苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:自我

F-359:自由訳「OODA」 <vol.5;コーチとして感じる「OODAループ」の正体>

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34906708.html

 vol.5;コーチとして感じる「OODAループ」の正体

 

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 それが苫米地式認定コーチとしての私の「OODA」の考察です。

 

 以前お伝えしたとおり(F-356/vol.2)、「OODAループ」の提唱者である米国空軍 ジョン・ボイド大佐は、2つ目の「OOrient」のことを“ビッグO”と称してとくに重要視していたそう。その本質は「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その「抽象度が上がる」はゴールに向かう変化。つまり、ゴールが先です。

それをコーチングの祖 ルー・タイスさんは、「Goal comes 1st.」と表現しました。

 L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30622243.html

 

 ゴールの世界(w2)の臨場感が高まると、そこにホメオスタシスが働くようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その過程で「Observe」「Orient」「Decide」「Act」という各ゲシュタルトは統合され、ひとつの「OODA」となります。それが「ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

コーチとしてあらためて「OODA」を考えると、ゴール(設定)という観点では確かに「OOrient」が重要ですが、ゴール達成のためには3つ目の「DDecide」が最も重要だと感じられます。その感覚は、コーチングというよりは、むしろリーダーシップに近いのかもしれません。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 「DDecide」とは意思決定のこと。別の言い方でいうと「選択」です。無限にひろがる可能世界からたった1つを選びだす選択。完全な自由意思による選択です。

 Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 世間で飛び交う言葉を分析すると、「未来の選択に対する不安」か「過去の選択に関する不満(あるいは後悔)」が多いように感じられます。状況は多岐にわたり、事情も様々ですが、抽象度を上げて考えると、その原因は一点に収束します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p53)より、5回に分けて引用します(青字)。「選択に対する不安や不満(後悔)」の原因について思索しながら読み進めてください。Feel

 

 

あなたの現在の「選択」こそがベストである

 過去に捉われてしまう人のパターンの一つに、どうしても過去に自分がした選択が間違っていたのではないか、あるいはもっといい選択があったのではないかと悩んでしまうというものがあります。私のクラスを受講しにくる人のなかにも、こうしたパターンで悩んでしまう人が意外に多いのに驚きます。

 「あのとき、別の会社に就職していたら、今ごろはもっといい人生を歩めていたかもしれない」

 「あのとき、別の学校を受験していたら、今よりもっといい就職ができていたかもしれない」

 「あのとき、あの人と別れていなければ、今ごろはもっと幸せになっていたかもしれない」

 人生に選択はつきものです。そして、選択によってなんらかの縁起が生まれますから、それが未来の縁起に影響を与えることもあるでしょう(ただし、過去が未来を決めるのではない以上、選択の結果が未来であるということにはなりません)。

 ここではっきりさせておきたいことは、過去の選択を振り返って、「もしあのとき別の選択をしていたら」と考えることはまったくナンセンスであり、その時点であなたがベストだと思ってした結果であるならば絶対にそれがベストであり、それ以上にいい選択はない、ということです。

 「そんなこと言ったって、先生、もしあのとき、彼の告白を拒否しないで受け入れて、彼とつきあっていたら、今ごろはとても幸せな日々を送っていたかもしれません。今年はクリスマスも一人きりでとても寂しかったんですから」

 こんなふうに言われても答えは簡単です。

 「でも、あなたはそのとき、彼とつきあわないという選択がベストだと判断したわけでしょう。だったら、それがベストでしょう。そういう選択をする理由がしっかりあったのでしょうし、もしつきあっていたとしても、彼がろくでもない浮気者で今ごろあなたはいつも彼の浮気に悩まされているかもしれませんよ。もっと言えば、彼が結婚詐欺師か何かで、今ごろ大金を騙し取られていたかもしれませんし、猟奇的なサディストであなたに命の危険が迫ったかもしれません。それに比べたら、あなたの賢明な選択のおかげでとにかく無事に過ごせているわけですから、よかったじゃないですか」

 そんな荒唐無稽な仮定じゃ意味がないと思いますか。でも、「今ごろはとても幸せな日々を送っていたかもしれない」という仮定と「猟奇的なサディストで命の危険が迫ったかもしれない」という仮定とどちらが荒唐無稽かという比較は不可能です。どちらもまったく根拠のない仮定ですから、どちらも同じくらい荒唐無稽なのです。

 過去の選択について悩む人は、必ず別の選択をしただろう架空の自分を現実の自分よりもいいものと考えます。「あのとき、別の選択をしていたらもっとひどい目に遭っていただろう」とは考えません。

 でも、実際にはそんな選択をした自分などどこにもいません。だから、今よりもいい状態になっているなんてことはわかるはずがないのです。いもしない自分と比較すること自体が無意味です。だって、そんなことをしても絶対に勝てるはずがないからです。

 自分で勝手に幻想を作り上げて、しかもその幻想は今の自分よりも必ずいいものになる。勝てるはずのない幻想をいつまでも持ち続けても、いい未来などやってくるはずがありません。あなたがした選択は唯一であり、唯一である以上、それはベストなのです。

 引用終わり

 

 

その時点であなたがベストだと思ってした結果であるならば絶対にそれがベストであり、それ以上にいい選択はない

 

 過去はどんどん離れていきます。その過去を「OObserve」し続けるのは時間の無駄です。それこそが「OO-OO-OOスタック」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

  

 前々回(F-357/vol.3)の説明だけなら、「OO-OO-OOスタック」は「DDecide」の前段階でのエラーに感じられるはず。

ところが、その解釈は正しくありません。「OO-OO-OOスタック」とは、「過去を『OObserve』し続ける」という“現在”の選択である「DDecide」の結果です。

Q-319:速いスピードで移動vol.1:「時間」は人間の意識が作り上げた幻想>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31680099.html

  

つまり、「DDecide」が「因」で、「OO-OO-OOスタック」が「果」。これがコーチング的な因果関係であり、縁起によるシンの因果関係です。

 Q-318:今、逃げましたよね? <後編;相手の世界に想像を働かせて、その因果関係をイメージする>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31641663.html

 

 以下、先ほどの引用の続きです。

 

 

 「先生、そうは言っても、選択のときにあまり考えないで選んでいるので、ベストの選択をしていないかもしれないんですよ」

 こういう人は本来の意味での選択をしていない人です。人生において頭を使うことを放棄しているわけですから、はっきり言って動物以下でしょう。だらだらと考え続けて決断できないのはよくないですが、よく考えもせずにいい加減に答えを出すのは論外です。

 選択することは「縁」が生まれることです。過去の選択という「縁」すなわち関係が生まれることによって、現在という刹那が起こります。これが「縁起」です。

 引用終わり

 

 

 選択することは「縁」が生まれることです。過去の選択という「縁」すなわち関係が生まれることによって、現在という刹那が起こります。これが「縁起」です

 

 この部分をコーチングのフレームで言い直すと、

 

選択=ゴール設定をすることは「縁」=ゴール側の世界(w2 ←ゴール側のコンフォートゾーン)が生まれること。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、コーチングとは、新たな縁起を生みだす取り組みだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 誤解のないように言っておきますが、「縁起」と一般に言われている「因果」は、違うものです。選択が「因」(原因)となって現在という「果」(結果)が生まれるのではありません。

 過去の選択による因果で現在があると考えると、「因」によってオートマチックに「果」が生じることになってしまいます。つまり、一度選択をしたら、自動的に未来が一つに決まってしまうことになります。そんなことはあり得ません。選択によって未来が自動的に決まってしまうなどと考えるから、世にはびこるインチキ占い師やニセ宗教に騙されてしまうのです。未来とは縁起による無限の可能性のことですから、決まっている一つの未来が見えるなどという占い師は全員インチキ以外の何者でもありません。「今これをしないと地獄に落ちる」とか「このツボを買えば救われる」などというインチキに騙されてはいけません。

 引用終わり

 

 

 未来とは縁起による無限の可能性のこと

 

 その未来に対して、ゴール設定を通じて働きかけるのがコーチング。縁起による無限の可能性(一念三千)から、自ら望む現実を選びだし構築していく(一期一会)ことがコーチングです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html

 

 もちろん、その現実とは「仮」であることを承知の上で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 存在も出来事もすべて縁起。“自分”とは、自分以外のいろいろなものとの関係のつなぎ目です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 よって、ゴールの基本条件のひとつである「自分中心を捨て去る」をクリアしていくほど、自分と世界(宇宙)は一体化していきます。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 

 過去の選択は「縁」であり、「縁」は別のたくさんの「縁」と結びつき合って「起」を起します。そして、現在いう刹那はすぐに過去となり、その評価・解釈は未来が行うことになります。だから、未来が「因」で過去が「果」なのです。

 引用終わり

 

 

 過去の選択は「縁」であり、「縁」は別のたくさんの「縁」と結びつき合って「起」を起します

 

 選択は人生における大切な縁を生みだす行為なので、必ず自分自身でベストと思う選択をするべきです。徹底的に思考して。

それが「自己責任」ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 以下、最後の引用です。

 

 

 存在も出来事も縁起です。自分以外のいろいろなものとの関係のつなぎ目なのです。選択は人生における大切な縁を生み出す行為ですから、必ず自分自身でベストと思う選択をしてください。自分がベストだと思ってした選択なら、それはベストですから、別の選択肢を比較の対象とせず、過去は振り返らずに、未来を向いて進んでほしいと思います。

 引用終わり

 

 

選択は人生における大切な縁を生み出す行為ですから、必ず自分自身でベストと思う選択をしてください

 

 さて、「未来の選択に対する不安」や「過去の選択に関する不満(あるいは後悔)」の原因が一点に収束することが感じられたでしょうか?

 

 そう、ゴールを自分自身の自由意思で決めていないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

一言でいうと不自由。

 

 

多くの人は自分の人生を生きていません。ほとんどが「無人運転」、よくて「自動運転」のまま。

F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 それは生きていないのと同じです。

 (その理由はこちら↓)

 L-11920219月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 これが真であるのなら、「OODAループ」は生命現象の一つのあらわれといえるはず。それは現状の外にゴールを設定することで解き放たれる生命力そのもの!

 

 じっくり「OODA」と向き合いながら、コーチ兼ヒーラーとして、そのようなことを考えました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

F-360につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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L-171202203月シークレットレクチャー -04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 

 

 現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる

 

 苫米地博士が語られている「無限の可能性を開花させる」は、おそらく、とてもとても大きな話です。そのスケール感が実感できると、エフィカシーが桁違いに高まっていくはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 その理由は、前回書いた「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)のこと」という表現中にあります。

 Q-178:家族ががんで治療中です。どうすれば -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 

 前回(L-170/03)は、ゴールのポイントを説明しました。それは1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして4)自分中心を捨て去る の4つ。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 3)人生のあらゆる領域にゴールを設定することは、複数のカテゴリを同時に意識に上げ続ける訓練になります。その結果、自然に抽象度は上がっていきます。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

4)自分中心を捨て去るというのは、儒教的な「滅私」「無私」という意味ではなく、「部分関数としての“自分”をどこまでも拡大・拡張していく」ということ。それは「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことそのものです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *「抽象度」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そもそも2)心から望むもの の多くは抽象度の低い次元にあります。仏教でいう「煩悩」とは、抽象度を引き下げる力のこと。ほとんどの人は、煩悩により、抽象度が最も低い物理空間に縛られています。だから「フレーム=BS)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 1)現状の外へのゴール設定によって物理空間(次元)から離れられても、私たちは情報次元で強力に縛られます。その代表が「言語」。情報次元をであらわすなら、「フレーム=BS)」です。

 Q-057自分を取り戻せました!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12803279.html

 

コーチングの観点で考えると、「言語化」には下記のような課題があります。

 ①want tohave toに変わる

 ②ドリームキラーが生まれる

 ③エフィカシーが下がる

 ④抽象度の上限ができる

 ⑤言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる

 (詳しくはこちらでどうぞ↓)

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 

私がよく引用する「考えるな、感じろ (Don’t think. Feel.)」というフレーズは、映画「燃えよドラゴン(原題:Enter the Dragon)」での主人公(ブルース・リー)の言葉。

ここでいう「考えるな(Don’t think)」は、「思考=情報処理活動をするな」という意味ではなく、「言語情報処理をするな」という意味です。詳しくは「言語により構築された世界(抽象世界)を超えて、非言語情報処理を行え」。

その「非言語情報処理」が「感じる(Feel)」です。

L-08520213月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 

脳の機能でいえば、「前頭前野外側部を抑えて、前頭前野内側部を活性化する」ということ。さらには「左脳言語野の活性を抑え、右脳言語野を活性化する」。それをフレームであらわすと「フレーム=BS)」。

L-08320213月シークレットレクチャー -06;心の本質を捉える基本中の基本

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30130987.html

 

 「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」という変化を、苫米地博士は「可能世界wから別のw1への移行」と表現されています。

 (*現在の博士の表現は「可能世界w1から別のw2への移行」です)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

コーチングは可能世界 w から別の w1 への移行を促す

「バラいろダンディ」(TOKYO MX

20211213日放送回より引用

コーチングの基本概念を習熟して新年に向けてエフィカシーをブーストしよう Dr.苫米地 2021年12月13日 (youtube.com)

 

 

 その「可能世界w1から別のw2への移行」と前回(L-170/03)の引用文を合わせると、

 

 「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトが作られる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 さて、苫米地博士が語られている「現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる」ことがとても大きな話であろうことが感じられるでしょうか?

