苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:共感覚

L-08720213月シークレットレクチャー -10;言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”

 

20213月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t think, feel!」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 *初回講義(202011月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html

 *2回目講義(20211月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html

 02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30049883.html

 04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 06;心の本質を捉える基本中の基本

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30130987.html

 07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 08;「feel」の体感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 09;部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30210986.html

 10;言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”

 

 

 「何となく」

 それが超言語・超論理の右脳空間に構築された巨大で抽象的な構造を感じているときの感覚。「Don’t think, feel!」の「feel」の体感です。

 

 

前回(L-086)は、「feel」を体感しながら、“何となく”をキーワードにワークに取り組んでいただきました。「部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク」のversion 2です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29515037.html

 

 言語を使わずに「イメージする」「統合する」「書き換える」のは簡単ではないはず。とくに「落とし込む」のは難しかったのではないでしょうか?

 

 今回は「言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”」がテーマ。その“秘技”とは「共感覚」!

 

 共感覚とは「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のこと。具体的には文字や音が色として感じられたり、匂いに感触が付随したりする現象です。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じる「感覚の相乗り状態」のこと。

通常は先天的な感覚の性向のことをいいますが、練習すればある程度の共感覚を必ず持てるようになります と博士が書かれています。詳しくは下記ブログ記事で確認してください。苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、開拓社より再販)より引用しています↓

 Q-233:「財布を娘に盗られた」といったvol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27926812.html

 

 共感覚は内部表現を書き換えるのにとても役にたちます。「イメージする」「統合する」「書き換える」「落とし込む」は、まさに「内部表現の書き換え」です。

 

 では、なぜ共感覚をマスターすると内部表現を書き換えやすくなるのでしょうか?

 

 答えは「強烈な臨場感を生みだせる」から。

 前回(L-086)の追記中の博士の言葉どおり、リアリティ(R)は臨場感(V)とイメージ(I)によってつくられます。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式:I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 共感覚によって生みだす強烈な臨場感がリアリティを書き換える秘訣です。

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

強烈な臨場感を生みだすと、まずは自分が深い変性意識に入ります。すると、次第にまわりも深い変性意識に引き込まれます。ホメオスタシスが同調するからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 共感覚を使って自分で作りだした強烈な臨場感空間(I×V)ですから、その世界(R)の支配者は自分自身です。

 それを言語化したアファメーションがこちら↓

 

 

 覚醒パワーで人々を啓蒙する言葉

 私は、私の臨場感の世界の支配者である。したがって、すべての人の選択はいつも私の思うようになっていることに気づいている。その責任感と充実感がいつもとても心地よい。

新・夢が勝手にかなう手帳 2022年度版・特別付録より

 

 

 では、具体的に説明します。

基本は、自分が普段考えている世界や感じている世界を、色だったら「音に変える」「味に変える」というように“違う感覚”に変えること。その訓練を毎日20分間、まずは3カ月間続けます。

 

 早速、今、目の前にあるものを1つ選び、視覚以外の感覚に置き換えてください。「音で例えると」「味にすると」「匂いなら」「感触は」といった感じで自由に変えていきます。その違う感覚へのマッピングが「共感覚」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 オタクな映画話で恐縮ですが、日本では20221月に公開されたMCUMarvel Cinematic Universe27作目の映画「Spider-ManNo Way Home」には、噂どおりのビッグサプライズが仕込まれていました。その他にもたくさんのサプライズがあり、例えば“ある人物”がMCUに初登場しています。盲目の弁護士/クライムファイター マシュー・“マット”・マードック/デアデビル(Matthew Matt Murdock / Daredevil)です。

 デアデビルの「レーダーセンス」と呼ばれる特殊能力は、まさに「共感覚」。視覚を失った代わりに手に入れた、四感(聴・嗅・触・味)による視覚化(マッピング)能力です。その能力を使って「目が見えないのに見える」「目で見る以上に見える」ことができます。

 (日本の漫画「るおうに剣心」にも同じような能力を持ったキャラがいますよねw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな能力を意図的に覚醒させるのが共感覚訓練です。「感覚の相乗り状態」を身につけると、高い抽象度のイメージであっても(I)、むしろ臨場感が増していき(V)、思いどおりに現実化できるようになります(R)。内省的吟味を加えやすくなるからです。

