苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:縁起

Q-437:コーチングは行動科学とどう違うのですか? <vol.4;コーチングは新たな「縁起」づくり>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 4回に分けて回答いたします。

 

 vol.1;「次世代コーチング」の確認

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37022611.html

 vol.2;心理学から行動科学、そして認知科学へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37049778.html

 vol.3;「内部表現」という宇宙を認識する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37061031.html

 vol.4;コーチングは新たな「縁起」づくり

 

 

Q:コーチングは行動科学とどう違うのですか?

 

A4:前回(Q-436)、苫米地博士のこのような言葉を紹介しました。

 

 

内部表現を書き換えることはすなわち、自分の縁起に働きかけること

 

 

 「自分の縁起に働きかけるそれがコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

もっと正確にいうと、「これまでの関数p(=自我)では決して認識することができないまったく新しい縁起(=w2)に働きかける」こと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 よって、コーチングを学び実践し続けると、縁起が再構築されていきます。ゴール側から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る の4つ。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」とは、部分関数としての自我を拡張していくこと。それは臨場感を伴って「どこまでを“自分”と感じられるか?」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 子育てを経験されている方は実感されていると思いますが、子どもが生まれると“自分”の感覚が拡張していきます。

 (そして、その“自分”という感覚を失うと、成長する子どもとの間に摩擦が生じます)

 F-221:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ <今、親を憎んでいる人たちへ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27776349.html

 

 それは「抽象度が上がる」ということと同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は、その「抽象度」という軸の有無が、「コーチング」と「行動科学」の違いの本質だと思っています。「1)現状の外」というのは、「より高い抽象度」ということであり、「まったく新しい縁起」ということです。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージすると気分が悪くなってしまいます

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 縁起を理解すると、たとえば「現状の外にゴールが設定できている状態」と「現実逃避に陥っている状態」の違いがクリアになるはず↓

 Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

 縁起は常に均衡状態を保っています。強力なホメオスタシスによって。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 よって、現状の内側にゴール(らしきもの)を設定しても、縁起は何一つ変わりません。まったく新しい縁起を生みだすためには、今の縁起と根本的に矛盾する縁起関係を作りだす必要があります。その第一歩がゴール設定であり、「新しい縁起関係」がゴール側のコンフォートゾーンです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 「今の縁起(=w1)と根本的に矛盾する縁起関係(=w2)」の「矛盾」が大きければ大きいほど、世界(=宇宙)はダイナミックに変化することになります。

 L-210202207月シークレットレクチャー -08;狭く! 高く!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36862880.html

 

 ゴール設定を縁に抽象度が上がっていけば、視野がひろがり見える世界が変わっていきます。そして、ゴールの達成を確信するほどエフィカシーが上がり、未知のことがらに挑戦することができるようになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 すなわち、さらなる現状の外にゴールを見つけていく

 

 以下、苫米地博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ『縁起人』として生きろ。-」(TAC出版、p127)より引用します。「現状の外へのゴール設定」を体感してください。Feel

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 

「現状の外側にゴールを設定する」とは?

 それでは「現状の外側にゴールを設定する」ことについて、具体的な設定方法について話していきましょう。

 たとえば、あなたが「今の会社で営業成績一位になりたい」という目標を持っていれば、それは現状の内側にある「理想的な状況」にすぎません。

 「現状の外側に」というのは、たとえば、製薬会社に勤めている人が「ミュージシャンになる」というような、突拍子もないゴールのことです。

 

 つまり、現状を懸命に維持しても、決して達成することのないゴールが、現状の外側に設定されたゴールなのです。また、ゴール設定とは、縁起のバランスを強烈にガラッと変えることだといえるのです

 会社に所属して働く人にとって現状の外側のゴールとは、仕事の面だけいえば、今の仕事のキャリアがまったく役立たない別の仕事についているか、起業していることになるのではないでしょうか。

 しかし、それを考えるのはとても楽しいことでも、そうゴールを設定しなさいといわれて、すぐにできる人はとても少ないと思います。

 なぜかといえば、昨日までのあなたのブリーフシステムがそれを邪魔するからです。ブリーフシステムとは、人の行動、いわゆる行動性向といわれる無意識の行動を決めるシステムのことです。逆にいうと、ゴール設定さえ適切にできれば、ブリーフシステムは変わります。

 その他、ブリーフを変える方法として、ポジティブなセルフトークがあります。人は自己イメージどおりに行動するため、それに基づくブリーフが普段の思考と行動を決めています。

 セルフトークとは、それを利用して、うまくいったときは「自分らしい!」、失敗したときは「俺らしくない!」と、自分と対話することです。縁起を変え、人間関係を築くうえでも活用できますので、参考にしてみてください。

 

 さらに間違いやすいゴール設定についてお話ししましょう。

 たとえば、「会社で出世する」というゴールを設定するとします。これも現状の内側にある「理想的な状況」にしかすぎません。

 さらに、会社は世界の小ささでは家族と同じようなものです。その中でトップを取りたいという願いは、抽象度が低く、極端にいえば、ゴリラが自分の群れでリーダーになりたいと同義です。でも、普通に街にいるサラリーマンは、社長になることすら諦めていて、部長になれれば御の字くらいに思っている人が多いでしょう。

 また、「年収をなるべく多くすること」をゴール設定に思い浮かべる人も多いでしょう。

 たしかに、年収は多いほうがいいに決まっていますし、そう思うのは何の問題もありません。

 ただ、年収を多く望むなら、会社で出世するより起業するほうが早いかもしれないし、安定的な給料を望むなら公務員になるのもいいでしょう。選択は自由ですが、それは、たくさんのコンフォートゾーンのうちの一つであって、ゴールではありません。あくまで心地よい状態であって、「年収が高い」という設定は現状の外に出ていないのです。

 もちろん、コンフォートゾーンも高ければ高いほどいいので、規模の小さい会社よりは大きい企業に勤め、年収が高いほうがいいでしょう。しかし、ゴールのないコンフォートゾーンは無意味なのです。

 きちんとしたゴールがあってはじめてコンフォートゾーンが成り立ちます。

 でも、世の中には、「コンフォートゾーンだけを重視している」人が多いのです。そういう人は、たとえば、今やっている仕事での報酬を大幅に削られたら、生きる屍になってしまうでしょう。そうならないようにするには、やはりゴール設定が大事です。ゴールは本当に達成したいことなので、それが達成できるならうれしいに決まっています。心から望むゴールがあれば、悩むことなどありません。結果として心地よくなかったら、ゴール設定として間違っていることになります。

 

 その他、ゴール設定の基本として、二つのことをあげておきましょう。①自分中心を捨て去る、②本音に正直になる。つまり、出発は本音で設定した抽象度の低いゴールでもそれをもとに、抽象度を上げ、一人でも多くの人の幸せを満たすゴールを設定すればいいのです。ゴール設定は自分ですることも重要です。人に与えられたものはゴールにならず、そうしたものをゴールにする人は奴隷というのです

 ゴール設定をした後は、高い臨場感をもって新しいコンフォートゾーンをイメージすることも重要です。新しい理想の自分が、現在の自分より鮮やかになるほど、ゴールは近づいてきます。そうなると、周囲にも応援してくれる人が増えてくるはずです。

 

 そして、人間関係にもゴール設定は必要です。人間関係はお互いが相手のゴール設定のために関係を持ちます。そうでなければ相手にとって迷惑です。この原則を知っておけば、人間関係はさらに豊かになるはずです。

 「自分と関わる人すべてのよいところを見つけて、それを高く評価する人になる」といったゴールを設定すれば、必ず人間関係はよくなります。

 引用終わり

 

 

 抽象度を上げ、一人でも多くの人の幸せを満たすゴールを設定すればいい

 

 縁起という観点で世界(w1)を観察し、自我(関数p)を見つめ、ゴールを設定することがコーチングです。そして、自身の自由意思で生みだした新たな縁起世界(w2)を現実化していく過程で(結果として)自我が書き換わっていくのがコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 「コーチング」と「行動科学」の違いを感じていただけたでしょうか?

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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Q-436:コーチングは行動科学とどう違うのですか? <vol.3;「内部表現」という宇宙を認識する>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 4回に分けて回答いたします。

 

 vol.1;「次世代コーチング」の確認

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37022611.html

 vol.2;心理学から行動科学、そして認知科学へ

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 vol.3;「内部表現」という宇宙を認識する

 

 

Q:コーチングは行動科学とどう違うのですか?

 

A3:私から質問です。

 「人間には“心”がある」という認識を持ち続け、さらには「抽象度」という軸を持ち続けながら「しっかりハビット&アティテュードを観察」し続けていると、あること“を体感します。そのあること“とは何でしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 答えをお伝えする前に大事な話を。

 

 「コーチングは行動科学とどう違うのか?」という疑問への回答として、前回(Q-435)は心理学から行動科学、そして認知科学への流れを説明しました。素直に読めば「コーチングの基盤は認知科学である」と解釈できると思いますが、厳密にはその解釈は△です。
 なぜでしょう?

 

 

 現在の認知科学のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」。その基本は「存在をすべてファンクションとしてみる」ということ。その「ファンクション」が「内部表現(Internal RepresentationIR)」です。

 L-169202203月シークレット… -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 

 「部分の総和が全体」という行動科学(構造主義)に対して、認知科学では「部分と部分、もしくは部分と全体との関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その「関わり」が「ファンクション」。西洋的にいえば「ゲシュタルト」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 認知科学=ファンクショナリズム(functionalism)は壁にぶつかっているといいます。その壁が「フレーム問題」。苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。

それは「フレーム問題を、あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 著書「認知科学への招待」(CYZO)の中で、苫米地博士は「フレーム問題」を「レストラン」というフレームを用いて解説されています。

 

 

認知科学への招待

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シンプルに問うと

 

人はなぜその場所がレストランだとわかるのか?

(詳しくはこちらでどうぞ↓)

 Q-407BSをゼロベースで観察することが困難な中vol.1;フレーム問題>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

 コーチングの基盤は認知科学ですが、その認知科学のパラダイムは「ファンクショナリズム」から次の世代に移行しています。それも3世代先まで。

 「ファンクショナリズム」を第0世代とするなら

 

 第1世代が「サイバーホメオスタシス理論」↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 第2世代が「超情報場理論」↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 そして、第3世代が「生命素粒子理論」です↓

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p27)より引用します。「しっかりハビット&アティテュードを観察」し続けることで体感するものを感じてください。Feel

 

 

新・福音書

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自分の認識はすべて「縁起」によるもの

 私が後ほどご紹介する「書き換えの技術」は、自我と認識しているネットワークだけを対象とするものではありません。それを含むもっと広い宇宙―「内部表現」に対して働きかけるものです。

 内部表現とは、意識的にせよ、無意識的にせよ、私たちの「脳と心」が認識している空間のすべてを意味する概念です。「内部」という言い方から、脳と心の外側に物理的現実世界があると受け止められがちですが、そんなものはありません。私たちの脳と心に映っている世界なら、それが宇宙の果てであろうと、地球の奥深くであろうと、内部表現なのです。

 わかりやすく言うと、私たち一人ひとりが固有の内部表現の住人なのです。具体的には、生身の私たちが生きる現実世界も、映画やテレビ、小説などで描かれたり、夢・空想から生み出されたりする仮想世界も、脳と心が認識すればそれは内部表現。宇宙そのものだということです。

 自我というのは、これほどにスケールの大きな内部表現のひとつの中心点だと言えるでしょう。

 ちなみに、「脳と心」は切り離せないものです。脳も心も、内部表現の状態を記述するべく機能しています。内部表現は物理抽象度(現実世界)から情報抽象度(仮想世界)まで連続的に広がっており、そのなかのどの抽象度で記述しているかによって脳と呼んだり、心と呼んだりしているにすぎません。

 つまり、脳科学者が語る「脳」と、心理学者が語る「心」は、内部表現について違う抽象度で表現しているだけです。

 機能脳科学は脳と心をセットで扱う学問です。なので、その専門家である私は「脳と心」をひとつの単語として使っています。

 ところで、もうひとつ、しっかり頭にいれておいて欲しいのは、内部表現という宇宙では、自我だけではなく、自分の認識しているものすべてが、関係性で成り立っているということです。その関係性をインドの哲学者 釈迦は「縁起」と呼びました。

  「すべての存在は縁、つまり関係性によって起こる」

 としたのです。内部表現を書き換えることはすなわち、自分の縁起に働きかけることだと捉えてください。

 引用終わり

 

 

 内部表現を書き換えることはすなわち、自分の縁起に働きかけること

 

 認知科学の第0世代(ファンクショナリズム)に対して、3世代にわたる苫米地理論では「物理空間と情報空間は抽象度の違い(物理空間は情報空間の底面)」「自と他の違いはなく、その本質は空(くう)」と考えます。

 PM-02-16:空観、仮観、中観

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 関係と存在でいうと、「関係が存在を生みだす」という縁起!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 つまり、「内部表現(Internal RepresentationIR)」とは、個人のマインド(脳と心)内で完結するものではなく、どこまでもひろがる縁起宇宙であるということ。

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

「有」の上位概念としての「空」のイメージ

 

 

「内部表現」という宇宙 = どこまでもひろがる縁起

 

 それが「『しっかりハビット&アティテュードを観察』し続けることで体感するもの」です。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

Q-437につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

「内部表現」という宇宙 = どこまでもひろがる縁起

 

 今回の御質問は「コーチングは行動科学とどう違うのですか?」ですが、両者のスケールの違いを感じていただけたでしょうか?

