苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:空観

Q-387:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 

A1:「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

では、チェックポイントをシンプルに解説します。まずはこの4つから。

 

 

□不完全性

情報空間での不完全性は「不完全性定理」により、物理空間(←抽象度を軸とした場合の情報空間の底面)での不完全性は「不確定性原理」により、すでに証明されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 つまり、「必ず正しい」「絶対に間違っている」はありえないということ。「全知全能の神はいない」のです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

別な表現を用いると、世界は「白か、黒か」という定性的なものではなく、「〇〇くらい白っぽい/黒っぽい」という定量的なものだといえます。決して「排中律」ではありません。

F-2313錠じゃないと飲まん! <前編:排中律>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28339618.html

 

 だから、まずは「相手がおかしい/間違っている」「私は正しい」という思い込みや決めつけがないかセルフチェックを。自分の価値判断を再確認してみましょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

思い込みや決めつけは、スコトーマを生みだすだけでなく、対立の原因となってしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 争いや差別の火種です。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 □縁起

 では、「正しい/間違い」「おかしい/おかしくない」を決める絶対的基準がないのなら、どのようにして「正しい」や「おかしい」が決まっていくのでしょう?

 

 医師としての私の経験を2つ紹介します。皆さんはどのように感じるでしょうか?

 

 1つ目は地域の急性期医療を支える民間病院での思い出。その病院を退院した患者さんが、地方紙(新聞)にこんな投稿をしました。

「患者のことを『〇〇様』と呼んでいて素晴らしい」

その記事を取り上げながら、病院長は「必ず患者のことは『〇〇様』と呼ぶように」「くれぐれもなれなれしい話し方はしないように」と念押ししました。全職種が参加するミーティングの場で。

 

 2つ目は当時は国立だった大学病院での話。入院中の患者の家族(高齢の夫)が病院の片隅で泣いていました。事情を伺うと、自分の農園で育てたメロンを差し入れしたが看護師長に断られたというのです。「規則で受け取れません」と。

「自慢のメロンだから」と重ねてお願いしたそうなのですが、「迷惑です」と怒られたそう。「あんな冷たい人に看護の資格があるのか?」「人を救うはずの病院がこんなでいいのか?」と嘆かれていました。

 

 縁起とは、「原因によって結果が起きる」という釈迦哲学の根幹をなす教えです。それは「自分を含めてすべては他の何かとの関係性で成り立っている」という見方であり、「関係が存在を生みだす」という見方です。

縁起の思想は「それぞれの事物・事象はあらかじめ存在しえない」ことを示しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 先ほどのケースでいうと、「患者のことは必ず『〇〇様』と呼ぶ」「規則により受け取れない」は、絶対に正しいものとしてあらかじめ存在するのではなく、関係性の中で相対的に正しさが決まるということ。

 Q-297:弟子にしてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30430928.html

 

 そう、すべてが相対的です。現在は「時間」でさえも相対的であることがわかっています。

 Q-319:速いスピードで移動? <vol.1:「時間」は人間の意識が作り上げた幻想>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31680099.html

 

 

 □無常

 「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

それを仏教では「無常」と表現します。

 F-276L下でのBSB vol.1;“風通し”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30603333.html

 

“答え”は「その時の相手との関係性」の中にあり、その「関係性」は“答え”とともにどんどん変わっていきます。表現を変えると、「意味は状況の中にあり、状況とともに意味は変わっていく」です。

 Q-199:状況は意味により変わる? 意味は状況の中にある?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26292382.html

 

 

 □非我

 繰り返しますが、「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)この世は心(マインド)がつくっているという二つのプリンシプルに行きつきます

 

 「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」を「無我」と表記するのは、じつは誤り。正しくは「非我」です↓

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 「この世は心(マインド)がつくっている」というプリンシプルが明らかにするのは

 F-034:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9672202.html

 

 自分という存在さえも、自身のマインドが生みだしている

 

 自分さえも、あるとはいえず/ないともいえず、相対的かつ無常です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを大乗仏教では「空(くう)」と表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 すべては空。自我も空

 

この事実が意味することは、「人は本質的に自由である!」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 ここまでまとめながら、私は「不完全性」の理解の重要性をあらためて感じました。その理解こそが「コーチングのスタートライン」であるはずです。

 F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p171)より引用します。「不完全性」の体感をクリアにしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

数学の基盤を覆したゲーデルの「不完全性定理」

 ギリシア時代から続く数学・論理学の基盤に、たとえば「2つの点を通る直線はひとつしかない」という主張など、それそのものが証明される必要なく真理命題とされる「公理」というものがあります。それら公理の集合を礎として演繹的に導き出されたものが「定理」です。つまり、中学・高校で学ぶ幾何の公理・定理を例にとると、それらはその演繹推論系のなかで真理とされているだけ。実際に計測してみて正しいから真理とされたのではありません。

 たとえば、古代ギリシアのピタゴラスが発見したと言われる三平方の定理には、100以上の証明がありますが、これらはすべて、ユークリッド幾何学の公理系を礎として演繹的に導かれたものです。つまり、ピタゴラスの定理が正しいとされるのは、実際に計測してそれが成り立っているからではなく、公理系から演繹的に導かれたからなのです。言ってみれば、数理宇宙は物理宇宙とは関係なく、独立して美しく整合的な空間として広がっているというのが、ユークリッド幾何学の公理系です。

 このように、「数理宇宙は公理と定理の系で成り立つ完全な無矛盾の空間である」とするのが、ギリシア時代から続く、数学の基盤となる考え方でした。

 ところが、1931年にウィーン大学の25歳の若き数学者クルト・ゲーデルは、自然数論というひとつの数学の公理系を利用して、次のことを証明しました。

 「自然数論程度に大きな演繹系においては、内部論理無矛盾性を成り立たせることはできない。系のなかに必ず、正しくない命題、もしくは証明不能な命題が内包されてしまう」と。

 また同時に、「無矛盾性を成り立たせようと、演繹系を拡大すればするほど、もともとの公理系そのものが成り立たなくなる」ことをも示しました。

 この論文は発表された当時、かなり誤解されたようです。彼の主張が本格的に理解されるようになったのは、1950年代以降のことです。後に、「ゲーデルの不完全性定理」と呼ばれる彼の論理は、以下のように単純化して説明できます。

 

 「この命題は証明不能である」という命題を考える。

 「この命題は証明不能である」という命題が証明可能であるならば、この命題のなかで主張している「証明不能である」ということと、それが「証明可能である」ということとは、矛盾していることになる。だからもし、この命題が証明可能であるのなら、公理系が矛盾を内包している、つまり正しくない定理が系のなかにあるということになる。