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

もちろん、共感覚を入れたということで、自ら支配する変性意識下にいることになります。コントロールされた“Rゆらぎ”です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

 最後に、前回のワークについての補足をまとめます。「共感覚」を意識に上げながら、ワークをもう一度行ってください。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

<補足>

1:苦痛をカテゴライズし、ゲシュタルトとして認識する

-「4つの苦痛」について、それぞれ共感覚的に感じる ex. 色・形・音・匂い・味・素材感・重さ

2:ゲシュタルトの統合(connect the dots

-「4つの苦痛」を感じながら、同時に全体を共感覚的に感じる ex. 色・形・音・匂い・味・素材感・重さ

→「全人的苦痛(トータルペイン)」(全体)と「4つの苦痛」(部分)を同時に感じられるようにイメージを繰り返す

 3:統合した「全人的苦痛(トータルペイン)」を「全人的幸福(トータルウェルビーイング)」に書き換える

  -ゴールをイメージしながら、色、形、素材感、重さなどを変えて、強化する

 *参考にこちらをどうぞ↓

 Q-289:ドーパミンの分泌をvol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 4:幸福を4つのカテゴリーに落とし込む。「身体的幸福」「心理・精神的幸福」「社会的幸福」「スピリチュアルウェルビーイング」

  -少しずつ鮮明(ex. 色、形、素材感、重さ)にする感覚。この時も「全人的幸福」を同時に感じ続ける

 

*「部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワークver.2」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30210986.html

 

L-088につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

ワークの参考にどうぞ。苫米地博士の著書「超一流脳のつくり方」(枻出版社、p71)からの引用です。

 

 

 五感をフルに働かせ、体感と未来の記憶を結びつける

 ゴールにリアリティを持つようにするには、ゴールを達成したときの感情にリアリティを持つことが重要です。実現させるには、こんな方法もあります。

 まず、人生を振り返って、楽しかった、すがすがしかった、嬉しかった、誇らしかった、気持ちよかったという5つの体験を書き出します。判断基準は、体感の強さです。5つ書き出せたなら、12回、4週間、繰り返し読み上げます。読むたびに五感をフルに働かせて追体験します。思い出すときは、「嬉しかった」と声を出して言うと効果的です。声にしてもう一度聞くことで、体感が強化されます。

 次に、やりたいことややりそうにないことに分け、自分のゴールを書きます。そして、そのゴールを達成している自分を思い浮かべます。そのゴールに先ほど思い出した体験に貼り付けてください。たとえば、仕事をバリバリこなす自分のイメージに誇らしい体感をミックスさせ、体感を伴う未来の記憶を合成します。最初は過去の記憶を思い出しながらじゃないとできませんが、慣れてくれば簡単に結びつけることができます。すると、デスクワークをしながら気持ちいいという状態をつくり出すこともできるのです。

 現在以外の過去、未来は想像でしかありません。言い換えれば、過去も未来も創造できるということになります。現在での願望は、もう未来そのものなのです。

 

 過去のポジティブな出来事と未来のイメージをミックスさせる

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30204067.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html

F-227:ジョコビッチのwp

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28113432.html

L-02620203… -04;老いの実感 ~乗り物酔いリターンズ~

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Q-196:未来の抽象度の高いイメージ(I)を臨場感高く想像すれば(V)実現する(R)と考えていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/search_tags?qt=682669&p=2

Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳2022年度版



Q-234:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.5:ユマニチュードの5つのステップ 後編>

 

 先日、認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。コーチとして。

 私が取り上げたのは「認知機能の低下で情緒が不安定になり、環境に反応して起こる」とされている「BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia、行動・心理症状)」。

 厚生労働省HPBPSD:認知症の行動・心理症状」

 s0521-3c_0006.pdf (mhlw.go.jp)

 

講演後に行われたシンポジウムで、大学教授からこのような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 

Q:「スコトーマは医療の現場では『認知バイアス』として知られている」ということでしたが、とくに注意バイアスの話に思えました。

 認知症の患者さんでは、記憶障害のため財布などを見つけられない時に、「ここに置いたはず」→「娘が盗った」という被害妄想がおこりがちです。特に大切なものにバイアスがかかりやすいと思いますが、コーチング(コーチ)の視点では、「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

