苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:創造的回避

L-08320213月シークレットレクチャー -06;心の本質を捉える基本中の基本

 

20213月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t think, feel!」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 *初回講義(202011月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html

 *2回目講義(20211月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html

 02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30049883.html

 04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 06;心の本質を捉える基本中の基本

 

 

 心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと。いかにそれを言語を使わないで引き起こすのかということが極めて重要

 

 これは02L-079)で引用した苫米地博士の言葉。

 前回(05/L-082)は「言語を使わないで引き起こす」の部分、すなわち「非言語」について考察しました。

 

 今回は「心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと」について考えていきましょう。

 

 これも大切な問いです。

 ぜひ逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ながら、ゆっくりと考え、しっかりと感じてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

 Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

 私の考えを“言語化”する前に、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(サイゾー、p96)から引用します。

 

 ◎目の前の重要度は刻一刻変わっている

 RASの仕組みがわかったら、今度は「重要度」の話をしていきましょう。

 いまお話ししたように自分の重要度によって見える世界は変わってきます。

 例えば、ホテルのカフェでコーヒーを飲んで寛いでいても「スコトーマ」という言葉が周囲の人の口をついて出てきたら私の意識は活性化します。それは私がコーチを職業としているからです。

 しかし、その一方で、人の重要度はちょっとしたことで簡単に変わってしまいます。

 私がよく例としてやるのは、「鼻の頭って本当はいつも見えているんだよ」と指摘することです。実際、鼻の頭はいつも見えているのですが、RASの働きによって無意識化され、見えていません。しかし、私に指摘された瞬間から意識に上がりますから、鼻の頭が見えるようになって、しばらく鬱陶しくなるのです。

 もうひとつ例をあげると、新聞の書評欄がいいでしょう。書評欄を読んで、ある本のことを面白そうだと思ったら、当然その本のことが気になります。何日かあとに偶然、本屋に入れば、「あ、そういえば」と思って、その本を探す可能性は高いでしょう。このように、私たちの重要度を変えるのは簡単です。この意味はとても大きいのです。

 重要度とは、何を見て、何を見ないか、あるいは、何を重要と判断して意識に上げ、何を意識とせずに意識下に落とすかを決めるための基準です。これを簡単に変えることができるということは、私たちの心理的盲点であるスコトーマも簡単に外せることを意味します。スコトーマが外れれば、現状の外側に行くのも容易ですから、現状の外側にゴールを設定することも難しくなくなります。実はこれが現状の外側にゴールを作る方法です。

 「え!? そんな簡単な話だったのか? さっきは難しいと言っていたじゃないか」と思った方も多いでしょうが、スコトーマを外すこと自体はそれほど難しいことではありません。

 しかし、です。ひとつ大きな問題があって、重要度が変わったきっかけはすべて、あなた以外から出てきた情報だということです。

 ある本が面白そうだと思ったのは新聞の書評欄がきっかけでした。鼻の頭が見えるようになったのは私の言葉がきっかけでした。本人の中からはまずもって出てこない指摘、情報だけが、あなたの重要度を変えていたのです。

 これがこの章の最初に言った「何が重要か、ではなく、誰に言われたのかが重要」「誰の言葉に耳を傾けるのか」になるわけです。

 私たちはみんな、情報の入り口であるモーダルチャンネルを持っています。このチャンネルは脳が外部世界の情報を認識する際の取り入れ口になります。具体的には「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」の「五感」プラス「言語」がその取り入れ口となり、中でも「言語」は臨場感が出やすいチャンネルです。ですから、私たちは人の言葉に左右されてしまうのです。

 怖いのはある言葉に注意を向けると、そのほかの言葉の活性が抑えられてしまうことです。前述したカクテルパーティー効果がまさにそうだったはずです。カクテルパーティー効果が発動したために私たちはパーティーの喧騒の中でも話し相手の言葉が聞こえるのです。要は、自分が注目している人からの言葉以外は雑音化してしまっているわけです。

 しかし、これは諸刃の剣であり、パーティーのような時にはとても便利ですが、例えば、あることを信じてしまうと、それ以外の情報を遮断してしまうことにもなりかねないわけです。自分が正しい、あるいは好ましいと思っている情報以外が耳に入ってきてもRASのフィルターでふるい落とされてしまって認識されないということです。

 実は、つい最近もこの効果が世界的な現象を巻き起こしました。それが新型コロナウイルスやそのワクチンをめぐるさまざまなことです。

 (中略)

 であるのに、ワクチン医師たちは自分の臨時収入を守りたいがために、自分たちが見たい情報、聞きたい情報のみに固執し、私が提示した正しい情報を見ようとしなかったのです。まさにこれがRASのマイナス面です。

 私たちの重要度など、これほどあやふやなものなのです。

 あることを意識に上げること、あるいは上げないことは多くの人が思っているよりも遥かに簡単です。

 なぜなら、通常は、臨場感があってしかるべきものをRASがわざわざ下げているからです。そこに、なんらかの自分にとって有利な情報が乗ってくると「臨場感が戻ってくる」という仕組みです。重要度のボリュームみたいなものをイメージするとわかりやすいでしょうか。このボリュームを多くの人は他人の言葉によって上げ下げしています。コーチングではそれを自分自身でどうやって上げ下げしていくかが課題なのです。

 引用終わり

 

 

 では、「心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと」について、私の考えを述べたいと思います。「心の本質とは?」「なぜ言語?」「なぜ内省言語?」についてシンプルにまとめます。

 

    心の本質とは?

