苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:自我

Q-408:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか? <vol.2;〇〇を感じ取る力>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 (「シンプル」の意味はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前回(Q-407/vol.1)は「case-side」として、「フレーム問題」を取り上げました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

 今回からは「plan-side」。掘り下げるテーマは「ゲシュタルト能力」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A2前回(Q-407)、「ゲシュタルト能力」について言及しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 無限に等しい可能性の中からまるで運命に導かれるかのように「『これだ』と判断」できる力が「ゲシュタルト能力」です。

 L-170202203月シークレット… -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 

私たちはゲシュタルト能力によって「フレーム問題」を解決しています。

 Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることがOps編;〇〇〇化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 そもそも「フレーム問題」とは、「ファンクショナリズム(functionalism)」をパラダイムとする現代の認知科学(cognitive science)が抱えている問題です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。

 その“関わり”が「ファンクション」。東洋哲学でいうと「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

よって、「フレーム問題」を解決するゲシュタルト能力とは、「縁起を感じ取る力」だといえます。心理学ではヒューリスティック(heuristic)と表現しますが、「経験的(もしくは生得的)な知識を利用して、あいまいなマッチングを“発見的”に行う」という能力です。

もっとコーチングに寄せて表現すると、「イマジネーションの限界を超える力」。

F-363:シコウサクゴ <前編:コーチング前は誰もが「思考錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35159915.html

 

 厳密には、この世に同じものは2つとありません。よって、ゲシュタルト能力なしでは認識すること自体が困難です。じつは、もうひとつ認識に欠かせないものがあります。

何だと思いますか?

(すでにこのブログ記事内で触れています)

 

 

 そう、「知識」。知識がスコトーマを外すための最初の条件です。スコトーマは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つがそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 認識の大前提は「知識」と「ゲシュタルト能力」

 

この2つに学習が関係します。学習により知識を得、学習によりゲシュタルト能力が磨かれるというように。

 PM-05-06~08:そもそも学習とは?-3-1~3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 以上より、「ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?」に対する私の答えは

 

 自分自身が知識を得てゲシュタルト能力をさらに磨きながら、クライアント(相手)の知識とゲシュタルト能力を観察する

 

 という感じ。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます。

(その基本はこちら↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

「イマジネーションの限界」がゆらぐと、その先、つまり現状の外側に、新たなゴールを見つけることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「イマジネーションの限界がゆらぐ」とは、自我(=これまでの縁起=ブリーフシステム)がゆらぐということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 膨大な知識があり、ゲシュタルト能力も磨いているのに、それでも「イマジネーションの限界を超えられない」という場合、おそらく「自分(関数p)が観ている宇宙(w1)」に限界があります。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 それは「自我が『限界』や『強力な壁』を生みだしている」ということ。

 F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34206232.html

 

 コーチの役目は「結果として、クライアントの自我を変える」ことです。「結果として」というのは、もちろん、「ゴール設定」の結果という意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『110分』でひらめき脳に生まれ変わる 『とてつもない成果』を生み出すいちばん簡単な方法」(イースト・プレス、p126)より引用します。

 

 

ゴール設定が「自我」を変える

 自我が変わるかどうかは、ゴールで決まります。

 私はギターを弾くので、アンプには異常なこだわりがあります。ダンブルやブルードトーンといったブティックアンプを数多く持っています。

 ライブをするときは、これらの重たいアンプを何台も運ばなければいけません。しかも、エフェクターからアンプまで含めると、総額で1000万円以上にもなってしまいます。

 私だけではなく、音質にこだわったプロのミュージシャンであれば、それくらいのコストと重労働は当然のことです。

 さらにいえば、世界のトッププロのミュージシャンは、必ず優秀なテクニシャンを雇っています。アンプなどの機械のメンテナンスのため、最低ひとりはフルタイムでテクニシャンを雇わないといけないのです。それだけで、年間1200万円ほどかかります。

 売れているミュージシャンであれば、それくらいのコストをかけられますが、普通のミュージシャンにはコストパフォーマンスが悪すぎます。

 そこで、最近ではフラクタルオーディオというものが登場しました。これは何かというと、いくつかの有名なアンプの実際の音をサンプリングして、デジタルで音の特徴を再現したものです。人間の耳ではほとんど違いがわからないくらい、完璧なモデリングです。

 たった1台のフラクタルオーディオがあれば、重たいアンプやエフェクターラックを何台も持ち運ぶ必要はありません。しかも30万円程度で購入できます。

 ですから、多くのプロミュージシャンはフラクタルオーディオに変えています。とくに高額なコストをかけられないプロミュージシャンは、フラクタルオーディオ1台ですませています。

 フラクタルオーディオに変更した人は、まさしくいままでの自我を変えたということ。それに対して、私はいまのところフラクタルオーディオに変更するつもりはありません。いちおうオーダーはしていますが。

 それは、なぜか。

 フラクタルオーディオで再生できない改造アンプをいろいろ使っている、同じアンプメーカーの同じ型番でもアンプ一つひとつで音が違う……など、理由はいくらでもありますが、その根本的な理由は、ゴールが違うからです。

 私がギターを弾くのは、それぞれのホールやライブハウス、レコーディングの環境に合わせて音質をとことん追究したいからです。自分ではんだごてを持ったり、銅線一本にもこだわったりしたいのです。

 しかし、多くのプロミュージシャンのゴールは、利益を上げること。もちろん音質やパフォーマンスにはこだわりがあると思いますが、ある程度の音質であれば、あとはコストとの兼ね合いでしょう。毎年赤字というわけにはいきません。

 ですから、アイドルの後ろで演奏するような仕事であれば、フラクタルオーディオに変更するのは当然のことです。年間数千万円ものコストが削減されるのですから。

 つまり、自我というのは、ゴールの設定によっているのです。

 私のような音質を追究している人間は、自我を変えてフラクタルオーディオに変更する必要はありません。必要がないというよりは、自我はどんどん変わっていても利益優先の自我にはならないのです。

 逆にいえば、自我を変えたいのであれば、ゴールを変えればいいということ。もし私が「音楽一本で食べていく」ということが必要となるゴールに変更すれば、自我は変わるでしょう。フラクタルオーディオを使用すると思いますし、アイドルの後ろで演奏するギタリストをするかもしれません。

 ゴールの設定については、これまでの私の書籍で何度も繰り返し述べてきましたので、ここでは簡単に復習するだけにしておきます。

 ゴールの設定で重要な条件は、「かないそうにない夢であること」、そして「want toであること」です。

 「かないそうにない夢」とは、現状の延長上にないものです。現在の状況をこのままほうっておいたら起こりうることをゴールにしても意味がありません。現状の外側にあることをゴールに設定しなければいけないのです

 「want to」については、STEP2で述べたとおりです。本当に自分がしたいことをゴールにしなければ、不幸です。ゴールを達成しても、それが望まないことだったら意味がないからです。

 そして、ゴールが「want to」であれば、ホメオスタシスが働き、自然にゴールが達成されます

 この二つの条件を満たすゴールを設定すれば、自分が望む自我に変えることができます。自我を変えることができれば、「本物のひらめき」が起こります。

 高い抽象思考ができ、膨大な知識量があっても、自我が変わらなければ、「本物のひらめき」は起こらないのです。

 引用終わり

 

 

 今回のサブタイトルは「〇〇を感じ取る力」。その「〇〇」とは、もちろん、「縁起」のこと。この引用文を読みながら、苫米地博士の「縁起」と「縁起を感じ取る力」を感じられたでしょうか?

 

 引用文を紹介する前に、私はこのように書きました。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます

 

 そのときにゆらぐのは、クライアントの「イマジネーションの限界」だけではありません。コーチ自身の「イマジネーションの限界」もゆらいでいきます。それが縁起だからです。

 Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html

 

 双方向性の縁起の力により、現状の外にゴールを設定し、結果として自我が変わり、「本物のひらめき」を得る

 

 それが苫米地式コーチング。

 人が持つ不思議な縁起の力をフル活用する本物(Authentic)のコーチングです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

Q-409につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます

 

そのための具体的方法はこちらでどうぞ↓

 Q-182~185:家族ががんで… -06~09;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する>実践編vol.1~4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25324197.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-325:観自在 <実践編-5;“縁起力”をブーストする>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33162493.html

L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

Q-291:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.11;縁起的コミュニケーションのために>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29969615.html

Q-359~:こんな当たり前のことを訊いてもよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428035.html

 

 

「1日10分」でひらめき脳に生まれ変わる

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F-379:学びと破門で脅しをかける ~自由、フェアネス、平和のために~ <vol.3;自由→フェアネス→平和>

 

 私たちは、最初から、すべてから、自由。

 それは無限の可能性を秘めているということですが、多くの人は可能性(可能世界)を感じることができません。スコトーマがあるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だから、スコトーマを外し「無限の可能性(可能世界)」を感じるために、偏見を捨て去る必要があります。その偏見の代表が差別意識。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 現代社会において、差別意識はますます強くなっています。その象徴が「世襲」です。

 (詳しくは「F-377/vol.1」で。こちらからどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35845452.html

 

 

「世襲」を突き詰めると、それは「情報空間(情報場)を受け継ぐ」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

  今まで続けてきたというだけの慣習

  時代の変化に取り残された習慣

  やめたらいけないような感じがするだけの仕事

なぜやっているのかわからない作業

なんとなくやっていることすべて

 

 それらはすべて過去であり、「世襲」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

さらにいうと、そんな現実(=過去)は“本当の自分”ではありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

  

 だから、「世襲」空間から抜けだすこと、すなわち“脱洗脳”が重要!

 (「洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう究極の脱洗脳法」は「F-378/vol.2」で↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

 “脱洗脳”の方法として苫米地博士が教えてくださっているのが、

 

自分で自分の脳を自分のゴールに洗脳する

 

 その「自分のゴールに洗脳」の先には、一体何があるのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 私の最初の答えは「資本主義支配からの脱出」です。それは「お金」という現代版最強煩悩の克服。

 Q-383~:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429499.html

 

 それこそが今を生きる私たちに必須の「自由」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳を解けば、人生はすべてうまくいく」(日本文芸社、p187)より引用します。

 

 

生権力の入り込む隙間のないバーチャルな世界

 生権力(バイオパワー)のことは既にPART1で書きました。資本主義そのものが「パノプティコン」を持っています。つまり、お金そのものが看守が塔の上から監視しているかもしれないという本質的な生権力を持っているといえるのです。

 誰もがお金持ちになりたいという気持ちを持っていますから、その煩悩をたきつけるだけで、資本主義の理想的な奴隷になってくれるからです。

 そのとき、その人は誰かに頭を押さえつけられたという感覚も、脅されたという感覚も持ちません。むしろ積極的に権力に従ってしまいます。奴隷に、奴隷であることを気づかせない、最も恐ろしい生権力であるということがいえます。

 

 ところが、その強大な資本主義のお金という権力に取り付かれた煩悩だらけの人間がバーチャルな情報空間で、情報通貨を使用するようになると、一瞬にしてその権力が失われることになります。なぜなら、その情報空間には生権力が入り込む隙間がないはずだからです。

 サンフランシスコに本社を置くリンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」というバーチャルな世界があります。そこでは、リンデンドルという仮想通貨を使って土地に投資したり、ギャンブルを行うことができます。

 儲けると現実通貨に換金するリアルマネートレーディングが公認されており、アメリカのドルとの交換レートは2009年末で、1ドルに対して262リンデンドルでした。

 

 しかし、煩悩だらけの人間がセカンドライフで得た地位や財産を現実のお金に代えるためにこの世の物理空間に出てきたとたんに、その人は資本主義の支配者たちの奴隷に戻ってしまいます。

 私はセカンドライフの成功を眺めながら「この世に出てくるなよ。あの世の人はあの世で成功するしかない。この世にくるな」と心の中で叫んでいました。それでも現実には、私の願いは叶えられませんでした。

 今や、資本主義を代表する支配者たちが本当に恐れる世界は、マイクロソフトやグーグル、ヤフーなどのアメリカの新産業から生まれ、直感的にその世界に可能性を見いだしたユーザーがつくり出したバーチャルな世界にあるのです

 物理空間に財産をいくら築き上げたとしても、人々の欲望があの世の世界、つまりパソコンの中の情報空間に一斉に向かうとしたら、新しい生権力はヤフーやグーグルなどのプロバイダー空間の中に生まれ、資本主義の支配者の力が及ばない世界に入ってしまうのです。

 

 ちなみに私がジャストシステム基礎研究所の所長を務めていたときに、「ベチユニット」という今でいうデジタルキャッシュを提案しました。

 もちろん、現実の通貨との交換性はありません。実は、私はそれほど遠くない将来にこのベチユニットを復活させたいと考えています。

 引用終わり

 

 

 著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp48)の中で、苫米地博士はこのように書かれています。

 

 そもそもコーチには、最初に「職業とはお金儲けをする手段ではありません」とクライアントに伝える役目があります

 

