苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:抽象度

F-423:微笑み返し <後編;コーチが微笑みとともに伝えること>

 

 医療・介護の現場はとても過酷です。そんな場で働く医療従事者でもあるコーチが、先日、こんな秘密を教えてくれました

 

  怒っている人には優しさで返しています

 

 いつもニコニコされているコーチの話を伺いながら(trigger)、私は過去に経験した看取りを思い出していました(anchor)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 それは70代後半の女性の“人生最期の瞬間”の記憶

 F-421:微笑み返し <前編;ゴールに関係ない感情は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37661867.html

 

 その患者さんの息子への対応中に、私はずっと怒りを感じていました。自身の中の怒りに気づくたびに苫米地式らしく意識に上げていたことが↓

 F-422:微笑み返し <中編;“思考の言語化”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37697198.html

 

私が観察する限りでは、ほとんど全ての人が死をhave toと捉えています。その結果、大脳辺縁系優位になりがちで、言動が情動に支配されがち。もちろん医療従事者においても、多くの人がこの状態(死=have to)に囚われているはずです。

 F-409~:病院嫌い ~最適化の外側で遊べ!~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431576.html

 

 そもそも死をwant toにすることはできるのでしょうか?

 もしもできるというのなら、どのようにすればいいのでしょう?

 

 

 最初(F-421)に紹介した息子にとって、母親の死はhave toでした。それだと死は苦しみのまま。心の中にhave toが潜んでいると、死だけではなく、生きる(生まれる)ことも、老いることも、病気になることも、苦しみとなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 その「生老病死」のことを、ご承知のとおり、仏教では「四苦」と表現します。「老いることは苦しみである。病になることも苦しみである。死ぬことも苦しみである。そして、それらの苦のはじまりとして、そもそもこの世に生まれることが苦しみである」という釈迦の気づき(四門出遊)に由来するのが「四苦=生老病死」です。

 PM-04-06生老病死の四苦とスコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045953.html

 

 その「四苦=生老病死」とは、すべて抽象度0の物理空間上の現象です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前頭葉が発達した人間にとっての宇宙とは、決して物理空間に限定されるものではありません。底面である物理空間のはるか高次元に階層を持ってひろがっている情報空間すべてが宇宙です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 そして、その情報空間すべて=全抽象度次元に生命現象はひろがっています。

 F-381:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.1;「すべてが情報である」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36045078.html

 

 

  生命現象は全抽象度次元にひろがっている

 

 

 抽象度というのは「情報空間における視点の高さ」のこと。上にいくほど(=「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」)、具体的情報量は減っていきます。つまり、シンプルになり、秩序だっていくということ。

反対に、下にいくほど(=「抽象度が下がる」「抽象度を下げる」)、具体的情報量は増えていきます。それは「より複雑になり、混沌・カオス化していく」ということ。人間の身体でいうと、「体→器官系(system)→臓器(専門的には器官/organ)→細胞」という感じです。

L-10420218月シークレットレクチャー -06;「私」とは何? <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31294306.html

 

 私たちは、つい「一人の人間の命はひとつ」と考えてしまいますが、「一」であるはずの体は60兆個をこえるたくさんの細胞の集まりです。その一つひとつが生きているからこそ、全体としての“ひとつの命”が成り立っています。

 

  無数の細胞(部分)が器官を形成し、たくさんの器官が見事に連携しながら“ひとつの命”(全体)を成り立たせている

 

それはゲシュタルトだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そんな“ひとつの命”に関わるのは自らの組織だけではありません。

例えば、腸の中には1003000種類の微生物(主に細菌)が100兆~1000兆個ほど存在するとされています。総重量はなんと1kg以上です。

この腸内細菌の種類や数に私たちの健康状態が左右されることは、すでに科学的に立証されています。さらに最近は、人間の心の状態とこれら腸内細菌との相関まで指摘されています。まさに縁起!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

この「一人の命を構成しているたくさんのいのち」という関係を人類(または地球)と地球上で暮らしている80億人の関係に当てはめると、「人類(または地球)という一つの大きな命(全体)を構成しているたくさんのいのち(部分)」が私たち一人ひとりの命であるといえます。

つまり、私たち一人ひとりはより大きな人類(地球)という生命の一部。縁起のネットワークのひとつの結び目です。

 F-171:アンチからウィズ、そしてウェルへ vol.4-3「死」;well-aging

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24786250.html

 

 

私たち一人ひとりは縁起のネットワークの結び目

 

 

 それが苫米地博士の「自我」の定義。部分関数としての自我です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 例えば、物理空間において“寝たきり状態”で能動的に機能を発揮できないとしても、その姿から誰かが何かを得たなら、それは立派な貢献といえます。その時の貢献は情報的なもので、“認識者”の情報宇宙にひろがっていきます。

 L-03020203… -0875歳以上では延命治療は不要?<プランサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26197802.html

 

よって、どんな状況でも、貢献し続けることは可能!

そもそもすべてが情報です。その情報を私たち人間は臨場感豊かに感じることができます。だからこそ、死後も貢献し続けることができるのです。縁ある誰かが存在し続けるかぎり↓

F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

例えば「死後に献体する」という場合、「献体」という物理空間での行為だけではなく、「『献体』の意思表示が縁ある者に与えた影響」そのものがすでに立派な貢献です。

そこから学んだ何かを誰かが活かし続ける限り、献体を希望した者の貢献は続くことになります。たとえ死後に献体が行われなかったとしても。

F-157:指一本でも役に立ちたい

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

 なぜでしょうか?

 

 そう、すべては双方向の関係性であり、縁起だから。私たち人間の場合、その縁起宇宙(超情報場)にはホメオスタシスが働いています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

物理的には必ず死を迎えますが、情報的には死ぬ(=消滅する)ことはありません。縁によりスコトーマが外れ、縁によりスコトーマに隠れるだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その理(=不生不滅)を理解し体得することが“「四苦」を超越する”こと。そのような意識状態で生きている人が“微笑み返し”を行うたびに、きっと大きな“何か”を伝えることができるはず

 

 「怒っている人には優しさで返しています」というコーチの言葉を縁に、私は、このようなことを考えました。

F-390:“心身の不調”の一考察 <vol.6(最終話);根治的解決法 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36459545.html

 

以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p78)より引用します。「広がりゆく存在の意識」を感じながら、ゆっくりと読み進めてください。Feel

 

 

広がりゆく存在の意識

 仏教とは「縁起の教え」で、縁起をわかるためにいろいろな修行法があるというのが基本だと私は考えています。縁起がわかりにくいので「空」という考え方や、いくつもの修行の方法論が発明されているのです。

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります。帰属意識の話をすでにしましたね。修行によって前頭前野が鍛えられ、思考の抽象度がどんどん上がっていくにつれ、「私」「私の家族」というこぢんまりとした帰属意識は、学校や会社、地域の人、市区町村、都道府県、日本、アジア……どんどん広げていくことができます。その最たるものが、「慈悲の瞑想」として世間で言われている「生きとし生けるもの~」です。

 そして、そうした自分が存在するこの世の中でなんだかんだと役に立つことが大乗の世界、慈悲の世界です。大きな煩悩を認める。その瞬間に前頭前野を使って「私は何をできるか」を考える。その行為を慈悲というのです。

 「他の人のため」の慈悲ですが、大きな慈悲なら、その「他の人」に自分も自然と入ってきます。たとえば、「この世から戦争と飢餓をなくす」ことという私のゴール設定の対象は「全人類」です。そこにはもちろん「私」が含まれているわけです。

 大事なのは、慈悲は必ず行為を伴うということです。行為のない慈悲はあり得ません。自分以外の人に役立つ行為が慈悲なのです。

 引用終わり

 

 

 広がりゆく存在の意識 自分が存在するこの世の中でなんだかんだと役に立つことが大乗の世界、慈悲の世界

 

 私が「怒っている人には優しさで返しています」と話すコーチから感じ取ったのは、この「大乗の世界」「慈悲の世界」の感触。

 F-209:マトリックス/Matrix -04Resurrections;慈悲的人類の進化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27122988.html

 

 その体感をコーチングのフレームに変換すると、「コレクティブ・エフィカシー」です。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんけどvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

  大乗の世界 =慈悲の世界 =コレクティブ・エフィカシー

 

 

 それが高抽象度次元へのアクセスを示す“微笑み”とともにコーチが伝えることだと気づきました。私なりに一言でいうと、“無敵”。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

  

 それは死さえもwant toに変える生命現象“覚醒”の秘訣だと思っています。

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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近未来のブッダ




L-235202209月シークレットレクチャー -10;「真の意味でなりたい自分になる」という決意の次に行うこと

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 06;コーチが黙っているからこそ起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37640576.html

 07;コーチングの実践は実戦

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37651471.html

 08;常識を疑い、奴隷から抜け出す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37675977.html

 09;「真の意味でなりたい自分になる」という決意

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37687612.html

 10;「真の意味でなりたい自分になる」という決意の次に行うこと

 

 

「心から望む可能世界Whを選択した結果として、ゴールにふさわしい自我関数pに変わる(自在)」という自由意思

 

 それが私が思う「欠かすことのできない“心構え”」。一言でいうならば「意図」です。

 Q-377:同じ抽象度で最適化されたゴールのような気がします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34573983.html

 

 「心から望む可能世界Wh」というのは、現在の自我が認識できる抽象度よりも高次の次元にひろがります。それが「現状の外」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そんな高抽象度次元にゴールを設定し実現するためには、当たり前ですが、前頭葉前頭前野をフル活用する必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 そのためには「不安・恐怖 → 大脳辺縁系優位」を防止することが絶対条件。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

大脳辺縁系優位に陥ることなく前頭前野優位を維持し続けるために行うのが、「エモーションコントロール(emotion control)」です↓

 F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

 

 いわゆる“カルト”は恐怖を利用して洗脳を仕掛けてきます。例えば「COVID-19」「mRNAワクチン」といった“茶番”においては、死の恐怖がうまく利用されてしまいました。

(さらには「思いやり」に紐付くような抽象度の高い情動も)

L-173202203月シークレット… -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 

 前頭前野(外側部)を使って論理的に考えることは重要ですが、まともな論理と“カルト”の差を見極めることは簡単ではありません。その見極めのためには「〇〇」が必要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳原論」(春秋社、p152)より引用します。「〇〇」を想像しながら読み進めてください。Feel

 

 

NASAと洗脳

 一九六〇年代以降も、実は、感覚を遮断するだけである程度洗脳ができてしまうという内容の論文が、ひきつづきいくつか発表された。それによると、変性意識状態では被暗示性が高まり洗脳されやすくなるということだけではなく、感覚を遮断される期間を教えないほうが効果があることもわかった。

 「これからあなたを真っ暗な独房に二日間入れ、感覚遮断します」と言って入れるのと、「あなたがどれくらい入っていなくてはならないか、わかりません」と、いきなり投げ込まれる場合では、まったく効果が違う。これはなぜか。

 人間の心理は、ある事象に関して知識がないと、恐怖が生まれる構造になっている。だから、知識のない状態で感覚遮断された環境に置かれると、恐怖心が高まり相手に従いやすくなる、というのがひとつの説明である。約三〇年前、ヘッブの実験ですでに確かめられていたその効果は、オウムの独房修行を行なおうとする信者や、自己啓発セミナーに参加しようとする人々の心理状態にもそのまま当てはまる。

 その後、同様の感覚遮断実験を含めて、無重力状態で意識がどうなるのかという脳機能研究による心理物理実験は、現在でもNASAなどでつづけられている。それは洗脳の実験というわけではないが、そこで得られたデータは人間の無意識ないし非常に意識の深いところに関わる貴重な研究データなので、何らかの形で洗脳者の手に渡って悪用されるようなことがあれば大変危険である。