そのスケール感が実感できると、エフィカシーが桁違いに高まっていくわけは?

 

 以下、苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)より引用します。コーチングによる「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」という変化をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

脳があるから宇宙がある

 脳機能の研究においては、これまでに話したような高い次元、抽象度の高いところでの機能を解明していかなくてはなりません。

 そうなると、脳の研究とは、つまり物理の研究から機能の研究になったとき、どうしても哲学、数学、心理学が必要になり、ファンクショナリズムを信じる認知科学の研究になるわけです。

 そうした脳機能の研究で、なぜ宇宙を語れるようになるかといえば、宇宙そのものを生み出しているのが脳だからなのです。

 それがファンクショナリズムの基本的なパラダイムであり、唯識のパラダイムです。

 私はディスカバリーチャンネルのナビゲーターをしていましたが、そこでの宣伝文句で「人体がわかれば宇宙がわかる」といっています。

 人体がわかれば宇宙がわかる。イコール「脳がわかれば宇宙がわかる」であり、つまりは「脳がなくては宇宙はない」ということと同じです。

 多くの物理学者は、そんなものがなくても宇宙はあるというのですが、波動方程式を書く者がいなかったら宇宙は存在するのか。

 記述を行う者がいるから、それは存在するのです。

 宇宙を記述する波動方程式ではなく、それを見るという我々、星を見る我々でもいいのですが、認識する我々の存在がなければ、宇宙は存在しないのです。

 認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです。

 まさに不確定性原理がいう「観測している者はだれですか」という質問なのです。それは我々の脳が宇宙を観測しているからであって、脳がなかったらビッグバンはないのです。

 それが、認知科学と脳科学が現在までに得るに至った定義でもあると思います。

 

 また、脳というものと宇宙というものには共通のテーマがあります。同じ問題を抱えているといってもいいでしょう。

 それが、“場”という概念です。場を考えることで、いろいろな仮説を立てることができます。

 例えば、脳の中にはなぜ脳波があるのか。その仮説の一つとして、脳波は、CPUの処理速度を決めるクロック周波数のようなものである、という考えがあります。

 CPUのクロックサイクルと同じように、何らかの情報処理をするためのクロックサイクルを発信する能力を脳が持っていて、その発信の結果として脳波がある。ただし、発信周波数がなぜかダイナミックに変わるという不思議なクロックなのですが。

 私は、脳は周波数変調しているのではないかと以前から考えています。

 周波数変調というのはFMラジオと同じで、例えば、八一・三メガヘルツという規定周波数帯があって、その周波数上に変調をかけることによって情報を伝達する方式です。基板周波数があって、搬送波の周波数を送信データの信号に応じて変化させることによって情報が送れるのです。

 同様に、脳も基板周波数の脳波があって、その上で変調をかけているのではないでしょうか。要するに、脳空間というのは巨大な電波の場であり、また、周波数変調の場ではないか。

 そして、脳の各部位が、その規定周波調で情報を乗せ合うというものなのではないかと考えているのです。五線譜の上にオタマジャクシを書き込んでいるというようなイメージでしょうか。

 実はこれに基づいた論文をアメリカの人工知能学会で発表したことがあります。すると、国防総省のお偉いさんがやってきて、予算を出すといってきたのです。

 脳では場所の問題があるため、宇宙空間に何百個かの人工衛星を打ち上げて、その衛星同士で周波数変調をやれば、巨大な脳のシミュレーションができると考え、予算を提示しました。

 ただ、あまりにも桁違いの予算になりすぎたのか実現には至りませんでした。

 この仮説を裏付けることはまだできていませんが、それでもいえることは、脳というのは一つの場と見るべきなのです。生命場と同じです。

 身体という生命場においては、細胞がつま先になるか鼻の頭になるかは場で決まるわけですから、同じように脳という場のどこで神経細胞として育つかによって、どういう機能を持つかということが定まっていくわけです。

 中で動いている情報が、その場によって特殊な情報として処理され、加工される。

 単に神経回路網というレベルでの、極小化された電流のシミュレーションでできるようなものとは違う、もっとグローバルな場が脳内にあるというように考えているのです。

 引用終わり

 

 

 脳がなくては宇宙はない

 脳というのは一つの場と見るべき。生命場と同じ

 

 この教えが体感を伴って理解できたとき、「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”が感じられるはずです。さらには“闇”までも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

L-172につづく)

 

 

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F-311:デジタル自傷行為 <case-side -1;ブリーフシステム・RAS&スコトーマ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32477117.html

F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 

苫米地英人、宇宙を語る



F-358:自由訳「OODA」 <vol.4Act

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 

 

 前回(F-357/vol.3)のテーマは「意思決定(Decide)」。引用した文章にはこのような表現がありました。

 

行動として具体化するための方策・手段を選択し、場合によっては方針・計画を策定する段階である

 

 行動として具体化する」というのは、もちろん、抽象度が下がる方向性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が下がるほど、つまり物理空間に近づくほど、人は自由を失っていきます。具体的情報量が増えてカオス化していくから。時間や空間、お金など、物理次元では制約がいっぱいです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 その一つひとつを調整(あるいは解決)していかなければ、ゴール達成はできません。「課題をうまく調整(解決)し、矛盾なくスムーズに実行できるようにする取り組み」のことを「実装(implementation)」と呼びます。

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

その実装のために、私はいつも「エクスプラネーション・パターン法」を実践しています。

それは人工知能の研究から生まれたもので、情報の分析と次の展開の予想に使われる方法です。具体的には、失敗や期待外れが生じた際に、「なぜそうなったのか?」という理由をいくつも考えていきます。

認知的不協和のエネルギーを知的に活用するイメージです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

重要なのは「真相を探ることが目的ではない」ということ。

(その理由は↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

もちろん真相が判明するにこしたことはありませんが、やるべきことはあくまで仮説を立てることです。それもできるだけたくさんの仮説を立てていきます。“一人ブレインストーミング”をする感じで。

F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

 

たくさんの仮説をたてたら、「トゥイーキング」に移行します。

トゥイーキング(tweaking、直すという意味)とは、過去の失敗の仮説をもとに「今起こっている問題(case)」をすみやかに解決するための修正法(plan)をつくるシステムのことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 では、そろそろ今回のテーマ「行動(Act)」に移りましょう。以下、Wikipediaより引用します。

 OODAループ - Wikipedia

 

 

行動(Act

 「意思決定」段階で採択された方針に基づいて、指揮官の意図・命令を踏まえて、実際の行動に移る。攻撃する場合には、実際の火力発揮が行われる。

 引用終わり

 

 『意思決定』段階で採択された方針に基づいて 実際の行動に移る」とあると、無意識は「意思決定(Decide)」と「行動(Act)」を分けて、つまり「分別」の意識状態で考えてしまうはず。

 

私たちの心はつねに情報空間の底面に囚われているので、ついつい物理空間だけで考えてしまいがちです(focus of attention)。トゥイーキングしているときは、とくにそうでしょう。

Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

 

 しかし、実際は物理空間も情報空間の一部。同じものの抽象度の違いに過ぎません。苫米地博士がよく用いられる表現でいうと、「心と脳」「心と体」でひとつ。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 よって、「意思決定と行動」も同じものの抽象度の違いであり、一体と考えるべきです。その“一体”がゲシュタルトの感覚です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 さらにゲシュタルトを大きくすると(connect the dots

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ObserveOrientDecideAct」でひとつ

 

 そのことを強く意識に上げながら、引用の続きを読み進めてください。

 

 

暗黙の誘導・統制とループ(Implicit Guidance ControlFeedforward / Feedback Loop

 従来の線型モデルにおいては、この実行の段階で意思決定プロセスは終了する。しかし、OODAループにおいては、再び「観察」段階に戻り、行動の結果を判定して、次の「情勢への適応」に続けることとなる。

 なお実際には、OODAループが順序通りに進むのは例外的パターンにすぎない。特にODAの部分については、ボイドのOODAループ最終版では「暗黙の誘導・統制」により「意思決定」を飛ばして進むことが理想的とされており、順序通り進められるのは、暗黙的な指示が十分でないときに限られる。これは、大部分の意思決定は暗黙的になされており、またそうあるべきであることを意味している。多くの場合、明示的な意思決定の必要はなく、情勢判断が直接に行動を統制する。ビジネススクールで典型的に教えられるタイプのフォーマルな意思決定は、経験が浅いときにのみ必要とされるにすぎない。

 引用終わり

 

 OODAループにおいては、再び『観察』段階に戻り、行動の結果を判定して」というのは、シリアルな情報処理ではなく、パラレルな同時並列的情報処理のことであるはず。

 その並列処理を可能とするのが、「ObserveOrientDecideActでひとつ」というゲシュタルト化です。

 

では、「Observe」「Orient」「Decide」「Act」を、一つ上の抽象度で包摂して“ひとつ”とするものは何でしょう?

 

 そう、ゴール!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 先ほどのトゥイーキングも、「OODA」のゲシュタルト化も、ゴールがあるからできます。

ちなみに、「再び『観察』段階に戻る」というのはラベリングのこと。ラベリングはゴール側の視点から行うものですので、ゴールなしではできません。

F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 私は「無意識を意識に上げるモニタリング」と「ゴール側から評価するラベリング」をとても重要視しています。臨場感の強化ができるからです。

 (詳しくはこちらをどうぞ↓)

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 ゴール側の臨場感が高まるほど、「明示的な意思決定の必要」はなくなり、「情勢判断が直接に行動を統制する」ようになります。あたりまえのように自然にうまくいく(現実化する)感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 なぜでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス、p54)より引用します。「あたりまえ」「自然」を苫米地理論とともに感じてください。Feel

 

 

現実をすり替えることは可能なのか?

 脳の中で自分がどういうリアリティをつくっているのか-。

 人間の持つリアリティを知るための機械は、未だ発明されていません。fMRIは、脳のどこが活性化しているのかしかわかりません。できたとしても、活性化のパターンを認識して分類するくらいまでです。

 では、臨場感はいったいどのようにして築かれているのでしょうか。

 なぜ、少女は電車の揺れや窓の外の景色ではなく、小説に臨場感を感じたのでしょうか?

 

 そこにはホメオスタシスという機能が関係しています。

 ホメオスタシスとは、恒常性維持機能のこと。人間はストレスになりうる外界の環境の変化に対して、常に安定した恒常的状態に保とうとする仕組みを持っています。ホメオスタシスは、生体を生きながらえさせるために、外界とフィードバックして常に自分の情報を更新します。外界の気温が上がれば、体温を下げる。運動すれば、そのエネルギーを供給するために呼吸や心拍数が上がる……

 しかし、これはホメオスタシスの一般的な定義にしか過ぎません。ホメオスタシスの機能はそれだけではなく、実はもっと驚くべきものなのです。それは、ホメオスタシスがフィードバックするのは、必ずしも物理的現実世界とはかぎらないということです。

 

 ホメオスタシスは、仮想空間ともフィードバック関係を保てます。つまり、ホメオスタシスの働きは、物理的現実世界の環境の変化だけではなく、脳内の情報空間の変化にも反応するということです。

 世界は数え切れないほど存在します。仮想空間も含めれば、それこそ無限です。ホメオスタシスはそれらの世界とフィードバックの関係を持つことができます。

 臨場感は、最初からあるわけではありません。人間が臨場感を持つときは、仮想空間を含めた外の世界から一つを選んでいます。そして、選んだ世界にホメオスタシスがフィードバックすることで、臨場感が生まれるのです。

 

 世界は無限に存在していて、ホメオスタシスはそのどれともつながることができる-。

 このことがわかったとき、私は一つの結論にたどり着きました。

 簡単にいうと、一つの仮想空間(P)があるとします。このPに対して、自我があります。そして、自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる、ということです

 私はこれを当時サイバーホメオスタシス仮説と呼んでいました。二十年も前の話です。一般的にはCH理論とも呼ばれていました。ホメオスタシスは情報空間に広がっていて、情報空間としての仮想世界は無限にある、人間は物理集体でありながら、その無限の世界とホメオスタシスを持つことができる、ということです。

 要は、物理的現実世界でも完全なイマジネーションの世界でもどちらでもいいのです。ホメオスタシスのフィードバックが強ければ、そこに臨場感があるのです。そして、臨場感を持った世界が、その人にとってのリアルになるのです。

 物理的現実世界があるから、それに近い仮想世界があるから、臨場感があるのではありません。人間のホメオスタシスのフィードバックが強い世界に臨場感があって、そこが本人にとってのリアルとなるのです。

 

 ホメオスタシスの対象は普通は物理的現実世界です。なぜなら、物理的現実世界は、生まれてからずっと慣れ親しんできた世界だからです。

 しかし、何らかの方法で一つの仮想世界(P)にホメオスタシスフィードバックを起こすことが可能となります。すると、そちらがリアルとなります

 このことは後にオウムの洗脳事件に関わった経験で確信を得ました。

 オウムで洗脳された人たちは、親の顔が鬼や悪魔に見えていました。物理的現実世界ではありえない話です。どれだけ光の反射が違っていようが、親が鬼や悪魔に見えるわけがありません。しかし、現実に彼らの脳の中で描かれている親の顔は鬼や悪魔でした。逆に、オウムの指導者麻原彰晃の顔がとてもハンサムに見えていました。

 これは彼らのリアルが物理的現実世界とは別の世界にすげ替えられていたことを意味します。彼らのホメオスタシスフィードバックの対象を物理的現実世界からオウムの利となる世界へと変えられたために、彼らのリアルも変わってしまったのです。

 引用終わり

 

 

 世界は数え切れないほど存在します。仮想空間も含めれば、それこそ無限です。ホメオスタシスはそれらの世界とフィードバックの関係を持つことができます

 

 「ゴール側の臨場感が高まるほど あたりまえのように自然にうまくいく(現実化する)のはなぜ?」の答えは「ホメオスタシス」。

 

 ゴール側の臨場感が高まるほど、「明示的な意思決定の必要」はなくなり、「情勢判断が直接に行動を統制する」ようになるのは、ゴール側の世界(w2)にホメオスタシスが働くからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 言い換えると、「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋が架かった状態。その本質がゲシュタルト化です。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 つまり

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 それが苫米地式認定コーチとしての私の「OODA」の考察です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

F-359につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

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F-275:冗長性と多様性 <vol.7DevSecOps

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F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

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L-08120213月シークレットレクチャー -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

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Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

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すごいリーダーは「脳」がちがうver.2

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Q-386:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足2casework

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

給与、人間関係、恋愛

みんなが幸せな新しい世界はどうすれば来るのでしょうか?

