苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:臨場感

Q-403:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか? <前編;case-side

 

介護現場で働く方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、前編(case-side)と後編(plan-side)の2回に分けて回答いたします。

 

Q:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

 

A1最初に本質的な原因(case-side)と解決(plan-side)をお伝えします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

いつの間にか元の状態に戻る」理由は

 

人の場合、情報空間にホメオスタシスが拡張している

 

 から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 よって、「どうすればいい?」に対する答えは

 

1)ゴール設定により新しいイメージを生みだし、

2)その新たなイメージにホメオスタシスを働かせる

 

です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

職場でのマネジメントとしていうなら、「1)新しいイメージをしっかり共有し、3)そのイメージの臨場感を高め合う」という感じ。

PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 具体的な「どうすれば?」はケース・バイ・ケースです。答えは1つではないし、最適解は常に更新されていきます。すべてがダイナミックに変化しており、無常だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 問題を見つけることも、見つけた問題を解決することも、その鍵は「スコトーマ」にあります。スコトーマを生みだす/外すポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 知識がなければ、そもそも認識することができません。

 その一方で、知識が新たな認識を妨げてしまいます↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 だから、「自分の知識や常識として受け入れているものを、入念に吟味し続ける」ことが重要。少しでも違和感を感じるなら、その違和感は徹底的に掘り下げるべきです。

 

どこに違和感を感じるのか?

  どれくらい感じるのか?

なぜ感じるのか?  等々

 

 違和感を徹底的に掘り下げることによって、知識は新しいものに書き換わっていきます。これまでのゲシュタルトが、より大きなゲシュタルトへと再構築されていきながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 じつは、コーチングにおいて、このプロセス(ゲシュタルト再構築)はとても重要です。なぜだと思いますか?

 (私の答えは次回に)

 

 

 では、あらためて「いつの間にか元の状態に戻る」理由について確認しましょう。鍵は「ホメオスタシス(Homeostasis)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

今回は、苫米地博士の著書「残り97%の脳の使い方」(フォレスト出版、p91)より3回に分けて引用(青字)しながら、「ホメオスタシス」について掘り下げます。

 

 

ホメオスタシス

 最後にホメオスタシスについて説明します。

 ホメオスタシスとは恒常性維持機能のことをいいます。これは、生体をより長く生きながらえさせるために、生体の安定的な状態を維持しようとする傾向のことです。

 人間は生きていく上で、無意識レベルで体内のさまざまな機能が安定的に活動しています。体に負荷がかからないように、呼吸や心拍が一定のリズムで保たれているのもホメオスタシスが働いているためです。

 また、ホメオスタシスは外的な要因にも反応します。

 たとえば、外が暑ければ、体はあわてて汗をかかなければなりません。内部表現の中に「外は暑い」という情報の書き込みがあったからです。

 もう少し詳しく説明すると、人間は気温が上昇すると、その情報が全身の神経を通じて脳に伝えられます。すると、脳からは「発汗せよ」という指令が出て、皮膚から汗が出てきます。

 これは、脳内で「気温が上がった」という内部表現の書き換えがあり、それに合わせて生体の安定的な状態を維持しようとするホメオスタシスが働いて発汗したと説明できます。

 引用終わり

 

 苫米地博士は、まず「体内のさまざまな機能」を安定的にする働きとしてのホメオスタシスに言及され、次いで「外的な要因」への反応(例:発汗)について述べられています。一般向けに。

 

 ここで注意しないといけないのは、「外も内である」という事実。

我々はつい「外部世界(現実世界)」と「内部表現(心の世界)」を分別してしまいますが、そもそも外部世界というものはありません。それを一言でいうと「空(くう)」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

各自が認識している「外部世界(現実宇宙)」は、それぞれの記憶が織りなす世界。だから、すべてが「内部表現(心の世界)」であり、「一人一宇宙」です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 よって、内部表現とは、「人が認識している世界そのもの」だといえます。脳のレベルでいうと、「RASReticular Activating System)と呼ばれるフィルターを通して映しだされる世界」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 その内部表現(Internal RepresentationIR)には、物理次元の情報だけではなく、概念や感情といった心理レベルの情報も含まれています。それらが一体となって「一人一宇宙」を作りあげています。ダイナミックに。

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 

●ホメオスタシスは情報空間にまで広がっている

 さらに人間のすごいところは、情報空間にまでホメオスタシスが広がっているということです。

 内部表現が仮想世界にも適応するのと同じように、ホメオスタシスも仮想世界に適応するのです。

 たとえば、「小説を読んで泣く」というのは、内部表現に描かれた世界にホメオスタシスが反応しているからです。小説の世界は、仮想世界であり、情報空間です。

 ホラー映画を見て、鳥肌が立つというのも同じです。あくまでも映画の中でつくられたストーリーですから、どんなに怖かったとしても生体が危険にさらされているわけではありません。ですが、ホラー映画から受け取った情報に脳が反応して、生体に変化を引き起こすわけです。

 このように、人間のホメオスタシスは、物理的な環境の変化に対してだけでなく、進化の過程で「環境」を物理空間から情報空間にまで広げることに成功したのです。

 引用終わり

 

 ここで博士が述べられているのは、人の場合「仮想世界においても、内部表現が適応される」ということ。

その理由が「ホメオスタシス」。

そして、「ホメオスタシスが働いている」という感覚が「臨場感」です。

F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」のvol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 コーチングとは、関数pの再定義を促すことではなく、可能世界w1から別のw2への移行を促すこと。

 (「関数p」とは自我のことです。詳しくはこちらでどうぞ↓)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「小説の世界」と同様に、目の前にひろがる「外部世界(現実世界)」も、「仮想世界」であり、「情報空間」です。そして、それは無限に等しい「可能世界」のひとつであり、「内部表現(心の世界)」そのもの。

そんなたくさんの可能性(可能世界)の中から、自由意思で選択したonly oneの可能世界へと移動するための“特別な魔法”が「臨場感」だといえます。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 

●ホメオスタシスは同調する

 さらにホメオスタシスがすごいのは、他人に同調するという特徴があることです。

 たとえば、2人の人間が長い間一緒にいると、呼吸や心拍のリズムが同じになります。これは、自然とホメオスタシスが同調していることを示しています。前述しましたが、女性同士の場合は、生理周期が一致することが知られています。

 ということは、自分自身のイメージさえ自由にコントロールすることができれば、何もしなくても相手の世界に割り込み、影響を与えることができることになります

 洗脳は、術者がつくり上げた内部表現をホメオスタシスの同調を利用して、他人に移植しているのです。

 引用終わり

 

 洗脳は、術者がつくり上げた内部表現をホメオスタシスの同調を利用して、他人に移植している」の鍵も「臨場感」。

 術者が作りあげたイメージの世界に相手が強烈な臨場感を持つようになると、強いラポール(rapport)が形成され、その圧倒的信頼感により相手の内部表現が書き換わっていきます。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 だからコーチは、クライアントの「w1w2」という方向性には関わりますが、「w1」「w2」そのものには関わりません。もちろん「w」を生みだす「関数p」(=自我)にも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 コーチがクライアントのコンテンツに関わった瞬間に、コーチングは洗脳に変わります。“自由”を追求するはずのコーチングが、“奴隷”を生みだす洗脳に変貌してしまうのです。

 Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

 

Q-404につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

Q-196未来の抽象度の高いイメージ(I)を臨場感高く想像すれば(V)実現する(R)と考えていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25936863.html

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

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Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

 

 

残り97%の脳の使い方

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L-188202206月医療・介護研修会 -11;臨場感を高めるための一工夫

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 04;イライラや不幸から自由になるために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35531009.html

 05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 06;成功体験を再現し、次の日の成功を思い描く

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35578663.html

 07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35626365.html

 09;「ゴール」と「イライラ」の関係のパターン別考察

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35638948.html

 10;ビッグなゴールが生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35673866.html

 11;臨場感を高めるための一工夫

 

 

 前回(L-187/10)は「ビッグなゴールが生みだすもの」について考えました。それは「将来達成したい世界」であり、「未来における縁起のつながり」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 それこそが「本当の“私”」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

ビッグなゴールが生みだす空(くう)としての自我です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 前回の引用文中に苫米地博士が書かれていましたが、現状とかけ離れたビッグなゴールになればなるほど、臨場感が薄れてしまいます。一般的には。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 コーチングにおける重要なプリンシプルに「I×V=R」というものがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 これは「臨場感の高い(V)イメージが(I)現実である(R)」という人間の脳の情報処理の特性を方程式化したもの。「I×V」はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と考えることもできます(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 *詳しくはこちら↓

 L-10720218月シークレットレクチャー -09;「I×V」とは〇〇

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

 CZを維持する力は「情報空間に働くホメオスタシス(Homeostasis)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それを理論化したのが苫米地博士。苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 今回のテーマでいうと、ポイントは「『イライラ』というこれまでのCZ」から「『ワクワク』『ドキドキ』という新たなCZ」に移行すること。それは「心から望むゴールを設定し、その臨場感を高めていく」ことで実現することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「臨場感を高めていく」ことの基本は、1)アファメーション、2)ビジュアライゼーション、3)セルフトークのコントロール の3つ。

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

 では、臨場感を高める対象は?

 

 もちろん、「ゴール側の世界」であり、「将来達成したい世界」であり、「未来における縁起のつながり」 ですが、私はもう一工夫を加えることをお勧めします。

 

 その一工夫が「『夢実現から逆算した現在のあるべき姿』をコンフォートゾーンにしてしまう」こと。ゴールにふさわしい「現在のあるべき姿」の臨場感を高めるのです。

 

 以下、苫米地博士の著書「人生を劇的に好転させる自己洗脳ルール44 もう努力してはいけない!」(学研プラス、p92)より引用します。

 

 

ルール20 夢実現から逆算した現実のあるべき姿をリアルに想像する

 これまで「夢を実現した状態をリアルに認識する」とか「夢を実現した未来の記憶を思い浮かべる」といったように、「すでに夢が実現した自分」を想像することを勧めてきました。

 通常はこの方式でいいのですが、リアルに想像することがしっかりできるほど高度な技術が身についてくると、「すでに夢が実現した自分」をリアルに想像することで起こる弊害も出てきてしまいます。

 それは「夢を実現した自分」の方がリアル過ぎて、その自分にすっかり満足してしまう恐れがあるということです。自分自身にすっかり満足してしまったら、そこから出る力は衰えてしまいます。「夢を実現した自分」を本当の意味でリアルに想像できてしまうと、「もう実現したのだからいいや」と無意識が勘違いして、夢に向かわなくなってしまうのです。

 馬の鼻面ににんじんをぶらさげて、走るモチベーションを高めるというたとえ話がよくあります。本当にそれで馬が走るのかどうかは知りませんが、あのたとえ話は、馬の鼻面ににんじんをぶらさげ続けて、どこまで走ってもそのにんじんを食べることができないからこそ意味があるわけです。

 もしどこかの段階で、馬がそのにんじんを食べて(あるいは食べたと思って)しまったら、馬は満足して走るのをやめてしまうでしょう。それと同じで、夢が実現してしまう(実現したと勘違いしてしまう)と、夢に向かうのをやめてしまうのです。

 当面は、それほどリアルに夢実現を想像することは難しいので問題ないのですが、夢実現に向かっていくうちにレベルアップしていって、本当にリアルに夢が実現した未来の記憶を想像できるようになることでしょう。

 そこで夢実現への推進力が弱ってしまっては、それまでのせっかくの道のりが台無しです

 これを避ける方法が「夢実現から逆算した現在のあるべき姿をリアルに想像する」というものなのです。

 どういうことかといいますと、例えば、「将来、日本の総理大臣になる」という夢を抱いたとします(この夢がその人にとって適切かどうか、あるいは本当に夢かどうかはここでは問題にしません)。時期もだいたい特定しておくと、そこから逆算して、「だとしたら、今頃は国会議員になっていないといけないな」と考えることでしょう。そして、その状態をリアルに思い浮かべます。

