苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

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Q-423:現状の外側に100%want toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか? <vol.1;ゴール設定のスタートライン>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 6回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 vol.1;ゴール設定のスタートライン

 

 

Q:これまではhave toの生活が多く、現状の外側にゴールを設定することが困難に感じています。現状の外側に100want toのゴール設定を行うための方法をご教示頂きたいです。よろしくお願い致します

 

A1:まずはコーチングの大原則から。その原則とは、「コーチはクライアントのコンテンツには一切関わらない」。

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまった<補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 「コンテンツに関わらない」をわかりやすく言い換えると、「重要度に関わらない」。

ここでいう「重要度」とは、評価関数(重要度関数)、すなわち自我のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 コーチングでいうと、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 コーチは絶えずクライアントのBSBSが生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)を分析します。とくにCZはダイナミックに変化しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 分析の目的は「クライアントの現状(Status QuoSQ)を理解する」こと。もっと詳しくいうと、「『現状の外側に100want toのゴール設定を行う』ことを阻害している要因を見つけ出し(case)、それを取り除く=克服する(plan)」ためです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 ただし、そのBSCZの分析をクライアントに伝えることはありません。クライアント自身にとっては、過去は一切関係ないから。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 もしも「これまではhave toの生活が多く」といったセルフトークが抱える課題を厳しく指摘することでセルフイメージを下げてしまったなら、ますます「現状の外側にゴールを設定する」ことは難しくなるでしょう。

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

クライアントがフォーカスすべきなのは未来。それも“今の時間延長上では起こりえない未来”です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 苫米地博士のバラいろダンディでの講義でいうと、コーチが行うのは「w1を指摘したりw2を生みだすことではなく、w1からw2への移行をサポートする」こと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 では、ここで問題。

コーチが「w1からw2への移行をサポート」する際に“鍵”となるのは何でしょうか?

(答えは漢字3文字です)

 

 思考を深めながら、下記の文章をゆっくり読み進めてください。苫米地博士の著書「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研、p13)より引用し(青字)、少し解説します。

 

 

「般若心経」は瞑想のお経

 お経を唱えたり、書いたりすること自体には、お経を覚えられたり、字が上手になったりする以外の意味はありません。しかし、お経を唱えたり、書いたりする「人の心」には大きな意味があるのです。

 正確に言いますと、瞑想する人の心に意味があります。「瞑想」という言葉を使いますと、座禅を組んだり、目を閉じてじっとしていることを思い浮かべるかもしれませんが、必ずしもそれだけではありません。自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめるのが瞑想です。

 「般若心経」にはこの瞑想に役立つ内容がふんだんに盛り込まれています。瞑想のお経と呼んでもいいくらいです。ですから、般若心経は単なる魔法の呪文として唱えるのではなく、内容をよく理解して、その内容を臨場感豊かに思い描くことで、自分自身や世界を見つめることができ、その結果として救われたり、ご利益があったりするお経なのです。

 

 

 自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめる」ためには“外側視点”を作る必要があります。コーチングは、主観ではなく、客観です。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 そのためには物理空間(次元)のリアリティから自身を開放する必要があります。心身をモニタリングし、逆腹式呼吸を続けることで、リラックスとゆらぎを得ることができます。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

 リラックスとゆらぎを得るほど、物理空間(次元)から離れやすくなり、より高次の抽象度次元を「見つめる」ことができるようになります。それが「瞑想」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

お経を唱えるのは瞑想するため

 日本の仏教には「念仏や題目を唱えるだけで極楽浄土へ行ける」と説く宗派もあります。あるいは密教の護摩焚きなどでもお経が唱えられます。ですが、私はこれらもけっして魔法の呪文を唱えているのではなく、瞑想をするための一つの方法論として提示されているのだと考えます。

 日蓮宗や浄土真宗では「般若心経」は唱えないとされていますが、その開祖である日蓮や親鸞も元は天台宗のお坊さんです。比叡山延暦寺には天台宗の偉大な僧の木像があるのですが、その中に日蓮も親鸞もあります。あるいは、法然、栄西、道元らいわゆる鎌倉新仏教の開祖たちもみな比叡山で修行した天台宗の僧でした。天台宗には「止観」という瞑想がありますから、当然、こうした新宗派にも止観の瞑想の影響が色濃く残っていても不思議ではありません。つまり、座禅も念仏や題目を唱えることも「瞑想」の一方便だと考えられるのです。

 

 

 コーチングにおいても「止観」を重要視します。

 (苫米地博士の「止観瞑想」の解説はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 「止観」で止めるものとは“煩悩”ですが、じつは、その“先”があります。

(“先”についてはこちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33248780.html

 

 

瞑想とは自分自身を自由自在に観ること

 瞑想とは自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめることと書きました。実は、自分自身を見つめると、同時に自分のいる世界も、宇宙全体も見たことになります。なぜかというと、自分自身というのはそれだけで存在しているのではなく、必ず自分以外の周りのもの(=自分のいる世界、宇宙全体)との関係によって成り立っているからです。このことをお釈迦様は「縁起」と呼びました。

 人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。ですが、瞑想とは自分自身から離れて、自分自身を外側から見つめ直す作業です。自分を外側から見るには、自分と周囲との関係をよく見る必要があります。このとき、それまでの思い込みや先入観などを捨てて見ないと、本当の自分は見えてきません。思い込みや先入観に縛られていると、自由に自分自身を見つめられないのです。瞑想とは自分自身を自由自在に見る(観る)ことなのです。

 

 

 自分自身を自由自在に見る(観る)

 

 その状態がコーチングのスタートライン。すなわち、ゴール設定のスタートラインです。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 苫米地式コーチングは中観。自由な心で(空観)自が在る宇宙を生みだすことが(仮観)苫米地式です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 さて、コーチが「w1からw2への移行をサポート」する際の“鍵”はクリアでしょうか?

 

 私の答えは「非言語」。

 クライアントが自由に思考し(瞑想=内省)、ゴールにふさわしいセルフトーク(内省言語)を自ら生みだすために、コーチは非言語の働きかけを貫きます。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

Q-424につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

苫米地博士のバラいろダンディでの講義でいうと、コーチが行うのは「w1を指摘したりw2を生みだすことではなく、w1からw2への移行をサポートする」こと

 

 その「w1からw2への移行のサポート」のことを、最近の苫米地博士は「エフィカシー関数をつくる」と表現されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

240617バラダン-5

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

「成長」の夏に向けて習得!苫米地式「オーセンティック コーチング」 (2024年6月17日) #コーチング (youtube.com)

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-375:俺にかかってこい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35750566.html

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一生幸福になる 超訳 般若心経




Q-420:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36479608.html

 key 3;排他的でスノッブな空間

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36494091.html

 key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A4:これまで「必ずスコトーマがある」こと(key 1)、「教育により差別が刷り込まれている」こと(key 2)、「コンフォートゾーンは排他的である」こと(key 3)を取り上げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 これら3つには共通点があります。何でしょう?

 

 

 私の答えは「無意識」 ふだんは意識に上がっていないということです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 「無意識」の例として、苫米地博士がよく挙げられているのが「自転車の運転」。

 私たちが自転車に乗っている時、左右のバランスをうまく取ろうといった意識で乗っているわけではありません。「身体が勝手にバランスを取っている」という感じで、それを言語化することは難しいくらい。

 Q-175脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いてるということになるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html

 

乗れるようになるまではずいぶん苦労したのに、一旦乗れるようになってしまえば乗れないようにするのが難しいのが自転車の運転。そのカラクリは「ゲシュタルトができ、無意識が維持している」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

それは「全体と部分の双方向性の関係性ができ、ホメオスタシスで維持されている」という状態。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

抽象度を下げて具体的に表現すると、「今までバラバラだった『手の動き』『足の動き』『体重のかけ方』といった部分がつながり(connect the dots)、すべて連動して動かせる」という状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

しかも、自然に(=無意識化)、かつ、言葉を超えて(=超言語化)。

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 その「無意識」かつ「超言語」をしっかりコントロールすることが、脱洗脳の重要なポイントであるはず。そのコントロールが「『ブレない判断基準』を生みだすもの」に自身を導きます↓

 L-169202203月シークレット… -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 

 以下、「一瞬で自分を変える技術」(ビジネス社、p12)より引用します。

 

 

武術に学ぶ 一瞬で自分を変える技術

 

 

内部表現の一瞬の書き換え

 「内部表現の書き換え」とは一言で言ってしまえば、それまでの選択肢を変えてしまうことです。これまでAを選んでいた人がBCといった選択肢があることに気づいたり、BCを選ぶことでより良い人生、自分らしい人生を生きる手助けをするものです。

 ただし、「内部表現の書き換え」は洗脳技術とかなりの部分重複しており、危険な技であることは間違いありません。「そんな危険な技をなぜ公開するのか」という人もいるでしょう。

 確かにその気持ちもわかりますが、現在はあまりにもひどい洗脳時代です。洗脳技術を公開しないと、人々は手もなく、洗脳されてしまうのです。

 いまが洗脳時代である証拠の最もわかりやすい例は東京オリンピックです。東京オリンピックではいまボランティアという美名のもの、11万人のタダ働き要員を募集しています。しかし、ボランティアたちの無償の働きによって誰が得をするのかといえば、大手広告代理店です。彼らに利益が流れるような仕組みがあることを知っていながら、テレビと新聞はそれをほとんど報道せず、素晴らしい体験、おもてなしなどと言って喧伝しています。これを洗脳行為と言わずして何を洗脳と言うのでしょうか?

 洗脳で最も効果的なのは大手メディアを使った手法です。現代の日本はそれが日常茶飯事になっているのです。はっきり言わせてもらえば、テレビはすでに広告代理店が操作する洗脳マシンに堕しています。とてもメディアと呼べるような代物ではありません。

 そんな時代ですから、いまは、国民一人一人が「内部表現の書き換え」の技術を会得しておく必要があるのです。百歩譲って会得しないまでも、どういうものであるかぐらいは、知っておく必要があります。

 ですから、私はこういった書籍をずっと書いているのです。

 もちろん、「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります。

 私たちには多くの可能性が眠っています。自分ではこんなことは無理だと思うようなこともできてしまいます。

 「内部表現の書き換え」の技術は、実は対洗脳技術というよりは、そちらの方面で積極的に活用してほしい技術なのです。

そして、「内部表現の書き換え」を一瞬で行っていたのが武術なのです。

それが具体的にどういうことなのかは、本書で読んでみてください。

引用終わり

 

 

 「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります

 

 その「内部表現の書き換え」の最新科学バージョンが「苫米地式コーチング」。そのコア中のコアがゴール設定。先ほどの「『ブレない判断基準』を生みだすもの」とは、ゴールのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは、1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 ゴールを設定し、そのゴール達成に夢中になって取り組む間に、人は刷り込まれた差別を脱却し(脱洗脳)、自由意思を獲得し、自らのブリーフシステムを(結果として)書き換えることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その積み重ねの中で、まずは個人のマインドから、そして社会が共有するブリーフから、「パワハラ」や「虐待」がなくなっていくはず。そのように私は信じています。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 最後に、これまでの考察をまとめ、シンプルに回答し直します。

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A:「差別はやめよう」「差別をなくそう」という発想では、いつまでも解決することはできません。なぜ?