 これを最初に伝える理由は職業の定義をわかっていない人が多いから。ほとんどの人の無意識には「職業=お金を稼ぐ手段」と刷り込まれています。それこそが洗脳です。

 だから、「職業」と「お金(ファイナンス)」をしっかり切り分けることは、重要な脱洗脳となります。

 F-333:分断緩和のための vol.4;「ワークライフバランス」の落とし穴 <case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33566734.html

 

 ただし、「お金から自由になる」というのは「freedomfrom)」。それはまだ本当の自由とはいえません。

釈迦哲学をベースとする苫米地式における「自由」とは、「自らに由る」こと。その「自」とは、「関数p」のことではなく、「ゴール設定で生みだす世界(w2)」のことです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 よって、「『自分のゴールに洗脳』の先には、一体何があるのでしょう?」に対する2つ目の答えは「『自(自我)』の拡大」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 自我が拡大するほど、「自」と「他」の区別はなくなっていきます。その「無分別」の世界でこそ、本当のフェアネスが実現します。

 Q-099:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか? <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684556.html

 

自我を拡大し、フェアネスを体現する

 

 それがゴールの条件「自分中心を捨て去る」の意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 そして、それは「抽象度を上げる」ことと同義であり、さらには「エントロピーの縮小」と同じ。まとめると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

無分別 =自分中心を捨て去る =抽象度を上げる =エントロピーの縮小

 

 

 この「無分別 = =エントロピーの縮小」が極まった状態が「空(くう)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 すべてが「空」とわかる意識状態だからこそ、シンの平和を思い描くことができ(ゴール設定)、その平和を実現することができる(ゴール達成) はず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 大切なのは「空」がわかった上での「仮」としてのゴール設定&達成

その「空」と「仮」を包摂した視点が「中」です。コーチングのベースにあるものは、この「中観」です

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 苫米地博士が引用文中で語られている「ベチユニット復活」は、もちろん、「中観」。それはすでに実装されており、縁起のつながりを拡大しながら進行中のよう↓

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 自然体で、しかも楽しげでありながら、ますますとてつもないことを成し続けられている苫米地博士の情報場に触れさせていただくことで、私たちはアプリオリ権力ではない本物のリーダーシップを学んでいるはず。

 F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

 無意識から無意識に伝授される「自由、フェアネス、平和のためのリーダーシップ」を。

 

F-380につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 そのとき、その人は誰かに頭を押さえつけられたという感覚も、脅されたという感覚も持ちません。むしろ積極的に権力に従ってしまいます。奴隷に、奴隷であることを気づかせない、最も恐ろしい生権力であるということがいえます

 

 最近、私は、私自身の中に「お金」よりも強い生権力があることに気づきました。それは恐ろしくもあり、一方で素晴らしくもあるバイオパワー(Bio-Power)。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 そのバイオパワーは「『自分のゴールに洗脳』の先には、一体何があるのでしょう?」に対する究極のセルフアンサーだともいえそう。次回、言語化を試みます。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-354:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.6(最終回);HealingCoaching the worldw1w2…

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L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

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Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

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Q-278:親として何を助言していけば良いのか知りたいと思いました

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Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

なるべくシンプルに回答いたします。

 (御質問内容を一部変更しています)

 

 

Q:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?

 

A:「関数p」が書き換わります。結果として。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「関数p」とは、「自我」のこと。

 「自我」とは、「部分関数」であり、「評価関数(重要性関数)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

「部分関数」とは、宇宙を「自分」と「自分以外」に切り分ける関数のこと。よって、自分がわかると、宇宙がわかることになります(と苫米地博士は仰います)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

「評価関数(重要性関数)」とは、宇宙を自分にとって重要な(あるいは関係性が深い)順に並べ替える関数のこと。その関数によりRAS&スコトーマの原理が働き、認識する宇宙が決まります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 よって、「関数p」が書き換わると宇宙が変わります。もちろん、宇宙が変わると「関数p」が書き換わります。自分と宇宙は表裏一体です。

 L-177202203… -10;自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35079795.html

 

ちなみに、宇宙に対する評価関数のことを、コーチングでは「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 最近の苫米地博士は「w1w2」という表現をよく用いられています。その「w」とは、可能世界(possible world)のことであり、自我が映しだす宇宙のことであり、CZのことです。

 F-354:“MJ~縁起宇宙再構築!~ vol.6HealingCoaching the worldw1w2…

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34702391.html

 

 私は、コーチングにおいて最も重要なのは、「w2」そのものではなく、「w2」に向かう方向性だと思っています。

 

 その方向性とは、宇宙のtopである「空」に向かう方向性。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 つまり、コーチングを受けて「結果として『関数p』が書き換わる」というのは、「抽象度が上がる」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それを一言でいうと、「自由」!

 抽象度が上がるほど、人は自由になっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 ところで、「自我」に相当するコーチング用語は「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

ブリーフシステムとは、たとえば「私はどういう人間なのか?」「相手といるときはどう振る舞うか?」「社会に対して自分はどう働きかけるのか?」など、その人が身につけている認識のパターンのことをいいます。

L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 その「認識のパターン」は、「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」によりつくられています。時間でいえばすべて過去。

よって、「私たちは常に過去に閉じ込められている」といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 コーチングを経て自由なマインドを手に入れると、時空を超越することができるようになります。

 Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

 

 その体感を言語化すると「一念三千」です。

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 以上より、「コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?」に対する私の本気の答えは、

 

自由になり、一念三千を体感する

 

 

 …これが私の回答です。

御質問ありがとうございました。

  

 

CoaHing4M2 EDGE           

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

  

-追記-

ブリーフシステムとは、たとえば「私はどういう人間なのか?」「相手といるときはどう振る舞うか?」「社会に対して自分はどう働きかけるのか?」など、その人が身につけている認識のパターンのことをいいます

 

 「ブリーフシステム」を日本語でいうと、「信念体系」。

 

 おそらく、多くの人が「信念」という言葉をポジティブに捉えているはず。しかしながら、「信念」は、自由を封じ、過去に閉じ込めるもの。コーチングはBS=信念をゆらがす(壊す)ことからはじまります。

 Q-169~:自身の信念を失いそうです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 私は昔、地域の大先輩医師から、こう評されたことがあります。

 

  あいつには信念がある

 

 発言の状況を鑑みると「あいつは変わっている」という皮肉だったはずですが、もしも私に信念があるのなら、それは「信念はいらない」「信念など破壊してしまえ!」というものです。

 F-313:デジタル自傷行為 <plan-side -1Appetite for Destruction

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32577084.html

 

 そんなことを正直に話したなら、ますます「変わり者」と思われるのでしょう。

 Q-265:臨場感世界をまったく同じように感じることが? <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 

 

 ところで、本編では「コーチングを受けることでクライアントのマインドで起こる変化」について書きました。クライアントのまわりの人々の視点で答えるなら、「コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?」に対する答えは、

 

変わり者(ノット・ノーマル)になる

 

 それはコーチにふさわしい「エフィカシー」を身につけた証でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 以下、苫米地博士の著書「「40歳から『差がつく』生き方 奴隷マインドを捨て、ノット・ノーマルで行け!」(PHP研究所、p156)より引用します。

 

 

「ノット・ノーマル」とは、エフィカシーの高い人

 コーチング用語で言うと、「ノット・ノーマル」とは、「エフィカシーの極めて高い人」ということになる。エフィカシーとは、「自己能力の自己評価」のことだ。社会的に成功しているかどうかはまったく関係がなく、「自分が自分の能力をどう評価しているか」が重要なのである。ノーマルな人は、自己能力の自己評価が常識の範囲内に収まっている。いわゆる、フツーの人だ。

 自己評価が常識の範囲から外れて異常なほどに高い人が、ノット・ノーマルな人だ。法律に反することや反社会的なことをするわけではなく、心の中で自己能力の自己評価が異常に高いというだけだ。

 普通の人よりもエフィカシーが高い人は、まわりの人にはノット・ノーマルに見える。「怪しい人だ」とか「常識外れだ」と言われるが、気にすることはない。「あなたの常識って、本当に正しいの?」と、逆に問いかけてみればいい。

 「ノーマル」な人は、誰が決めたかわからないラインの範囲内で収まっている。その範囲をはみ出ると、「なんだ、あいつは。変な奴だ」と言われて「ノット・ノーマル」扱いをされる。

 だが、他人が「ノット・ノーマル」と思っていても、自分が「こっちのほうがノーマルだ」と思っていれば何の問題もない。自分のゴールを目指すのだから、まわりがどう思おうと関係がない。

 まわりから「普通じゃない」とか「常識を知らない奴だ」などと言われるが、こちらから見ればまわりの人間の常識のほうが間違っている。そんな彼らの常識に合わせる必要などない。

 私が新入社員時代に派手なネクタイをして出社した例を紹介したが、ネクタイの色を何色にしようが、法律の範囲内である。「こんなネクタイは、常識的な色じゃない」と映るだけだ。

 反社会的なことをしているわけではなく、法律の範囲内だから、他人からとやかく言われる筋合いはない。実際、私のネクタイを見て先輩たちがみな派手なネクタイにし始めたのだから、それまでの先輩たちの常識がおかしかったのだ。

 引用終わり

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-332:分断緩和のための処方箋 vol.3;「未来のビジョンによる引力の極大化」と「過去からの引力の最小化」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33515591.html

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

L-06520209月シークレットレクチャー -05;「生と死の間/ between life and death」に向き合い、「生/life」そのものを磨き上げる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28529789.html

Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

40歳から「差がつく」生き方

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Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察し↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html

 

 中編は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について確認しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 これまでの考察はクライアント側の視点での考察です。コーチ側に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

守秘義務内容に該当しますが、昨秋(2023年)、苫米地博士は「〇〇〇」(略語、英3文字)という表現を使われました。最後の「〇」は「Consciousness」の「C」です。それはまさに「意識状態」のこと。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 今回は、博士が指し示されている情報場(ゲシュタルト)を、一般開示されている具体的知識を用いて表現したいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

私なりの「言語を用いた非言語の働きかけ」のイメージで。

 F-328:お大事に <後編;最も大切にしなければいけないこと>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33311888.html

 

 

A3:「バラいろダンディ」(TOKYO MX20211213日放送回)の中で、苫米地博士はコーチングの奥義を明かされました。それは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す

 

 *実際のレクチャーはこちら↓

 銀河系ゼミナール20211213日放送回)

 「コーチングの基本概念を習熟して、新年に向けてエフィカシーをブーストしよう」

 https://www.youtube.com/watch?v=45-1UEYkl7Q

 

 「関数p」とは、「自我」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「可能世界“w(最近の博士はw1と表現されています)」とは、これまでのブリーフシステム(Belief System)が映しだす現状(Status QuoSQ)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そして、「別の“w1w2)」とは、現状の外へのゴール設定により新たに生みだす世界のこと です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 重要なので繰り返しますが、ゴールは現状の外に設定するもの。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

よって、「新たに生みだす世界」とは、これまでのコンフォートゾーン(Comfort Zone)の外側。未知なる領域になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 それは、コーチとの縁によりゴールを設定するまで、スコトーマに隠れまったく認識できなかった領域。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな未知なる領域へ向かう移行(w1w2)の間に、強い不安が出てきます。現状(w1)に戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックの一表現として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから、不安を感じている状態は理想的です。不安は現状の外に飛び出している証だといえます。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

コーチの役割はその不安を取り除くことではなく、むしろ大きくすること。w2側の臨場感をもっと高めていくことで、ワクワクを伴ったドキドキをブーストしていきます。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 では、なぜコーチは、クライアントが大脳辺縁系優位(fight or flight)に陥ることを防ぎながら、不安をもっともっと大きくすることができるのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 私の答えは「クライアントを信じ切っている」から。そして、「コーチ自身が自分の能力を確信している」から。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 

コーチ自身が、自分のコーチとしてのゴール達成能力、すなわち「すべてのクライアントのゴール達成をしっかりサポートする自分の能力」を確信している

 

 

 そう、「エフィカシー」のことです。コーチのエフィカシーの高さがその秘密であるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 ところで、最初に「コーチ側(の視点)に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要がある」と書きました。「抽象度を上げ続ける」というhabitattitudeはとても重要。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

では、「コーチ自身が自分の能力を確信している」の抽象度を上げると、どのような意識状態にいたるでしょう?

