけでなく他者のことを考える」というのは、「“自分”の定義を大きくしていく」ことと同意です。「家族まで含めて自分」→「地域の人まで」→「日本の」→「アジアの」→「地球の」→ という変化は「抽象度を上げる」ことであり、「人間形成」を実現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 

・過ぎたことは忘れて未来をみつめていくこと

 

A「“自分”の定義を大きくしていく」というのは、空間的な広がりだけではありません。「今の“自分”」→「5年後の」→「10年後の」→「30」→「50」→「100」→「300」→と考えるようになるにつれ、ダイナミックな時間の流れをさらに体感できるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 そんな体感でいると、「『それはやめろ』と言ったのはあなたでしょう!」といった責任を押し付ける発想はなくなります。相手の言動も“自分”の範囲内であり、意識は未来にあるから。「済んだこと(過去)はどうでもいい」「そもそも気にならない」といった感じです。

 

 

・ゴールの設定をつくって、他責ではなく自責を感じて、幅広く考えていくことが必要であると思いました

 

A:そのとおり!

だからコーチング!! だからゴール設定!! です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

「責任を感じて苦しめ」とか、「落ち込め」という意味ではありません。

過去の方法論は「自分はなぜ失敗したか?」を検証し矯正することを重視したようですが、現代のコーチングには矯正という発想はありません。ゴールを実現するためのヒントを探し出し、ゴール実現に近づいていくのみです。

それはスリータイムフレームでいう未来に生きるということ。責任とは未来で果たすものといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 

Q-128につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

ブログ・シリーズ編

S-02:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

S-02-03ケース別考察 -3

 

 「マナー」「ルール」「モラル」は(議論を通じて出来上がった)誰もがよりよく生きるための約束事のはずですが、一方でお互いの自由を奪い合う装置として働きます。

ただし、その3つには明確な違いがありそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292569.html

 

 このシリーズ編第2弾(S-02)では、自由に生きることをテーマに、マナーやルール、モラルについて考察します。ぜひ皆さん自身の自由について思いめぐらしながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-030):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17320680.html

 S-02-00(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563396.html

 

 

03:ケース別考察 -3

 

皆さんはマナーやルールとは何か不思議に思ったことはありませんか?

まずは、いろいろなケースで考察してみましょう。

 01http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17707498.html

 02http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17857553.html

 

 

case 7

スーパーに設置された「お客様用製氷機」から氷を大量に持ち帰った

 

他の客が不利益を被る程大量に持ち帰った場合は「マナー違反」です。

 

「ルール違反」といえるかどうかはグレーですが、スーパーで買い物をしていなかった場合は「ルール違反」を問われる可能性があるそうです。

実際、2014年にはスーパーの「無料」の氷を持ち帰った49歳の男性が「窃盗罪」で現行犯逮捕されています。

 

 

case 8

窃盗の被害を受けたお店が、防犯カメラに写った「犯人」に対して、「顔をネットで公開されたくなければ、指定した期限までに盗品を返還せよ」とネット上で警告

 

これも実際にあったケースです。当たり前のことですが、窃盗は「マナー違反」かつ「ルール違反」です。

 

その窃盗という罪を犯した「犯人」の素顔をネットで公開するとした被害者(お店)の行為は、大きな社会的議論を引き起こしました。皆さんはどのように考えますか?

 

 

マナーやルールを突き詰めると、自由と責任に行き着きます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 

ネットでの素顔公開を「マナー違反」と考えた方々の根拠は、「犯罪の被害者が自ら被害回復を実行していくと、社会に大きな混乱をもたらす可能性がある」というものでした。報復するという被害者の自由に制限を加えるべきという考え方です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10692725.html

 

実際のケースでは、その店は素顔の公開を行いませんでした。マナーを守ったのです。もし公開を強行していたならば、(お店も)「ルール違反」になる可能性がありました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

お店は盗まれた商品について正当な権利を持っています。しかし、犯人の社会的評価(名誉)をおとしめるという手段でこの権利を回復しようとした場合、名誉棄損という「ルール違反」にあたります。

 

