苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:共感覚

L-167202201月シークレットレクチャー -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 11;モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 

 

ラスト2回は実践編です。「可能世界 w から別の w1 へ移行」するため基礎的ワークを紹介します。ぜひ“初心”に立ち返って取り組んでください。

F-265:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.9;“初心”とは?>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30002338.html

 

 前回(L-166/10)は「呼吸」を取り上げました。

呼吸は人間の生命維持に必要なホメオスタシスのなかで最も重要であるにもかかわらず、意識に上げてコントロールすることができます↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

そのため「意識をホメオスタシスに介入させる窓口」として呼吸を利用することが有効です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 意識をホメオスタシスに介入させた後に行うのは「共感覚」!

 Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 以下、苫米地博士の著書「モーツァルトの奇跡! “重ね聴き”脳力開発法」(宝島社、p8)より引用します。

 

モーツァルトの奇跡! “重ね聴き”脳力開発法

 

 

天才モーツァルトを知る7つのキーワード#2 共感覚

音を見、色を聴く ― 光の音楽を生んだ感性

 

ある知覚から別の知覚を生じる

 なぜ、モーツァルトは音を使って光の世界を表現することができたのでしょうか。それは、モーツァルトが共感覚者だったからです。

 人間には、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚という5つの知覚があります。いわゆる五感です。この五感で、ある知覚が別の知覚を生じさせる現象のことを共感覚といいます。

 たとえば、聴覚が視覚を生じさせる共感覚では、ある音を聴いたとき「この音は銀色で丸い」というように音が形で見えることになります。聴覚が味覚を生じさせると「この音は甘い」というふうになりますし、触覚につながると「この音はザラザラしている」というように感じられます。「この音はザラザラしている」というとザラついた音質を比喩的に表現していると思われるかもしれませんが、そうではなく、共感覚では肉体的な感覚として「ザラザラしている」と感じられるのです。

 子供の頃は知覚がまとまっており、誰もが共感覚を持っています。成長するにつれて知覚が分化していき、共感覚が失われるのです。大人になっても味覚と嗅覚は比較的近いところにあるので、みなさんもその感覚はなんとなくわかるのではないでしょうか。

 共感覚にもさまざまなものがありますが、音を聴くと光が見えるのが光共感覚です。モーツァルトは、この光共感覚をもっていました。ですので、自分が見ていた光の世界を音に置き換えることができました。光共感覚がなければ、決して光の世界を音で表すことはできなかったでしょう。

 

光共感覚を保ったまま育つ天才

 ただ、こうした光共感覚自体はめずらしいものではありません。長時間、音楽に接しながら成長すると、大人になっても光共感覚を保つことがあります。

 クラシックの世界では、幼少の頃から楽器を長時間練習するのが当たり前です。これは、昔も今も変わりません。モーツァルトがクラヴィア(鍵盤楽器)のレッスンを始めたのが4歳のとき。ベートーヴェンもショパンも、4歳でピアノのレッスンを始めています。

 現在でも、ショパンコンクールの予選をめざすような人は、小さいときから18時間ほどピアノを練習しています。本選ではなく予選に出るだけでこの練習量ですから、すさまじい世界ですよね。

 このように子供の頃から長く音楽に接していると、光共感覚になるケースが多くあります(私自身は生得的な光共感覚者で、あらゆる音が立体的な光として見えます)。

 ですので、モーツァルト以外のクラシックの作曲家にも光共感覚の人が少なからずいたはずです。そのような作曲家には、音が光として見えていました。自分が作曲した曲が演奏されると、光の世界が立ち上がったことでしょう。

 しかし、そうした作曲家には表現すべき光の世界があらかじめ見えていたわけではありません。作った曲が結果的に光の世界となっただけです。ですから、光の世界を音楽で表すこともなかったのです。

 モーツァルトには、表現すべき光の世界が見えていました。そして光共感覚を使い、その世界を音に置き換えていったのです。

 引用終わり

 

 

 モーツァルトには、表現すべき光の世界が見えていました。そして光共感覚を使い、その世界を音に置き換えていったのです

 

 そんなモーツァルトの音楽を“体感”することが今回のワーク。

 

 苫米地博士は「モーツァルトを聴くだけでIQが上がる」と語られていますが、その理由はクリアでしょうか?