 しかし現在のところ、米軍は洗脳という技術を積極的に軍事活用しているのではないと思われる。というひとつの理由は、たとえば私が留学していた私立大学は、米軍から予算が多く出ている関係で、いわゆる米軍のエージェントの人たちが通学していて、私のように国籍がアメリカでない留学生と一緒に研究をしていた。加えて学内には、KGBのエージェントも在籍していた。これは私の大学に限ったことでなく、アメリカ社会の体質がオープンなのであって、よい意味でも悪い意味でも開けているのである。そのせいかベルリンの壁崩壊前に一度、学内の研究員に地元CIAから、学内におけるKGBの活動が活発なので、何か不審なことがあったらもよりのCIAに連絡してほしい、という警告書が配られたことがあったくらいだ。

 そういう玉石混淆の学問の世界では、洗脳をあからさまに研究すると、する側もされる側も非常に大きなリスクを負う。最悪の場合される側も命のリスクを負うが、する側も国家的なリスクを負う。

 洗脳分野の研究は、常に最新のテクノロジー、最新の実験結果を利用しなければならない世界である。そういった技術を、われわれ現役の大学にいる人間たちや、アルパネット(Arpanet 現在のインターネット)で繋がっていたわれわれの横のネットワークも含めて、一切知られずにやるというのは不可能なのだ。

 引用終わり

 

 

人間の心理は、事象に関して知識がないと、恐怖が生まれる構造になっている

 

 まともな論理と“カルト”の差を(前頭前野優位を維持したまま)見極めるためには、「知識」が必要です。米国CDCCenters for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)の表現でいうと、それは「文脈情報」のこと。

 F-126:続・クライシスの本質 ~「一斉休校要請」と社会の反応を読み解く~ <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21664055.html

 

文脈情報とは、「関連する知的な情報(のかたまり)」のことです。それを苫米地博士は「ゲシュタルト」と表現されます。つまり

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

  ゲシュタルトなし →恐怖が生まれる →大脳辺縁系優位に陥る

  ゲシュタルトあり →恐怖が鎮まる →前頭前野優位を維持

 

 だから、知識を得て、どんどんゲシュタルト化する。それが「真の意味でなりたい自分になる」という決意をした次に行うこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 そのゲシュタルト化は、ゴール側からの新たな縁起づくりでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

L-236につづく)

 

 

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F-184~:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと

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L-148202111月医療系研修会 -03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

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洗脳原論

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F-422:微笑み返し <中編;“思考の言語化”のために

 

 医療・介護の現場はとても過酷です。そんな場で働く医療従事者でもあるコーチが、先日、こんな秘密を教えてくれました

 

  怒っている人には優しさで返しています

 

 いつもニコニコされているコーチの話を伺いながら(trigger)、私は過去に経験した看取りを思い出していました(anchor)。

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 それは70代後半の女性の“人生最期の瞬間”の記憶

 F-421:微笑み返し <前編;ゴールに関係ない感情は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37661867.html

 

前回(F-421)御紹介したのは、「忍び寄る死の恐怖により“動物的”になってしまった息子」の話。それは人類の進化とは真逆の方向性 抽象度が下がる方向性の変化であり、退化に等しい変化です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

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 母親の最期の瞬間に殴りかかってきた息子に対して、私は激しい怒りを感じました。もっというと、関わっている期間中、ずっと怒りを感じていました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

その怒りをしっかりモニタリングすることに集中しながら、私は、苫米地式にふさわしい対応を続けました。例えば、「怒る条件」を心の中で再確認したりしながら↓

 Q-317:今、逃げましたよね? <中編;怒っていい時の条件>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31628205.html

 

 とくに意識に上げていたのが「丁寧な言葉を使う」こと。それは「怒っている人には優しさで返す」という感覚とも通じるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『怒らない』選択法、『怒る』技術」(東邦出版、p58)より引用します。

 

 

◎正しく怒るためのその1 「丁寧な言葉を使う」

 では、正しく怒るためのファースト・ステップに入りましょう。

 第1章の中頃で、正しく怒るためのファースト・ステップは「百歩譲る」ことだと書きました。

 相手の言葉をよく聞き、よく吟味してから反撃に移ると、勝率はグッと上がります。

 これを可能にするために、とても効率的なのが言語です。ただし、なんでもいいから喋ればいいということではありません。言葉を使うとは思考を言語化することを指します。

 そもそも言語野は脳の中でも大きな領域を占めていますし、運動野で見ても、最も大きいのは唇や舌などを動かす神経系です。言葉を使うこと自体、脳全体を活性化させるにはもってこいです。

 その上、思考を言語化することで、情動優先だった脳を論理的思考へ移行させることも可能になりますので、言語化はとても大切です。

 勘違いしてほしくないのは、推奨しているのはあくまで“思考の言語化”です。「この野郎!」と思ったから「この野郎!」と言うのは、“感情の言語化”でまったく違いますので、誤解しないでください。

 具体的に“思考の言語化”とはなにかというと、相手が汚い言葉、あるいは慇懃無礼な言葉で罵ってきたら、その言葉に反応するのではなく、その言葉を使った人の思考パターンに反応することを言います。たとえば、侮辱の言葉をぶつけられたら「ずいぶん失礼な言葉を選択するんですね、あなたは」や「どういうつもりですか。どんな意図があるんですか?」といった感じです

 実際、あなたの頭の中には、「なぜこの人はこんなことを私にいうんだろう?」という疑問があるはずです。その疑問こそが思考であり、それを言葉にするのが“思考の言語化”になります。

 激しい言葉を浴びせられると、どうしてもその言葉に反応しがちですが、大切なのは、その言葉を選んだ相手の思考パターンのほうです。要は相手の意図をはかることがIQを維持するためのコツです。それさえわかれば、対策を練ることも難しくないですし、もしも、その意図が自分と共有できるものであれば、一緒に改善策を考えることもできます。

 また、言語化する際には“言葉使い”も重要です。あなたが使う言葉は、できる限り丁寧にしてください。汚い言葉使いは、周りの評価も下げますし、なにより自己能力の自己評価であるエフィカシーを下げてしまいます。

 ですから、怒りが高まったら、高まった分だけ、言葉も丁寧にする。それによって、前頭前野はより良い方向に活性化していき、怒りの現場であなたに勝利をもたらすでしょう。

 引用終わり

 

 

具体的に“思考の言語化”とはなにかというと、相手が汚い言葉、あるいは慇懃無礼な言葉で罵ってきたら、その言葉に反応するのではなく、その言葉を使った人の思考パターンに反応することを言います

 

 「なぜこんなことを言うのか?」「なぜこんなことをするのか?」といった問いに対して答え(仮説)を見いだすためには、当然、相手の立場にならないといけません。

そのとき心がけるのは、同調ではなく、共感。

 Q-298:どれくらい相手に共感していいものでしょうか? <理論編;鍵は〇〇〇>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30709381.html

 

 その際のポイントは「抽象度」 「視点を上げる」という感覚です。

 Q-266:臨場感世界をまったく同じように感じることが<後編;視点を上げる>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29135063.html

 

 ところが、医療従事者にとって、老病死(+生で「四苦」)の現場で抽象度を上げることは決して簡単ではありません。何度も何度も死に直面する間にトラウマ化してしまい、「Fight or Flight」へ陥りやすくなるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 ところで、患者さんの死後に行われる「デスカンファレンス」という取り組みをご存じでしょうか?

 

「死に至るまでのケアを振り返り、課題を見つけ(case-side)、解決を探る(plan-side)」というのが主目的ですが、「関わった職員の精神的な負担を軽減し、“燃え尽き(バーンアウト)”を防ぐ」ということも目的としています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 ところが、そんな「デスカンファレンス」自体が、死に関わる医療従事者にとって苦痛になりえるということが指摘されています。

 F-237:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.1;ヒーリングとコーチング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28545704.html

 

 その理由はいろいろ考えられますが、一番の理由は「死がhave toだから」であるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

実際、私が観察する限りでは、看取りの過程で苦痛を感じたり燃え尽きたりする職員は死をhave toと捉えています。その結果、大脳辺縁系優位になりがちで、言動が情動に支配されてしまいがち。多くの医療従事者がこの状態(死=have to)に囚われているはずです。

 F-409~:病院嫌い ~最適化の外側で遊べ!~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431576.html

 

 そもそも死をwant toにすることはできるのでしょうか?

 もしもできるというのなら、どのようにすればいいのでしょう?

 

F-423につづく)

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

S-03-24:苫米地流「正しく怒るための技術」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22076231.html

L-06520209月シークレットレクチャー -05;「生と死の間/ between life and death」に向き合い、「生/life」そのものを磨き上げる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28529789.html

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Q-342~:瞑想をすると思慮深い方向に向かってしまい、エネルギーがなくなってしまう感じがします

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Q-415:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.5;条件・娯楽・目的>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36129192.html

 

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L-234202209月シークレットレクチャー -09;「真の意味でなりたい自分になる」という決意

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 06;コーチが黙っているからこそ起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37640576.html

 07;コーチングの実践は実戦

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37651471.html

 08;常識を疑い、奴隷から抜け出す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37675977.html

 09;「真の意味でなりたい自分になる」という決意

 

 

 「常識」という名の洗脳が恐ろしいのは、私たちの脳の仕組みに原因があります。

 人間の脳には、スコトーマ(盲点)があります

 世の中のすべてのことを見ているのではなく、自分にとって重要度の高いものしか目に見えないようにできているのです。

 

 これは前回引用した苫米地博士の著書「あなたは常識に洗脳されている」(大和書房、p25)中の言葉。

 

 

あなたは常識に洗脳されている

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つい忘れてしまいがちですが、まずは「『必ずスコトーマがある』という事実を意識に上げ続ける」ことが重要。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 次のステップは「スコトーマを消す」です。そのためのワークが「苫米地 思考ノート術」(牧野出版、p116)の中にあります。

 

 

苫米地 思考ノート術

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<ワーク:スコトーマを消す>

①知識を増やす

知識により新たなスコトーマが生じるため、②以下のワークと同時に取り組む

②因果を逆に考える

未来を「因」とし、現在を「果」とする。「時間は未来から過去へと流れる」の体感

③自分の視点を否定する

固定観念に縛られず、今までの見方を否定してみる

④正しいと思っている常識を疑う

自分の中にある過去の記憶にまつわる判断を「本当にそう思ったのか?」と自問する

 

*①以外の3つは「スコトーマをダイナミックにずらして確率を上げる方法」

連続的にワークを行い、大胆にずらすことがポイント。詳しくはこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36911560.html

 

 

 スコトーマがダイナミックにずれると、きっと“めまいのような体感”を感じるはず。

 F-195:新たな概念「PPPD」の考察

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26301730.html

 

 それは「Rゆらぎ」の体感ともいえます。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

そのときに“より高次の抽象度次元”に意識が向いていると、今まではまったく認識できなかったゴールを見つけられます。なぜでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 答えは「抽象度が上がる →新たな認識 →新たな思考 →理解が深まる →ますますスコトーマが外れる」という変化が起こるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 この「理解が深まる」ことが「ゲシュタルト化」です。情報を見て(聴いて)、その情報に意味を持たせ、もっと大きな枠組みで理解をする能力がゲシュタルト能力です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 ゲシュタルト能力は、抽象化能力と同じ。この世の中にある(起こる)一見バラバラなものに隠された法則が認識でき、それらの関連性を見いだすことができると(connect the dots)、新しいゲシュタルトができあがります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

それが理解であり、抽象度が上がるということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 その過程でゴールに向かう足がかりを見つけ(=抽象度が上がる方向性)、同時にゴールを達成する具体的な方法(=抽象度が下がる方向性)を“inventon the way)”していきます。