 

 決定的に違うのは「一人一宇宙」という見方です。

その「一宇宙」もダイナミックに移ろい変わっていく縁起。すべては無常。だからこそ、ゴールを見いだす現状の外“はあり続けます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『生』と『死』の取り扱い説明書」(KKベストセラーズ、p88)より引用します。

 

 

「一人一宇宙」ということ

 宇宙はビッグバンという大爆発から始まり、その前は時間すらなかったとされています。高度に発達した現代物理学が導きだしたこの結論は、おそらく論理的には間違いないのだと思います。

 ただし、これは私たちが共通認識として「ある」と信じている、いわゆる「物理宇宙」というものの話です。私のこれまでの著作をお読みの読者には繰り返しになりますが、人間の脳というのは、世界(=宇宙)を正確に認識できているわけではありません。

 交差点の赤信号で止まっていて、信号は視界に入っているはずなのに、ぼうっとしていたために青に変わっても気がつかないで止まっているという経験はないでしょうか。青信号の視覚情報、青い色の波長は目の中の網膜を刺激し、視神経を通って、脳に達しているはずです。にもかかわらず、認識できなかったわけです。

 人は、自分ではありのままの世界を認識していると思っているかもしれませんが、世界のほんの一部を、しかもかなり都合のいい形に変形させて認識しているのです。

 また、宇宙というのは絶対的に無条件に存在しているのではなく、その宇宙を見ている私たち観測者も宇宙を構成する要素の一部です。

 何もないはずの真空状態の空間でも、観察してみると、なぜか素粒子=物質が観測されます。真空というのは、物質が何もない状態のはずなのですが、調べてみると物質があるのです。これは、観測という行為がエネルギーを持っているため、観測によって物質が生まれてしまうのだと考えられています(E=MC2というアインシュタインの相対性理論の方程式により、エネルギーがあればそこに質量もあるということになります。それが観測という行為によって証明されてしまったわけです)。

 ここで言いたいのは、あなた自身も宇宙を構成する一要素であり、観測という行為一つを取ってみても、あなたが宇宙に与える影響はけっして小さくないということです。

 もう一つ知ってほしいのは、私たちの脳が世界(=宇宙)を正確に認識できないのだとしたら、「誰もが共通に認識できる物理宇宙」というものは誰にも認識できないということです。誰にも認識できないものを現実的に「ある」とは言いにくいでしょう。つまり、「あるとも言えるし、ないとも言える」「あるとも言えないし、ないとも言えない」という、前章で見た「空」の概念にたどり着くことになります。

 では、宇宙とはどういうものなのでしょうか。

 先ほど言ったように、私たちは一人ひとりが、宇宙を構成する要素です。あなたと宇宙とは切り離せないわけです。そして、あなたが宇宙だと認識しているものは、あなたの脳の中にしかありません。私はこれを「情報宇宙」と呼んでいます。読んで字のごとく、情報としての宇宙です。あなたが「これが宇宙だ」と認識している宇宙ということです。

 この「情報宇宙」があなたの脳内にあるということは、理解してもらえると思います。むしろ、純粋な「物理宇宙」というものを誰も認識できないのだから、宇宙とはこの「情報宇宙」以外にないのだと言えます。

 物理学者が「物理宇宙」の研究をするのは何の問題もないですし、どんどんやっていただきたいのですが、私たち一人ひとりは、私たちの認識できる「情報宇宙」について考えていくほうが大いに意味があるでしょう。純粋な物理宇宙を認識できない以上、「死」や「生」を考えるうえで重要になるのは「情報宇宙」のほうです。

 さて、こうして「情報宇宙」というものを考えてみると、人間が10人いたら、10個の「情報宇宙」があるということになります。66億人いたら、66億個の「情報宇宙」があります。

 つまり、人の数だけ宇宙がある「一人一宇宙」ということになります。

 このように捉えることができると、生と死について、これまでとはかなり違った視点で見ることができるようになるのではないでしょうか。

 引用終わり

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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「生」と「死」の取り扱い説明書

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Q-432:「コーチングは非言語」というのがよくわかりません。「状況確認」は言語で行うが「働きかけ」は非言語で行うという事でしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:「コーチングは非言語」というのがよくわかりません。「状況確認」は言語で行うが「働きかけ」は非言語で行うという事でしょうか?

 

A1:苫米地博士は「オーセンティック・・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp104)の中でこのように書かれています。

 

 

オーセンティック・コーチング

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 ブリーフシステムを変えるときには通常、言語を利用します。言語によってスコトーマをコントロールするわけです。といっても、コーチがクライアントに対してさまざまな指示を出すということではありません。

 

 

「コーチングは非言語」であり、言語でコントロールすることは厳禁です。

そもそもコーチがクライアントをコントロ-ルすること自体がNG。コーチはクライアントのコンテンツには一切関わりません。

 Q-381~:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429450.html

 

 もっというと、コミュニケーションの原点自体が非言語。決して言語ではありません。

 F-327:お大事に <前編;人と人のコミュニケーションの原点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33262415.html

 

 

コーチングは非言語

  人と人のコミュニケーションの原点は非言語

 

 

 ならば、「言語を利用する」「言語によってスコトーマをコントロールする」というのはどういうことなのでしょう?

 

 以下、「オーセンティック・コーチング」(p111)より引用します。

 

 

◎ブリーフシステムを変える“言葉”

 本当のコーチは基本的にブリーフシステムを変えるためにおしゃべりなんかしません。しない理由は明白で、効果がないことを知っているからです。

 仮に、コーチがセッションの途中で「その生き方は間違っています。そのゴールは間違っています」と言ったとしましょう。実際にはそんなことをコーチは決して言いませんが、仮に言ったとしても、それを聞いたクライアントがコーチの言う通り、生き方を変えるでしょうか?

 十中八九変えないでしょう。

 他人から「生き方を変えなさい」と言われて「はい。変えます」と即答する人はいないのです。上手な言い方をすればいいとか、話し合うことで答えが見つかるなどということはありません。他人の言葉では人は変わらないのです。もし変わったのであれば、それは誘導です。

 では、誰の言葉なら変わるのでしょうか?

 変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わるのです。

 私がさきほどから言っている“言葉”とはコーチの口から出る言葉ではありません。クライアントの内なる言葉=内省言語のことを言っているのです。

 コーチの仕事とはクライアントの内省言語を喚起させることなのです。

 さきほどから言っているように「さあ、これからゴールを設定しましょう。ただし、ゴールは現状の外ですよ。どんなゴールを設定しますか?」と質問したところで明確な答えは返ってきません。

 仮に返ってきたところでほぼ現状の内側です。そこで現状とは何かを説明しても、やはり同じです。現状の外側は現状の内側にいる限り、見えないのですから、やはり変えられません。

 ですから、コーチが語りかける言葉は無力なのです。いえ、これはコーチに限ったことではありません。セラピストやカウンセラー、精神科医にしても変わりません。言葉で他人は変わりません。

 催眠術師の言葉で味覚が変わったりするのは、被催眠者のほうに催眠にかかりたいという意識があり、催眠術師も彼らの気持ちを理解しながら術を進めているから味覚が変わるのです。

 しかし、コーチングではクライアントを現状の外側に引っ張り出そうとします。現状とは言葉を換えれば慣れ親しんだ場所です。そこから出ていかせようとすれば、強烈な反動が意識でも無意識でもやってきます。

 その反動をコーチが言葉でひっくり返してクライアントを現状の外側に誘導するなんてことはできないのです。

 私が常々、「コーチングは非言語ですよ」と繰り返すのは、これが理由です。

 引用終わり

 

 

変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わる

 

 ブリーフシステム」が「変わる」のは、「現状の可能世界w1」から「ゴール側の可能世界w2」に移行した結果として起こること。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

ブリーフシステム(あるいは自我 =関数p)を変えること自体が目的化すると、コーチングは機能しません。その理由は?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 理由はいくつか考えられます。

 

 1つ目の理由は「モチベーションがhave toにかわる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 無意識がhave to(~ねばならない)を感じると、それを避ける方向に創造性が発揮されます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 最も顕著な差がでるのが生産性。「want toという建設的状態」と「have toという強制的状態」の生産性の差は、なんと、10年間で756倍です。

 L-184202206月医療・介護研修会 -07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 

2つ目の理由は「スコトーマが生じる」から。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ブリーフシステム(あるいは自我)とは「私」のこと。その「私」にフォーカスするほど、新たな可能性(=現状の外)は認識しづらくなります。

 Q-407:ブリーフシステムをゼロベースで観察することがvol.1;フレーム問題>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

3つ目は「ますます過去に縛られる」から。

繰り返しますが、ブリーフシステム(あるいは自我)とは「私」のこと。その「私」は過去の記憶でつくられています。よって、「私」にフォーカスするほど、過去に縛られます。その結果、未来(の豊かな可能性)は感じられなくなります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 4つ目は「縁起が認識できなくなる」から

 ブリーフシステムと自我は同義。その自我は、「部分関数」であり、「重要性評価関数」です。釈迦哲学で言い換えると、部分関数とは「縁起のつながり」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「私」にこだわるほど、「私」を構成する関係性は限定的になっていきます。スコトーマが生じるから。「私」とは、過去の記憶でつくられた「重要性のかたまり」です。その「かたまり」をコーチング用語で表現すると、コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 CZはとても排他的です。その排他性が、無限に等しい縁起(のネットワーク)を感じられなくします。

 L-210202207月シークレットレクチャー -08;狭く! 高く!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36862880.html

 

 反対にいうと、「私」という“自分中心”を捨て去るほど、豊かな縁起が感じられるようになります。その「“自分中心”を捨て去る」の本質は、「抽象度を上げる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

「私」にこだわるほど抽象度が下がり、「私」を捨て去るほど抽象度が上がる

 

 “自分中心”を捨て去りながら抽象度を上げ、抽象度を上げながらさらに“自分中心”を捨て去ることを繰り返していると、さらなる現状の外にあるゴールを見つけやすくなります。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 だから、「ブリーフシステム(あるいは自我)を変えること自体を目的化しない」ことは、とても大切。「抽象度の上限をつくってしまう」というのが、その5つ目の理由です。

 L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 まだまだあると思いますが、いかがでしょう?

 

 ぜひ「ブリーフシステム(あるいは自我)を変えること自体を目的化しない」理由を考えてください。もちろん気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 次回(Q-433)、私が一番重要だと考えている理由を紹介し、その対応として行っている“秘密技”をお伝えします。それは苫米地博士直伝の“とっておきの「非言語」の技”です。

(何だと思いますか? そちらも考えてみてください。気楽にどうぞ)

Q-060:「気軽」という言葉の奥底に潜むもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13215570.html

 

Q-433につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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Q-431:コーチングを行う際、説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいでしょうか? <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 *前編(Q-430)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36948508.html

 

 

Q:コーチングを行う際、説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいでしょうか?

 

A2:ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。なぜでしょう?

 

 そう、答えは「抽象度が上がる」から。

 

じつは、前編では「抽象度のコントロール(上げ下げ)」を意識に上げながら回答しました。前編冒頭の「答えは『マインドの使い方』」の後の「もうちょっと具体的にいうと」、そして「さらに具体的にいうと」は、いずれも抽象度が下がる方向性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 具体的情報量が増えることにより抽象度が下がると、共有可能な情報量が増えた分臨場感空間を共有しやすくなります。

 Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 御質問中の「説明を平易にしたり」や「例え話を作って説明」は抽象度を下げてより具体的にする方向性であるはず。「平易」を「わかりやすく」ではなく「シンプル」と考えるなら、「説明を平易にしたり」は抽象度を上げる方向性になります。

大切なのは「相手の理解を見極めながら、抽象度をコントロールする」こと。その「コントロール」を“もうちょっと具体的”(←抽象度を下げる方向性)にいうと、「上げ下げ」です。

 L-104~620218月シークレットレクチャー -06~8;「私」とは何?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31294306.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31317222.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31345260.html

 

 情報発信者の抽象度が高すぎると、受信者は理解ができません。一方で話し手の抽象度が低すぎると、聞き手は興味を失います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

目指すのは「ギリギリ理解できるラインをちょっと超えたところ」。秘密を明かすと(←抽象度が下がる方向性)、私はLUBLeast Upper Bound、最小上界)の「Least」の感覚を大切にしています。

 F-299:芸術は高抽象度の未知なるLUB。ではvol.1;部分と全体の双方向性>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31869155.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『オトナ脳』は学習できない」(フォレスト出版、p22)より引用し(青字)、少し解説を加えます(←抽象度を下げる方向性)。

 

 

勉強ができても使えない人とは?

 これは、サッカーだけでなく、一般社会でも同じです。

 たとえば、試験勉強だけできて東大卒の人間がビジネスの世界で必ずしも「頭が良い人」ではないのと同じです。東大卒でも全然使いものにならない人もいますし、学歴はなくても圧倒的な実績を持っている人もいます

 

 簡単にいえば、「勉強だけができる人」と「頭が良い人」は違うわけです。

 

 「勉強だけができる人」というのは、過去に見たことがある問題をやらせれば高い点数をとるでしょう。しかし、今まで見たことのない問題に出くわしたときに、できない可能性が高い。彼らは過去問題集をひたすら解いている人なのです。

 一方で「頭が良い人」は、今まで見たことのない問題も解くことができるのです。彼らは過去問題集などやらなくても、その分野の基本的な参考書なり教科書を一冊読んでいるだけで、応用問題も解けてしまうのです

 

 では、「勉強だけができる人」と「頭が良い人」の違いは何でしょうか?