 

その理由は「差別はやめよう」「差別をなくそう」は「差別」の存在を前提としているから。差別が「ある」「ない」は同じ抽象度の裏表です。

L-152202111月医療系… -07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33851880.html

 

「差別」は道徳教育を通じて、個人(&社会)のブリーフシステムの中に刷り込まれています。無理やり変えたとしても、すぐに元の状態に戻るでしょう。強力なホメオスタシス・フィードバックが働くから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

シンの解決は、まずは「縁起を理解し、『差別はあり得ない』ことを知る」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、その上でゴールを設定し、可能世界w2に移行した結果としてブリーフシステムを変更(更新)すること。より高次の抽象度次元に。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

その積み重ねにより、無意識レベルでフェアネスを実現することができます。それは中観の実践でもあります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 以上が私の回答です。

御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 鍵は「抽象度」ですが、「何でもかんでも抽象度を上げればいい」というわけではありません。大切なのは「抽象度を使い分ける」こと。それは「異なる思考回路を利用する」ということでもあります。

 

 以下、苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZOp162)より引用します。参考にされてください。Feel

 

 

抽象度を上げた反駁を効果的に使うには

 先ほど、「抽象度を上げて反論する」という話をしましたが、「何でもかんでも抽象度を上げて反論せよ」という意味ではありません。コンストラクティブ(立論)では同じ抽象度で反論し、リバタル(反駁)で抽象度を上げて反論するようにするのです。

 直接的に論理と論理とを戦わせることをクラッシュ(争点の衝突)といいますが、同じ抽象度で反論しないとクラッシュが起こりづらいでしょう。新しいことをどんどん出していいわけですから、同じ抽象度でできるだけ多くの情報を使って相手の論理を否定するのが、コンストラクティブの基本です。

 それに対して、リバタルではすでに言われたことに関わることしか言えないわけですから、同じ抽象度で反論するよりも、抽象度を上げて反論したほうが効果的であり、反論の反論になり得るわけです。新しいことは言えないというルール上、必ず前に誰かが言ったことに対応し、また包含することしか言えないことになります。

 情報量を多くするために抽象度を上げない戦略を取るコンストラクティブと、抽象度を上げて情報量を少なくしてまとめて一気に反論するという戦略を取るリバタルとでは、それぞれ異なる思考回路を利用する必要があります。

 引用終わり

 

 

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ディベートで超論理思考を手に入れる

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方 eBook : 苫米地 英人:

 

 


F-390:“心身の不調”の一考察 ~苫米地式コーチング認定コーチとして~ <vol.6(最終話);根治的解決法 ver.2

 

 はじめに(F-385/vol.1)、私が医師として経験した<ケース>を紹介しました。

 

私が感じた本質的課題(case)は「ゴールがない」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

その根治的解決法(plan)は、もちろん、「ゴールを設定し、ゴールに向かって生きる」ことです。そのプロセス中に、人は「『宇宙に対して果たす機能』がわからない」というスピリチュアルペインを克服していきます。

 L-122202111月医療・介護研修… -03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32663640.html

 

  ゴールを設定し、ゴールに向かって生きる

 

 その間に起こること(起こすべきこと)を、コーチとして考察します。

 

 vol.1;本質的課題と根治的解決法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36235572.html

 vol.2;動物の本能から生じる情動

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36282736.html

 vol.3;満たされない承認欲求が「かまってちゃん」を生みだす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36325746.html

 vol.4;新しいエスティームのfirst step

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36367342.html

 vol.5;すべての病気は〇〇〇〇である

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36412101.html

 vol.6;根治的解決法 ver.2

 

 

 ここまでの間、私は、ブログのための文章を書きながらこのような自問を続けていました。

 

 ゴールを設定し、ゴールに向かって生きる

  その間に起こること(起こすべきこと)は何だろう?

 

 たどり着いた答えは「自己超越」。それはゴールのポイントのひとつである「自分中心を捨て去る」と同義です。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 とても重要なことですが、「自分中心を捨て去る」というのは、「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」ということではありません。

 (「ピンとこない」という方はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことであり、「自」と「他」を同じと感じられることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 もっとシンプルにいうと、縁起の理解と体得。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

縁起がわかるほど、“自分”が情報空間中に拡張していきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

  「情報空間中にひろがる縁起」という自己超越的感覚で、前頭前野をフル活用しながらゴールを考え続け、ゴールに向かって生き続ける

 

そんな人が一人、また一人と増えていくたびに、未来はもっと「幸せ」になっていくでしょう。個人レベルで“心身の不調”が解消するばかりではなく、社会レベルでも“不調”が解決していくはずです。そして、人類レベルでの「スピリチュアルペイン」も克服していくはず。

L-00720201月シークレットレクチャー -07;スピリチュアルペインとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

 苫米地博士がよく話される例えでいうと、100人のコミュニティで「100人全員が自分以外の残り99人の利益を考える」ようになるから。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 そんな中、「自分だけの利益を考え続ける」のが「かまってちゃん」。かまってちゃん的な人に対して、まわりは何を心がけるべきなのでしょう(無視以外で)?

 

 

 以下、苫米地博士の著書「薔薇色脳」(主婦と生活社、p38)より引用します。

 

 

10回 暗い性格の人と付き合う方法

こっちまでネガティブ気分になりたくない! 暗い性格の人との正しい付き合い方とは?

 

 何かことが起きると、すぐに悪い方に考えて、みんなの気持ちに水を差す人っていますよね。「なんてネガティブなんだろう。面倒くさい人だな」と思うんですけど、そういう人に限って、上司や、お姑さんといった、関係を絶つのがなかなか難しい人だったりするわけです。

 う~ん、先生、こういう人たちと付き合うにはどうしたらいいんですか! 今回は「暗い性格の人との正しい付き合い方」です。

 

 確かに、暗い性格の人と一緒にいるとどうしても気詰まりになってしまいます。そういうとき、たいていの人は何か明るい話題を見つけようとしたり、相手が喜ぶような話をしようとします。

 しかし、それは、暗い人と一緒にいるときにいちばんやってはいけないことです。なぜなら、相手を喜ばせるような話題を見つけるのはかなり難しいからです。よく考えれば当然でしょう。暗い人は、自分が喜ぶような話題が少ないから暗いのです。それなのに、あえて喜ぶような話題を提供するのは、その人の家族でも至難のワザかもしれないのです。

 ところが、暗い人を明るくする簡単な方法というのは存在します。

 それは「あなたが明るくなればいい」のです。例えば、昨日、親が亡くなられた人がいるとします。その人に何か話題を振って、笑顔にするのは難しいことでしょうが、その人が好きなお笑い番組をふと見てしまったら、思わず「クスッ」としてしまうでしょう。それと一緒で、その人が見たものが明るければ自然に明るくなってしまうのです。

 本人が明るい気持ちかどうかは関係ありません。見たものが明るくて、面白ければ、それでいいのです。つまり「あなたが明るくなること」、これがただひとつの正解だったのです。しかも、この考え方のよい点は、相手が暗いままでも一向にかまわないということです。自分に引きずられて明るくなれば、それはそれで楽しいし、もしも暗いままでも、もともと自分は楽しいわけですから、楽しいままなのです。

 ただ注意してほしいのは、あなたが「楽しそうなフリ」をするだけではダメだということです。それでは、相手の暗さにすぐに負けてしまいます。もともと気が滅入る人と一緒にいるわけですから、本来は楽しいはずはありません。しかし、その中でも楽しいことを探す。そのためには自分が「本気で楽しめるもの」を見つけないとダメなのです。

 例えば、私はフェラーリが好きです。数年前に日本中のフェラーリ所有者が集まるイベントにも行きました。ところが車を駐車した所が悪くて、会場まで歩いて10分もかかる所だったのです。一緒に行った人たちは「遠い」と嘆いていましたが、私は楽しくてしかたなかったのです。なぜなら、その駐車場はフェラーリだらけだったからです。「よかったね。こんなにフェラーリが見られて」と言ったら、私の家族は「楽観的ね」とアキレていましたが(苦笑)。

 どんな出来事でも悪い面ばかりではありません。もちろん、暗い人と一緒にいるのはつらいことではありますが、しかし、その人がなぜそうなったのか想像するだけでとたんに刺激的な時間になる可能性だってあるのです。目の前のもの、目の前の人に興味を持つ。すると、脳はとたんに活性化して、あなたをハッピーにしてくれるのです。

 あなたの今の状況はもしかしたら、それに気づくためのチャンスなのかもしれないのです。さあ、楽観的に生きてみましょう。

 

 「あなたが明るくなること」。これが、ただひとつの正解!

 引用終わり

 

 

 あなたが明るくなればいい

 そのためには自分が「本気で楽しめるもの」を見つけないとダメ

 

 かまってちゃん的な人に対して心がけるべきことは、「自分自身が明るくなる」こと。そのために「本気で楽しめるものを見つける」ことです。

その「本気で楽しめるもの」がゴール。

つまり、コーチングについて学び、自ら実践し続けることが、シンプルかつ強力な解決です。

 

 

 空と仮を同時に観ることができる意識状態を体得するほど、“心身の不調”は解消していく。そんな人が増えるほど、まわり人々の“心身の不調”も解消していき、やがて社会(未来)の“不調”も解決していく

 

 

 そんなことを気楽にイメージしながら、私はコーチ兼医師としての活動を続けています。

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L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html

Q-251:最近席を譲られることが多いのですが、恐縮してしまいます。エフィカシーが高い方はどう思うのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28572935.html

Q-252~:最近また頭痛がひどくなりました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419633.html

 

 

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L-200202207月医療・介護研修会 -10;『幸せ』を今すぐ体感するワーク

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html

 05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36270252.html

 06;世界を一変するためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36301779.html

 07;「イライラ」から「ワクワク・ドキドキ」への流れ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36314050.html

 08;ディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36343075.html

 09;運動や思考を促進させるカラクリ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36354942.html

 10;『幸せ』を今すぐ体感するワーク

 

 

 これまで「イライラ」から「ワクワク・ドキドキ」への移行について、コーチとして解説しました。最後に「ワクワク・ドキドキ」の正体について確認し、あらためて「幸せ(well-being)」との関係を考察します。

 

 前回(L-199)は、「『ワクワク・ドキドキ』の正体」として、「ドーパミン(dopamine)」を取り上げました。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

ドーパミンには、運動調節、ホルモン調節、記憶、注意、気分、意欲、そして学習に関わる重要な働きがあることがわかっています。

「快楽」と呼ばれるような感情にも関わっていますが、じつは、「直接快楽を引き起こすのではなく、ドーパミンだけで幸せになれるわけではない」とされています。

 

ドーパミンだけで幸せになれるわけではない

 

 この部分はとても重要。

 そもそも「幸せ」とは何なのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「苫米地式『幸せ脳』のつくり方 -「本当の自由」を手に入れるいちばん簡単な方法」(イースト・プレス、p26)より引用します。自分にとっての「幸せ」をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

脳が「幸せ」と感じるメカニズム

 「幸せ」の運用的定義は、「自分が幸せな状態」といいました。

 しかし、本当に「幸せ」の定義は、これでいいのでしょうか?