さらに、「正当な権利があっても、その権利行使に違法性が認められる場合には、全体が違法になる」というのが裁判所の考え方です。例えば、お金を貸した相手が返済しないからといって「借金を返さないとうちの若いもんが何をするのかわからないぞ」と脅して返済させた場合、お金を貸して(約束どおり)返済してもらった側が恐喝罪となります。

「盗品を返還しないとモザイクを外すぞ」と脅して盗品を取り返した場合、お店側が恐喝罪という「ルール違反」を犯したとみなされます。

 

ひょっとしたら、このケースでは「顔をネットで公開されたくなければ、指定した期限までに盗品を返還せよ」と警告した時点で「ルール違反」なのかもしれません。

しかし、実際には、マナーを守ったお店側に対して「ルール違反」は適用されませんでした。

 

 (S-02-04につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 自由に生きるために必要な「ルール」について、下記記事にまとめています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987618.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142365.html

 

 

-追記2

 「正当な権利があっても、その権利行使に違法性が認められる場合には、全体が違法になる」という考え方と似ているのが、ディベートにおけるK戦略(クリティーク、Kritik)。

その基本は「相手の前提となっている価値判断そのものを疑う」ことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076426.html

 

 

-関連記事-

シリーズ編第一弾(S-01)「よりよい“議論”のために」

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_254557.html

 


PMⅠ:The Power of Mind

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

PM-06-09:仮説04)自由と責任の関係の理解不足

 

この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。

告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 

仮説04)自由と責任の関係の理解不足

 

 通俗編(つうぞくへん)は、清の時代の中国の書物です。

当時の日常用語を集めて分類し、その出所を明示したもので、天文・地理・時序など三十六に分類されています。

 

その中に「疑勿用、用勿疑 疑わば用(もち)うるなかれ、用いては疑うなかれ」という一文があります。「疑ったら使うな、使ったら疑うな」と現代語訳できるこの文は、「信頼のおけない人間は初めから登用するな、これはと見込んで登用したらとことん信頼しなさい」という意味で使われています。

 

さらに踏み込んで「登用したものを信頼する」とはどういうものかを考えると、「自由と責任」に行き着きます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

以前も触れましたが、2007年に院長就任を依頼されたとき、私は「人材育成という経営」については全力で取り組むことを理事長に約束し、経営陣にも了承してもらいました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523887.html

 

その時、自らその成果に対して責任を負ったと同時に、その実行のための自由(裁量権)を得たと理解しました。

もちろん、だから好き勝手にしようとは思わず、「なぜそれを実施する必要があるのか(ケース)」「それを実行することでどうなるのか(プラン)」を論理的に説明し、理事長はもちろんのこと、経営陣の同意もいただきながら実行していきました。それはマナーだと思っていました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_254557.html

 

 経営陣によって二回目のPX2が潰されたとき、自由と責任はセットであることを説明した上で、その自由(裁量権)を返上しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

具体的には、それまで行ってきた取り組みを見直し、スタッフに「have to」的な印象を与えるものはすべて中止しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523887.html

 

それと同時に、経営陣には、私に代わってしっかりと人材育成という経営を行うことをお願いしました。トゥールミンロジックでいえば、新たなプランの実行です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

しかし、「人間形成」「人材育成」のための新たな取り組みが行われることはありませんでした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 私には、経営陣自らの「自由とその自由に伴う責任」に対する認識が甘いように思えました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10692725.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

 

 責任に関してもう一つ。

 

責任を考えるときには、“時間”について意識することも重要です。

コーチング用語に「スリータイムフレーム」という言葉があります。これは思考・判断の基準を過去・現在・未来のどこに置くかということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 日本の文化では「過去に決着をつけること」を責任と考えます。切腹がそのいい例です。

 

苫米地理論およびコーチングでは、もちろん、未来での自分の行動を責任と考えます。スリータイムフレームでいうと未来に焦点を当てています。その未来はゴール設定で自ら生みだすものです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

<仮説04:自由には必ず責任が伴う。プランなきケースが現状肯定になってしまうのと同様に、責任なき自由はゴールの実現を妨げる>

 

<トゥイーキング04:過ぎ去った過去にとらわれず、未来を自由に創造しながら責任を果たす>

 

    自由には責任が伴う

    その自由と責任は未来にあり、自らゴールでうみだすものである

 

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9533623.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13626536.html

 

 


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