 

A4:いただいた御質問は、「バラいろダンディ」での苫米地博士のコメントに関するもの。まずはこちらを御確認ください↓

 コスパ重視、飲み会イヤ…令和男子の特徴に共感の嵐 Dr.苫米地 武井壮 (2024年7月1日) #ベーシックインカム (youtube.com)

 

 前編(Q-383)はコーチング入門者向け↓、

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34738124.html

 

 後編(Q-384)はコーチング実践者向けに書きました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34776064.html

 

 前回は補足として、case studyを行いました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 今回は補足の補足として、釈迦哲学や苫米地理論の根幹であり、コーチングの基礎でもある縁起の観点で考察します。

 

 まずは「夢が勝手にかなう『気功』洗脳術」(マキノ出版、p104)から、前回引用分の一部を再引用します。

 

 

夢が勝手にかなう「気功」洗脳術(Kindle版)

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情報を書き込むというのは、役割を持たせるということ。頭にもっとIQの高い役割を持たせる。胃腸にもっと健康な胃腸としての役割を持たせる。役割が生まれると存在が成立します。役割のないものは存在しないのです。

 引用終わり

 

  

 役割が生まれると存在が成立する」「役割のないものは存在しない」ということより、役割を持たせること、もっと正確にいうと役割を待たせるという選択が、縁起を生みだすといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 新たな縁起(w2)を生みだす起点が、現状の外へのゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして4)自分中心を捨て去る。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)でいうと、趣味のカテゴリでは「新たな縁起(w2)」は自分のことだけでOKです。前回の例でいうと、「case 1 60代男性」のような「自分100%の完全利己主義」でかまいません(実際は違うと思いますが)。

 PM-06-16:仮説11)縁起とは真逆のゲーム理論

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14401412.html

 

家族のカテゴリのw2は家族も含めての縁起関係、職業のカテゴリのw2はより多くの人々と生みだす時空を超越した縁起関係へとひろがっていきます。

 それは「部分関数としての“私”が拡大・拡張していく」という感覚。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それが「4)自分中心を捨て去る」ということであり、その本質は「抽象度が上がる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 私は、今も、見ず知らずの方々から御質問や御相談をいただきます。

 その多くは縁起(→双方向性の存在)への共感・配慮が感じられますが、中には本当に“自分”しか存在しないと思えるものもあります。

 Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

私はこんな辛い経験をしました

最近私はこんなことを行っています

こんなことを考えました。私の理解はあっていますでしょうか?

 

私・私・私

どこまでいっても“私”という殻から抜け出せない(抜け出さない)その世界には、自由がまったくありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 それが苦しみの元凶なのに、その事実がスコトーマに隠れてまったくわからないのです。まさに無明!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

最近、ブログ記事「F-353覚醒の夏に向けて習得! 苫米地式『オーセンティック・コーチング』」に関して、このようなコメントをいただきました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

このコメントは「縁起(→双方向性の存在)への共感・配慮がある」or「“私”しか存在しない」 どちらだと思いますか?

 

「幻想と覚醒」の書籍のご紹介をありがとうございました。気になって図書館で借りてみました!叫びたくなるぐらい、スゴイ本でした。お陰様で、昨日はよく眠れませんでした笑!「洗脳原論」が自分の中で一番好きな書籍ですが「幻想と覚醒」は、二番目に好きな書籍(感銘を受けた書籍)となりました。
 新しい情報場へのいざないをありがとうございました!


 私の答えは前者(共感・配慮がある)です。その根拠は「『観自在』だから」。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 以下、苫米地博士の著書「幻想と覚醒」(三才ブックス、p151)より引用します。あらためて「自由」について考察してください。

 (こちらも併せてどうぞ↓)

 F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html



幻想と覚醒

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本当の幸せを考える

 皆さんがどんな幻想を持つかは、皆さんの自由です。

 しかし、その幻想には、何の根拠もありません。また、皆さんの幻想が仮に自分自身の理想像だったとしても、本当に自分が生み出したものかどうかを考えてみてください。

 何度も述べますが、「社長になること」は、自分で生み出したものではありません。偶然、取締役会で選ばれ、株式総会で承認されるだけです。しかも、とても狭い空間、短い期間での話です。所詮は約束事。理想像にはなりません。

 そもそも「社長になること」という理想像は、本当に自分が選んだものであるかどうかすら怪しいものです。他人に洗脳されているが故に、理想と思い込んでいるのかもしれません。

 どちらにせよ、自分で選択した理想が「社長になること」では、抽象度が低いと言わざるを得ません。

 理想像を描くのであれば、もっとユニバーサルな姿を選んでください。社長職のような一時的な約束事ではなく、時間と空間を超えても通用するものです。

 高い抽象度を持ってすれば、必ず描けるはずです。

 ユニバーサルな理想像も幻想には違いありませんが、皆さんが「幸せ」になりたいのであれば、幻想であったとしてもできるだけ大きくするべきです。

 「社長になること」が本当に、幸せと言えますか? 自分で生み出していない役割が、幸せにしてくれると思いますか? ごく限定された空間と時間だけしか通用しない約束事が、本当に幸せをもたらせてくれると思いますか?

 答えは、「いいえ」です。

 社長職が、取締役会と株主総会で決まる以上、周囲の人々が頭を下げるのは、社長ではなくその承認事項です。そして、承認事項の有効範囲は、ごく限られた範囲です。そんなもので幸せになれるはずがありません。

 確かに、社長になった瞬間は嬉しいかもしれません。ゴールを達成したような幸福感に満たされるかもしれません。しかし、一瞬です。嬉しいのは、社長になった瞬間だけです。

 

 人間は何のために、理想を持つのでしょうか?

 それは、幸せになりたいためです。

 であるならば、一瞬ではなく、より広い空間で永続的に続く幸せを手にするべきでしょう。

 理想を見つけられないから、とりあえず目先の社長を目指すことから始める考えもあるかもしれません。しかし、これだけは断言しておきます。

 人生は短い、と。

 まず、社長になってそれから次を……では遅いのです。人生は短い。そんな悠長なことを言っている場合ではありません。

 企業に勤めて、平社員から順調に出世したとしても、今の日本では社長になる頃には50歳を過ぎてしまいます。その年齢から考えると、社長としての期間はせいぜい15年ほどしかないでしょう。その15年のために、その他の人生を無駄にしていいのでしょうか。

 社長になってから、よりユニバーサルな理想像を追い求めるには、時間が短過ぎます。

 そうではなく、「今、この瞬間が」徹底的に幸せになれるような理想像を思い描くべきです。5年後、10年後の一瞬の幸せではなく、「今が幸せ」という永続的な幸せを理想にするべきです。

 もっと言えば、そもそも理想像そのものが要りません。なぜなら、理想は幻想だからです。

 

 将来、社長になった時に感じる嬉しさよりも、はるかに大きい嬉しさを今味わえるようにする、これが本書の「自由」の目的です。

 そして、そのためには、理想は幻想だということを知るべきです。

 理想が嬉しいはずがありません。なぜならば、幻想だからです。理想を達成すれば、益々それが幻想だったことを痛感するはずです。理想を達成する前も、達成した後も幻想です。

 理想を達成するよりも、今の自分が嬉しいと思うことは何か。

 そのことについて、今一度じっくり吟味してみてください。

 本当に楽しいこと、本当に嬉しいことは何かを探してみてください。

 楽しいこと、嬉しいことを見つけることが難しいと思う人は、自分が何をなすべきかを考えてみてください。自分が社会に対して果たす役割を考えてみるのです。

 引用終わり

 

 

 楽しいこと、嬉しいことを見つけることが難しいと思う人は、自分が何をなすべきかを考えてみてください。自分が社会に対して果たす役割を考えてみるのです

 

 その取り組みにより、きっと新たなゴールが見つかるでしょう。。

 とくに「4)自分中心を捨て去る」を意識に上げながら、「何をなすべきか?」を感じてください。

 

 その思考の先にあるのは、本当の「幸せ」であり、慈悲の体感

 Q-361 “自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 その慈悲の実践がコーチングです。

 コーチングが、「男女問わず、貧しくなってしまった」を克服し、「みんなが幸せな新しい世界」を実現していく と“私”は信じています。

 F-209:マトリックス/Matrix -04Resurrections;慈悲的人類の進化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27122988.html

 

 

 以上、補足の補足です。

 

 素晴らしい御質問をありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 楽しいこと、嬉しいことを見つけることが難しいと思う人は、自分が何をなすべきかを考えてみてください。自分が社会に対して果たす役割を考えてみるのです

 

 goal」と「calling」と「cause」の関係性がクリアなほど、シンの役割を見つけられます(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 詳しくはこちらをどうぞ↓

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 

-追記2

 縁起の理解なくして慈悲はなし!

 

 こちらの苫米地博士の言葉も心に刻みながら、あらためて“自分”について考えてみてください。「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p162)より引用します。

 

 

縁起を知る実験

 第2章で縁起の説明をしました。慈悲の根幹には縁起があります。縁起を理解できなければ慈悲もありませんので、ここでは理屈ではなく、実際に縁起を実感していただきます。

 縁起を理解するために、自分を言葉にしてみてください。自分を定義する実験です。

 

 ・名前は何か

 ・お母さんは誰

 ・お父さんは誰

 ・住所はどこ

 ・職場はどこ

 ・好きな食べもの

 ・嫌いな食べもの、好きな歌手、嫌いな歌手、好きな大統領、嫌いな大統領……

 

 自分のことについて、いくつ挙げられたでしょうか? ぜんぶ書き出してから、それを見渡します。

 どれが自分でしょう。ぜんぶ自分以外のことではありませんか?

 自分というものは、書き出された文字のごとく、どこにもないのです。定義でしか存在しません。

 引用終わり

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

L-01020201月シークレットレクチャー -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

L-130202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -11;「スピリチュアルペイン」と「自分」と「自由」と「本当の幸せ」の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32859869.html

L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

Q-174:「子どもの『~したい』という気持ちを大切にし続ける親」であり続けたいです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24954374.html

 

 

近未来のブッダ


 

F-355:自由訳「OODA」 <vol.1Observe

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。



OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 vol.1Observe

 

 

 「OODA」の最初の「O」は「Observe」。観察のことです。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 Wikipediaには「意思決定者自身が直面する、自分以外の外部状況に関する『生のデータ』(Raw data)の収集を意味する」とあります。この文章を分割し、「意思」「意思決定」「意思決定者」「自分」「自分以外」「外部状況」「データ」「生のデータ」「収集」について確認しながら(部分)、「O : Observe」について考察していきます(全体)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

意思

 コーチング実践者にとっての意思とは、「ゴールに向かう強烈な意思」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「強烈な」の正体はホメオスタシスです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

意思決定

「ゴールを設定すること」を意思決定と考えることもできますが、ホメオスタシスの働きまで考慮すると、「ゴールを設定し、ゴール側の臨場感を高めること」が意思決定であるはず。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 「ゴール側の臨場感」の「ゴール側」とは、コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 「ゴール側の臨場感を高める」とは、エフィカシーを高めることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

意思決定者

 「意思決定」を「ゴールを設定し、エフィカシーを高める」ことと考えると、当然、「意思決定者」は自分自身になります。個人の人生においては。

 ゴールを共有する何らかの組織においては、「意思決定者」はリーダーのことです。

 F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

 そんなの当たり前と感じるかもしれませんが、じつは自分自身が「意思決定者」になることは簡単ではありません。なぜ?