 問題は二つあります。

 ひとつは、「幸せな状態」というのは、単純にドーパミン(感情・興奮などにかかわる神経伝達物質)が出て、セロトニン(心のバランスを整える神経伝達物質)が出ている状態だということ。

 簡単にいうと、セロトニンが出れば「幸せな状態」になれます。そのためのテクニックはいっぱいあります。

 たとえば、死なない程度に、自分で自分の体をナイフで切り刻む方法があります。人によっては大量のドーパミンが出る。そして、誰でもβ-エンドルフィン(鎮痛効果や気分の高揚、幸福感などが得られる神経伝達物質)が出る。そうすると、最後に思いっきりセロトニンが出ます。

 細胞が傷つくと、細胞は「いま、壊れています!」という電気信号を出します。電気信号は脳に伝わって痛みに変わります。すると、痛みを麻痺させるため、すぐに脳はβ-エンドルフィンを出すように命令します。

 β-エンドルフィンがいっぱい出ると、さらに抑制物質であるセロトニンもいっぱい出ます。同時に、アドレナリンノルアドレナリン(ともに血糖値を高めたり、心拍数を速めたりするホルモン)も出るのです。

 だから、思いっきり怖がらせても、最終的にはセロトニンのおかげで幸せになります。リストカットをするとリストカッタージャンキーになってしまうのは、そのせいなのです。最後には幸せになるのだから、何度でもリストカットしてしまうのです。

 それが、「幸せ」の定義であって、それ以上の定義ではない。

 でも、それが「幸せ」の定義で本当にいいのですか?

 普通の人は「私はリストカッターになりたくない!」というでしょう。「そんなのは、幸せっていわない!」と反論すると思います。

 これが、単純に「自分が幸せな状態」を「幸せ」の定義にすることのひとつ目の問題点です。

 

 もうひとつは、「自分が幸せな状態」というのが「幸せ」の定義であった場合、その「自分」というものをちゃんと定義できますか? -という問題があります。

 

 自分とはなんですか?

 自我とはなんですか?

 

 じつは、自分という概念は幻想でしかありません。自我は幻想なのです。なぜ幻想かということは次に述べるとして、自分と自我は定義することができません。定義不能なのです。

 だから、「幸せ」も定義することができません。

 「幸せ」というものは、そもそも幻想でしかないということです。

 誰もが幻想でしかない「幸せ」を追い求めているのです。

 引用終わり

 

 

 「幸せ」というものは、そもそも幻想でしかない

 

 その事実を体感を伴ってしっかりと理解することが、釈迦の時代の悟り。後の大乗の天才たちは、その悟りを「空(くう)」と表現しました。

 Q-396:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります<後編;創造力×思考力×ゴール達成 ←〇〇>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35349531.html

 

 そもそも、人がドキドキやワクワクを感じる根元には、遺伝子や細胞レベルの欲求である“煩悩”があります。例えば「お腹が空いたら、食べたくなる」など。

 Q-363各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

 そんな欲求が思いどおりにならないことから生じる苦しみや悩みのことを、釈迦は「苦」と表現しました。その代表である「四苦」とは、「生」「老」「病」「死」のこと。それは誰もが経験する物理空間上の“さだめ”といえます。

 L-03320204月シークレット… -02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html

 

 しかしながら、「四苦」を含む「苦」そのものも、そう認識しているだけの幻想に過ぎません。恐怖や不安、苦しみや悩み、そして不幸までも、すべて幻想。各人の記憶が織りなす幻想です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

それら「苦」の理由をすべて吟味してみて、いずれも幻想でしかないとわかったなら、もうワクワクを重ねて幸せになるしかありません。

 なぜなら、「幸せではない」という理由自体がないから。

 L-03620204月シークレットレクチャー -05;「四苦」を超越する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html

 

 だから“煩悩”を捨てよう と言いたいわけではありません。

 

確かに、煩悩を捨てていき、すべてが幻想であると理解したなら、心穏やかに生きていけるでしょう。しかし、人が本当に煩悩を捨て去ったなら、人類は滅亡してしまいます。食欲を捨てたら餓死するし、性欲を捨てたなら命の連鎖が途絶えます。

 

 大切なのは“煩悩”を制御すること。「ゴールを達成している自分」にふさわしいように、しっかりとコントロールすることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 具体的には、再度認識することで現れる世界の「仮」の姿を観察します。これを「仮観」といいます。例えば、半分くらい水が入ったコップを見たとき、「水が半分しか/半分も」といったことではなく、「水を飲むもの」と認識します。その機能や役割を見るということです。

すると、同じコップに「花を挿すもの」という別の仮の役割を持たせることもできるようになります。

 F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

 このように世の中のすべてを「空」と理解した上で、あえて「役割を持たされた仮の存在」と見るのが「仮観」です。

 

 すべてを「空」だと知った上で、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていく

 

 そうすると、結局のところ、この世の中に何一つ役割のないものは存在しないということがわかります。この境地が「中観」。「中観」が現代版の悟りです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

苫米地式コーチングは、もちろん、中観。さらなるゴール設定(=「空」の境地)とゴール達成(=「仮」の実践)に、夢中になりながら取り組み続けることがコーチングです

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 私にとっての幸せとは、その「夢中」のこと。

ゴールの世界(=ゴール側のComfort Zone)の体感と、その体感を現実化するための“挑戦”そのものが「幸せ」です。

F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

 

 最後に、「『幸せ』を今すぐ体感するワーク」を紹介します。そのワークとは、前回の研修でも紹介した「ラベリング」↓

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 ラベリングの「T」とは、「自分のゴールに関係のあること」。

 ゴール(未来)側から貼るラベルがすべてが「T」になったとき、目の前のすべてが「幸せ」につながる重要な縁起に感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 常にラベリングを行いながら、「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」を存分に楽しんでください。

 

 

 以上が当日の研修内容です(ブログ用にリライトしました)。

 次回はいただいた御質問・御意見に回答いたします。

 

L-201につづく)

 

 

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-追記-

 苫米地式コーチングは、もちろん、中観。さらなるゴール設定(=「空」の境地)とゴール達成(=「仮」の実践)に、夢中になりながら取り組み続けることがコーチングです

 

 その「夢中」の間、ドーパミンがあふれます。その状態は「ドーパミン依存」ともいえますが、前回(L-199)確認したとおり、依存自体は「悪」ではありません↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36354942.html

 

 苫米地博士は、むしろゴールの世界(=ゴール側のComfort Zone)に対して依存することを勧められています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

キーワードは「より鋭く、より細やかに」。詳しくはこちらの動画でどうぞ↓

【苫米地英人×山﨑拓巳】スペシャル対談④:過去はまったく関係ないと言い切る!

 

 

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-関連記事-

F-082~:ダメ。ゼッタイ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_352303.html

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

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L-188202206月医療・介護研修会 -11;臨場感を高めるための一工夫

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35688489.html

 

 

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F-384:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.4(最終話);役割/責任「Intentionality」>

 

 最近、精神科医として働く後輩から、「ロバート・メーガーの『3つの質問』」を教えてもらいました。時空を超えた情報空間で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 ロバート・メーガー(Robert F. Mager)は米国の教育工学研究者。授業設計(授業計画)のシステム的なアプローチが盛んに議論された頃、「3つの質問」を提唱したそうです。

その質問とは

 

 Where am I going

私はどこに行くのか

 How do I know when I get there

私はそこにたどり着いたことをどうやって知るのか

 How do I get there

  私はどうやってそこへ行くのか

 

 後輩からのありがたい教えを縁に、コーチとして考えたことをまとめます。

 

 vol.1induction「すべてが情報である」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36045078.html

 vol.2;知識「無限の『there』」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36094263.html

 vol.3;重要性「『there』を生みだす」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36142269.html

 vol.4;役割/責任「Intentionality

 

 

自分(w1)を構成する記憶を吟味し、受け入れるかどうか再度判断し、新しい自分(w2)をゴール側からつくりあげていく

 

その積み重ねにより、まったく新しい「there」を生みだすことができます。それは新たな縁起宇宙の創造です。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 大切なのは「可能世界としての『there』は無限に存在していて、すべて自分のマインド次第である」と理解し実践し続けること。

それが「内部表現を自らの手に取り戻す」こと。ひと言でいうと「脱洗脳」です。

 F-378:学びと破門で脅しをかける <vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

 「内部表現を自らの手に取り戻す」「脱洗脳」を別の表現で言い換えると「空観」。「空(くう)」とわかった上で「可能世界としての『there』」を生みだすことが「仮観」。

 そして、その「空」と「仮」をバランスよく行う境地が「中観」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 ところが、空を維持し、中観を実践し続けることは簡単ではありません。なぜ?

 

 

 答えは、ひとたびゴールを設定すると、ゴール達成、すなわち抽象度が下がる方向ばかりに気が向いて、「空」を忘れてしまうから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 このシリーズ初回(F-381/vol.1)の内容に沿っていうと、それは「抽象度という軸を見失い、宇宙を“正しく”観察できない状態」「生命現象について“立体的”に観察できない状態」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 さらに釈迦の言葉で言い直すと、「指ばかりを見て、指さす先を見失った状態」。

 

 以下、苫米地博士の著書「人はなぜ、宗教にハマるのか?」(フォレスト出版、p175)より引用します。

 

 

釈迦が死ぬ前に出した2つの注文

 釈迦は、毒キノコを食べる数ヶ月前に、「私はそろそろ死ぬぞ」と、死を予言しています。

 それを聴いた弟子たちは、どうしたものかと大騒ぎになります。弟子たちは教えを伝える方法として、釈迦の言葉をすべて文章にまとめて遺し、釈迦の死後はそれを読んで聞かせるのがいいのではないかと提案します。

 それが、いまに伝わるお経です。

 釈迦は、それを了承しますが、そのときに2つ注文をつけています。

 弟子たちは、当時でも古語であったサンスクリット語の文語で記述し、あいまい性をできるだけ低くすることを提案していましたが、釈迦はそれを却下し、「口語で、いまのように語って伝えなさい」といいます。それで口語で釈迦の言葉が伝えられます。

 釈迦はマガダ語をしゃべっていたと推測されますが、インドでは滅んだ言語なので、現在には伝わっていません。一方、南インドの方言のパーリ語での経典は現在にも伝わっています。パーリ語は、インド南部、スリランカなどに受け継がれた言葉です。

 対するサンスクリット語は、礼拝用の厳格な言語ですが、文法的に複雑で、それが理解できるのはカースト上位の出身者たちだけです。そこで、ひとつ目の注文として、自分の教えが誰にでもわかるように、生きた言葉で語って伝えるようにしなさい、としたのです。

 2つ目の注文は、「私は君たちに教えを伝えることによって、悟りの世界を指している。しかし、お経をどんなに遺しても、それは私の指しか見ていないことになる。私の指ではなく、私の指すところを見なさい。それが悟りの世界だ」ということです。つまり、指をいくら正確に記述しても、指すところを見なければ何にもならない、と教えたわけです。

