F-245:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.2;双極性障害>

 

 

 アートとは、才能によるもの。

 アーティストの才能とは、自分が強烈につくりたいもので、人に影響を与えるということ。

 それは笑いだったり、笑顔だったり、感情をつくりだす、人を感動させるストーリーテリングです。

 

 

 この言葉は、今(20225月下旬)話題の“あの人”のもの。

 その意味をコーチとして考えてみました。

 (シリーズの最後で誰の言葉かを明かします。想像しながらお読みくださいw

 

 vol.1;臨場感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 vol.2;双極性障害

 

 

 ポイントは臨場感。

その臨場感は、たとえば映画でいうと、観る人の心に由ります。映画そのもののおもしろさももちろん関係しますが、あくまでも観る人(観察者)の心次第。“おもしろさ”を決めるのは、各人の心であり、臨場感だということです。

F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

すべてが「臨場感のあるフィードバック関係」次第であり、臨場感が「一人一宇宙」を生みだしている

 

 その理をプリンシプル化したものが、「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式:I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 「I×V=R」が「夢をかなえる方程式」であることは事実ですが、一方で「夢を阻む方程式」にもなりえます。すべてマインド次第。「臨場感のあるフィードバック関係」次第です。

 Q-068:認知的不協和の状態にあり… Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400982.html

 

 ところで、皆さんは「双極性障害」について御存知ですか?

 

 双極性障害は、気分が高揚する「躁(そう)状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」が、何も症状がない時期をはさみながら、何回も繰り返しあらわれる病気です。私が医師になった頃は「躁うつ病」と呼ばれていました。

 発症年齢の平均は20代前半ですが、老若男女問わずどんな人でも発症し得ます。遺伝性はなく、生涯有病率(一生のうちに一度は病気にかかる人の割合)は0.6%ほどとされています。

 その特徴は、最低7日間の躁状態があるか、最低4日間の軽躁状態と最低2週間のうつ状態があること。一日の中で気分が入れ替わるケースは除外されます。

 具体的な症状はこんな感じです

 

 <躁状態>

    気分が高揚したまま一方的に話し続ける

    次々とアイデアが浮かんできて止まらない状態になる

    寝ないで活動し続けても疲れを感じない

    気分爽快

    世界が明るく感じられる

    偉くなったように感じられ、尊大な態度をとる

    攻撃的になる(人によっては幻覚や妄想を伴う場合あり)

    お金を使いすぎる(借金を重ねる)

    一人称が「僕」から「俺」に変わる

    「初めて本当の自分になれた」という内省言語

 

 <うつ状態>

    何事にも興味が持てなくなる

    今まで楽しいと思っていたことが楽しめなくなる

    「死にたい」と思う気持ちが起こる(希死念慮)

    不眠、倦怠感、食欲異常(過食の場合もあり)

    学校や会社に行けなくなる

    日常生活動作(ADL)ができなくなる

    「私ってなんてダメなんだろう」という内省言語

 

 私は精神科専門医ではありませんが、専門であっても「双極性障害」の診断は難しいそうです。次の2つのタイプがあることが関係するとされています。

 

 ●双極Ⅰ型障害;典型的な躁状態とうつ状態があらわれるタイプ。1週間以上続く躁状態が一度でもあらわれていればⅠ型と診断される

 ●双極Ⅱ型障害;躁状態よりも軽い「軽躁状態」とうつ状態があらわれるタイプ。軽躁状態が4日以上続き、うつ状態があるとⅡ型と診断される

 

 「軽躁状態」は、気分がよく、仕事がはかどり、いろんなアイデアが湧いてくるような、いわゆる「ノってる」状態です。入院をするほどの症状ではありませんが、まわりの人には「人が変わったように」感じられます。

 コーチング的にいうと、人が変わる=ブリーフシステム(BS)がかわる=コンフォートゾーン(CZ)がかわる=RAS&スコトーマがかわる。もちろん、そのはじまりはゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 Ⅰ型はわかりやすいのですが、Ⅱ型の軽躁状態かの判断は難しく、見落とされることがあるそう。双極性障害であらわれるうつ状態とうつ病の症状はほとんど変わらないため、軽躁状態に気づかなかった場合にうつ病と診断されることが起こり得ます。

双極性障害の患者さんが抗うつ薬による治療を受けても効果はなく、むしろ治療により躁状態が急にあらわれる場合(躁転)があるとされています。

じつはⅡ型は、Ⅰ型と比較すると躁状態は軽いものの、病態がコントロールしやすいとはいえません。むしろⅠ型の方が薬が効きやすいそうで、「Ⅱ型だから軽い」とはいえないようです。

「軽く考えないことが大切」です。思い当たる方は、ぜひ精神科に御相談ください。

 

 

 と、ここまでが精神医療の話。ここからは一般向けの話に戻ります。

 

 先ほど「『軽躁状態』は、気分がよく、仕事がはかどり、いろんなアイデアが湧いてくるような、いわゆる『ノってる』状態です」と書きました。

ドキッとしませんでしたか?

 

 このブログをお読みの方のほとんどが当てはまっているはずw

 なぜなら、皆さんはコーチングに強い興味があり、日々実践しているはずだから。

 

 コーチングのコアは「ゴール」と「エフィカシー」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 エフィカシーとは「ゴール達成能力の自己評価」ですが、それは「ゴール設定によりうみだした新たなイメージの臨場感」と表現することができます。つまり、「I×V=R」のVVividness)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

人生のあらゆる領域にゴールを設定し、エフィカシーが十分に高いと、目の前が「ゴールの世界の一部」に感じられます。すると、気分が高揚したまま次々とアイデアが浮かぶような創造的な状態になります。寝ないで活動し続けても疲れを感じないほどエネルギッシュで、いつも気分爽快。世界はますます明るく輝いて感じられるでしょう。

モチベーションでいえば100%want toしかない状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

そんな様子は、傍から見ると、先に示した躁状態と変わりません。

周囲の人には「(コーチングによって)人が変わった」ように感じられ、関係が深いほど不安が大きくなります。思わず「どうしたの?」「大丈夫?」「心配だから病院に行こう」と働きかけてしまうでしょう。

医学的な知識があればなおさら、認知的不協和が強く働くはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

本人からすると、それらの働きかけはすべてドリームキリング。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 まわりが必死になればなるほど、本人の無意識は強く抵抗します。Push-push backにより。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

 

 こんな話をすると、コーチングを学び実践することに不安を感じるかもしれません。

 

でも、もちろん大丈夫。本物のコーチング(Authentic Coaching)を学んでいけば。

(軽躁)状態とコーチングマインドは、似ているようでいてまったく異なるものです。両者の間には決定的な違いがあります。鍵は「〇〇〇」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

F-246につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 でも、もちろん大丈夫。本物のコーチング(Authentic Coaching)を学んでいけば

 

 反対にいうと、本物のコーチング(Authentic Coaching)を学ばなければ危険。かえって大切な縁を失ってしまうことになりかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 本物(Authentic)かどうかを見分けるポイントとして、私はゴールの定義を吟味するように勧めています。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 詳しくは苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)をお読みください。

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28683163.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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