 

自分

 答えは「自分」を決める情報は外からもたらされているから。その人の自我や世界観を形成する基礎となっているものがブリーフシステム(Belief SystemBS)。そのBSは「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化され受け入れた情報の記憶」でつくられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 よって、「私は本当の私ではない」といえ、しかも「私は過去に閉じ込められている」ともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

自分以外

 繰り返しますが、BSは自我の基礎です。その自我は、部分関数であり、評価関数でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「部分関数」とは、ある集合を切り分けて取りだす関数のこと。例えば、「偶数」というのは、「自然数」という集合から「2で割り切れる数」を取りだす関数であると見なせます。

 このとき「2で割り切れない数」=奇数が残ります。よって、「奇数」の方も同時に定義できてしまうことになります。

 同様に、自我とは、宇宙を「自分」と「自分以外」に切り分ける関数のこと。よって、「自分がわかると、自分以外がわかる」「自分がわかると、宇宙がわかる」。それが部分関数です。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

外部状況

 「自我とは、宇宙を『自分』と『自分以外』に切り分ける関数」と聞くと、「自分」という内側と「自分以外」の外側があるように誤解されるかもしれません。

しかしながら、内と外は同じです。だから、「自分がわかると、宇宙がわかる」。

(詳しくはこちらをどうぞ↓)

F-350:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.3Starting with the man in the mirror

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34474558.html

 

 *もっと詳しくはこちら↓

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_397885.html

 

 「データ

 「データ」とは、「論理の根拠となる状態や事実といった最初に提示されるべき説明情報」のこと。「データ(data)」「根拠(warrant)」「主張(claim)」がディベートの基本構造としての三要素です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

生のデータ

 状態や事実である「データ」に、わざわざ「生の」と入るのはなぜでしょうか?

 

 私の答えは「観測(認識)によって、必ず対象に影響を与えてしまう」から。それを示したのがハイゼンベルグの不確定性原理です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 突き詰めると、「唯一絶対の真実はない」。西洋哲学の概念である「アプリオリ」の否定です。縁起を根幹とする仏教では、そのことを「ナートマン」と表現します。漢字で表記すると「非我」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

収集

 以上より、「自分以外の外部状況に関する『生のデータ』(Raw data)の収集」はとても困難であるといえます。コーチングでいうと、RAS&スコトーマのこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 私たちは自分自身のBSによって世界を認識しています。BSが規定する世界の外側はスコトーマに隠れ認識することができません。収集しようにも、情報を得ることができないのです。仮に情報を得られたとしても、理解することができないはずです。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 それならば、私たちはどうやって「Observe」すればいいのでしょう?

 

 そのヒントを紹介します。

 以下、苫米地博士の「薔薇色脳 悩みが1分で解決できる人生好転50のメソッド」(主婦と生活社、p54)より引用します。「Observe」の秘訣を感じてください。Feel

 

 

15回 自分を客観的に見る方法

自分を客観視するって、どういうこと? もっと幸せになれる、自分の操縦方法とは

 「自分のことを客観的に見なさい」というのは、自分が人から叱られるときも、自分が人を叱るときにも使う便利な言葉のひとつ。しかし、これを実行するのって難しいですよね? だって、自分のことを他人のように見て、悪いところを自分で自分に指摘しなさいってことですよ。そんなの普通に考えたらできっこありません!

 ところが、先生は、ちょっとしたやり方で、自分の客観視は簡単にできるというんです。一体、どんなやり方でしょうか? そんなことができたら、みんなが素敵になれちゃいそうです!

 

 先日、私はある女性作家さんと対談する機会がありました。そのとき彼女は「自分を変えるには自分のことを客観的に見なさい」というエッセーを書いたばかりだったんです。つまり、ちょうどこのテーマにぴったりなんですね。

 で、私はそれを聞いてどう答えたかというと、「自分を変えるために、自分を客観的に見ようとするのは“間違いです”」と答えたのです。女性作家さんには申し訳ないですが(苦笑)。

 なぜ間違いなのか。例えば、子どもが自転車を練習していて「あ、あそこに石があるから気をつけて」と大人が言うと、子どもはだいたい、その石にぶつかってしまいます。なぜなら、石があると思った瞬間、そっちを見てしまうからです。見てしまうと、人はそちらの方向に進んでいってしまうのです。脳機能の基本特性に「見たもののほうに進んでしまう」ということがあるのです。

 さて、これは「自分を客観的に見なさい」でも同じことなのです。実は脳は現実の場面であっても、想像の場面であっても、基本的な特性は変わらないのです。つまり、現実世界で「見たもののほうに進んでしまう」のであれば、情報空間でも同じ現象が起きるのです。

 これを踏まえたうえで、「自分を客観的に見なさい」を考えてみましょう。通常「自分を客観的に見なさい」の意味は「自分の悪い部分をよく見て反省しなさい」ということです。すると、あなたがもし物事を客観視することができればできるほど、あなたは自分の悪い部分がはっきり見えます。すると、子どもが石にぶつかっていったように、あなたはその悪い部分に吸い寄せられてしまうのです。

 完全に逆効果。悪い部分を見たら悪いところがますます固まってしまうということです。つまり「自分を客観的に見てはいけない」が正解なのです。

 しかし、そうなると、自分の悪いところはどうしたら直すことができるのでしょうか? 答えは簡単です。「客観的に見る」とは「視点を変える」という意味です。「視点を変える」という言葉の意味を、簡単に言うと、「物事に対する感じ方や好みを変える」ことになります。なぜなら、物事の好みが変わったら、あなたの世界は一変するからです。洋服の趣味、しゃべり方、異性の好み、すべてが変わったらと考えれば、理解できるでしょう。好みを変えると人格が変わるということです。

 これを利用するのです。あなたが今こだわっているものをひとつあげてください。

 例えば朝、コーヒーを飲んでいる人は紅茶に変えてみましょう。通勤・通学の道を変えるのでもかまいません。こだわりのあることをひとつ変えるのです。すると、新しい発見があります。新しい発見があったら、あなたは確実に変わったということになります。なぜなら、それまでのあなたは、その新しいことに気づかなかったからです。

 客観的に見るということは新しいことに気づきなさいということですから、結果的に、あなたは客観的に自分を見ることができたわけです。

 自分を変えるとは、客観的に見るのではなく、こだわりのあるものをひとつずつ変えていくことなのです。すると、あなたの新しい世界、新たな可能性が見えてきますよ。

 

 客観的に見ることより、視点を変えることのほうが大事!

 引用終わり

 

 

 「客観的に見る」とは「視点を変える」という意味です

「視点を変える」という言葉の意味を、簡単に言うと、「物事に対する感じ方や好みを変える」ことになります

 

 今回取り上げたObserve」の秘訣は「視点を変える」こと。

 

 でも、ただ変えるだけでは十分ではありません。

 

 では、どのように変えればいいでしょうか?

 

 次のサブテーマ「Orient」と結びつけながらイメージしてください。気楽にどうぞ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

F-356につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

  

-追記-

 最近、私はある質問者に対して、「〇〇コーチと私CoacH Tの縁起空間を感じながら、御自身の今までの言動を振り返ってください」と返信しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31022550.html

 

 もちろん、コーチングには「過去は一切関係なし」です。それでもあえて「今までの言動を振り返れ」と厳しく書いたのには、私なりの理由(願い)があります。

 L-070202011… -05「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

 

 その理由(願い)も想像しながら、「視点を変える×Orient」について考えてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html


 

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2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-186:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -033つの“感染症”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25734821.html

F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

  

薔薇色脳

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F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 

 このブログの<F:フリーテーマ>では、「縁起宇宙(w1)再構築」をテーマに連載中です↓

 F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

 

 前回(F-352/vol.5)は、MCU映画を例に、「Multiverse」を取り上げました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34599783.html

 

 じつは、MCU的「Multiverse」には大きなスコトーマがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そのスコトーマが体感を伴って外せていること、すなわち“覚醒”が、シンのヒーリングやコーチングには欠かせません。

 L-11320219月シークレットレクチャー -01;夢

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32063846.html

 

 今回は、「縁起宇宙(w1)再構築」を1回お休みして、「バラいろダンディ」での苫米地博士の講義(2024617日放送回)を取り上げます。

 (実際の講義はこちら↓)

「成長」の夏に向けて習得!苫米地式「オーセンティック コーチング」 (2024年6月17日) #コーチング (youtube.com)

 

この講義は、2年半前の講義(20211213日放送回)のupdate版です↓

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 ぜひ“覚醒”のきっかけにされてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 博士がまず取り上げられたのは、「自我」と「宇宙」の関係。

 自我とは、「宇宙を入力として自分を出力する部分関数f」のことと話されていました。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 

240617バラダン-1

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 「部分関数」とは、ある集合を切り分けて取りだす関数のこと。例えば、「偶数」というのは、「自然数」という集合から「2で割り切れる数」を取りだす関数であると見なせます。

 このとき「2で割り切れない数」=奇数が残ります。よって、「奇数」の方も同時に定義できてしまうことになります。

 

 同様に、自我とは、宇宙を「自分」と「自分以外」に切り分ける関数のこと。よって、「自分がわかると、宇宙がわかる」。それが部分関数です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 このパートで、苫米地博士は「逆関数」という話もされていました。自我の逆関数に自分を入力すると、宇宙が出力されます。このことを突き詰めると、「宇宙は自分自身を見るための鏡である」ことがわかります。

 F-200:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか? Vol.4;「こんなにほったらかしにして」を解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26610212.html

 

 

240617バラダン-2

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 次に話されたのが、自我のもうひとつの定義。それが「評価関数(重要性関数)」です。

 例えば、「職業はコーチと医師を」「子どもは3人いて」「映画好きで、とくにSTAR WARS」「生まれも育ちも鹿児島で」などと自己紹介するとき、それは自分にとって重要な(あるいは関係性が深い)順に宇宙を並べ替えているといえます。

その並べ替え関数が「評価関数(重要性関数)」です。

 

ちなみに、宇宙に対する評価関数のことを、コーチングでは「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

240617バラダン-3

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 このパートで最も重要なのは、「w”は可能世界である」ということ。

 私たちが現実だと思っている目の前の世界は、「一番臨場感が高いイメージ」にすぎません。つまり、「すべて幻想であり、“w”は可能世界として無限にひろがっている」ということ。

 それがこの世界(宇宙)の理です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 先ほどの「宇宙に対する評価関数=CZ」は“記憶”でつくられます。詳しくは「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」。それらの“記憶”は、もちろん、一人ひとり異なります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

だから、各自が認識している目の前の世界は、それぞれの記憶が織りなすCZであり、「一人一宇宙」だといえます。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 

240617バラダン-4

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 ここで苫米地博士は、コーチングの奥義を再開示されました。それが

 

 コーチングが関わるのは、“p自我”ではなく、あくまで“w”の部分

 

 前回(202112月放送回)の表現でいうと、「コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す」↓

 L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 

 

240617バラダン-5

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 さらに苫米地博士は新たな概念を開示されました。それが「エフィカシー関数」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 コーチの役割をシンプルに表現すると、「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」であるエフィカシーを高めること。それを「『エフィカシー関数』を生み出すお手伝い」と表現されていました。

 F-314~5:デジタル自傷行為 <plan-side -2~3;ゴール×エフィカシーの“秘密”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32626694.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32678098.html

 

 

240617バラダン-6

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

 

 

 「コーチングは実は簡単な原理!」と語られた博士は、さらに「クライアントがやることは『心から欲するゴールの世界を探す』だけ!」と仰っていました。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 そうはいっても、「やっぱりコーチングは難しい」というのが多くの人の正直な感想であるはず。ですよね?

 

「心から欲するゴール」を見つけることは、決して簡単ではありません。ましてや現状の外にゴールを設定することは、コーチの存在なくしては不可能に近いでしょう。

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 

 私は、やはり、コーチングのはじめに“覚醒”がいると思っています。

今の流れでいうと、「コーチングは簡単」と「コーチングはやっぱり難しい」を“同じ”と感じられる心の状態が“覚醒”です。

(“同じ”である理由は先ほどのフリップの中にあります)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 以下、苫米地博士の著書「幻想と覚醒」(三才ブックス、p78)より引用します。“覚醒”を体感してください。Feel

 (“同じ”とわかるためのヒントはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

幻想と覚醒

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世界は他人が生み出した幻想

 物理的現実世界、つまり皆さんの目の前に広がるこの世界も幻想です。

 物理的現実世界を感知しているのは五感です。といっても、目や口や鼻……といった器官ではありません。器官に繋がっている神経が作用しています。机に置かれたグラスの存在は、目の視神経や指先の触覚神経が反応してグラスの存在を認知しています。すべての情報の存在は、神経を通して脳に伝えられています。そして、脳が「情報」を認識し、それをもとにまた「情報」を作り出しているのです。

 ということは、神経に伝わる「情報」は作為的に変えられている可能性も否定できません。

 皆さんが感知している「情報」は、確実に本物だと言えるでしょうか。

 もしかしたら、映画『マトリックス』のように、誰かが皆さんの脳をコンピュータと繋いで、仮想世界を見せているだけかもしれません。もしくは、映画『インセプション』のように、すべてが夢の中に構築されているのかもしれません。

 かつて、宇宙人が地球人と交信するために、地球人が驚かないための準備として、ハリウッドに映画『E.T.』を作らせたというまことしやかな噂がありました。もしかしたら、『マトリックス』や『インセプション』もこの世が幻想だと知らしめるために、その緩衝剤として作られたのかもしれません。

 馬鹿馬鹿しいと思われる方もいるでしょうが、皆さんの脳が生み出す世界が真実だという保証などどこにもありません。自分以外の人が自分と同じようにグラスの存在を認識しても、それは他人の操作で情報を共有させられただけかもしれません。