 ところが、いつの間にか仏教は、こうした釈迦の意図を離れてしまいました。経典は、サンスクリット語で現代に伝えられています。また、釈迦が指すところを見るのではなく、指そのものの中のどれがいいかを信者は競い、たとえば、どのお経がより優れているかを論争したり、単にお経を唱えたりする宗教に変わってしまいました。

 引用終わり

 

 

 指をいくら正確に記述しても、指すところを見なければ何にもならない

 

 釈迦の悟りとは、「縁起」のことです。縁起とは、「すべての存在は関係で成り立っている」ということであり、「関係が存在を生みだす」と見る概念。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 前々回(F-382/vol.2)言及した「ニュートン/カント的な決定論的世界観」の根底には、「存在が関係を生みだす」という見方があります。それは釈迦が見いだした縁起とは正反対。

 L-03120203月シークレットレクチャー -09;縁起的解決の先に広がる世界

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26219480.html

 

現代の数学や物理学、そして哲学において、「存在の確定性はない」ことは証明されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

それは「関係があって存在が生まれる」という釈迦の縁起の思想が正しいことを示しています。

L-133202111月シークレット… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

 ただし、縁起ばかりにこだわると本質を見失います。それが「指をいくら正確に記述しても、指すところを見なければ何にもならない」の意味。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 大乗仏教の立場では、縁起はあくまでも「」。縁起とは、「空(くう)を」説明するための説明原理」であり、「空を体感するための哲学」にすぎません。

大切なのは、その縁起を使って「指すところ」を見続けること。それが今回のキーワードである「there」。そして、それはゴール設定で自ら生みだし続ける「高次の抽象度空間にひろがる潜在的な縁起」のことです。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

とても重要なことなので繰り返しますが、ひとたびゴールを設定すると、ゴール達成、すなわち抽象度が下がる方向ばかりに気が向いて、「空」を忘れてしまいがち。それが「指ばかりを見て、指さす先を見失った状態」。だから

 Q-408BSをゼロベースで観察することが困難な中vol.2;〇〇を感じ取る力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 

「さらなるゴール」を思い続ける

 

その鍵となるのが「意図性(intentionality」です。

 

 

「意図性(intentionality)」とは、「次に何をするか」という将来に対する自身の意図のこと。それは行動だけでなく、思考(=情報空間での行動)も含みます。

「意図性(intentionality)」が、“自分”という存在のオリジナルを決め、その存在の意義を決めます。シンプルにいうと、「なぜ存在するのか?」「なぜ生きるのか?」への答えが自分(=宇宙)を決定します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

私は「意図性(intentionality)」が不明瞭なままなのであれば、むしろコーチングを受けない方がいいと思っています↓

Q-333:「記憶が抜ける」ようなvol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

 

 なので、コーチングを希望する方に、私はこのような自問を勧めます。

 Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html

 

 

私は自分の意図をしっかり把握しているか?

どんな人生を送りたいのか?

どんな人間になりたいか?

どんな社会や未来を実現したいのか?

 

 

そのような問いを凝縮したのが、メーガーの「Where am I going」。

後輩からのありがたい教えを縁に、私は「意図性(intentionality)」の重要性をあらためて体感しました。

 Q-377:同じ抽象度で最適化されたゴールのような気がします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34573983.html

 

 

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F-375:俺にかかってこい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35750566.html

L-06420209月シークレットレクチャー -04物理=カオス=「仮」と「空」を包摂するもの

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28518141.html

L-134202111月シークレットレクチャー -03;抽象度が上がる →自由 →ますます“いい状態(well-being)”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33037872.html

Q-339~「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html

 

 

人はなぜ、宗教にハマるのか?

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Q-416:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.6(最終回);人生に“転び”はない>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36079057.html

 vol.4;〇〇-感情-怒り

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36114843.html

 vol.5;条件・娯楽・目的

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36129192.html

 vol.6;人生に“転び”はない

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A6:これまで「怒り」について考察を重ねました。

「怒り」を理解するためには、「怒り」のレベルだけで考えてはいけません。一段引き上げ「感情(情動)」という抽象度で考えると、スコトーマが外れやすくなります。さらに引き上げて「思考」という抽象度で再考すると、ますますスコトーマが外れていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ところで、コーチの役割は“答え”を与えることではありません。コーチの役割とは「”答え“を自ら見つけるためのマインドの使い方を伝授する」こと。

 Q-275現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.5;苫米地式「汗の如し」-後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29377330.html

 

つまり、コーチングは悩み事相談ではない!

 もしも悩み事相談になってしまったら、クライアントがスコトーマを外すことは難しくなるでしょう。抽象度が上がりにくくなるから。

 Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

 コーチの役割は「マインドの使い方を教え、自らスコトーマを外せるようにサポートする」こと。ここでのポイントは、「『スコトーマを外す』は『問題を解決する』ことではない」ということ。

 

もちろん、問題解決も後押ししますが、本当の目的は「気がついていない問題の発見」です。

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるvol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 では、どうやったら「今までまったく気がついていなかった真の問題」を感じられるようになるのでしょうか?

 

そう、答えは「抽象度を上げる」。

 

 

 抽象度を上げることができて、そこから内省的に吟味ができれば、勝手に自己の制約の中における

 

 

 これは「脳と心の洗い方 『なりたい自分』になれるプライミングの技術」(フォレスト出版、p180中の苫米地博士の言葉。

 

 

脳と心の洗い方

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勝手に自己の制約の中における」のは抽象度のコントロールができるからですが、抽象度がコントロールできると「怒り」のコントロールもできるようになります。

 (詳しくはこちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33640525.html

 

抽象度をコントロールするとは、「目の前の世界をよりクリアに感じる」ということであり、同時に「“自分”についてより深く理解する」ということでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

 さて、これまでの回答を読みながら、御質問が抱えている潜在的課題(case)に気がついたでしょうか?

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

  

 もしもYesなら、過去の言動についてネガティブな評価を行うのではなく、新たな気づきを得た自分が創造する未来(I)とその未来を確信すること(V)に気を向けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

その確信がエフィカシー(Efficacy)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そして、もちろん、その第一歩がゴール設定です。今すぐゴール設定を!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、苫米地博士の著書「すごい私になれる魔法の名言」(主婦と生活社、p91)より引用します。「抽象度をコントロールする」こと、そして「スコトーマを外す」ことを意識に上げながら読み進めてください。Feel

 

 

「七転び八起き」を額面どおりにとってはいけない

 何度失敗してもくじけるな、といいますが、この世に失敗などありません! すべてが成功なのです

 

 「七転び八起き」や「失敗は成功のもと」など、いわゆる名言の中には“人生には失敗ありき”が基本となっているものが多いようです。

 しかし、本当に人生はそんなに失敗だらけなのでしょうか?

 例えば、あの失敗、あの挫折があったから今の成功があるという話をよく成功者たちはします。こういう逸話を“失敗したってリカバリーすればいいんだ”ととらえる人がいますが、そういう考え方をしていると、いつまでたっても成功者にはなれません。

 成功者が言いたいのは、他人には失敗に見えたけど、自分には成功に見えた、あるいは成功するためのきっかけが見えたといっているのです。多くの人はそこを大きく勘違いしています。

 ひと言で言えば、成功者にとって失敗など何ひとつありませんし、だから、成功するのです。成功は成功を積み重ねていかないと成功になりません。逆に、失敗は失敗を積み重ねるから失敗になるのです。

 ですから、「七転び八起き」を額面どおりにとってはいけません。これは成功者が聴衆の前で自分の人生を披露する際に、よりドラマチックにするためのテクニックです。こういう類いの話をするときの成功者は七転びしたフリをして、話を面白くしているのです。また、これが自然にできるから成功するともいえるでしょう。

 みなさんが名言だと思っていた「七転び八起き」ですが、本当は他人を喜ばせ、同時に自分のゴールへの臨場感を高めるための手法だったのです。極論すれば自分の成功談を語るときの起承転結のテクニックといってもいいくらいです。もちろん、これは悪いことではありません。なぜなら、これがエンターテイメントの基本だからです。

 問題なのは、単なる成功談のテクニックであったはずのものを、本気でよい言葉だと勘違いしてしまうことです。

 例えば、「傷つけば傷つくだけ優しくなれる」は本来、失恋した人にかける言葉がなくて、なんとなくそう言っていただけ。本当にかけるべき言葉は「あなたは全然傷ついてないよ。いい経験したね」なのですが、それを言うと怒る人がいるから、そう言わないだけなのです。すべては言葉のテクニックであり、言葉のアヤだということをどうか理解してください。

 大切なことは「七転び八起き」を額面どおりに受け取るのではなく、この世に失敗などないと、しっかり知ることです。たとえ、自分が思ったとおりにならなかったとしても、それはやり方が違っていたことが発見できたということ。決して失敗ではありません。人生に“転び”はないということを忘れないでください。

 引用終わり

 

 

 この世に失敗などありません! すべてが成功なのです

 

 ゴールがある人にとっては、ゴール(未来)が「因」で現在が「果」。まだゴールを見つけていなくても、「失恋」を縁に「ゴール設定」を模索している人にとっては、すでにゴール(未来)が「因」で現在が「果」です。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

「怒り」を理解しコントロールしたいなら、「怒り」のレベルだけで考えてはいけません。一段引き上げて「感情(情動)」という抽象度で「怒り」を考える、さらに引き上げて「思考」という抽象度で「怒り」を考える ということが重要。

 

では、「思考」からさらに抽象度を上げると?

 

私の答えは「自分」。自我は部分関数であり、自分と宇宙は表裏一体です。よって、「自分」と同じ抽象度に「宇宙」があるといえます。

L-177202203… -10;自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35079795.html

 

その「自分」と「宇宙」の上位概念は「空(くう)」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 空観を体得し、仮観で生きるから、「すべての感情(情動)を娯楽にする」ことができます。コーチらしく言い換えると、「目の前の世界をゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)に書き換える」ことができます。つまり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

  中観で生きよ!

 

 それが私の答え。そして、それは「幸福とうまく付き合う」方法でもあります↓

 F-182:“幸福(well-being)”とは? -7;「中観」によって幸福とうまく付き合う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25489310.html

 

 

最後にもう一度、苫米地博士の言葉を。

 

 あなたは全然傷ついてないよ。いい経験したね

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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-関連記事-

Q-167:自分を苦しめているのは記憶です。過去に苦しめられていることを感じています。コーチングで変化を実感しますか? <プチワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24320549.html

Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

Q-381~:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?