 でも、実際の現実を見ると、国会議員ではありません。そのギャップが実現への推進力となってくれます。あわてて、「国会議員である自分」を現実化させる方向へと動き出し始めるのです。

 あるいは、「将来、世界を飛び回る商社マンになる」という夢があったとします(これもその内容のよしあしは問いません)。同じように逆算して、「だとすると、今すでに23カ国語くらいは話せないといけないな」と考えますが、「でも、実際は英語すらおぼつかないじゃないか」という現実があったとしたら、あわてて英語の勉強を始めたり、英会話学校に駆け込んだりすることでしょう。

 

 この「夢実現から逆算した現在のあるべき姿」をコンフォートゾーンにしてしまうのです。コンフォートゾーンとは、自分がそこにいてとても居心地のいい場所という意味です。場所というのは比喩的な言い方なので、状況とか状態と言い換えてもいいでしょう。

 「夢実現から逆算した現在のあるべき姿」をコンフォートゾーンにするための方法が、「リアルに想像する」というものなのです。当然、ここでも五感をフル活用します。あるいは「幸せ体験をコピペ」や「過去の気持ちよかった体験と結び付ける」といった手法を駆使するとより効果的です。

 コンフォートゾーンも現状の外側に設定されているはずですから、あとは現状とコンフォートゾーンとの臨場感の戦いになります。臨場感の高い方が現実化しますから、コンフォートゾーンの臨場感を高めることが夢実現への道となるわけです。

 引用終わり

 

 

 「夢実現から逆算した現在のあるべき姿」をコンフォートゾーンにしてしまう

 

 目指すのは「ワクワク」が満ちている職場。そんな職場から逆算した「現在あるべき姿」とはどんな感じでしょう?

 

 思い浮かぶ「映像(pictures)」を「言葉(words)」に変えて共有し、そこに「うれしい」「楽しい」「気持ちがいい」「すがすがしい」「誇らしい」という「感情(emotions)」をのせていけば

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

  CZの臨場感が高まり、ホメオスタシスが働き、自然に「ワクワク」が満ちあふれる

 

 その時、きっと「イライラ」は消えています。その理由はクリアですよね?

 

 そう、スコトーマに隠れるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 最後にもう一度。
 重要なのは「『ワクワク』が満ちあふれる職場」の臨場感です。
 もしも「イライラ」したら「私(私たち)らしくなかった」とすぐさま言葉にし、「私(私たち)らしい」をイメージし直してください。もちろん気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

 以上が当日の研修内容です(ブログ用にリライトしました)。

 次回はいただいた御質問・御意見に回答いたします。

 

L-189につづく)

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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F-0543つのロック(&1つのキー) <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12794797.html

L-145202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-08QA(子育ての本当の“意味”とは?)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33449340.html

Q-334~:何かいい仕事はありませんか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426303.html

Q-342~:瞑想をすると思慮深い方向に向かってしまい、エネルギーがなくなってしまう感じがします

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426480.html

 

 

絶対成功する44のルール

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L-178202206月医療・介護研修会 -01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 

 

 今回依頼された研修テーマは「イライラ」。

 

 事前の打ち合わせの時、それとなく「イライラ」をテーマに選んだ理由を伺ってみました。わざわざ私に依頼をしてくださった意図を知りたかったから。

 Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html

 

 すると担当者は、とくに夜勤をする看護師や介護士に体調不良者が続出しており、そのせいなのか「医療事故(accident)」や「ヒヤリハット(incident)」が増えていることを教えてくださいました。

 Q-256~:私、立ち直れるかな?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420158.html

 

 さらには、「みんな疲れていて、イライラしている」とも。

 Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。疲れているだけでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427647.html

 

 みんな疲れて、イライラしている

 

 

 研修を行った後の話ではありますが、私が住む鹿児島では、救急や周産期医療などを担う県の中核病院が一般の入院病床の稼働率を最大7割まで減らすことが報道されました(202344日、南日本放送)。

 その病院の一般入院病床数は400。その7割まで減らすということですから、約120人分の入院ができなくなるということです。これは鹿児島の医療にとって大問題。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

 では、その問題の本質的原因はどこにあるのでしょう?

 

 前述の報道では「看護師の大量退職」が原因として挙げられていました。そして、その要因のひとつが「過酷な職場環境」だと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 日本医療労働組合連合会による全国の看護師3万人以上を対象とした「2022年看護職員の労働実態調査」によって、衝撃的な事実が明らかになりました。

 なんと看護師の79.2%が「仕事を辞めたい」と考えているのです(「いつも思う」24.0%、「ときどき思う」55.2%)↓

 5e8dd32f045cf2b06190631b99368fa326bb0711.pdf (irouren.or.jp)

 

 これはおそらく介護職も同じ。現実として、地方に行くほど、医療・介護に携わる人材は不足しています。つまり

 

 人材不足

 → 過重労働

 → みんな疲れて、イライラ

 → 「医療事故(accident)」や「ヒヤリハット(incident)」が増える

 → さらにイライラ(Fight or Flight

 → 離職意識が蔓延

 → 本当に離職

  → さらなる人材不足

 

 という悪循環。この“悪循環”が日本の医療・介護業界を蝕んでいます。

 (「Fight or Flight」はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 とここまでが問題の分析(case-side)。

問題に対する解決(plan-side)は、もちろん、「コーチング」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 次回より、コーチ兼医師としてお話しした内容を、ブログ用にリライトしてお届けします。

 

L-179につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 みんな疲れて、イライラしている

 

 ところで、苫米地博士が小説を書かれていることをご存じですか?

 

 その第1作目が「脳のリミッターを外せ!」(アスコム)。ストーリーとして「可能世界」が描かれていることで、よりリアルに臨場感を感じることができます。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の…~ vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 例えば、「イライラ」の描写はこんな感じ

 

 以下、同書の「FILE 003 お金がすべてと信じ込ませ、会社の奴隷にする男」(p88)より引用します。「ストーリーテリング×臨場感」というゲシュタルトを意識に上げながら読んでください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 「山田よぉ。お前はいつになったら契約をとってくるんだよ!」

 午前9時。朝礼開始と同時に、西新宿の小さなオフィスに大きな怒声が響き渡った。

 哲朗が勤務するマーベラス出版。数年前までは好調だった教育出版業界だが、インターネットの普及や少子化の影響をもろに受ける形となり、昨今ではどの会社も苦戦を強いられていた。マーベラス出版も同様、業績は伸び悩み、経営状況は悪化の一途。イライラの矛先は必然的に、営業成績を残せない哲朗へと向けられていた。

 そしてこの日もまた、それなりの営業成果を報告する同僚たちに対して、一人不甲斐ない結果を口にする哲朗に、部長の中谷の怒りが爆発したのである。

「お前も会社の現状を知ってるんだろ。新規の顧客を拡大していかないと、このままじゃうちは本気でやばいんだよ」

「はい、すみません……

「それなのに、五日連続で契約数ゼロってどういうことなんだよ。先月だってノルマ達成できてないのはお前だけじゃねえか。会社に給料泥棒はいらねえんだよ!」

 同僚たちが失笑を浮かべる中、浴びせられた容赦ない罵声に哲朗は力なくうなだれる。

 全社員の営業成績が記入されたホワイトボードを叩きながら、鬼のような形相をした中谷はさらに声を荒げた。

 「今年入社した一年目の鈴木ですら頑張って三件もとってきてるじゃねえか。みんなができていることを何でお前だけできないんだよ。仕事なめてんのか!」

 返す言葉もなくただ黙って下を向く哲朗。できることといえば、中谷の怒りが時間と共におさまるのを待つことくらいだった。

 「とにかく、このままじゃ他のみんなにも迷惑だな。よし、山田以外は全員仕事を始めてくれ。今日も一日気合を入れていくように!」

 合図と同時にそれぞれ仕事に取りかかる同僚たちを横目に、一人残された哲朗は恐る恐る中谷の顔を見上げた。

 哲朗の上司、中谷喜久夫。がっちりとした体格に、いつもがなり立てているような大きな声。妻子持ちの現在四八歳。幼い頃に両親が離婚し女手一つで育てられた中谷は、母親を早く楽にさせたいと若い頃から様々なアルバイトを転々としながら食い扶持を稼ぎ、二〇歳の時にマーベラス出版に入社。以来、馬車馬のように働き続け、高卒という最終学歴にもかかわらず身一つで部長まで登りつめた叩き上げだった。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

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 どうですか?

 

 私たちは過去の記憶でつくられたゲシュタルトによって世界を認識しています。それは目の前にひろがる物理的現実世界だけでなく、小説や映画の中の仮想世界に対しても同じ。

 Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html

 

 今、違和感を感じているでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

じつは、「目の前にひろがる物理的現実世界だけでなく、小説や映画の中の仮想世界に対しても同じ」という表現は正しくありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「どこが正しくないのか?」「どう表現すれば正しくなるのか?」 そんなことを考えながら今後の投稿をお読みください。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

Q-235:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

Q-333:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

Q-377:同じ抽象度で最適化されたゴールのような気がします

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34573983.html

 

脳のリミッターを外せ!

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Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか? <前編;case-side

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に関して、2回に分けて回答いたします。前編がケースサイド、後編がプランサイドです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

Q:高い抽象度で超情報場にいる感覚にいると、自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか?

 

A1下に引き戻そうとする」力の正体は、現状へ戻そうとするホメオスタシス・フィードバックでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス、p56)の中で、苫米地博士はこのように述べられています。

 

すごいリーダーは「脳」がちがうver.2

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 世界は無限に存在していて、ホメオスタシスはそのどれともつながることができる-

 このことがわかったとき、私は一つの結論にたどり着きました。

 簡単にいうと、一つの仮想空間(P)があるとします。このPに対して、自我があります。そして、自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる、ということです。

 引用終わり

 

 

 コーチングにおける「一つの仮想空間(P)」とは、ゴール設定により自ら生みだす未来/社会のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 その「ゴール設定により自ら生みだす未来/社会」のことを、バラいろダンディでの講義(20211213日放送回)の中で、苫米地博士は「可能世界“w1”」と表現されています。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 無限にある可能世界の中から自由意思で選びだす“w1”は、自分で選択するゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 よって、「自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる」は、「自分中心を捨て去りながらゴール側のCZを“自分”とすることができると、ホメオスタシスの働きで臨場感が高まり現実化する」と理解することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 これがコーチングの重要なプリンシプル「I×V=R」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ポイントは“臨場感”!

 ゴール側のCZの臨場感を、現状の臨場感よりも高めることです。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 では、ゴール側のCZの臨場感を高めるためにはどうすればいいでしょうか?