 回答を一般~コーチング実践者向けに再構成し、6回に分けてお届けします。

 vol.1:認知症の2つの症状>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27839838.html

 vol.2RAS&スコトーマと専門性の関係>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27881450.html

 vol.3:ユマニチュードの4つの柱>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27907680.html

 vol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27926812.html

 

A5:前回からユマニチュードの「心をつかむ5つのステップ」を取り上げています。それは1)出会いの準備、2)ケアの準備、3)知覚の凍結、4)感情の固定、5)再会の約束。

 とくに3)知覚の凍結は重要。私は「後天的共感覚生成」に通じるひとつの技法であると捉えています。

 

 4)感情の固定は「気持ちよくケアできたことを患者さんの記憶にしっかりと残し、次回のケアにつなげる」ことが目的。そのために先ほどまでのケアを二人で想起します。ポイントは4つです。

 〇ケアの内容を前向きに評価 →シャワーは気持ちよかったですね

 〇相手を前向きに評価 →シャワーをしてさらに素敵になられましたね

 〇ともに過ごした時間を前向きに評価 →私もとても楽しかったです。ありがとうございます

 〇前向きな言葉(言語)&好意的な動作(非言語) →ポジティブな情動記憶を残す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 「情動記憶」という言葉から、私はブリーフシステムを想起しました。この4)感情の固定は、ケアに対して前向きなブリーフを作る手法と理解することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ケアを受ける側である患者さんの多くは、病気や老いによって、今までできていたことができなくなっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045827.html

 

御質問中の「認知症の患者さん」も同じ。状況をまったく理解できないのではなく、むしろ「現在の私」を評価できるから混乱していきます。それはコンフォートゾーンを下向きに外れる状態であり、自己イメージが低下する状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 4)感情の固定は、苦痛(とくに心理的苦痛)を軽減し、エフィカシーを高める効果があると感じました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 5)再会の約束は患者さんの記憶力に関わらず行います。とくにケアに拒否的な人に対しては不可欠な行為とされています。

 この部分を苫米地式で解釈すると、「場の共有」。「場」とは「情報空間における座標」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

よって、再会の約束は、「時空を超えた(潜在的な)場の共有の意識化」といえるはず。

 Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html

 

 

以上がユマニチュードの「心をつかむ5つのステップ」。

 

被害妄想がでている老人」と向き合う際には、ぜひユマニチュードの「4つの柱」と「5つのステップ」を意識に上げてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

スコトーマを外しながら、その場面に最適な対処法を「invent」できるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 次回が最後の回答です。「コーチング(コーチ)の視点では、『財布を娘に盗られた』といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?」について、さらに抽象度を上げて考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 鍵となるのは「共感覚」。

 前回に引き続き、認知科学者 苫米地英人博士の著書より「共感覚」に関する部分を引用します。今回は「脳と心の洗い方 ~『なりたい自分』になれるプライミングの技術~」(フォレスト出版)からの引用です。

 

 

●人口共感覚の作り方

 臨場感を増すためには共感覚が役に立ちますが、実際一万人に一人では方法論になりません。ですから、私はクラスで人口共感覚の生成法を教えています。この方法を使えば、普通の人でもちょっと訓練すれば誰でも共感覚を感じられるようになります。

 これは秘伝技です。通常は医師や臨床心理士にしか教えていないのですが、強烈な臨場感を生み出すと自分が深い変性意識に入り、そうすると相手も深い変性意識に引き込まれるので、思い切り相手をコントロールできる状態になります。

 なぜなら、自分が支配する仮想空間ですから相手に対する影響力が強くなるので、教える相手を選んでいます。

 問題ない程度にテクニックを伝授すると、基本的には自分が普段考えている世界、感じている世界を色だったら「色を音に変える」または「味に変える」といったような違うものに変える訓練を毎日二十分間続けます。それを三カ月間。

 たとえば、今、目の前にはこういう人がいて、絵画があり、壁があります。そして、「じゃあこの壁はこの音にしよう」「絵画はこの音にしよう」「前の人の服はこの音にしよう」と自分で決めていきます。音や味、なんでもいいけれど視覚以外のものにします。訓練したければ、「今日は味でやってみよう」「匂いにしてみよう」「今日は色でやってみよう」といった感じでやります。

 自分なりの工夫で違う感覚にマッピングすることを三カ月続けていると、できるようになります。その結果、リアリティがすごく増します。

 

●目が見えなくても見える!