 私達には、それを証明する手立ては何もありません。

 「この世界が真実」かどうかなど、だれにも知りようがないのです。

 もっと言えば、情報を作り出している脳そのものが幻想だという可能性もあり得ます。いくらレントゲン写真やMRIの画像を見せられたところで、情報そのものが幻想の可能性がある以上、「脳だ」と認めることはできないでしょう。

 皆さんは「在る」と思っているだけです。

 グラスを「在る」と思っているだけ。脳が「在る」と思っているだけなのです。

 

 物理的現実世界における宇宙は、物理学では波動方程式でその存在が認知されています。しかし、不確定性原理が働くため、実際に認識するには観測するしかありません。人間が真空の中でエネルギーが淀み素粒子が生まれるのを、目で見て初めてその存在が認められているのです。

 もちろん、この世が幻想でないかもしれない、と思う人もいるでしょう。それは、幻想ではないかもしれない世界そのものが幻想です。幻想ではなく物理的に存在していると思われる世界そのものが幻想だということです。

 理解しづらいかもしれませんが、イメージとしては「夢の中の夢」あるいは「合わせ鏡に映る自分」です。

 皆さんが見ている世界は、自分の心が生み出した、あるいは他人が生み出した幻想です。そして、他人が生み出した幻想もまた、別の他人が生み出した幻想です。

 そして、別の他人が生み出した幻想も……

 とにかく、皆さんが「この世は実在する」という結論を導き出すことは不可能です。すべては幻想であり、すべては心が生み出しているのです。

 引用終わり

 

 

 すべては幻想であり、すべては心が生み出している

 

 それを体感を伴って理解できることが「空観」。そして、幻だとわかった上で、ゴール設定により望む幻(w1w2w3…)を生みだすことが「仮観」。

苫米地博士が教えてくださる本物のコーチング(Authentic Coaching)とは、「空」と「仮」を同時に観る「中観」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「中」の境地でいると、「コーチングは簡単」と思えるし、「コーチングはやっぱり難しい」も理解できます。両方ともホメオスタシスの働きであると理解できるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 もちろん、ここでいうホメオスタシスとは、苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」で説明されている「情報空間に拡張したホメオスタシス」のこと。

(ちなみに、第2世代は「超情報場理論」、第3世代は「生命素粒子理論」です。認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 宇宙を、物理空間(4次元時空)としてではなく、その物理空間も包摂する情報宇宙と観られたときが、シンの“覚醒”です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

そして、その瞬間から、苫米地式「オーセンティック・コーチング」がはじまります。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 さて、MCU的「Multiverse」が抱えるスコトーマを外すことができたでしょうか?

 L-133202111月シークレット… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

次回(F-354/vol.6)、縁起宇宙の再構築をテーマとしたブログ記事に戻ります。「“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~」の最終回です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

 

 

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-関連記事-

F-046:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと 後編:ミラーニューロン

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11383670.html

F-246:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.3;高揚(興奮)>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28968302.html

Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

Q-373:やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34458945.html

S-04-24~6:「鏡の中の自分に微笑みかけること」の本当の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23983088.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057099.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24116667.html

 

 


Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか? <前編;case-side

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に関して、2回に分けて回答いたします。前編がケースサイド、後編がプランサイドです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

Q:高い抽象度で超情報場にいる感覚にいると、自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか?

 

A1下に引き戻そうとする」力の正体は、現状へ戻そうとするホメオスタシス・フィードバックでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス、p56)の中で、苫米地博士はこのように述べられています。

 

すごいリーダーは「脳」がちがうver.2

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 世界は無限に存在していて、ホメオスタシスはそのどれともつながることができる-

 このことがわかったとき、私は一つの結論にたどり着きました。

 簡単にいうと、一つの仮想空間(P)があるとします。このPに対して、自我があります。そして、自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる、ということです。

 引用終わり

 

 

 コーチングにおける「一つの仮想空間(P)」とは、ゴール設定により自ら生みだす未来/社会のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 その「ゴール設定により自ら生みだす未来/社会」のことを、バラいろダンディでの講義(20211213日放送回)の中で、苫米地博士は「可能世界“w1”」と表現されています。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 無限にある可能世界の中から自由意思で選びだす“w1”は、自分で選択するゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 よって、「自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる」は、「自分中心を捨て去りながらゴール側のCZを“自分”とすることができると、ホメオスタシスの働きで臨場感が高まり現実化する」と理解することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 これがコーチングの重要なプリンシプル「I×V=R」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ポイントは“臨場感”!

 ゴール側のCZの臨場感を、現状の臨場感よりも高めることです。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 では、ゴール側のCZの臨場感を高めるためにはどうすればいいでしょうか?

 

 

 そう、「アファメーション」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロール」を続けること。それが基本です。

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

 「思考の3つの軸」と重ねて考えると、アファメーションにより「言語(words)」を、ビジュアライゼーションにより「映像(pictures)」をコントロールすることができます。

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

 「言語(words)」「映像(pictures)」がしっかり作れているはずなのに「下に引き戻そうとする意識が働く」という場合、その原因は「感情(emotions)」にあるはずです。

 実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その下向きに働く力のことを「煩悩」と呼びます。

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p129)より引用します。

 

 

お釈迦さまの脳科学

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「煩悩」とは細胞レベルの苦

 私たちは、食欲や睡眠欲といった細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。これら根本的な欲求を、上座部仏教では「苦」と言い、大乗仏教では「煩悩」と呼んでいます。

「つらい」「苦しい」といった情動としての「苦」であれば解消する方法があります。例えば、セロトニンなどの神経伝達物質の量を増やせば、苦の感情からは解放されるでしょう。死の恐怖さえ抑える洗脳は可能ですから、生老病死の「苦」を感じないことはありえます。

 しかし、脳を麻薬で騙したところで、生きている限り、細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。一時的なごまかしにすぎないのです。

 人間が幸せに生きることの妨げになっているのは、この煩悩のためです。他人から操作された欲望によって不必要なお金を使ってしまったり、健康を損なってしまいます。また、怒りによって人を殺してしまう。例を挙げていくときりがありませんが、あらゆる不幸は煩悩を制御できないことで起こっています。現代人にとって煩悩をどうコントロールするかが、ますます重要になっているのです。釈迦はその方法についても語っていました。

 上座部仏教で言う細胞レベルの「苦」、すなわち「煩悩」は、幻であると釈迦は説いています。

 私が、臨場感を説明するときに使っている、ホメオスタシスという言葉があります。「寒くなると鳥肌が立つ」「暑くなると汗をかく」といったような生体の環境フィードバック関係のことですが、ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています。ですから、映画で怖いシーンを見ると鳥肌が立ったり、催眠などの暗示によって人に汗をかかせることが可能なわけです。

 これは、細胞レベルの感覚ですら、脳にとっては単なる情報であり「幻」ということを表しています。「暑い」「お腹が減った」という感覚は脳にとってはすべて情報です。情報ということは、書き換えることができる「幻」です。このことを実感として理解するのは、なかなか大変ですが、仏教ではそのための瞑想など修行方法が用意されています。そのひとつが、後に説明する「止観」です。

 細胞レベルの現象を「幻」だと本当にわかれば、それを操作することが可能になります。人間の脳という進化した情報処理器官には、そのような機能までもが備わっているのです。ですから、心によって炎を熱いと感じないこともできるし、病気を治すことも可能です。イメージ療法や気功によって癌が治ってしまうことがあるように、心の底から自分が健康だと思い込むことで遺伝子の情報すら書き換えることもありえるのです。

 引用終わり

 

 

ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています

 

 

 最初にお伝えしたとおり、「下に引き戻そうとする」力の正体はホメオスタシス・フィードバック。そこには何らかの「感情(emotions)」が張り付いているはずです。いわゆる「煩悩」として。

 

 次回の投稿(Q-380)までの間、止観を行い、ぜひ御自身のマインド(脳と心)と向き合ってください。

 Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html

 

 自分を縛り続ける「感情(emotions)」を意識に上げて、一つひとつ吟味してみましょう。ゴール側から。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 気楽にどうぞ。

 

Q-380につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる

 

 同様のことを、苫米地博士は「『ツキ』を引き寄せる洗脳術 自分を磨き上げる秘密のメソッド34」(三才ブックス)にも書かれています。以下、同書(p92)から引用します。

 

 

レッスン19 「ツキ」はすでに見えている?

Is Tsuki already in your presence

 

 あなたのイメージによって現実は変わる

 自分がイメージした世界、つまりフリーゴールを、あたかも五感で体験しているように強烈にイメージすると、それが現実になります。あなたがどの世界を強烈にイメージするかによって、あなたの現実は大きく変わるでしょう。

 

 設定したフリーゴールの世界を体感しているということは、あなた自身がフリーゴールの世界に臨場感を持っていることを意味します。

 臨場感とは、その場に身を置いているように感じることです。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚……。ある空間に対して、あたかも五感で体感しているような感覚を、「臨場感を持つ」といいます。

 臨場感は、人間が生まれながらに有している感覚能力です。この能力のおかげで、人間は様々な情報をリアルに感じることができます。

 

 面白いことに人間は、臨場感を物理的現実世界だけでなく仮想世界にも持つことができます。

 例えば、あなたが映画を見ているとき、あなたはさもその世界に自分が存在しているような感覚を受けるでしょう。これはあなたが、映画という仮想空間に臨場感を持っているからです。小説やマンガを読んでいるとき、あるいは妄想しているときも同じです。悲しい場面では本当に悲しくて涙を流したり、楽しい場面では笑みがこぼれたりしてしまうのは、あなたがその世界に臨場感を持っているからなのです。

 そういう意味では、あなたがイメージするフリーゴールの世界は仮想空間かもしれません。しかし、そこに臨場感を持つことは可能です。

 人間は自分がイメージした世界に臨場感を持つと、それがリアルになります。このことを臨場感空間の現実化(リアライズドヴァ―チャリティ)といいます。

 リアライズドヴァーチャリティは、ホメオスタシスによって行われます。ホメオスタシスが現実世界ではなく、仮想空間とフィードバックすることで、仮想空間をリアルにするのです。

 臨場感は、いきなり目の前に現れるわけではありません。人間が臨場感を持つときは、仮想空間を含めた外の世界から一つを選択しています。

 通常は生まれてからずっと慣れ親しんできた世界である、物理的現実世界に臨場感を持っています。しかし、上手く仮想空間を選択することができれば、その世界にホメオスタシスがフィードバックすることで臨場感が高まります。

 簡単にいうと、一つの仮想空間に対して、自我があり、自我とホメオスタシスのフィードバックが強いと臨場感が高くなります。すると、その仮想空間がリアルになるのです。

 物理的現実世界があるから、あるいはそれに近い仮想空間があるから、臨場感があるのではありません。人間のホメオスタシスのフィードバックが強い世界に臨場感があって、そこが本人にとってのリアルとなるのです。

 

 あなたがフリーゴールの世界に臨場感を持てば、あなたのホメオスタシスレベルは現状から外れ、フリーゴールの世界とアジャストし、フリーゴールの世界がリアルとなります。

 年商百億円企業のオーナー社長になることがフリーゴールだとすれば、その世界を強くイメージして臨場感を持てばよいのです。そうすれば、あなたのホメオスタシスが年商百億円企業のオーナー社長の世界とフィードバック関係を持ちます。年商百億円企業のオーナー社長になるために必要な「ツキのある世界」があなたのリアルとなるわけです。

 単純に「ツキまくりの世界」でも構いません。あなたがその世界をイメージして臨場感を持つことができればリアルになります。

 あなたが持つリアルは、あなたがどの世界に臨場感を持つかでも大きく変わってくるのです。

 引用終わり

 

 

-追記2

 実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません

 

 だから、常に逆腹式呼吸を!

逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ることが重要です。止観の前にどうぞ↓

L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

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Q-374:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい? <前編>

 

バランスホイールに関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 じつは過去にも同様の御質問をいただいています。そのときは「専業主婦」というキーワードを切り口に考察しました。まずはこちらを御確認ください↓

 Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html

 

 今回はとくに御質問の後半部分を掘り下げながら、二回に分けて考察します。

 苫米地博士のある書籍から引用(青字)します。“ある書籍”が何か想像しながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

バランスホイール

 

 

Q:バランスホイールは全ての項目を現状の外に設定するのでしょうか? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいいのでしょうか?