 

 決定的な違いは、「高い視点を持てるか」ということです。サッカーの例でいえば、高い視点を持つということが「高い所から試合全体を見渡せる能力」なのです。

 この「高い視点を持つ」ということを「抽象度が高い」と本書では説明します。

 

 

 この「勉強だけができる人」と「頭が良い人」の対比はとてもわかりやすいはず。皆さんの頭の中には具体的な人物が浮かんでいるのではないでしょうか?

 

 両者の違いは抽象度。「高い視点」とありますが、時間まで含めて考えると、「より遠い『このままでは達成できない未来』まで見据える人」が「頭が良い人」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 

脳は知っているモノしか見えないが

 ここで、少し脳の話をします。

 私が拙著の中でいつも書いているのは、

 

 「脳は知っているモノしか認識できない」

 

 ということです。

 たとえば、私がホワイトボードを原始人に見せたとしましょう。これをホワイトボードだと知らない原始人は、ただの壁くらいにしか思わないでしょう。

 つまり、黒板すらない世界の原始人にホワイトボードを教えようとすると、非常に苦労するのです。現代なら小学生でも三歳児でもホワイトボードを認識できます。原始人は大人でもホワイトボードを認識することはできません。

 しかし、高い視点で物事を見ることができる(抽象度が高い思考ができる)原始人はホワイトボードを見て、文字を書くところだと認識できる可能性があるのです。

 地面に木の棒かなにかで文字や書いたことがある原始人で、高い視点で物事を見ることができる(抽象度の高い思考ができる)原始人なら、ホワイトボードという知らないモノを見ても、何かわかってしまう。

 

 つまり、この抽象度が高い思考ができると、

 

 「知らないモノも認識できるようになる」

 

 ということです。

 

 

 この部分の前半は「スコトーマ(Scotoma)」の話。スコトーマは1)知識、2)重要性、3)役割(責任)がそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 知識がないとそもそも認識できないのですが、知識があることでさらなる認識を妨げてしまいます。それを「知のジレンマ」と表現したりしますが、人間はそのジレンマを解消することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 その秘密が「ゲシュタルト能力」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 ゲシュタルト能力により、私たちは「知らないモノを見ても、何かわかってしまう」ことができます。抽象度を上げてシンプルにいうと... 「ひらめき」です。

 F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 

 

IQが高いということは?

 実は、抽象度が高い思考ができるようになると、圧倒的にIQが上がります。

 IQというのは、

 

 「抽象度の高い空間に対して身体性を持って操作できるか」

 

 という能力をいいます。

 先日、数学者とある程度高度な数学の話をしたときのことを例に説明します。そのとき、複素数空間(想像上の数字である虚数と実数からなる空間)の話を、お互い手ぶりで話しました。

 虚数空間(という数学者のイメージ上の空間)のことを手ぶりで話すのは変に思われるかもしれません。でも、IQが高ければ、実際には存在していない虚数空間をまるで存在しているかのように指で感じて、臨場感を持って話ができるわけです。

 これがIQが上がるということなのです。

 IQが高い状態というのは、

 

 「いかに触れられない世界を自分の身体で触っているかのように感じられるか」

 

 なのです。そして、重要なのが単に高い抽象度の世界を感じられるというレベルじゃないということです。操作できなければならないのです。

 その世界をまるで今、目の前にある世界のように手で触れ、舌で味わい、身体で感じることができ、さらに操作できるのがIQなのです

 たとえば、「三つの図形から共通のパターンを見つけ出し四つ目の図形を推定する」といったIQテストも、パターンを見つけ出すという抽象化能力(「ゲシュタルト能力」ともいう)を要求します。

 しかし、このような図形のパターン化能力程度の抽象能力では、現代の情報化社会で通用するIQレベルには不足しています。学校のIQテストで良い点をとる程度の抽象度は、真のIQとはいえないのです

 そして、真のIQの高い「新しい脳」をつくるのが本書の最終目的なのです。

 

 

 その世界をまるで今、目の前にある世界のように手で触れ、舌で味わい、身体で感じることができ、さらに操作できるのがIQ

 

 コーチング」という情報空間(情報場)を五感で感じることは、決して簡単ではないはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「触れられない世界を自分の身体で触っているかのように感じられる」ことをイメージしながら、私はこのブログで「『コーチング』に関する知識のネットワーク化」に取り組んでいます。

抽象度を上げて一言でいうと、「縁起づくり」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

誰でも「新しい脳」をつくれば、IQが上がる!

 ですから、本書のノウハウをマスターすれば圧倒的にIQが上がります。本来、見えないものが見えてくるでしょう。

 この章の冒頭で話した「脳を鍛える」系の本やゲームで紹介されているトレーニングは、今ある知識の中からの脳の運動神経を速くして、いかに最適な解を求めるかということを訓練しているだけ。

 たくさんやれば、誰だってだんだん速くなりますし、老化も防ぐでしょう。しかし、ただそれだけのことです。

 そこには、本当の抽象化という概念が入っていません。だから、IQは上がらないのです。

 

 しかし、IQが上がれば全然違う能力が手に入ります。

 今までであれば、ある試験に合格しようと考えたとき、一年間かけて基本の教科書、数々の参考書、過去問題集などを使って勉強する必要があったかもしれません。

 しかし、抽象度の高い思考ができるようになってIQを上げることができれば、基本の教科書を一度読んだだけで合格することが可能になるでしょう(本書の後半では、記憶力アップや速読のテクニックにも触れます)。

 IQが上がれば、今まで一年かかったものを一日でマスターすることだって可能なのです

 

 本書のノウハウをマスターして、IQが上がったあなたを想像してみてください。あなたなら、何をしますか?

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 Amazon.co.jp: 「オトナ脳」は学習できない! Forest2545新書 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

 

Q:コーチングを行う際、説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいでしょうか?

 

今回はとくに抽象度のコントロール(上げ下げ)を意識しました。言語を超えた次元で感じていただけたら幸いです。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

 

 最後に、「自分なりの解釈」について。

 

詳しくは下記記事で取り上げましたが、最近、「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知りました↓

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 F-402:「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知り

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36958351.html

 

 この経験を経て強く心がけるようになったのは、「自我を消す」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 抽象度を下げて言うと、「苫米地博士の教えをそのまま(解釈や加工なしで)伝える」こと。なるべく私のブリーフを介入させないように心がけています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

抽象度を上げて言い直すと、それは「中観」の感覚。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 その中観の感覚で思考しながら確信したのは、「ゴール側から相手の理解度を観察し、抽象度を調整し続ける」ことの重要性。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

すべてはゴール達成とさらなるゴール設定のため

  

 もちろん、そのゴールとは、クライアントさんのゴールです。「自分の利益0」「相手の利益100%」がしっかり維持できているのであれば、「説明を平易にしたり、(自身のブリーフを介入させないように気をつけながら)自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよい」のではないかと思います。

 Q-361:“自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 

 以上が私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-302:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.4;同調能力の秘密>

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L-05820208月シークレットレクチャー -04;抽象度を上げる秘訣 <ワーク付き>

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F-402:「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知り、止観を経て、気づいたこと

 

 最近、「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 詳しくは、先日投稿したこちらのブログ記事を御確認ください↓

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量が少なくなる宇宙“を図式化すると、下図のようになります。

注:この図では一番情報量が多い宇宙の底面を「物理空間」としています。哲学上はそのさらに下(床下のようなもの)に「矛盾」があると考えます(=「矛盾」で閉じる)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

宇宙の構造

「無」の上位概念としての「空」のイメージ

 

 

 この図のtopが「空」であると考えると、無意識は「何よりも少ない」→「ない(無)」にフォーカスしてしまうはずです(focus of attention)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 もちろんそのとおりなのですが、空は「無」だけの上位概念ではなく、「無」と「有(仏教では「色」と表現)」のLUBです。つまり、「何よりも少ない」→「ない(無)」と「とてつもなくある」→「ある(有)」を同時に満たす概念。「ある(有)」を「潜在的な情報量」や「可能性」と考えると理解しやすいはず。つまり

 

 「空」は、「宇宙のすべてが見える」「すべての可能性がわかる」「縁起のひろがりがしっかり感じられる」という境地

 

 それが大乗仏教における悟りです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そんな「とてつもなくある」をイメージするために用いているのが、こちらの図↓

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

「有」の上位概念としての「空」のイメージ

 

 

宇宙のすべてが見える

すべての可能性がわかる

縁起のひろがりがしっかり感じられる

 

 それがコーチング実践時の「空観」の感覚。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

それは目の前の「現実(R)」を「臨場感が高いイメージ」と理解し、「とてつもない可能性」「無限の縁起のひろがり」を感じられる意識状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そんなことを書きながら思ったのは

 

 なぜ私は「とてつもなくある」という「『有』の上位概念としての『空』」にこだわっているのだろう?

 

 

 内省を続けていると、情動を伴った体験の記憶がどんどん出てきました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 いつ頃からなのか正確には覚えていませんが、私は、物心がついたときには般若心経を暗唱していました。

 

 とはいっても、もちろん、意味まではわかりません。ゲシュタルト化した知識ではなく、ただ音の連なりを覚えていただけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 般若心経の内容に興味を持ち始めたのは思春期の頃。きっと“なんとなく感じ始めたスピリチュアルペイン”が影響していたのでしょう。

 L-00820201… -08;スピリチュアルペインへの対処は、いつから、どこで

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24746334.html

 

 本格的に調べ始めたのは20代の頃です。今のように気楽にネット検索できる時代ではなく、高名な先生方の書籍を手に入れては挑む“ように読んでいました。どうしても「空(くう)」を知りたかったから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 でも、まったく理解できませんでした。「あるといえばある。ないといえばない」「あるとはいえず、ないともいえない」そんな説明ばかりで、ちっとも納得できないまま。

「無」と「空」の違いさえはっきりしないまま、虚無に陥っていました。

Q-240~:毎日、無気力感に悩まされています ~気楽に生きる際の注意点~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418402.html

 

 そんな20代を経て、ついに苫米地博士と出会いました。その頃の博士は毎週のように本を出版されていて、多岐にわたるテーマにも関わらず、毎回大量の知識を授けてくださいました。

 PM-03-17~8苫米地理論との出会い ~現状の外のイメージ実現と挫折~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702480.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702640.html

 

中でも衝撃的だったのが、2011年に出版された「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研)。読後、私の宇宙は一変しました。「空」が「無」と「有」の上位概念(LUB)であることを理解した瞬間の喜びは、いまでもはっきりと覚えています。

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 そして、コーチングを学ぶようになり、私はコーチになりました。ゴールを設定したからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、苫米地博士の著書「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研、p184)より引用します。

 

 

「空」をニヒリズムに貶めないために

 「すべてのものは『空』である」という考え方は、誤解を招きやすいものです。例えば、「人生はどうせ『空』なのだから、何をやったって同じ」「人生が『空』なら、真面目に生きるのも、毎日、寝転がってテレビを見ながらお菓子を食べて生きるのも同じ」「極論すれば生きていても死んでいても同じ」というような、虚無主義(ニヒリズム)に陥る恐れがあります。

 本来は、「自分自身も『空』なのだから、いつでも好きな自分になれる」と考えるのが正しい「空」の解釈です。苦しいこと、嫌なことはあっても、「これは『空』だから、何とでもなる」と思って前に進めるのが「空」の思想のいいところです。

 ここで大事なのは、「なんとでもなるなら、なんでもなくても同じこと」とならないためには「機能=役割」という考え方が必要になってくるということです。

 では、「機能=役割」とは何なのでしょうか。

 引用終わり

 

 

「なんとでもなるなら、なんでもなくても同じこと」とならないためには「機能=役割」という考え方が必要になってくる

 

 その「機能=役割」を、完全な自由意思で、自ら生みだしていくのがコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 コーチングを学び実践し続けていると、自然に抽象度が上がっていきます。すると、「抽象度が上がるほど潜在的なエネルギーが大きくなる」という理を体感する瞬間が訪れます。

 そのエネルギーこそが、コーチングの、そしてヒーリングの秘訣。

 L-11920219月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

 

 だから、「抽象度が上がるほど潜在的なエネルギーが大きくなる」にこだわり、「有」の上位概念である「空」のイメージにこだわっている

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 それがいただいた御指摘を縁に止観し気づいた私自身のハビット&アティテュードのコア。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

気づかないままであれば、そのこだわり“により、またもや仮”から実“に陥ったでしょう。

 PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14833876.html

 

 

  苫米地式は「中観」であり、「ゲバラ主義」である

 

 

 「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知り、止観を経て、再び私は「中観」と「ゲバラ主義」を心に刻みました。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

L-01320201月シークレットレクチャー -13<最終回>;シンのスピリチュアルペイン克服、シンの自由

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24890312.html

L-023~420203月シークレットレクチャー -01~2;スピリチュアルペインを解決するのは自由意思でのゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25974037.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26014834.html

L-130202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -11;「スピリチュアルペイン」と「自分」と「自由」と「本当の幸せ」の関係

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Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html

 

 

一生幸福になる 超訳 般若心経



Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 

 最近、「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 とても大切なことですので、このブログ記事で再確認した上で、今週末投稿予定のブログ記事(F-402)で掘り下げます。逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ながら、ゆっくりと読み進めてください。

 L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 まずは神奈川大学情報学部開設記念シンポジウム(2023523日)にて苫米地博士が使用された下図をご覧下さい。