 逆に、「この命題は証明不能である」という命題がたしかに証明不能であったとする。だとすれば、この命題そのものは真理だということになる。これはすなわち、系に証明不能な命題が含まれるということであり、その場合は系そのものが不完全ということになる。

 系が完全であるとは、その系に正しくない命題が含まれず、また含まれるすべての命題が証明可能な状態を言うからです。

 これを自然数論で展開したのが、「ゲーデルの不完全性定理」です。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

Q-388につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」と「この世は心(マインド)がつくっている」という二つのプリンシプルに行きつきます

 

「アプリオリ」とはカントの言葉で、「経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念」のこと。人間の経験的認識に先立って確立されているべきもので、「人間をつくった神」や「その神が創った世界」のことです。

Q-339~「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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F-326:観自在 <応用編;か・ち・も・な・い(価値もない)>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33212902.html

F-346:ヘンシン! <ワーク付き>

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Q-204~:「縁起」と「因果」

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Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 

新・福音書

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Q-352:人に変に見られていないかがひどく気になります

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:面接をすることや上司との会話、少し敷居のあるショップでの買い物、学生時代の知人との食事をする等で、緊張で首の後ろが凝ったようになり、軽い吐き気や頭に酸素がいかなくなったような状態が起きます。発症すれば長くて12週間は自律神経が失調したような状態が続きます。
 そのような場面では、人に変に見られていないかがひどく気になります。
 このような社交不安症状につきまして、どのように考えられておられますか?

 

A私は医師ですが、内科医であり、精神科医ではありません。

苫米地式のコーチ&ヒーラーとして回答させていただきますが、もしも日常生活に支障をきたしているのであれば(「眠れていない」など)、ためらわずに心療内科や精神科を受診されてください。

 

直感的に申し上げると、全然大丈夫のはず。

気楽に読み進めてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

御質問が「社交不安症(障害)という概念をどう考えますか?」ということなら、私の回答は「空(くう)」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

つまり、現状は「『社交不安』というイメージ(I)の臨場感が上がること(V)で実体化している(R…症状としてあらわれている)」 ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

だから、臨場感を下げれば、「社交不安」は消滅する(気にならなくなる)はずです。大丈夫!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

御質問が「社交不安について相談する私をどう思いますか?」ということなら、私の答えは「『重要な分岐点』に気づいていてすばらしい」。

 

分岐点とは、「過去→未来」として生き続けるか? それとも「未来→過去」として生きるか? の分かれ目のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

どちらを選ぶかはもう決めているはず。

あとは楽しみながらゴールを設定し、ゴールを実現している“私”(のイメージ)にふさわしい臨場感を作ってください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

臨場感を作るのにお勧めなのが、「アファメーション」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロール」。例えば、「セルフトークのコントロール」ならば、

リラックスした気分でいられたら →「私らしい」

緊張や吐き気などを感じたら →「私らしくない、本当の私は〇〇だ。私らしくいるために△△する」 といった感じ。

L-128202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -09;セルフトーク×エフィカシー

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32812936.html

 

その時の注意点は、「『善悪』『正誤』といった価値判断をしない」こと。その理由はクリアですか?

 

答えは、その価値判断は「これまで刷り込まれてきた考え方や価値観」に基づいているはずだから。多くの人の無意識は「過去→未来」という時間観に囚われたままです。

(詳しくはこちらをどうぞ↓)

Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

 

ちなみに、「価値判断」の代表として、苫米地博士は「3つのモノサシ」を挙げられています↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28695996.html

 

御質問を読みながら私は「全然大丈夫」と確信しましたが、その確信には根拠(warrant)があります。その根拠とは「しっかりモニタリングした上で、分析までできている」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

今は辛く感じられるかもしれませんが、その辛さは“もっと豊かに生きる”ための大切な縁起であるはずです。大丈夫!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

最後に、苫米地博士の著書「自分を大きく変える偉人たち、100の言葉 Dr.苫米地式名言活用術」(TAC出版、p178)より引用します。

 

苫米地博士があなたのために語りかけてくださっている

 

そのようなイメージでゆっくりと読み進めてください。

F-324:観自在 <実践編-4;ユーアファメーション>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33111471.html

 

 

message 75

人と会うのが苦手な人の大半は、

相手と打ち解けるのに時間がかかるものだが、

それは出会いの一瞬に相手に対する親愛の情を示さないからだ

斉藤茂太

 

 

 人付き合いが苦手な人に話を聞くと、総じて「自分の性格が暗く、ルックスも地味だから嫌われる」ということを言います。しかし、そのように落ち込むことは無駄なことです。なるべく笑顔で、目の前にいる人の目を見て、誠実にゆっくり話せばよいのです。そうすれば、たいていの人はあなたを感じのよい人物だと思ってくれるものです。自信がないと、つい顔に焦りが出るし、そういう人は話す相手にも緊張感が伝わってしまいます。

 一番ダメなのは「愛想笑いして個性を押しつぶし、他人の批判を気にしつつ生活を送ること」です。これをやってしまうと、いつのまにか「奴隷脳」になってしまいます。「奴隷脳」とは、思考停止状態のまま自分で物を考えず、人の言いなりになってしまう無気力な脳のことを言います。

 「奴隷脳」を持つ人間は、自己評価がとても低くなってしまいます。そうなると、下手をすれば犯罪を犯すような、道を踏み外してしまう人間になってしまう危険性があります。「生まれてこなければよかった」という低い自己評価がやがて「社会に復讐してやる」といった自暴自棄な犯罪へとつながるのです。人生で大事なことは「エフィカシーを高く持つこと」。自信を持ち人と話しましょう。

 

名言でアファメーション

あなたは初めて会った人と誠実に話すので好感を持たれている。

 引用終わり

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

次回の開催はR6.2/4(日)<←1/28から変更しました>の予定。テーマは「コーチングのコア×how?」です。4週前に御案内いたします。

 

 

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Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

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L-05220207月シークレットレクチャー -02;縁により「呪縛」は「希望」にかわる

 

20207月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の初回。3回を通しての全体テーマは「現世利益」、キーワードは「トータルペイン(とくにスピリチュアルペイン)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;現世利益の多くは「理想的な現状」のこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27551211.html

 02;縁により「呪縛」は「希望」にかわる

 

 

愛の反対は憎しみではない。無関心だ

 美の反対は醜さではない。無関心だ

 信仰の反対は異端ではない。無関心だ

 生の反対は死ではない。生と死の間(にあるもの)への無関心だ

 

The opposite of love is not hate, it’s indifference.