 F-251:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.8;選択>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29250667.html

 

 私は、これらすべてのプロセスにおいて、欠かすことができない“心構え”があると思っています。コーチングの成否を左右するといっても過言ではない、クライアント自身が獲得すべき“心構え”。それは

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書 -禁断の自己改造プログラム」(講談社、開拓社より再版、p150)より引用します。

 

 

本当に「なりたい自分」になる決意を堅固にしよう

 私たちが目指すのは、社会や他者に洗脳されやすい抽象度の低い状態から抜け出し、同時に自分を束縛する自我から自らを解き放ち、真の意味で「なりたい自分」「叶えたい夢」「実現したい幸せ」を手に入れることです。

 つまり、「奴隷の幸せ」は求めていない-。

 本章で内部表現を書き換えるに当たって、まずその点を再認識しておきましょう。

 私がなぜ、「奴隷になるな、奴隷になるな」としつこく繰り返すか。それは逆説的に言うと、奴隷が一番幸せであることは間違いないからです。

 自分で何も考えずに、社会の思惑通りに生きるなら、それほど簡単なことはありません。社会や他人に操られていればいいわけですから、何も自分で考えなくていいし、何も自分で決定する必要はないし、自分のしたことに対して何ひとつ責任をとることもない。だからお気楽だし、ハッピーなのです。

 元来が怠け者にできている、楽なほうに流れたい人間にとって、これほど強烈な甘い誘惑はありません。そのために、人はついつい「奴隷の幸せ」を求めてしまう、という見方もできます。でも、本書はそこに、

 「それでいいんですか?」

 という一石を投じたい。「いいわけがない」ことは明快過ぎるくらい明快だからです。

 これまで再三お話ししてきたように、奴隷はある意味で社会や他者にだまされた状態のまま、そうとは気づかずに、自分の夢や幸せとはこういうものだと思いこまされているだけです。哲学的に言うなら、単純に、

 「奴隷の幸せは、幸せではない」

 ということです。

 それは「間違った知識は、知識ではない」のと同じ。たとえば、あなたが誰かから携帯の番号を教えてもらったとして、相手が番号を言い間違えたにせよ、自分が聞き間違えたり、メモリに入力し間違えたりしたにせよ、相手の携帯につながらなければ、その番号は知識と言えるでしょうか? 答えは「ノー」です。正しい知識でなければ知識ではないのです。

 同様に、自由な幸せしか幸せとは言えない。よって、「奴隷の幸せ」は幸せではない、ということです。

 賢明なるみなさんは、すでにこの点を理解されていると思いますが、「奴隷の幸せ」というのは「わかっちゃいるけど、やめられない」ほどの魔力を持つもの。そこに引き戻されることのないよう、プロローグで提示した強烈な“脅し”を思い出してください。要は、

 

 「あなたは一生分の後悔に苦しみながら、死の淵をさまよい続けたいですか?」

 

 ということです。甘い誘惑に負けたら、どんな不幸が待っているかをしっかり認識しておくことが、「奴隷の幸せ」に堕してしまいそうになる自分にブレーキをかけるうえでも役立つでしょう。

 ここは腹を括って奴隷の人生からオサラバし、「私は真の意味でなりたい自分になるんだ」という決意をしっかりと固めてください。

 そして前章のトレーニングを積んだら、あなたはもう準備万端。次の「内部表現を書き換える」技術の習得へとステップアップしていくことができます。

 引用終わり

 

 

 「奴隷の幸せ」というのは「わかっちゃいるけど、やめられない」ほどの魔力を持つもの

 

 その「魔力」の正体は、「情報空間に働くホメオスタシス(フィードバック)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ホメオスタシスが「奴隷の幸せ」に働くのは、「奴隷の幸せ」がコンフォートゾーン化しているからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 「奴隷の幸せ」がコンフォートゾーン化するのは、それが動物にとってのデフォルトだから。人間も放っておくと動物に戻ってしまいます↓

 F-420:私、うっちゃいました <後編;デフォルト化した社会を変えるために>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37623972.html

 

 そのようなコンフォートゾーンを抜け出す力の起点となるのが、真の意味でなりたい自分になる」という決意

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 アップデートした苫米地式コーチングのフレームで言い直すと、「心から望む可能世界Whを選択した結果として、ゴールにふさわしい自我関数pに変わる(=自在)」という自由意思

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 それが私が思う「欠かすことのできない“心構え”」。一言でいうならば、「意図」です。

 Q-377:同じ抽象度で最適化されたゴールのような気がします

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34573983.html

 

L-235につづく)

 

 

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-追記-

その過程でゴールに向かう足がかりを見つけ(=抽象度が上がる方向性)、同時にゴールを達成する具体的な方法(=抽象度が下がる方向性)を“inventon the way)”していきます

 

 その思考(意識状態)に欠かせないのが「コンセプチュアル・フロー」。詳しくはこちらでどうぞ↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

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F-072:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.2;わかっちゃいるけどやめられない♪

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F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>

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F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

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F-360:自由訳「OODA」 <vol.6;「OODA」とは〇〇〇そのもの ver.2

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L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

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Q-387~:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429772.html

 

 

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L-233202209月シークレットレクチャー -08;常識を疑い、奴隷から抜け出す

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 06;コーチが黙っているからこそ起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37640576.html

 07;コーチングの実践は実戦

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37651471.html

 08;常識を疑い、奴隷から抜け出す

 

 

  コーチングの実践は実戦

 

 コーチングマインドを持つ者が戦うのは「目には見えない権力構造」であり、その戦いの第一歩が「現状の外へのゴール設定」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ところで、ゴールのポイントを3つ挙げるとしたら何をイメージしますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 基本は「現状の外」「心から望む」「人生のあらゆる領域(バランスホイール)」です。

 L-09920218月シークレットレクチャー -01;ゴールの基本条件

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31136092.html

 

 さらに付け加えるならば、「自分中心を捨て去る」。そのポイントについては、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再販)のStep.6に詳しくまとめられています。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!(Kindle版)

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 「自分中心を捨て去る」というのは、「自分より他人を優先する」「自分のことは後回し」という意味ではなく、「自分の定義を拡大・拡張する」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

それは「自」と「他」を分ける“分別”の意識状態から、「自」と「他」を同じ(あるいは一体)とみる“無分別”の意識状態に変化していくことです。

PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 抽象度が上がるからこそ、スコトーマが外れ、現状の外にゴールを見つけることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

自分中心を捨て去る = 抽象度を上げる

 

 

 これまでの現状の外側にゴールを見つけると、今までずっと「あたりまえ」と思っていたことが当たり前ではなくなっていきます。私の実体験でいうと、あれだけ素晴らしいと思っていた「民、信なくんば立たず」という言葉がとても虚しく感じられるようになりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「あたりまえ」とは、「常識」のことでもあります。コーチングマインドを持つ者が戦う「目には見えない権力構造」のひとつは、「常識」という名のバイオパワーです。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 もちろん「常識」に抗うことは簡単ではありません。なぜなら、人間の脳は“常識以外のものを嫌う”ようにできているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 以下、苫米地博士の著書「あなたは常識に洗脳されている」(大和書房、p25)より引用します。

 

 

◎人間の脳は、常識以外のものを嫌うようにできている

 「常識」という名の洗脳が恐ろしいのは、私たちの脳の仕組みに原因があります。

 人間の脳には、スコトーマ(盲点)があります

 世の中のすべてのことを見ているのではなく、自分にとって重要度の高いものしか目に見えないようにできているのです。

 例えば、あなたがマンションを買おうと思ったとします。そうすると、急にあちこちでマンションの広告が目に付くようになります。

 急にマンションの広告が増えたのではありません。マンションの広告はずっと存在していたのに、まだ買うつもりがなく、興味を持っていなかったので、そこに存在していても目に入ってこなかっただけなのです。

 このような現象を「スコトーマ(盲点)の原理」と言います。

 そして、スコトーマの原理は、「常識」についても同じことが言えます。

 あなたが常識だと思っているものしか目に入ってこないように、脳はできているのです。だから、先ほどの少子化が問題だということも疑ってみることができないのです。

 小さいころに受けた教育、新聞やテレビで言われていることを「常識」だと勘違いしてしまうと、そうでないものに拒絶反応を示すのです。

 例えば、あなたは小さいころから「紙のリサイクルはいいことだ!」と言われてきたのではないでしょうか。地域や学校で、古紙回収をしていたと思います。だから、今「紙は燃えるゴミと一緒に捨てたほうがいい」と言われると、「何を言っているんだ!」と反発します。

 しかしこれは大きな間違いです。紙をリサイクルして再生紙をつくるためには、余計なエネルギーが必要です。紙のリサイクルは、まったく意味がないだけでなく、逆に環境に悪いのです。

 それにもかかわらず、「紙のリサイクルはいいことだ!」という幼い頃からの「常識」に縛られているあなたは、なかなか真実を受け入れられません。

 小さい頃から洗脳された常識は、ずっと私たちの思考を制限するのです。これは、奴隷と同じですよね。

 だから、世の中で言われている常識を疑うことで、奴隷から抜け出すことが大切になってくるのです。

 引用終わり

 

 

 小さい頃から洗脳された常識は、ずっと私たちの思考を制限するのです。これは、奴隷と同じ

 

 だから、「常識」という制約を打ち破り、自由を手に入れる!

 L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 そんな“脱常識=Not Normal”が、コーチング実践者にふさわしいブリーフだといえます。

 F-388:“心身の不調”の一考察 <vol.4;新しいエスティームのfirst step

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36367342.html

 

L-234につづく)

 

 

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F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

F-332:分断緩和のための処方箋 vol.3;「未来のビジョンによる引力の極大化」と「過去からの引力の最小化」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33515591.html

F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

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F-403~:自由訳「守破離」 vol.1

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431319.html

Q-097~:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_376974.html

Q-243~:続・気楽に生きたいのですが~「気楽に生きる」ということ~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418403.html

 

あなたは常識に洗脳されている

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F-420:私、うっちゃいました <後編;デフォルト化した社会を変えるために>

 

 世界を襲った「新型コロナ感染症(COVID-19)」と「mRNAワクチン」という“茶番”から、ずいぶんと時間が経ちました。医療・介護現場では多くの職員が「mRNAワクチン」を接種しています。「思いやりワクチン」などの美辞麗句に覆われた“同調圧力”が強烈に働いたから。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 「本当は嫌だったのに、仕方なく接種した」という人ほど、「mRNAワクチン」の正体を知ると青ざめます。そして、必ずと言っていいほどこう言います

 

  私、うっちゃいました

 

 そんな言葉を聞いたとき、コーチとして思うことをまとめます。

 

 前編;後悔は進化の結果

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37549544.html

 中編;抽象度を上げるための縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37587853.html

 後編;デフォルト化した社会を変えるために

 

 

 私がお会いした巨大な医療法人を率いる医師は、リーダーにふさわしいブリーフを体得しているように感じました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 後悔など無縁で、すぐに新たなゴールを設定し立ち向かっているように思えました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ところが、肝心な「次のmRNAワクチン接種を阻止する」という部分で、強烈なブレーキがかかりました。

 

先生の言いたいことはわかりますけど

長いものに巻かれろじゃないですけど

いろいろと角が立つので

 

そんな言い訳(創造的回避)を生みだすものは何なのでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

4)自分中心を捨て去る」を邪魔する力は何?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076797.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」を体得しているはずの医師は、なぜ急に抽象度が下がったのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 私たちは一体何と戦っているのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34314141.html

 

 

 言い訳を生みだすものは現状(Status Quo)を維持しようとするという力。それは強力なホメオスタシスの働きです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」というのは、抽象度が上がる方向性。苫米地博士がよく用いられている表現でいうと「利他性」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