 

以下、苫米地博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p78)より引用します。博士の言葉に導かれながら、言語を超えた次元を感じてください。Feel

 

 

近未来のブッダ

 

 

広がりゆく存在の意識

 仏教とは「縁起の教え」で、縁起をわかるためにはいろいろな修行法があるというのが基本だと私は考えています。縁起がわかりにくいので「空」という考え方や、いくつもの修行の方法論が発明されているのです。

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります。帰属意識の話をすでにしましたね。修行によって前頭前野が鍛えられ、思考の抽象度がどんどん上がっていくにつれ、「私」「私の家族」というこぢんまりとした帰属意識は、学校や会社、地域の人、市区町村、都道府県、日本、アジア……どんどん広げていくことができます。その最たるものが、「慈悲の瞑想」として世間で言われている「生きとし生けるもの~」です。

 そして、そうした自分が存在するこの世の中でなんだかんだと役に立つことが大乗の世界、慈悲の世界です。大きな煩悩を認める。その瞬間に前頭前野を使って「私は何をできるか」を考える。その行為を慈悲というのです。

 「他の人のため」の慈悲ですが、大きな慈悲なら、その「他の人」に自分も自然と入ってきます。たとえば、「この世から戦争と飢餓をなくす」ことという私のゴール設定の対象は「全人類」です。そこにはもちろん「私」が含まれているわけです。

 大事なのは、慈悲は必ず行為を伴うということです。行為のない慈悲はあり得ません。自分以外の人に役立つ行為が慈悲なのです。

 引用終わり

 

 

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります

 

 「クライアントがいて、コーチがいる」という見方は、「存在→関係」という西洋哲学的な見方です。その見方においては、クライアントのエフィカシーを、コーチのエフィカシーが高めているように感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 博士が書かれているとおり、縁起が本当にわかると自分という存在が宇宙全体に広がっていきます。その時の意識状態は「『関係→存在』という因果での双方向性=自分」という感覚。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 そんな意識状態では、「コーチング」という関係性によって(因)、果として「クライアント」「コーチ」という存在が生じているように感じられます。そして、この場合のエフィカシーとは、「コーチング」という関係性にまで拡張します。

 「コーチ自身が自分の能力を確信している」でいうと、「自分」が「宇宙全体」に広がっていて、その「宇宙全体」を確信している感覚であり、「自分」や「宇宙全体」を新たに生みだす「コーチング」を確信している感覚です。

 

 私は、その感覚こそが、究極の「コレクティブ・エフィカシー」だと理解しています。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

 すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 目の前の世界(=自分)を観察しながら、抽象度を意識に上げ続けていると、やがて目の前の世界が立体的に感じられるようになっていきます。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

「情報空間の底面である物理空間から頂点である空(くう)まで一体」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「空」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それが「ヒーリング」にふさわしい意識状態。そして、

 

抽象度を上げながらさらなるゴールを設定し、新たな縁起空間を生みだし実装する

 

そんなゴール設定(=宇宙想像)とゴール達成(=宇宙創造)の確信が「コーチング」にふさわしい意識状態である

 

そのように私は感じています。

 

それをあえて別の言葉にするなら“無敵”↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より、「コレクティブ・エフィカシー」について書かれている部分を引用しました。参考にどうぞ

 

 

オーセンティック・コーチング

 

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの世界」(p128)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの時代」(p133)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

F-344:止められないんだ! これを聴いて、脚本を書くときのインスピレーションにしてほしい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34150617.html

F-363~:シコウサクゴ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429806.html

 



L-190202206月医療・介護研修会 -13QA);エネルギーと創造性をゴール実現に活用する

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 04;イライラや不幸から自由になるために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35531009.html

 05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 06;成功体験を再現し、次の日の成功を思い描く

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35578663.html

 07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35626365.html

 09;「ゴール」と「イライラ」の関係のパターン別考察

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35638948.html

 10;ビッグなゴールが生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35673866.html

 11;臨場感を高めるための一工夫

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35688489.html

 12QA);「ゲシュタルト」「I×V=R」と逆腹式呼吸

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35722171.html

 13QA);エネルギーと創造性をゴール実現に活用する

 

 

研修後にたくさんの御意見や御質問をいただきました。ありがとうございます。コーチとして回答いたします。今回がこの研修レポートの最終回です。

 

 

want toだったのにhave toになっている気がすることがある。気持ちがぶれる

 

A:「気持ちがぶれる」こと自体はまったく問題ありません。すべては縁により起こり、ダイナミックに変化し続けています。仏教的にいうと「無常」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 絶対にwant toであるはずのゴールだって、have toに変わってしまうことはあります。例えば、体調がすぐれないときは、wantはなかなか維持できないでしょう。寝不足や二日酔いのときもw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 大切なのは、自身のマインド(=「脳と心」「体と心」)を常に観察し続けること。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 モニタリングです。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 

・みんなで協調しようとしたのに、しない人がいる時にイライラします。それもリラックスしていけばいいのですか? これは不満になりますね

 

A:これはしっかりモニタリングができている方のコメント。「イライラ」が生じる状況をしっかり把握されています。

(次のステップはこちら↓)

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

イライラ」や「不満」は大切なエネルギーです。ただし、「不満」のレベルで留まると、やがてそのエネルギーは八つ当たりのような形で発散されて失われます。

 S-03-08:「すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのか?」の「発散された」について

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20682042.html

 

 では、ここで問題。

不満」を感じたときに行うべきことは何でしょうか?

 

 

 そう、「ゴールを思う」こと。具体的には、ゴールの設定(再設定)やゴールの確認です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

・最近イライラすることが多く、知らず知らずに「have to」となることが多かったような気がする。また日常生活の中でも先延ばしにすることが多い。ゴール設定の大切さをあらためて学ぶことができて良かったです

 

A:念のためですが、情報空間での因果を考えると、「イライラ → have to」ではなく、「have to → イライラ」です。一般的には。

イライラ」は「have to」の結果(表出)であり、その「have to」はゴールに関する何らかのミスの結果だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「ゴールに関する何らかのミス」は、大きく2つに分けて考えることができます。

 

 1つはゴール設定のミス。ゴールの条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、そして 4)自分中心を捨て去る の4つ。そのいずれかをミスると、やがて「have to → イライラ」化していきます。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 もう1つは「ゴール側のコンフォートゾーンの臨場感を十分に高められない」というミス。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 臨場感を高める基本は、「アファメーション」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロ-ル」の3つ。

 L-08420213月シークレットレクチャー -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

 さらに私は「共感覚」もフル活用しています。

 L-11120218… -13;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 

 

・ゴール設定が大切と言われていました。ゴールは1つと思い込んでいましたが、色々ゴール設定があってよいと聞いて人生が明るくなると思いました。仕事以外にプライベートもゴール設定して人生を楽しめたらと思いました

 

A:繰り返しますが、ゴールの条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、そして 4)自分中心を捨て去る。

 

 ゴールを「3)人生のあらゆる領域」に設定することを「バランスホイール」と表現します。じつは、この「バランスホイール」自体が、臨場感を高める訓練になります。

 (その理由はこちら↓)

 L-11220218… -14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

 

 アドバンス向けかもしれませんが、「仕事以外にプライベートも」という言い回しはNGです。詳しくはこちらでどうぞ↓

 F-333~4:分断緩和のための処方箋 vol.4~5;「ワークライフバランス」の落とし穴

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33566734.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33619443.html

 

 

・イライラをコントロールして自分の身体と心に向き合えるようにしたい

 

A:「自分の身体と心に向き合う」という心構え自体は素晴らしいのですが、コーチングについて十分に理解していないとかえって危険です。ゴールの設定(再設定)が難しくなってしまうでしょう。なぜ?

 

 そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)が強化されてしまうから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

自分の身体と心」は(一般の人にとっては)過去の記憶でできています。なので、「向き合う」ほど、ますます現状(Status Quo)に縛られ、現状の外がスコトーマに隠れていきます。スコトーマを生みだす/外す鍵となるものもゴールです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 まとめると、

 

 ☆現状の外にゴールを設定する

→ゴール側のCZの臨場感を高める

=ゴールにふさわしい自分の身体と心が明らかになる

→ゴール側から現在の「自分の身体と心」に向き合う

=「ゴールにふさわしい自分の身体と心」と「(実際の)自分の身体と心」のギャップからエネルギーと創造性が生まれる(「私らしくない」という感覚)

 →そのエネルギーと創造性をゴール実現に活用する

 

 という感じ。

 

 

・何か新しいことにチャレンジしようかと思っているので(悩んでいるので)、頑張ってチャレンジしてみようかと思います

 

A:「エネルギーと創造性をゴール実現に活用する」ことは、実際にはオートマティックです。「勝手になっちゃう」「自然になっている」という感じ。

なぜなら、ホメオスタシス・フィードバックだから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 現状の外のゴールに向かうプロセスは確かに「チャレンジ」ですが、本人的には「気楽」。傍からは「頑張っている」ように見えますが、あくまでも「気楽」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 もしも「頑張っている」という感覚に気づいたら、一旦立ち止まって(「止」)、ゴールやBSを確認してください(「観」)。何らかの理由でhave toが忍び込んでいるはずです。

 L-180202206月医療・介護… -03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 

 

・仕事、家庭においても、不安と不満の狭間で苦しんでいる周りの方のモニタリングや働きかけをしていきたい

 

A:またまた繰り返しますが、ゴールの条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、そして 4)自分中心を捨て去る。

 

 「周りの方の」というのは、「“自分”の感覚」がひろがり、部分関数としての「自我の定義」が拡張している中で出てきたwantであるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それが「4)自分中心を捨て去る」です。“自分”を拡張し続けると

 

“無敵”になります↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

・イライラしたらラッキーだと思うとよいとおっしゃっていましたが、その他にもイライラしたら自分を落ち着かせる方法があるかなと思いました

 

A:まずは前回(L-189)の引用文を参考に、「逆腹式呼吸」を続けてください。

 (こちらもどうぞ↓)

 L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 

 逆腹式呼吸を続けていると深い変性意識状態になります。その状態で行うのが瞑想。この研修レポートの最後に、とびっきりの瞑想ワークを御紹介します。

 L-11920219月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、開拓社より再版、p104)より引用します。ぜひともこのワークをマスターしてください。Feel

 

 

六本木ヒルズ瞑想法

 変性意識を自在に生成できるようになれば、最後にこれまでの総仕上げとして、変性意識を利用したプレ洗脳術を紹介しておこう。いってみれば、洗脳護身術のスパーリングのようなものだ。これができるようになれば、七割方洗脳ができるようになるといっても過言ではない。

 この術は、前章で解説した遮那法を、私が現代的にアレンジしたもので、六本木ヒルズ瞑想法という。六本木ヒルズは、最近オープンして大きな話題を呼んでいるので、ご存じの方も多いだろう。六本木ヒルズには、複数のビルが軒を連ね、その構造は複雑。これは瞑想するのにもってこいである。地方在住の方はわざわざ六本木ヒルズを訪れたり、詳細な構造を調べるのは大変だろうから、最寄りのビルやショッピングセンターでも構わない。あくまでも六本木ヒルズは、瞑想するための一例である。

 さて、六本木ヒルズを題材に瞑想するには、まず実際に現場へ行く必要がある。それぞれの建物の色、質感、歩き心地、聞こえる音などをよく記憶しながら、その様子を完璧に頭に入れよう。

 続いて、ビルの案内所には無料の地図が置いてあるので、それを見ながら六本木ヒルズの立体的な状態をイメージする。密教の瞑想では曼荼羅を凝視しながら、その世界を立体的にイメージする。曼荼羅は平面に描かれているが、実際には立体的な球が曼荼羅の実体としてイメージされる。ここでの地図は、密教の曼荼羅に当たるわけだ。修行僧が曼荼羅からイメージするように、六本木ヒルズの平面図を見ながら、横から、下から、上からと、どの方向からでも再現できるように、完璧にイメージする。

 地図を見ながらイメージできるようになれば、今度は記憶だけで六本木ヒルズの細部を立体的にイメージする。最初は、実際に歩いたり見たりしたところを、できるだけ正確に再現してみる。次に、訪れていないが、その空間に確実にあるものをイメージ。例えば、一つ一つのレストランをイメージ上で訪れて食事してみたり、ギャラリーを閲覧して回ったり、もしくはデイヴィッド・ベッカムが宿泊したというグランドハイアットのプール付きスイートルームをイメージしてみるのもいいだろう。

 このようにして、六本木ヒルズを完璧にイメージ上で再現できるようになるまで、繰り返し練習する。変性意識を生成した状態で、現場に何度か足を運んでもいい。さらに、目に見える箇所だけでなく、目に見えない箇所もイメージする。ビルの鉄骨、地中深く刺さった土台、あるいはミクロレベルで使われた大理石の結晶の状態など

 十分にイメージできるようになったら、共感覚訓練をする。先に説明した後天的共感覚の生成である。ここではイメージした色を音で、聞いた音を色や触覚でと、実際に体験した五感とは異なる五感で表現する練習をする。例えば、自分がミュージシャンになって、六本木ヒルズのイメージを音楽にするといった感じだ。別に音にこだわる必要はない。ある部分を視覚で、別な部分を触覚でといった組み合わせでも構わない。とにかく、六本木ヒルズを好きな五感で細密に表現できるようになるまで練習していただきたい。

 次は、イメージの共有訓練である。ここでは家族、もしくは友人を相手に練習するといいだろう。まずは、相手の目を覗き込み、自分自身が変性意識化することで、相手も変性意識化させる。そのうえで、自分がイメージしている六本木ヒルズの場面や状態、場所などを相手にイメージさせる練習をする。最初は、「バージンシネマの前のエスカレータ」などと言葉で表現しても構わない。ただ、慣れてきたら、自分がそのエスカレータに乗っている体感を、相手にも体感させるようになっていただきたい。訓練を重ねていけば、すぐに上達するはずだ。共感覚でイメージした、異なる五感による六本木ヒルズの体験も、相手ができるようになるまで練習する。