The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.

The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.

And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.

 

エリ・ヴィーゼル(19282016年) 
1986
年にノーベル平和賞を受賞したハンガリー(当時)出身のユダヤ人作家

 

 

試しに自身の心の声(セルフトーク)に耳を傾けてください。

そこで語られる内容のほとんどが過去のはずです。未来のことであったとしても、それは過去から続く未来であるはず。その「このまま続く時間軸上の未来」は現状(SQ)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 未来志向でいこう!

 明るい未来を創造しよう!

 

 そのような言葉を素直に受け入れるほど、ますます現状に囚われることになります。

 コンフォートゾーンの外はスコトーマに隠れており、認識することさえできないのだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 では、なぜ他人や社会、過去の呪縛を断ち切り、自由に生きることができるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 ここからしばらく、私の過去を語ります。「過去語り」が「未来語り」にかわり、「呪縛」が「希望」にかわる訳を感じてください(Don’t think. Feel!)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

 私は昭和の鹿児島に生まれました。事情により密教寺院に連れていかれ、そこで「がんが消えていく不思議」をたくさん体験しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6854577.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031387.html

 

 その情動記憶が私のブリーフをつくりあげたのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「生命の不思議を知りたい」が原動力となり、「絶対に無理」と言われた地元の医学部に合格。そして、ついに認知科学者 苫米地英人博士と出会いました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702480.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702640.html

 

 博士と出会った頃、私は病院長を務めていました。まだまだ若かったのにいつも疲れ果て、その一方で常に怒りを感じていました。社会に対して、そして自分自身に。

昨年「怒りと絶望しかない」という相談をいただきましたが、当時の私もそんな感じでした↓

F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

私の中の「怒りと絶望」は苫米地博士との縁により変化していきました。「生命の不思議を知りたい」という小さな思い(小乗)が、ヒーラー&コーチとしてのビジョン(大乗)へと拡大していく感じで。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その理由は「ゴールを見つけたから」です。

一生かけて挑戦したい、何があっても実現したい、誰にも止められない/止めさせない そんなゴールを見つけたから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 その後、幸運が重なり、苫米地式コーチング認定コーチ、そして苫米地式のマスターヒーラーとなりました。本心を告白すると、それは偶然ではなく必然だと思っています。

もちろん、空(くう)を理解した上での仮(け)としての必然です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 余談ですが、苫米地博士に学ぶ過程で得る驚きは数え切れません(計り知れません)。その1st.maximpactは「空」を体感したことです。幼少の頃から暗記しているのに、唱えれば唱えるほど、考えれば考えるほど、わからなくなっていた「般若心経」が、たった1冊の本(&1枚のDVD)によってクリアになりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 その驚きと喜びと確信は、今でも鮮明に再現することができます。その体感(≒エフィカシー)は、ヒーラー&コーチとしてのエネルギーの源泉です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 博士との縁により本来の力を取り戻した私ですが、すべてが順調なわけではありません。11年間病院長を務めた病院(の経営陣)からは、まるで背後から切りつけられるような「だまし討ち」にあいました。

 そんな理不尽も、博士に学ぶ私にとっては「次のステージへの“幸運”」 今はそのように感じることができます。すべてを水に流すつもりはありませんが。

 (その経験から得た気づきはこちら↓)

 PM-06~:第六章(職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 

 「過去語り」はここまで。

 さて、「過去語り」が「未来語り」にかわり、「呪縛」が「希望」にかわる訳を感じていただけたでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 呪縛が希望に変わり、希望が夢へ、夢がゴールへと変わっていくのは

 

L-053につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 余談ですが、苫米地博士に学ぶ過程で得る驚きは数え切れません(計り知れません)。その1st.maximpactは「空」を体感したことです。幼少の頃から暗記しているのに、唱えれば唱えるほど、考えれば考えるほど、わからなくなっていた「般若心経」が、たった1冊の本(&1枚のDVD)によってクリアになりました

 

 1冊の本」とは「一生幸福になる 超訳『般若心経』」(学研プラス、PHP研究所から文庫本で再販)。「1枚のDVD」とはワークスDVD2弾「空の理解と体得」です。

 

 コーチングは仮観。仮観として成功するためには、もちろん、空観を理解し体得しなければなりません。

 

 私はそのことを博士からの智慧とその実践の過程(+青山マスターコーチのサポート)で学びました。

 PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14833876.html

 

 *ワークスDVD2弾「空の理解と体得」はこちら↓

 苫米地英人DVD第2弾「空の理解と体得」 (maxpec.net)

 

 

-関連記事-

PM-03~:苫米地理論との出会いと実践(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12936675.html

I-017:ブログ更新予定変更のお知らせ ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html

S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第7回は20211212日(日)開催。今回のテーマは2つ。「論理的思考を身につけ、ディベートをマスターする」「コミュニケーション能力の向上 ~スピーチとコミュニケーションの違い~」です。詳細はこちらから↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27449797.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

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超訳般若心経



L-03920204月シークレットレクチャー -08;「スピリチュアルペイン」を超越する<中編>

 

20204月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の最終回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、サブテーマは「自由」(1月)、「貢献」(3月)、「超越」(今回)です。

L-001~20201月シークレットレクチャー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 L-023~20203月シークレットレクチャー

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411419.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。以下の課題について、ぜひ自分自身のオリジナルな解を見つけ、感じてください(Don’t think, feel!)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

1:四苦を超越する

 2:ヴィーゼルの言葉を超越する

3:スピリチュアルペインを超越する

 

 

 01;「自由」「貢献」につづく言葉

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26588304.html

 02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html

 03;「自由」とゴールと「貢献」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26648449.html

 04;エフィカシーとは縁起の結実の確信

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26686871.html

 05;「四苦」を超越する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html

 06;「ヴィーゼルの言葉」を超越する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26744273.html

 07;「スピリチュアルペイン」を超越する<前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26764416.html

 08;「スピリチュアルペイン」を超越する<中編>

 

 

 「生きている誰もが、老い、病み、そして死を迎える」という事実を、私たちはどのように受け入れればよいのでしょうか?

 「死」という未来(=人生のはじまり)に、どのようなゴールを設定するべきでしょうか?