 

 

 そう、「アファメーション」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロール」を続けること。それが基本です。

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

 「思考の3つの軸」と重ねて考えると、アファメーションにより「言語(words)」を、ビジュアライゼーションにより「映像(pictures)」をコントロールすることができます。

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

 「言語(words)」「映像(pictures)」がしっかり作れているはずなのに「下に引き戻そうとする意識が働く」という場合、その原因は「感情(emotions)」にあるはずです。

 実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その下向きに働く力のことを「煩悩」と呼びます。

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p129)より引用します。

 

 

お釈迦さまの脳科学

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「煩悩」とは細胞レベルの苦

 私たちは、食欲や睡眠欲といった細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。これら根本的な欲求を、上座部仏教では「苦」と言い、大乗仏教では「煩悩」と呼んでいます。

「つらい」「苦しい」といった情動としての「苦」であれば解消する方法があります。例えば、セロトニンなどの神経伝達物質の量を増やせば、苦の感情からは解放されるでしょう。死の恐怖さえ抑える洗脳は可能ですから、生老病死の「苦」を感じないことはありえます。

 しかし、脳を麻薬で騙したところで、生きている限り、細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。一時的なごまかしにすぎないのです。

 人間が幸せに生きることの妨げになっているのは、この煩悩のためです。他人から操作された欲望によって不必要なお金を使ってしまったり、健康を損なってしまいます。また、怒りによって人を殺してしまう。例を挙げていくときりがありませんが、あらゆる不幸は煩悩を制御できないことで起こっています。現代人にとって煩悩をどうコントロールするかが、ますます重要になっているのです。釈迦はその方法についても語っていました。

 上座部仏教で言う細胞レベルの「苦」、すなわち「煩悩」は、幻であると釈迦は説いています。

 私が、臨場感を説明するときに使っている、ホメオスタシスという言葉があります。「寒くなると鳥肌が立つ」「暑くなると汗をかく」といったような生体の環境フィードバック関係のことですが、ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています。ですから、映画で怖いシーンを見ると鳥肌が立ったり、催眠などの暗示によって人に汗をかかせることが可能なわけです。

 これは、細胞レベルの感覚ですら、脳にとっては単なる情報であり「幻」ということを表しています。「暑い」「お腹が減った」という感覚は脳にとってはすべて情報です。情報ということは、書き換えることができる「幻」です。このことを実感として理解するのは、なかなか大変ですが、仏教ではそのための瞑想など修行方法が用意されています。そのひとつが、後に説明する「止観」です。

 細胞レベルの現象を「幻」だと本当にわかれば、それを操作することが可能になります。人間の脳という進化した情報処理器官には、そのような機能までもが備わっているのです。ですから、心によって炎を熱いと感じないこともできるし、病気を治すことも可能です。イメージ療法や気功によって癌が治ってしまうことがあるように、心の底から自分が健康だと思い込むことで遺伝子の情報すら書き換えることもありえるのです。

 引用終わり

 

 

ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています

 

 

 最初にお伝えしたとおり、「下に引き戻そうとする」力の正体はホメオスタシス・フィードバック。そこには何らかの「感情(emotions)」が張り付いているはずです。いわゆる「煩悩」として。

 

 次回の投稿(Q-380)までの間、止観を行い、ぜひ御自身のマインド(脳と心)と向き合ってください。

 Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html

 

 自分を縛り続ける「感情(emotions)」を意識に上げて、一つひとつ吟味してみましょう。ゴール側から。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 気楽にどうぞ。

 

Q-380につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる

 

 同様のことを、苫米地博士は「『ツキ』を引き寄せる洗脳術 自分を磨き上げる秘密のメソッド34」(三才ブックス)にも書かれています。以下、同書(p92)から引用します。

 

 

レッスン19 「ツキ」はすでに見えている?

Is Tsuki already in your presence

 

 あなたのイメージによって現実は変わる

 自分がイメージした世界、つまりフリーゴールを、あたかも五感で体験しているように強烈にイメージすると、それが現実になります。あなたがどの世界を強烈にイメージするかによって、あなたの現実は大きく変わるでしょう。

 

 設定したフリーゴールの世界を体感しているということは、あなた自身がフリーゴールの世界に臨場感を持っていることを意味します。

 臨場感とは、その場に身を置いているように感じることです。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚……。ある空間に対して、あたかも五感で体感しているような感覚を、「臨場感を持つ」といいます。

 臨場感は、人間が生まれながらに有している感覚能力です。この能力のおかげで、人間は様々な情報をリアルに感じることができます。

 

 面白いことに人間は、臨場感を物理的現実世界だけでなく仮想世界にも持つことができます。

 例えば、あなたが映画を見ているとき、あなたはさもその世界に自分が存在しているような感覚を受けるでしょう。これはあなたが、映画という仮想空間に臨場感を持っているからです。小説やマンガを読んでいるとき、あるいは妄想しているときも同じです。悲しい場面では本当に悲しくて涙を流したり、楽しい場面では笑みがこぼれたりしてしまうのは、あなたがその世界に臨場感を持っているからなのです。

 そういう意味では、あなたがイメージするフリーゴールの世界は仮想空間かもしれません。しかし、そこに臨場感を持つことは可能です。

 人間は自分がイメージした世界に臨場感を持つと、それがリアルになります。このことを臨場感空間の現実化(リアライズドヴァ―チャリティ)といいます。

 リアライズドヴァーチャリティは、ホメオスタシスによって行われます。ホメオスタシスが現実世界ではなく、仮想空間とフィードバックすることで、仮想空間をリアルにするのです。

 臨場感は、いきなり目の前に現れるわけではありません。人間が臨場感を持つときは、仮想空間を含めた外の世界から一つを選択しています。

 通常は生まれてからずっと慣れ親しんできた世界である、物理的現実世界に臨場感を持っています。しかし、上手く仮想空間を選択することができれば、その世界にホメオスタシスがフィードバックすることで臨場感が高まります。

 簡単にいうと、一つの仮想空間に対して、自我があり、自我とホメオスタシスのフィードバックが強いと臨場感が高くなります。すると、その仮想空間がリアルになるのです。

 物理的現実世界があるから、あるいはそれに近い仮想空間があるから、臨場感があるのではありません。人間のホメオスタシスのフィードバックが強い世界に臨場感があって、そこが本人にとってのリアルとなるのです。

 

 あなたがフリーゴールの世界に臨場感を持てば、あなたのホメオスタシスレベルは現状から外れ、フリーゴールの世界とアジャストし、フリーゴールの世界がリアルとなります。

 年商百億円企業のオーナー社長になることがフリーゴールだとすれば、その世界を強くイメージして臨場感を持てばよいのです。そうすれば、あなたのホメオスタシスが年商百億円企業のオーナー社長の世界とフィードバック関係を持ちます。年商百億円企業のオーナー社長になるために必要な「ツキのある世界」があなたのリアルとなるわけです。

 単純に「ツキまくりの世界」でも構いません。あなたがその世界をイメージして臨場感を持つことができればリアルになります。

 あなたが持つリアルは、あなたがどの世界に臨場感を持つかでも大きく変わってくるのです。

 引用終わり

 

 

-追記2

 実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません

 

 だから、常に逆腹式呼吸を!

逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ることが重要です。止観の前にどうぞ↓

L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 

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2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」

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Q-352:人に変に見られていないかがひどく気になります

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L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 

「ツキ」を引き寄せる洗脳術

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Q-373:やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:どうしても生きている実感が欲しいです。数年前から現実味の薄い日常を生きるようになり、よくそれについて悩んでいました。

日常を送るのに支障はないので問題扱いしなくてもいいのですが、心の奥底では現実感を得たいと思っております。

子供の頃は何もかもが新鮮で、大人になるにつれ感動は少なくなる。やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

ゴール(自分以外も幸せにすること)、それに紐づく活動(やりたいこと)、やりたいことを見つけるのは難しいです。

 

Aご存じのとおり、私たちが現実だと思っている目の前の世界は「一番臨場感が高いイメージ」にすぎません。つまり、すべて幻想。記憶が織りなす「一人一宇宙」です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想が? <vol.6:記憶が織りなす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

その事実は、コーチングにおいて、I×V=R」とプリンシプル化されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 一般向けには明るく「夢をかなえる方程式」と表現されていますが、コーチングを学べば学ぶほど「I×V=R」の怖さが身にしみるはず。

 L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

I×V=R」が示していることは、「イメージ(イマジネーション)の限界が、その人の限界になる/である」ということだから↓

 L-09820217… -10;イマジネーションによって限界を作り、それを壊すことで新しい世界を獲得していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30699999.html

 

 「ならば、いつも夢を思い描けばいい」はそのとおりなのですが、「記憶が織りなす『一人一宇宙』」の記憶とは主に“失敗”の記憶です。その記憶にはネガティブな情動がいっぱい張り付いており、「夢を思い描く」を維持することはなかなかできません。そうですよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 だから、どうしてもエフィカシーが下がってしまいがち。それがコーチの存在が重要な理由のひとつです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 御質問中の「やりたいことを見つけるのは難しい」は、まさにコーチが介入するべきセルフトーク。「~は難しい」という自らの言葉が、「~は難しい」を現実化してしまいます。

やりたいことを見つけるのは難しい」という表現は、コーチング実践者であるあなたらしくはありませんよ。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 先ほどの「『夢を思い描く』を維持することはなかなかできません。そうですよね?」も同じ。

一般的には事実かもしれませんが、「私には当てはまらない」「これからは違う」とはっきり言い切れることが重要です。その心の状態がエフィカシーです。

 

 呼吸を整え、心を落ち着け、今一度イメージしてください

 

 

 目の前の世界は「記憶が織りなす『一人一宇宙』

 

 

 その世界は「言葉(Words)」「映像(Pictures)」「感情(Emotions)」により形作られています。私たちは「言葉」を使って考えていて、その言葉が「映像」を想起させ、その映像が「感情」を生み出します。この3つの軸による思考が「セルフトーク」です。

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

 おそらく、やりたいことを見つけるのは難しい」には、暗く重たい情動が張り付いているはず。「言葉(Words)」「映像(Pictures)」「感情(Emotions)」が一体となって、あなたのセルフイメージ=エフィカシー=コンフォートゾーン(CZ)のレベルを引き下げています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 あなただけではありません。それが多くの人にとっての“現実”です。

 

 とくに今の日本においては、お互いがお互いを引きずり下ろし合っています。自分の低いセルフイメージ=エフィカシー=コンフォートゾーン(CZ)のレベルに合わせて相手を引きずり下ろそうとする現状は、「コレクティブ・エフィカシー」のまるで反対です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

人類が滅亡するかもしれないレベルで戦いがはじまっているというのに、この国の“国権の最高機関”で議論されるのは「お金(しかも裏金)」の話ばかり。これでは国民のエフィカシーはますます下がり続けるでしょう。

 F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 情動により抽象度が下がり、お互いに引きずりおろし合うことでさらに抽象度が下がっていくと、ますます低いCZがリアルになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

そんな“現実”に対しての臨場感が下がっていることが、「現実味の薄い日常」という表現にあらわれています。それは「目の前の現実世界(R)を情報(I×V)と感じている」ということでしょう。

F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

つまり、「『現実という夢』から目覚めた(目覚めつつある)」ということ。だから、肯定的に考えることができます。苫米地博士がよく用いられる表現でいうと「脱洗脳」です。

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 コーチング実践者が意識に上げるべきことは、今の「現実(R)」とは異なる、新たな「R’」を生みだすこと。バラダンでの苫米地博士の講義に合わせて言い直すと、今の「可能世界“w”」から、新たな「“w1”」へ移行することです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 では、まずは何からはじめればいいでしょうか?