 イメージの植え付けに成功したら、いよいよマインドエンジニアリングである。まず、イメージで作り上げた六本木ヒルズを色々と変えてみる。ビルの高さを伸ばしたり、色を変えたり、床の質感を硬くしたりする。思い切って、ビルを地震で壊してみるのもいい。そして、その体験がリアルに感じられるまで練習する。これを共感覚状態でも練習する。ビルを音のイメージでとらえられているときに地震で倒せば、それこそ凄まじい轟音が鳴り響くはずだ。

 このような内部表現の操作を、変性意識下で相手に対しても行ってみる。自分が六本木ヒルズのイメージを操作すると、相手の中の六本木ヒルズが同じく変化するように練習する。これも最初は、言葉の暗示を使って構わない。慣れてきたら、できるだけ言葉を使わずに、イメージを操作するだけで相手のイメージが変化するように練習する。うまくイメージの操作ができれば、六本木ヒルズを伸ばしたり、形を変えたりというのを、相手は強い臨場感で感じるはずである。

 とにかく重要なのは、六本木ヒルズをイメージ上でできるだけ細部まで、そして正確に再現することだ。そして、六本木ヒルズの中に自分がいる姿をイメージすることである。相手のイメージを操作するときは、相手と自分の両方が六本木ヒルズにいることをイメージしていただきたい。

 以上が呼吸を用いた変性意識の生成法とその操作法の基本である。

 洗脳護身術における呼吸法の基本は逆腹式呼吸だ、もし本気でカルト洗脳からの脅威に対抗しようと思っているなら、確実にマスターしていただきたい。ただし本書を読み込み、変性意識を生成できるようになったからといって、安易にカルトに立ち向かうことは控えてほしい。いくら洗脳護身術がカルトに対抗できる唯一の手段だとしても、相手の中にはそれなりの実力者がいるかもしれない。そこで逆に洗脳され、ミイラ取りがミイラになる可能性は否めない。

 私も色々なカルト教団に一人で出向くことがあるが、それはこれまでの経験の積み重ねなど、絶対的な自信があるからだ。私の周囲の人が「危険だから」と止めるにもかかわらず、無鉄砲に向かっていけるのは、それだけ彼らの洗脳法よりも私の力の方が上だという、むしろ相手の教祖を改宗させるだけの自負があるからである。

 引用終わり

 

 

 以上で、研修内容のブログ用リライトとといただいた御意見・御質問への回答を終わります。

お声がけいただいた担当の方、そして御参加いただいた皆さま、貴重な機会をありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-284~:気楽 ver.2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

L-149202111月医療系研修会 -04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33760483.html

Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 

洗脳護身術(開拓社ver.)

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L-180202206月医療・介護研修会 -03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 

 

 あなたは何のために働いていますか?

 なぜ働き続けるのですか?

 生きる理由とは?

 

 この問いに対する答えが、きっと自分自身の「豊かさ(well-being)」を定義していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 ところで、「豊かさ(well-being)」は「健康(Health)」の定義でもあることをご存じでしょうか?

 

 1998年にWHO(世界保健機関)の執行理事会で採択された健康の定義はこうです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual, and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、身体的に、心理・精神的に、スピリチュアルに、そして社会的に完全に良好な(well-being)ダイナミックな状態であり、単に病気がないとか、弱っていないということではない

 

 

WHO 健康の定義

 

 

 私はこの健康の定義を肯定しているわけではありませんが、「physical」に限定することなく、「mental」「spiritual」「social」にまで“拡張”していることは素晴らしいと思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html

 

 スコトーマに隠れがちな“より高次の抽象度次元”をしっかり捉えているから(lock on)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

physical」と「mental」「spiritual」「social」は、そもそも抽象度が違います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「physical」が情報空間の底面である物理空間上の身体の評価であるのに対して、「mental」は情報空間の心の話です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 もちろん、体(物理)と心(情報)は同じもの。

同じものの抽象度の違いに過ぎないのですが、意識は情報量が多い下位の抽象度次元に向いてしまいがちです。例えば、「うつ」という心の状態(←情報次元)の話が、セロトニンやそのセロトニンを増やす薬(←物理次元)のことばかりになってしまうなど。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 体(物理)と心(情報)は決して別々のものではなく、「体(物理)と心(情報)」でひとつ。物理空間の体と情報空間にひろがる心すべてが“自分”の正体だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その“自分”は縁起のつながりのことでもあります。それが「social」という言葉の意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *「spiritual」についてはこちらをどうぞ↓

 Q-168:スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?どうやって原因である無関心が生まれてくるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24321116.html

 

 抽象度が上がり、思考が自由になると、ますますスコトーマを外しやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

そのような意識状態を保ち続けると、“自分”を「身体(physical)」「心(mental)」「縁起のつながり(social)」としっかり観ることができるようになり、認識できないはずの“現状の外”にゴールを設定できようになります。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 ゴールを設定して実現に向けて行動し、さらなるゴールを見つけ行動する

 

 そんな挑戦の日々を楽しみながら生きていると、自然にスピリチュアルペインを克服していきます。「生きる意味」を体得し、「死ぬ理由」を理解するから。すると、ますます「豊か(well-being)」になっていきます。

 L-122202111月医療・介護研修… -03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32663640.html

 

 スピリチュアルペインとは、「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」のこと。その解決にコーチングが役立ちます。

 L-00720201月シークレットレクチャー -07;スピリチュアルペインとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

 

全人的苦痛(トータルペイン)

厚生労働省HP>第2回終末期懇談会 資料2-2より引用

終末期医療に関する懇談会 (mhlw.go.jp)

 

 

 そう、「みんな疲れて、イライラしている」を克服し、「豊かさ(well-being)」を実現するために取り組むべきなのはゴール設定です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

ゴールが「豊かさ(well-being)」のはじまりです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 

 とはいっても、ゴールを設定することは簡単ではありませんよね。「ゴールがなかなか見つけられない」というときは、苫米地博士が教えてくださる「『幻覚』を見破り『付加価値』を生み出すヒント」を参考にしてください。

 

以下、博士の著書「苫米地英人の金持ち脳 ~捨てることから幸せは始まる~」(徳間書店、p43)より引用します。Feel

 

 

「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

情報を「止観」し、名前のあるものを排除する

 「付加価値」の生み出し方の要領は、現在を完全に否定できなければならない。そして、壊さなければならない。壊さなければ、堀江氏と同じ道を突き進むしかないのである。

 そして、欲しいものであれ、行きたい国であれ、やりたいことであれ、すべて純粋に自分の中から出てきたものだけが「付加価値」ということができる。私が常々いっているhave toでなくwant toでなければいけないということである。

 人から強要されてやらなければならないことをしたとしても何もならない。

 独自の発想で、本当に自分が欲しいものを実現したとき、初めて「付加価値」といえるのである。

 さらに、「幻覚」を壊さなければ、本当の金持ちにはなれないといったが、どうやって「幻覚」を壊したらいいのか-。また、それが「幻覚」なのかどうやって見破るのかという問題がある。

 まず、水が飲みたいとか、単純にのどが乾いたという生理的窮乏であれば、それを満たすだけのためにお金持ちになる必要はないし、これは「幻覚」ではない。

 だが、自分の目の前にCMなり、情報がきたとき、なぜ、この情報は来たのかということを、吟味しなければならないCMなら、「誰がどういう意図でつくって、私に見せたのか」を考えなければならないのである。それを「止観」という。文字通り、止めて観ることである。

 今風に、脳科学的にいえば、左脳を抑えて、右脳で観るということになる。左脳は、外から入った知識の集合体を認識するが、右脳は、ありのままを観て認識する。

 であるから、「付加価値」は右脳でつくられるといっていい。左脳的なものは、過去のものに積み重ねられた「付加価値」だからである。それは奴隷の「付加価値」ともいえる。

 次に、言語が介在したら、怪しいと思っていい。つまり、欲しいものに名前がついていたとしたら、疑ってかからなければならないということである。「付加価値」は、新しく生み出されるものだから、名前などついてはいない。言葉が出てきたら怪しいと覚えておいてほしい。

 だから、欲しいものの名前をすべて紙に書けた人は、完全に洗脳されている。書いたものは、すべて外から入ってきたもので新しいものではない。あるものを生み出していくということは、最初は漠然としていて、それがあとから形をつくっていく。そして名前はあとから生まれるのである。

 引用終わり

 

L-181につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 今風に、脳科学的にいえば、左脳を抑えて、右脳で観るということになる。左脳は、外から入った知識の集合体を認識するが、右脳は、ありのままを観て認識する

 

 さりげなく書かれていますが、「左脳を抑えて、右脳で観る」は、苫米地式の秘伝中の秘伝です。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-111:情報が書き換わると現実が変わる vol.2;非言語編

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20173981.html

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

Q-268~:薬をやめることができますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421168.html

Q-303~:どうやったらすべての目標を結びつけることができるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424263.html

 

苫米地英人の金持ち脳

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F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 

 先日(202499日)、苫米地博士が「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に御出演されました。前身の番組まで含めると11年以上におよぶTV出演の最後のテーマが「苫米地式次世代コーチング」!

 最終回!日本を世界のリーダーに!「苫米地式次世代コーチング」 (2024年9月9日) (youtube.com)

 

 

 御承知のとおり、博士は以前も「コーチング」を取り上げられ、苫米地アカデミーでも話されていなかったような内容にまで踏み込んで教えてくださいました。

御教授されるその姿を拝見しながら、私はいつも苫米地博士の「コーチングをひろめたい」「コーチを増やしたい」という情熱(passion)を感じていました。

 (受け取った“情熱”を文章化したのがこちら↓)

 F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 下記のブログ記事中に、コーチング関連の放送回のリンクを貼っています。ぜひ御活用ください。

 

 20221213日放送回「コーチングの基本理念を習熟して新年に向けてエフィカシーをブーストしよう」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 2024617日放送回「『成長』の夏に向けて習得! 苫米地式『オーセンティック・コーチング』」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 

 では、最終講義を確認していきましょう。

 

 まずは復習として、苫米地博士は「自我」の定義を取り上げられました。

 (「部分間数f」という表記は「部分f」の誤りです)

 

 

240909バラダン最終講義-1

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

 「部分関数」とは、ある集合を切り分けて取りだす関数のこと。例えば、「偶数」というのは、「自然数」という集合から「2で割り切れる数」を取りだす関数であると見なせます。

 このとき「2で割り切れない数」=奇数が残ります。よって、「奇数」の方も同時に定義できてしまうことになります。

 

 同様に、自我とは、宇宙を「自分」と「自分以外」に切り分ける関数のこと。よって、「自分がわかると、宇宙がわかる」。それが部分関数です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

240909バラダン最終講義-2

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

 次に話されたのが、自我のもうひとつの定義。それが「評価関数(重要性関数)」です。

 例えば、「職業はコーチと医師を」「子どもは3人いて」「映画好きで、とくにSTAR WARS」「生まれも育ちも鹿児島で」などと自己紹介するとき、それは自分にとって重要な(あるいは関係性が深い)順に宇宙を並べ替えているといえます。

その並べ替え関数が「評価関数(重要性関数)」です。

 

ちなみに、宇宙に対する評価関数のことを、コーチングでは「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

240909バラダン最終講義-3

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

 ここで苫米地博士は、コーチングの奥義を再々開示されました。それが

 

 コーチングが関わるのは、“p自我”ではなく、あくまで“w”の部分

 

 前々回(202112月放送回)の表現でいうと、「コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“ww1)”から別の“w1w2)”に移行することを促す」↓

 L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 

 

240909バラダン最終講義-4

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

 さらに苫米地博士は新たな概念を再開示されました。それが「エフィカシー関数」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 コーチの役割をシンプルに表現すると、「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」であるエフィカシーを高めること。それを「『エフィカシー関数』を生み出すお手伝い」と表現されていました。

 F-314~5:デジタル自傷行為 <plan-side -2~3;ゴール×エフィカシーの“秘密”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32626694.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32678098.html

 

 

 以上がこれまでの復習。

 最終講義でも、博士は新たな教えを開示されました。それが「苫米地式『次世代コーチング プリンシプル』」!

 

 5つの「プリンシプル(Key)」について、まずはそれぞれをゲシュタルト化し、さらに統合(connect the dots)していく感覚で読み進めてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

240909バラダン最終講義-5

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

Key①:「努力はいらない」

 「努力」=「(本質的に)やりたくないこと」=「have to」です。「~ねばならない」という内省言語を生むのは強制的動機(coercive motivation)。その根底にあるのは不安や恐怖です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む(want to)、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)+ 4)自分中心を捨て去る の4つ。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 「2)心から望む(want to)」ゴールの世界を見つけると「生理的に自動的にゴールを達成する」というのはなぜでしょう?