 

 上記問いの答えを見いだすために、「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」を超越していきましょう。

 

 最後は「スピリチュアルペイン」の超越。

 

 前回は「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」について説明し、内包する矛盾を指摘しました。

 

 「個の生存」を目的とするはずのホメオスタシスが、人生単位では「個の死滅」のために働いている

 

 この「矛盾」自体に、じつは、解決のヒントが隠されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 まずは、その「矛盾」という概念(ゲシュタルト)を確認しましょう。

 

 私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、人類史上初めて、「空(くう)」を形式的に定義されました。「形式的」とは「数学を用いた」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

以下、博士の論文「『空』を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ~」から一部引用します。ぜひ下記リンクで全文を確認してください↓

「空」を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ~

http://tomabechi.jp/EmptinessJapanese.pdf

 

 

空は、包摂半順序latticeの宇宙のtopである

 次に、包摂半順序latticeの宇宙における、任意の二つの概念もしくは存在のlubと、glbについて考えます。Latticeにおける任意の二つの概念もしくは存在のglbを、bottomといいます。また、latticeにおける任意の二つの概念もしくは存在のlubを、topといいます。

 宇宙から任意の二つを選び出す、例えば宇宙からペットボトルと犬を選び出して、その共通の下位概念の内もっとも下位にあるもの、包摂半順序latticeの宇宙のbottomとは、何でしょうか。現代分析哲学では、それは「矛盾」であると定義できます。それは、「ペットボトルなのにワンと鳴く」ようなもので、情報が少し多すぎるからという理解をすることができます。

 一方、宇宙の任意の二つのlub、包摂半順序latticeの宇宙のtopは、現代分析哲学では「いくらでもある」と定義されています。いくらでもあるということは、特定の概念が存在しないということです。つまり、現代分析哲学では、「すべての存在の上位概念は存在しない」とされているのです。したがって、西洋の現代分析哲学における宇宙は、bottomは「矛盾」で閉じて、topは「存在しない」で開いている、ということになります。

 ここで、釈迦の分析哲学を用います。仏教哲学では、すべての存在の上位概念は「存在する」と考えます。それが「空」です。釈迦の仏教哲学における「空」は、すべての存在の上位概念です。したがって、西洋の分析哲学に、東洋の仏教哲学を用いると、任意の二つの概念もしくは存在のlub、包摂半順序latticeの宇宙のtopは、「空」となります。空は、宇宙の何よりも上位であり、何よりも情報量がわずかに少ない概念です。したがって、空は宇宙すべてを潜在的に内包している、ということもできます。

 このように、西洋哲学と東洋哲学を融合すると、「宇宙は、bottomは『矛盾』で閉じ、topは『空』で閉じている包摂半順序latticeである」と定義できます。そして、「空は、包摂半順序latticeの宇宙のtopである」と定義することができるのです。このように、冒頭で述べたとおり、「空」は、「縁起」とは異なる別の概念です。

 宇宙と空に関するこのような見方は、数学でいうと不完全性定理が成功した後、物理学でいうと量子力学が成功した後の、現代の数学や物理学、哲学においては、まったく違和感のない見方となっています。

 引用終わり

 

 

 宇宙のすべてが情報です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 そんな宇宙を並べなおす「情報量の大小という軸」が抽象度。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 通常は「抽象度が最も低い情報宇宙の底面が物理空間である」と説明しますが、じつは、さらに下位のbottomがあります。それが「矛盾」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 シンプルにいうと、「矛盾」を感じる時は抽象度が低すぎるのです。その場合、意識して抽象度を上げるべき。その行為を仏教では「無分別」と言い表します。私の表現では“無敵”です。

 PM-01-20:“無敵”の意味-3

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

「個の生存」を目的とするはずのホメオスタシスが、人生単位では「個の死滅」のために働いている

その「矛盾」を個→種というように抽象度を上げて無分別すると、

 

 の生存」のためのホメオスタシスとして、「個の死滅」が機能(貢献)している

 と理解することができます。

 

 この場合、“一人の人間”という「個」が部分であり、“人間の集まり(人類)”という「種」が全体です。つまり、「個という部分と種という全体の双方向性の関係性」とみることができます。ゲシュタルトです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「個」のレベルでみると矛盾するが、「種」のレベルで働くホメオスタシスとみるとスッキリと理解できる それがより大きなゲシュタルトを築きあげたときの体感です(connect the dots)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

L-040につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

PM-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076878.html

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第5回目は2021919日(日)開催。テーマは「クライシスサイコロジー&レジリエンス」です。詳細はこちらから↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26768389.html

 

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「空」を定義する-1(苫米地英人博士、2011.11.06)

苫米地英人博士のブログ(リンク記事)より引用

http://tomabechi.jp/

 



F-148:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える vol.3;トリアージの問題点/課題 <中編>

 

 私は2007年から11年間にわたって病院長を務め、その間に300回の研修会を開催しました。今回御紹介するのは、コーチングを導入しようと奮闘していた院長時代に作成したもの。テーマは「トリアージ(triage)」です。

 (実際には“奮闘”ではなく“粉砕”しましたw

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15110477.html

 

 2008年(苫米地理論と出会う前)に作成後2011年(苫米地理論と出会った後)に作り直したものをベースに、さらに2020年(認定コーチ6年目)の視点で「connect the dots」したいと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

vol.1;トリアージとは?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/23110775.html

 vol.2;トリアージの問題点/課題 <前編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/23211097.html

 

 

vol.3;トリアージの問題点/課題 <中編>

 

このように厳しい状況下でのトリアージには、「最大数の命を救うために、全ての命を救う努力を放棄する」という決断が求められます。医療者は、限られた時間の中で、究極の判断をしなければならないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

ここで厳しい状況下でのトリアージについて、違う表現でまとめます。

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し


繰り返しますが、災害医療は、通常の医療とは大きく異なり、限られた資源(医薬品、医療従事者等)で多くの患者(負傷者)を診なければなりません。よって、冷たいようですが、どうしても“見捨てられる患者”が生じてしまいます。

ここで問題です。

Q1:“見捨てられる患者”が生じることは、「仕方がない」と受け入れ、諦めるべきなのでしょうか?

Q2:トリアージを行う者は何をよりどころにすればいいのでしょうか?

Q3:「限られた資源で多くの患者を診なければならない」 このフレーズを聞いて何か思い当たりませんか?(F-149で考察)

Q4:下記の表現に潜む問題点(課題)とは何でしょうか? (F-150で考察)

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し

 

 

 それではコーチの視点で考察していきます。

Q1:“見捨てられる患者”が生じることは、「仕方がない」と受け入れ、諦めるべきなのでしょうか?