 

 

DrT神奈川大講演-05

神奈川大学情報学部開設記念シンポジウム(2023523日)より引用

基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達 Dr.苫米地 (2023年5月20日) - YouTube

 

 

 苫米地博士が教えてくださっているのは、「『宇宙』の形式的定義」。それが「包摂半順序束」です。

 (詳しくはこちらでどうぞ↓)

 Microsoft Word - 空論文20111106v212.doc

 

 包摂半順序束の宇宙における任意の二つの概念(もしくは存在)“のGLBGreatest Lower Bound、最大下界)を、現代分析哲学では「矛盾」と定義します。図でいうと「ブルドック」と「アメリカンショートヘア」の共通の下位概念が「矛盾」。

 一方、宇宙の任意の二つのLUBLeast Upper Bound、最小上界)は、現代分析哲学では「いくらでもある」と定義されています。「いくらでもある」とは、「特定の概念は存在しない」「すべての概念(もしくは存在)の上位概念は存在しない」ということ。

つまり、「bottomは『矛盾』で閉じて、topは『存在しない』で開いている」というのが西洋哲学における宇宙の定義。それを「包摂半順序束」と表現します。

 F-299:芸術は高抽象度の未知なるLUB。ではvol.1;部分と全体の双方向性>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31869155.html

 

 西洋哲学に対して東洋哲学(釈迦哲学)では、「すべての概念(もしくは存在)の上位概念は『存在する』」と考えます。それが「空(くう)」。宇宙の何よりも上位であり、何よりも情報量がすこし少ないというのが「空」です。

 つまり、「bottomは『矛盾』で閉じて、topは『空』で閉じている」というのが西洋と東洋の哲学を融合した宇宙の定義(包摂半順序束)。

そして、「空は、包摂半順序束の宇宙のtop」というのが、苫米地博士が史上初めて形式的に定義された「空」の定義です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量が少なくなる宇宙を図式化すると、下図のようになります。

注:この図では一番情報量が多い宇宙の底面を「物理空間」としています。哲学上はそのさらに下(床下のようなもの)に「矛盾」があると考えます(=「矛盾」で閉じる)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

宇宙の構造

「無」の上位概念としての「空」のイメージ

 

 

 この図のtopが「空」であると考えると、無意識は「何よりも少ない」→「ない(無)」にフォーカスしてしまうはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 もちろん間違いではありませんが、正確には、空は「無」と「有(仏教では「色」と表現)」のLUBです。つまり、「何よりも少ない」→「ない(無)」と「とてつもなくある」→「ある(有)」を同時に満たす概念。「ある(有)」を「潜在的な情報量」や「可能性」と考えると理解しやすいはずです。

 例えば、「犬」には「猫」の可能性はありませんが、二つの共通の上位概念である「哺乳類」には「犬」の可能性も「猫」の可能性も同時にあり続けます。それをコーチングのフレームでいうと、「スコトーマが外れる(外れやすくなる)」という感じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「空」は、「宇宙のすべてが見える」「すべての可能性がわかる」「縁起のひろがりがしっかり感じられる」という境地

 

 それが大乗仏教における悟り。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そんな「とてつもなくある」をイメージするために用いているのが、こちらの図です↓

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

「有」の上位概念としての「空」のイメージ

 

 

  宇宙のすべてが見える

すべての可能性がわかる

縁起のひろがりがしっかり感じられる

 

 それがコーチング実践時の「空観」の感覚。

目の前の「現実(R)」を「臨場感が高いイメージ」と理解し、「とてつもない可能性」「無限の縁起のひろがり」を感じられる意識状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そんな意識状態は、じつは、コーチングのスタートライン。そこから本物のコーチング(Authentic Coaching)がはじまります。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 以下、苫米地博士の著書「お釈迦様の脳科学 釈迦の教えを先端の脳科学者はどう解くか?」(小学館、p177)より引用します。

 

 

お釈迦さまの脳科学

Kindle版はこちら↓

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悟りとは縁起でも空でもない

 仏教の本質は、方便ではなく釈迦が悟りによって得た教えにあります。では、釈迦の「悟り」とはいったい何でしょうか。

 上座部仏教は、それを「縁起」であると言い、大乗仏教は「空」だと説きました。

 しかし、釈迦の悟りとは縁起でも空でもありません。「今まで縁起や空の話をしてきたのに、何を言い出すんだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 釈迦が悟りを開いた後、最初に十二支縁起を語ったのはおそらく事実でしょう。その縁起の思想を大乗では空と言い換えました。

 しかし、悟りの内容とその後語ったことをイコールと決めつけてよいのでしょうか。例えば、私が悟った後、最初に発した言葉が「腹減った」だったとしても、誰も「悟り=腹減った」とは考えないでしょう。十二支縁起は悟りについての説明原理にすぎないのです。

 悟りとは言語を超えた体感です。

 縁起も空も言語に過ぎません。自動車学校で教わる運転のしかたと、実際に自動車を運転する「感覚」がまったく別の次元にあるように、悟りとは説明を超えた体感なのです。

 釈迦は瞑想によって悟りに至りました。中国禅の「無」の思想により誤解を招いていると思いますが、瞑想とは何も考えないことではなく、脳をフル回転させておこないます。徹底的にIQを高めて抽象思考をするのです。そこでは概念や言語を超えた抽象度になるのです。言語化が不可能な高い抽象度は、脳で感じるしかありません。悟りとは究極的に抽象度が高まった体感なのです。

 引用終わり

 

 

 悟りとは言語を超えた体感

 

 その「体感」からはじまるコーチングのことを、私は”Art“だと思っています。

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

 

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-追記-

それがコーチング実践時の「空観」の感覚。目の前の「現実(R)」を「臨場感が高いイメージ」と理解し、「とてつもない可能性」「無限の縁起のひろがり」と感じられる意識状態です

 

 その「とてつもない可能性」「無限の縁起のひろがり」は、抽象度が上がるほど大きくなるポテンシャルエネルギーと考えることができます。さらに言い換えると、“気”。

 L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

 

 以下、苫米地博士の著書「苫米地式 超光速コミュニケーション術 一瞬で伝わる・動かす・ともに幸せになる」(大和出版、p205)より引用します。「コーチングは非言語」の意味を感じながらお読みください。Feel

 F-361:自由訳「OODA」 <vol.7;「OODA」の本質とコーチングの真髄>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35059143.html

 

 

苫米地式超光速コミュニケーション術

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非言語コミュニケーションは「気」の流れを操る

 とはいえ、これまでの話では「非言語的な方法が危険なのはわかったが、実際どういったことをするのかよくわからない」という方もいるでしょう。ここで特別に、ワークスで先日公開した非言語コミュニケーションの一部を紹介しましょう。そこでは非言語のひとつとして古武術の手法をお教えしました。

 ワークスには武道経験者の方も参加されていて、試しに私がその人に古武術の技をかけてあげました。体格もよく、有段者だそうですが、私がちょっと触れると体が回転するように飛んでゆき、ほかの生徒のみなさんはすごく驚いていました。生徒の1人が、

 「古武術って非言語コミュニケーションなんですか!?」

 と質問をしましたが、実は古武術は自分と相手の「気」をコントロールするための方法であり、「気」=非言語コミュニケーションと言えます。

 古武術は、瞬間的に相手を変性意識状態にして、相手の気をコントロールしながら、自分の思い通りに動かす、言うなれば“瞬間催眠術”や“気功”の一種だと言えます。

 たとえば、古武術の首技で相手を倒すとき、技をかけた人が力任せに倒しているわけもなく、相手が首を捻られて痛くて我慢できないから倒されているわけでもなく、技をかけた人が相手の首に触った瞬間に変性意識が起こって気の流れが変わり、相手は勝手に倒れてしまうのです。

 投げられた相手の感覚としては、触られた瞬間に力が抜けて、何の抵抗も反発もできず、何が起こったのかもわからないまま、気づいたら自然に倒されていた、ということになります。言語によって相手に暗示をかけたわけでもなく、ただちょっと触って相手の意識をコントロールしただけ。だから、非言語コミュニケーションなのです。

 実際、私に投げられた武道経験者は「投げられたときの記憶が残っていないから、そもそもこの古武術の方法を学ぶことができない!」と冗談交じりに怒っていました。

 柔道や柔術が物理法則を利用して相手を回転させる方法であるならば、古武術は気の流れを回転させることで体も回転させる、つまり気という情報を操ることで物理空間における現象をコントロールするための方法なのです。

 

 非言語コミュニケーションを語るうえで欠かせないのが、20世紀最大の心理臨床家であり、世界的な精神科医でもあり、現代臨床催眠の父といわれるミルトン・エリクソンです。実を言えばミルトンが著した本でも古武術に似たようなことをいくつも教えています。たとえば「ハンドシェイクインダクション」。これは握手をしながら相手の催眠状態を引き出す方法です。相手と握手をして、その後その手を離すと、相手は催眠状態に入ってしまいます。

 方法はここでは省きますが、握手の仕方によっては相手が変性意識化してしまい、手を離された直後に自分の手が自分のものじゃなくなったような感覚になり、手が動かなくなったりするのです。ミルトンはこのことを「コンフュージョン(意識の混乱)」という言葉で説明をしていますが、古武術にも通じるものがあります。

 古武術もミルトン・エリクソンも、一瞬で相手を変性意識状態にして、そのうえで相手の気の流れを読んでコントロールすることで、相手の物理的な体もコントロールしている。ミルトンの方法論は、実をいえば古武術の観点から見ればすべて説明することが可能なのです。

 引用終わり

 

 

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Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

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Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html

 

 


F-400:縁起から得た“希望/HOPE”の体感 <後編;苫米地理論学習中の気づき>

 

 気楽にブログ記事を書いているときに、突然、ずいぶん昔に医師として経験したケースを思い出しました(アンカー)↓

 L-205202207月シークレット… -03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36763767.html

 

おそらく、“希望/HOPE”という表現(ゲシュタルト)がトリガーになったのだと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *トリガー(trigger)&アンカー(anchor)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 そのケースに関する考察について、当時勤めていた病院で“研究会”を開催して共有しました。その後300回開催することになった研究会の、記念すべき1回目です。

 PM-06-04:訴え続けたことは「抽象度を上げること」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523887.html

 

 まだ苫米地博士と出会う前のこと

 

 当時を懐かしみながら資料を確認してみたら、たくさんの気づきを得ました。いい意味でも、悪い意味でも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 前編(F-399)では「博士に学ぶ前の私が患者さんとの縁で得たもの」を、後編(F-400)では「博士に学びながら体感しているもの」を、それぞれ言語化します。

伝えたいのは“希望/HOPE”の体感です。

 

 *前編(F-399)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36848380.html

 

 

 前編の最後に、19世紀のドイツの思想家 ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche1844~1900年)の言葉を紹介しました。

 F-161:コーチの視点で考察する“青春” vol.2;フリードリヒ・ニーチェ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24140969.html

 

 

なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える

 

 

 どのように生きることにも耐える」という言葉(ゲシュタルト)は、苫米地博士に学ぶ前の私にとっては、とても心地よいもの(=コンフォートゾーン)でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 「努力」「根性」という言葉やそのような言葉に紐付く世界観が大好きだったから。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「大好き」は、当時のブリーフシステム(Belief SystemBS)による情報処理。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 もちろん、そのBSには、他人の考えや社会の価値観がたっぷりと刷り込まれています。

 Q-352:人に変に見られていないかがひどく気になります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33133160.html

 

 つまり、他によりBSがつくられ、そのBSが生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)に囚われ続けていた ということ。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 私だけでなく、おそらく多くの人が、自分が“本当の自分”ではないことを知らないまま大人になり、「自らに由る」という自由を手放していきます。“希望/HOPE”を見失いながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 だから、まずはCZについて知ることが重要!

その上で、自身の現状のCZ(可能世界w1)を観察し、ゴール側から新たなCZw2)を生みだす!