 

そう、「ホメオスタシスが働く」から。

 

さらっと話されていますが、その事実を世界で初めて理論化されたのが苫米地博士です。苫米地理論の第Ⅰ世代「サイバーホメオスタシス理論」についてはこちらをどうぞ↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

Key②:「抽象度上昇」でさらなる高みへ

 先ほどの「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する」の「移行」とは、「下位の抽象度次元(w1)から、より上位の抽象度次元(w2)へ」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それは決して簡単なことではなく、だからこそコーチの強力なサポートを必要とします。コーチの存在なしでは、そもそも「ゴール宇宙w2」を感じることさえできないでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

「ゴール宇宙w2」とは新たな未来。その未来を感じるためには、過去の呪縛を完全に断ち切る必要があります。よって、「過去は一切関係ない」をしっかり体得してもらうことも、コーチの重要な役割になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 

240909バラダン最終講義-6

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

Key③:「セルフトーク」(様々な場面で自分自身にかけている心の声)

「自分自身にかけている心の声」のことを、「内省言語」ともいいます。コーチング中にコーチが行うのは、「クライアントの心に内省言語を生み出す」こと。

L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

その「内省言語」とは、ゴールを達成している自分、あるいはゴールの世界にふさわしい「言葉(words)・映像(pictures)・感情(emotions)」のことです。

L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 内省言語を生み出す際のポイントが「外側視点」。じつは、これも次世代向けの開示情報。苫米地博士は「コーチングは、主観ではなく、客観」と断言されています。

 L-09220217月シークレットレクチャー -04;わたしたちは共同幻想の中に生きている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558230.html

 

 最終講義の中で、苫米地博士はさらに重要なキーワードを話されました。それが「ストーリーテリング」。例えば、「3S」と呼ばれる強力な洗脳手法のひとつに「Screen」があります。その業界の象徴ともいえる“ある俳優”は、来日時にこのように発言しています(20225月)↓

 

 アートとは、才能によるもの。

 アーティストの才能とは、自分が強烈につくりたいもので、人に影響を与えるということ。

 それは笑いだったり、笑顔だったり、感情をつくりだす、人を感動させるストーリーテリングです。

 

 この発言の中の「ストーリーテリング」は、コーチングの奥義とも通底します。詳しくはこちらでどうぞ↓

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 

240909バラダン最終講義-7

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

Key④:居心地の良さを求めるな!

 「『居心地がいい』と言われるのはコーチングにとっていいことではない」の理由はクリアですか?

 

 その理由は「さらなる現状の外に飛び出すことができなくなる」から。それはゴールの更新(再設定)ができないことを意味します。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 だから、コーチング実践者にとっては、「コンフォートゾーンは、より狭く、より高く」です。

 Q-306~8:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないvol.1~3CZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30925409.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30976461.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30996032.html

 

 

240909バラダン最終講義-8

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

Key⑤:やりたいことだけをやる

 これはコーチとしての私のブリーフの中で最も重要な部分。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ここでは詳細は省きますが、私の人格を完全否定する文書が裁判所に提出されたことがあります(その行為自体がパワハラなのですけどね)。

そこに書かれていた根拠(warrant)は、パワハラではなく、セクハラやモラハラでもなく、「やりたいことだけをやっている」でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 コーチングに過去は一切関係ありませんが、その切ない体験のおかげで「何をしたいのか?」「どうありたいのか?」「どんな世界(未来)をつくりたいのか?」がはっきりと感じられるようになりました。言うなれば“コーチとしての原体験”です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *“原体験”からの私の学びはこちら↓

 I-017:ブログ更新予定変更の… ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html

 

 

240909バラダン最終講義-9

「バラいろダンディ」(202499日放送回)より引用

 

 

 最後に苫米地博士が取り上げられたのが「空観」「仮観」「中観」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 その理由は、苫米地式コーチングの基盤は「中観」であり、ど真ん中が「ゲバラ主義」だから。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 「抽象度の高い理想」を追求し、「直接的実行」をし続けよ!

 

 最終講義の余韻に浸りながら、私は苫米地博士のそんな声を聞いた気がしました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_390942.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

「抽象度の高い理想」を追求し、「直接的実行」をし続けよ!

 

 ゲバラ主義を感じながら11年に及ぶ苫米地博士のTV出演を振り返っていると、突然、「リベラルアーツ」というイメージ(wordspicturesemotions)が浮かんできました。

 

 以下、苫米地博士の著書「日本転生 絶対絶命の国の変え方」(TAC出版、p164)より引用します。ますます荒廃する日本社会が抱える課題(case)とその解決(plan)を感じてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

職業訓練ではなく基礎学問(リベラルアーツ)が正解

 日本では学歴だけが大切だと判断されることが多く、大学で学ぶということになかなか意義を見いだせないようです。

 仮に学んでいたとしても欧米の大学ほどではありません。120冊の専門書を読むのは当たり前で、これについていけなければすぐに退学処分になります。私がかつて学んだイェール大学院では1学期で半分以上の学生がいなくなっていました。日本の学生の学び方、学習量は総じて少ないのです。

 なぜ、日本の大学がこうなってしまったのかと言えば、日本では大学の位置付けが職業訓練所になってしまっているからです。就職のためのコネづくりであったり、就職するまでのモラトリアムの期間だと思って遊んでいる人間までいます。そして、3年生になれば就職活動が始まり、学習どころではなくなります。

 職業訓練や就職活動のためなら専門学校に行くべきです。MBAやロー・スクールはまさにそのためにあるわけで、学ぶことと就活はまったく別ものです。

 大学は基礎学問を学ぶところなのです。その基礎学問がリベラルアーツです。

 が、このリベラルアーツもまた誤解されています。

 リベラルアーツはギリシャ・ローマ時代の「自由7科」と呼ばれるもので、文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽を指しますが、これを学びさえすればいいというものではありません。修辞、弁証は哲学であり、算術、幾何は数学のことですが、現代においても哲学も数学も枠組みが変わってきていますから、この7つを学べば、それでOKとはいかないのです。

 

 日本人に欠けているのは基礎学問を学ぶということです。基礎学問とはいわば「教養」です。大学では「教養を身につけてほしい」ということです。

 しかし、一言で教養と言ってもどこから手をつけていいのかわからないでしょう。自由7科を学べばいいと言われても、哲学、歴史、文学の何を学ぶのか、こういったことをほとんどの日本人は考えたことがないでしょう。

 そもそも、日本では学ぶことを勉強と言います。勉めて強いることが学ぶこととされているので、受験勉強が学ぶことだと思い込んでいます。

 

しかし、学ぶというのは教養を身につけることです。身につけるとは、それを自分のものにすることを言うのです。

 たとえば、文学部の学生で言えば本を読むことです。そんなの当たり前じゃないかと思った人も多いでしょうが、文学部でやっているのは特定の作家や時代の文芸批評、文芸理論の研究でしょう。しかし、それは応用学問であって基礎学問ではありません。

 文学における基礎学問とは歴史的に重要な書物を読むことです。聖書やシェイクスピアを読むことであって、シェイクスピアを研究することではありません。基礎学問の基本は読むことなのです。

 まずは本を読む。読むだけで、それについての批評はいりません。手当たり次第、古典と言われるもの、名著と言われるものを読むのが最初です。大学にある図書館の本のすべて、文学部であればありったけの古典文学を読むことで基礎学問は身につきます。

 まずは読んで味わってください。それが先人の残した抽象度の高い思考をなぞる訓練になるのです。批評はそのあとです。まずは抽象度の高い思考の模倣から始めてください。空手の型を学ぶように、先人の抽象度の高い思考をなぞるのがリベラルアーツということなのです。

 

 続いて、歴史の学び方ですが、学校で教えられたことは基本的に間違っています。

 そもそも歴史は勝者がつくったもので権力者を肯定する「偽歴史」です。歴史を学ぶとは、その偽歴史がどうつくられたかを探究するもので、歴史学者の仕事とは歴史を覆すことなのです。

 学校では王の側がつくったストーリーを丸暗記することを推奨します。しかし、歴史を学ぶということは、王がそう望む物語から離れ、事実と正面から向き合うことを言うのです。そこに歴史の真実があり、現在を理解する鍵があるのです。歴史は現在とのつながりのなかで考えるものなのです。

 

 最後に哲学の学び方もお話ししましょう。そもそも日本では哲学を誤解しているところがあります。プロ野球の野村克也監督の「野球哲学」みたいなものを「哲学」と思っているふしがあるのです。しかし、これは哲学ではありません。一言で言えば、処世術です。

 哲学を学ぶとは分析することです。基本的にはメタフィジックス(形而上学)という分野のなかで学ぶ、主に論理学のことを言います。その論理学の方法論が進化して生まれたのが非単調論理(帰結関係が単調ではない論理のこと)などで、それを使って世の中の出来事を分析したり、思想を分析したりすることが哲学の仕事なのです。

 もう一つ、哲学のなかで特にいま学んでほしいのが倫理学です。倫理学は高度な抽象的な思考をともなう哲学の一部であり、リベラルアーツのコア教育になります。

 個人のゴールや行動だけでなく、集団や国、国際社会にまで関わる倫理ですから、動物的な欲求行動とは真逆のものになります。つまり、目先の利益や既得権益の維持にあくせくしているいまの日本の政治家にはないものが倫理ということです。

 少し皮肉めいた言い方になりますが、私が知る、高い倫理観を維持している政治家たちは政治の重要なポジションにつくことができません。日本の政治家は倫理ラインを下げないと偉くなれないのです。最近では、抽象思考ができない人をわざわざ選んで偉くしているようにすら感じます。そのほうがコントロールしやすいと、長老議員や大企業、外資系企業は判断しているからでしょう。

 最も怖いのは、いまの大卒レベルの若者たちが抽象思考のできない人をかっこいいと思ってしまうことです。メディア露出が多いというだけで、政治家に選んでしまう彼らを見て、倫理学の必要性、リベラルアーツの必要性を痛感するのです。

 みなさん、もっと学びましょう。抽象度を上げて、この世界を見渡してください。それによりいまの閉塞した日本、戦争や暴動が絶えない世界を変えていくことができるのです。

 引用終わり

 

 

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Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

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Q-393クライアントが利己的なゴールを設定している場合、ゴールの再設定を促してもよいのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:クライアントが利己的なゴールを設定している場合、ゴールの再設定を促してもよいのでしょうか?

 

A:まずシンプルにお答えすると、私の場合、「ゴールの再設定」はつねに促しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「利己的」かどうかに関係なく です。

イメージとしては「高次の抽象度次元へ志向し続ける」という感じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 結果として、そのようなアティテュード(Attitude)を体得できるようにサポートしています。主に非言語で。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 *「非言語」が重要な理由はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 *「結果として」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

  ところで、「利己的だから再設定する」「利他的だからそのままでいい」という考え方は、解決するべき課題(case)を内包しています。それが何か感じられますか?

 

 ヒントは「抽象度を上げる」。

もうちょっと具体的にいうと、「小乗の悟り」と「大乗の悟り」の違い

 

少しばかり歴史的な話をします。「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)を考えながら、ゆっくりと読み進めてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 釈迦の死後500年くらい経ってから、仏教は上座部仏教と大乗仏教に分かれました。

 上座部仏教は主に南方地域(スリランカ・タイ・カンボジア・ラオス・ミャンマー)に伝わり、大乗仏教はチベットや中国に伝わりました。日本に伝わった仏教は、中国を経由する間に儒教・道教の影響を大きく受けた大乗仏教です。

 PM-05-16~7そもそも教育とは?-7)(人間形成に作用する)すべての精神的影響

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10117071.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10256517.html

 

 上座部仏教は初期の仏教教団の教えを守る集団で、「出家して厳しい戒律を守り、修行を積んではじめて執着を離れ、悟りを開き、『苦』から脱することができる」と説きます。

 

 この教えだと「出家しない人間は救済されない」という結論になりかねません。さらにいうと、視点はあくまでも「私」「自分」「I」のまま。「自」と「他」を明確に分別した意識状態での、「私」「自分」「I」の出家や修行の話です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

そのような「修行したわずかな者しか救われないという考え」を限定された狭量な縁起の解釈と捉え、「小さな乗り物(=小乗)」と批判しながらできあがったのが大乗仏教です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 大乗仏教では「『仏(仏陀)』は生きとし生けるすべてのものを救おうとしている」と考えます。そして「すべてのものが『仏性』を有しており、『悟り』に達する可能性がある」とします。この「可能性を積極的にみる」というのが、大乗仏教が「他者を救う『利他』」を重んじている理由です。

 F-362:自由訳「OODA」 <vol.8;「OODA」というトリガーが引きだすもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35109001.html

 

つまり、自分たちはより多くの人を救う「大きな乗り物(=大乗)」だと考えるのが大乗仏教。それは「I」から「We」へと視点が上昇した、より抽象度の高い意識状態だといえます。

 S-04-22~3:鏡の中の自分に微笑みかける秘訣 -私の体験-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855064.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23919789.html

 