 

 A1:最初に「『仕方がない』と受け入れる」ことはとても重要です。なぜなら、「全員を助けることはできない」という厳しい状況では、医療者自身がファイト・オア・フライトに陥りやすくなるから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 ファイト・オア・フライトの状態とは、簡単にいうと、心身ともこわばった状態。前頭葉前頭前野よりも大脳辺縁系の方が優位になるため、IQが一時的に下がり(「頭が真っ白」「思考がまとまらない」「怒りっぽくなる」など)、普段は簡単にできることができなくなります(「粗暴」「乱雑」「ミスが増える」など)。

 それは抽象度が下がった状態。脳の機能でいえば、人間的な社会的情動(感性)または論理のレベルから、動物的な情動処理レベルに一時的に退化してしまった状態です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 そんな状態では助けられる命も助けられなくなります。だから、まず「『仕方がない』と受け入れる」ことで、自らがファイト・オア・フライトに陥らないようにする(すぐに脱する)必要があるのです。「厳しい状況の中で最大数の命を救う」ために。

コーチとしてしっかり言い換えると、「最大数の命を救う」をゴールにし、「厳しい状況」をコンフォートゾーンに変えてしまう感じです(さらに詳しくは追記で)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 「『仕方がない』と受け入れる」ことはとても重要

 

 しかしながら、受け入れることはOKでも、諦めることはNGです。諦めた瞬間に「もっと救える可能性」がスコトーマに隠れてしまいます。そればかりか解決(改善)のためのエネルギーと創造性を失い、上方修正することができなくなります。現場の状況は刻一刻と変わっていくのに。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 では、「とりあえず受け入れるが、決してあきらめない」ためにはどうすればいいのでしょう?

 その答えはQ2への回答と同じです。

 

 

Q2:トリアージを行う者は何をよりどころにすればいいのでしょうか?

 

 A2:ポイントは「不完全性を忘れることなく思考し続け、ゴールを再設定し続ける」こと。つまり、大乗仏教でいう「空(くう)」をよりどころにするのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

「空」を理解しているからこそ、厳しい状況の中に希望を見いだすことができます。

「空」を体感しているからこそ、“現状の外へ新たなゴールを設定し続けることができます。

「空」だからこそ、リミッターをはずし、潜在能力をフルに発揮することができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 これらは私が苫米地式認定コーチとして医療・介護現場にコーチングを届け続けている“よりどころ”でもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14833876.html

 

F-149につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 本文中に「コーチとしてしっかり言い換えると、『最大数の命を救う』をゴールにし、『厳しい状況』をコンフォートゾーンに変えてしまう感じです」と書きました。

さらに詳しく述べると、「最大限の命を救う」はエンドステートに相当します。エンドステート、アサンプション、コース・オブ・アクションについて、苫米地博士の著書「コーポレートコーチング(下)」を参考に下記記事にまとめています。「不言実行」がテーマです↓

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973460.html

 

-追記2-
 今回は「厳しい状況下でのトリアージ」をテーマにしていますが、その“状況”自体はどんどん変化していきます。私が医療・介護現場で行う研修では、その“状況”の変化を「レジリエンス」の枠組み(ゲシュタルト)で捉えることを提案しています(「重要度&緊急度によるマネジメント」も)。
 
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 



    Normal Operations ←継続的なモニタリング  第二領域「重要不急」

    ShockCascading ←最低ラインの確保          第一領域「重要緊急」

    Recovery Phase ←準平常ラインの設定           第一から第二領域への移行期

    Restoration Phase ←さらに高いラインに回復 第二領域「重要不急」

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

https://www.youtube.com/watch?v=CZyGvCXnCGI

 


御興味のある医療・福祉関係者の皆さまは、下記メールアドレスに御連絡ください。

(今後、セミナーや研修はオンラインで行う予定です。ただ今準備に奮闘中ですw

連絡先:coachfor.m2@gmail.com

 

 

-関連記事-

    F-140~:不要不急

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_400247.html

    S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563396.html

    S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

コーポレートコーチング




PMⅠ:The Power of Mind

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 

この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。

告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 

仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 

 自らが建てた禅道場で毎日禅を組む理事長が「僕は宗教は嫌でね~」と軽やかに口にすることができる姿に、私はとても感動しました。そのコメントに「空(くう)」を感じたからだと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 「空観」とは、「すべてのものは他との関係性の網の中で形作られていて、普遍的な実在はない」という縁起の考え方に基づいています。「なにもないこと」であると同時に「とてつもなくあること」でもあり、宇宙のすべてを包摂する概念といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 「仮観」とは、この世の「ありとあらゆる空なる存在」に対し、「それぞれに役割を持たせること」です。「無常」だから「仮」なのですが、仮であってもその役割を積極的にみようと考えます。役割は「存在意義」と置き換えることもできます。

コーチングでいうとゴールです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 「中観」とは、すべての存在が「空」であるとする「空観」と、縁起の中での「仮の役割」に注目する「仮観」の二つをバランスよく維持している状態のことです。その中観のポイントは、「仮の役割は無限にある」ということ。

 

釈迦哲学において空観がない状態はありえませんが、もし空観が抜けてしまったらとても危険な状況に陥ります。空観なき仮観のことを「実観(じつがん)」と呼びます(本来の釈迦哲学には存在しない言葉です)。

 

 

 ここまで、苫米地理論やコーチングメソッドを職場に導入することに“失敗”した理由を考察してきました。

 

すべては他の何かとの関係で成り立っており、関係が存在を生みだしています。そして、そのすべては自分の心(マインド)が生みだしているといえます。

よって、「うまくいかない」には必ず自分の側に理由があります。どこまでを自分とするかまで含めそのことをずっと考え続けていましたが、私には失敗の本質的な原因がわかりませんでした。もっと根源的な大きな問題があるはずなのに、スコトーマに隠れたままで全然見えていない気がしていました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 幸いにも、そのスコトーマは、苫米地式コーチにサポートしていただいたことで外すことができました。そのコーチとは、青山龍マスターコーチです。

 

 

 医療/社会福祉法人でのPX2終了後、青山コーチにお時間をいただき、鹿児島を御案内させていただきました。移動中にいろいろなお話を伺いましたが、その中にとても衝撃的な話題がありました。それは苫米地式の認定証を破ったあるコーチの話でした。

 

 私にとって認定証はとても重要なものです。それは苫米地博士の情報場にアクセスするトリガーであり、コーチとしてのエフィカシーの源泉です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

そのような大切な認定証を破ることを想像しただけで、寒気を伴った嫌悪感に襲われました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 「私にはとてもできない」

 

そんなセルフトークに気づいた瞬間、私は、私の思考から空観がすっぽり抜け落ちていることに気がつきました。苫米地博士に関する情報場に対して実観になってしまっていたのです。

 

 「苫米地理論やコーチングはすばらしい。だから、絶対に学ぶべきだ!」

 「PX2でもっといい職場になる。だから、必ず浸透させる!!