 実際に嫌でもやらざるを得ない人っているでしょう?

 目が見えなくなった人でも、まるでまわりが見えているかのように行動する人がいます。それはおそらく音や触覚情報を視覚情報にマッピングしていると考えられるわけです。これは眼球がダメになったわけで、視覚野がダメになったわけではない人の場合は視覚野の情報処理に対するデータの入り口を目ではなくて耳にしている可能性が考えられます。

 武道などでも同じです。後ろから攻めてきた人がわかったりするというのも、音なのか風の感触なのかわかりませんが、ちゃんと認識しています。それも微細にわかる達人は共感覚の利用が考えられます。

 同じことが身体障害者の場合は、嫌でもやらざるを得ない状況になっているということでしょう。それを我々は謙譲の身体でやる。その訓練を一日二十分三カ月。

 そうすると普段見ている現実世界のリアリティが増していくし、リアリティに対して自分が内省的吟味を加えやすくなる。もちろん共感覚を入れたということで、すでに自ら支配する変性意識下にいることにもなります。

 

●どんどんリアリティを増していく!

 この訓練をすれば、人口共感覚はできます。これがいいところは全て自分が生み出したリアリティ世界だから、リスクが少ない。この訓練を毎日やるだけでいい。

 逆に「明日何をやるべきか」「明後日何をするべきか」というのは、一切考えなくていい。大金持ちになるためには、「今日何をしなくてはいけない」とか考えてしまいそうですが、そんな必要は全然ありません。

 大金持ちになるのは一年後くらいにどうなっているかという結果、三年後くらいにどうなっているかという結果、五年後くらいにどうなっているかという結果のリアリティでしっかり共感覚で強く感じればいい。後は無意識の選択にまかせる。

 十年後は先過ぎます。五年くらいがいいでしょう。一年後、三年後、五年後くらいのゴールをリアルにします。

 「五年後ビル・ゲイツに勝った!」「三年後一部上場した!」「一年後マザーズの壇上に立った!」ぐらいでいいのです。

 それをリアルな姿ではっきりと思い描きます。まずは視覚情報、それから聴覚情報、味覚情報など全部。それを「マザーズの壇上に立ったときの祝いの花束の匂いはどうなんだろう?」、そして「マザーズの壇上に立ったときの花束の視覚情報を匂いに変えたらどうなんだろう?」というようにやるのです。

 また、祝賀パーティで出すミネラルウォーターの味を匂いに変えてみたり、皮膚感覚に変えてみたりするのです。

 画を味に変えたり、画を感触、体感に変える。それが共感覚的な感触。するとリアリティがどんどん増していきます。

 

Q-235につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

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Q-233:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 

 先日、認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。コーチとして。

 私が取り上げたのは「認知機能の低下で情緒が不安定になり、環境に反応して起こる」とされている「BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia、行動・心理症状)」。

 厚生労働省HPBPSD:認知症の行動・心理症状」

 s0521-3c_0006.pdf (mhlw.go.jp)

 

講演後に行われたシンポジウムで、大学教授からこのような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 

Q:「スコトーマは医療の現場では『認知バイアス』として知られている」ということでしたが、とくに注意バイアスの話に思えました。

 認知症の患者さんでは、記憶障害のため財布などを見つけられない時に、「ここに置いたはず」→「娘が盗った」という被害妄想がおこりがちです。特に大切なものにバイアスがかかりやすいと思いますが、コーチング(コーチ)の視点では、「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

 回答を一般~コーチング実践者向けに再構成し、6回に分けてお届けします。

 vol.1:認知症の2つの症状>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27839838.html

 vol.2RAS&スコトーマと専門性の関係>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27881450.html

 vol.3:ユマニチュードの4つの柱>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27907680.html