 その「より抽象度の高い意識状態」が、かつての悟り。

 現代においては、その意識状態はコーチング実践前の境地であり(空観)、ゴール設定を経て(仮観)、空と仮をバランスよく保つことを目指します(中観)。

その中観が現代的な悟りです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳! 『悟りの力』で脳力を全開にする究極メソッド」(PHP研究所、p104)より引用します。コーチング実践者にふさわしい意識状態を体感してください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

自分が関わりを結んでいる人々のために「どれだけ役に立てるか」

 空観、仮観、中観を知ると、「悟り」に対するイメージはずいぶんはっきりしてきたはずです。

 最初にも述べたように、悟りにはいくつものバージョンがあります。

 簡単にいえば、上座部的な悟りは縁起を悟って、この世の「空」を知ることです。大乗仏教では、仮観を知って中観までいってはじめて悟りということになります。

 大乗の悟りは、役割を果たしてはじめて意味があります。空なる自我であっても、機能を果たしているものには意味がある、というのが大乗仏教の中観だからです。

 ですから、大乗的な悟りに至れば、その人は立ち上がって教えを説くでしょう。

 釈迦も、菩提樹の下で悟った後に、立ち上がって悟りを教えはじめました。教えはじめるまでに、「どうせ教えても他人には悟りを理解できない。悟りは自分だけの喜びとしておこう」といったんは考えたものの、現れた梵天に請われて立ち上がった、という伝説も残っています(梵天勧請)。

 梵天様が現れた、というのは釈迦の心の中での葛藤を象徴的に表した話だとしても、釈迦が迷ったことは事実なのでしょう。しかし、最終的に立ち上がって教えはじめた釈迦は、大乗的であったということができます。

 日本の仏教でも、親鸞などは実際に教えを説いて歩き、殺されかかっていますし、やはり殺されかかった日蓮、島流しになった法然なども、社会の中で機能を果たしたからこそ敵に狙われたのでした。

 もちろん、果たすべき役割は単に仏教の教えを説くだけとは限りません。ほかの社会的機能を果たしたとしても、それは大乗の悟りです。

 わかりやすくいうと、まずは小乗の悟り、つまり「縁起」の悟りがあるのが当たり前で、その後に何をするかが重要だという考え方をするのが大乗の悟りだということです。

 何度もいうように、いまは小学生でも悟れる時代です。悟っただけでは偉いとはいえません。

 だからこそ、大乗の悟りが重要なのです。

 「この世界には実体があると思っているけれど、心が生み出している存在にすぎない。それは、縁起の結果である」という小乗の悟りは、小学生のうちに済ませて、そこからはいかに社会の中で役割を果たすか、という大乗に向かうべきです。

 役割を果たすということは、端的にいえば、自分のことだけを考えない、ということでもあります。

 

 自分が関わりを結んでいる人々、他者、あるいは地球全体、宇宙全体のために「どれだけ役に立てるか」を考えていく。

 

 それが大乗的な発想だともいえるでしょう。

 もちろん、これは「自分をないがしろにする」とか「滅私奉公」などというものではありません。

 「縁起」を考えれば自分も世界の一部なのです。自分も気持ちよくて、相手も気持ちいいというのは、至極当然に両立するものなのです。

 ただ、実際には、それにほど遠い大人のほうがはるかに多い。あくまで自分ばかりを主体に考えている人たちです。

 「煩悩」多き人たちともいえるでしょう。

 戦争を起している人はもちろんですが、政治やビジネスの世界にも、「社会のために」と口ではいいながら、自分の煩悩のために生きている人は多いものです。

 彼らの求めるものは、金なり、権力なりに対する煩悩が満たされることだけです。

 こういう人たちは「大乗の悟り」以前の問題で、まずは自分は「空」であることを悟らなくてはいけません。「空」なる自分の煩悩など大したことはない、満足してもいいけれども、満足しなくてもそれはそれでかまわない、と考えられるようにならなくてはいけません。

 

 ただ、私は煩悩を否定せよといっているのではありません。

 ここまでこの本を読んできたあなたにも、煩悩はあるでしょう。

 悟りながらも煩悩は否定せず、いかに望ましい自分を目指していけばいいのか。次の章では、「悟り」を前提として自己実現を図っていく方法について、さらに考えを進めていきたいと思います。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 夢がかなう脳! | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 自分が関わりを結んでいる人々、他者、あるいは地球全体、宇宙全体のために「どれだけ役に立てるか」を考えていく

 

 さて、「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)はクリアになったでしょうか?

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 もしもまだクリアではない場合は、ゴールの基本条件を再確認した後、再度今回引用した苫米地博士の言葉を確認されてください。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

 どうですか?

 「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)はクリアでしょうか?

 

少し秘密をお話しすると、私は「誰もがとてつもなく大きな存在である」と心の底から確信しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 

 そして、その確信(臨場感)をしっかり保ったまま、「関わりを結んでいる人々」と相対しています。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 実際に「今までの自分が小さく感じられた」「自分の中に眠る大きな可能性を感じた」といった感想をよくいただきますが、それは「一人一宇宙」、あるいは「一念三千」といったスケール感が伝わったからでしょう。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 そのときは、「結果としての関数p(=ブリーフシステム)の書き換え」が起こっているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「関数pの書き換え」が起こったとき、「利己的だから再設定する」「利他的だからそのままでいい」という考え方が内包していた課題は、きっと解決しています。

 F-052~:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-111:情報が書き換わると現実が変わる vol.2;非言語編

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Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることができるのでしょうか? <Ops編;〇〇〇化>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 

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Q-392コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成することなのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成することなのでしょうか?

A:ゴールのポイントは1)現状の外、2)心から望む、3)バランスホイール +4)自分中心を捨て去る の4つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

4)自分中心を捨て去る」は、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再販)のstep.6に詳しくまとめられています。

Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

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 “自分”とは、関係性の結び目のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その“自分”の中心を“捨て去る”とは、「自分のことは後回しで他人を優先する」というような「自」と「他」を分けた視点の話ではなく、「自」の定義そのものを拡張していくということです。「家族を“自分”のように思う」「現代社会の問題を“自分事”として考える」「遥か未来まで“自分”と感じられる」というように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その本質は「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 よって、「さらなるゴール設定」を繰り返すと、自ずと抽象度は上がっていきます。抽象度が上がる →“自分”の定義が拡大 →利他的 です。

 L-06220209… -02;高次の抽象度次元に誘う存在、高い抽象度次元を志向する一人ひとり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28485944.html

 

その「結果として利他的」がコーチングの感覚。

バラだんでの苫米地博士の講義と重ねると、「w1からw2へ移行」する間に、結果として「関数p(←自我のこと)」が書き換わる=利他的 という感じです。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

ところで、コーチング実践中に忘れてはならない大切なポイントがあります。それは「ゴールを達成すること』自体が目的ではない」ということ。

F-354:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.6HealingCoaching the worldw1w2…

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34702391.html

 

ゴール達成自体が目的化してしまうと、きっと幸せから遠ざかります。なぜ?

 

 

 その理由を“体感”を伴って理解できていることが重要です。

 今回は苫米地博士の著書「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研プラス)より2回に分けて引用します。この機会にじっくりと考えてみてください。もちろん気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 では、まずはこちらから(p40)。

 

 

止観瞑想

 第一章でも書きましたが、瞑想とは心静かに、自分自身と自分の周りの世界、そして全宇宙を見つめることを言います。これを「止観」と言います。止観とは天台智顗の「摩訶止観」という言葉から来ていますが、読んで字のごとく「止めて観る」ということです。何を止めるのかと言えば「煩悩」とか「雑念」のようなものです。これらをとりあえず脇に置いておいて(捨てなくてもいいのです!)、素直な気持ちになって自分や周りを見つめます。固定観念のようなものをとりあえず一回ははずしてみるという感じです。

 止観瞑想は気持ちをリラックスさせないとできません。リラックスするためには「般若心経」を唱えたり、写経したりするのも効果があると思います。

 禅にしても、念仏や題目を唱えることにしても、そもそもは瞑想の方法論として出てきたものです。禅は「無念無想」のような止観の「止」のほうを重視しているのに対して、念仏や題目は自分や周りを観る「観」のほうを重視しているという違いがありますが(どちらもリラックスすることに重点を置いているとも言えます)、本来は両方を同時に行って初めて、しっかりとした瞑想ができるのです。

 このときに、頭でわかっているだけではなく、体感を伴っていないと本当の意味で自分や周りを理解したことにはなりません。

 例えば「空」について理屈でわかっていても、体感を伴っていないと実践ができないのです。お腹が痛いと思ったとき、「腹痛も“空”だから」と頭で理解しても痛みは消えません。ですが、本当に体感を伴って「空」を実践すると、痛みを感じなくなるのです。

 腹痛や頭痛は物理的なもので難しいという人でも、精神的な悩みとか心の苦しみといったものは、比較的容易に実践することができます。「般若心経」を利用した止観瞑想も、この精神的な悩みや苦しみを取り除くために行うのが効果的なのです。

 引用終わり

 

 

止観とは天台智顗の「摩訶止観」という言葉から来ていますが、読んで字のごとく「止めて観る」ということです。何を止めるのかと言えば「煩悩」とか「雑念」のようなものです

 

ゴール達成自体が目的化すると、次第に煩悩に囚われていきます。

 

 なぜなら、ゴール達成とは、抽象度を軸とした場合の情報空間の底面での話だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 煩悩に囚われる

 

それは「空(くう)」が抜けてしまった状態であり、争いや差別を引き起こしかねない危険な状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 だから「煩悩を止めて観る」。

 煩悩を止めるから正しく観ることができ(w1)、正しく観るからこそゴールを達成しながら(w2)、さらなる高抽象度次元にひろがる新たな世界を感じることができます(w3w4…)。

そんな心の状態が「観自在」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 多くの人は「何らかの結果」に対して「幸せ」か「不幸せ」かを判断します。例えば「ゴールを達成したから幸せ」「達成できなかったから不幸せ」というように。

 S-04-11~5:本当の幸せを感じられない理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23107579.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23170992.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23234058.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23309832.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23368649.html

 

 ところが、幸せを結果に求めてしまうと、その幸せは不確実なものになってしまいます。この世(物理空間)もあの世(情報空間)も不完全性が働くからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 では、幸せを何に求めればいいのでしょう?

 どうすれば幸せが継続するのでしょうか?

 

 以下、「超訳 般若心経」(p188)より再引用します。

 

 

「幸せ」とはゴールに向かう選択をすることである

 では、「幸せ」とは何か。それは、「到達すべきゴールを設定し、それに向かうためのベストの選択をすること」です。ゴールに向かう選択をすること自体が「幸せ」なのです。

 「でも、その結果、不幸な目に遭うかもしれません」

 そう思う人は、まだ、結果論に囚われてしまっています。それではいつまで経っても幸せにはなれませんし、幸せだと感じたとしても、単なる偶然であって、次の瞬間には不幸を感じてしまうかもしれません。

 あなたが到達すべきゴールは、まずは、あなたが「幸せだ」(うれしい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい の五つのポジティブ感情)を感じるものを設定しましょう。どんなゴールでそうした感情を得られるかは、シミュレーションしてみればいいでしょう。こうすれば、あなたが行う選択は必ず「幸せ」を感じるための選択になります。そして、この選択自体が「幸せ」に向かう行為ですから、まさにそれ自体で「幸せ」を感じることができるはずです。

 これなら、偶然に頼ることなく、「幸せ」をつかむことができることでしょう。

 引用終わり

 

 

 ゴールに向かう選択をすること自体が「幸せ」

 

 心の底から「幸せ」を感じながらゴールに向かっていると、「結果として利他的」はどんどん加速していきます。すると、まわりはますます「幸せ」になっていくでしょう。

 

 「幸せ」が拡散していく

 

 それがコーチングに秘められた力です。

 F-184:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -01;抽象度&超情報場理論

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25618957.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

その“自分”の中心を捨て去るとは、「自分のことは後回しで他人を優先する」というような「自」と「他」を分けた視点の話ではなく、「自」の定義そのものを拡張していくということです

 

 例えば、「私意(自分本位の考え)」「思い込み」「自己主張」「我の強さ」などは少ない方がいいという考え(ブリーフ)は、社会に仕掛けられている典型的な“洗脳”の結果です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 クリアでない方はこちらをどうぞ↓

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 

-追記2

 「幸せ」について、コーチ兼ヒーラーとして考察しました↓

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-295~6:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.2~3;次世代リーダーの要件>

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31709558.html

F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

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Q-217:家族や人間関係のゴール設定はどのようにすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27388111.html

Q-348:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始? <vol.5;走りながら考えるのは「〇〇〇〇」、その時気をつけるのは「〇〇」>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32598346.html

 

一生幸福になる 超訳 般若心経

 


Q-387:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 

A1:「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

では、チェックポイントをシンプルに解説します。まずはこの4つから。

 

 

□不完全性

情報空間での不完全性は「不完全性定理」により、物理空間(←抽象度を軸とした場合の情報空間の底面)での不完全性は「不確定性原理」により、すでに証明されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 つまり、「必ず正しい」「絶対に間違っている」はありえないということ。「全知全能の神はいない」のです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

別な表現を用いると、世界は「白か、黒か」という定性的なものではなく、「〇〇くらい白っぽい/黒っぽい」という定量的なものだといえます。決して「排中律」ではありません。

F-2313錠じゃないと飲まん! <前編:排中律>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28339618.html

 

 だから、まずは「相手がおかしい/間違っている」「私は正しい」という思い込みや決めつけがないかセルフチェックを。自分の価値判断を再確認してみましょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

思い込みや決めつけは、スコトーマを生みだすだけでなく、対立の原因となってしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 争いや差別の火種です。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 □縁起

 では、「正しい/間違い」「おかしい/おかしくない」を決める絶対的基準がないのなら、どのようにして「正しい」や「おかしい」が決まっていくのでしょう?