 

 空観の抜けた私のそんな強い思いが、職員を苦しめ、経営陣の怒りに火をつけました。すべては私から始まっていたのです。すべては私の心に因があったのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882703.html

 

二回目のPX2を潰されたときに感じた悔しさ
 そして、その事実が示す未来に感じた絶望

 

 それらはすべて、私自身が空観を忘れたことによりリアルになりました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

煩悩に飲み込まれ大脳辺縁系優位となり、実観に陥ることを許してしまったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

それはまるで霊を恐れていた学生時代のようでした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7199964.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7384947.html

 

もちろん、あの頃と違って今の私にはゴールがあり、その実現に向けた未来志向で日々を生きています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

しかし、それも空観を忘れた状況では扁桃体・大脳辺縁系といった低い抽象度での情報処理に過ぎず、場を共有していない多くのスタッフには重すぎたのです。Have toを生みだす元凶となったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 ゴールもあくまでも仮であり、すべては空です。空がわかった上での仮観であり、中観です。頭ではわかったつもりでも、実践していなければまったく意味がありませんでした。

 

 空を忘れるという過ちで大きな縁を失いましたが、その過程で大切な気づきをたくさん得ました。今後の苫米地式認定コーチとしての、そして、苫米地式認定マスターヒーラーとしての活動に活かすことで、未来でしっかりと責任を果たしたいと思います。

(その“責任”も空であることを忘れずに)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 

<仮説14:空(くう)なき実観の行き着く先にあるものとは破滅。空観がしっかりと維持されているうえでの仮の役割としてゴールがある>

 

<トゥイーキング14:空(くう)を忘れたゴールはまわりにとって苦痛でしかない。いかなる時も空を忘れず、中観を貫く>

 

    ゴールはあくまでも仮であり、すべては空。空がわかった上での仮観であり中観

    空観が抜けてしまった実観では、どんなに素晴らしいゴールであったとしても満たされることはない

    苫米地理論やコーチングが福音になるからこそ、空観を忘れてはならない

 

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「空(くう)」に関して、認知科学者 苫米地英人博士のブログに論文が掲載されています。タイトルは「『空』を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ」です。

 http://www.tomabechi.jp/EmptinessJapanese.pdf

 

 ワークスDVD2弾 「空の理解と体得」でより詳しく解説されています。下記サイトを御確認ください。

 http://maxpec.net/dvd2/index.html

 

 

ワークスDVD第2弾
苫米地英人DVDオフィシャルサイトより引用



Q-071:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか? Vol.8;「リラックスできる呼吸の無意識化」のコツとその先にあるもの

 

 認知科学者 苫米地英人博士の読者の方から御質問をいただきました。セルフヒーリング&セルフコーチングのコツをイメージしながら、しっかりとまとめてみました。

シリーズ(計八本)でお届けします。

Vol.1 はじめに(目次):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13825164.html

 

 

Vol.8;「リラックスできる呼吸の無意識化」のコツとその先にあるもの

 

 今回でこの連載は最終回です。いただいた御質問の最後の部分に回答いたします。

 

 

Qまた対処としましてリラックスできる呼吸の無意識化につきまして、何かご教示頂ければありがたく存じます。よろしくお願いします。

 

A:私は、「リラックスできる呼吸の無意識化のコツ」とは 「呼吸を意識に上げること」だと考えています(笑)。

 

 

 何かを覚える時、最初はぎこちなかったのが、だんだんスムーズに行えるようになっていった経験はありませんか?

 

それは意識して行っていたことが、無意識に行えるようになった(考えずにできるようになった、体が覚えた)ということ。

 

 無意識化は「並列処理のコツ」といえます。

 

 その時にマインドでおこっているのは「ゲシュタルトの構築」です。

 ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまりです。部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 例えとして、自動車学校に通ったときのことを思い出してください。

まず車の運転に必要な知識を学びます。車の構造から具体的な操作方法、ルールなどです。

ひととおり学んだ後実技に入ります。最初に車を運転した時はかなりぎこちなかったですよね。「まず安全確認をして、クラッチを踏んで、ギアをローに入れ、それからアクセルを踏み込みつつクラッチを戻し」など、次に行うことをひとつひとつ考えながら運転していたはずです。

アクセルの加減が強いとクラッチが滑り、弱いとエンストすることを経験し、アクセルを踏み込んだ時の加速の感触、ブレーキを踏みこんだ時の制動の感覚などを体験し記憶しながら「車の運転」を覚えていきます。

 

では、車の運転がぎこちなかった頃とスムーズになった今では何が違うのでしょうか?

 

答えはマインド(脳と心)の使い方です。

 

ぎこちなかった頃は、ひとつひとつの動作を意識して行っていました。思考のパターンは論理的(または言語的)で、その処理はシリアル(直線的)に行われています。

ところが上達するにつれて、運転を無意識下で行うようになります。いちいち次の動作を考えなくても「手足が勝手に動く」状態です。思考のパターンはイメージ的(非論理的、非言語的)で、その処理はパラレル(並列的)に行われています。

その感覚を、ブルース・リーは「考えるな、感じろ(Don’t think. Feel)」と表現しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

人によってタイミングはいろいろでしょうが、スムーズに運転できるようになり「慣れた」と感じるようになった頃には、必ず意識下の処理から無意識下の処理に変わっています。

その時にゲシュタルトが新たに構築されています。

 

アップル社の共同創設者 スティーブ・ジョブス(19552011年)が、2005年にスタンフォード大学の卒業式で行った講演で語った「connect the dots」という言葉は、ひと回り大きなゲシュタルトで物事をとらえることの重要性を語った言葉です。点と点をつないだ“より大きな視点”をもつことができると、一見バラバラに見える事柄を見て、その中に共通の法則を見いだすことができるようになります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 「ひと回り大きなゲシュタルトで物事をとらえる」「より大きなゲシュタルトを再構築する」というのは、「抽象度を上げる」ことに相当します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 つまり、「ゲシュタルト能力」と「抽象度を上げることができる能力」は同義です。そして、その能力こそが、私たちが「知らないことは認識できないのに、新しい知識を得ることができる秘密」です。それは真の教育のプロセスで「人間形成」とともに獲得していくものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