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Q-403~:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430302.html

 

 

すごい私になれる魔法の名言




F-381:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.1induction「すべてが情報である」>

 

 最近、精神科医として働く後輩から、「ロバート・メーガーの『3つの質問』」を教えてもらいました。時空を超えた情報空間で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 ロバート・メーガー(Robert F. Mager)は米国の教育工学研究者。授業設計(授業計画)のシステム的なアプローチが盛んに議論された頃、「3つの質問」を提唱したそうです。

その質問とは

 

 Where am I going

私はどこに行くのか

 How do I know when I get there

私はそこにたどり着いたことをどうやって知るのか

 How do I get there

  私はどうやってそこへ行くのか

 

 後輩によると、1つ目の質問は「ゴール」を確認するためのもの。2つ目は「評価方法」を、3つ目は「教授方法」を確認するために行うのだそう。

つまり、ゴールを明確にし、ゴールへの到達を知る評価を明らかにし、どのように到達するか考える ということ。

 

 後輩からのありがたい教えを縁に、コーチとして考えたことをまとめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 vol.1induction「すべてが情報である」

 

 

 おそらく後輩は、苫米地式コーチングを知らずに「ゴール」という言葉を用いたはずです。我々コーチにとっては、この「ゴール」の使い方はNo

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 メーガーのいう「Where am I going?」とは、抽象度が下がる方向性だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 なぜそう断言できるのかというと、メーガーは教育工学研究者であり、「3つの質問」は教育設計という文脈(ゲシュタルト)の中での概念だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 工学とは、「何らかの役に立つ」ことを目的とするもの。それは抽象度が低い次元に向かう方向性であり、物理次元で具体的に「いかに役立つか」という話。

シンプルにいうと、マネジメントのこと。

だから「評価」を重要視します(How do I know when I get there?)。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの関係と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 メーガーの「there」をコーチングの枠組みでいうなら、「ゴール」ではなく、「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」であるはず。一般的な言い回しで「プロセス空間」と表現するとわかりやすいでしょうか。
 「there」とは、役に立つための、あるいはゴールを実現するための「プロセス空間」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 メーガーが関わる工学に対して、理学は抽象度が上がる方向性です。理論化とは、情報を削ぎ落とし、よりシンプルにしていくもの。アインシュタインの「E=mc2」やコーチングプリンシプルの「I×V=R」のように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 その抽象度が上がる方向性、すなわちさらなる高次元に、本物のゴールがあります。つまり、「これまでの抽象度を超える」というのが、ゴールの重要なポイントである「現状の外」の意味です。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 いずれにせよ、抽象度という軸を見失わずに宇宙を“正しく”観察できることが重要。もちろん、生命現象についても“立体的”に観察し続けることが重要です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 例えば、脳と心、体と心を、別々のものとして認識するのではなく、「脳と心」「体と心」(でひとつ)と認識するように。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 「脳」と「心」は、同じ生命現象の、抽象度の違いに過ぎません。工学(応用・実装化)ならより物理空間(例えば「脳」)の方に、理学(理論化)ならより高次の情報空間(例えば「心」)の方に注視しているだけです。

 F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

 

  宇宙を“正しく”観察し、生命現象を“立体的”に捉える。全抽象度次元で

 

そのためには、苫米地理論の第2世代「超情報場理論」の理解と体得が欠かせません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 そのポイントを一言でいうと、「(すべて)情報」。

 L-09220217月シークレット… -04;わたしたちは共同幻想の中に生きている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558230.html

 

 「情報」を言い換えると、「幻想」。宇宙はすべて情報でできていて、私たちが“リアル”だと思っている物理的現実世界、つまり目の前の世界はすべて幻想です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 その「幻想」の正体が「情報」。五感+言語という6つのモーダルチャンネル(情報入力経路)からの情報が、まずは神経を通して脳に伝えられます。そして、脳が「情報」を認識し、それをもとにまた「情報」を作りだします。だから、情報であり、幻想。

 Q-370:共感覚がなかなかvol.2;「共感覚」実践の前に確認しておくべきこと>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34082930.html

 

 「この世界はすべて情報でできている」「目の前の世界はすべて幻想」ということは、「イメージと臨場感さえあれば、リアリティは合成できる」ということです。それが「I×V=R」。

 Q-042~:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html

 

 イメージと臨場感さえあれば、リアリティは合成できる

 

 臨場感は情報と自分の記憶が結びつくことで生まれます。その情報と記憶の関連性を無作為に組み合わせていくことが思考です。

よって、思考が臨場感を生みだすといえます。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 では、思考のために絶対に欠かせないものは?

 

 以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(CYZOMonthly Dr.Tomabechi’s Column1月』」より引用します。

 

 

1月:仏教の中観思想を使うと人生が楽しくなる

 私たちが見ている物理宇宙もその外側とも言える情報宇宙も、その構成要素は「情報」です。その「情報」を構成しているのは生命素粒子です。「情報」の本質は空であり、一切万物が自分も含めて「空」でしかないと見抜くことが「空観」のポイントです。

 しかしすべてが空であると、容易にポアの思想につながってしまいます。オウム真理教というカルト集団が殺人を正当化した論理です。

 例えば、あなたが映画を観に行ったとします。そうすると隣のカップルの男が大きな音を立ててポップコーンを食べながら、ぺちゃくちゃしゃべっていました。あなたは映画に集中できません。そこで、この男を殺そうと決めます。どうせ「空」でしかない存在を殺しても問題ないですし、もし輪廻転生を信じるならば、十分に苦しめて殺した方が、輪廻転生したときにその男の罪が軽くなると考えます。これが空観の行き着く先です。

 しかし、あなたが殺そうと思って隣に座る男を凝視すると、彼はデートを成功させようと、必死で女の子のご機嫌を取っていることに気づきます。あなたは映画を楽しもうと思って、映画に「楽しむ」という機能を与えていますが、彼は彼で、映画に「デートを成功させる」という機能を与えているのです。たしかに一切が空ですが、その空なる世界に機能を加えているのはそれぞれの存在です。あなたはあなたで映画に機能を持たせており、彼は彼で映画に機能を持たせています。

 仮の役割を果たすことを仮観といいます。世界に実体は存在しませんが、仮の役割ならあるのです。空なる世界と仮の役割の世界の両方の中庸の視点が中観です。この中観思想を実践して、隣の人が宇宙にどんな機能を果たそうとしているかを考えるようになると、人生はもっと楽しくなります。

 引用終わり

 

 

 「思考のために絶対に欠かせないものは?」という問いに対する私の答えは、「知識」。「ある可能世界(w1)から新たな可能世界(w2)への到達可能性関数」としての知識です。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 そんな知識の代表が「中観思想」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

F-382につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

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Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

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Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

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Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

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Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html

 

新・夢がかってにかなう手帳 2024年度版



 

F-379:学びと破門で脅しをかける ~自由、フェアネス、平和のために~ <vol.3;自由→フェアネス→平和>

 

 私たちは、最初から、すべてから、自由。

 それは無限の可能性を秘めているということですが、多くの人は可能性(可能世界)を感じることができません。スコトーマがあるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だから、スコトーマを外し「無限の可能性(可能世界)」を感じるために、偏見を捨て去る必要があります。その偏見の代表が差別意識。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 現代社会において、差別意識はますます強くなっています。その象徴が「世襲」です。

 (詳しくは「F-377/vol.1」で。こちらからどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35845452.html

 

 

「世襲」を突き詰めると、それは「情報空間(情報場)を受け継ぐ」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

  今まで続けてきたというだけの慣習

  時代の変化に取り残された習慣

  やめたらいけないような感じがするだけの仕事

なぜやっているのかわからない作業

なんとなくやっていることすべて

 

 それらはすべて過去であり、「世襲」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

さらにいうと、そんな現実(=過去)は“本当の自分”ではありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

  

 だから、「世襲」空間から抜けだすこと、すなわち“脱洗脳”が重要!

 (「洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう究極の脱洗脳法」は「F-378/vol.2」で↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

 “脱洗脳”の方法として苫米地博士が教えてくださっているのが、

 

自分で自分の脳を自分のゴールに洗脳する

 

 その「自分のゴールに洗脳」の先には、一体何があるのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 私の最初の答えは「資本主義支配からの脱出」です。それは「お金」という現代版最強煩悩の克服。

 Q-383~:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429499.html

 

 それこそが今を生きる私たちに必須の「自由」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳を解けば、人生はすべてうまくいく」(日本文芸社、p187)より引用します。

 

 

生権力の入り込む隙間のないバーチャルな世界

 生権力(バイオパワー)のことは既にPART1で書きました。資本主義そのものが「パノプティコン」を持っています。つまり、お金そのものが看守が塔の上から監視しているかもしれないという本質的な生権力を持っているといえるのです。

 誰もがお金持ちになりたいという気持ちを持っていますから、その煩悩をたきつけるだけで、資本主義の理想的な奴隷になってくれるからです。

 そのとき、その人は誰かに頭を押さえつけられたという感覚も、脅されたという感覚も持ちません。むしろ積極的に権力に従ってしまいます。奴隷に、奴隷であることを気づかせない、最も恐ろしい生権力であるということがいえます。

 

 ところが、その強大な資本主義のお金という権力に取り付かれた煩悩だらけの人間がバーチャルな情報空間で、情報通貨を使用するようになると、一瞬にしてその権力が失われることになります。なぜなら、その情報空間には生権力が入り込む隙間がないはずだからです。

 サンフランシスコに本社を置くリンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」というバーチャルな世界があります。そこでは、リンデンドルという仮想通貨を使って土地に投資したり、ギャンブルを行うことができます。

 儲けると現実通貨に換金するリアルマネートレーディングが公認されており、アメリカのドルとの交換レートは2009年末で、1ドルに対して262リンデンドルでした。

 

 しかし、煩悩だらけの人間がセカンドライフで得た地位や財産を現実のお金に代えるためにこの世の物理空間に出てきたとたんに、その人は資本主義の支配者たちの奴隷に戻ってしまいます。

 私はセカンドライフの成功を眺めながら「この世に出てくるなよ。あの世の人はあの世で成功するしかない。この世にくるな」と心の中で叫んでいました。それでも現実には、私の願いは叶えられませんでした。

 今や、資本主義を代表する支配者たちが本当に恐れる世界は、マイクロソフトやグーグル、ヤフーなどのアメリカの新産業から生まれ、直感的にその世界に可能性を見いだしたユーザーがつくり出したバーチャルな世界にあるのです

 物理空間に財産をいくら築き上げたとしても、人々の欲望があの世の世界、つまりパソコンの中の情報空間に一斉に向かうとしたら、新しい生権力はヤフーやグーグルなどのプロバイダー空間の中に生まれ、資本主義の支配者の力が及ばない世界に入ってしまうのです。

 

 ちなみに私がジャストシステム基礎研究所の所長を務めていたときに、「ベチユニット」という今でいうデジタルキャッシュを提案しました。

 もちろん、現実の通貨との交換性はありません。実は、私はそれほど遠くない将来にこのベチユニットを復活させたいと考えています。

 引用終わり

 

 

 著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp48)の中で、苫米地博士はこのように書かれています。

 

 そもそもコーチには、最初に「職業とはお金儲けをする手段ではありません」とクライアントに伝える役目があります

 

 これを最初に伝える理由は職業の定義をわかっていない人が多いから。ほとんどの人の無意識には「職業=お金を稼ぐ手段」と刷り込まれています。それこそが洗脳です。

 だから、「職業」と「お金(ファイナンス)」をしっかり切り分けることは、重要な脱洗脳となります。

 F-333:分断緩和のための vol.4;「ワークライフバランス」の落とし穴 <case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33566734.html

 