 

 

 そのときにとくに重要なのが「〇〇〇」。その「〇〇〇」は、免疫力、そして生命力そのものに深く関係しています。

L-206202207月シークレットレクチャー -04;「想像力×創造力」の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36789215.html

 

 以下、苫米地博士の著書「脳に免疫力をつければ病気にならない!」(徳間書店、p46)より引用し(青字)、解説を加えます。「ゴール側から新たなCZw2)を生みだす」際の鍵となる「〇〇〇」を予想しながら読み進めてください。Feel

 

 

コンフォートゾーンがあなたをつくる

 コンフォートゾーンとは「自分が心地よいと思う状態」のことです。

 たとえば、食べることが好きでいつも満腹まで食べて、甘いものも毎日食べて、ぽっちゃりした体型になっている人は、そういう生活態度が自分にとって心地よいから、それを続けてきたわけです。そうして、「食べることを我慢できず、ぽっちゃりしている自分」がコンフォートゾーン(自分が心地よいと思う状態)になっています。

 

 脳の免疫力は、コンフォートゾーンに戻ってこようとする性質を持っています。

 先に述べたように、このことを私がいつも使う用語では「ホメオスタシスの遠心力(フィードバック)」というのですが、皆さんは「脳の免疫力はあなたをコンフォートゾーンに引き戻そうとする」と覚えてください。

 ダイエットに失敗するのは、脳の免疫力が「食事を食べすぎるというこれまでのコンフォートゾーンに向かって働く」からです。

 なんとか食事を減らしてやせはじめても、脳の免疫力は元の状態へ戻ろうとするのです。

 そして、脳が体重をいつものレベルに戻そうとする指令を出すため、食べることを我慢できません。やせ我慢をしても、脳の免疫力には勝てません。あるとき気づいたら何かを食べています。コンフォートゾーンへ戻ろうとする強力な脳の免疫力、これがダイエットのリバウンドの原因です。

 このコンフォートゾーンに引き戻そうとする脳の免疫力=情報空間のエネルギーです。

 

 情報空間のエネルギーが働く先(コンフォートゾーン)が自分が太っている状態であれば、ダイエットに失敗します。反対に、「スリムで美しい自分」がコンフォートゾーンになっている人は、情報空間のエネルギー=脳の免疫力がそこに向かって、食べる量と内容が適正に調整され、スリムで美しい自分を保つことができます。

 つまり、あなたがどんなコンフォートゾーンを設定しているか、どんな状態に居心地がよいと感じているかによって、脳の免疫力の向かう方向が決まります

 引用終わり

 

 

 …前回紹介したケースでいうと、息子さんとの口論前のCZが「自宅に退院して〇〇している」というポジティブなもの、口論後のCZが「死にたい。家で死ぬ」というネガティブもの。

 

口論前は「元気」「健康」を維持するように働いていた「ホメオスタシスの遠心力(フィードバック)」は、口論後「老衰」「病気」を現実化(加速)するように働いてしまいました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ゴールが何にせよ、そのゴールを実現するためには、“健康な心身”が必要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

“健康な心身”を維持するためには、「健康な自分」をCZにする必要があります。そのために「健康」のカテゴリ(バランスホイール)にゴールを設定します。

 Q-425:現状の外側に100%want toのゴールvol.3update ofBalance Wheel」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html

 

 ただし、ここで気をつけないといけない注意点があります。その注意点とは

 

 

「健康な自分」をコンフォートゾーンにする

 体力に自信のない人や、病気がちな人は、「体力がない自分」「病気がちな自分」がコンフォートゾーンになっているため、「体の弱い自分」を維持するように脳の免疫力が働いてしまっています。

 ですから、体力をつけようと運動しても、病気をしないように食事に気をつかっても、「体の弱い自分」が維持され、すぐに疲れを感じて体調を崩してしまいます。

 

 健康な人は、寒い部屋で薄着でうたた寝をしたくらいでは、風邪を引きません。室温の低さに反応して、体が最適な体温を維持しているからです。この環境とフィードバック関係を持ちながら体を適した状態に持っていく機能が、脳の免疫力です。

 一方、健康ではない人、体の弱い人、病気がちな人は、寒い日にちょっとうたた寝をしたくらいで風邪を引いてしまいます。これは「よく風邪を引く」自分がコンフォートゾーンになっているせいで、「風邪を引く」ほうへ脳の免疫力が働いてしまうのです。

 

 最強の健康法は、「自分は健康で長生きする。自分が病気になることはない」と確信することです。その確信によって健康な状態がコンフォートゾーンになり、その結果脳の免疫力が高まって強健な心身をつくります。それはつまり、「完全に健康で病気とは無縁!」というコンフォートゾーンさえ作れれば、さまざまな健康法に精を出さなくても健康でいられるということです。

 

 第2章で私の生活スタイルに触れますが、私は明け方に寝て昼に起き、トレーニングジムに通うこともなく、食べ物にもまったく気を使っていません。一般的には不健康といわれるような生活習慣ですが、私は心身ともいたって健康かつ強健です。それは私が「完全に健康で病気とは無縁の自分」をコンフォートゾーンにしているからです。そんな私の場合、ごくたまに風邪を引いたときなども、「完全に健康で病気とは無縁!」のコンフォートゾーンに向かって脳の免疫力が働くため、一晩寝れば治ります。

 

 「健康・強健になる」ということは、「脳の免疫力を上げる」ということです。そして、「脳の免疫力を上げる」ということは、「完全に健康で病気とは無縁!」の自分をコンフォートゾーンにし、その状態が維持されるように脳の免疫力を働かせるということです。

 引用終わり

 

 

 「健康」のカテゴリにゴールを設定する際の注意点とは、「健康は手段であって、目的ではない」ことをしっかり意識に上げること。

 Q-116:薬に頼ることに、じつは、抵抗があります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477470.html

 

「健康」(のカテゴリ)は、他の領域のゴールを下支えするもの。「職業」「社会への貢献」「趣味」「リーダーシップ」といった他のゴールが、「健康」のゴールを決めていきます。それが「手段であって、目的ではない」の意味です。

F-358:自由訳「OODA」 <vol.4Act

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34906708.html

 

 

バランスホイール(新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度)

 

 

 手段と目的とはまったく違うものですが、その決定的違いはクリアでしょうか?

 先ほどの「『健康』(のカテゴリ)は、他の領域のゴールを下支えするもの」の“「下」の意味”をしっかりイメージできていますか?

 

 「手段」と「目的」の関係を立体的にイメージできていればOKです。

「健康」と「病気」の関係も同じように立体的(あるいは双方向的)に捉えることが重要。もしもそれができていないと、「健康」へのこだわりが、かえって「病気」を招くことになりかねません。

F-073:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.3;ツールを使いこなすために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15548671.html

 

 

「病気にならない」と唱えては病気を招く

 こんな例もあります。

 最近、ある編集者がこんなことを言っていました。「うちの小学生の子どもに、毎晩『ぼくは風邪を引かない』と10回唱えさせてから寝させるようにしてから、風邪を引かなくなったんです」。

 これも一種のイメージ療法です。またアファメーションともいえます。アファメーションとは、「自分は病気から回復して元気になる」というように肯定的な断言をすることにより、潜在意識の力を引き出し、イメージを現実化する方法です。アファメーションも、自己暗示も、イメージ療法も、呼び方が違うだけでメカニズムは同じ。脳の免疫力の応用です。

 ただし、右の例では注意が必要です。実は「ぼくは風邪を引かない」という言葉では、イメージの力を十分に活かすことができません。なぜなら、無意識は肯定と否定を区別しないからです。「ぼくは風邪を引かない」と自分に言い聞かせるのは、「ぼくは風邪を引く」と自己暗示するのと同じなのです。

 

 同様に、健康な人が「私は病気にならない!」と自分に言い聞かせるのは、「わたしは病気になる!」と自己暗示をかけるのと同じです。

 ですから、健康な人が健康を維持し、いっそう元気ハツラツとしていたいなら、「自分は健康!」「今日も元気!」「絶好調!」と唱えるのが正しいやり方です。

 何かの病気を患っている人は、「自分の病気は治る」と唱えてはいけません。無意識にとってそれは「自分は病気だ」と言い聞かせられているのと同じです。また、「自分は健康になる!」と唱えるのもいけません。「健康になる」という言葉では、「自分は今は健康ではない」というネガティブなイメージを無意識に刷り込むことになるからです。したがって、何かの病気がある人も、「自分は健康だ」「元気だ」と現在進行形で唱えれば、治癒力が高まります。

 

 毎日「健康だ」「元気だ」と肯定的に自分に断言することを習慣化すると、「健康で元気な自分」という自己イメージがコンフォートゾーンになり、そこへ向かって脳の免疫力(ホメオスタシス)が働きます。そして、病気の人は病気が治っていき、健康な人は病気知らずでますます強健になります。

 

POINT

イメージの書き換えで脳の免疫力が高まり病気が治る

 引用終わり

 

 

 「健康」と「病気」の関係を立体的(あるいは双方向的)に捉えることが重要!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私が考える「『健康』と『病気』を立体的(あるいは双方向的)に捉える」とは、両者を包摂した視点で観るということ。

 F-389:“心身の不調”の一考察 <vol.5;すべての病気は〇〇〇〇である>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36412101.html

 

 

  「健康」と「病気」を包摂した視点で観る

 

 

 私が経験したケースの考察で「息子さんとの口論前のCZ:ポジティブ」「口論後のCZ:ネガティブ」という表現をしましたが、その「ポジティブ」「ネガティブ」というのは主観的評価です。

 L-09220217月シークレット… -04;わたしたちは共同幻想の中に生きている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558230.html

 

 コーチングは、「主観」ではなく、「客観」。その「客観」を体得するためには、抽象度を上げた思考を手に入れなければなりません。その一例が「『健康』と『病気』を包摂した視点で観る」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

まずはCZについて知ることが重要!

その上で、自身の現状のCZ(可能世界w1)を観察し、ゴール側から新たなCZw2)を生みだす!

 

 そのときにとくに重要なのが「抽象度」。その「抽象度」は、免疫力、そして生命力そのものに深く関係しています。

 F-377:学びと破門で脅しをかける <vol.1;「無限の可能性」を感じられなくするもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35845452.html

 

 医療や介護の現場では、よく「歳には勝てない」という表現を見聞きします。それは半分正解で、半分間違い。いえ正確には、ごく一部に限って正解で、ほぼ間違いというべきでしょう。

 Q-140:若かったら挑戦しますけど、もう年なのでガマンします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22528302.html

 

 正解なのは、「物理空間においては『歳には勝てない』は事実」だから。その事実を受け入れるからこそ、理不尽度を下げることができ、“今を生ききる”ことができるようになります。

 Q-205:「縁起」と「因果」 vol.2;縁起と因果の違いを理解する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26507222.html

 

 ほぼ間違いなのは、「物理空間は情報空間のほんの一部に過ぎない」から。抽象度を軸にとった場合、物理空間は広大な情報空間の底面。物理も情報です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「熱力学および統計力学において定義される示量性の状態量」であるエントロピー(entropy)を用いると、物理空間ではエントロピーが増大しカオス化していき、情報空間ではエントロピーが縮小しシンプル化していきます。時間の経過とともに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 苫米地博士が神奈川大学での講義(2023年)で解説されていますが、なんと生命現象はエントロピー縮小系です。

 Q-338:エンドステートに対する臨場感の問題?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32350876.html

 

 

DrT神奈川大講演-12

神奈川大学情報学部開設記念シンポジウム(2023523日)より引用

基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達 Dr.苫米地 (2023年5月20日) - YouTube

 

 

つまり、私たちは時間の経過とともに抽象度の次元を上がっていく存在だということ。その頂点が「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 ただし、抽象度の次元を上がっていく間も、物理空間上の身体は変化していきます。エントロピーが増大しながら。確実に老い、ときに病み、必ず死ぬという物理宇宙の因果律から、私たちは決して逃れることができません。

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 

  確実に老い、ときに病み、必ず死ぬという物理宇宙の因果律から、私たちは決して逃れることができない それが生きるということ

 生きる=生命現象 はエントロピー縮小系

だからこそ、生きている間に「やりたいことだけをやりたいだけやる」!

 

 

 それが「苫米地博士に学びながら体感している」こと。苫米地理論を学習中である私の気づき(納得)です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

Q-278:親として何を助言していけば良いのか知りたいと思いました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29631346.html

Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

Q-374~:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429253.html

 

 

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F-399:縁起から得た“希望/HOPE”の体感 <前編;苫米地博士と出会う前の学び>

 

 気楽にブログ記事を書いているときに、突然、ずいぶん昔に医師として経験したケースを思い出しました(アンカー)↓

 L-205202207月シークレット… -03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36763767.html

 

おそらく、“希望/HOPE”という表現(ゲシュタルト)がトリガーになったのだと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *トリガー(trigger)&アンカー(anchor)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 そのケースに関する考察について、当時勤めていた病院で“研究会”を開催して共有しました。その後300回開催することになった研究会の、記念すべき1回目です。

 PM-06-04:訴え続けたことは「抽象度を上げること」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523887.html

 

 まだ苫米地博士と出会う前のこと

 

 当時を懐かしみながら資料を確認してみたら、たくさんの気づきを得ました。いい意味でも、悪い意味でも。

 

 前編(F-399)では「博士に学ぶ前の私が患者さんとの縁で得たもの」を、後編(F-400)では「博士に学びながら体感しているもの」を、それぞれ言語化します。

伝えたいのは“希望/HOPE”の体感です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

20年以上前に行った研修会で取り上げたのは、このような実例です。

 

<症例:80代 男性>

 前年夏、健診にて肺気腫を指摘される。

 当年1月末より咳嗽や喀痰を認めるようになった。

2月末に呼吸器科に入院。4/26に自宅に近い当院(*当時私が勤めていた病院)に転入院。入院時WBC(*白血球。基準上限:8000:5300CRP(*炎症をあらわす蛋白。基準上限:0.5:15.37mg/dl。胸部レントゲン検査にて右下肺野に肺炎像を認めた。

 肺炎に対しペントシリン(PIPC *静注用抗菌薬)2g/日+クラリス(CAM *内服用抗菌薬)400mg/日開始。CRP:9.826.11mg/dl5/7検査分)と改善傾向であった。

 

 5/7夕方、診察時に「もう死にたい。家で死ぬから帰してくれ」とか細い声で発言。

  家族に連絡し、自宅退院を巡って長男と口論になっていたことを確認した。

 

 5/9午前11SpO2(*酸素飽和度)が低下。P/F:89.4と人工呼吸器管理が必要な状態であった。同日(5/9)の検査にて、WBC:820019200CRP:6.1127.26mg/dlと急激に悪化。肺炎の再増悪およびARDS(*急性呼吸窮迫症候群)の合併と診断した。

 家族と面談し、「人工呼吸器使用等の延命治療は行わない方針」を再確認。

 5/18 JCS(*意識レベルの評価指標):Ⅲケタに悪化。

5/24意識状態の回復がないまま永眠。

 

 