 

A4:前回は「見る」「話す」「触れる」「立つ」というユマニチュードの4つの柱を紹介しました。今回は心をつかむ5つのステップ。それは1)出会いの準備、2)ケアの準備、3)知覚の凍結、4)感情の固定、5)再会の約束 です。

 

1)出会いの準備とは「自分が来たことを知らせ、“ケアの予告”をするプロセス」。具体的には ①3回ノック→②3秒待つ→③3回ノック→④3秒待つ→⑤1回ノックしてから部屋に入る→⑥ベッドボードをノックする とあります。

「相手の覚醒水準を徐々に高める効果がある」とされているこの過程を、苫米地式で読み解くと「共有」。共有とは「ある世界があってお互いがコミットすること」です。

わかりやすく言い換えると「相手の視点で世界を見る」「(相手に働きかけるという意識ではなく)相手そのものになる」ということ。これは変性意識導入の基本といえます。

Q-169~:自身の信念を失いないそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 

 2)ケアの準備とは「ケアについて合意を得るプロセス」のこと。時間の目安は20秒~3分間。3分以内に合意を得られなければ、いったん諦めて出直します。実際には9割のケースにおいて、40秒以内にこのプロセスが完了するそうです。

 これは「無理強いはしない」「have to化を防ぎ、want toを引き出す」ということ。合意がないのに強引に押し進めるとpush-push backが働きます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

 このステップを実行することで攻撃的で破壊的な動作・行動(←BPSDの一症状)を83%減らせたという報告があります(European Union Geriatric Society annual meeting 2013)。

この事実は大脳辺縁系が優位になることで起こる「ファイト・オア・フライト」の回避を意味するはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 では、どうすれば合意を得られるのでしょう? そもそも合意とは何でしょう?

 

 そう、合意とは「ゴールの共有」のこと。先程の「ある世界があってお互いがコミットすること」の「ある世界」がゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 実際のケアにおいては、まずはゴールが生みだすコンフォートゾーン(CZ)をクリアにすることが重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

その上で、介護側が常にCZを意識に上げながら、患者さんやその家族にしっかり体感してもらうことが「合意を得るプロセス」には欠かせません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

 3)知覚の連結はケアを実際に行う際の最も大切な部分で、2つのポイントがあります。

 〇「見る」「話す」「触れる」のうち2つ以上を行うこと

 〇五感から得られる情報は常に同じ意味を伝えること

 

 つまり、相手の視覚・聴覚・触覚のうち少なくとも2つ以上の感覚に「調和的でポジティブな情報」を入力し続けるということ。笑顔(視覚)と穏やかな声(聴覚)と優しい触れ方(触覚)の3つ(のうち最低2つ)を同時に行いながら、「ポジティブなメッセージを伝える」「ネガティブなメッセージは絶対に入れない」ことが知覚の連結です。

 

 このユマニチュードにおける知覚の連結を、私は「後天的共感覚生成」に通じるひとつの技法と捉えています。

 

ちなみに、共感覚は臨場感を高めるための重要なポイントです。

御承知のとおり、認知科学以降、現実とは(R)臨場感が一番高い(V)イメージのこと(I)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 五感+言語という6つのモーダルチャンネル(←苫米地博士の造語、情報入力経路のこと)から入力された情報(部分)がポジティブなものであると、スムーズに「安心・安全」というゲシュタルト(全体)がつくられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 それが先程の「ゴールが生みだすコンフォートゾーン」です。

 

 いったんポジティブなゲシュタルト/コンフォートゾーンができると、RAS&スコトーマの働きにより、患者さんはポジティブなものばかりを認識するようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 医療・介護現場だけではなく、教育現場や家庭、そして職場においても、ユマニチュードにおける知覚の連結はとても重要だといえます。

(「5つのステップ」の続きは次回に)

 

 

最後に、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、開拓社より再販)より引用します。「共感覚」という概念を意識に上げながら読み進め、クリアなゲシュタルトを作りあげてください(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