 

 医師としての私の経験を2つ紹介します。皆さんはどのように感じるでしょうか?

 

 1つ目は地域の急性期医療を支える民間病院での思い出。その病院を退院した患者さんが、地方紙(新聞)にこんな投稿をしました。

「患者のことを『〇〇様』と呼んでいて素晴らしい」

その記事を取り上げながら、病院長は「必ず患者のことは『〇〇様』と呼ぶように」「くれぐれもなれなれしい話し方はしないように」と念押ししました。全職種が参加するミーティングの場で。

 

 2つ目は当時は国立だった大学病院での話。入院中の患者の家族(高齢の夫)が病院の片隅で泣いていました。事情を伺うと、自分の農園で育てたメロンを差し入れしたが看護師長に断られたというのです。「規則で受け取れません」と。

「自慢のメロンだから」と重ねてお願いしたそうなのですが、「迷惑です」と怒られたそう。「あんな冷たい人に看護の資格があるのか?」「人を救うはずの病院がこんなでいいのか?」と嘆かれていました。

 

 縁起とは、「原因によって結果が起きる」という釈迦哲学の根幹をなす教えです。それは「自分を含めてすべては他の何かとの関係性で成り立っている」という見方であり、「関係が存在を生みだす」という見方です。

縁起の思想は「それぞれの事物・事象はあらかじめ存在しえない」ことを示しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 先ほどのケースでいうと、「患者のことは必ず『〇〇様』と呼ぶ」「規則により受け取れない」は、絶対に正しいものとしてあらかじめ存在するのではなく、関係性の中で相対的に正しさが決まるということ。

 Q-297:弟子にしてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30430928.html

 

 そう、すべてが相対的です。現在は「時間」でさえも相対的であることがわかっています。

 Q-319:速いスピードで移動? <vol.1:「時間」は人間の意識が作り上げた幻想>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31680099.html

 

 

 □無常

 「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

それを仏教では「無常」と表現します。

 F-276L下でのBSB vol.1;“風通し”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30603333.html

 

“答え”は「その時の相手との関係性」の中にあり、その「関係性」は“答え”とともにどんどん変わっていきます。表現を変えると、「意味は状況の中にあり、状況とともに意味は変わっていく」です。

 Q-199:状況は意味により変わる? 意味は状況の中にある?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26292382.html

 

 

 □非我

 繰り返しますが、「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)この世は心(マインド)がつくっているという二つのプリンシプルに行きつきます

 

 「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」を「無我」と表記するのは、じつは誤り。正しくは「非我」です↓

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 「この世は心(マインド)がつくっている」というプリンシプルが明らかにするのは

 F-034:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9672202.html

 

 自分という存在さえも、自身のマインドが生みだしている

 

 自分さえも、あるとはいえず/ないともいえず、相対的かつ無常です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを大乗仏教では「空(くう)」と表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 すべては空。自我も空

 

この事実が意味することは、「人は本質的に自由である!」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 ここまでまとめながら、私は「不完全性」の理解の重要性をあらためて感じました。その理解こそが「コーチングのスタートライン」であるはずです。

 F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p171)より引用します。「不完全性」の体感をクリアにしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

数学の基盤を覆したゲーデルの「不完全性定理」

 ギリシア時代から続く数学・論理学の基盤に、たとえば「2つの点を通る直線はひとつしかない」という主張など、それそのものが証明される必要なく真理命題とされる「公理」というものがあります。それら公理の集合を礎として演繹的に導き出されたものが「定理」です。つまり、中学・高校で学ぶ幾何の公理・定理を例にとると、それらはその演繹推論系のなかで真理とされているだけ。実際に計測してみて正しいから真理とされたのではありません。

 たとえば、古代ギリシアのピタゴラスが発見したと言われる三平方の定理には、100以上の証明がありますが、これらはすべて、ユークリッド幾何学の公理系を礎として演繹的に導かれたものです。つまり、ピタゴラスの定理が正しいとされるのは、実際に計測してそれが成り立っているからではなく、公理系から演繹的に導かれたからなのです。言ってみれば、数理宇宙は物理宇宙とは関係なく、独立して美しく整合的な空間として広がっているというのが、ユークリッド幾何学の公理系です。

 このように、「数理宇宙は公理と定理の系で成り立つ完全な無矛盾の空間である」とするのが、ギリシア時代から続く、数学の基盤となる考え方でした。

 ところが、1931年にウィーン大学の25歳の若き数学者クルト・ゲーデルは、自然数論というひとつの数学の公理系を利用して、次のことを証明しました。

 「自然数論程度に大きな演繹系においては、内部論理無矛盾性を成り立たせることはできない。系のなかに必ず、正しくない命題、もしくは証明不能な命題が内包されてしまう」と。

 また同時に、「無矛盾性を成り立たせようと、演繹系を拡大すればするほど、もともとの公理系そのものが成り立たなくなる」ことをも示しました。

 この論文は発表された当時、かなり誤解されたようです。彼の主張が本格的に理解されるようになったのは、1950年代以降のことです。後に、「ゲーデルの不完全性定理」と呼ばれる彼の論理は、以下のように単純化して説明できます。

 

 「この命題は証明不能である」という命題を考える。

 「この命題は証明不能である」という命題が証明可能であるならば、この命題のなかで主張している「証明不能である」ということと、それが「証明可能である」ということとは、矛盾していることになる。だからもし、この命題が証明可能であるのなら、公理系が矛盾を内包している、つまり正しくない定理が系のなかにあるということになる。

 逆に、「この命題は証明不能である」という命題がたしかに証明不能であったとする。だとすれば、この命題そのものは真理だということになる。これはすなわち、系に証明不能な命題が含まれるということであり、その場合は系そのものが不完全ということになる。

 系が完全であるとは、その系に正しくない命題が含まれず、また含まれるすべての命題が証明可能な状態を言うからです。

 これを自然数論で展開したのが、「ゲーデルの不完全性定理」です。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

Q-388につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」と「この世は心(マインド)がつくっている」という二つのプリンシプルに行きつきます

 

「アプリオリ」とはカントの言葉で、「経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念」のこと。人間の経験的認識に先立って確立されているべきもので、「人間をつくった神」や「その神が創った世界」のことです。

Q-339~「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html

 

 

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-関連記事-

F-326:観自在 <応用編;か・ち・も・な・い(価値もない)>

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F-346:ヘンシン! <ワーク付き>

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Q-204~:「縁起」と「因果」

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Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 

新・福音書

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L-173202203月シークレットレクチャー -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 

 

 脳がなくては宇宙はない

 脳というのは一つの場と見るべき。生命場と同じ

 

 この教えが体感を伴って理解できたとき、「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”が感じられるはずです。さらには“闇”までも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 前回(L-172/05)は“光”と“影”について考察しました。私が考える“光”とはエフィカシー(Efficacy)で、“影”とは(これまでの定義の)セルフ・エスティーム(Self Esteem)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 *「エスティームの新しい解釈」はこちら↓

 Q-256:私、立ち直れるかな? <前編;個人の視点で>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html

 

 今回は“闇”について考察します。

 

 ところで、前々回(L-171/04)引用した苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)には、このような記述があります。

 

 

 認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです

 

 

 この言葉をシンプルにすると「I×V=R」。そう、コーチングにおける重要なプリンシプル「夢をかなえる方程式 I×V=R」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 医療で例えると、「治る(すでに治っている)」というイメージ(I)に対する臨場感が高まるほど(V)、実際に病は治っていきます(R)。そのことを「プラセボ(placebo)」と表現したりします。

 F-157:指一本でも役に立ちたい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

 その逆も然り。「治らない(もうダメだ)」というイメージ(I)に対する臨場感が高まってしまうと(V)、状況はどんどん悪化していきます(R)。「ノセボ(nocebo)」です。

 PM-04-04収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 つまり、「I×V=R」は、夢をかなえる方程式である一方で、夢を破壊する方程式でもあるということ。

 Q-373:やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34458945.html

 

 私がとくに医療・介護現場にコーチングやレジリエンスをひろめたいと願っているのは、そこが「老病死」に対しての臨場感が高い過酷な場だから。不安・恐怖により大脳辺縁系優位になってしまうと、ますます“悪いイメージ”に流されやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 そのことが顕著にあらわれたのが“コロナ禍”という茶番。「論理的思考を奪われ、思考停止がコンフォートゾーン化したカオス」を目の当たりにしながら、苫米地博士がずっと警告されていた「洗脳社会」「認知戦時代」の到来を痛感しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そう、私が感じる“闇”とは、「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」のこと。

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

 だから、ゴールのポイントでいえば「4)自分中心を捨て去る」ことが重要になっていきます。さらにいうと、ゴールを持ち続ける(更新し続ける)こと自体がますます問われるようになるでしょう。シンプルに表現すると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 心の平和(平穏)をいかに維持できるか? どれだけ拡大していけるか?

 

 そのための鍵となるのが「精神の基礎体力」。

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、p51)より引用します。

 

 

精神の基礎体力を鍛える

 洗脳の闘技場について理解したら、次は、精神世界で闘っていくために、格闘技でいう「パワー・スピード・テクニック」の素養に当たる、「精神の基礎体力」を解説していこう。

 精神の基礎体力は、高度に抽象的な空間を身体性を持って体感し、操作できるような能力を意味している。これは人間ならば誰もが持っているが、長い間封印された力である。具体的なイメージはわきにくいだろが、簡単にいうと想像力で生み出したものを操ったりすることだ。例えば、子どもの想像力が豊かなのは誰もが認めるところだろう。宇宙人、怪物、地下帝国、スーパーマン。彼らは大人だと失笑されてしまうようなことを真剣に信じ、その姿、世界をさも本当に見ているかのように臨場感をもって思い浮かべられるし、それを自らの世界として操作することもできる。

 本来は大人も、こういった目の前の現実以外の世界を自由に構築して、体感する能力を持っている。夢などもそうだ。夢を見ているときは、想像上の世界がリアリティをもって感じられるだろう。これらの想像した世界に構築した事象を自在に動かせる能力が「精神の基礎体力」である。夢を見ながら、そのストーリーを自分で変えた経験を持つ人もいるのではないだろうか。自分の身体で実感するレベルまで、想像の世界に臨場感を持ち、そのうえで世界の構築物、例えば橋であれば橋を持ち上げてみせる。そのパワーこそが精神世界での基礎体力に当たるのだ。

 「精神の基礎体力」は身体能力と同じように、生得的に優れている人と、後天的に身に付けた人の二種類に分かれる。また、精神世界内での体力は、物理空間での体力と比例することはない。物理空間でどれだけ強靱な肉体を誇っていても、精神世界の中では脆弱かもしれないし、逆に物理空間では年老いて身体が小さくとも、精神世界では巨大な力があるかもしれない。生得的に精神の基礎体力がある者は、精神世界に臨場感を持ちやすく、空間把握能力に優れている。これはIQが高く、数学者や哲学者、芸術家などに多い。人類の脳の進化がもたらした力といえるだろう。

 精神の基礎体力は、物理的体力と同様、鍛えて強くすることが可能だ。手っ取り早い鍛錬法は、武道を習うことだろう。先程私は、精神世界と物理的世界では、体力は比例しないと説いた。しかし、心と身体というのは密接に繋がっており、肉体を鍛え上げることで精神も鍛えられるケースがある。その典型的な例が武道である。剣道、柔道、合気道、空手。己に打ち克つために身体を鍛え、技を磨く。これが精神の基礎体力にも繋がっているのだ。天下無双の剣豪として知られる宮本武蔵も、剣の腕が上がれば上がるほど、その精神も鋭敏に研ぎ澄まされるようになったに違いない。きっと彼の精神の基礎体力は、驚くほど強かっただろう。ただ、物理的空間では役に立つものの、精神空間では全く力が付かない武道もあるので、その点は注意してほしい。

 他の鍛錬法では気功が有効だ。例えば動功。いわゆる太極拳や五禽戯などだが、これは身体を動かして気の流れに影響を与える方法論だ。気を動かすということ自体が精神世界での運動であり、精神の基礎体力の訓練である。しかし、より有効なのは静功、つまり瞑想である。身体を動かさずに気を動かす鍛錬である。もちろん瞑想は、気功に限られる方法論ではない。瞑想において動かすものは気に限らず、あらゆる情報的な存在である。

 引用終わり

 

 

 この後、瞑想の実践法として「止観」と「遮那(しゃな)」が紹介されています。

 (「止観瞑想」に関する博士の解説はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 「遮那」とは、世界全体の中心に存在する仏とされる大毘盧遮那如来(だいびるしゃなにょらい)のこと。有名な奈良の大仏は、正式名を「毘盧遮那仏」といい、壮大な華厳の世界を表す仏とされています。

 

 ちなみに、“壮大な華厳の世界”に対する臨場感は、苫米地博士が座右の銘とされている「一念三千」とも通じます。

 F-315:デジタル自傷行為 <plan-side -3;ゴール×エフィカシーの“秘密” -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32678098.html

 

 「一念三千」とは、中国天台宗の開祖である天台大師 智顗(ちぎ)の言葉。それは「私たちの一瞬の心の中に、物理的な現象、情報的な機能すべてが入っている」という智顗の基本的な考え方を表すものです。

 「三千」とは10003つの3000のことではありません。仏教用語では1000×1000×1000、すなわち10億もの須弥山(しゅみせん)を表現しています。須弥山はサンスクリット語Sumeru(シュメール、スメル)の音写で、世界の中心にあるという想像上の山のことです。

 直径が太陽系ほどの大きな3枚の円盤が重なった上に、高さ132kmの山(須弥山)が乗っています。これが一つの世界で「小世界」といいます。その「小世界」が1000個集まり「小千世界」。「小千世界」が1000個集まり「中千世界」。「中千世界」が1000個で「大千世界」です。それが「1000×1000×100010億の須弥山」のイメージ。

 

 そのような広大な世界の中心に存在するのが「遮那」。その巨大なスケール感を体感するだけでも、「精神の基礎体力」は高まります。なぜ?