 当時の私の内省言語は「いったい何が起こったのか?」

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 入院時の印象は「年齢以上に元気」「検査所見からは想像できないほど活気あり」というものでした。実際、入院当初の経過は順調そのもので、退院後にやりたいことを楽しげに話されていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

時間でいうと「未来にfocusしている状態(=未来志向)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 今回のテーマでいうと「“希望/HOPE”が満ちあふれている状態」です。

 L-154202111月医療系研修会 -09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33904272.html

 

 ところが、患者さんの状態は一変しました。最初に認めたのは言動の変化。「もう死にたい。家で死ぬから帰してくれ」にあらわれていたのは“希望/HOPE”の喪失でしょう。もう少し丁寧にいうならば「拒絶→恐怖→回避→希望/HOPEの喪失」であるはず。

 Q-204:「縁起」と「因果」 vol.1;なんで私がいないときに死んでしまったの?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26486822.html

 

 当時の私は、この御縁をきっかけに(トリガー)、ヴィクトール・E・フランクル(Viktor Emil Frankl1905~1997年)のことを思い出しました(アンカー)。

フランクルは、アドラーやフロイトに学んだ精神科医で、第二次世界大戦中にナチスにより強制収容所に送られた体験を「夜と霧」に記した人です。

PM-04-04収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

ヴィクトール・フランクル(Wikipedia)

ヴィクトール・フランクル

Wikipediaより引用

ヴィクトール・フランクル - Wikipedia

 

 

 戦後、フランクルはウィーン大学教授となり、「人間が存在することの意味への意志を尊重し心理療法に活かす」という実存分析やロゴセラピーと称される独自の理論を展開しました。ロゴセラピーは、ギリシャ語で「意味」を示す「ロゴス」から名付けられているそう。

フランクルは「意味への意志」を最も重要な人間の行動力だと考え、「生きる苦しみは精神病の徴候ではなく、その人が意味を求めることによって、より人間的になりつつある証である」「自由意志こそが、人間のもつ傑出した特徴である」としました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

フランクルが記した「夜と霧」では、自分も含む被収容者の心の反応を、施設に収容される段階(収容ショック)、収容所生活そのものの段階(感情の消滅)、そして収容所からの解放の段階に分けて、描き出しています。

 「実際にアウシュビッツにいたのは3日間だけ」「患者の頭蓋骨に穴を開けてアンフェタミンを注入した」など批判もされていますが、強制収容所で妻や両親、そして弟が死亡したことは事実のよう。フランクル自身も(アウシュビッツとは別の収容所で)飢えや寒さ、残虐行為、ガス室行きの恐怖に耐えながら過ごしたそうです。

そんな過酷な環境の中でも、フランクルは精神科医としての人間観察と深い洞察を続けました。そして「生きることを投げ出した人と投げ出さなかった人の違い」に気づきました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 その違いとは目的の有無。

 

 コーチングでいうと「ゴールがあるか?」であり、「ゴールを支える“希望/HOPE”があるか?」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 強制収容所の人間の内面がいびつに歪んだのは、さまざまな身体的・心理的負担のせいではなく、個々人の自由な決断であった。つまり、自分で態度を決めていた それがフランクルの分析。

 被収容者を心理学の立場から観察したフランクルが明らかにしたのは、「あらかじめ精神的にまた人間的に脆弱な者が、その性格を展開していくなかで収容所世界の影響に染まっていく」という事実でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

では、「脆弱な者」とはどんな人なのでしょう?

 

 

 そう、ゴールがない人。

 ゴールがない故に、目的がない、志がない、夢がない、そして“希望/HOPE”がない人です。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 未来(可能世界w2)を信じることができない人は、時間の経過とともに“精神的なよりどころ”を失っていきます。“よりどころ”とは、確信であり、エフィカシー。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

エフィカシーが下がると、自身の可能性が感じられなくなり(=スコトーマに隠れる)、身体的にも心理・精神的にも破綻しやすくなります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「夜と霧」の中には、このような事例が記されています。

かつては著名な作曲家兼台本作家だった被収容者が、1945年の2月に夢をみました。

 夢の中で「知りたいことは何でも答えてあげる」という声を聞いたこの男は、「この苦しみはいつ終わるか? いつ収容所から解放されるのか?」と尋ねました。その質問に対しての回答は「330日」

 この話を男がフランクルに告白したとき、男はまだ充分に希望をもち、夢が正夢だと信じているように感じられたそうです。ところが、夢のお告げの日が近づいても戦況は思わしくなく、解放される見込みはどんどん薄れていきました。

 すると男は、329日に突然高熱を発して倒れ、330日(戦いと苦しみが終わるであろうとお告げが言った日)に重篤な昏睡状態におちいり、331日に死んでしまいました。死因は発疹チフスだったそうです。

 

 この事例と最初に提示したケースを医師兼コーチとして考察すると、「“希望/HOPE”を失ったことで、超情報場が書き換わり、免疫力を失った」と理解することができます。

 F-122:免疫力をあげる!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21245972.html

 

 *「超情報場」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめる

  

 これはオランダの哲学者 バールーフ・デ・スピノザ(Baruch De Spinoza1632~1677年)の言葉(「エチカ」第五部「知性の能力あるいは人間の自由について」定理三)。

ちなみに、デカルト、ライプニッツと並ぶ17世紀の近世合理主義者として知られるスピノザの哲学体系は、「汎神論」だとされています。

 F-197:“あの人”の言葉はなぜ心に… Vol.1;こんなにほったらかしにして

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26428629.html


  

バールーフ・デ・スピノザ(Wikipedia)

バールーフ・デ・スピノザ

Wikipediaより引用

バールーフ・デ・スピノザ - Wikipedia

 

 

 私たちは、まず「苦しみ」の意味を知らなければなりません。

 

  苦しむことは、なにかをなしとげること

 

 苦しみが何であれ、苦しみを理由に歩みをとめ、自分を投げ出してしまうのか?

それとも、苦しいからこそ、その先にある光を求め、自身の進化・向上を信じ前進するのか?

 

選択するのは自分自身です。

S-04-05:自責の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

苦しみを、自分を不幸にするものとし嫌い呪うのか? それとも自分をさらに豊かにするものと感謝するのか?

 

私たちが経験する苦しみは、他の誰のせいでもなく、環境のせいでもなく、自分自身のものです。その“自分”とは、自らの意思で設定したゴールにより規定される自分のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だから私は、医療・介護の現場でコーチングをひろめようと取り組んでいます。

 

 最後に、19世紀のドイツの思想家 ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche1844~1900年)の言葉を紹介します。

 F-161:コーチの視点で考察する“青春” vol.2;フリードリヒ・ニーチェ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24140969.html

 

 

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Wikipedia)

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(1882年の肖像)

Wikipediaより引用

フリードリヒ・ニーチェ - Wikipedia

 

 

なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える

 

 

 その「なぜ生きるか?」の答えが「ゴール」。

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 だから、コーチングを実践すると、「どのように生きることにも耐える」ことができるようになります。

 

F-400につづく)

 

 

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-追記-

 今回の記事は、当時(2000年代はじめ)の研修会原稿をベースに書きました。苫米地博士に学ぶ前の自分の思考を思い出しながら。

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 もちろん、突っ込みどころ満載です。そんな突っ込みどころの中から次回取り上げるのは、「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」について。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 例えば「苦労をすること」と「苦しいことをすること」は違いますが、博士に出会う前の私にはその違いがわかりませんでした。知識がなかったから。

 L-193202207月医療… -03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 

 以下、苫米地博士の著書「まずは、『信じる』ことをやめなさい」(泰文堂、p94)より引用します。

 

 

脳は苦しいことに慣れると、居心地がよくなる

 「苦労をすること」と「苦しいことをすること」は違います。

 技術でも知識でも、苦労をして何かに取り組めば、それは自分の身になります。

 いっぽう、苦しいことはいくら取り組んでも自分の身にならないばかりか、精神や身体の調子にまで影響します。

 苦労はやがて喜びにつながりますが、苦しいことを続けるのは悲惨なだけです。苦労をしている人は自分に自信が持て、他人を頼る気持ちもわきません。しかし、苦しいことをしている人は、自分に自信がもてないし、何かにすがりたいとか、救われたいという気持ちが強くなります。

 こんな当たり前のことをわざわざ述べるのは、この区別がつきにくい時代に、現代人が生きているからです。私たちの多くは、本当にやりたいことをやり、苦労し、喜びを感じるという単純な生き方をなかなか手に入れることができません。

 世の中の仕組みがそれだけ複雑化し、やりたいことだけをやればいいというわけにはいかなくなっているのかもしれませんが、私はそうではないと思います。

 私が見るに、日本人の多くは、本当に自分がやりたいことを見失っています。

 それを発見する術を奪われているといってもいいかもしれません。そのため、本当はやりたくないことをしなければならなくなり、おおいに苦しんでしまいます。

 

 人間誰しも、苦しいことは、ほんらいやりたくないはずです。

 ところが、苦しい状態になれてしまうと、それが居心地のいい状態になってしまいます。私がよく指摘するコンフォートゾーンの理論が、そうした人間心理を解くカギです。苦しいか苦しくないかにかかわらず、人間にとって慣れ親しんだ現状は、最も居心地のいい状態です。

 この「居心地のいい現状」をコンフォートゾーンといい、人間は、コンフォートゾーンの外になかなか踏み出せません。たいていの人が、まったく新しいことにチャレンジしたり、これまでの習慣ややり方を全部捨て去ったりできないのは、現状のコンフォートゾーンにとどまっていたいという無意識が働いているからです。

 引用終わり

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-384:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.4(最終話);役割/責任「Intentionality」>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36189008.html

L-06520209月シークレットレクチャー -05;「生と死の間/ between life and death」に向き合い、「生/life」そのものを磨き上げる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28529789.html

L-155202111月医療系研修会 -10;「明日への希望」を失わないために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33919200.html

Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html

 

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L-205202207月シークレットレクチャー -03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

 

20227月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html

 02;〇〇とは情報である

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36751237.html

 03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

 

 

 情報空間中で最も抽象度が低く、物理法則が働くエリアが物理空間

 

 私たちは、つい、物理空間だけを認識してしまいます。そして、物理空間だけで理解し、評価し、判断してしまいがちです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 すると、自分や世界を形作っている抽象度の高い情報空間の関係性を“正しく認識する”ことができないため、シンの問題や課題を見つけることができず(case-side)、解決することもできません(plan-side)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 だから、まずはより抽象度の高い次元に、しっかりと気を向ける必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 コーチ兼医師としての私にとって、その「高い次元に気を向ける」ことが「診察」です。つまり


  「診」るのは物理空間の現象 =「果」
  「察」するのは高次の情報空間の関係性 =「因」

 

 前回(L-204/02)確認したとおり、「すべてが情報」です。

そして、その情報には階層性があり、双方向的に関係しあいながら、ダイナミックに“自分”や“宇宙”を生みだしています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 縁起の帰結として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 では前回同様、苫米地博士の著書「脳に免疫力をつければ病気にならない!」(徳間書店)の「イメージが健康をつくる」(p36)より引用し(青字)、解説を加えます。Feel

 

 

イメージが健康をつくる(前回引用分のつづき)

情報空間のエネルギーが健康をつくる

 ここまでで、

 ●人間を含む生命現象は情報処理活動であり、

 ●この世界はすべて情報空間であり、

 ●情報空間の最も抽象度の低いところに物理空間がある、

 という話をしました。

 

 重要なポイントなので繰り返しますが、「すべて情報空間」であり、「情報空間の最も抽象度の低いところ」が「物理空間」です。つまり、「物理も情報である」ということ。

すべてが情報です。

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 それが理解できると、「心と体は密接に関わりあっている(心身相関)」という考えが内包する課題が感じられるようになります。

 Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 

 さて、健康の話に戻りましょう。なぜ健康においてこの話が重要なのかというと、物理空間のエネルギーよりも強力な情報空間のエネルギーが健康な心身をつくるからです。

 

 

 物理空間のエネルギーよりも強力な情報空間のエネルギーが健康な心身をつくる

 

 「脳にいい食材」「体にいい食べ方」などは、すべて物理空間の話。それも大切ではありますが、より重要なのは「情報空間のエネルギー」です。

 Q-339~「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html

 

ところが、多くの場合、そのエネルギーを活用することはできず、そもそも認識することができません。1)知識、2)重要性、3)役割(責任)のいずれかが欠けているから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「高い次元に気を向ける」ことは、自ら 2)重要性や 3)役割(責任)を生みだし、結果として 1)知識を手に入れる ことで実現できます。そのために必要なのが「ゴール」。

はじまりはいつもゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 情報空間のエネルギーの強さを理解するために、こんなケースを想像してみましょう。

 飛行機からパラシュートなしで人が飛び降りて死んだとしたら、その人の死因は何だと思いますか?

 地面に叩きつけられたこと?

 落下速度に耐えられず呼吸困難?