後天的共感覚の生成法

 呼吸による変性意識の生成ができるようになったら、次はマインドエンジニアリングする際に重要な技術「後天的共感覚生成」に挑戦していただこう。

 共感覚というのは、以前、山下篤子氏の訳書「共感覚者の驚くべき日常」などでも話題になった、先天的な感覚の性向である。本来の感覚とは別の感覚が伴う現象で、文字や音が色となって感じられたり、匂いに感触が付随したりする。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じるのが「相乗り」しているような状態、これが共感覚だ。

 この感覚の持ち主は、十万人に一人の割合といわれている。実は、私もたまたま先天的な共感覚者で、いまだに小学校の音楽の先生の声が紫色でツルツルしていたとか、別の先生は銀色でとがった三角に見えたという記憶がある。

 共感覚になる原因は、視覚野や聴覚野などの情報処理器官が重なり合っている可能性が指摘されているが、詳しくはまだ解明されていない。

 さて、この共感覚。先程、先天的なものだと述べたが、実は誰でも練習すればある程度の共感覚を持てるようになる。これは私が、過去に洗脳護身術を指導してきた経験から分かったことだ。この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる。また、共感覚をマスターすれば、数学やディベートといった複雑で抽象的な作業に役立ち、絶対音感覚も視覚的に体得できるようになるだろう。

 では、さっそく共感覚の生成法を解説していこう。ここでの共感覚の生成とは、「あらゆるものを視覚化する」ということだ。音、感情、命題、論理などすべてを視覚化するのである。そして、最終的には視覚化したものを触覚化できるようになっていただきたい。

 とりあえず、皆さんに練習してほしいのは、音の視覚化である。まずは、逆腹式呼吸を使って変性意識が生成する。それから座っている状態で聞こえる音を一つ一つ、心の中で列挙していく。すると色々な音が聞こえてくるはずだ。エアコンの音、外の喧騒、隣の部屋から聞こえる音楽。そして、聞こえる音の一つ一つに色や形、触感を付けていく。例えば、私は連休の旅先で、小さなノートパソコンで原稿を書いているのだが、ハードディスクが細かく無数に並べられた先のとがった鉛色の小さな三角形の上に、黄色いザラザラな布を被せた音を出していて、先程から気になっている

 最初はよく分からないだろうから、感じたままで結構だ。「このエアコンの音は、薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音だ」といった感じである。そしてそれを「薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音」として実際に見てほしい。変性意識が生成されていれば可能なはずだ。このように、周囲で聞こえる音を色や触覚、形などで見ていってほしい。匂いを加えると、さらに効果的だろう。

 次に感情を視覚化してみる。変性意識状態を維持したままで、目の前にいる人の顔から得られる感情を色や形、触覚で表現し、その人の顔に重ねて見るようにする。悪意のある感情は、どす黒く渦巻いた異臭感があるかもしれない。逆に優しく穏やかな顔の前には、滑らかな球形をした薄いピンクのボールが見えるかもしれない。我々はちょっとした表情の変化、目の動きから相手の感情を読み取ることができる進化した動物だ。ただ、相手の感情を操作するためには、視覚化、触覚化して操作しやすい状態に持っていかなくてはならない。このため、感情を共感覚的にとらえていく必要があるのだ。

 音の視覚化、感情の視覚化に成功したら、最後は気の視覚化に挑戦しよう。ここでは気という概念をあえて定義しない(詳細は第4章)。気功師が言及している「気」。そんなものが実際にあると考えるくらいでいいだろう。つまり、相手の感情状態のみならず、心身の健康状態を外部から感じられる気配のようなもの。これを気とする。

 とりあえずは、自分の手の指先をよく見て、そこから出ている気の色や形、触感を指の周りに表現してみてほしい。気功師のように気を出したり、信じたりする必要はない。もし、自分が中国の超人気功師のように気を出せたら、こんな感じだとイメージすればいいのだ。白く、煙のようにもやもやした感じだろうか。それとも、赤く燃え上がっているような感じだろうか。実際にあってもなくても、指の周りにそれが見えてくるまで練習していただきたい。

 以上の技術をマスターすれば、相手の内部表現を操作するとき、自分のイメージを見せるだけでなく、実際に触覚や味覚などのあらゆる感覚に臨場感を持たせることができるだろう。

 

Q-234につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

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