 ブリーフシステム(Belief SystemBS)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 引用文の中で博士が言及されているとおり、「RASを通過する(=スコトーマが外れる)」「RASにフィルターされる(=スコトーマに隠れる)」に関わるのは“重要度”。重要度が高いものは認識に上がり、重要度が低いものは認識に上がりません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その重要度を決めるのがBS

 

    なぜ言語?

 そのBSの主要な部分は言語でできています。だから、同じ言語を使った書き換えが有効になります。

 F-110:情報が書き換わると現実が変わる vol.1;言語編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20086131.html

 

ただし内省言語。「自分自身の言葉」です。なぜでしょうか?

 

    なぜ内省言語?

 答えは「Push-Push Back」が働くから。他人から強制されると、私たちの無意識はそれを拒否しようとします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

前回(05/L-083)、want tohave toの生産性の違いは756倍もあることをお伝えしました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 他から何かを押し付けられてhave to(~ねばならない)を感じると、マインドはそれを押し返そうとします。具体的には無理な理由ややらないでいい言い訳(←内省言語)が出てきて、なるべく先延ばししようとします。それが創造的回避。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 創造的回避は生じたエネルギーと創造性を現状維持のために用いている状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

そのエネルギーと創造性をゴール達成(夢実現)に向けるのがコーチング。現状維持からゴール達成に無意識を方向転換する鍵が「内省言語」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

L-084につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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オーセンティック・コーチング




Q-010:「できない理由」「やらなくていい訳」への対処

 

 いただいた御質問に回答いたします。

 

Q:つい「できない理由」「やらなくていい訳」が思いついてしまいます。どうすればいいでしょうか?

 

A:我々の脳のシステムには、「創造的回避 Creative Avoidance」(01-02-09http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html)と呼ばれるものがあります。「have to」、つまり「~ねばならない」ものは避けようとする働きがあるのです。しかも創造的に。

 

何年か前の話ですが、20代の女性が自宅で縛られた姿で発見されるという事件がありました。周辺住民を恐怖に陥れた事件は、警察の捜査によりあっけなく解決しました。じつは、被害者女性の自作自演だったのです。その動機は、なんと、「会社に行きたくなかったから」。

これが「創造的回避」です。

 

「つい『できない』理由を探したり、考えてしまう」ときは、一度立ち止まって「なぜそれをしようとしているのか?」を考えてください。

何かが原因で「have to」になっています。

 

もし、どう考えても「have to」なら、あなたはその行為をきっぱりやめるべきです。

 

たいていは何かがきっかけで、本来「want to」であったことが「have to」になってしまっているだけですから、必ず解決します。

無意識レベルでモチベーションが「want to」に戻ったら、あなたの創造的無意識が勝手に「『できる』ためのこと」を考えはじめます。

 

自分の無意識状態が「want to」か?、「have to」か?-そのセルフチェックに「できない理由を探していないか?」のセルフチェックを活用してください。

 

The Power of Mind Ⅰ」の第二章の「モチベーション」(01-02-06http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html)で御紹介したとおり、「want to」と「have to」との生産性の違いは10年で756倍です。

 

あなた自身の未来のために、「want to」のみで生きることがとても重要です。

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 


PMThe Power of Mind

PM-02苫米地理論における重要用語解説

PM-02-09:創造的回避

 

 この章では、苫米地理論の中でとくに重要な概念をピックアップし、解説いたします。
 第二章目次:
 
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12936581.html


09)創造的回避

 

 モチベーションhttp://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.htmlやプッシュ・プッシュバックhttp://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882703.htmlとも関係する概念です。

 

人はやりたくないことを強制されると無意識に回避しようとします。それを創造的回避(Creative avoidance)と呼びます。

 

 モチベーションの説明中に「want to」と「have to」で756倍の生産性の違いが生まれると紹介しましたが、それは「人が本来持っている創造性の引きだし方」に関係しています。

 

want to」だとそれを実現することに創造性が働き、「have to」だとそれを回避することに創造性が発揮されるのです。その差が756倍の違いを生みます。

 

いずれにせよ、人間はいつも創造的なのです。

 

 創造的回避は、傍から見ると、「とんでもない言い訳」や「ありえない行動」としてあらわれます。

 

(つづく)

 

 

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