 

そう、ゴール設定です。それは「I×V=R」の「I」を作る作業だといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールを設定しても臨場感が低いままであれば、新たな「R‘」「“w1”」の現実感は乏しいままです。それはエフィカシーが低い(足りない)ことと同じ。

ですので、ゴールを設定したら、次はエフィカシーを上げることに集中しましょう。その際には「共感覚」「プライミング」「トリガー&アンカー」などを活用してください。

 

 *「共感覚」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 *「プライミング」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

 *「トリガー&アンカー」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 

以下、苫米地博士の著書「15歳若返る脳の磨き方」(フォレスト出版、p123)より引用します。博士が教えてくださる「2つの特徴」を反芻しながら、コーチング実践者にふさわしい「脳の使い方」をマスターしてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 

IQが高い人の脳の使い方

 IQを高め、脳を若返らせる苫米地流メソッドは次章で披露していきますが、本章の締めくくりとして、IQが高い人がどのように脳を使っているかを紹介しておきましょう。この点を理解しておけば、より積極的に苫米地流メソッドに取り組めるようになると思うからです。

 IQの高い人の脳の使い方は、大きく分けると2つの特徴があります。

 ひとつは、単純な話かもしれませんが、IQの高い人は長時間の思考をしているという点です。

 わが身を振り返っていただきたいのですが、いまのあなたは長時間、考え続けることがあるでしょうか。

 学生時代ならば、卒論を書くために1年間ひとつのテーマを考え抜くという経験をしたと思います。しかし、社会人になって以来、どうでしょうか。1年、少なくとも数ヶ月にわたって、何かを考え続けたことがあったでしょうか。

 新規プロジェクトを立ち上げるために、あれこれ構想し、仕事のプロセスを考え抜いたという経験はあるかもしれません。会社によって異なるでしょうが、じっさいに新規プロジェクトが始動するまでには、半年くらいの準備期間があるはずです。たしかに担当者になれば、その間は寝ても覚めてもプロジェクトのことばかり考えることになります。

 しかし、そのさい必要になる思考は、抽象化ではなく具体化ではないでしょうか。ビジネスですから、まったく新しいパターンの発見を要求されることもないと思います。

 また、すでに述べたように、誰かが過去に同じようなことに携わり、経験知がすでに蓄積してもいます。いくら頭を使って考え続けるといっても、それは私がいう長時間の思考とはちょっと違います。

 この点では、企業の基礎研究所に勤める学者や研究者は有利です。彼らは、ひとつのテーマを1年くらい考えつづけ、実験を行い、新しい理論をつくったり発明したりします。これは、私がいう長時間の思考そのものです。

 しかし、基礎研究職に就くことのできる社会人はほんの一握りにすぎません。ビジネスパーソンのほとんどは、仕事で長時間の思考を行う機会も必要性もないといえます。その状態に甘んじていれば、長時間の思考とは無縁のまま人生を閉じることになるでしょう。

 長時間の思考といえば、学者や研究者にのみ許された特権のように感じるかもしれませんが、本当はそうではありません。

 たとえば、はっきりとしたライフワークを持つ人は、10年、20年をひとつのことに費やし、その間ずっと考え続けます。

 また、フィールドワークを行う人も同じです。

 たとえば、趣味で水生植物や湿性植物の観察を行っている知り合いがいますが、彼は、日本の田んぼや里山について縦横無尽の膨大な知識を持っています。彼の持論は、歴史的に見て水生植物の多様性が日本の農業と食糧を支えてきたというものです。彼は自由になる時間を使い、かれこれ5年以上そのことばかりを考えつづけ、持論のような認識にたどりつきました。これも立派な長時間の思考です。

 数ヶ月、あるいは1年以上の間ひとつのことを考えつづけるには、対象への尽きない興味と、たくさんの知識に基づいた抽象度の高い思考が必要です。

 具体化することばかり考える習慣は、思考に費やす時間をどんどん短縮させる方向に働きます。具体化ではなく抽象化するからこそ、IQの高い人は長時間の思考ができるわけです。

 引用終わり

 

 

 ゴールを設定し、エフィカシーを上げる

それと同時に行うのが「フィールドワーク」。そのフィールドワークに対する臨場感(=ホメオスタシス・フィードバック)の強さが「現実感を保つ」ための鍵です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そして、want to”に囚われ物理次元に束縛されてしまわないために、「ライフワーク」を持ち続けることが重要。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「フィールドワーク」と「ライフワーク」のイメージはクリアでしょうか?

 

 「Calling」と呼ばれるような体験をすると、「ライフワーク」を見つけやすくなるかもしれません↓

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 私は、「ライフワーク」は空観で体得するものであり、「フィールドワーク」は仮観で実践することだと理解しています。そのふたつを同時に行う「ライフワーク×フィールドワーク」が中観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以上より、御質問にシンプルに回答すると... 中観で生きよ!

 

 それは苫米地博士にコーチングを学ぶ者の生き方でもあります。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

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F-311~:デジタル自傷行為

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F-342:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編>

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F-343:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.8(最終回);プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうなケース」編>

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L-137202111月シークレットレクチャー -06;平和を実現するために

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Q-251:最近席を譲られることが多いのですが、恐縮してしまいます。エフィカシーが高い方はどう思うのでしょうか?

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L-164202201月シークレットレクチャー -08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 

 

コーチングでは、関数 p の再定義を促すのではなく、可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 これがコーチングの要諦。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

コーチングは可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 

 ゴールそのものは決して自分のことではありませんが(w1=)、ど真ん中は自分でないといけません(p=ブリーフシステム=自我)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「ど真ん中は自分」ではない状態が“奴隷”。当たり前ですが、“奴隷”のままでは決して幸せになることはできません。

 L-01020201月シークレットレクチャー -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 では、“奴隷”の状態から脱し、シンの自由を得て、「可能世界 w から別の w1 へ移行」するために手に入れるべきものは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 答えは「知識」。

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 ちょっと歴史的な話をすると、かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」ことが大前提だったそう。それを「単調論理」と呼びます。

 その大前提を外し、「間違っていても知識と呼ぶ」「真偽値が定まっていない知識を知識として認める」としたことで、かえってこの世界をより正確に記述できるようなりました。それが「非単調論理」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 苫米地博士は、おなじみの「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(Club Tomabechi)の中で、「知識は『異世界転生術』の1つ目の魔法」と書かれています。シンプルにまとめると、

     知るということは、知らなかった世界から、知っている世界へ移動すること

     Aという情報場からBという情報場へ移動するための乗り物が知識

     知識がないと移動できない。逆に適切な知識があれば、どんな不思議な世界へも転生できる

     知識が正しいかどうかは、場が移動できるかどうかで決まる

     知識がなければ、そしてそれを理解するだけの抽象度にいないと、転生は起こせない

     圧倒的な知識が背景にあるからこそ、圧倒的な結果が出せる

 

 

 では、知識を得るためにはどうすればよいのでしょう?

 

 博士が教えてくださるのは「DVDや動画教材を繰り返し視聴しながら、自分の中に落とし込む」こと。「自分の中に落とし込む」というのは、俗に言う「腑に落ちる」という感覚と同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31993466.html

 

 その本質は「ゲシュタルト化」です。

 

ゲシュタルトとは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」を指します。人はゲシュタルトとして目の前の世界を認識しています。つまり、ゲシュタルトが意味を決めるということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

釈迦哲学に寄せて表現すると、ゲシュタルトとは、「全体と部分の双方向性で成り立ち、1つの統合的意味を持つまとまり」のこと。人の場合は「統合的な人格」のことともいえます。その根幹にあるのは縁起の思想です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私たちは、潜在的には複数のゲシュタルトを持つことができます。しかしながら、ホメオスタシス(恒常性維持機能)を維持できるのは1つだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その鍵となるのが“臨場感”。

複数のゲシュタルトのうち、最も臨場感の高いゲシュタルトが選択されて“現実”となります。その理をプリンシプル化したものが↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 繰り返しますが、人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。

 ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 そう、抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゲシュタルトの統合を繰り返しながら抽象度を上げ続けていくと、いつか「空(くう)」に到達するはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それが「悟り」。すべてのスコトーマが外れるときです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p178)より引用します。“コーチングの本質”をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

悟りとはすべてのスコトーマが外れる体験

 この本の第3章で、自我とは自分にとって重要な順番で記述した評価関数であることをお話ししました。そして、自我によって生まれるのがスコトーマです。

 脳の認識機能は、自分にとって重要なものは見えるが、重要でないものは見えないようになっています。例えば目の前の恋人は自分にとって重要なので見えていますが、テーブルに置かれたペンは重要ではないので目に入りません。目の前の物質だけでなく、概念についてもスコトーマは起こります。書くということを知らない原始人が目の前にあるペンを見ても、その存在そのものを認識できないでしょう。

 釈迦は瞑想によって自我はない(または空である)と知りました。それが悟りの状態です。自我がなくなった状態ですから、すべてのスコトーマが外れており、すべてを認識することが可能になっています。目の前の恋人や机の上のペンだけでなく、「自分」も「宇宙」もすべて同時に認識できるのです。

 自我という評価関数がなくなりますから、重要度に順番はつきません。宇宙のすべてのものを、同じように重要だと感じます。洗脳されたものを含めてあらゆる価値観から解放された状態、その境地が釈迦の悟りなのです。

 悟りとは「自分」と「宇宙」の両方を完全に認識すること、ともいうことができます。「自我」やあらゆる「概念」は数学の部分関数として考えることができます。部分関数とは何でしょう。たとえば「偶数」という部分関数では、自然数nを入力すると「2468……」と偶数を出力します。偶数を定義すれば、奇数も自動的に定義されます。自然数で偶数でないものが奇数だからです。

 すべての「概念」は、宇宙のすべてからものを選び出す部分関数ということができます。「犬」という概念は、宇宙のすべての犬を選び出す部分関数です。「人間」という概念は、宇宙のすべての人間を選び出す部分関数であり、現在だけでなく、過去に生きていた人間、未来に生まれてくる人間すべてを含んでいます。

 同じように、「自我」の概念とは、宇宙のすべてから、たったひとりの「自分自身」を選び出すという部分関数と言うことができるでしょう。

 そして、偶数が定義されると奇数が定義されるように、「自我」が定義されると、それ以外の「宇宙のすべて」も同時に定義されるのです。ということは、自分を正確に認識できれば、宇宙も完全に見ることができる。すべてが認識できるということです。

 釈迦には、自分、そして宇宙のゲシュタルトが見えました。ゲシュタルトとは、今までランダムに見えていたものを高い抽象度で見ることで整合的なパターンとして認識できることを言います。動物もゲシュタルト能力を持っています。犬でも肉やドッグフードを同じ食べ物として認識しているからです。人間の場合は、さらに抽象度の高いゲシュタルト能力を持っています。

 多くの人間が集まっている様子を見て、ただ「たくさん人がいる」ではなく、「朝なので通勤の人が多い」「コンサートに来た客が行列をなしている」と理解することができるのです。

 釈迦には自分と宇宙のゲシュタルトがわかったのです。それは宇宙を大まかに定義することではなく、分子、素粒子といった部分のひとつひとつが等しく重要でありながら、宇宙という全体と統合された理解です。当然、自分と宇宙のゲシュタルトは言語を超えた体感に他なりません。

 そして釈迦が、この境地を人に伝えるにはどうすべきかと考えて生み出された説明原理が十二支縁起なのです。悟っていない、すなわちすべてを認識できていない「無明」から、誤った認識の「行」が生じ、最終的に苦が生まれると説明したのです。逆に、悟ってしまえば、誤った認識はないのですから、苦もありません。すなわち煩悩から解き放たれた状態なのです。

 引用終わり

 

 

コーチングでは、関数 p の再定義を促すのではなく、可能世界 w から別の w1 への移行を促す

 

 その「別の w1」は、ゲシュタルトを統合することで到達できる、より高い抽象度次元にひろがる世界のこと。

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 以前お伝えしたこと(L-161/05)と統合すると、「グレインサイズが大きくなる=ゲシュタルトの統合=抽象度が上がる」で“1つ”。つまり

 L-161202201… -05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 

 まずは過去の記憶でつくられた「これまでの『フレーム=BS可能世界w)』」を解体

→ スコトーマが外れる

→ 新たなゴール設定

→ 高い次元に「新たな『フレーム=BS別の w1)』」を再構築

=グレインサイズが大きくなる

=ゲシュタルトを統合

=抽象度が上がる

 → 人生がますます豊かになる

 

 

 人生がますます豊かになる

 

それがコーチングによるゲシュタルト統合の結果として起こることです。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

L-165につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-301:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.3;最強の自己プロデュース力=火の鳥>

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L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

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L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

Q-371:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.3;実践編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34120540.html

 

 

お釈迦さまの脳科学

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F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

 

 知らないと言う罪と知りすぎる罠

 

 これはコーチングを学ぶ前に見聞きしたフレーズ。最近、ふと思い出しました。

 

 

またも繰り返された「私は知らなかった。秘書が勝手にやった」という言い訳。「知らないから悪くない」という論理は、もちろん、一般社会では通用しません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 良識ある大人にとって「『知らない』と言う」ことは罪といえますが、コーチングの観点で考えると「知らない」こと自体が罪。「知らない」ままではゴールを達成することができないから。もっというと、ゴールを設定することすらできないからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールとは、現状の外に設定するもの。だから、設定するまでは「知らない」はずですし、設定できたときも達成の仕方はまだ「知らない」はず。「知っている」という場合、そのゴール(らしきもの)は現状の中です。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

ゴールに向かい続ける間に、ゴール達成に必要な知識を得て、達成するための方法を見つけていきます。試行錯誤を繰り返しながら。

それが「Invent on the way」という感覚。「Invent on the way」はコーチングの祖 ルー・タイス(Lou Tice)さんの言葉です。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

苫米地博士は、知識のことを「可能世界から可能世界への到達可能性関数」と表現されています。

F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

 

バラいろダンディでの講義(20211213日放送回)に合わせて表現し直すと、知識とは「可能世界“w”から別の“w1”への架け橋」です。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 知らないと言う罪と知りすぎる罠

 

 このフレーズは、ある曲の歌詞の一部。誰の曲かわかりますか?