 ただし、「お金から自由になる」というのは「freedomfrom)」。それはまだ本当の自由とはいえません。

釈迦哲学をベースとする苫米地式における「自由」とは、「自らに由る」こと。その「自」とは、「関数p」のことではなく、「ゴール設定で生みだす世界(w2)」のことです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 よって、「『自分のゴールに洗脳』の先には、一体何があるのでしょう?」に対する2つ目の答えは「『自(自我)』の拡大」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 自我が拡大するほど、「自」と「他」の区別はなくなっていきます。その「無分別」の世界でこそ、本当のフェアネスが実現します。

 Q-099:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか? <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684556.html

 

自我を拡大し、フェアネスを体現する

 

 それがゴールの条件「自分中心を捨て去る」の意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 そして、それは「抽象度を上げる」ことと同義であり、さらには「エントロピーの縮小」と同じ。まとめると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

無分別 =自分中心を捨て去る =抽象度を上げる =エントロピーの縮小

 

 

 この「無分別 = =エントロピーの縮小」が極まった状態が「空(くう)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 すべてが「空」とわかる意識状態だからこそ、シンの平和を思い描くことができ(ゴール設定)、その平和を実現することができる(ゴール達成) はず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 大切なのは「空」がわかった上での「仮」としてのゴール設定&達成

その「空」と「仮」を包摂した視点が「中」です。コーチングのベースにあるものは、この「中観」です

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 苫米地博士が引用文中で語られている「ベチユニット復活」は、もちろん、「中観」。それはすでに実装されており、縁起のつながりを拡大しながら進行中のよう↓

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 自然体で、しかも楽しげでありながら、ますますとてつもないことを成し続けられている苫米地博士の情報場に触れさせていただくことで、私たちはアプリオリ権力ではない本物のリーダーシップを学んでいるはず。

 F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

 無意識から無意識に伝授される「自由、フェアネス、平和のためのリーダーシップ」を。

 

F-380につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 そのとき、その人は誰かに頭を押さえつけられたという感覚も、脅されたという感覚も持ちません。むしろ積極的に権力に従ってしまいます。奴隷に、奴隷であることを気づかせない、最も恐ろしい生権力であるということがいえます

 

 最近、私は、私自身の中に「お金」よりも強い生権力があることに気づきました。それは恐ろしくもあり、一方で素晴らしくもあるバイオパワー(Bio-Power)。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 そのバイオパワーは「『自分のゴールに洗脳』の先には、一体何があるのでしょう?」に対する究極のセルフアンサーだともいえそう。次回、言語化を試みます。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 

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-関連記事-

F-354:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.6(最終回);HealingCoaching the worldw1w2…

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34702391.html

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

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Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html

Q-278:親として何を助言していけば良いのか知りたいと思いました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29631346.html

 

 

洗脳を解けば、人生はすべてうまくいく

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Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html

 

 今回は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について考えていきましょう。

 

 

A2:前回(Q-400)確認したとおり、すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するときの“マインド”とは、前頭前野での豊かな情報処理のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

その前頭前野優位を保つ(戻す)ことがヒーリングであり、前頭前野をフルに活性化してゴールに向かうのがコーチングです。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 それを一言で表すと「中観」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 脳科学的には「ドキドキもワクワクも、脳内物質の多い・少ないの話」です。もしも「大脳辺縁系優位? or 前頭前野優位?」といったことにこだわるのであれば、それは情報空間の底面に意識が囚われている状態だといえます。脳の話だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 情報空間の底面に意識が囚われると、より高次の抽象度次元にひろがる可能性(可能世界)が認識できなくなってしまいます。その状態が「無明」。コーチングでいうと「スコトーマに隠れている」状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 仏教では、すべての存在現象には独立した実体などなく、他のものとの関係性において成り立っていると考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 例えば、無限にひろがる巨大な「網」をイメージしてください。

 無数の網目が集まって網を成していますが、その区切られた一つの「網目」だけを取り出し、それは存在しているといえるでしょうか?

 

 答えはNoです。「網目」という実体はないから。

 

 すべての存在現象は他に依存して、「仮」に現れているだけ。本来は生滅増減もなければ色形の区別もなく、「空」

 そのように宇宙を観るのが「空観」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 そもそも、人がドキドキやワクワクを感じる根元には、遺伝子や細胞レベルの欲求である“煩悩”があります。例えば「お腹が空いたら、食べたくなる」など。

 Q-363各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

 そんな欲求が思いどおりにならないことから生じる苦しみや悩みのことを、釈迦は「苦」と表現しました。その代表である「四苦」とは、「生」「老」「病」「死」のこと。それは誰もが経験する物理空間上の“さだめ”といえます。

 L-03320204月シークレット… -02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html

 

 しかしながら、「四苦」を含む「苦」そのものも、そう認識しているだけの幻想に過ぎません。恐怖や不安、苦しみや悩み、そして不幸までも、すべて幻想です。

 

それら「苦」の理由をすべて吟味してみて、いずれも幻想でしかないとわかったなら、もうワクワクを重ねて幸せになるしかありません。

 なぜなら、「幸せではない」という理由自体がないから。

 L-03620204月シークレットレクチャー -05;「四苦」を超越する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html

 

 だから“煩悩”を捨てよう と言いたいわけではありません。

 

確かに、煩悩を捨てていき、すべてが幻想であると理解したなら、心穏やかに生きていけるでしょう。しかし、人が本当に煩悩を捨て去ったなら、人類は滅亡してしまいます。食欲を捨てたら餓死するし、性欲を捨てたなら命の連鎖が途絶えます。

 

 大切なのは“煩悩”を制御すること。ゴール(w2)を達成している自分(関数p=ブリーフシステム)にふさわしいようにコントロールすることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 具体的には、再度認識することで現れる世界の「仮」の姿を観察します。これを「仮観」といいます。例えば、半分くらい水が入ったコップを見たとき、「水が半分しか/半分も」といったことではなく、「水を飲むもの」と認識します。その機能や役割を見るのです。

すると、同じコップに「花を挿すもの」という別の仮の役割を持たせることもできるようになります。

 F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

 このように世の中のすべてを「空」と理解した上で、あえて「役割を持たされた仮の存在」と見るのが「仮観」です。

 

 すべてを「空」だと知った上で、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていく

  

 そうすると、結局のところ、この世の中に何一つ役割のないものは存在しないということがわかります。この考え方が「中観」。

 L-03020203… -0875歳以上では延命治療は不要?<プランサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26197802.html


苫米地式コーチングは中観です。もちろん、ヒーリングも中観。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」に一般的な時間の概念を入れて考えるなら、「中観」という意識状態の体得が先。空観 →仮観 →中観 →ヒーリング&コーチング という順です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳」(PHP研究所、p180)より引用します。

 

 

真の成功のためには、まず「悟りが先」でなくてはいけない

 何となく現状に不幸を感じながら、「ゴール」を設定することができず、したがって何をしたらいいかわからない。行動できない。そもそも、「ゴール」を設定することの重要性を知らないし、「ゴール」を考えるという発想にも慣れていない……

 こういう人は私の本の読者やセミナーの受講者にもよく見かけます。

 これは、日本の教育制度のせいかもしれません。「あなたはシステムの歯車の一部であり、それ以外になってはいけない」という教えがどこかに残っていて、いまだに小学校で「前ならえ」「右向け右」といった軍国主義さながらの訓練をさせるのが日本の教育なのです。

 「ゴール」を持っていない、設定できないという人は、このシステムの犠牲者です。この教育のあり方は変えていかなくてはいけないでしょう。

 とはいえ、この本を読んで大乗仏教的な幸福の意味を知った人ならば、いま現在「ゴール」を持っていないとしても心配はいりません。

 「社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない」のです。そのことに気づいた以上、社会に役立つ「ゴール」を持ち、それに向かって生きていくしか道はなくなるでしょう。

 

 よく、煩悩肯定的な「成功本」の類いでも、ゴールが大切だということは書かれています。

 もちろん、それは正しいのですが、煩悩を肯定している人が「ゴール」を設定すると、そのゴールもまた煩悩まみれになってしまいかねません。

 そんな「ゴール」を目指したところで、また実現したところで、決して真の幸福は手に入れられないでしょう。

 だから、まずは「悟りが先」でなくてはいけないのです。

 「空観」「仮観」「中観」を学び、大乗的な悟りを学んで、自分に嘘をつけない状態になってから「ゴール」を設定する。それは自然に「社会にとって役に立つゴール」になり、自分の真の幸福にもつながるのです。

 引用終わり

 

 

社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない

 

 この気づき(awareness)こそが、真の幸福を手に入れるためのヒーリングとコーチングに欠かせない意識状態である と私は確信しています。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

Q-402につづく)

 

 

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L-181202206月医療・介護研修会 -04;イライラや不幸から自由になるために

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 04;イライラや不幸から自由になるために

 

 

 前回(L-180)は、「physical」「mental」「social」「spiritual」という、抽象度の違う4つの視点を紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

医療(介護)現場では、それら4つの視点で患者(利用者)さんの「苦痛」を考えます。それが「トータル・ペイン(Total Pain)」です。

PM-04-12:次世代型緩和ケアの鍵となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 

全人的苦痛(トータルペイン)

厚生労働省HP>第2回終末期懇談会 資料2-2より引用

終末期医療に関する懇談会 (mhlw.go.jp)

 

 

 「トータル・ペイン(Total Pain)」は、緩和ケア(緩和医療)における重要な概念。緩和ケアとは、「患者とその家族のQOLQuality of Life、生活の質・人生の質)を改善するための取り組み」のことをいいます。

 解決(解消)する領域として4つのカテゴリーが設定され(「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル」)、さらに、その4つを別々に考えるのではなく全体として捉えるために「全人的(トータル)」という概念が用いられています。

 L-00120201… -01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

 この「部分(4つの領域)」と「全体(トータル)」の関係は双方向性。東洋哲学的にいうと「縁起」、西洋哲学では「ゲシュタルト」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。それは「全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまり」のことです。部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「身体的(physical)」「心理・精神的(mental)」「社会的(social)」「スピリチュアル(spiritual)」のそれぞれが独立したひとつのゲシュタルトです。と同時に、それらを包摂した「トータル(total)」という“全体”を構成する“部分”でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

“部分”である「身体的苦痛」「心理的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」はまったく違うもの。その違う概念を「同じ(“全体”の一部)」と認識する力がゲシュタルト能力です。

L-157202201… -01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 

「同じ」と認識できたとき、じつは、抽象度が上がっています。抽象度が上がると「対象の本質をとらえる」ことができるようになり、理解がさらに深まります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 すると、前回(L-180)のサブテーマ「『幻覚』を見破り『付加価値』を生み出す」ことが、より上手くできるようになっていきます。「空観」を体得していくからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「空(くう)」に近づけば近づくほど、人は、イライラから解放され、幸せになることができるようになります。なぜでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書 -禁断の自己改造プログラム」(講談社、開拓社より再版、p58)より引用します。今研修のメインテーマ「みんな疲れて、イライラしている」を克服するための基礎知識を体得してください。Feel

 

 

「いつも幸せな自分」でいるために

 

不幸の原因はすべて自分にある

 あなたは「いまの自分」を不幸だと感じていますか?