前置きが長くなりましたが、苫米地博士の読者である御質問者が、「ゲシュタルトの構築」を意味する「無意識化」を重要視する気持ちはよく理解しています。

そのうえで、あえて「リラックスできる呼吸の無意識化のコツは呼吸を意識に上げること」とするのが私の答えです。

 

 

 車の運転と違って、呼吸はもともと無意識下で行っています。この世に生まれでた赤ちゃんが、「さぁ~、肺呼吸するぜ~」と思いながら泣くはずがありません。呼吸は最初からホメオスタシス活動なのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 ただし、ここでいうホメオスタシスとは物理次元でのもの。

 

 呼吸というバイタルな(命に関わる)ホメオスタシス活動を意識に上げることは、物理空間から離れ情報空間に移行することを意味しています。逆腹式呼吸はさらに「身体操作もかえることで情報の取り入れ方を変える」方法です。

それは「Rのゆらぎ」を生みだし、抽象度を上げるための意識状態(変性意識)を自らつくりだす重要な技です。

 

 

 呼吸を意識に上げることで深めた変性意識を使って、自身をさらなるリラックスに導いていく

 

 

 「呼吸を意識に上げること」が「リラックスできる呼吸の無意識化のコツ」であるという感覚を御理解いただけたでしょうか。

 

 私はずっと、このことは守秘義務内容の秘伝中の秘伝だと思っていました。一昨年(2017年)、なんと苫米地博士御自身が著書の中で開示されました。「完全版変性意識入門 自分のリミッターをはずす!」(ビジネス社)です。その本には私のインタビュー記事も掲載されています(「医師の目からみた気功」)。ぜひ御確認ください。

余談ですが、呼吸法については「洗脳護身術」(開拓社より再販)に詳しくまとめられています。

 

 

では、最後に「バランスホイールを常に意識し、そして偏りなくゴールを達成していくことはとても重要なこと」という点について説明します。Q-069の最後では、それが「ヒーリングのコツになる」といった小さな話でおさまるものではないことをお伝えしました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14524490.html

 

「バランスホイールの重要性」とは、「ゴールの数だけゲシュタルト(世界)が生まれ、それが現実化していく過程で、ゲシュタルト同士がつながりますます豊かになっていくこと」です。

 

複数のゲシュタルト(世界)を同時に認識しバランスをとる意識状態は、深い変性意識状態になることで可能となります。その変性意識生成のポイントが呼吸です。

 

ふだんは意識していない呼吸を意識に上げるうちに深い変性意識状態になり、ゴールの数だけ生まれる広大な世界(ゲシュタルト)を同時に観て、バランスをとれるようになるのです。

 

複数の世界(ゲシュタルト)を同時に観ている間に、より大きなゲシュタルトが構築されていきます。それは「抽象度が上がる」ことでもあります。

 

そうやって抽象度を上げ続けると、宇宙のトップである空(くう)に到達するはず。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 すなわち、“バランスホイールの先にあるもの”とは、空への到達であり、覚りです。

 

 

以上が私の回答です。

西洋医学と東洋医学の違いを明らかにし、ヒーリングとコーチングの関係を考察しました。セルフヒーリング&セルフコーチングのコツ、そして“バランスホイールの先にある空”を感じていただけたらうれしく思います。

御質問、ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 苫米地博士が公に開示された情報の範囲内での回答です。

苫米地理論は「超情報場仮説(理論)」の次のパラダイムに入っています。新たな理論は、ワークスDVD17弾「分散動的自己構成エネルジーア 自律知能化と生命素粒子そして進化」やフォレスト出版の教材「ダヴィンチ脳2 ~超次元生命情報場~」などで学ぶことができます。

 

 

リミッターをはずす&ワークスDVD17&ダヴィンチ脳2



PMⅠ:The Power of Mind

PM-06:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

PM-06-03:抗不安薬を常用する医師の叫びで気づいた「FOG

 

この章(第六章)では、「院長を務めていた病院へのコーチング導入“失敗”」という事例について、仮説を立て、トゥイーキングを行っていきます。その目的(ゴール)は、「失敗から学び、“いのちの現場”にコーチングをしっかり届けること」です。

告知:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13216030.html

“失敗”を解決する方法:http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 

抗不安薬を常用する医師の叫びで気づいた「FOG

 

 日本の南の一地方都市のさらに過疎地に立つ病院です。

看護師や介護士といった職員を集めるのは大変で、もちろん医師についても思いどおりにはいきませんでした。院長の逝去後早急に求人を行いましたが、集まったのはユニークな医師ばかりでした。

(「あなたが一番ユニークだ」とよく言われました w)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5305837.html

 

 例えば、一年中薄い術衣で過ごす内科医師は、医局の空調を夏は最低、冬は最高温度に設定する人でした。時間にルーズで、書類は書かずにため込んでしまいます。

すぐに怒るうえに人のせいにするので、スタッフとの間によく摩擦が生じていました。

 

鹿児島では珍しい大雪が降った日、その医師は無断欠勤をしました。

翌日、その医師に「なぜ連絡をせずに休んだのですか?」と質問すると、「ちゃんと病院に行こうとした。ところが道路が渋滞していて40分で10mしか進まなかった。先で何が起きているか僕にはわからない。だから家に帰ったんだ」という答えが返ってきました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8583393.html

 

 予想もしない答えにあっけにとられていると、さらにたたみかけるようにまくしたて、「僕は霧の中でもがいているようで苦しいんだ。苦しくてたまらないんだ。僕がこんなに苦しいのはおまえのせいだ!」と罵倒されました。

 

 確かにその医師は辛そうな表情を見せることがあり、抗不安薬を常用していました。

 

 

 当時は私も苦しんでいました。

 

院長就任後モチベーション云々は考えなくなりましたが、黒く重たい霧の中でもがいているようで、光が見えず、生きている確かな手ごたえは感じていませんでした。

「自分を包むこの霧は、一体どこから生じているのだろうか?」 そんな思いを抱きながら黙々と働いていました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

マインドについて学ぶようになったある日、“私”という存在が「恐怖(Fear)」「義務感(Obligation)」「罪悪感(Guilty)」によってがんじがらめに束縛され、目の前のすべてが「have to」になっていることに気がつきました。

 

その三つが私の「want to」を「have to」に変え、霧(FOG)を生みだしていたのです(ダジャレのようですけど)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 そして、そのすべてが心の中の情報(処理)にすぎないことを理解したときに、幼少の頃から親しんでいたはずなのにすっかり忘れていた概念 -すべては空(くう)である- を体感しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

その瞬間、まわりの黒い霧は晴れ、クリアな光に包まれた気がしました。

 