それを邪魔する力は、当然、抽象度を下げる方向に働きます。その低抽象度へ向かう力のことを、仏教では「煩悩」と表現します。「利他性」に対しては「利己性」です。

その「煩悩」「利己性」は自我によって表面化します。

Q-363各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

 下記ブログ記事で取り上げましたが、最近、苫米地博士は「煩悩か 芸術か」というタイトルの文章をブログとXに投稿されました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37518824.html

 

 その後、さらにXにこのような投稿をされています(2025103日)。

 

 

DrT X(251003:動物のデフォルトは利己的)

https://x.com/DrTomabechi/status/1973811683836768467

 

 

動物のデフォルトは利己的。人間も放っておくとデフォルトに。教育の重要側面は利他性の取得。でもお金や権力ですぐ動物に戻りたがる

 

 この「お金や権力」への渇望が現代的な煩悩の代表。こんなにも人が傷つき死んでいるというのに、いまだに「mRNAワクチン」が続いている最大の要因でしょう。

 F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 

 私が面会した医師は、間違いなく「4)自分中心を捨て去る」を体得していました。なのに急に抽象度が下がったのは、アプリオリ権力を受け継いだ“世襲”であることが大きく影響しているはず。

 F-378:学びと破門で脅しをかける <vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

アプリオリリーダー(の無意識)は、特定のアプリオリ権力の利益(既得権益)を優先することになります。端的にいうと、お金と権力の維持。それは「これまでのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)を守り抜く」ということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 個人レベルでいかに「4)自分中心を捨て去る」を心がけていても、強力なCZの呪縛がジワジワと抽象度を引きずりおろします。それは

 Q-195:コーチングはマインドを… Vol.4;脳の呪縛を解き放つ(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25645972.html

 

  今だけ 金だけ 自分だけ という「デフォルト」。

 

 

そんなデフォルト化した社会を変えるために

 

私たちは何をするべきなのでしょう?

何と戦えばいいのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「日本転生 絶体絶命の国の変え方」(TAC出版、p62)より引用します。

 

 

すべてが金を基準に動く国にしない

 今後、世襲を認める国はつぶれていきます。その代表は日本……と思ったかもしれませんが、いちばんはアメリカです。

 お金と権力の世襲を徹底的に肯定しているのがいまのアメリカです。

 たとえば、アメリカの建国と父として知られるピルグリム・ファーザーズ(巡礼始祖)の子孫がいまだにアメリカでは名士です。これは実際に私が中学生時代、アメリカ在学中に実体験しています。同級生の一人がピルグリム・ファーザーズの子孫というだけで学校では大きな顔ができていたのです。家も高級住宅街の一等地で裕福な暮らしをしていました。

 ピルグリム・ファーザーズたちがメイフラワー号に乗ってイギリスからアメリカに渡ってきたのは1620年のことです。いまのアメリカの礎を築いた彼らは先行者利益を独占し、いまでも栄えているのです。

 有名なロックフェラー家もそうです。ロックフェラー家はずっとアメリカを支配してきたファミリーで、次の大統領を誰にするのかを裏から操ってきたような一族です。ロックフェラー家が認め、ロックフェラー家が資金を提供しなければアメリカで大統領になるのはむずかしいのです。

 しかし、そんな彼らも遺産相続となるとそれなりに頭を悩ませていました。私が三菱地所時代にロックフェラーセンター買収に関わっていたことはいろんなところでお話ししてきました。その当時、私はデイビッド・ロックフェラー氏とはちょっとしたお茶飲み友達でした。そのお茶飲み話でデイビッドが話してくれた印象深い話はロックフェラーセンターを売却する理由です。それは孫たちのためでした。「私には孫やひ孫が何十人もいて、彼らに遺産相続するために、いまキャッシュが必要なんだ」というものです。

 当時、“世界皇帝”とも呼ばれたアメリカの陰の王様ロックフェラー家の当主でさえ、子孫に財産を残すことをあれこれ考えていたのです。

 

 ロックフェラー家がここまで台頭していなかった時代はピルグリム・ファーザーズがアメリカの伝統として富と権力を世襲として握っていました。

 いい悪いは別にして、彼らは国をつくったパイオニアたちです。そこには彼らなりの自負と責任があったのです。そういったものを財産と同時に世襲していったのがピルグリム・ファーザーズたちだったと言っていいでしょう。彼らによって民主主義は世界で最も進化し、そこに自負と自信を持っていた時代がアメリカにはあったのです。

 

 ところが、いまのアメリカはどうでしょうか?

 各地で拡大させていた戦争から手を引くのはいいとしても、引き方があまりにもひどいでしょう。アフガニスタンからの撤退では現地にアメリカの協力者を置き去りにするだけでなく、アメリカ人すら残してきてしまいました。これは国家的な見殺しと言っても過言ではないでしょう。

 ウクライナ戦争でもリベラルの大統領が「米軍は動かない」と発言してロシアの侵攻を結果的に誘発してしまいました。

かつて民主主義の守護者として世界に君臨していた国とは思えない、自分勝手な行動が目立つようになっているのです。

 

 私は世襲をまったく認めません。しかし、それは世襲が持つ利点も理解したうえでの「認めない」という意味です。世襲が持つ利点は、代々その家が持っていた社会に対する責任です。その責任を伝えていくために財産と権力をセットにしたのが本来の世襲というシステムです。

 しかし、いまはアメリカもヨーロッパも、そして日本も、世襲の本来の意味が伝わっておらず、ただただ財産と権力だけが伝えられているのです。形骸化した世襲システムは社会にとって災厄以外の何ものでもありません。

 実際、いまのアメリカを見てください。どう見ても一部の利権に支配された国になってしまっています。

 お金のために選挙を操作し、お金のためにメディアを抱き込み、お金のために戦争を始めています。お金のためにワクチンをつくっているようにさえ見えてしまっています。

 そんな人たちが支配する国が栄えるわけがないのです。いまのアメリカは内部でさまざまな分断が始まっています。南北の分断、移民とアメリカ人の分断、LGBTを巡る分断など、あらゆる分断が火を吹いています。

 今後はこれが世襲となって続いていくのです。

 どう考えてもそんな国はつぶれていくでしょう。国家としては残るでしょうが、その支配者は一部の利権を支配する人々になってしまうのです。それはGAFAに代表されるような超巨大企業、超国家的勢力です。

 

 恐ろしいことにいまの日本はそんなアメリカをお手本にしようとしています。

 日本はすべてが金を基準に動く世の中をつくろうとしています。政党は所属する国会議員を政党助成金で縛っています。党の方針に従わなければ政党助成金はもらえず、選挙で戦えないので反抗はできません。

 国民の投票行動も、いまや広告代理店にお金を払って操作しています。広告代理店はメディアを牛耳っていますから、メディアもそれに唯々諾々と従ってしまうのです。

 なにより恐ろしいのは、日本のトップは自身の金と権力のために振り回されてさえいないということです。自己保身のために欧米の権力者たちの言葉に喜んで従っているのです。

 そして、その欧米の権力者たちは、戦争や疾病の流行も金儲けになると考えるような人々なのです。

 彼らは国がつぶれてもいいのです。超国家的勢力はむしろ国がつぶれたほうが稼げます。国がつぶれて人々が貧困になれば、安い賃金で働かせることができるのですから。

 いま世界では世襲よりも恐ろしい、超国家的勢力が台頭してきています。みなさんもそれをヒシヒシと感じているのではないでしょうか?

 はたして、それを止める手段を私たちは持っているのでしょうか?

 引用終わり

 

 

 形骸化した世襲システムは社会にとって災厄以外の何ものでもありません

 

 私たちが戦うべきなのは「権力構造」です。権力を基盤としたシステムを倒す必要があります。苫米地博士は、「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)の中で、「その権力構造こそ、現状の世界w1」と書かれています↓

 F-406:自由訳「守破離」 vol.4;「離」× Leadership

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37109372.html

 

 だから

 

  現状の世界w1と戦え!

 

 となると、戦う方法はコーチングの実践です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 誰よりも高い抽象度で現状の外側を見て、圧倒的に高い利他性でゴールを設定し、徹底的な自己犠牲と揺るぎない責任感でゴール側の世界w2を創造する

 

 

 「私、うっちゃいました」という言葉を聞くたびに、私はコーチングとリーダーシップが両輪となっている社会(未来)に思いを馳せます。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

最初(F-418)に「後悔」について確認しました。

過去への執着である「後悔」が残っていると、「未来から過去へ」という時間の流れが止まってしまいます。仮に「後悔」をやめたとしても、それだけなら時間は未来からは流れません。ゴールがないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 「私、うっちゃいました」というのは過去。その事実を縁に学んだことや気づいたことを未来に還元することが重要です。その第一歩がゴール設定です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 だから私は「後悔」を見つけたとき、まずは「後悔は高度に発達した前頭前野の働き」であることを伝え、ゴール設定を縁にその前頭前野をフル活用してまったく新しい未来を創造することを促します。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 そのとき、言葉にはしませんが、このように念じています

 

  現状の世界w1と戦え!

  心から望むゴール側の世界w2を自由自在に生みだせ!

  君ならできる !!

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-356:自由訳「OODA」 <vol.2Orient

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

L-144202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-07;「最高のCOT=コーチング」の真の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33432688.html

Q-397:みんなお金にしか興味がなく、孤独感を感じています

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35381579.html

Q-417~:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430853.html

 

 

日本転生 絶体絶命の国の変え方

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L-230202209月シークレットレクチャー -05;コーチングは「客観」 その理由は?

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html

 02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html

 03;生と死の間を輝かせる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html

 04;自我関数から導きだされる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37603992.html

 05;コーチングは「客観」 その理由は?

 

 

「空」である“点”が、「仮」としてのゴールを生みだし、結果として関数pを書き換えるそのプロセスがコーチング

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

コーチングとは「可能世界間の移行」であり、「結果として関数p(自我)を書き換える縁起」

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 ところで、無意識と意識の違いとは?

 

 苫米地博士はとてもシンプルに定義されています。それは「無意識のうち気づいている部分が意識」↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 無意識を意識に上げるモニタリングはとても重要です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

ただし、その「意識」は、通常は過去の記憶によって他人や社会に作られたブリーフシステム(Belief SystemBS)が生みだしています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

だから、現状(可能世界w1)の外に心から望むゴールを設定し、ゴール(可能世界w2)側からモニタリング&ラベリングを行い続けることが重要!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *モニタリング&ラベリングはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 

 と言葉でいうのは簡単ですが、実際には「現状(可能世界w1)の外に心から望むゴールを設定する」ことは簡単ではありません。「現状の外」はスコトーマに隠れており、そもそも認識する(意識に上げる)ことができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その解決のために、私は常に目の前の宇宙を立体的に観るように心がけています。“立体的”とは、抽象度という軸を加えたA次元として観るということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 立体的に観つづけていると、「自分のマインドが映しだす目の前の宇宙は、最も情報量の多い物理次元を底面とする広大な情報空間である」ことが感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

そんな情報空間中を自由に飛びまわることができる意識状態が「観自在」です。

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

抽象度を用いて説明すると、「観自在」は、「抽象度nの事象に対して、抽象度(n1)となることができる状態」のこと。苫米地博士は「いくらでも次元を超えられる」という意味で「A次元」と表現されています。A次元を獲得した意識状態が「観自在」です↓

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるvol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 そのような「観自在」を目指しながら、私は心の写像である世界を観察し続けています。医師として表現すると「診察」です。例えば↓

 F-049~:同じ人間なのだから診れるだろう

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268336.html

 

  診るのは物理空間上の「果」

察するのは高次の情報空間にひろがる「因」

 