 

A1:まずは入門者向けに、基礎的知識の確認から。

 

 「バランスホイール」とは、「人生を分野別に分けて、それぞれの分野にゴールを設定するためのツール」です。つまり、「全ての項目を現状の外に設定するのでしょうか?」の「設定」とは、ゴール設定のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールの基本条件は、1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域にまんべんなく(←バランスホイール)。加えて、苫米地博士は 4)自分中心を捨て去る ことを重要視されています。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」とは、“自分”の定義をひろげていくこと。それは「自と他を分ける部分関数」としての自我を拡大・拡張することと同義。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことです。

 つまり、ゴールを設定(更新)するたびに「抽象度の高い思考」を獲得していくことになる ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 では、“ある書籍”からの引用文(青字)を確認しながら考えていきましょう。今回のキーワードは「慈悲」です。

 

 

慈悲の体感p56

 前頭前野を鍛え、情動も手玉にとれるほど抽象度の高い思考を獲得すると、体感的にも観念的にも、本当に心の底から、「人間は自分以外の人のために生きるのが幸せだ」と思えます。この気づきには体感が伴います。そしてその認識は、情動や自己中心的な世界を超えているので「間違いない」という確信があります。同様に、慈悲自体にも体感が伴います。どういう体感かというと、めちゃめちゃラッキーで幸せな状態になります。宝くじに当たったときのような陽気な心と超元気な感じです。ようするに前頭前野だけでなく、ありとあらゆるところで脳内伝達物質が出ている状態になるのです。瞑想がうまくいっている状態にも似ています。

 引用終わり

 

 

 繰り返しますが、ゴール設定(更新)を繰り返すほど「抽象度の高い思考」を獲得していきます。その結果、「人間は自分以外の人のために生きるのが幸せだ」と体感を伴って思えるようになると、かつて経験したことがないほど大きな幸福感を感じられるようになります。

 F-176:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-1;ゴールが幸福を定義する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25101418.html

 

 前頭前野眼窩内側部が発火し、ドーパミンが大量に分泌されるから。

 F-177:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-2;幸福はさらに深い自己催眠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25175860.html

 

 それは素晴らしい体験といえますが、一方でとても危険な状態でもあります。

 

 

慈悲ジャンキーp57

 瞑想に瞑想ジャンキーがいるように、慈悲には慈悲ジャンキーがいます。慈悲の体感はかなりハッピーです。うっかりすると慈悲ジャンキーになりかねません。自分が体感を求めるために慈悲的な行動をしだしたらかなり危険。本末転倒して、自我を太らせて自己満足的な、本人はよいことをしているつもりでもはた迷惑な人になってしまいます。もっともそうなったら体感も消えてしまいますので、過去の体験を求めて自分では慈悲だと思う行為を繰り返しても、快感は得られずに苦しくなるでしょう。

 「自分は、自分が嬉しいからやっているのかもしれない」と問い続け、つねにチェックしていくのです。

 引用終わり

 

 

 「前頭前野眼窩内側部が発火し、ドーパミンが大量に分泌される」ことが危険な理由は、「『自我を太らせて自己満足的』な状態に陥る可能性がある」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33098147.html

 

 コーチングでいう「現状に満足している状態」とは、このようなドーパミン大量分泌状態であり、「自我を太らせて自己満足的」になっている状態のことです(ハズ)。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 「自我を太らせる」「自己満足的」なときの“自”へのこだわりは、「4)自分中心を捨て去る」こととは正反対。抽象度を下げ、自我を縮小させる方向に向かわせます。

その結果が「自分さえよければいい」。

S-04-15:本当の幸せを感じられない理由 -5

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23368649.html

 

現在の世界情勢を鑑みると、権力者(既得権益)の「自分さえよければいい」がますます肥大化しているように感じられます。その根底にあるのは差別意識であり、ヒエラルキーのコンフォートゾーン化です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

例えば、「〇〇ファースト」という表現には“差別意識”が滲んでいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 あるもの(A)を別のもの(B)と分別した上で「BよりAが上(優先)」とすること、そしてその順位づけが絶対であるとすることは、釈迦の教えとは真逆。釈迦が説いたのは「無分別」であり、「無常」です。

 Q-239:気楽に生きたいのですが 後編;宇宙を理解した上で“自分”を定義しなおす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28268393.html

 

新型コロナウイルスおよび“ワクチン”によって激変してしまった社会では、ますます「自分さえよければいい」がはびこるでしょう。心身の不調により抽象度が引き下げられやすくなっていくから。「ファイト・オア・フライト」があたりまえな時代がもう始まっているのかもしれません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 そんな閉塞的な状況を打破する鍵が

 

 

快感と不安のバランスp58

 ただ、だいたいの場合は、快感よりも不安や疑問などのほうが上回ります。それでバランスがとれるはずです。つまり、自分が、なるべく自分の利益から遠い慈悲的な行為をするとき「これって果たしてやったほうがいいことなんだろうか」「今、しようとしている判断でいいのかな」という迷いや悩みは当然、出てきます。

 たとえば、被災地にボランティアに行こうというとき。自分なんかが行くよりは虎の子の貯金を送ったほうがいいんじゃないかとか、ボランティアするよりもまずは自分の本分の仕事をするべきじゃないかとか、悩むでしょう? 数ある選択肢の中で、実際の行為はたった一つしか選べません。だから「本当にこれでよかったのか」という問いには終わりがありません。つねにある中でベストな選択をしていくことの連続です。

 引用終わり

 

 

 そんな閉塞感を打破する鍵が「縁起」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

「自分さえよければいい」という発想は、大切な縁起(のつながり)をスコトーマに隠してしまいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

だから、自分中心の人は“本当の幸せ”を感じることができません。仏教では、その様を「無明(むみょう)」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 それとは反対に、1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域 +4)自分中心を捨て去る を基本条件とするゴールを設定することは、縁起(のつながり)を明らかにしながら拡大・拡張していく第一歩です。

 さらにいうと、ゴール実現のために実践し続けることは、縁起(のつながり)をより具体的な“well-being”に書き換えていく大切な行為といえます。

 

だから、コーチングは「慈悲の実践」です。

 F-209:マトリックス/Matrix -04Resurrections;慈悲的人類の進化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27122988.html

 

Q-375につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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F-303:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.5;芸術とコーチング(Authentic Coaching)とリーダーシップに共通する境地>

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L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

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F-350:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.3Starting with the man in the mirror

 

 体感的には「あっという間」ですが、苫米地博士と情報的に出会ってからそろそろ15年、苫米地式認定コーチとしてはもうすぐ10年目に入ります。

 F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

 いつの間にか、私も、まわりも、激変してしまったよう

 

 その変化を噛みしめながら、コーチとして「縁起宇宙(w1)の再構築」について考えてみました。

 

 vol.1Off the wall

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34369807.html

 vol.2IWe are the world

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34422350.html

 vol.3Starting with the man in the mirror

 

 

 前回(F-349/vol.2)は「ゲバラ主義」がテーマでした。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 ゲバラ主義の柱とは「高い理想」と「直接的実行」。

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 「高い理想」とは、“現状の外”に見いだすゴールのこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールとは、個人レベルの願望成就ではなく、より高次の抽象度次元にひろがる縁起(関係性)そのもののwell-beingのことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 苫米地博士は「バラいろダンディ」(20211213日放送回)の中で、ゴールのことを「将来達成したい世界」と表現されていました。「ゴールは自分のことではなく、社会の姿。それもより抽象度の高い世界のことである」と。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

そんなゴールは“自”と“他”を分ける“自分”という視点を超越した「未来における縁起のつながり」のことでもあります。それが自我。ゴールが生みだす空(くう)としての自我です。

それを前回(F-349)は「IWe are the world」と表現しました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「直接的実行」とは、ゴールを実現するための具体的かつ直接的行動のこと。

ゴール実現のための課題(case)やその解決法(plan)はあくまでも高い抽象度次元にありますが、実際の解決(=直接的実行)は最も低い抽象度次元である物理空間でなされます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「課題(case-side)」と「解決(plan-side)」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 具体的な解決、すなわち「直接的実行」のためには細かな調整が必要になります。抽象度が下がるほど具体的情報量が増え、複雑化していくからです。そのとき制約も増加していきます。

 それらをうまく調整し、矛盾なくスムーズに実行・実現することを「実装(じっそう)」と呼びます。英語では「implementation」です。

 Q-196未来の抽象度の高いイメージ(I)を臨場感高く想像すれば(V)実現する(R)と考えていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25936863.html

 

初回(F-348/vol.1)の例えでいうと、「キャッシュの壁」「時間の壁」「年齢(老い)の壁」「体力の壁」「距離(空間)の壁」などの“Off the wall”が実装(implementation)には欠かせません。

そのときの私は「IWe are the world」という感覚。

無限にひろがる縁起を内包した“私”という一人の存在が、あくまでも自己責任で、「直接的実行」を行っている という感覚です。

PM-05-27自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10987549.html

 

コーチング学び始めた頃、ルー・タイスさんの言葉を縁に、そのような感覚がクリアになりました。ゲシュタルト化したからだと思います。その言葉とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 All meaningful and lasting change starts first on the inside in your imagination and works its way out into reality.  

 

すべての意味のある、永続的な変化は心の中のイマジネーションから始まり、やがて外側の現実を変えていく

 

 

 ルーさんが教えてくださっているのは「すべて自分次第」だということ。仏説的に表現すると「すべて自身のマインドが生みだしている」。一言でいうと「空(くう)」です。 だから

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 Starting with the man in the mirror

 

 

 私たちは、心を変えることで、これまでの現状(w0)からまったく新しいゴール側の世界(w1)へと移動することができます

それはこの世に生きたままの「生まれ変わり」。「即身転生」です。

 F-346:ヘンシン! <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34261064.html

 

 最後に、苫米地博士の著書「今日からポジティブな自分に生まれ変わる! 新しい自分に会える倍音浄化音源CD付き」(日東書院、p151)より引用します。「即身転生」を体感しながら、ぜひ実践し続けてください。Feel

 

 

実践・「即身転生」

 道具の用意が整ったら、早速「生まれ変わり」の実践に移りましょう。

 まずは、できるだけ静かな空間を用意します。といっても、家のどこか一室でかまいません。ただ、トイレなどは雰囲気が出づらいのでやめたほうがいいでしょう。

 カーテンなどは閉めて、外の光や音ができるだけ入らないように工夫しましょう。照明は、昼なら消して、夜なら真っ暗にならない程度の薄明かりにしましょう。リラックス効果のあるアロマキャンドルなどを照明代わりにするのもいいと思います。仏教的にはお線香の香りがいいのかもしれませんが、そこまでこだわる必要はないでしょう。

 空間が整ったら、リラックスします。逆腹式呼吸を繰り返しましょう。

 数分から数十分の逆腹式呼吸で十分にリラックスできたら、音による変性意識生成に取りかかります。

 灰皿と割り箸(もしくは爪楊枝)の用意があるなら、割り箸をやぐらを組むように積んでその中に燃えるものを入れ、火をつけましょう。繰り返しますが周囲に引火しやすいものを置かないようにくれぐれも注意してください。

 次に水を入れたシンギングボール(ワイングラス)の縁をこすって、音を出します。音自体は違いますが、シンギングボールもワイングラスも「ウワーン、ウワーン」という、波打つような音が出るはずです。シンギングボールなら、中の水が跳ねていれば万全です。

 この音を聞きながら、「金剛鈴(風鈴)」も鳴らします。「チベタン・シンバル(チンチュー)」があれば、「金剛鈴」と交互に鳴らしてみましょう。

 慌てたり、鳴らすことに必死になるとかえって変性意識になれませんので、あくまでもリラックスした状態を保ちながら、ゆったりとした気持ちで鳴らしてください。

 火を使っている場合は、燃えている炎を見つめながら音を聞きましょう。火が弱くなってきたら、燃えるものを足して、火の勢いをある程度保つようにします。紙は点火時にはいいのですがすぐに燃え尽きてしまうので、木のほうが便利です。例えば、乾燥させたアイスキャンディの棒などになりたい自分のことをあらかじめ書いておくと、護摩焚きのお札の雰囲気が出ていいかもしれません。

 文字での表現が難しいのですが、「ふわっとした気持ち」になってきたら、「変性意識」が生成されたと思っていいでしょう。「変性意識」状態になったと思ったら、生まれ変わりたい自分のイメージを細かく思い浮かべます。

 いくつもの多国籍企業をもつ経営者だとしたら、具体的にどの国でどんな事業を展開しているか、各国の社員は何人で直接知っている部下はどんな人物かなど、会社のディテールを細かくイメージします。そこで自分はどんなことをしているか、部下にどんなことを言っているか、どんな人たちと交流があって、その交流の場ではどんな話をしているかなど、できれば映像とともに音やにおいや感触、食べているシーンなら味まで同時に思い浮かべてみましょう。

 強い変性意識下で、こうしたイメージを五感のリアリティをもって感じることができると、別人格のほうが本当の自分だと無意識に勘違いさせることができるようになります

 あとは、日常生活の中で悩みや「ネガティブな感情」が湧き上がってきたときに、「いや、でも本当は私は多国籍企業をいくつも経営する経営者なんだ」と思い直し、「だから、こんなことで不安になる必要はないんだ」とか「だから、ここで嫉妬する必要はない。むしろ、あの人のほうが私に嫉妬しているに違いない」などというように、気持ちを切り替えていくようにするのです。

 一回だけの儀式では、時間とともに生まれ変わりのリアリティが下がってしまうでしょう。リアリティが下がると、当然、もとの自分に戻ってしまいますから、この儀式は定期的にやり続けたほうが効果的です。

 繰り返しますが、バーチャルに生まれ変わったことは他言無用です。誰かに言ってしまうと、その人が生まれ変わりのリアリティを下げにかかる可能性があります。むしろ、「何をバカなことを言っているんだ」と徹底的にもとのあなたに引き戻そうとするのが普通の反応と言えます。それではせっかくの生まれ変わりが台無しです。「シークレット・エージェント」は誰にも自分の正体をばらしてはいけません。

 さて、生まれ変わったあなたにはもう怖いものはありません。何を言われても、何を思っても、それは世をしのぶ仮のあなたの話であって、現実の(生まれ変わったあとの)あなたとは何の関係もありません。

 もし、生まれ変わったあなたに何らかの新しい悩みが湧いてきたとしても、さらに別のあなたに生まれ変わってしまえばその悩みからも離れることができます。あなたは、悩みや苦しみから永遠に離れ続けることができるようになったのです。

 引用終わり

 

F-351につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 Starting with the man in the mirror

 

 皆さんは「鏡の中の自分」に微笑みかけることができますか?