(ヒント:20年前の曲です)

 

 ところで、「コーチングをまったく知らない」という方々にお話しさせていただくとき、私は最初に「スコトーマ(Scotoma)」についてお伝えします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 知識がないと、そもそも認識することができません。それは存在しないのと同じ。

 F-304~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 一方で、知識があると、その知識自体が新たな認識を妨げてしまいます。いわゆる「思い込み」というもの。思い込みは「イマジネーションの限界」を生みだします。だから

 L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 知らないと言う罪と知りすぎる罠

 

 

 さて、誰の曲かわかったでしょうか?

 

 答えは相川七瀬さん。2004年に発売された25枚目のシングル曲「Round ZERO BLADE BRAVE」中の一節です(作詞は藤林聖子さん)↓

 Round ZERO ~BLADE BRAVE [NANASE'S DAY 2020 EDIT] (youtube.com)

 

 今、この話を真剣に読んでくださっている方の抽象度は下がっています。具体的な情報量が増えたからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

  

 一般的には、抽象度が下がると、臨場感は上がります。具体的情報量が増えた分、より詳細にイメージできるようになるからです。それなのに、実際は臨場感が下がっているはず。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~ vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

これから補足する情報が加わると、ますます臨場感が下がるはずです。はっきり表現すると、「どうでもいい」と興味が薄れる感じ。

自身の中の臨場感の変化を意識に上げながら読み進めてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 いいですか?

 

 では、補足します。相川さんの「Round ZEROBLADE BRAVE」は、2004年に放送された「仮面ライダー 剣(ブレイド)」の主題歌。全48話のうち30話までのオープニングで使われました。実際の映像がこちら(158秒より)↓

 仮面ライダー剣(ブレイド) 第01話[公式] (youtube.com)

 

 

 どうですか?

 情報がさらに具体的になり抽象度が下がったはずなのに、臨場感はむしろ下がっているのでは?

 

 それが「知りすぎる罠」。

 過去の記憶でつくられたブリーフシステム(Belief SystemBS)が「重要でない」と判断すると、途端に臨場感が下がり、関連する情報をシャットアウトしはじめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 それは「BSが映しだす世界」(=Comfort ZoneCZ)を維持しようとする働きです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 *その「働き」の正体は↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「BSが映しだす世界」は、もちろん過去です。つまり、人は「過去に縛られている」「過去を生きている」ということ。ブレイドの世界観でいうと「封印」されている

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

実際のところ、年を重ねるほど、新しいものに挑戦することは難しくなっていきます。

 Q-140:若かったら挑戦しますけど、もう年なのでガマンします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22528302.html

 

 だからこそ、コーチング! だからこそ、現状の外へのゴール設定! そして、

 L-133202111… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

エフィカシーを高めること !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 たった1人きりのキミの存在が

 いつか世界のすべて変えるだろう

 ここにあるものは希望? 絶望?

 Round Zero 始まってる

 知らないと言う罪と知りすぎる罠

 動けなくなる前に動き出そう

 風に捲られたカード占うように笑う

 迷わないハズもない

 それでも明日を探せ

 めくるめく運命壊れそうな時代に

 切り札はキミの中

 研ぎ澄まされた勇気にして

 BLADE BRAVE

 

 

 今年(2024年)、「仮面ライダー 剣」は20周年を迎えました。記念イベントやグッズ販売の情報を見聞きするたびに(トリガー)、“あの頃”の思い出がよみがえります(アンカー)。子どもたちとの楽しい楽しい思い出です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 先日も大人向け価格のグッズ予約がはじまり(カリスのアレ)、そのおかげで「知らないと言う罪と知りすぎる罠」というフレーズを思い出しました。

あらためて歌詞を確認しながら、とても意味深いな~と感激しているところです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

その“感激”をコーチとして分析すると

  

 知らないと言う罪と知りすぎる罠」を克服し、「動けなくなる前に動き出す」ためにゴール設定を行う。

そして、「切り札」となるゴールの世界(=ゴール側のCZ)の臨場感を高めていく それが「研ぎ澄まされた勇気」=エフィカシーを上げること

 

 では、ゴール×エフィカシー の鍵となるものは?

 

 最後に、苫米地博士の著書「脳を味方につける生き方」(三笠書房、p182)より引用します。「運命の切り札をつかみ取り、今、その力を全開にする」ためにしっかり感じ取ってください。Feel

 

 

ちょっと先を読んで仕事ができる人、できない人

 また、知識が少ないにもかかわらず、認識能力が優れているケースがあります。

 それは、抽象度の高い思考ができる人です。手持ちの知識はそれほど多くなくても、抽象度を上げていれば10を読み取ることが可能になります。

 先にも述べたように、抽象度が高いということは、たくさん知識があるのと同じですから、発話に含まれた多くの情報を認識できます。常に抽象度の高いレベルで人の話を聞いている人は、他の人よりもはるかにたくさんの情報を得ているのです。

 したがって、「1を聞いて10を知る方法はあるのでしょうか?」という問いに対する答えは2つです。

 「知識を増やしなさい。もしくは、抽象度をどんどん上げていきなさい」

 

 そうすると、10を聞いても1しか知らない、などということはなくなります。10を聞けば10を知ることができるので、周囲の人の目にはあたかも1を聞いて10を知ったかのように映るはずです。

 「コピーを取って」と、オフィスで上司にこう頼まれたとき、単にコピーを取るだけで渡すか、会議で配る資料だろうから、一部ずつホチキスでとじて渡そうと考えるか、そこに違いが表れるのです。特に指示されていないのにホチキスでとじたとしたら、「おお、気が利くね」となるでしょう。

 相手のニーズがわかっているから、1を聞いて10の仕事ができるのです。

 間もなく会議が開かれることを知っていて、上司が朝から準備に追われているのを見ていれば、頼まれたコピーは会議の資料だとわかる。時期から考えて毎月恒例の販売会議だと気づけば、出席人数はだいたい決まっているから必要部数も見当がつく。人数分をホチキスでとじてタイムリミットまでに提出したら、「1を聞いて10を知る人間」だと評価されることは確実です。もし上司の会う相手が会計検査院の人だったら、気を利かせてコストの低いわら半紙を使ってコピーする。渡された上司は「おお、よくわかっているな」と思うでしょう。

 

 結局は、1を聞いて10を知る人間は認識する情報量が違うということ。

 知識量が多いか、あるいは抽象度が高いかの差です。

 やり方次第で、誰でも1を聞いて10を知る人間になることができます。

 引用終わり

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 「仮面ライダー」と「ウルトラマン」の二択でいうと、私は圧倒的に「ウルトラマン」派。そのため、親子で「ブレイド」にドはまりし、自我が変わった感じがしました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 今回のブログ記事を書くに当たって、「なぜ私は仮面ライダーが嫌いだったのか?」を考えてみました。昔の記憶をたどりながら。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 すると、よみがえったのが、子どもの頃に仮面ライダーのショーでショッカーに舞台まで連れ去られた記憶。むちゃくちゃ怖かったことと親がゲラゲラ笑っていてとても腹が立ったことを思い出しました。恐怖と怒りが入り混じった重たく熱い感覚とともに。

 Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 それは幼児の頃の話。記憶が本物かどうかはわかりませんが、私の中ではとてもリアルな思い出です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

-追記2

 「仮面ライダー 剣」は“職業ライダー”という設定です。つまり、主人公はサラリーマン(すぐに失職しますが)。

ゴールのカテゴリ「職業」と「お金(ファイナンス)」の関係を考えるという点でも、とても意味深いストーリーだと思っています。

F-027~:プロとアマの違い

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268331.html

 

 

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2024年度のオンラインセミナーは、6月と11月に開催する予定です。

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-関連記事-

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

F-274:冗長性と多様性 <vol.6;プロフェッショナルなマインド>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30503310.html

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

Q-175脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いてるということになるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html

Q-271~現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html

 

 

脳を味方につける生き方




Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 

「共感覚」に関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。まずは“理論編”から。

 

 vol.1;理論編

 

 

Q:苫米地英人先生の本やYou Tubeで学んでいます。「共感覚」に取り組んでいるのですが、なかなかうまく実践できません。どうやったらうまくできるでしょうか?

 

A1:共感覚とは、「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のことです。

具体的には文字や音が色として感じられたり、匂いに感触が付随したりする現象のこと。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じる「感覚の相乗り状態」をいいます。

 

 共感覚を利用すると「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」しやすくなります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

通常は、脳の視覚野と聴覚野が重なっているとか、映像や音が抽象度の高い情報として処理される際に混同されるというような先天的な感覚の性向のことを指します。例えば「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」という感じ。

ところが、苫米地博士は「共感覚は意図的に獲得できる」と話されています。それが「後天的共感覚生成」。そのポイントが「抽象度」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 共感覚を利用すると認識精度が上がり、臨場感が増し、リアリティが上がります。わかりやすく表現すると、「より微細な構造がしっかりと感じられる」という感じ。

その結果、「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」することができるようになるのです。より自然かつ強力に。

F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 ふつうは抽象度が上がると、臨場感は下がります。抽象度が上がるほど具体的情報量が減っていき、文字どおり“抽象的”になるからです。

 ところが、共感覚を用いると、抽象度と臨場感を同時に上げることができるようになります。無意識のうちに。

 (「意識」「無意識」とRAS&スコトーマの関係について、こちらでどうぞ↓)

 Q279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

先ほどの「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」でいうと、色情報からなんらかの特徴を抽出することが「抽象度を上げる作業(抽象化)」です。

情報量を減らしながら特徴を抽出したら、その特徴を音情報にマッピングしていきます。それがもとの情報の本質を維持しながらの「色→音」「絵→音楽」という変換。

 

 このように「“ものごと”の何らかの特徴を抽出して、別の感覚で表現する」ことは、物理情報のひとつの抽象化作業だといえます。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 この共感覚化の作業を繰り返していると、無意識が“現実”だと認識している物理空間から切り離され、自由に世界を認識できるようになります。それは「深い変性意識状態になることで、情報空間を自在に移動できる」ということ。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

変性意識(Altered State of ConsciousnessASC)とは、「目の前の現状よりも現状とは異なるイメージに強い臨場感を感じている状態」のことです。苫米地博士は全ての変性意識生成方法を統一的に説明されています。それが“Rゆらぎ”。

つまり、共感覚化は“Rゆらぎ”のひとつの実践方法だということ。

 Q-361 “自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス p93、開拓社より再販)より引用します。「共感覚」という概念を意識に上げながら読み進め、クリアなゲシュタルトを作りあげてください(connect the dots)。そのプロセス自体が“Rゆらぎ”となるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