「よく観察して意識に上げる」という行為を続けていると、客観的な視点を作ることができます。客観的な視点とは、次世代コーチングでいう「外側視点(外的視点)」のこと。

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 外側視点(外的視点)を作ると、さらに抽象度を上げることができるようになります。コーチングにおいて重要なのは、主観ではなく、客観です。

 L-202202207月医療・介護研修会 -12QA、最終回);コーチングの奥義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36432314.html

 

 ここで問題。なぜコーチングは「客観」なのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。苫米地式次世代コーチングのプリンシプルを感じてください。Feel

 

 

苫米地式・次世代コーチング・プリンシプル③

「セルフトーク」

 

エフィカシー関数を作るセルフトークのコントロール

 私たちは常に自分自身に語りかけています。それがセルフトークです。

 私たちは無意識的なものも含めると、1分間に数回は自分自身に話しかけているといわれています。これを1日に換算するとかなりの数になります。

 何か失敗したときに「あ、しまった」「またやってしまった。なんてバカなんだ」と言ってしまうのもセルフトークです。これを「自分らしくない」と捉え、エフィカシーを下げないようなセルフトークに変えていく必要があります。

 「またやってしまった。なんてバカなんだ」というのは、エフィカシーが低い自分を肯定する言葉です。そんな言葉を使っていると自分をw1に縛り付けてしまい、そこから抜け出せなくなります。

 「自分らしくない」ということは、本当はそれができる自分なのだが、今回は自分らしくない結果だったと考えれば、エフィカシーを下げずにすみます。一方で、うまくいったときは「たまたまラッキーだった」と思わず、その結果は「自分らしい」と高いエフィカシーの自分を肯定すればいいのです。

 可能世界w2へ移行するためには、可能世界w1から可能世界w2に移行できるというエフィカシー関数を作っていく必要があるのですから、最低限エフィカシーを下げてはいけません。さらにエフィカシーを上げていく必要があります。

 エフィカシー関数を作っていくために、セルフトークを変えていくことを、セルフトークのコントロールといっています。単にネガティブな言葉を、ポジティブな言葉に変えましょうということではないので注意が必要です。

 なお、今回は付録③として、ドクター苫米地のコーチング理論のエッセンスをシンプルな言葉で表した特製のセルフトーク・カードを添付しました。苫米地プリンシプルが自然とインストールされる「効果抜群」のカードです。そちらも活用してセルフトークをコントロールしてください。

 

外的視点を作る

 セルフトークのコントロールをする際に重要なのは、外側の視点を作るということです。つまり、「主観」ではなく「客観」ということです。

 ここで注意しなければならないのは、悲観を楽観に変えるということではないということです。例えば、コップの半分に水が入っているときに「半分しか入っていない」と悲観的に捉えている人に対して、「半分も入っている」と楽観的に捉えなさいと指導する人がいますが、それはコーチングではありません。

 「あなたの会社の株を、私は51パーセント、あなたは49パーセントでよいでしょう」と言われたら、それに納得する人はいないでしょう。

 コップに水が半分も入っていると楽観的に捉えなさいというのは、49パーセントでもうれしいでしょう、と言っているのと同じことです。これはあくまでも本人の心の中の捉え方であって「主観」の話です。

 そうではなくて「客観」が大事だということです。「客観」するとしたら、コップの中に水が入っていなかったとしても、「雨が降ったらこのコップに水を入れられるかも」と捉えることができるはずです。

 悲観視している人に対して、楽観視しましょうといっても、「主観」から抜け出せず、現状の世界w1にとどまることになってしまいます。「客観」できないと、w2の世界は見えてこないのです。

 あくまでもコーチングでは「客観」つまり外的な視点を作っていきます。そうすることで、初めて「主観」ではなく「客観」によるセルフトークのコントロールができるようになるのです。

 引用終わり

 

 

セルフトークのコントロールをする際に重要なのは、外側の視点を作るということです。つまり、「主観」ではなく「客観」ということです

 

 コーチングにおいて「客観」が重要なのは、抽象度を上げてセルフトークのコントロールをするため。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 そして、セルフトークのコントロールをするのは、エフィカシー関数を作っていくためです。

 Q-448:未来において「被害者」<補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

L-231につづく)

 

 

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F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

L-128202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -09;セルフトーク×エフィカシー

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L-220202208月シークレットレクチャー -07;ヒーリング実践の基盤、コーチング実践の基礎

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L-221202208月シークレットレクチャー -08;“しっかり生きる”ためのシンプルなワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37223679.html

Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版



F-419:私、うっちゃいました <中編;抽象度を上げるための縁起>

 

 世界を襲った「新型コロナ感染症(COVID-19)」と「mRNAワクチン」という“茶番”から、ずいぶんと時間が経ちました。医療・介護現場では多くの職員が「mRNAワクチン」を接種しています。「思いやりワクチン」などの美辞麗句に覆われた“同調圧力”が強烈に働いたから。

 F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 

 「本当は嫌だったのに、仕方なく接種した」という人ほど、「mRNAワクチン」の正体を知ると青ざめます。そして、必ずと言っていいほどこう言います

 

  私、うっちゃいました

 

 そんな言葉を聞いたとき、コーチとして思うことをまとめます。

 

 前編;後悔は進化の結果

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37549544.html

 中編;抽象度を上げるための縁起

 

 

 前回(F-418)は「後悔」について確認しました。

過去への執着である「後悔」があると、「未来から過去へ」という時間の流れが止まってしまいます。仮に「後悔」をやめたとしても、それだけなら時間は未来からは流れません。ゴールがないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 「私、うっちゃいました」というのは過去。その事実を縁に学んだことや気づいたことを未来に還元することが重要です。その第一歩がゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 だから私は「後悔」を見つけたとき、まずは「後悔は高度に発達した前頭前野の働き」であることを伝え、ゴール設定を縁にその前頭前野をフル活用してまったく新しい未来を創造することを促します。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 そのときに強く意識に上げるのが「バランスホイール」。なぜだと思いますか?

 

 

 答えは「抽象度を上げるための縁起」だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「1)現状の外」といのは、「ブリーフシステムの外側」であり、「コンフォートゾーンの外側」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そんな「1)現状の外」は、ふつうは認識することができません。だから、ご承知のとおり、ゴール設定はとても難しいのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「4)自分中心を捨て去る」とは、“自分”の定義を拡大・拡張していくということです。例えば →家族 →地域社会 →日本 →世界 →未来 →というように“自分”という感覚が拡大・拡張していくほど、現状の外を認識することができるようになります。抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だから、バランスホイールは「抽象度を上げるための縁起」。

「家族」「地域社会」「日本」「世界」「未来(時間)」というカテゴリにそれぞれゴールを設定し、さらに「趣味」「職業」「生涯学習」「健康」「ファイナンス」といったカテゴリのゴールも同時に考えることができるようになると、どんどん抽象度が上がっていきます。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

 苫米地博士は、昨年(2024年)、「バランスホイールに『抽象度』を入れる」というアップデートを行われました。

 ゴールのカテゴリには、大きければ大きいほどよいものもあれば、バランスが重要なものもあります。ほとんどのカテゴリはゴールが大きいほどいいのですが(=現状の外)、「健康」と「ファイナンス」に関しては大きさではなくバランスが重要です。

 「抽象度」のカテゴリに設定するゴールは高ければ高いほどいいのですが、一方でバランスにも大きく関わります。他のすべてのカテゴリの上に位置することで、すべてのカテゴリが抽象度の面でも高く維持できる(そして、さらに引き上げる)ように機能します。

 Q-425:現状の外側に100%want tovol.3update ofBalance Wheel」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html

 

 

  バランスホイールは抽象度を上げるための縁起

 

 

 コーチングを実践していると、自然に抽象度が上がっていきます。すると、これまでとさほど変わらないはずなのに、目の前の世界がまったく違って感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 それと同時に、情報次元で認識・理解・評価・判断が変わり、物理次元で言動が変わります。まるで人が変わったかのように(← 結果としての関数pの書き換え)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 医療現場で実際に経験した事例を紹介すると、「mRNAワクチン」の正体を知った医師が発したのは

 

  私、うっちゃいました

 

 という言葉でした。

慎重に確認しましたが、「うっちゃいました」は「患者さんに対して」「職員に対して」という意味で使われていました。

御自身も率先してワクチン接種を受けたということでしたが、関心は「自分の体(の心配)」ではなく、あくまでも「患者さんや職員の今後の体調(の心配)」にありました。

 Q-265:臨場感世界をまったく同じように感じることが<前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 

 これは「4)自分中心を捨て去る」ができている意識状態から生じた情報処理であるはず。その医師は巨大な組織のリーダーを務めていますが、リーダーにふさわしいブリーフを体得していると感じました。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 リーダーとは、「誰よりも高い抽象度で問題を見つけ、誰よりもエネルギッシュに解決していく」という存在です。まわりをうまくフォローし導きながら。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

 だから、リーダーという機能には「後悔」が入りこむ余地はありません。「問題の分析を行いながら(case-side)、同時に対策の検討と実行および修正を重ねていく(plan-side)」というリーダーには、そして「ゴールのさらに先に新たなゴールを設定する」というシンのリーダーには、そもそも「立ち止まる」という感覚が生じないはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 先ほどの事例に戻ると、その医師は「今後気をつけるべき症状(体調変化)」や「生活習慣改善のポイント」、そして「解毒方法」といったことに強い関心を寄せました。

 F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

 

 ところが、肝心な「次のmRNAワクチン接種を阻止する」という部分で、強烈なブレーキがかかりました。

 

先生の言いたいことはわかりますけど

長いものに巻かれろじゃないですけど

いろいろと角が立つので

 

そんな言い訳(創造的回避)を生みだすものは何なのでしょう?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

4)自分中心を捨て去る」を邪魔する力は何?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076797.html

 

 4)自分中心を捨て去る」を体得しているはずの医師は、なぜ急に抽象度が下がったのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 私たちは一体何と戦っているのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34314141.html

 

 

 最後に、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。「リーダーが対峙するもの」を、そして「コーチングにおいて最も重要なこと」をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

「スピリチュアリティ」を復活させるために2項目を追加した

 今回アップデートした苫米地式次世代コーチングでは、バランスホイールに2つの新しい項目を追加しました。それが、「抽象度」と「リーダーシップ」です。

 この2つの項目は、もともとはルー・タイスのコーチングシステムのバランスホイールに「スピリチュアリティ(Spirituality)」として入っていたものです。ところがコーチングを日本に紹介する際に、ルー・タイスと相談して「スピリチュアリティ」をバランスホイールから抜いたという経緯があります。

 その理由の一つは、その当時はオウム真理教の事件の記憶がまだ新しく、「スピリチュアリティ」という表現が、本来の意味とは異なり、カルト宗教などを想起させる可能性があったからです。そうすると、コーチングの普及の障害となる懸念がありました。

 本来の「スピリチュアリティ」は、カトリシズム(カトリック)のような博愛主義をベースにしたものです。しかしここでいうスピリチュアリティは、社会貢献のような博愛主義の意味合いではなく、宗教の中での人格形成や、霊性や精神性をいかに上げていくかということです。そうした点がゴール設定のための重要な項目になります。

 実際、敬虔なクリスチャンであったルー・タイスはキリスト教的な人格をいかに高度化していくかというゴールを持っていました。ルー・タイスは「北アイルランドの宗教紛争の解決」や「南アフリカ共和国におけるアパルトヘイト終結」などに協力してきましたが、彼のスピリチュアリティのゴールに向かう力が、そのように世界の数々の紛争をおさめるための原動力にもなっていたのです。

 現在の世界の情勢の中で、リーダーを育てていくことを考えると、今後コーチングは間違いなく必要なものになってきます。コーチングでは、コーチがクライアントのリーダーになるわけではありません。そして、クライアント自身が世の中のリーダーになるかどうかはコーチが決めることでもありません。

 しかし、コーチングを受けていく人たちには利他性が重要になります。そして、利他性はリーダーとしての最低限の素養となります。それは抽象度の高さ(情報空間における視点の高さ)、スピリチュアリティの高さということです。

 しかしながら、現在の日本の今のリーダーたちを見ていると、あまりにも抽象度が低いのです。ほとんどのリーダーが自分のためか、自分の所属する組織の利益のためだけに働いています。自分の子どもがかわいいとか、自分の家族が大切だというのは、犬猫など動物でも当たり前にもっている感覚です。

 そのような状況下で、事実上、宗教がない日本においてこそ、逆に「スピリチュアリティ」を復活させるにあたって、その本質である「抽象度」「リーダーシップ」という項目を、バランスホイールに入れることにしたわけです。

 引用終わり

 

F-420につづく)

 

 

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新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版



L-226202209月シークレットレクチャー -01;鍵となるのは「絶対他力」

 

20229月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

 *初回(20227月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html

 

 *2回目(20228月)の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;鍵となるのは「絶対他力」

 

 

 いきなりですが、重要な質問をします。

 

自己実現とゴール達成は違うものです。その理由は?