 多くの人はそんな死因を想定するでしょう。

 しかし実際には、「死ぬ!」と思うその心理的ショックによる急性心筋梗塞などでショック死するのです。つまり、「死ぬ!」と思う情報空間のエネルギーが物理空間の体を殺してしまうのです。

 

 想像しただけで死んでしまう。これが情報空間のエネルギーです。

 

 考えたことで自分を殺すことができる。そこまで強力なエネルギーを、情報空間(心)から物理空間(体)に向けて発生させられるほどに、情報空間のエネルギーは強力です。

 

 反対に、死が迫るような状況でも「自分は絶対に生きる!」と確信している人は、「生きる!」という情報空間のエネルギーが物理空間の体に働きかけて、生きのびます。

 

 

 この部分を読んでいて浮かんできたのは“希望/HOPE”という言葉。私にとって“希望/HOPE”はとても重要な概念(ゲシュタルト)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 “希望/HOPE”を重要と感じるのは、私の中に強烈な情動記憶があるから。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

“希望/HOPE”は、遥か昔からずっと(A long time ago …)、私のブリーフシステム(Belief SystemBS)のど真ん中にありました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

そのきっかけは“ある映画”との出会い↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615496.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542066.html

 

そして、苫米地博士との御縁により、“希望/HOPE”はさらに重要になりました。

コーチ、ヒーラー/医師、そしてリーダーとしての機能をしっかり発揮し続けるために、“希望/HOPE”が絶対に必要だからです。

Q-068~69:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています

Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400982.html

Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14524490.html

 

 

 そんなことは夢物語だと思いますか?

 しかしこれは現在の認知科学では自明のことで、「現実(リアリティ)」とは、「脳が臨場感を持っている情報空間のこと」を指します。

 たとえば映画を観て映画の世界に引き込まれているとき、脳は映画の世界(情報空間)に臨場感を持ち、映画の情報空間を「リアリティ」として認識します。

 

 スクリーンの中でトム・クルーズが銃撃に巻き込まれたとき、それをスクリーンで観ているあなたも心臓がドキドキしたことがあるでしょう。それは情報空間のリアリティに対して体が反応していたということです。そして、それはホメオスタシスが情報空間にも広がっているからです。

 それと同じように、人間の体は、「スネをぶつけてアザができた」というように物理空間での出来事に反応するだけでなく、「風邪が早く治る」と確信すればその「情報空間」のリアリティに対して体が反応し、早く治ります。先ほどの例のように「死ぬ!」と信じた場合には、脳はその情報空間をリアリティとして認識し、体の機能が止まり死んでしまいます。

 

 

 「現実(リアリティ)」とは、「脳が臨場感を持っている情報空間のこと」

 

 この科学的事実をプリンシプル化したものが「I×V=R」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 「I×V」が「R」、すなわち「現実(リアリティ)」であることを体感し体得するために、映画(&音楽)がとても役立ちます。

 F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

 

 情報空間のエネルギーは物理空間のあなたの体を書き換えます。そして情報空間のエネルギーは四六時中、人間の体に変化を与えています。

 昨日の夫婦喧嘩を思い出して再び頭に血が上るとか、テレビの幽霊特集を観て血の気が引くとか、小説を読んで泣いたり笑ったりするのも情報空間のエネルギーに対する反応です。

 情報空間のエネルギーは、私たちが普段生きている(つもりの)物理空間のエネルギーよりも圧倒的に強力です。

 たとえば、食事とトレーニングで筋肉を鍛え上げたパワーリフティングの選手も、試合の直前にショッキングな知らせを受け取ると、力を出せなくなります。これは情報空間のエネルギーが物理空間に影響を及ぼした分かりやすい例です。

 そして、これから説明するように、情報空間の強力なエネルギーは、人を病気にしたり、健康にしたりもするのです。

 では、そのメカニズムは? 情報空間と健康がどう関係するの?

 そう思っている方もいるでしょう。

 そこで次に「コンフォートゾーン」について理解していただきます。

 

POINT

情報空間のエネルギーが健康を左右する

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

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 情報空間のエネルギーは四六時中、人間の体に変化を与えている

 

 情報空間のエネルギー」が変化を与えるのは、もちろん、物理空間上の「」だけではありません。生命は情報であり、生命現象は情報空間中にひろがっています。そのすべてを「情報空間のエネルギー」が書き換えます。

 Q-301:身体的な苦痛や精神的な苦痛を抱えるクライアントさんで、本人が気づいていなかったり、あるいは能動的に解決することを望んでいない場合、コーチは何らかのかかわりを持つべきでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30808832.html

 

 その「情報空間のエネルギー」を、しっかり認識し、フル活用するために行うのが「診察」。その診察とは、「超瞑想」であり、「観自在」の実践である と私は思っています。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

L-206につづく)

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-049~:同じ人間なのだから診れるだろう

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268336.html

F-136~7The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -8~9SadSweetに書き換えるコーチング<老人向け>

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F-228~:ゼロトラスト

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F-344:止められないんだ! これを聴いて、脚本を書くときのインスピレーションにしてほしい

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Q-314~:こんな私に誰がした

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Q-426:現状の外側に100%want toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか? <vol.4;小さな器>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 6回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 vol.1;ゴール設定のスタートライン

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36583975.html

 vol.2;ゴールの基本条件

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36617136.html

 vol.3update ofBalance Wheel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html

 vol.4;小さな器

 

 

Q:これまではhave toの生活が多く、現状の外側にゴールを設定することが困難に感じています。現状の外側に100want toのゴール設定を行うための方法をご教示頂きたいです。よろしくお願い致します

 

A4:抽象度が上がらないことには、コーチングはうまく機能しません。「『ゴール』と『現状の自我』という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けること」こそが、「ゴールが叶うメカニズム」だから。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

  抽象度を上げる

 

 それは4)自分中心を捨て去る こととも大いに関係しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

 これからとても大切な話をします。逆腹式呼吸でゆらぎとリラックスを深めながら、ゆっくりと読み進めてください。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

 「自分中心を捨て去る」というのは、「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」ということではありません

 

もしもそのように理解していて、かつそれがよいことのように思っているのであれば、その人は洗脳されています。知らぬ間に既得権益に都合のいいブリーフが埋め込まれているはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ここ日本における「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」は儒教洗脳の結果↓

 L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 意外に思われるかもしれませんが、自分がどんなブリーフを持っているのかを知ることはなかなかできません。「自分」という主観がスコトーマを生みだすから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 認知科学の枠組みでは、それを「フレーム問題」と呼びます。

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 だから「観自在」が重要!

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 最初(Q-423/vol.1)にお伝えしたとおり、「自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめる」ためには「外側視点」を作る必要があります。コーチングは、主観ではなく、客観です。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 そもそも本物(Authentic)のゴールとは、「自分」のことではありません。

コーチが行うのは「w1を指摘したりw2を生みだすことではなく、w1からw2への移行をサポートする」こと。その“w2”とは、“今の時間延長上では起こりえない未来”であり、“社会”のことです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その“未来”や“社会”をシンプルに表現すると、縁起(空間)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「百年後の日本人」(角川春樹事務所、p82)より引用します。

 

 

意識の遍在化

 あらゆる情報をリアルタイムで共有できるようになるとはどういうことか。自分で考えて思考を導き出したつもりでも、実際は、どこかにアクセスした結果かもしれないということです。

 東大の教授から直接歴史学の講義を聞いていようと、グーグルで検索していようと、その判別がつかないだろうと思います。

 それほど知識の空間は混在化しています。

 つまり人間は、全員が同じ知識を無限に共有することができるのです。となると、人間の個性はどこで差が出るのでしょうか? 「知能」しかありません。「IQの差」が個性となり、それをいかに上手に利用するかが差となっていきます。

 IQが担う重要な部分とは組み合わせや最適化ですが、それも現在のことばで言うディープラーニングなどでできてしまうことです。

 ですから本当のIQだけが勝負になる。

 この世に存在しないものを生み出すクリエイティビティや、より高度な抽象化能力などの差だけが、ヒトの価値の差になっていくでしょう。

 

 余談ですが、100年後には「嘘つき」は絶滅しているでしょう。

 だって、みんなが同じ情報を共有しているのですから、嘘をついてもすぐバレてしまうでしょ?

 嘘といえば、政治家も消える運命にありそうです。

 中でも筆頭は代議士です。

 その頃には「代議」などは行われませんから、代議士という仕事もいらないのです。

 それどころか「士」が付く職業はすべてなくなると思います。

 そもそも、「士業」の「士」とは「代理人」という意味であり、本人の代わりに弁護してくれる人だから「弁護士」、会計してくれる人だから「会計士」です。

 いずれの仕事もAIが行うようになるので、つまりは、全部本人だけでできるようになるということです。いろんな仕事がいらなくなっていくでしょう。

 仕事にはその人の個性が出るともいわれますが、そうした捉え方もできなくなるかもしれません。すべてと繋がってしまう時代は、まったくの異次元なのです。

 

 また、200年あるいは300年先ともなれば、「個人」という概念もなくなっていくのではと思えるのです。

 考えてみれば、それも必然なのかもしれません。

 知識や思考が隣の人と一体化し、身体の一部は同じコンピューターに繋がり、さらに首から下は同じバーチャル空間に存在していると考えられる数百年先。

 その状況でいう「個人」の差とは、脳が特定の「個」である以外にありませんし、その間は「個」という概念も残っていると言えるでしょう。

 しかし、脳がその寿命である200年を超えたときどうなるかと言えば、違う細胞に変わっていくしかありません。

 

 それまでにクローンと同じく、「自然細胞の培養を許すか否か」で議論することになると思いますが、結論としては、脳そのものは神経単位でのクローンが認められるようになると私は考えています。

 自分の脳細胞を自分の脳に入れるために培養しているのであれば、問題なしとなるでしょう。

 また、脳細胞の電気信号は実は遅いので、速くするために頭の一部を光コンピューティングや量子コンピューティングにするという選択も出てきそうです。

 自然細胞を増やす、もしくは脳の一部を光コンピューターや量子コンピューター化する。それがこの200年のうちにも起こるだろうと見ています。

 

 そうして脳細胞にも手を加えて300歳となる。しかし、その人が持って生まれたオリジナルの脳細胞はゼロ。脳細胞のクローンはたくさん残っていますが、それはオリジナルではありません。

 そうなった場合、「個」の概念はどうなるのでしょうか?

 個人の「個」の証明ができるのは脳だけなのに、「私には1%ぐらい自分の脳細胞が入っています」という人についてどう判断すればいいのでしょう。

 

 脳細胞のメンテナンスは角膜移植のように容易に行えますから、一人の頭に10人分ぐらいの脳細胞が入ることになったとしても、それは全体の1%ぐらいにしか当たらないはずです。

 残りはマイクロソフトから買った量子コンピューターと国から買った光コンピューターかもしれません。そのとき、「個」の概念はあるといえるでしょうか。

 意識の概念は残ります。

 意識は個人単位ですが、身体性という意味での「個」という概念はなくならざるを得ません。

 これは200年、300年先の話です。自然脳のオリジナルがこの世からなくなり、すべてクローンになって、コンピューターで繋がるようになったときのことです。ただし最初の兆候は今から7080年後ぐらいに起こります。

 また、100年後には200300年後の世界の兆候もはっきり見えるはずです。

 その頃には「個人」の概念ははっきり消える。「人権」も一人単位ではなく、「国」単位になっているかもしれません。

 引用終わり

 

 

 「個人」の概念ははっきり消える

 

「自我」とは「部分関数」であり、「関係性の結び目」が「自分」です。その関係性は抽象度が上がるほどひろがっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 つまり、抽象度を上げるにつれて、自我が拡大・拡張していく

 

 その「自我の拡大・拡張」のプロセス中に、「『個人』の概念ははっきり消える」ことを体感します。それが「自分中心を捨て去る」ということ(ハズ)。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 「個人」の概念ははっきり消える = 自分中心を捨て去る

 

 その究極が「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「have toの生活をやめたい」「want toで生きたい」と言うとき、意識はきっと「自分」を維持しています。自と他を分別する「自分」という意識状態は、自身を「」という小さな器に閉じ込めます。

 Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35882023.html

 

 そんな意識状態のままでは、「現状の外側にゴールを設定すること」はできません。一方で、空にまで到達できないとシンのゴールを設定できないのであれば、やはり「現状の外側にゴールを設定すること」はできないでしょう。

 

 では、どうすればいいのでしょうか?