後天的共感覚の生成法

 呼吸による変性意識の生成ができるようになったら、次はマインドエンジニアリングする際に重要な技術「後天的共感覚生成」に挑戦していただこう。

 共感覚というのは、以前、山下篤子氏の訳書「共感覚者の驚くべき日常」などでも話題になった、先天的な感覚の性向である。本来の感覚とは別の感覚が伴う現象で、文字や音が色となって感じられたり、匂いに感触が付随したりする。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じるのが「相乗り」しているような状態、これが共感覚だ。

 この感覚の持ち主は、十万人に一人の割合といわれている。実は、私もたまたま先天的な共感覚者で、いまだに小学校の音楽の先生の声が紫色でツルツルしていたとか、別の先生は銀色でとがった三角に見えたという記憶がある。

 共感覚になる原因は、視覚野や聴覚野などの情報処理器官が重なり合っている可能性が指摘されているが、詳しくはまだ解明されていない。

 さて、この共感覚。先程、先天的なものだと述べたが、実は誰でも練習すればある程度の共感覚を持てるようになる。これは私が、過去に洗脳護身術を指導してきた経験から分かったことだ。この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる。また、共感覚をマスターすれば、数学やディベートといった複雑で抽象的な作業に役立ち、絶対音感覚も視覚的に体得できるようになるだろう。

 では、さっそく共感覚の生成法を解説していこう。ここでの共感覚の生成とは、「あらゆるものを視覚化する」ということだ。音、感情、命題、論理などすべてを視覚化するのである。そして、最終的には視覚化したものを触覚化できるようになっていただきたい。

 とりあえず、皆さんに練習してほしいのは、音の視覚化である。まずは、逆腹式呼吸を使って変性意識を生成する。それから座っている状態で聞こえる音を一つ一つ、心の中で列挙していく。すると色々な音が聞こえてくるはずだ。エアコンの音、外の喧騒、隣の部屋から聞こえる音楽。そして、聞こえる音の一つ一つに色や形、触感を付けていく。例えば、私は連休の旅先で、小さなノートパソコンで原稿を書いているのだが、ハードディスクが細かく無数に並べられた先のとがった鉛色の小さな三角形の上に、黄色いザラザラな布を被せた音を出していて、先程から気になっている

 最初はよく分からないだろうから、感じたままで結構だ。「このエアコンの音は、薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音だ」といった感じである。そしてそれを「薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音」として実際に見てほしい。変性意識が生成されていれば可能なはずだ。このように、周囲で聞こえる音を色や触覚、形などで見ていってほしい。匂いを加えると、さらに効果的だろう。

 次に感情を視覚化してみる。変性意識状態を維持したままで、目の前にいる人の顔から得られる感情を色や形、触覚で表現し、その人の顔に重ねて見るようにする。悪意のある感情は、どす黒く渦巻いた異臭感があるかもしれない。逆に優しく穏やかな顔の前には、滑らかな球形をした薄いピンクのボールが見えるかもしれない。我々はちょっとした表情の変化、目の動きから相手の感情を読み取ることができる進化した動物だ。ただ、相手の感情を操作するためには、視覚化、触覚化して操作しやすい状態に持っていかなくてはならない。このため、感情を共感覚的にとらえていく必要があるのだ。

 音の視覚化、感情の視覚化に成功したら、最後は気の視覚化に挑戦しよう。ここでは気という概念をあえて定義しない(詳細は第4章)。気功師が言及している「気」。そんなものが実際にあると考えるくらいでいいだろう。つまり、相手の感情状態のみならず、心身の健康状態を外部から感じられる気配のようなもの。これを気とする。

 とりあえずは、自分の手の指先をよく見て、そこから出ている気の色や形、触感を指の周りに表現してみてほしい。気功師のように気を出したり、信じたりする必要はない。もし、自分が中国の超人気功師のように気を出せたら、こんな感じだとイメージすればいいのだ。白く、煙のようにもやもやした感じだろうか。それとも、赤く燃え上がっているような感じだろうか。実際にあってもなくても、指の周りにそれが見えてくるまで練習していただきたい。

 以上の技術をマスターすれば、相手の内部表現を操作するとき、自分のイメージを見せるだけでなく、実際に触覚や味覚などのあらゆる感覚に臨場感を持たせることができるだろう。

 引用終わり

 

 

この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる

 

 私たちが「実際に存在している」と思っている現実的な物理世界は、本当の意味での物理的現実世界ではありません。「見る(視覚)」「触れる(触覚)」といった五感により、リアルタイムに情報を取り入れ、脳がそれらを再構成して認識している世界です。

 つまり、物理世界とは、イメージの中にある仮想の情報世界。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

だから、すべてが内部表現(IRInternal Representation)だといえ、すべてが情報だといえます。それを理論化したものが苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 すべてが情報だからこそ、私たちは認識している世界(一人一宇宙)を書き換えることができます。

 Q-246:続・気楽に生きたいのですが… -04;「一人一宇宙」はゴールに向かう夢の一部

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28416456.html

 

 イメージの中の仮想世界こそが人が認識している世界である以上、この仮想世界をゆるがすことで現実世界をゆるがすことができる

 

 そのためにあるのがコーチングで、その実践のための技術のひとつが共感覚です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

Q-370につづく)

 

 

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F-206~:マトリックス/Matrix

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Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

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Q-326~:最近、「記憶が抜ける」ようなことが続いています

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洗脳護身術

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L-148202111月医療系研修会 -03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

 

202111月に認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御意見・御質問に回答いたします。

 

 01;認知症を引き起こし、BPSDを悪化させるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33693497.html

 02;人の特性はBSで決まる=人はさまざまな幻想に支配されている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33708684.html

 03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

 

 

 人は、洗脳による支配から自由になったとき、初めて自分の本当の意思に基づいて未来を選択できるようになる

 そのためには、思考の抽象度を高め物事をより俯瞰して眺めること、スコトーマをずらし見える世界を変えることなどが必要

 

 前頭前野のブリーフシステム同士の矛盾を解決し、心の内の深い葛藤を解消するためには、抽象度を高めることが必須です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ところが、恐怖や不安が強いと、そもそも抽象度を高めることができません。大脳辺縁系優位の「ファイト・オア・フライト」とは、抽象度が下がる(あえて下げる)遺伝子レベルの反応です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 よって、恐怖や不安への対処が重要といえます。健康な人にとってももちろん、認知症の方(&サポーター)にはなおさら、恐怖と不安のマネジメントが求められます。

 

 

 今回は、「闘争逃走反応」と訳される「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」について確認しましょう。

 

 文字どおり「闘うか、逃げるか」という心理状態に陥る「ファイト・オア・フライト」は、前頭前野の働きをあえて抑えて“直感的な判断”を行うことといえます。大脳辺縁系が「闘う」と判断すれば、脳内にドーパミンやノルアドレナリンが分泌されて闘う準備が整います。

 (「ドーパミン」について、詳しくはこちらをどうぞ↓)

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはその程度分泌されているか

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 その時はとても“動物的”。怒りっぽく攻撃的で、まわりのことは考えられず、他罰的になっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10692725.html

 

さらには、時間を超えた推論ができないため、未来を自由に思い描けなくなっているはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 米国CDCが公表した「危機に瀕した時の行動(Negative Behavior)」でいうと、1)不必要な対処を求める、2)特別な関係に依存する、3)不必要に商業取引や渡航を制限する、4)MUPS(複数の医学的に説明困難な身体症状)があらわれる といった特徴が認められます。

 F-126~:続・クライシスの本質 ~首相による「一斉休校要請」と社会の反応を読み解く

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21664055.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21664503.html

 

 このような心の状態は、決して特別な状態ではなく、誰もが経験しうるものです。

実際、老病死(+生で四苦)の場である医療現場において、「ファイト・オア・フライト」は日常茶飯事。例えば、東京消防庁の調査によると(R1.12/16R2.12/10)、在宅での看取り予定にもかかわらず救急要請が行われた112件のうち、じつに97件で(救急要請を行った)家族の希望により不搬送になったそう。慌ててしまい救急を要請してしまったが(=大脳辺縁系優位)、救急隊が到着する頃(H28年全国平均:830秒)には冷静になっていた(=前頭前野優位)ということでしょう。

 F-216:激烈な腹痛の最中に得たインスピレーション -真夜中に、一人きりで-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27521647.html

 

 とくに生死にかかわるような危機的状況では、人の心は「拒絶→不安・恐怖→回避→希望の消失→パニック」と変化していきます。

CDCがまとめた「Psychology of a Crisis」には、こうした事態に対処するための4つの基本原則が示されています。それは

F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.4;リーダーの視点で

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html

 

1)     最初に最悪の可能性を伝え、それが改善していることを数字で伝える

2)     「必ず解決します」などの約束はNG。むしろ状況の不確定性を正確に伝え、その問題を解決するプロセスについてのみ伝える

3)     問題解決のプロセスが進んでいることや状況が改善していることを伝えるために、それを示すデータや数字を継続的に提供し続ける

4)     恐怖を認め、問題に関連する文脈情報を与える

 

 この4つの基本原則は、「レジリエンス(resilience)」においても重要です。

レジリエンスは物理学の用語で、「外力による歪み」を意味するストレスに対して、「ストレスを跳ね返す力」の意味で使われています。そこから心理学の世界にひろがり、「社会的ディスアドバンテージや自分に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力」を表す言葉として用いられるようになりました。

シンプルにいうと「自発的治癒力」。それは「脆弱性(vulnerability)」の反対概念であり、「精神的回復力」「抵抗力」「耐久力」とも訳されています。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

苫米地博士は、レジリエンスを「有事の際に迅速にリカバーし、元より強固になることができる性向」といった意味で使われています。それは「転んでもただでは起きぬ」というブリーフシステム(Belief SystemBS)が生みだすアティテュード。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 じつは、これこそが“次世代のリーダー”に求められるブリーフ。「希望を持ち続ける」「決して諦めない」=「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ことを可能にするブリーフです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 その鍵となるのは「〇〇〇〇(←漢字4文字)」。

 以下、苫米地博士の著書「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版、p185)より引用します。ヒーリングにおいても、コーチングにおいても、とても重要な「〇〇〇〇」をクリアにしてください。Feel

 

 

トラウマをとるには高度な脱洗脳テクニックが必要

 さて、私のクライシスサイコロジーの講座は、そろそろ第2段階に移ろうとしています。今度は、講座の卒業生を対象に、トラウマを抱えてしまった人のトラウマを取り除く方法を伝授することを考えています。

 なぜなら、東日本大震災から間もなく2年がたとうとし、その恐怖体験がトラウマになってしまった人がじっさいに現れるころだからです。

 第1段階の講座の卒業生たちは、多くの被災者の心を救ったとは思いますが、彼らがカバーしきれないほど大勢の人々が心に問題を抱えていることは否定しようがありません。

 

 これは心に直接働きかける心理操作手法のため、ここで紹介することはできませんが、少しだけさわりを述べましょう。

 トラウマは、特殊な変性意識の状態です。

 変性意識というのは、たとえばトランス状態など、日常的な意識状態ではない意識の状態のことを意味しています。トラウマに囚われ、突然かっとなったり、みるみる鬼のような形相になったり、相手を襲ったりするときが、この変性意識状態に当たります。

 強い恐怖や恐怖体験は、それそのものが日常的な意識ではなく変性意識なのです。

 

 実は、変性意識が生まれる状態というのは、高度な催眠を受けている状態のようなものです。そして、変性意識下では、特定の記憶にアクセスしやすくなり、逆にアクセスしにくくしたりということができます。

 

 たとえば、相手に催眠をかけ、お父さんやお母さんの名前や、離婚した相手のことや、うれしかった思い出など、秘密をたくさん聞き出します。その後、催眠から起こす前に「いま、私が訊いたことは忘れましょう」といって、それから目覚めさせるわけです。