 

 

 苫米地博士は、著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)の冒頭で、コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」であると書かれています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

オーセンティック・コーチング

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: オーセンティック・コーチング eBook : 苫米地英人:

 

 

 コーチングのテクニックのすべてはゴールを設定し、それを達成するためにあります。ゴールこそがコーチングのすべてです。

 L-069202011月シークレットレクチャー -04;ゴールこそがコーチングのすべて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29018262.html

 

  コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」であり、ゴールこそがコーチングのすべて

 

 ですが、一般向けにコーチングについて語られるとき、苫米地博士はまず「自我」の定義の確認をされます。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)での最終講義においても、最初に自我の復習をされていました↓

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 自我とは、部分関数であり、重要性評価関数です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その自我について、苫米地博士は、著書「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店、p199)の中でこのようにも表現されています。

 

 

Dr.苫米地の「脳力」の使い方

Kindle版はこちら↓

Dr.苫米地の「脳力」の使い方 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 つまり、抽象度が上がるということは、自分の行為が何なのかということ以上の抽象的な思考を持つということであって、それを自我というのです。自分の行為の内省的な認識に意味を持たせるためには、このように、1つ上の認識が生まれなければならないのです

 

 

 抽象度が上がる」=「自分の行為が何なのかということ以上の抽象的な思考を持つ」=「自我

 

 このあたりがゲシュタルト化すると、「自己実現とゴール達成は違うもの」というのが体感を伴って理解できるはず。そんな理解を目指して、全3回の講義を作成しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

ところで、全体を通してのメインテーマは「」です。

先ほどの“体感を伴った理解”を「」と関連付けながらもう少し抽象度を下げて表現すると、「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」を目指す中、私自身が体感したのは「絶対他力」というイメージでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

  絶対他力

 

 

 この言葉を縁に、皆さんはどのようなことをイメージしますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「まずは、『信じる』ことをやめなさい」(泰文堂、p117)より引用します。

 

 

聖職者の論理を解くカギは、絶対他力

 信徒が洗脳にはまり、煩悩の解放にすっかり消極的にさせられているいっぽうで、聖職者は、じつは自らの煩悩の解放にかなり積極的です。

 聖職者は信徒を支配する側ですから、それ自体は想像に難くないかもしれませんが、彼らがどう考えて自らを正当化するのかという点は一考に値します。

 聖職者の論理を解くカギは、絶対他力です。

 宗教心、つまり完全な存在に対する憧れは、人間なら誰しもが持っています。

 当たり前のことですが、聖職者を目指す人は、最初から権力を求めて宗教の道に入るわけではありません。あくまで神に対する憧れが、入信の動機になっているはずです。

 しかし、長年その道に携わると、聖職者も徐々に宗教の虚構性に気づき始めます。なぜなら、教団を維持していくためには、組織の論理に従わざるをえなくなるからです。

 これは、読者の皆さんが勤め先の組織の論理に従わざるをえないのとまったく同じことです。会社には政治力学が働いているし、そのなかで生き残るためには、権力を持ちたいという煩悩に身を任せるしかありません。

 もちろん、権力を握れば握ったで、それを最大限駆使しなければ自分の思い通りに事を進めることはできないため、権力の獲得はさらに大きな権力を求める行為につながっていきます。

 煩悩の最たるものは権力の獲得ですから、権力を求めることに際限がなくなるメカニズムは、あらゆる煩悩についてもそのとおりです。よくいわれるように、欲望は満足を知らないわけです。

 聖職者たちが置かれている状況も、こうした一般のビジネスパーソンと何も変わらないといえます。

 

 さらに聖職者には、もうひとつの重要な問題に直面します。「神はいるのかいないのか」という問題です。

 思うに、神はいないという結論に達している聖職者は、おそらくいないはずです。科学によって神の不在が証明された事実を知る聖職者も、「神はいない」という認識を持つはずがありません。なぜなら、彼らは宗教による洗脳に爪先から頭のてっぺんまで浸かっているからです。しかし、歳をとるにつけ、宗教の虚構性には気づいています。

 とすると、彼らが達するのは、神がいようといまいと生きているうちに煩悩を満たさなければいいことは何もない、という結論に違いありません。

 そこで、さまざまに教義の拡大解釈を行い、たとえば妻帯を許すなどのルールの変更を行ってきました。もちろん、ルールの変更だけでなく、一般の与り知らない隠れたところで、さまざまに煩悩を解放してきたわけです。

 

聖職者が持つ煩悩

 また、なかには完全な存在を確信するがゆえに、煩悩の解放を肯定する論理も生まれたはずです。これは、イエス・キリストや親鸞が教える絶対他力にたどりついた聖職者たちが持つ考えです。

 神は、人間から最も遠い存在です。

 人間がどれほど努力したとしても、その努力によって人間が神に近づくことはできませんし、神が行う救済に何も影響を及ぼしません。絶対他力とは、完全な存在としての神に対する定義なのです。だから、親鸞が説いた悪人正機が示すように、善人と悪人の区別はなく、神は神の存在を信じる者を救うわけです。

 悪人が改心し、いまわの際で神を信じれば天国に行くことができるというのであれば、極端な話、何もいま品行方正にして戒律を守り続けなければならない道理はありません。どんなに煩悩にまみれた人生を送ろうと、最後に改心して神にすがればいいということになります。

 絶対他力にたどりついた聖職者はみな、このことをわかっています。

 加えて、いずれの宗教にも懺悔や告解など許しの仕組みがあり、煩悩に従う行為を半ば受け入れています。聖職者が過ちを犯しても、本人はそれを恥ずかしいこととして悔いるかもしれませんが、許されることがあらかじめわかっているのです。

 しかも、聖職者は信徒に許しを与える側ですから、過ちを犯した信徒の数々に接していれば、許されない一線がどんどん甘く遠のいていくのはごく当然ではないでしょうか。

 絶対他力にたどりつけば、いかに厳格な戒律を守っているように見える聖職者も、生きているうちに自分を満足させることを考えるに決まっています。

 私は、高位とされるさまざまな宗教の聖職者に会う機会がありますが、じっさい親しくなり、彼らの煩悩がいかに強いかを知りました。

 ふだんはあまねく威厳を示している彼らも、じつに人間くさく、自らの煩悩にも達観しています。これはこれで、いいわけです。

 もちろん、聖職者が持つ煩悩は、世界を支配するような権力者が持つ煩悩、つまりとんでもない悪事の企てとは異なります。戦争を仕掛けたり、人知れず大虐殺を行ったりする煩悩は許されるべきものではありません。

 その点で、懸念があるとすれば、聖職者が自分たちの権威を冒されたと考えるときでしょう。

 聖職者が持つ権力欲は、政治家が持つそれにようには強くないと思いますが、それを冒されたときの反応は政治家よりも激しいものがあります。なぜかといえば、彼らは自分たちが権威であるという確信を持っているからです。

 たとえば、ローマ法王は、自分が神の代理人だと本気で確信しています。ツイッターをする神の代理人などというのは、私にはイメージがわきませんが、彼は自分のことを本心からそう信じています。もちろん周囲もそう確信しています。

 宗教が生むこうした確信ほど危ないものはありません。完全な存在側にいるという確信は常軌を逸し、それはこの世を破壊しかねない力の暴発を招く恐れがあります。たとえば、十字軍の遠征がそうですし、いまもそれとはわからない形で戦争が起こっています。

 宗教による洗脳が世界の破局をもたらすかといえば、その可能性はいまのところ低いと思いますが、これはまた別のお話です。

 引用終わり

 

 

 絶対他力とは、完全な存在としての神に対する定義なのです。だから、親鸞が説いた悪人正機が示すように、善人と悪人の区別はなく、神は神の存在を信じるものを救うわけです

 

 不完全性定理以降の時代に生きる我々は、「完全な存在としての神」が存在しえないことを知っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 では、私たちは「絶対他力」をどのように理解すればいいのでしょうか?

 どのように「『決して過信はせずに、しっかり確信する』という意識状態の体得」を目指せばいいのでしょう?

 

L-227につづく)

 

 

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まずは、「信じる」ことをやめなさい

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Q-449:アートマンって何ですか?

 

「慈悲に関する知識の共有(=スコトーマを外しあう)」と「慈悲実現(実践)の臨場感を高める(=エフィカシー↑)」を目的としているコンパッションクラブ中に、「アートマンって何ですか?」という御質問をいただきました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 残念ながら、私はうまく答えることができませんでした。言い訳をすると「コンパッションクラブ中はなるべく発言をシンプルにするように心がけている」から。でも、本当の理由は「ゲシュタルトがしっかりできていなかった」からです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 いい機会をいただいたことに感謝しながら、「アートマン」について再確認し、コーチングの機能・役割と重ねながら考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

まずは苫米地博士の著書「夢がかなう脳!」(PHP研究所、p41)より引用します(青字)。

 

夢がかなう脳!