 

 前回御紹介した森林療法など、何事もやり始めは「want to」ですが、いつの間にかルーティン化し、当初の目的(ゴール)を見失い、だんだんと「have to」化していきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

「~だと怒られる」や「逆らうと解雇される」という不安・恐怖、「~しなければならない」という義務感、「~すると(しなければ)迷惑をかけてしまう」という罪悪感が、さらにその「have to」化を加速し、人を霧の中に閉じ込めていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

 

それは「ファイト・オア・フライト」の発動であり、ダークサイドへの転落のはじまりです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 当時の私は、そのループにはまっていました。

 

後に認知科学者 苫米地博士と出会い、コーチングを学びながらゴールを再設定し、それを達成した未来をはっきりと感じ確信するようになったことで、ようやくこのループを抜けだすことができました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

そして、「すべては空であり、自らの心(マインド)がつくりだしたものである」と納得することができました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 残念ながら冒頭の医師が退職した後のことでしたので、その医師に直接伝えることはできませんでした。そのかわりに「ともに働く仲間に伝えたい」という思いが芽生え、いつしか希望へと変わっていきました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 そしてその希望は、ゴールとして結実し、私の生きる力へと変わっていきました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 認知科学者 苫米地英人博士の著書「『感情』の解剖図鑑 仕事もプライベートも充実させる、心の操り方」(誠文堂新光社)より引用します。

 

 【罪悪感】

 「罪」と「悪」は別物です。罪は法律が決めますが、悪は法では裁かれません。何をもって罪悪とするかは国によっても人によっても違い、結局、罪悪を決めるのは自分自身です。

 罪悪のレベルは、個人のブリーフシステムによって決まっています。非常に強固な信念によって、「それを超えることをやってはいけない」と歯止めがかかるので、人間は、自分が本当に罪悪だと思っていることはやりません。つまり、罪悪感を持つということは本質的にはあり得ないのです。自分で決めた罪悪のラインを超えるのは、「罪悪だと知りながら、それをしなければ命の危険があった」など、よほどの事情があるときだけです。

 私たちが罪悪感だと思っているものは、たいていは自己嫌悪、怒り、後悔などを、罪悪感という言葉でごまかしているだけだといえます。たとえば、浮気をしてしまったときに感じるのは、罪悪感ではなく後悔です。浮気をした時点では、本人は「してもいい」と思っていたはずですが、それを認めたくなくて、「罪悪感」という言葉を使っているだけなのです。

 

 

「感情」の解剖図鑑ver.2


PMThe Power of Mind

PM-02苫米地理論における重要用語解説

PM-02-16空観、仮観、中観

 

 この章では、苫米地理論の中でとくに重要な概念をピックアップし、解説いたします。
 第二章目次:
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12936581.html


16)空観、仮観、中観

 

 「すべての存在は関係で成り立っている」という縁起の思想は、大乗仏教に現れた二人の天才(ナーガールジュナ、ツォンカパ)によりさらに発展し「中観思想」を生みだしました。

 

 「中観」とは、すべての存在が「空(くう)」であるとする「空観」と、縁起の中での「仮の役割」に注目する「仮観(けがん)」の二つをバランスよく維持している状態のことです。

 「空」とは「すべてのものは他との関係性の網の中で形作られていて、普遍的な実在はない」という縁起の考え方に基づいています。

空というと「なにもないこと」をイメージする方が多いと思いますが、実際は反対の「とてつもなくある」ということでもあり、宇宙のすべてを包摂する概念といえます。

 

 第一章で我が家の「さくら」を紹介いたしましたが、その抽象度を高めていくと→「ラブラドールレトリーバー」→「犬」→「哺乳類」→「動物」→「生物」となっていきます。
  (http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 

その「生物」より上は「物質」に行きつきます。「物質」のことを仏教では「色(しき)」と呼びますが、それは「ある(有)」という概念と同じと考えられます。

その「ある(有)」と対立する概念が「ない(無)」ですが、ここでナーガールジュナは、「空」を「有」と「無」のさらに上の抽象度の概念であるとしました。

 

つまり、抽象度の軸で宇宙を見たときに情報空間の頂点を「空」としたのです。

 

よって、空はなによりも情報量が少なく(なにもないに等しい)、かつ、潜在的な情報はなによりも多い(とてつもなくある)といえるのです。

この宇宙の見方が「空観」です。

 

 「仮観」とは、この世の「ありとあらゆる空なる存在」に対し、「それぞれに役割を持たせること」です。「無常」だから「仮」なのですが、仮であってもその役割を積極的にみようと考えます。

 

すべての存在には役割があります。なぜなら縁起があるからです。すべてのものが関係しあうため、その関係性の中でまったく役割を果たさないものなどありません。

 

役割は「存在意義」と置き換えることもできます。

すべての人が必ず誰かとの関係性の中に生き、誰かの役にたっており、存在意義があります。その存在意義とは、ゴール設定により自らつくりだすものです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

その存在意義の確信が、コーチングで重要視するエフィカシーです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html


よって、エフィカシーを高めるということは、「自分の存在意義を確信したうえで、さらに世の中とのつながりを拡大し、宇宙サイズにまでその存在意義を拡大していくこと」といえます。

エフィカシーはゴールが生みだすものでした。そのゴールが「仮の役割」です。つまり、コーチングとは仮観の実践であるのです。

 

 「中観」とは、すべての存在が「空」であるとする「空観」と、縁起の中での「仮の役割」に注目する「仮観」の二つをバランスよく維持している状態のことです。

その中観のポイントは、「仮の役割は無限にある」ということです。

 

 縁起の思想からすると、宇宙は多様で、かつダイナミックに変化する関係性によって成り立っています。
 
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

逆にいえば、この世の一人ひとりは、お互いの関係性の中で初めて成り立つと同時に、この宇宙を構成している貴重な存在だといえます。

 

この「一人ひとりがお互いに宇宙を生みだす大切な存在である」という視点が中観です。

その視点があると、すべての存在を自然に大事に思うことができます。

 

縁起に関しては苫米地博士の「もうこれ以上人間関係で悩まない極意」(TAC出版)を御参照ください。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 「空(くう)」に関して、認知科学者 苫米地英人博士のブログに論文が掲載されています。タイトルは「『空』を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ」です。

 http://www.tomabechi.jp/EmptinessJapanese.pdf

 

 ワークスDVD2弾 「空の理解と体得」でより詳しく解説されています。下記サイトを御確認ください。

 http://maxpec.net/dvd2/index.html



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