 そうやって、占師はたくさん聞き出した相手の秘密を「あなたは、何年前にこういう経験をしたでしょう?」と的中させます。

 相手に「この占師は本物だ」と感激させる仕掛けです。

 その逆に、特定の記憶にアクセスしやすくする方法として有名なのは、退行催眠です。半覚せい状態で記憶をさかのぼっていくと、昔の忘れていた記憶をたくさん引っぱり出すことができます。

 

 さて、たとえば交通事故に遭ったというような恐怖体験がトラウマになり、それが一生消えないというような場合があります。

 それは、事故の体験そのものが強烈な変性意識であり、変性意識は脳の記憶回路に直接的に強烈に働きかけます。

 それそのものが、あっという間に長期記憶化してしまうような強烈な体感をつくるわけです。

 そんな強烈な恐怖の記憶をどうすれば取り除くことができるかといえば、それは一種の脱洗脳のテクニックによって可能なのです。

 

 わかりやすくいえば、たとえば大震災や原子力の過酷事故を含む強烈な恐怖体験は、それそのものが特殊な催眠術です。

 それは、心を1つの臨場感世界に釘づけにする技術とみなすことができ、広い意味での催眠術なのです。

 とすれば、その催眠術を一気に解く、脱洗脳の方法があるのです。

 それは、長期記憶化した恐怖、つまり変性意識体験を一度引っぱり出して、その変性意識そのものをぶち壊すという方法です。

 それは「思い出せませんよ」と洗脳して思い出せなくするのではなく、変性意識そのものを解いてしまう脱洗脳なのです。

 これは、少々高度な介入技術を必要とするため、いま私は、精神科医や臨床心理士などの資格を持つ医療関係者だけに伝授しています。

 私がなぜ、守秘義務のもとで、専門家にしか教えていない第2段階の講座の話を紹介したかといえば、トラウマを抱える人に、それを取り除く技術があるということを知ってほしかったからです。

 トラウマがあり、それが元でやるべきことができない。

 あるいは、それが障害になって、進みたい方向に人生を向かわせられない。

 そういう悩みを持つ人は、ひとりあれこれ悩まないで、専門家のもとを訪ねることを私はお勧めします。

 自分で解決不可能な心の問題に戦いを挑むことほど、愚かなことはありません。

 戦えば戦うほど、傷口が開くということになりかねません。

 トラウマにいくら刃を向けても、傷つくのは自分自身です。

 肝心なのは、クライシスサイコロジーを理解して、まずは恐怖体験を長期記憶化させないこと。それでも、あっというまに長期記憶化されてしまうような恐怖体験をしてしまったときは、私が脱洗脳のテクニックを伝授しているような専門家たちに頼んで、トラウマを解いてもらうことです。

 それが、強烈な恐怖体験から逃れ、人生の質を高める、一番の方法でしょう。

 引用終わり

 

 

 長期記憶化した恐怖、つまり変性意識体験を一度引っぱり出して、その変性意識そのものをぶち壊す

 

 

 「希望を持ち続ける」「決して諦めない」=「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵も「変性意識」です。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 次回(L-149)、誰にでもできる(じつは行っている)「『変性意識』の活用法」を紹介します。

 

 *「変性意識」について、こちらもどうぞ↓

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

L-149につづく)

 

 

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 次回の開催は2024428日(日)の予定です(←再変更しました)。1ヶ月前に告知を行います。お楽しみに。

 

 

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イヤな気持ちを消す技術

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Q-357:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか? <vol.4;リラックスと緊張のサイクル -超越編-

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は最近、仕事の疲れなのか、休みの日なのに気持ちが良くない日が続きました。訳もなくイライラするなどです。また、不平不満や愚痴をいうタイプではなかったのですが、それをいうようになっている自分に気が付きました。

仕事は、しんどいと感じるときもありますが、ゴールの一部として思えるとやる気は湧きます。単に疲れているだけでしょうか?

 

 vol.1;「無気力」と「やる気がない」の違い&GMCZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33182294.html

 vol.2;リラックスと緊張のサイクル -基礎編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33196855.html

 vol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 vol.4;リラックスと緊張のサイクル -超越編-

 

 

A4:前回までは「訳もなくイライラ』を『訳のあるイライラ』に変える」ことがエンドステートでした

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

「訳のあるイライラ」に変わった後の内省言語は、「緊張してラッキー」「緊張するほどラッキー」です。そんな言葉が自然に浮かんでくるまで「リラックスと緊張のサイクル」の体得に取り組んでください。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

  

「リラックスと緊張のサイクル」を体得したら、次のエンドステートは「』を超越する」。それはどういうことなのでしょう?

 

まずはこちらの文章をお読みください。苫米地博士の著書「本番に強い脳と心のつくり方」(PHP研究所、p171)からの引用です。

 

 

スポーツに禅の教えは有効か?

 私の認識では、武道とスポーツは別物です。

 とはいえ、武道的精神とスポーツを融合させようと試み、一定の成果を上げている人もなかにはいます。アメリカNBAで、現在はロサンゼルス・レイカーズを率いるフィル・ジャクソンがもっとも有名でしょうか。

 彼は「ゼン・マスター」と呼ばれるほど、チームに禅のノウハウをもちこみ、かつてのシカゴ・ブルズ時代にはマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペンを、現在のロサンゼルス・レイカーズではコービー・ブライアントという名プレーヤーを指導してきました。2008~09シーズンが終わった時点で、ヘッドコーチとしての優勝回数は歴代1位の10回を数え、プレーオフでの勝ち数も歴代最高を記録しています。

 彼が学び、チームの指導に取り入れた禅は、仏教本来の禅とは少し異なっています。鈴木大拙(1870~1966)という仏教学者が英語の著書によってアメリカに伝えたもので、道教的瞑想に近いものです。

 心の状態を平静に保ち、雑念をいかに消していくかに徹底して特化しているため、その点でスポーツ時の精神状態をコントロールするには効果的なのです。「無」を重視する道教の教えに則った修行だからです。道教的瞑想によって心を平静に保てれば、脳波もアルファ波支配になりますからね。

 ただ、仏教本来の禅はスポーツには向きません。

 仏教の禅の本質は止観です。初心者にとっての止観とは「煩悩を止めて観る」こと。そして止観をつきつめると、最後には「観ること自体を止める」という境地にいたります。この世は「観るから」存在するのであって「観ることを止めれば」存在しません。煩悩も「観るから」存在する、ならば「観ることを止めれば」煩悩も消える-。

 こうした仏教本来の禅をスポーツに持ち込んだらどうなるでしょうか?

 簡単です。「勝ちと負けは同じこと」となってしまいます。これがほんとうの禅であり、止観です。プロスポーツは成り立たなくなってしまいますね。

 ともかく、道教的な禅はプロスポーツのパフォーマンスを向上させるうえで有効ですので、もし禅の知識があるのならばプロスポーツに応用してもいいと思います。

 引用終わり

 

 

 止観をつきつめると、最後には「観ること自体を止める」という境地にいたる

 

 それが「『』を超越する」。その境地は、思いっきり抽象度が上がった境地であり、「勝ちと負けは同じこと」と同様に「すべてが同じ」とわかる無分別の境地です。

 F-318:観自在 <理論編-1観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32825990.html

 

 *「抽象度」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

宇宙の構造

 

 

 そんな境地のとき、脳内ではセロトニンが満ちあふれながらドーパミンも持続し、さらにはローアルファ波支配を保っています。そう、前回言及した「リラックス×緊張(興奮)のハーモニー状態」です。

 (前回のブログ記事はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

 それは「空観」の状態である と私は確信しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 空とは「抽象度を究極的に高めていった先にある精神状態」のこと。

 空の境地にいたれば、現在・過去・未来という時間的なひろがり、ここ・あそこという空間的なひろがりをすべて包摂し、“この世”のあらゆることを瞬時に認知することができるようになります。それが「一念三千」です。

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 ところで、苫米地博士と時空(物理空間)を共有されたことがありますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 私は年に何回かしかお会いする機会がありませんが、実際の苫米地博士はいつもニコニコされています。ニコ生やバラダンでのあの楽しそうな雰囲気そのままです。なぜなのでしょう?

 

 答えはシンプル。「いつも幸せを感じている」から。

 博士は意識的にセロトニン&ドーパミン状態をつくりだし、空と仮を包摂した中観の境地で生きられています。抽象度が高い思考をするほどドーパミンやセロトニンがあふれるのですから、どれほど豊かな幸せを感じられているのでしょう?

 

 そんな博士に学ぶ苫米地式は、中観の実践であり、ゲバラ主義!

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 その前提として、「いつも幸せ」はあたりまえ(=Comfort ZoneCZ)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

しかしながら、「いつも幸せ」に留まることはなく、つねに現状の外のゴールに向かって挑戦しつづけます。それが苫米地式!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 苫米地博士こそ、「リラックスと緊張のサイクル」の体現者であり、中観の実践者です。博士の活動の多くが機密性の高いものであるため(&抽象度がとても高いため)、ほとんどの人にとって知る由もないだけです。その一例がこちら↓

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 ぜひ書籍や講義動画などで苫米地博士の臨場感世界(情報場)を確認し、セミナー等で実際に会ってその臨場感を思いっきり体験し高めてください。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 そうすることで「気持ちが良くない日が続く」は解決していきます。必ず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

 長くなりましたが、以上が私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

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F-231~3錠じゃないと飲まん!

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F-325:観自在 <実践編-5;“縁起力”をブーストする>

 

「観自在」には2つの意味がかけられています。

 1つは「自在観る」、もう1つは「自在観る」。前者は「自分という存在を観る」、後者は「自由自在に観る」という意味です。

 よって、「観自在」は「自分という存在を自由自在に観る」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

今回は理論編(計3回)と実践編(計5回)に分けて、「観自在」を探究していきます。最後(応用編)は、これからますます重要となる「“正しい情報”の見極め方」の考察です。

 F-281~:「社会が変わってしまう」 ~あるワクチンの話~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

 

 理論編-1観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32825990.html

 理論編-2;自在を観る

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html

 理論編-3;自在に観る

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32922467.html

 実践編-1;モニタリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 実践編-2;スマートトーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33017128.html

 実践編-3;アファメーション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

 実践編-4;ユーアファメーション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33111471.html

 実践編-5;“縁起力”をブーストする

 

 

 観自在 =自分という存在を自由自在に観る =思いどおりの現実世界で思いどおりに生きる!

 

 前々回(F-323)は「アファメーション」、前回(F-324)は「ユーアファメーション」を紹介しました。

 

 

 過去の記憶でつくられたブリーフシステム(Belief SystemBS)でつくるアファメーションは、ほぼすべてが現状の最適化です。それではますます現状(Status Quo)に縛られてしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 現状を維持しようとする強力なホメオスタシスに抗い、そもそも認識することさえできない現状の外にゴールを設定し向かい続けるためには、コーチの存在が必須!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 アファメーションに関しても「Goal comes 1st.」。それゆえ、偉人がコーチになってくれる名言を活用したアファメーションやユーアファメーションは重要です。

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

つまり、偉人やコーチとの縁が、現状の外側にゴールを設定し、そして現実化していく力になるということ。それが“縁起力”!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

私は、コーチングやヒーリングで大きな変化を引き起こす巨大で強大な力の正体は、“縁起そのもの”だと思っています。

F-266:不満と傲慢のはざまでvol.10;「傲慢」を克服し「心の力(The Power of Mind)」を引きだす縁起>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30054307.html

 

 

 では、偉人やコーチとの縁をしっかり力に変えていくステップを確認していきましょう。

 

 1)ゴール設定によって、新たな世界(w1)の「イメージ(Image)」を生みだす

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 2)そのイメージは現状の外。抽象的でフワフワしているイメージを膨らませるために、言葉を積極的に活用する。その活用例が「スマートトーク」「アファメーション」「ユーアファメーション」

 (×「ビジュアライゼーション」↓)

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 3)イメージをさらに膨らましていくために、言語にプラスして五感(のどれか)を重ねながら強化していく

 L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

 

 これが“縁起力”をブーストする秘訣!