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私たちが「自分」と思っているものも、しょせんは実体のないものだ

 釈迦が生きていた社会で信じられていたバラモン教がどのようなものであったかを知ると、それに異を唱えた釈迦の主張の意味がよく見えてきます。そして、釈迦の「悟り」にどのような意味があったのかもよくわかります。

 

 バラモン教では、宇宙の根本原理=神は「ブラフマン」だとされます。一方、それぞれの人間には、真の自分=真我としての「アートマン」があるとされます。

 バラモン教は輪廻転生を信じますが、この「アートマン」は未来永劫変わらないものだとされます。つまり、同じ自分が何度も何度も生まれ変わり、それぞれの生を繰り返していくのです。

 輪廻を生み出す原因は「カルマ(業)」であり、前世で善いカルマを積めば、次に生まれ変わったときには良い階級に生まれ、悪いカルマを積めば、低い階級に生まれるとされます。

 ちなみに、この輪廻という無限サイクルから抜け出す(解脱する)ためには、「ブラフマンとアートマンは一体である(梵我一如)」ということを、修行を通じて体得しなければならないとされます。そして、それを達成した人々こそ、バラモン階級なのです。

 これは考えようによっては、実に支配階級に都合がいい教えです。低い身分の者は、前世で悪いカルマを積んだからであって、現状に不満を抱くなど、おこがましいことになり、さらに、この世でも苦労に耐えて善いカルマを積むべきだとされるので、喜んで苦境に甘んじようとする心が生まれるからです。

 

 この考え方を根本的に否定するのが「縁起」の思想です。

 釈迦は、「アプリオリなものはない」とはっきりいいました。「アートマン」などというものは、何ら実体のないものだ、と釈迦は考えたのです。

 「人間の自我は永遠不変の存在ではなく、雲のように変化し続ける」

 「私たちが『自分』と思っているものも、しょせんは何ら実体のないものだ」

 「すべての存在が、他の存在との関係性において存在するのだから、変わらない自我など認められるわけがない」

 このように釈迦は、当時、絶対的真理とされたバラモン教の根本を真っ向から否定したわけです。

 

 これがどれほど危険なことかわかるでしょう。

 だからこそ、「縁起」は釈迦の教えであるといえるのです。

 直接の弟子たちも含めて、後世の人々が釈迦の教えを曲解したり、あるいはわざわざ創作して付け加えたりして形成した内容は、仏教にとって都合のいいもの、つまり社会に受け入れられやすくなるためのものでしょう。わざわざ仏教教団に危険をさらすような「教え」を付け加えるわけがありません。

 たとえば「釈迦は水の上を歩いた」というような、釈迦がいかに素晴らしい超能力者だったかを示そうとする創作がなされることはあるでしょう。これは仏教に限らず、ほかの宗教における「奇跡」の話も同じです。

 しかし、わざわざ自分たちの教団が嫌われるような創作をすることは考えにくいことです。

 ということは、釈迦が嫌われる理由の第一である「縁起」の思想は、おそらく後世の創作ではなく、釈迦その人の思想だと考えられるわけです。

 引用終わり

 

 

 アートマン」は、バラモン教における宇宙の根本原理=神である「ブラフマン」と対になる概念で、「それぞれの人間にある真の自分=真我」のことです。

 (さらに詳しくはこちらをどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33098147.html

 

 「未来永劫変わらないもの」とされるバラモン教における「アートマン」を、釈迦は真っ向から否定します。その根拠となる思想が「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 ただし、釈迦が主張したのは「『アートマン』などというものは、何ら実体のないものだ」ということ。それは「固有性」の否定であり、「アプリオリ(先験性)」の否定であり、「完全性」の否定であり、「永続性」の否定です。一言で言い表すなら、「無我」ではなく、「非我(あるいは空我)」

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 苫米地博士は、コーチングを教えられる際、最初に「自我」の定義の確認をされています。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 それは無意識の中に「固有性」の肯定があると、まったく新しい可能世界w2を生みだすことができず、結果としての関数p(自我)の書き換えができなくなるからでしょう。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 同様に、無意識の中に「アプリオリ(先験性)」の肯定があると、「過去から未来へ流れる」という時間観から抜け出せなくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 さらに、無意識の中に「完全性」の肯定があると、自由な意識状態でスコトーマを外すことが難しくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 そして、それらが「永続性」の肯定により強化されると、ますます現状の可能世界w1から抜け出せなくなります。ホメオスタシスが強力に働くから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

そのような意識/無意識の状態では、当然ながら、現状の外にゴールを見つけることが難しくなってしまいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

  「固有性」の否定

  「アプリオリ(先験性)」の否定

  「完全性」の否定

  「永続性」の否定

  

 それを釈迦はとてもシンプルに説明しました。それが「縁起」。

後の大乗仏教において、「アートマン」は、「あるともないともいえるもの」であり「あるとはいえないがないともいえないもの」であるとされています。

一言であらわすと、「ナートマン」。大乗では「空」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 苫米地博士の教えでいうと、「自我とは、部分関数であり、評価関数である」。

 自我は数学でいう「点」に似ています。数学の点とは、位置だけを持ち面積を持たない図形です。「この2本の線の交わったところが点だよ」と言うことはできますが、目で見える点は面積を持つため定義上の点ではありません。点も自我も人の頭の中にある概念であり、実在はしない「関係の結び目」です。

 また自我は、自分にとって重要な記憶によって作られた評価関数ということもできます。自分が誰であるかは、自分が大事だと思う項目を優先して定義することで決まります。大事だと思うものが変わるたびに、自我はダイナミックに変化していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その「自分が大事だと思う項目」がコーチングにおいて注視するポイントになります。それが「w」。自分自身のマインドが生みだす可能世界です。

 Q-448:未来において<補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

人間の脳は自分にとって重要なもののみを認識するようになっています。その働きが「RASReticular Activating System)」。RASによって見えなくなるものが「スコトーマ(Scotoma)」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 つまり、コーチングは、RAS/スコトーマをコントロールすることによって新たな認識(=可能世界w2)を得る技術である ということ。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

そして、新たな認識(=可能世界w2)を得た結果として、自由自在に自我を再構築する縁起だといえるのがコーチング です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 苫米地博士は著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)の冒頭(p2)で、「コーチングのコアとは、『ゴール』と『ゴールの設定』」と書かれています。さらに「コーチングのテクニックのすべてはゴールを設定し、それを達成するためにある」とも。

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 

オーセンティック・コーチング

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 そもそもゴールとは、「人生の目的」であり、「未来を創りだすもの」。

 

ゴールとして未来を想像し、ゴール実現に挑戦しながら未来を創造する

 

その想像力×創造力の源となるのが、「情報空間のエネルギー」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

博士はよく「ポテンシャルエネルギー」と表現されていますが、「情報空間のエネルギー」は、より高次の抽象度次元に上がるほど大きくなります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

  「固有性」の否定

  「アプリオリ(先験性)」の否定

  「完全性」の否定

  「永続性」の否定

 

 この4つも、コーチングに取り組みながら抽象度を上げることで体得していくことができます。抽象度が上がるとは、より広大な縁起空間を臨場感豊かに感じ理解することだからです。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 つまり、コーチングとは

 

 

  悟りのための縁起であり、悟りのさらに先に進むための縁起

 

 

 いただいた御質問を縁に、そのようなことを考えました。

 

 

 以上、あの時できなかった回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 今回のブログ記事を執筆するにあたって、ワークスDVD34弾「ナートマンと“超”能力 ~超越権力継承の許諾」等で学び直しました。このブログの記載内容は守秘義務範囲内ですが、下記DVD視聴後に再読していただくと理解がさらに深まるはずです↓

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Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

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F-417:煩悩か 芸術か

 

 先日(2025912日)、苫米地博士が「煩悩か 芸術か」というタイトルの文章を投稿されました。


DrTブログ(250912)「煩悩か 芸術か」

「ドクター苫米地ブログ」より引用↓

ドクター苫米地ブログ - Dr. Hideto Tomabechi Official Weblog : 煩悩か芸術か - ライブドアブログ

 

 

 博士の言葉を確認しながら(青字)、苫米地式認定コーチとして感じたことを言語化します。

 

 

煩悩か芸術か

数学で記述される数理宇宙は数学の宇宙であり抽象度が高いのは言うまでもない。この世でなくあの世。ただ工学的なこの世の仕事でも多いに役に立つ。構造計算の有限要素法や生成AIの偏微分方程式はいい例。最近ではレンズの計算光学設計で中国製レンズが躍進。一方、物理学で利用される数学は物理宇宙と言う抽象度ゼロだけど人間の目には見えないだけのリアル法則を記述するから、抽象度は記述上のみで、記述される物理空間は定義上抽象度ゼロ。

 

 この文章を理解するためには、まずは「抽象度」という概念の理解が必要。抽象度は「情報量の大小で宇宙をならべる軸」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量は減っていき、抽象度が下がるほど具体的な情報量は増えていきます。宇宙は階層的になっており、最も情報量が多い最下層が物理空間です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 もっと詳しくいうと、抽象度が上がるほど潜在的な情報量は増えていき、抽象度が下がるほど潜在的な情報量は減っていきます(=具体的かつ限定的になる)。

例えば、「ラブラドールレトリバー」より「犬」の方が具体的な情報は少なく、より抽象的です。抽象的である分、「犬」の方がより多くの潜在的情報量を持っているといえます。「犬」は「ラブラドール」だけでなく、「チワワ」や「ダックスフンド」「柴犬」の可能性も含みます。

「可能性が広がる」「選択肢が増える」と考えるとコーチング的でしょう。抽象度が上がるほど、これまでの記憶でつくられた可能世界w1の外側を感じやすくなり、ゴールを見つけやすくなります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 


同様に計算機科学におけるアルゴリズムはその裏にある代数モデルは抽象度が高いがアルゴリズムそのものは抽象度が低い。ただそれら全てを行う人類の脳内情報処理はあらゆる抽象度に広がる。

 

 繰り返しますが、抽象度が上がるほど、これまでの記憶でつくられた可能世界w1の外側を感じやすくなり、ゴールを見つけやすくなります。

ただし、抽象度が上がった意識状態でゴールを見つけただけで終わるなら、それは自己満足に過ぎません。

 S-04-13:本当の幸せを感じられない理由 -3

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23234058.html

 

 だからゴールを見つけただけでは終わらず、しっかりゴール実現に向けて行動することが大事!

 

 もちろんそうなのですが、コーチングの実践はあくまでも「仮(け)」であり、「宗教方式」です。それを忘れ「実(じつ)」になってしまうと、コーチングは失敗します。

 PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14833876.html

 

 コーチングの実践はあくまでも「仮(け)」であり、「宗教方式」

 

ただし、ゴールの抽象度を思いっきり引き上げることができると(おそらく引き上げようと意図するだけでも)、コーチングは「釈迦方式」に変わります↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32078054.html

 

 いずれにせよ重要なのは、「人類の脳内情報処理はあらゆる抽象度に広がる」ことをしっかり理解すること。私たちは全抽象度次元で生きています。

 L-141202111月小学校…-04;ゴールを設定するといろいろなことが“調和”していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33345501.html

 


当然、大人の生活はそれぞれの抽象度に合わせた無意識の選択で対応する。それが出来ないのは相手には迷惑だが、抽象度の低い空間のみで生きてる人は自分が場違いもしくは不適切と知ることも出来ないから、そういう場は私は出来るだけ関わらないようにしている。例外は、このXとか動画配信。

啓蒙なので低抽象度を敢えて試みてる。ただ、低抽象度反応は煩わしいので匿名からの通信お断りと長年ソーシャルメディアでして来た。経験的に低抽象度は匿名が多い。本人には色々根拠があるようだけど、私には全て無責任としか感じない。国や更に大きな単位で責任感のある行動を取るのには認識や行為の抽象度が必要だからだ。

 抽象度の低い空間のみで生きてる人は自分が場違いもしくは不適切と知ることも出来ない」のは、低い抽象度次元から高い次元はスコトーマに隠れ認識することができないからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スコトーマが生じる/外れるポイント(「知識」「重要性」「役割(責任)」)を考慮すると、抽象度を上げながらスコトーマを外すためには学習が必須。

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

啓蒙なので低抽象度を敢えて試みてる」というのは「スコトーマが外れるギリギリのラインで知識化しやすいように」という博士の御配慮だと思いますが、もちろん「知識」だけでは足りません。「重要性」「役割(責任)」が必要です。

「知識」「重要性」「役割(責任)」 それらを自身の自由意思で生みだすのがゴール設定です。つまり、学習にはゴールが絶対に必要!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 


また似た例で、娯楽か芸術か、もしくは煩悩か利他性かもある。

これも悩ましい。私の感覚では音楽は母国語の歌が入った瞬間に芸術性が一気に下がる。ポピュラー西洋音楽ではビートルズ以降の伝統だ。愛だ恋だ、彼が、彼女がといった歌は煩悩表現。

オペラは、原語が分かる人には娯楽。分からない人には芸術。デビューした頃の日本では英語のビートルズの歌は芸術だったかも知れないが、今は娯楽だ。もちろん娯楽は人類に必要で何の問題もないし、ビートルズは大好きだが、英語が分かる僕には最初から芸術ではない。この二つを混同しては行けない。

 ここでのポイントは「言語という抽象度」。

「『言語』より下か?(=言語下)」「『言語』より上か?(=超言語)」が、「娯楽か芸術か」「煩悩か利他性か」を分ける境界線になります。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