 もちろん、「禍福はあざなえる縄の如し」で、幸せなときもあれば、不幸なときもあるでしょう。どちらにしても、少しでも自分は不幸だと感じることがあるのなら、不幸だと思うその原因を突き止めて、自分を変えなくてはなりません。

 本書で目指すのは「常に、圧倒的に幸福でいられる自分」です。「なりたい自分」像は人それぞれであっても、この点だけは万人に共通の夢であるはずです。まず、

 「不幸はどこから来るの?」

 ということから、考えてみましょう。

 といっても、答えは簡単。不幸の裏にはすべて、「自分の失敗」があります。

 世の中には、いろんな悩みを抱えた人がいます。「一流大学に落ちた」「希望の企業に就職できなかった」「仕事の成果があがらず、出世できない」「安月給で暮らしに汲々としている」「恋人にふられた」「子育てがうまくいかない」「忙し過ぎて、自分の時間がない」「人づき合いが苦手で、友達が少なくて孤独だ」「発想が貧困で、平凡な企画しか出てこない」……。でも、どんな不幸ももとを正せば、自分の行動の結果です。

 だからこそ、そこのところをちゃんと自覚している人はよけい切実に、自分を不幸だと感じてしまうのでしょう。

 その点、自分に責任がなければ、気楽なものです。「受験に失敗したのは親のDNAのせい」とか、「医学部に進学できないのは、家が貧乏なせい」「出世しないのは、上司がバカなせい」などと、自分の不幸を人のせいにできれば、ずいぶんと気が楽になります。失敗の責任を自分以外の誰か、または自分が所属する社会とかに転嫁しちゃえば、同じ不幸でも大して苦痛を感じないのです。

 だからといって私は、「自分が不幸になったら、誰かに責任転嫁しましょう」と言いたいのではありません。そんなことをしたら、「自分の人生は他人に操られていい」となってしまいますから、「奴隷の人生」を勧めることになってしまいます。そうではなくて、

 「不幸の原因はすべて自分にあると、潔く認めなさい」

 と進言したいのです。「いつも幸せな自分」でいるためにも、不幸は自分が招いていることを自覚していることが必要だからです。

 そもそも、これから行おうとしているのは内部表現を「不幸な自分」から「幸せな自分」に書き換える作業でもあります。自分の不幸をしっかり認識することが大事なのは言うまでもありません。

 

あなたはなぜ、自分が不幸だと思うのですか?

 不幸の責任は自分にあることを認識したら、次に、どうして自分はその不幸を不幸だと感じるのかを考えてみてください。

 

 誰かと比べて、不幸なのではありませんか?

 社会の価値観と照らし合わせると、不幸なのではありませんか?

 自分が思い描いていた仮想的な自分の成功と比較して、不幸なのではありませんか?

 

 そう、たいていの場合、不幸は相対的なものです。何か物差しがないと、不幸かどうかを認識できません

 逆に言えば、「絶対的な不幸」というのはないのです。

 ならば、自分を何かと比べるのをやめればいい。それだけで不幸感はなくなります。すると、自分は不幸だと悩むこともなくなります。不幸から自由になれるのです。

 それほど簡単な話なのに、自らの不幸を嘆く人のなかには、悩むことをやめずに、自分をやめてしまう人、つまり自殺を選んでしまう人が後を絶ちません。やめるべきものは何か、その選択を誤ってしまうのです。

 なんてことを言うと、「不幸をやめられないから、苦労しているんじゃあないか」という声が聞こえてきそうですが、そうではないでしょう? 1章で、

 「自我は空である。物理的な実体ではなく、情報に過ぎない」

 ことを学んだあなたは、それができることをすでに知っています。不幸は、自分が何かと比較することでつくりだしたものなのだから、その比較対象とした情報を消去すればいいだけです。

 とはいえ、これも前章で述べたように、ホメオスタシスのフィードバックが強すぎて、なかなか不幸をやめられない人も多いと推察します。本章では、「不幸をやめるための考え方」についてお話ししていきましょう。

 最も大切なのは、いまのあなたが当然の如く受け止めている「世の中の価値観」を、根本から疑ってみることです。

 いまの社会は、命も含めて何事にも“偏差値”をつけて、その価値観を多くの人に押し付けています。これはある種、「社会的洗脳」です。どうして、そういう社会になったのかということも含めて理解することで、その洗脳から自らを解き放ってください。

 引用終わり

 

 

 不幸から自由になれる

 

 幸も不幸も、ワクワクもイライラも、すべて自分のマインドが生みだしています。

 

 しあわせは いつも じぶんの こころがきめる です。

 

L-182につづく)

 

 

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426303.html

 

 

新・福音書

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Q-393クライアントが利己的なゴールを設定している場合、ゴールの再設定を促してもよいのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:クライアントが利己的なゴールを設定している場合、ゴールの再設定を促してもよいのでしょうか?

 

A:まずシンプルにお答えすると、私の場合、「ゴールの再設定」はつねに促しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「利己的」かどうかに関係なく です。

イメージとしては「高次の抽象度次元へ志向し続ける」という感じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 結果として、そのようなアティテュード(Attitude)を体得できるようにサポートしています。主に非言語で。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 *「非言語」が重要な理由はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 *「結果として」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

  ところで、「利己的だから再設定する」「利他的だからそのままでいい」という考え方は、解決するべき課題(case)を内包しています。それが何か感じられますか?

 

 ヒントは「抽象度を上げる」。

もうちょっと具体的にいうと、「小乗の悟り」と「大乗の悟り」の違い

 

少しばかり歴史的な話をします。「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)を考えながら、ゆっくりと読み進めてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 釈迦の死後500年くらい経ってから、仏教は上座部仏教と大乗仏教に分かれました。

 上座部仏教は主に南方地域(スリランカ・タイ・カンボジア・ラオス・ミャンマー)に伝わり、大乗仏教はチベットや中国に伝わりました。日本に伝わった仏教は、中国を経由する間に儒教・道教の影響を大きく受けた大乗仏教です。

 PM-05-16~7そもそも教育とは?-7)(人間形成に作用する)すべての精神的影響

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10117071.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10256517.html

 

 上座部仏教は初期の仏教教団の教えを守る集団で、「出家して厳しい戒律を守り、修行を積んではじめて執着を離れ、悟りを開き、『苦』から脱することができる」と説きます。

 

 この教えだと「出家しない人間は救済されない」という結論になりかねません。さらにいうと、視点はあくまでも「私」「自分」「I」のまま。「自」と「他」を明確に分別した意識状態での、「私」「自分」「I」の出家や修行の話です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

そのような「修行したわずかな者しか救われないという考え」を限定された狭量な縁起の解釈と捉え、「小さな乗り物(=小乗)」と批判しながらできあがったのが大乗仏教です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 大乗仏教では「『仏(仏陀)』は生きとし生けるすべてのものを救おうとしている」と考えます。そして「すべてのものが『仏性』を有しており、『悟り』に達する可能性がある」とします。この「可能性を積極的にみる」というのが、大乗仏教が「他者を救う『利他』」を重んじている理由です。

 F-362:自由訳「OODA」 <vol.8;「OODA」というトリガーが引きだすもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35109001.html

 

つまり、自分たちはより多くの人を救う「大きな乗り物(=大乗)」だと考えるのが大乗仏教。それは「I」から「We」へと視点が上昇した、より抽象度の高い意識状態だといえます。

 S-04-22~3:鏡の中の自分に微笑みかける秘訣 -私の体験-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23855064.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23919789.html

 

 その「より抽象度の高い意識状態」が、かつての悟り。

 現代においては、その意識状態はコーチング実践前の境地であり(空観)、ゴール設定を経て(仮観)、空と仮をバランスよく保つことを目指します(中観)。

その中観が現代的な悟りです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳! 『悟りの力』で脳力を全開にする究極メソッド」(PHP研究所、p104)より引用します。コーチング実践者にふさわしい意識状態を体感してください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

自分が関わりを結んでいる人々のために「どれだけ役に立てるか」

 空観、仮観、中観を知ると、「悟り」に対するイメージはずいぶんはっきりしてきたはずです。

 最初にも述べたように、悟りにはいくつものバージョンがあります。

 簡単にいえば、上座部的な悟りは縁起を悟って、この世の「空」を知ることです。大乗仏教では、仮観を知って中観までいってはじめて悟りということになります。

 大乗の悟りは、役割を果たしてはじめて意味があります。空なる自我であっても、機能を果たしているものには意味がある、というのが大乗仏教の中観だからです。

 ですから、大乗的な悟りに至れば、その人は立ち上がって教えを説くでしょう。

 釈迦も、菩提樹の下で悟った後に、立ち上がって悟りを教えはじめました。教えはじめるまでに、「どうせ教えても他人には悟りを理解できない。悟りは自分だけの喜びとしておこう」といったんは考えたものの、現れた梵天に請われて立ち上がった、という伝説も残っています(梵天勧請)。

 梵天様が現れた、というのは釈迦の心の中での葛藤を象徴的に表した話だとしても、釈迦が迷ったことは事実なのでしょう。しかし、最終的に立ち上がって教えはじめた釈迦は、大乗的であったということができます。

 日本の仏教でも、親鸞などは実際に教えを説いて歩き、殺されかかっていますし、やはり殺されかかった日蓮、島流しになった法然なども、社会の中で機能を果たしたからこそ敵に狙われたのでした。

 もちろん、果たすべき役割は単に仏教の教えを説くだけとは限りません。ほかの社会的機能を果たしたとしても、それは大乗の悟りです。

 わかりやすくいうと、まずは小乗の悟り、つまり「縁起」の悟りがあるのが当たり前で、その後に何をするかが重要だという考え方をするのが大乗の悟りだということです。

 何度もいうように、いまは小学生でも悟れる時代です。悟っただけでは偉いとはいえません。

 だからこそ、大乗の悟りが重要なのです。

 「この世界には実体があると思っているけれど、心が生み出している存在にすぎない。それは、縁起の結果である」という小乗の悟りは、小学生のうちに済ませて、そこからはいかに社会の中で役割を果たすか、という大乗に向かうべきです。

 役割を果たすということは、端的にいえば、自分のことだけを考えない、ということでもあります。

 

 自分が関わりを結んでいる人々、他者、あるいは地球全体、宇宙全体のために「どれだけ役に立てるか」を考えていく。

 

 それが大乗的な発想だともいえるでしょう。

 もちろん、これは「自分をないがしろにする」とか「滅私奉公」などというものではありません。

 「縁起」を考えれば自分も世界の一部なのです。自分も気持ちよくて、相手も気持ちいいというのは、至極当然に両立するものなのです。

 ただ、実際には、それにほど遠い大人のほうがはるかに多い。あくまで自分ばかりを主体に考えている人たちです。

 「煩悩」多き人たちともいえるでしょう。

 戦争を起している人はもちろんですが、政治やビジネスの世界にも、「社会のために」と口ではいいながら、自分の煩悩のために生きている人は多いものです。

 彼らの求めるものは、金なり、権力なりに対する煩悩が満たされることだけです。

 こういう人たちは「大乗の悟り」以前の問題で、まずは自分は「空」であることを悟らなくてはいけません。「空」なる自分の煩悩など大したことはない、満足してもいいけれども、満足しなくてもそれはそれでかまわない、と考えられるようにならなくてはいけません。

 

 ただ、私は煩悩を否定せよといっているのではありません。

 ここまでこの本を読んできたあなたにも、煩悩はあるでしょう。

 悟りながらも煩悩は否定せず、いかに望ましい自分を目指していけばいいのか。次の章では、「悟り」を前提として自己実現を図っていく方法について、さらに考えを進めていきたいと思います。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 夢がかなう脳! | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 自分が関わりを結んでいる人々、他者、あるいは地球全体、宇宙全体のために「どれだけ役に立てるか」を考えていく

 

 さて、「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)はクリアになったでしょうか?