 

 モヤモヤを感じる方はこちらをどうぞ↓

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_397885.html

 

 

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2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-11630年後の自分は何歳なのか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20682390.html

L-126202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -07;すべては自分次第。その自分とは

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Q-197:前代未聞の国会愚弄事件をなぜ衆参両院の憲法審査会は取り上げなかったのでしょうか? クズ政府の他責にせず自己責任なのでしょうか?

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Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

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Q-366~:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428654.html

 

 

今日からポジティブな自分に生まれ変わる!



F-349:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.2IWe are the world

 

 体感的には「あっという間」ですが、苫米地博士と情報的に出会ってからそろそろ15年、苫米地式認定コーチとしてはもうすぐ10年目に入ります。

 F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

 いつの間にか、私も、まわりも、激変してしまったよう

 

 その変化を噛みしめながら、コーチとして「縁起宇宙(w1)の再構築」について考えてみました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 vol.1Off the wall

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34369807.html

 vol.2IWe are the world

 

 

 コーチングはとても奥深いものですが、実際に行われることは「ゴールを設定して、エフィカシーを高める」といたってシンプル。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望むこと、3)人生のあらゆる領域にまんべんなく(バランスホイール)の3つ。

 L-09920218月シークレットレクチャー -01;ゴールの基本条件

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31136092.html

 

 それらに加え、苫米地博士は 4)自分中心を捨て去る を挙げられています。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「自分中心を捨て去る」は、儒教的な無我や滅私ではなく、“自分”の定義をひろげること。

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 それは関係性の結び目である“自分”=自我を拡大・拡張すること。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

「自分中心を捨て去る」は、“自分”の定義をひろげること

  =自我の拡大・拡張

  =抽象度が上がる

 

 その感覚を別の言葉で表現すると、「主語が『I』から『WE』にかわる」。セルフイメージそのものが「We are the world」になるという感じです。

 (私の実体験はこのようなものでした↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855064.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23919789.html

 

 「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことは、もちろん、「ゴールを設定し、エフィカシーを高める」ためにとても大切です。

 しかし、コーチとして考えると、気をつけるべき点もあります。ゴール設定がうまくできたが故に生じる落とし穴のようなものです。

 

それはコンフォートゾーン化。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 高い抽象度次元のイメージがコンフォートゾーン化すると、物理空間でのリアルな行動がおっくうになります(ですよね?)。

それだけでなく、「ゴールを更新し、さらなる高次元に飛びだす」ための気力も失うでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

それは強力なホメオスタシスで維持される「現状維持の壁」といえます。かつての夢が現実化していく中で生みだされる新たな“壁”です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 この課題(case)に対する私の解決(plan)はシンプル。それは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 実践し続けること

ゴール実現のための何らかの具体的行動を継続し、社会を変革し続けること です。

 

 

 もちろん、それは簡単なことではありません。ゴールは“現状の外”だから。

ゴール実現に向かう何らかの行動は、必ずまわりの人々のコンフォートゾーンをゆるがし、とくに既得権益のコンフォートゾーンを崩すことになります。

ゴールの抽象度が高いほど、きっとモーレツに嫌がられるでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 だから、ゴール実現のために行動する人は「変革者」。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

 そんな変革者自身にも、やがて試練が訪れます。理想と現実のギャップや期待と落胆の差が大きいほど、認知的不協和が生じやすくなるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 脳機能でいうと前頭前野優位から大脳辺縁系優位へ、怒りでいうと人間的怒り(公憤)から動物的怒り(私憤)へと、転がり落ちやすくなります。

SWでいうと「ダークサイドに墜ちる」)

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 そのマネジメント(=エモーションコントロール)をしくじると、まわりを巻き込んでhave to化しながら、IQが下がり、抽象度も下がることになります。

すると、いつの間にか「主語が「『WE』から『I』にかわる」はず。

それはselfishになる(戻る)ことを意味します。だから

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 

 一方でさらなるゴールを追い求めながら、常にエモーションコントロールを行いつつ、一方でしっかり直接的行動をし続ける

 

 

 これは苫米地理論やコーチングの根底にある「〇〇思想」のこと。博士は「△△△主義」とも表現されます。

 

 以下、苫米地博士とキューバ政府最高科学顧問/モスクワ大学博士(原子力工学)フィデル・カストロ・ディアスバラールト氏の対談本「もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった」(徳間書店、p14)より引用します。「〇〇思想」「△△△主義」を五感で体感しながら読み進めてください。Feel

 

 

 人類の歴史を振り返ったとき、革命家と呼ばれる人物は数多く存在しますが、本当の意味での革命家と呼べる人は数えるほどしかおらず、その1人がチェ・ゲバラです。そして今、ふたたびチェ・ゲバラのような「真の革命家」が出現しないと、この世界は滅んでしまう危険があると私は思っています。

 キューバ革命のような武闘闘争を行うための指導者が必要だ、ということではありません。21世紀の今、世界を変えるためにマシンガンは必要ありません。ゲバラのような思想、信条を持った人物が必要だ、ということです。そのゲバラのイデオロギーを「ゲバラ主義」と呼びます。今の日本、今の世界には「ゲバラ主義」が必要とされているのです。

 では、ゲバラ主義とはどんなイデオロギーなのか。柱は2つあります。

 1つ目の柱は「高い理想」、2つ目の柱が「直接的実行」です。高い理想の「高さ」は、一般の人が普通に思いつくような高さではなく、その理想を聞いた第三者が「本当に実現できるのか?」「実現できるはずがない」と思ってしまうような高さを目指します。直接的実行とは、物理的に自分の体を使って行動することです。この2つの柱を両立させて、徹底的に追求することがゲバラ主義であり、革命の基本原理となります。

 まだ彼が生きていた頃は、日本においてゲバラ主義はまったく評価されていませんでした。というか、正しいゲバラ主義が日本の人々に伝えられることはありませんでした。

 ゲバラは革命政府樹立後の19597月、キューバ使節団を引き連れて来日を果たしています。そのとき企業の工場などを視察して、通産大臣(当時)の池田勇人と会談も行いました。歴史的な革命を成し遂げた指導者のひとりが来日し、政府関係者と会談を行っているのですから、普通に考えれば大きなニュースになるはずです。しかし、ゲバラ来日のニュースは、朝日新聞で「東京へ来たカストロ・ヒゲ」と揶揄的に報道されたのみで、ほかのメディアには完全に無視されました。

 来日時、ゲバラは予定になかった広島を訪問し、広島平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑に献花し、現地新聞の記者に「なぜ日本人はアメリカに対して原爆投下の責任を問わないのか」と問い詰めたと言われていますが、そうした言動も日本のメディアで報道されることはありませんでした。当時の日本においては、ゲバラは「共産ゲリラの人」ですべてであり、ゲバラのイデオロギーが日本人の心に届くことはありませんでした。

 近年ではチェ・ゲバラに関する本がたくさん出版され、ゲバラを主人公にした映画も制作されているので、彼について知る機会が増えていると思います。日本でも、彼の思想や、その思想に基づく生き方に共感している方も多いのではないでしょうか。世界情勢から見ても、すでに「資本主義」対「共産主義」という冷戦の時代は終わり、キューバをはじめ中国、北朝鮮、ベトナムなど共産主義を掲げる国家は残ってはいるものの、以前のように共産主義に対してアレルギーを持ったり、偏見の目で見たりすることはなくなってきています(また、中国のように国家資本主義とでも呼べるような新しい道を模索している共産国もあります)。

 そのような時代であるからこそ、偏った先入観を持たず、もう一度ゲバラ主義を見直すことができるのではないかと思うのです。

 では、2つの柱について、それぞれ詳しくご説明をしましょう。

 まずは「高い理想」について。ゲバラが目指したのは「帝国主義支配からの人民の解放」でした。革命前のキューバでは、アメリカ資本とアメリカの傀儡であったバティスタ独裁政権がキューバの人々を搾取していたので、ゲバラは「帝国主義から、中南米の人々を解放すること」をゴール(目標)として、革命を成し遂げました。革命政府樹立後、アメリカ企業の資産の接収と国営化を推し進めたためにアメリカから経済封鎖を受けたキューバは、同じ共産主義国であるソ連と友好関係を築き、さまざまな支援を受けました。アメリカ帝国主義からの解放を実現し、きっと多くの人は満足したはずです。しかし、ゲバラは違いました。1965年アルジェリアで行われた「第二回アジア・アフリカ経済会議」において、最大の支援国であったソ連を「帝国主義的搾取の共犯者」と非難したのです。彼の反帝国主義、人民解放の思想は徹底しており、キューバ経済にとって不可欠なパートナーであったソ連に対しても、自分の理想に反していると思えば「間違っている」とはっきりと批判しました。

 これは、当時もう1つの共産主義大国であった中国と公然と対立していたソ連の当然の怒りを買うことになりました。

 これらの背景を元に推測するならば、ソ連はキューバ政府に対して「チェ・ゲバラを国政から追放しろ。さもなくば、援助を打ち切るぞ」と通告したはずです。そのときゲバラとキューバ政府の間で何があったのか、具体的には公にはされていませんが、彼はおそらく盟友であるカストロ議長と話し合ったのでしょう。そして、ゲバラはキューバを離れることになったと思っています。もちろんゲバラには「全世界の虐げられる人民を帝国主義支配から解放する」というとてつもない高い理想があり、その実現のためにキューバを出た側面もあると思います。しかし一方で、ソ連からの圧力があったのではないかと私は考えています。

 ともあれ、ゲバラはアメリカやソ連という当時、世界を牛耳っていた大国に対しても自分の信念、信条を曲げることをせず、最後まで「反帝国主義」「人民解放」という理想を貫き通しました。こうした姿勢こそが、ゲバラ主義における「高い理想」です。

 もう1つの柱である「直接的実行」とは、攻撃すべき相手に対して、自らが直接的に攻撃をしかけることです。キューバ革命における攻撃すべき相手とは、キューバを支配していたバティスタ政権であり、バティスタ政権の後ろ盾となっていたアメリカでした。カストロやゲバラをはじめとした革命軍兵士は、武器を手に政府軍に向かっていきました。

 ただし現代はマシンガンや刀などの武器を持って乗り込んでいく時代ではありません。

 直接的実行には、必ず物理的リスクが伴います。武装闘争であれば、戦闘の最中に銃弾に倒れるかもしれません。政府や企業を批判する直接的意見を繰り返せば、身体的にもリスクがあるのが現実です。そうした物理的リスクに怯むことなく、直接的実行を継続することが、社会を変える力になるのです。

 また、攻撃する対象は、特定の個人というより、より抽象度の高い社会的なシステムであるべきです。個人を打倒しても、システムが残る限り、第2、第3の支配者が現れます。自分たちを圧迫し、支配する社会的なシステムを変革することが、真の革命につながります。

 「高い理想」と「直接的実行」。この2つが揃ってはじめて、ゲバラ主義が成り立ち、真の革命が実現できるのです。

 引用終わり

 

 

 「高い理想」と「直接的実行」。この2つが揃ってはじめて、ゲバラ主義が成り立ち、真の革命が実現できる

 

 この「ゲバラ主義」が、コーチング実践者のブリーフ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そして「ゲバラ主義」は、苫米地理論やコーチングの根底にある「中観思想」のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 この縁起宇宙(w1)再構築の秘訣を、私は「IWe are the world」とイメージしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

F-350につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

一方でさらなるゴールを追い求めながら、常にエモーションコントロールを行いつつ、一方でしっかり直接的行動をし続ける

  =ゲバラ主義

  =中観思想

  =IWe are the world

 

 さらに私は「DevSecOps」とも重ねてイメージしています。

 F-275:冗長性と多様性 <vol.7DevSecOps

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558564.html

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

I-017:ブログ更新予定変更のお知らせ ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html

F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

F-328:お大事に <後編;最も大切にしなければいけないこと>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33311888.html

L-137202111月シークレットレクチャー -06;平和を実現するために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33098147.html

Q-357:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか? <vol.4;リラックスと緊張のサイクル -超越編-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33248780.html

 

 

もう一歩先の世界へ 脱資本主義の革命が始まった



L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 09;「自分中心を捨て去る」とは

 

 

コーチングでは、関数 p の再定義を促すのではなく、可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 これがコーチングの要諦。「可能世界 w から別の w1 へ移行」するために手に入れるべきものが「知識」です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「知識」を獲得するために、苫米地博士が強く勧められているのが読書。しかも、大量の読書。なんとコーチ向けには「月300冊。一日10冊読めばいいだけ。余裕じゃん」と話されています。

 

 ただし、ただ読むだけでは、情報は得られても、知識はなかなか習得できません。その理由を考えながら、下記文章をゆっくり読み進めてください。

苫米地博士の著書「ビジネスで圧勝できる脳科学」(サイゾー、p82)より引用します。

 

 

ビジネスで圧勝できる脳科学

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: ビジネスで圧勝できる脳科学 eBook : 苫米地 英人:

 

 

 34 思考のスピードを上げる実践ワーク③ 月100冊の本を読む

 Read 100 books every month.