もっとコーチングに寄せていうと、「言語化可能かどうか?」が「現状の中か? 外か?」の判定基準のひとつになります。

 F-189~:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんで

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411502.html

 

 

ボブディランは、歌に政治性を持たせた。これも同じで政治は芸術ではない。多くの詩は芸術だが、川柳になると芸術とはいわない。芸術とはあの世の話だからだ。先の例では数学と物理学の差だ。どちらが偉いとかでなく、違うものと分からねばならない。

だから、愛知県で開催されたの国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会が、元従軍慰安婦を象徴した「平和の少女像」などの展示を中止した時の理由が間違ってる。「テロや脅迫ともとれる抗議があり安全な運営が危ぶまれる状況だ」と理由を知事が説明したが、「政治的主張は芸術でないので芸術祭では展示しない」と言えば良かっただけ。最初に展示に選んだ選考委員が芸術ではなく動員とか政治信条とか、この世の理由で選んだからと推測するが。芸術祭は芸術のみ展示。それで終わり。ベートーヴェンの歌のようにグレーゾーンはあるが、政治は間違いなく芸術ではない。

 芸術とはあの世の話」を情報空間と重ねて考えると、情報空間はすべて「あの世」であり、情報空間の底面である物理空間も「あの世」です。その「あの世」には階層性があり、より高次の階層での情報処理が「芸術」です。

それをしっかり理解することが、仏説でいう「悟り」。先ほどの「宗教方式」「釈迦方式」でいうと、「釈迦方式」。「この世はすべて幻(情報)」という前提をしっかり伝えた上で、「幻のカラクリ(情報処理)」を教えていくのが「釈迦方式」です。

L-214202208… -01;利他性=抽象度の高さ=スピリチュアリティの高さ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37099250.html

 


ボブディランがノーベル文学賞を取ったのは川端康成が取ったのと同じで芸術だからではなく、文学という独立した分野の話。 また、社会情勢もある。最近はノーベル物理学賞が理論そのものではなく、工学的にどれだけ成功したか、厳しく言えば経済にどれだけ貢献したかで与えられるのと同様だ。

 …1つ前の引用文で博士が仰っていたように、「数学と物理学の差」は「どちらが偉いとか」いうものではありません。「違うものと分からねばならない」の「違う」とは抽象度の方向性の話。「数学」はより高次の抽象度次元を表現するものであり、「物理学」は低抽象度次元のカラクリをしっかり解き明かすものです。

 Q-338:エンドステートに対する臨場感の問題?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32350876.html

 

 これは「理学」と「工学」の違いと同じ。コーチングでいうと、「(さらなる)ゴール設定」と「ゴール達成」の関係と同じです↓

 F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

 


これを書いたのは、とある場所で食事してたら横でウェイターが細かく料理の一つ一つを説明するからだ。失礼ないい方をするとうるさい。そこは本来日本でも伝統的な文化を守る場所のはずだから、特にうるささが気になった

少なくとも日本では料理は芸術のはずだ。もちろん分野にもよるけど。芸術に横からうんちくはいらない。一部の西洋文化の悪しき伝統。アメリカ発だったら困る。どこどこから取り寄せた何々という素材をこうこう料理しましたと、つば飛ばしながらすぐ横で料理の真上で不衛生に話す。マスクの時代終わったから益々不衛生。

衛生問題も気になるが、問題は、料理を言語化する行為だ。本来は日本の料理はメニューさえ不要。その食事の時間を、板前を含むもてなす側に任せて、目、鼻、舌、食感等の五感で楽しむ。五感という物理抽象度の煩悩素材を、板前らの技術と心遣いで、芸術に、そして利他に昇華する。そこに言語を挟むのは迷惑。言語の抽象度は低い。これは何、と聞かれたら答えるのはいいけど、聞きもしないのにいきなり真横で細々と説明されるのは、"時間"を破壊。

この悪しき慣習はどこかの国で抽象度の低い人達向けにビジネス理由で始まったと推測するが、日本にはいらない。そろそろやめたらどうか。最低でも料理を説明しましょうかと聞いてからにすべき。

と、ここまで書いてたら、いきなり近くで、見るからに西洋人達が昼間からビール飲んでギャハハとやりはじめた。抽象度ゼロな笑い方。昨今の政治と同じく、食文化でも日本は国際化した。

 引用終わり

 

 

 五感という物理抽象度の煩悩素材を、板前らの技術と心遣いで、芸術に、そして利他に昇華する

 

 これはコーチングの本質でもあります。

 コーチとの縁により、クライアント自身が、様々な「煩悩」を「芸術に、そして利他に昇華する というのがコーチング。

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

まったく新しい社会(未来)を創造し(w1w2w3w4…)、結果として「煩悩」を克服していくのがコーチングです(=利他に昇華)。

F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 

 苫米地博士による「低抽象度」の「試み」を縁に、そのようなイメージを受け取りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

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F-348:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~ vol.1Off the wall

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Q-363:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか? -A2<止;煩悩を意識する>

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Q-447:未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています <後編;plan-side

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 前編(case-side)と後編(plan-side)にわけて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 *前編(case-side)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37464625.html

 

 

Q:私は両親による虐待を受けながら育ち、親戚に預けられた後もいじめに耐えながら生き抜いてきました。時間は未来から流れるとか言っていますが、未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています。いつか必ず復讐してやります

 

A2:ゴールの基本条件1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、4)自分中心を捨て去る を意識に上げながら、もう一度自身の言葉を確認してください。

もしも今までは気づかなかった何かを感じたなら、そこに新たなゴールの手がかりがあるはず。気楽に取り組みながら、ぜひとも見つけてください。新しい世界(未来)を。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 と前回(Q-446)の最後に書きましたが、本当に見つけて欲しいのは、新しい「自分」です。前回引用した苫米地博士の言葉を用いると、新しい「感情と記憶をワンセットにした脳への刷り込み」であり、新しい「ブリーフシステム」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「自分」とは、自我(関数p)のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 自我とは、部分関数「f自我(宇宙)→自分」であり、重要性評価関数「w∀y∃xp自我(x,y)}x,y∈宇宙」↓

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 じつは「自分」にこだわるほど、「新しい世界(未来)」は感じられなくなります(=スコトーマに隠れる)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

実際、コーチングでは、自我(関数p)を書き換えようとはせず、「新たな可能世界w2を生みだし移行する(w1w2)」ことをサポートします。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 可能世界が移行すると結果的に自我が変わることにはなりますが、自我(関数p)を書き換えることがコーチングの目的ではありません。もしも自我に関わってしまったなら、それはコーチングではなく、洗脳です。

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 「自分の自由意思でゴールを設定する」という場合も、自分=ブリーフシステム=自我 への執着が強いほど、それはゴールではなくなっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

4)自分中心を捨て去る」ことができなくなるから。

 

4)自分中心を捨て去る」からこそ、スコトーマが外れ、「1)現状の外」を感じることができるようになります。

L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 それは「抽象度が上がる」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が上がるほど、「被害者」は自分ばかりではないことがわかり、誰もが傷ついていることがわかります。

自分と同じように(あるいはそれ以上に)苦しんでいる人々の苦しみをまるで自分の苦しみのように感じ、少しでも軽くしたいと心から思えるようなったとき、新たなゴールが見つかるはず。そんなゴールの実現に向けたアクションは、すべて「慈悲の実践」です。

 Q-361:“自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 苫米地博士は、著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p153)の中で、「現代の慈悲の指標となる五つのプラス感情」を挙げられています。その「プラス感情」とは、「嬉しい・楽しい・気持ちいい・清々しい・誇らしい」。

 F-209:マトリックス/Matrix -04Resurrections;慈悲的人類の進化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27122988.html

 

 「現代的・大乗的コンパッションは、『一緒に、嬉しい・楽しい・気持ちいい・清々しい・誇らしい』でいいのです」と語られる苫米地博士は、このような条件をつけられています↓

 

 

 ただし、一緒に楽しんだり誇らしくなったりして幸せになる主体は、つねに相手・自分以外です。コンパッションの「conm)」は相手が主体であって自分が主体ではありません。自分が楽しいことが隣の人の楽しいことである保証はどこにもないので、そこは自分の抽象度を一つあげて見極めないといけません。

 

 

 以下、「近未来のブッダ」(p155)からつづきの部分を引用します。「いつか必ず復讐してやる」の「復讐」について自問しながら読み進めてください。

 (参考にこちらもどうぞ↓)

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 

実現すべきは相手の利益の最大化

 とにかく抽象度を一段階ぐらいでいいので、上げましょう。二段階、上げられれば理想です。その上で相手が楽しいことを自分も楽しむ。そして、そこでのポイントは、自分以外の人の利益の最大化です。

 ですから「おれが飲んでいる酒はうまいからおまえも飲めよ」や「私が持っているこれはすごく便利だからあなたも持ったら?」はNG。じゃあ、相手の利益とはなにかという基準が、プラスの五大感情です。

 自分以外の人がとにかく「嬉しい・楽しい・気持ちいい・清々しい・誇らしい」と思えることを実践するのが慈悲です。それも、できるだけたくさんの人にそう思ってもらえるといいです。そして、そのたくさんの人の中に自分も入れていいのです。主体が自分以外なら、自分も「嬉しい・楽しい・気持ちいい・清々しい・誇らしい」と思える大きな船に乗っていいのです。だって、地球人全体への慈悲なら、そこに当然、自分も含まれるのですから。

 

◆慈悲実践のポイント

 自分以外の人の利益の最大化

 引用終わり

 

 

 とにかく抽象度を一段階ぐらいでいいので、上げましょう。二段階、上げられれば理想です。その上で相手が楽しいことを自分も楽しむ。そして、そこでのポイントは、自分以外の人の利益の最大化です

 

 この苫米地博士の言葉が、私が伝えたいことであり、回答のコア。真剣に読み、素直に感じ、しっかり吟味し受け止めてください。

 御質問ありがとうございました。

 

Q-448につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 念のためですが、私は「復讐」を完全否定する立場ではありません。ただ、縁起のつながりの中で「復讐」は“善”にも“悪”にもなってしまうことを忘れないでほしいのです。

もしも誰かにとって“悪”になるのなら、その「復讐」は失敗だといえるから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 では、不完全性が証明された現代において、“善”と“悪”の違いをどのように考えればいいのでしょう?

 

 

 今回も映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」のダゴバの場面を紹介します。真剣に読み、素直に感じ、そしてしっかり吟味し受け止めながら、自分自身の“善”を見つけてください。「復讐」をやり遂げるために。

 (下記ブログ記事からの引用です↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html

 

 

〇不完全性定理 / 空観・仮観・中観

 先程、「父の中の“善”を感じたルークは」と書きました。その“善”とは何でしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

ダゴバで修行中のルークは「善悪をどう区別すればいいのですか?」とヨーダに質問します。ヨーダは「冷静で心安らかにいることだ。ジェダイは知識と防御のためにフォースを使う。決して攻撃のためではない」とだけ語ります。

これは、1)ファイト・オア・フライトに陥るな、

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

そして、2)情報空間(超情報場)のエネルギーを上手く使い、

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20276623.html

3)思考し続けよ、という意味でしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 それは、西洋哲学的には「不完全性・不確定性を忘れるな」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 そして、東洋(釈迦)哲学における「空観(くうがん)を忘れず、仮として生きよ」「中観であり続けよ」という教えと同じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 対して、じつはシスであるパルパティーン(ダース・シディアス)は、「おまえもすぐに私のよさがわかるようになる」とルークに語ります。その言葉に滲み出ているのは“絶対性”。それは空が抜け落ちた実観(じつがん)です。その実観が差別と争いを生みだします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

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