 以下、苫米地博士の著書「自分を大きく変える偉人たち、100の言葉 Dr.苫米地式名言活用術」(TAC出版、p9)より引用します。

 

 

名言は五感を使って自分に言い聞かすべし

 さて、ここまでで、「偉人の言葉」はゴールを設定した後に、自らのアファメーションの参考にするために使う、というところまで話しました。

 それでは、次のステップに行きましょう。

 ゴールを設定し、アファメーションをする際に、次に大事になってくるのは「イメージ」です。

 偉人の言葉を使ってアファメーションする際に、どのようにイメージを膨らませればよいのか。

 それはズバリ「言葉にプラスして五感のどれかを使い、イメージすればいい」のです。それによって、だいぶリアリティが上がり、臨場感がアップします。

 これはとても大事なテクニックです。この本のキモといってもいいかもしれませんね。「名言を五感で感じる」……視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。どれか一つでいいから使ってください。二つ以上使えるなら、それに超したことはありませんが、まずは一つで十分です。言葉を発しながら、目や耳といった五感を刺激しましょう。

 言葉は五感には入っていません。だから言葉で名言を唱えるだけではダメなのです。五感の情報に対して、言葉を重ねることによって、臨場感が強化されるのです。

 例えば、さきほどから例に出している「我が辞書に不可能の文字はない」というナポレオンの言葉。この場合、ナポレオンの写真を見ながら、イメージするのです。ナポレオンに話しかけられている気持ちになりながら、「あなたの辞書に不可能の文字はない」と唱えるわけです。

 偉人の言葉を五感を使って感じて、さらに言葉をのせるのです。

 脳が外部世界の情報を認識する際に、その情報を取り入れる入り口のことを「モーダルチャンネル」と呼びます。つまり、目、鼻、口、耳、手などがそれにあたります。

 現代人には、特に発達しているモーダルチャンネルがあり、それぞれ「視覚優位」「聴覚優位」「言語優位」の三つに分かれます。

 例えば、名言を元にしたアファメーションをしながら、ナポレオンの写真を見るとします。

 そうすると、「言語優位」のモーダルチャンネルを、「視覚優位」のモーダルチャンネルで表現することになります。

 そうしたらどうなるのでしょうか? 一種の変性意識状態(日常的な意識状態以外の意識状態、トランス状態など)に変化し、臨場感が強化されるのです。

 臨場感が上がると、ホメオスタシス(生物の生理系が正常な状態を維持する現象)が移動します。普段の物理空間のホメオスタシスから、臨場感のホメオスタシスに移行するわけです。それは、コンフォートゾーンが移るのと同じです。

 実際に自分の身体のホメオスタシスが移行するから、現実に体がそれを引き起こすようになるというわけです。

 もちろん言葉には想起性がありますから、言葉だけでも世界を作れますが、特に強くしたかったら、五感を重ねたら、そういう効果が期待できるのです。

 モーダルチャンネルを強化させることで言葉の臨場感を上げるのです。

 そうして、脳を目覚めやすくさせましょう。脳を目覚めさせるには「なるべく強めにその気になる」。この方法が一番よく効くのです。

 引用終わり

 

 

ナポレオン(Wikipedia)

ダヴィッド『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』

Wikipediaより引用

ナポレオン・ボナパルト - Wikipedia

 

 

 モーダルチャンネルを強化させることで言葉の臨場感を上げる

 

 さらに掘り下げます。

 

臨場感の秘密が「ホメオスタシス」です。ホメオスタシスは、恒常性維持機能のことで、“外界”の環境の変化に対して生体を安定した恒常的状態に保とうとする機能のこと。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 *“外界”の正体は↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 “外界”とフィードバックして常に自分の情報を更新することで恒常的状態が維持されるのですが、その“外界”とは物理的現実世界のことだけではありません。脳が発達した人間の場合、フィードバック関係は情報空間にもひろがっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

まったくの仮想空間であっても、私たちはしっかりとフィードバック関係を築くことができます。その事実を理論化したものが苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス理論」で、コーチングプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *「夢をかなえる方程式 I×V=R」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 つまり、ホメオスタシスが働く(V)仮想空間(I)が現実(R)となる

 

 人間同士の場合、ホメオスタシスの同調により情報を伝達しあうことができます。例えば、自分が楽しいときは楽しさが、悲しいときは悲しさが伝わるというように、臨場感空間をお互いに共有することができるのです。それは

 

 より多くの人のホメオスタシスが同調する(V)仮想空間(I)が現実(R)となる

 

それが“縁起力”をさらにブーストする秘訣。

 

 “縁起力”=コレクティブエフィカシー そのように私は理解しています。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブエフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

F-326につづく)

 

 

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 次回の開催はR6.2/4(日)<←1/28から変更しました>の予定。テーマは「コーチングのコア×how?」です。4週前に御案内いたします。

 

 

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F-324:観自在 <実践編-4;ユーアファメーション>

 

「観自在」には2つの意味がかけられています。

 1つは「自在観る」、もう1つは「自在観る」。前者は「自分という存在を観る」、後者は「自由自在に観る」という意味です。

 よって、「観自在」は「自分という存在を自由自在に観る」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

今回は理論編(計3回)と実践編(計5回)に分けて、「観自在」を探究していきます。最後(応用編)は、これからますます重要となる「“正しい情報”の見極め方」の考察です。

 F-281~:「社会が変わってしまう」 ~あるワクチンの話~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

 

 理論編-1観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

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 理論編-2;自在を観る

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 理論編-3;自在に観る

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32922467.html

 実践編-1;モニタリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 実践編-2;スマートトーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33017128.html

 実践編-3;アファメーション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

 実践編-4;ユーアファメーション

 

 

 観自在 =自分という存在を自由自在に観る =思いどおりの現実世界で思いどおりに生きる!

 

 前回(F-323)のテーマは「アファメーション」。アファメーション(affirmation)はコーチングの祖 ルー・タイス(Lou Tice)さんが体系化したもので、文字どおり「肯定する(affirm)」ことです。

 F-288:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.1;アファメーションの秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31244338.html

 

苫米地博士は、このアファメーションを「名言の正しい活用法」だとされています。その理由は「自らの無意識(潜在意識)に働きかけることで、ゴールに向かう変化や成長が遠い未来にあるのではなく“今、ここにある”という現実をつくりだすことができる」から。

 Q-149191019/20 鹿児島セミナーレポート -06;「“今”を生きる」の“今”とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23177616.html

 

 自分でアファメーションを作る場合には、厳密なルールがあります。そのルールとは、①一人称であること、②肯定的に書く、③現在進行形で書く、④「達成している」という内容にする、⑤決して比較をしない、⑥行動を表す言葉を使う、⑦感情を表す言葉を使う、⑧記述の精度を高める、⑨バランスをとる、⑩リアルなものにする、⑪秘密にする。

 詳しくは、苫米地博士の著書「『言葉』があなたの人生を決める」(フォレスト出版)や「コンフォートゾーンの作り方」(フォレスト出版)をお読みください↓

 「言葉」があなたの人生を決める | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

アファメーションのつくり方(CZの作り方)

「コンフォートゾーンの作り方」(フォレスト出版)より引用

Kindle版はこちら↓

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 じつは、自分だけでアファメーションを作ることは簡単ではありません。11のルールを守ったとしても、やっぱり現状に縛られてしまいがちです。

 (なぜでしょうか? ぜひ理由を考えてください。私の答えは「追記」で)

 

 そこで名言の出番!

 11のルールを守りながら名言をアファメーションとして積極的に活用し、ゴール側の世界の臨場感をどんどん高めていきます。それが「名言の正しい活用法 ver.1」です。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 苫米地博士は「自分を大きく変える偉人たち、100の言葉 Dr.苫米地式名言活用術」(TAC出版)の中で、さらなる名言活用法(ver.2)を教えてくださっています。それが「ユーアファメーション(you affirmation)」!

 

 ユーアファメーションとは、アファメーションをするときに、主語を「私」から「あなた」に変換することです。例えば、「私はすごい」を「あなたはすごい」に変換して唱えます。

先程のアファメーションの11のルールでいうと、①の一人称を二人称に変えるのがユーアファメーション。

 

 博士は「『偉人の名言』を、偉人があなたに語りかけている言葉として使えばよい」と書かれています。つまり、ユーアファメーションとは、「『臨場感を上げるためのアファメーション』自体の臨場感を上げる技術」だということ。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

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 以下、「偉人たち、100の言葉」(p7)より引用します。

 

 

言霊として作用する“よい言葉”

 繰り返しになりますがアファメーションは「こうなりたい」という世界の臨場感を上げるためにやります。

 言葉が「言霊」と言われるのは、まさにそういうことで、アファメーションをすることで、リアルに言葉の世界が引き起こされるのです。

 実際に引き起こさせているのは自分の行動であり、周囲の行動なわけですが、結果として引き起こされれば「言霊」になるわけです。

 ユーアファメーションをもう少し説明しましょう。脳は、自己の行動に対して強いモチベーションを出したい時は、「ユー」を使うほうが効く場合があるのです。

 例えば、試験を受ける時などに、「俺はすごい」じゃなくて「君はすごい」と言ったほうが、試験の成績も上がるものなのです。自分に対して「君はすごい」「君ならできる」と話しかける。それが、「ユーアファメーション」です。というのも、「勝負の場で自己を高揚させるためには、自分に対して客観的に言ったほうが効く」ということが最近、検証データで出てきたのです。2014623日「European Journal of Social Psychology」、ヨーロッパ社会心理学会論文誌に掲載されたイリノイ大学サンダ・ドルコス博士によるものです。やる気を出す、自分自身の精神や身体をリアルタイムで制御する……そんな時はユーを使ったほうが効くのです。このことも覚えておきましょう。

 引用終わり

 

 

 勝負の場で自己を高揚させるためには、自分に対して客観的に言ったほうが効く

 

 「客観的」は「異なる視点で」という意味。だから「あなたは」というユーアファメーションであるわけなのですが、それだけなら苫米地式としては足りません。何が足りないと思いますか?

 

 そう、抽象度です。

 苫米地式でいう「客観的」は「より抽象度高く」という意味。より高次元での「客観的」を実現するために、「通常のゴールの遥か向こう側」に行っている偉人の力を借ります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

  

 つまり、偉人が発した言葉を自分の限界の外の世界にあるものとして受け入れて、偉人の抽象度まで駆け上がる気概で行うのがユーアファメーション!

 F-052~:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 「ゴールを設定したが、なぜかモチベーションが上がらない」と悩む方は、ぜひユーアファメーションを活用してください。これはとても実践(実戦)的な「観自在」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

F-325につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

じつは、自分だけでアファメーションを作ることは簡単ではありません。11のルールを守ったとしても、ますます現状に縛られてしまいがちです。なぜでしょうか?

 

 答えは「アファメーションを作る自分は、“本当の自分”ではない」から。そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 過去の記憶でつくられた現在のBSでつくるアファメーションは、ほぼすべてが現状の最適化です。それではますます現状(Status Quo)に縛られてしまいます。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 現状を維持しようとする強力なホメオスタシスに抗い、そもそも認識することさえできない現状の外にゴールを設定し向かい続けるためには、コーチの存在が必須!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *ホメオスタシスはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 アファメーションに関しても「Goal comes 1st.」。それゆえ、偉人がコーチになってくれる名言を活用したアファメーションやユーアファメーションを強くお勧めいたします。

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

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