 

Q-427につづく)

 

 

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-関連記事-

L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

Q-392:コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成することなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35248836.html

Q-407~:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように分析を行えばいいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430427.html

 

百年後の日本人

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F-392:ナイセイカンショウ <vol.1;関数pの再定義ではなく、可能世界“w1”から別の“w2”への移行を促す>

 

 先日(2025320日)、サッカー北中米ワールドカップ アジア最終予選が開催されました(vs バーレーン)。勝てば本大会出場が決まる大事な試合で1ゴール1アシストと圧倒的なパフォーマンスを見せたのが久保建英選手。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた23歳の若者は、試合後このようなコメントを残しています。

 

何よりもみんなを安心させたい思いでプレーしていたので、前半は負けても良い試合のはずなのに負けちゃいけないみたいなところがプレーしている身からするとあって、ロングボールの精度とか、気持ちは入っていたけど、空回りではないけど硬さが見えていた。僕自身は動きが良かったので何とか結果を出してチームを落ち着かせたい、楽にしたいと思っていたので、アシストのところはゴールよりうれしかったかもしれない


 「みんなのために」「チームのために」と繰り返した後、ふと漏らしたのが

 

 自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う

 

 この「幼稚さ、幼さは抜けていい選手になった」というのは、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」が書き換わったということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 それは「自我」が書き換わったということでもあります。自我とは、「部分関数」であり、「評価関数(重要性関数)」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 釈迦哲学で言い換えると、自我とは「縁起の中心点」です。

私たちは必ず「他との関係性」により存在しています。それが縁起。自我が書き換わると関係性が変わり、関係性が変わると自我が書き換わっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「関係性が変わる」を違う表現で表すと「重要度が変わる」。その重要度が「評価関数(重要性関数)」としての自我です。重要度が変わるとRAS&スコトーマが変化し、それまでとはまったく違う世界を認識するようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「書き換わる」というのは、ただ「ズレる」というようなものではありません。その本質は「抽象度が上がる」こと。その抽象度が上がった感覚が、久保選手の「みんなのために」「チームのために」という言葉にあらわれています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

  自我が書き換わることの本質は「抽象度が上がる」こと

 

 以下、苫米地博士の著書「『性格』のカラクリ “イヤな他人”も“ダメな自分”も一瞬で変えられる」(誠文堂新光社、p193)より引用します。

 

 

人はさまざまな幻想に支配されている

 私たちを束縛したり振り回したりしている幻想は、他にもたくさんあります。

 

 「いい学校に進み、いい会社に入ってこそ幸せである」「家庭を持ってこそ幸せである」「自分の家を建ててこそ幸せである」といった幸福観。

 「社会人はこうあるべき」「家庭はこうあるべき」といった暗黙のルール。

 「会社を辞めたら食べていけなくなる」「結婚しなければ孤独で淋しい人生になる」といった恐怖。

 

 日々の生活の中で、親や兄弟、教師、友人、メディアなどによって摺り込まれたこうした価値観は、情動と結びつき、ブリーフシステムとして前頭前野に蓄積されていきます。

 いずれも実体はなく、幻想にすぎません。

 いい学校に進み、いい会社に入ったから、家庭を持ったから、家を建てたからといって、幸せになれるとは限らず、むしろ苦しみを抱えることも多いでしょう。

 「~はこうあるべき」といった価値観やルールは決して絶対的なものではなく、場所や時代が違えば簡単に変わってしまいます

 恐怖という感情の無意味さについても、PART3でお伝えした通りです。

 

 しかし、私たちはそれらを盲目的に信じ込まされています。

 「自分の意思で選んだ」「自分の意思で行った」と思っている選択や行為のほとんどは、誰かに選ばされていたり、やらされたりしていることであり、多くの人が、こうした過去の記憶、他者の価値観をもとに、自分の未来を決めてしまっているのです。

 

 もっとも、私は、ブリーフシステムの存在自体を否定しているわけではありません。

 ブリーフシステムは、社会による教育の成果でもあります。

 教育が行われ、ブリーフシステムによって行動が制御されなければ、人間はもっと本能のおもむくままに、利己的に生きることになってしまうでしょう。

 

 ただ、過去に摺り込まれた他者の価値観に振り回され、縛られて生きるのは、やはり「幸せ」ではありません。

 それは、他者によって洗脳され、支配され、奴隷化して生きることだからです。

 自分の本当の意思、自分の本当の望みに気づくことなく、他者の欲望を満たすために踊らされ続けて一生を終えるのは、とてもむなしいことだと思いませんか?

 

 なお、現代の日本において、もっとも強力な洗脳装置として機能しているのが、テレビです

 

 映像や音が生み出す臨場感は、人の脳に強いインパクトを与えます。

 近年、多少はテレビ離れが進んだとはいえ、テレビが流す情報を鵜呑みにしてしまう人は、まだまだたくさんいますし、テレビで活躍した人、テレビで人気のある人が選挙で選ばれ、政治家になることも少なくありません。

 テレビからの情報は、現代の日本人のブリーフシステムに、かなり色濃く反映されているはずです。

 これは、異常かつ危険な状態であるといえるでしょう。

 

 また、多くの人は何も気づかずに、大手広告代理店やテレビ局、芸能プロダクションなどが提示する価値観を受け入れ、彼らが次々と与える欲望にとらわれています。

 洋服、旅行、グルメ、人にうらやましがられるような生活……

 たまに欲しいものを手に入れても、すぐにまた欲しいものが現れるため、本当に満足できることはありません。

 まさに、仏教でいう、「餓鬼」の状態になってしまっているのです。

 

 人は、洗脳による支配から自由になったとき、初めて自分の本当の意思に基づいて未来を選択できるようになります。

 そのためには、思考の抽象度を高め、物事を俯瞰して眺めること、スコトーマをずらし、見える世界を変えることなどが必要です。

 

 PART2PART3でご紹介したのは、単なる「『性格』を変える方法」ではありません。

 さまざまな洗脳から解放され、他者からの摺り込みによるものではない、自分自身の価値観に基づいて、本当の意味で自由に生きていくための方法なのです。

 引用終わり

 

 

 人は、洗脳による支配から自由になったとき、初めて自分の本当の意思に基づいて未来を選択できるようになります。そのためには、思考の抽象度を高め、物事を俯瞰して眺めること、スコトーマをずらし、見える世界を変えることなどが必要です

 

 ところで、コーチングの重要なポイントは「クライアントのコンテンツには一切関わらない」ということ。

 Q-381~:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429450.html

 

 ここでいう「コンテンツ」とは、BSや自我のこと。そして、そのBSや自我が生みだしている“現実”のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 では、コーチは何に関わるのでしょう?

 

 

 答えは「クライアントの“未来”」。正確には「今のまま(のBSや自我)では絶対に達成することができない未来や世界(可能世界w2)に向かう“方向性”」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 苫米地博士は、そのことを「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」と表現されています。

 (バラダンでの講義では「wからw1」でしたが、現在の博士の表現に統一しています)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 関数pの再定義を促さない =コンテンツに関わらない =(現在の)BSや自我には介入しない

 

 冒頭の久保選手の例でいうと、「『(これまでの)幼稚さ、幼さ』については評価・判断せず、それを変えようとも一切しない」ということ。

 Q-409BSをゼロベースで観察することが困難な中、どのように? <vol.3;方向>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35983549.html

 

 でも、結果的に久保選手のBSや自我は「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わり、「圧倒的なパフォーマンスを見せてW杯本大会出場獲得」という可能世界w2を現実化しました。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 一体何があったのでしょう?

 

F-393につづく)

 

 

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-追記-

 映像や音が生み出す臨場感は、人の脳に強いインパクトを与えます

 

 久保選手のインタビュー中の姿(映像)や肉声(音)を観察しながら得たひらめきがこのブログ記事執筆のきっかけです。

 Q-408:ブリーフシステムをゼロベースで観察するvol.2;〇〇を感じ取る力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 

 文字だけで「自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う」という言葉を確認した場合にも、果たして同じように感じただろうか?

 

 そのように自問しながら、あらためて「もっとも強力な洗脳装置として機能しているテレビ」の怖さを思い知りました。

 F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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「性格」のカラクリ



Q-419:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 3;排他的でスノッブな空間>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36479608.html

 key 3;排他的でスノッブな空間

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A3:前回(Q-418)、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(オープン・エンド)より引用しました。その中で博士はこのように書かれています(p39)。

 

 差別思想を民衆の中に埋め込めば埋め込むほど、国の支配は強固なものとなり、支配者にとって都合のよい安定(秩序)が生まれる

 

 その「差別思想」の「民衆への埋め込み」として「道徳教育」がある というのが前回の趣旨。

差別思想の民衆への埋め込みが行われているのは、もちろん、日本だけではありません(日本は異常にうまくいっているといえますが)。

既得権益が利用する宗教には、「支配者にとって都合のよい安定(秩序)」を生むための仕掛けが内包されています。

PM-06-18~20:仮説13)宗教の限界

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526199.html

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687476.html

 

 では、洗脳教育が巧みであるから、私たちは無意識に差別を刷り込まれるのでしょうか?

 

 今の私は(将来はわかりませんが)、マインド側にも大きな要因があると思っています。具体的にいうと「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」であり、BSにより生み出される「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp140)より引用します。

 

 

◎コンフォートゾーンの正体

 言葉としてのコンフォートゾーンは良いイメージを持っています。快適な空間であり、自分の実力を思う存分発揮しやすい場所です。実際、サッカーではアウェイよりもホームでの試合のほうが有利だと言われます。

 しかし、どうしてホームの試合が有利なのか考えてみる必要があります。

 ホームでの試合は自分のチームが実力を存分に発揮できる一方で、相手チームは実力を十分に発揮できないような雰囲気作りができていると言えるかもしれません。つまり、コンフォートゾーンというのは相手チームにとってみれば、とても居心地の悪いアンコンフォータブルな空間なのです。

 自分たちにとっては良いけれど、他人には居心地が悪い空間。こういった空間を私は良いものだとはあまり思えません。

 人が数人集まればコンフォートゾーンは形成されます。あるいは、自分の好きなものだけを集めて一人で寛げる場を作れば、そこはコンフォートゾーンとなります。そういう仲間たちと一緒に居る時、そういう場所でゆったりと過ごす時というのは至福の時間であることは間違いありません。ストレスもなく安心できる、自分の思ったようなものが思ったタイミングで出てくる、かゆいところに手が届く空間です。

 しかし、その空間はとても排他的であるということも理解しておかなければいけないのです。

 そして、排他的な空間には成長はありません。コーチング的に言えば現状の外のゴールはありません。それはそうでしょう。慣れ親しんだ場所とは新しいものが入る余地が最初からないからこそいいのです。

 とはいっても、何年も何十年も同じとなるとさすがに人は飽きてしまいますから、たまには刺激を欲します。その空間に興味を持つ人がいれば、さまざまな形の審査を行って入場を認めます。会員制クラブを想像すればわかるでしょう。

 ただし、その新しい刺激にしても、あくまでも現行のコンフォートゾーンを乱さないことが大前提です。だからこそ、新しい会員は現会員の紹介があった場合のみなのです。一見さんお断りの料亭も同じです。

 コンフォートゾーンは排他的であり、なおかつスノッブな空間でもあると言えるでしょう。

 私が最近見た排他的なコンフォートゾーンは、ある有名ホテルのクラブラウンジでした。外国製のスーツを着たワスプらしき外国人とそれを取り囲む日本人ビジネスマンの会食で、彼らは、最近どこそこの企業を買収しただとか、次はどこそこの会社を買収する予定だとか、油っこい話をにこやかにワスプに報告しているのです。

 私とすれば、そんな話をこんなところでしていいのか? と思ってしまう内容なのですが、全員英語だったので「どうせ周りの日本人にはわからないだろう」というわけです。

 なんというか、その我が物顔ぶりが鼻について仕方なかったですし、ワスプにすり寄る日本人ビジネスマンたちの姿に情けない思いすら感じてしまいました。

 しかし、当のワスプ&日本人ビジネスマンたちは世界を相手にビジネスをしていますと言わんばかりの胸の張り方です。こういったスノッブで差別的な空間であっても本人たちにとってみれば極上のコンフォートゾーンなのです。

 引用終わり

 

 

 自分たちにとっては良いけれど、他人には居心地が悪い空間

 

 それがコンフォートゾーン(CZ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 だから、CZは「狭く! 高く!」。

高くとは、もちろん、「抽象度が高い」という意味です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 人が数人集まればコンフォートゾーンは形成されます。あるいは、自分の好きなものだけを集めて一人で寛げる場を作れば、そこはコンフォートゾーンとなります

 

 これは「自我」のことでもあります。CZとは、「宇宙に対する評価関数」であり、自我そのものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だから、「自我=CZは排他的(になりがち)」ということを、まずは厳しく自覚しなければなりません。ただし、自覚だけでは「排他的」を克服することはできないでしょう。

(その理由は↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 では、「自我=CZは排他的」を克服するために必要なことは?

 

 

 排他的な空間には成長はありません。コーチング的に言えば現状の外のゴールはありません

 

 そう、ゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 これまでの「自我=CZ」の外側、それもより抽象度の高い次元にゴールを設定することができると、「自分」を構成する新たな(ゴール側の)縁起を感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、その新たな縁起(=ゴール側のCZ)の臨場感が高まるほど、結果として「自我=CZ」が拡大(拡張)していきます。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 そんな「自我=CZ」の拡大(拡張)を繰り返すたびに、人は「自我=CZは排他的(になりがち)」を克服していくはずです。

 F-247:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.4;木鶏(ワーク付き)>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29025709.html

 

Q-420につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 CZに関連して補足します。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 前回(Q-418)紹介した病院では、職員は3つのグループに分かれていました。1)10%が院長を崇拝するグループ、2)20%が院長を小馬鹿にするグループ、そして3)大多数(70%)が「どうでもいい」という感じの日和見グループ。

その中で実際に退職していったのは、「2)小馬鹿グループ」の人ではなく、「3)日和見グループ」の人でした。なぜだと思いますか?

 

 私の答えは、「1)崇拝グループ」と「2)小馬鹿グループ」はCZを強く共有していて、「3)日和見グループ」はそれほどでもなかったから。

 

 プロ野球でたとえると、「アンチ巨人」の人は、「巨人ファン」とは向きが真逆(勝つと↓/負けると↑)なだけで、「巨人」に対する重要度は高い状態です。

つまり、「アンチ巨人」と「巨人ファン」はCZを強く共有しているということ。「巨人」に対する臨場感が高いのです。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 対して、「巨人」どころか野球そのものに興味がない人、あるいは野球どころかスポーツに対して興味がない人は、CZをまったく共有していません。だから、離れやすいのです。ホメオスタシス・フィードバックが働かないから。

 Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35818349.html

 

 この場合の興味(=重要度)は、たいていの場合、外から刷り込まれています。その興味(=重要度=CZ!)を自身の自由意思で新たに生みだす取り組みがコーチング。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 つまり、コーチングは、縁起宇宙を再構築(w1w2…)することだといえます。

 F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

 

 

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