 

 「何を読むか」よりも「どう読むか」

 1ヶ月に最低100冊の本を読む。「そんなの無理!」と言われそうですが、前項で紹介したトレーニングをきちんと実践すれば、1日に3~4冊は読めるようになるはずです。

 ただし、興味がある分野の本だけを読んでも抽象度は上がりません。ジャンルを限定せずに読むことが大切。ゴールと合致した内容の本は一見役に立ちそうですが、そういう本ばかり読むと見える範囲が狭まり抽象度は低くなります。少し具体的な内容が書いてあると「こうすればいいのか!」と納得した気になり、自らの思考が停止するからです。

 具体的には売れている本を端から読むのがおすすめ。ベストセラー・ランキングの1~100位を全部読むのです。ただし小説や漫画は除外します。100冊読書は興味・嗜好を充たすためではありません。大切なのは「反論を考えながら読む」こと。書いてあることが「正しいか・正しくないか」を判断しながら読むのです。

 正しくないと思ったら自分なりの反論を考えます。間違っていても構いません。常に考え、判断を下しながら読むことが肝心で、それによって抽象度が上がり、並列思考も養われるのです。

 「売れる本」がいい本とは限りませんが、注目を集めていることは事実です。「売れる本」という抽象度で眺めれば共通点が見つかるかもしれません。「なぜ、売れたのだろう」と理由を考えながら読むことも大事です。

 

 知らないことを見えるようにする

 ところで本を読む目的として「新たな知識の習得」を挙げる人がいます。しかし、そんなことはできません。人間は原則として「知らないことは認識できない」からです。普通の本の読み方では読んだつもりになるだけで、「新しい知識」はほぼ習得できないのです。

 もちろん、どんな本からでも「情報」は得られます。しかし「情報」と「知識」は違います。情報は「一定の文脈で意味を持つもの」を指す概念。あらゆるものがそうなりえます。

 ゲシュタルトを思い出してください。ゲシュタルトができると、知識がないものも認識できると書きました。つまり、知識とゲシュタルトを組み合わせた「文脈」の中で認識が生まれるのです。図式化するとこうなります。

 情報(入力)→文脈(知識+ゲシュタルト)→認識

 つまり、100冊読書は「知らないことを見える化する」トレーニングなのです。

 ちなみに、「毎月100冊も本を買うのは出費がかさんで大変」という人は同じ本を何度も読み返しても構いません。何度か読んでゲシュタルトができると、次に読み直したときに細部の意味までわかってきます。いい本だと思った本は何度も読み返しましょう。

 引用終わり

 

 

 私たちの認識には必ずスコトーマがあります。スコトーマが生じる/外れるポイントは3つ。1)知識、2)重要性、3)役割(責任)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

私たちは、そもそも知らないものを認識することができません。だから、「ただ読むだけでは、知識は習得できない」。

 ところが、実際には、新たな知識をどんどん獲得していくことができます。その秘密が前回(L-164/08)取り上げたゲシュタルトを生みだす能力にあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

1つ上の抽象度でより大きなゲシュタルトを作ると、未知の情報を認識することが可能になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

私たちの目の前にある情報は、脳が過去の記憶をもとに「これは重要である」と判断してはじめて認識されます。過去の記憶にない情報は脳内のフィルターであるRASをすり抜けることができません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

例えば「詰込み型教育」と揶揄される方法において、詰め込まれるものはただの情報です。

学ぶほど知識が増えていくように感じますが、それは錯覚で、ただ情報が増えているだけ。それら大量の情報をひとまとめにして概念化(ゲシュタルト化)した時にはじめて知識となります。つまり、知識とは、「大量の情報をもとに構築された概念の塊」のこと。

だから、概念化(ゲシュタルト化)がとても重要!

 L-11620219月シークレットレクチャー -04;論理という“劇薬”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32149982.html

 

ちなみに、知識が増えるとは「概念の数が増える」ことです。その知識をさらにひとまとめにして「より大きな概念の塊」をつくるほど、抽象度がどんどん上がっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 それが「IQIntelligence Quotient)」。IQとは、「抽象度の高い世界に強い臨場感を感じながら身体性を持って操作できる能力」のことです。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」のvol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 「可能世界 w から別の w1 への移行を促す」ためには、コーチ自身が1)無意識のうちに全体像を身体的に感じて、2)複数のことを同時進行で考えながら、3)瞬時にオリジナルの考えを導きだせる ことが必須↓

 L-10720218月シークレットレクチャー -09;「I×V」とは〇〇

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

だから、コーチは学習し続けています。

ここでいう“学習”とは、グレインサイズが大きくなる =ゲシュタルトを統合 =抽象度が上がる ための活動のこと。

PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

“学習”の結果、「自分中心を捨て去る」ことがますます自然にできるようになります。

 (「自然にできる」理由はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

「自分中心を捨て去る」とは、“自分”=関係性 を拡大していくことであり、“自分”の定義をより高次の抽象度次元に拡張していくことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その「より高次の抽象度次元に拡張した“自分”」とは、「ゴールが生みだす『可能世界w1』」そのものといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

L-166につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 知識とは、「大量の情報をもとに構築された概念の塊」のこと

 

 「苫米地思考ノート術」(オープン・エンド、p63)の中で、苫米地博士は、知識とは「潜在的に他者と共有しうる物事の関係性」と定義されています。

 Q-179~80:家族ががんで治療中です… -03~4;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25131114.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 

苫米地 思考ノート術

Kindle版はこちら↓

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 そのことを踏まえながら、あらためて「より高次の抽象度次元に拡張した“自分”」と「ゴールが生みだす『可能世界w1』」の関係性を感じてください。Feel

 Q-181:家族ががんで治療中です… -05;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 理論編(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25194921.html

 

 

-告知1

2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-278L下でのBSB vol.3briefing

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Q-292:来年度はこのようなセミナーを開催する予定はありますでしょうか?

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Q-320~1:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね? <vol.2~3:「時間は体感」を体得する4つのステップ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31693510.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31732537.html

 



L-164202201月シークレットレクチャー -08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 

 

コーチングでは、関数 p の再定義を促すのではなく、可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 これがコーチングの要諦。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

コーチングは可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 

 ゴールそのものは決して自分のことではありませんが(w1=)、ど真ん中は自分でないといけません(p=ブリーフシステム=自我)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「ど真ん中は自分」ではない状態が“奴隷”。当たり前ですが、“奴隷”のままでは決して幸せになることはできません。

 L-01020201月シークレットレクチャー -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 では、“奴隷”の状態から脱し、シンの自由を得て、「可能世界 w から別の w1 へ移行」するために手に入れるべきものは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 答えは「知識」。

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 ちょっと歴史的な話をすると、かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」ことが大前提だったそう。それを「単調論理」と呼びます。

 その大前提を外し、「間違っていても知識と呼ぶ」「真偽値が定まっていない知識を知識として認める」としたことで、かえってこの世界をより正確に記述できるようなりました。それが「非単調論理」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 苫米地博士は、おなじみの「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(Club Tomabechi)の中で、「知識は『異世界転生術』の1つ目の魔法」と書かれています。シンプルにまとめると、

     知るということは、知らなかった世界から、知っている世界へ移動すること

     Aという情報場からBという情報場へ移動するための乗り物が知識

     知識がないと移動できない。逆に適切な知識があれば、どんな不思議な世界へも転生できる

     知識が正しいかどうかは、場が移動できるかどうかで決まる

     知識がなければ、そしてそれを理解するだけの抽象度にいないと、転生は起こせない

     圧倒的な知識が背景にあるからこそ、圧倒的な結果が出せる

 

 

 では、知識を得るためにはどうすればよいのでしょう?

 

 博士が教えてくださるのは「DVDや動画教材を繰り返し視聴しながら、自分の中に落とし込む」こと。「自分の中に落とし込む」というのは、俗に言う「腑に落ちる」という感覚と同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31993466.html

 

 その本質は「ゲシュタルト化」です。

 

ゲシュタルトとは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」を指します。人はゲシュタルトとして目の前の世界を認識しています。つまり、ゲシュタルトが意味を決めるということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

釈迦哲学に寄せて表現すると、ゲシュタルトとは、「全体と部分の双方向性で成り立ち、1つの統合的意味を持つまとまり」のこと。人の場合は「統合的な人格」のことともいえます。その根幹にあるのは縁起の思想です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私たちは、潜在的には複数のゲシュタルトを持つことができます。しかしながら、ホメオスタシス(恒常性維持機能)を維持できるのは1つだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その鍵となるのが“臨場感”。

複数のゲシュタルトのうち、最も臨場感の高いゲシュタルトが選択されて“現実”となります。その理をプリンシプル化したものが↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 繰り返しますが、人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。

 ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 そう、抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゲシュタルトの統合を繰り返しながら抽象度を上げ続けていくと、いつか「空(くう)」に到達するはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それが「悟り」。すべてのスコトーマが外れるときです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p178)より引用します。“コーチングの本質”をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

悟りとはすべてのスコトーマが外れる体験

 この本の第3章で、自我とは自分にとって重要な順番で記述した評価関数であることをお話ししました。そして、自我によって生まれるのがスコトーマです。

 脳の認識機能は、自分にとって重要なものは見えるが、重要でないものは見えないようになっています。例えば目の前の恋人は自分にとって重要なので見えていますが、テーブルに置かれたペンは重要ではないので目に入りません。目の前の物質だけでなく、概念についてもスコトーマは起こります。書くということを知らない原始人が目の前にあるペンを見ても、その存在そのものを認識できないでしょう。

 釈迦は瞑想によって自我はない(または空である)と知りました。それが悟りの状態です。自我がなくなった状態ですから、すべてのスコトーマが外れており、すべてを認識することが可能になっています。目の前の恋人や机の上のペンだけでなく、「自分」も「宇宙」もすべて同時に認識できるのです。

 自我という評価関数がなくなりますから、重要度に順番はつきません。宇宙のすべてのものを、同じように重要だと感じます。洗脳されたものを含めてあらゆる価値観から解放された状態、その境地が釈迦の悟りなのです。

 悟りとは「自分」と「宇宙」の両方を完全に認識すること、ともいうことができます。「自我」やあらゆる「概念」は数学の部分関数として考えることができます。部分関数とは何でしょう。たとえば「偶数」という部分関数では、自然数nを入力すると「2468……」と偶数を出力します。偶数を定義すれば、奇数も自動的に定義されます。自然数で偶数でないものが奇数だからです。

 すべての「概念」は、宇宙のすべてからものを選び出す部分関数ということができます。「犬」という概念は、宇宙のすべての犬を選び出す部分関数です。「人間」という概念は、宇宙のすべての人間を選び出す部分関数であり、現在だけでなく、過去に生きていた人間、未来に生まれてくる人間すべてを含んでいます。

 同じように、「自我」の概念とは、宇宙のすべてから、たったひとりの「自分自身」を選び出すという部分関数と言うことができるでしょう。

 そして、偶数が定義されると奇数が定義されるように、「自我」が定義されると、それ以外の「宇宙のすべて」も同時に定義されるのです。ということは、自分を正確に認識できれば、宇宙も完全に見ることができる。すべてが認識できるということです。

 釈迦には、自分、そして宇宙のゲシュタルトが見えました。ゲシュタルトとは、今までランダムに見えていたものを高い抽象度で見ることで整合的なパターンとして認識できることを言います。動物もゲシュタルト能力を持っています。犬でも肉やドッグフードを同じ食べ物として認識しているからです。人間の場合は、さらに抽象度の高いゲシュタルト能力を持っています。

 多くの人間が集まっている様子を見て、ただ「たくさん人がいる」ではなく、「朝なので通勤の人が多い」「コンサートに来た客が行列をなしている」と理解することができるのです。

 釈迦には自分と宇宙のゲシュタルトがわかったのです。それは宇宙を大まかに定義することではなく、分子、素粒子といった部分のひとつひとつが等しく重要でありながら、宇宙という全体と統合された理解です。当然、自分と宇宙のゲシュタルトは言語を超えた体感に他なりません。

 そして釈迦が、この境地を人に伝えるにはどうすべきかと考えて生み出された説明原理が十二支縁起なのです。悟っていない、すなわちすべてを認識できていない「無明」から、誤った認識の「行」が生じ、最終的に苦が生まれると説明したのです。逆に、悟ってしまえば、誤った認識はないのですから、苦もありません。すなわち煩悩から解き放たれた状態なのです。

 引用終わり

 

 

コーチングでは、関数 p の再定義を促すのではなく、可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 その「別の w1」は、ゲシュタルトを統合することで到達できる、より高い抽象度次元にひろがる世界のこと。

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 以前お伝えしたこと(L-161/05)と統合すると、「グレインサイズが大きくなる=ゲシュタルトの統合=抽象度が上がる」で“1つ”。つまり

 L-161202201… -05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 

 まずは過去の記憶でつくられた「これまでの『フレーム=BS可能世界w)』」を解体

→ スコトーマが外れる

→ 新たなゴール設定

→ 高い次元に「新たな『フレーム=BS別の w1)』」を再構築

=グレインサイズが大きくなる

=ゲシュタルトを統合

=抽象度が上がる

 → 人生がますます豊かになる

 

 

 人生がますます豊かになる

 

それがコーチングによるゲシュタルト統合の結果として起こることです。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

L-165につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-301:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.3;最強の自己プロデュース力=火の鳥>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

Q-371:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.3;実践編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34120540.html

 

 

お釈迦さまの脳科学

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