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 もしもまだクリアではない場合は、ゴールの基本条件を再確認した後、再度今回引用した苫米地博士の言葉を確認されてください。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

 どうですか?

 「利己的」「利他的」という見方が抱える課題(case)とその解決(plan)はクリアでしょうか?

 

少し秘密をお話しすると、私は「誰もがとてつもなく大きな存在である」と心の底から確信しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 

 そして、その確信(臨場感)をしっかり保ったまま、「関わりを結んでいる人々」と相対しています。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 実際に「今までの自分が小さく感じられた」「自分の中に眠る大きな可能性を感じた」といった感想をよくいただきますが、それは「一人一宇宙」、あるいは「一念三千」といったスケール感が伝わったからでしょう。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 そのときは、「結果としての関数p(=ブリーフシステム)の書き換え」が起こっているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「関数pの書き換え」が起こったとき、「利己的だから再設定する」「利他的だからそのままでいい」という考え方が内包していた課題は、きっと解決しています。

 F-052~:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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F-111:情報が書き換わると現実が変わる vol.2;非言語編

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F-361:自由訳「OODA」 <vol.7;「OODA」の本質とコーチングの真髄>

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34906708.html

 vol.5;コーチとして思う「OODAループ」の正体

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34957491.html

 vol.6;「OODA」とは〇〇〇そのもの ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35009043.html

 vol.7;「OODA」の本質とコーチングの真髄

 

 

 ここまで「OODA」について自由に考察しながら、生命力(vol.5)や超瞑想(vol.6)との関連をまとめてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その間、私が強く感じていたのが自由。自由に「OODA」を考察していたら、自由そのものがクリアになった という感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

考察の仕上げとして、その感覚を言語化します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 まずは苫米地博士の言葉の確認から。以下、「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p105)より引用します。

 

 

苫米地英人、宇宙を語る

 

 

宇宙が教える自由の意味

 これまで、なぜ宇宙が生まれたのか、ということがわからなかったのは、物理学がその“なぜ”を扱う学問ではなかったからです。

 しかし、これからの物理学は、その“なぜ”を扱わないと成り立たないのです。

 大学で量子力学を学ぶときに、最初に習うのが不完全性定理です。すでに説明したように不確定性があるのは観測者がいるからです。

 そして、ビッグバン理論を見てみると、すべて波動方程式で記述されています。その波動方程式は不確定性を前提としたものです。

 では、ビッグバンを観測していたのは誰なのか。そこがつまり、“なぜ”にあたるわけで、それを考えていかなくてはいけないのがこれからの物理学です。

 ただ、この本では、「未来の我々」とすでに答えを出しているのですが。

 

 また、不完全性、不確定性などに基づいた新しい宇宙の見方がわかってくると、物の見方も変わり、私たちは様々な問題への答えを得ることができるようにもなります。

 例えば、“自由とはなにか”。こうした哲学的な問題にも言及することができるようになるのです。

 なぜなら、人の歴史は確定的宇宙論、機械論的宇宙論の中にずっとあったわけで、そこでは答えは見つけられないのです。不完全性、不確定性の獲得は人々にとっては自由意思の獲得の戦いでもありました。

 教会対コペルニクス、といってもいいでしょう。権力を持ったらずっと持ち続けたいし、ビッグバン以降の玉突きのからくりは教会の法王だけが知るものである。

 それを信じさせたい人々、権力者にとっては、時間は過去から未来へ流れるという解釈が嬉しいですし、宇宙は確定的であってほしいのです。

 一方、その考えに縛られてきた人々は常にそれと戦い、自由意思を獲得しようとしてきたのです。

 では、自由意思とは一体どんなものなのでしょう。

 一つは、ランダム性があることです。完全ランダムが完全自由ということですが、残念ながら完全はありません。これまでの話でもわかるように完全はないのです。

 ですから、ランダム性(乱数性)がより高い状態というべきでしょう。

 コーヒーか紅茶を選択するのにコインを振って二者択一するのに、表と裏が完全対称なコインなど存在しません。つまり、乱数性が低い=自由意思性が低い、ということになります。

 しかし、スーパーコンピューターにでもアクセスすれば、より高い乱数性が得られることになり、自由意思性が上がります。

 もう一つが、階層性を利用するということです。

 ランダムとオーダー、無秩序と秩序の間には複雑性のレベルの上がる場所があります。それがカオスの縁(エッジ・オブ・カオス)、つまりカオス状態です。

 例えば、東京タワーからハンカチを落とす場合、その落下はランダムで予測不能です。しかし、そこにある一定の風という要素を加えると、つまり「風」という情報を持つ一つ上の抽象度から見ると、パターンが抽出される可能性がでてきます。

 このように、ある抽象度ではランダムに見えることも、一つ上の抽象度ではランダムでなくなる。

 言い換えれば、その空間よりも上の抽象度の空間に上がれば、下の空間から見るとランダムであるけれども、上の空間では整合的な選択ができるということになり、自由意思が獲得できるということなのです。

 自由とは何かを物理的に定義すると、カオス状態の中にエッジをつくり上げ、そのつくり上げたエッジのパターンに従って選択すること、ということになります。

 ですから、自由に生きていきたいのなら、今より抽象度を上げ、高い視点から俯瞰的に世界を見ればいいのです。

 引用終わり

 

 

 苫米地博士がまず取り上げられているのが「不完全性」「不確定性」。それらに基づいて「OObserve」し、そこから「OOrient」することの重要性を説かれています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 ここでいう「OOrient」とは、「カオスの縁(エッジ・オブ・カオス)」から、さらに高次の抽象度次元に上がること。その上で「高い視点から俯瞰的に世界を見る」という「OObserve」ができることが「自由(意思)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ただし、ここでの「自由」、「OODA」でいうと前半の「OO」はシンの自由ではありません。博士が「自由とは何かを物理的に定義すると」と書かれているとおり、あくまでも情報空間の底面である物理空間にフォーカスした上での自由の定義です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 英語で表記すると「freedom from」。それは「背景に束縛や制約がある」ことを前提とした上での自由。物理空間でいうと、「物理法則(という束縛や制約)」があることを前提とした自由です。

よって、その方向性を釈迦哲学で考えると、「空観」を自由とみることができます。

 

 その「freedom from」という自由に対して、「liberty to」という自由があります。

 

語源でいうと、「free」は古英語の「freo」に由来し、「束縛や拘束がなく、義務を免除された状態」という意味だそう。つまり、「~しなくていい」ということ。

一方、「liberty」はラテン語の「libertas」が語源で、「選択や行動・発言の権利が保障された状態」という意味。こちらは「~していい」ということです。

 

 「OODA」でいうと、(「OO」ができている前提で)選択という「DDecide」を行い、ちゃんと実行「AAct」することが「liberty to」。それは「束縛や制約」が幻だとしっかり理解した上で(空観)、あえて物理法則等の制約を自分で選択すること(仮観)だといえます。抽象度でいうと、下がる方向性です。

 

 この2つ、すなわち「『OO』『freedom from』=空観」と「『DA』『liberty to』=仮観」の2つが同時にできてシンの自由といえるはず。だから、「『OODA』=中観 =自由」と理解することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社から再版)の中で、苫米地博士はこのように書かれています(p176)。

 

 

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 私の考えは、ゲーデルと半分同じ。でも、重要な部分で異なっています。「内部表現宇宙には外側がある」もしくは「理性」を超越できる可能性はある。ただ、ゲーデルが閉じた系の内側にいながら不完全性定理を発見できたのは、その外側の神から情報をもらったからではない、そう考えています。不完全性定理は宇宙の基本原則だから、宇宙をメタ(高次元)に思考できれば、発見できて当たり前。メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならないと思うのです。それが、我々の自由意思だと、私は捉えています。

 引用終わり

 

 

 メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならない

 

 これが「OODA」の本質。そして、これがコーチングの真髄です。

 

 

 コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 本物のゴールを見つけるためには、まずは自分という“殻”を抜け出さなければなりません。“殻”とはブリーフシステム(Belief SystemBS)のことであり、これまでの人生で築き上げてきた「」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ところが、BSや「」の外、すなわち「現状の外」にゴールを設定することは簡単ではありません。私自身はコーチの存在なしでは不可能に近いと思っています。

 L-10020218月レクチャー… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 *その理由は↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だからこそ、メタに思考する」ことで「自らが系の外側に出る」!

 

 シンプルに考えると、「OODA」とは「メタ思考」のことです。「OODAメタ思考」の観点でコーチングを考えると

 

系の外側」に飛びだした自由な意識状態で得た「オラクル(Oracle)」をゴールとして、新たな世界(宇宙、w2)を生みだす

 

 これがコーチングであるはず。

 L-142202111…-05;人の成長(人間形成)や進化・向上は情報空間で起こる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

 

 ならば、コーチングを重ねた先には、どのような世界(宇宙)がひろがっているのでしょう?

 

F-362につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

ならば、コーチングを重ねた先には、どのような世界(宇宙)がひろがっているのでしょう?

 

 再度「苫米地英人、宇宙を語る」より引用します(p181)。苫米地博士が語られる「宇宙の美しさ」を感じてください。Feel

 

 

エピローグ

 本書では宇宙を語りましたが、これは、皆さんが目の前の宇宙をほんとうに見られるようにする手助けに過ぎません。

 かつて、釈迦は、悟りについて「私の指ではなく、指が指しているものを観なさい」と語りました。

 「宇宙」や「空」が語られ、理解されても、それらの経や理論が理解されても、指している「そのもの」を圧倒的な体感で観ることができなければなりません。

 同様に「自我」をどんなに徹底的に定義しても -例えば、自分の両親が誰々とか、卒業した学校がどこどことか、職場や、好きな食べ物など、いくらでも定義できます- そのどれもが「自我」そのものではなく、「自我」に関わることに過ぎません。

 「自我」を観ることが「宇宙」を観ることと、本質は同じであるということは、いろいろなところで語ってきたとおりです。

 

 本書を読み終わった皆さんにこれからやってもらうことは、本書を知識の指針として、まずは、その指が指し示す目の前の宇宙「そのもの」をしっかり観てもらうということです。

 更には、自分自身をしっかりと観てください。

 それらを徹底的にやってもらえてはじめて、私が語りたかった「ほんとうの宇宙」が見えてくるはずです。

 そして、宇宙の美しさを共にしっかりと観ましょう。

 引用終わり

 

 

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