 

毘盧遮那仏(東大寺、Wikipedia)

東大寺の毘盧遮那仏

Wikipediaより引用

毘盧遮那仏 - Wikipedia

 

 

 答えは「抽象度が上がる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *イメージしづらい方はこちらの例もどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 

 つまり、「抽象度を上げながら“自我”を巨大化し、自由自在になっていく」ことが、「洗脳社会」「認知戦時代」という“闇”への対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを一言でいうと「観自在」。その実践法がコーチングです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 さらに今講義のメインテーマ「」と重ねていうと、自身の自由意思で見いだしたゴール側から「囚」を再構築すること。つまり、「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」が“闇”への対処法だといえるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

因4(緑:情報空間・超言語)

 

 

L-174につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

  

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-関連記事-

F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>

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F-281~:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~

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Q-16356:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか? <コーチング実践者向け回答 vol.4~6 ワーク付き>

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24275156.html

 

 

洗脳護身術

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F-359:自由訳「OODA」 <vol.5;コーチとして感じる「OODAループ」の正体>

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34906708.html

 vol.5;コーチとして感じる「OODAループ」の正体

 

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 それが苫米地式認定コーチとしての私の「OODA」の考察です。

 

 以前お伝えしたとおり(F-356/vol.2)、「OODAループ」の提唱者である米国空軍 ジョン・ボイド大佐は、2つ目の「OOrient」のことを“ビッグO”と称してとくに重要視していたそう。その本質は「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その「抽象度が上がる」はゴールに向かう変化。つまり、ゴールが先です。

それをコーチングの祖 ルー・タイスさんは、「Goal comes 1st.」と表現しました。

 L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30622243.html

 

 ゴールの世界(w2)の臨場感が高まると、そこにホメオスタシスが働くようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その過程で「Observe」「Orient」「Decide」「Act」という各ゲシュタルトは統合され、ひとつの「OODA」となります。それが「ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

コーチとしてあらためて「OODA」を考えると、ゴール(設定)という観点では確かに「OOrient」が重要ですが、ゴール達成のためには3つ目の「DDecide」が最も重要だと感じられます。その感覚は、コーチングというよりは、むしろリーダーシップに近いのかもしれません。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 「DDecide」とは意思決定のこと。別の言い方でいうと「選択」です。無限にひろがる可能世界からたった1つを選びだす選択。完全な自由意思による選択です。

 Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 世間で飛び交う言葉を分析すると、「未来の選択に対する不安」か「過去の選択に関する不満(あるいは後悔)」が多いように感じられます。状況は多岐にわたり、事情も様々ですが、抽象度を上げて考えると、その原因は一点に収束します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p53)より、5回に分けて引用します(青字)。「選択に対する不安や不満(後悔)」の原因について思索しながら読み進めてください。Feel

 

 

あなたの現在の「選択」こそがベストである

 過去に捉われてしまう人のパターンの一つに、どうしても過去に自分がした選択が間違っていたのではないか、あるいはもっといい選択があったのではないかと悩んでしまうというものがあります。私のクラスを受講しにくる人のなかにも、こうしたパターンで悩んでしまう人が意外に多いのに驚きます。

 「あのとき、別の会社に就職していたら、今ごろはもっといい人生を歩めていたかもしれない」

 「あのとき、別の学校を受験していたら、今よりもっといい就職ができていたかもしれない」

 「あのとき、あの人と別れていなければ、今ごろはもっと幸せになっていたかもしれない」

 人生に選択はつきものです。そして、選択によってなんらかの縁起が生まれますから、それが未来の縁起に影響を与えることもあるでしょう(ただし、過去が未来を決めるのではない以上、選択の結果が未来であるということにはなりません)。

 ここではっきりさせておきたいことは、過去の選択を振り返って、「もしあのとき別の選択をしていたら」と考えることはまったくナンセンスであり、その時点であなたがベストだと思ってした結果であるならば絶対にそれがベストであり、それ以上にいい選択はない、ということです。

 「そんなこと言ったって、先生、もしあのとき、彼の告白を拒否しないで受け入れて、彼とつきあっていたら、今ごろはとても幸せな日々を送っていたかもしれません。今年はクリスマスも一人きりでとても寂しかったんですから」

 こんなふうに言われても答えは簡単です。

 「でも、あなたはそのとき、彼とつきあわないという選択がベストだと判断したわけでしょう。だったら、それがベストでしょう。そういう選択をする理由がしっかりあったのでしょうし、もしつきあっていたとしても、彼がろくでもない浮気者で今ごろあなたはいつも彼の浮気に悩まされているかもしれませんよ。もっと言えば、彼が結婚詐欺師か何かで、今ごろ大金を騙し取られていたかもしれませんし、猟奇的なサディストであなたに命の危険が迫ったかもしれません。それに比べたら、あなたの賢明な選択のおかげでとにかく無事に過ごせているわけですから、よかったじゃないですか」

 そんな荒唐無稽な仮定じゃ意味がないと思いますか。でも、「今ごろはとても幸せな日々を送っていたかもしれない」という仮定と「猟奇的なサディストで命の危険が迫ったかもしれない」という仮定とどちらが荒唐無稽かという比較は不可能です。どちらもまったく根拠のない仮定ですから、どちらも同じくらい荒唐無稽なのです。

 過去の選択について悩む人は、必ず別の選択をしただろう架空の自分を現実の自分よりもいいものと考えます。「あのとき、別の選択をしていたらもっとひどい目に遭っていただろう」とは考えません。

 でも、実際にはそんな選択をした自分などどこにもいません。だから、今よりもいい状態になっているなんてことはわかるはずがないのです。いもしない自分と比較すること自体が無意味です。だって、そんなことをしても絶対に勝てるはずがないからです。

 自分で勝手に幻想を作り上げて、しかもその幻想は今の自分よりも必ずいいものになる。勝てるはずのない幻想をいつまでも持ち続けても、いい未来などやってくるはずがありません。あなたがした選択は唯一であり、唯一である以上、それはベストなのです。

 引用終わり

 

 

その時点であなたがベストだと思ってした結果であるならば絶対にそれがベストであり、それ以上にいい選択はない

 

 過去はどんどん離れていきます。その過去を「OObserve」し続けるのは時間の無駄です。それこそが「OO-OO-OOスタック」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

  

 前々回(F-357/vol.3)の説明だけなら、「OO-OO-OOスタック」は「DDecide」の前段階でのエラーに感じられるはず。

ところが、その解釈は正しくありません。「OO-OO-OOスタック」とは、「過去を『OObserve』し続ける」という“現在”の選択である「DDecide」の結果です。

Q-319:速いスピードで移動vol.1:「時間」は人間の意識が作り上げた幻想>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31680099.html

  

つまり、「DDecide」が「因」で、「OO-OO-OOスタック」が「果」。これがコーチング的な因果関係であり、縁起によるシンの因果関係です。

 Q-318:今、逃げましたよね? <後編;相手の世界に想像を働かせて、その因果関係をイメージする>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31641663.html

 

 以下、先ほどの引用の続きです。

 

 

 「先生、そうは言っても、選択のときにあまり考えないで選んでいるので、ベストの選択をしていないかもしれないんですよ」

 こういう人は本来の意味での選択をしていない人です。人生において頭を使うことを放棄しているわけですから、はっきり言って動物以下でしょう。だらだらと考え続けて決断できないのはよくないですが、よく考えもせずにいい加減に答えを出すのは論外です。

 選択することは「縁」が生まれることです。過去の選択という「縁」すなわち関係が生まれることによって、現在という刹那が起こります。これが「縁起」です。

 引用終わり

 

 

 選択することは「縁」が生まれることです。過去の選択という「縁」すなわち関係が生まれることによって、現在という刹那が起こります。これが「縁起」です

 

 この部分をコーチングのフレームで言い直すと、

 

選択=ゴール設定をすることは「縁」=ゴール側の世界(w2 ←ゴール側のコンフォートゾーン)が生まれること。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、コーチングとは、新たな縁起を生みだす取り組みだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 誤解のないように言っておきますが、「縁起」と一般に言われている「因果」は、違うものです。選択が「因」(原因)となって現在という「果」(結果)が生まれるのではありません。

 過去の選択による因果で現在があると考えると、「因」によってオートマチックに「果」が生じることになってしまいます。つまり、一度選択をしたら、自動的に未来が一つに決まってしまうことになります。そんなことはあり得ません。選択によって未来が自動的に決まってしまうなどと考えるから、世にはびこるインチキ占い師やニセ宗教に騙されてしまうのです。未来とは縁起による無限の可能性のことですから、決まっている一つの未来が見えるなどという占い師は全員インチキ以外の何者でもありません。「今これをしないと地獄に落ちる」とか「このツボを買えば救われる」などというインチキに騙されてはいけません。

 引用終わり

 

 

 未来とは縁起による無限の可能性のこと

 

 その未来に対して、ゴール設定を通じて働きかけるのがコーチング。縁起による無限の可能性(一念三千)から、自ら望む現実を選びだし構築していく(一期一会)ことがコーチングです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html

 

 もちろん、その現実とは「仮」であることを承知の上で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 存在も出来事もすべて縁起。“自分”とは、自分以外のいろいろなものとの関係のつなぎ目です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 よって、ゴールの基本条件のひとつである「自分中心を捨て去る」をクリアしていくほど、自分と世界(宇宙)は一体化していきます。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 

 過去の選択は「縁」であり、「縁」は別のたくさんの「縁」と結びつき合って「起」を起します。そして、現在いう刹那はすぐに過去となり、その評価・解釈は未来が行うことになります。だから、未来が「因」で過去が「果」なのです。

 引用終わり

 

 

 過去の選択は「縁」であり、「縁」は別のたくさんの「縁」と結びつき合って「起」を起します

 

 選択は人生における大切な縁を生みだす行為なので、必ず自分自身でベストと思う選択をするべきです。徹底的に思考して。

それが「自己責任」ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 以下、最後の引用です。

 

 

 存在も出来事も縁起です。自分以外のいろいろなものとの関係のつなぎ目なのです。選択は人生における大切な縁を生み出す行為ですから、必ず自分自身でベストと思う選択をしてください。自分がベストだと思ってした選択なら、それはベストですから、別の選択肢を比較の対象とせず、過去は振り返らずに、未来を向いて進んでほしいと思います。

 引用終わり

 

 

選択は人生における大切な縁を生み出す行為ですから、必ず自分自身でベストと思う選択をしてください

 

 さて、「未来の選択に対する不安」や「過去の選択に関する不満(あるいは後悔)」の原因が一点に収束することが感じられたでしょうか?

 

 そう、ゴールを自分自身の自由意思で決めていないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

一言でいうと不自由。

 

 

多くの人は自分の人生を生きていません。ほとんどが「無人運転」、よくて「自動運転」のまま。

F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 それは生きていないのと同じです。

 (その理由はこちら↓)

 L-11920219月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 これが真であるのなら、「OODAループ」は生命現象の一つのあらわれといえるはず。それは現状の外にゴールを設定することで解き放たれる生命力そのもの!

 

 じっくり「OODA」と向き合いながら、コーチ兼ヒーラーとして、そのようなことを考えました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

F-360につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

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F-303:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.5;芸術とコーチング(Authentic Coaching)とリーダーシップに共通する境地>

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F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

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F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

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L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

 

 

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