 

 鍵となるのは「ドーパミン」です。ドーパミンは「心地いい」「楽しい」といった感情をもたらす神経伝達物質のこと。

 モーツァルトの音楽を聴くと、中脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTAVentral Tegmental Area)というドーパミン神経系の拠点が刺激されます。腹側被蓋野が刺激されるとドーパミン分泌(放出)がおこり、腹側被蓋野の先にある腹側線条体の側坐核(そくざかく、NAccNucleus accumbens)が刺激されます。

側坐核は快楽や幸福感を司る部位なので、そこが刺激されることで「心地いい」「楽しい」といった気分になっていきます。

(「ドーパミン」について、詳しくはこちらでどうぞ↓)

Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 今、「なぜモーツァルトなのか?」と疑問に思っているのでは?

 

 その理由として、苫米地博士は「モーツァルトの音楽が持っている情報量の多さ」を挙げられています。その「情報量の多さ」の根拠が「倍音」です。

 博士によると、モーツァルトの曲は倍音が精密に設計され、倍音同士の干渉にいたるまで細かく計算されているそう。そのため描かれている世界の精度が非常に高く、他の作曲家の作品より情報量が多いのだそうです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 ここで注意するべきなのが、「情報と知識は違う」こと。

 L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

 いくら情報量が多くても、脳は意味のない情報は処理しようとしません。スコトーマに隠れるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 モーツァルトの音楽は完璧に統合された“意味のある情報”であるため、聴くだけでたくさんのドーパミンが分泌されるそうです。その“意味のある情報”とは「ゲシュタルト」のこと。反対に「ゲシュタルトが意味を決める」ともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そんなモーツァルトの音楽を聴きながら、さらにドーパミン分泌を加速する方法があります。それが「ゴール(の世界)」のイメージングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールの世界を思い描き、さらには共感覚を用いて体感しながら、モーツァルトを聴く!

 

 それが「可能世界 w から別の w1 へ移行」するため基礎的ワークです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 モーツァルトを“体感”したら、あらためて「新たな『フレーム=BS別の w1)』を再構築」に取り組んでください。きっと今まで以上に“豊かさ”を感じられるはずです

 (その理由はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 まずは過去の記憶でつくられた「これまでの『フレーム=BS可能世界w)』」を解体

→ スコトーマが外れる

→ 新たなゴール設定

→ 高い次元に「新たな『フレーム=BS別の w1)』」を再構築

=グレインサイズが大きくなる

=ゲシュタルトを統合

=抽象度が上がる

 → 人生がますます豊かになる

 

 

あらためて伺います

「囚」を見て、どのようなイメージが浮かびますか?

 

 

2021年11月シークレットレクチャー2

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 モーツァルトの楽曲を用いた応用的ワークを紹介します。

 

 前々回(L-165/09)、「可能世界 w から別の w1 への移行を促す」ためには、コーチ自身が1)無意識のうちに全体像を身体的に感じて、2)複数のことを同時進行で考えながら、3)瞬時にオリジナルの考えを導きだせる ことが必須であると書きました。

 L-10720218月シークレットレクチャー -09;「I×V」とは〇〇

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

 その感覚をマスターするためのワークです。「モーツァルトの奇跡!」(宝島社)内で紹介されているワークをまとめます。

 

 STEP1:音と動きをイメージする>

 -個々の楽器の音をイメージできる」ことが目標

-まずは弦楽器、金管楽器、木管楽器、メロディ系打楽器(ピアノなど)、リズム系打楽器(ティンパニーなど)の各カテゴリの楽器の音の出方、響きの特徴をつかむ

-そして、音色や音の響き、揺らぎを脳と身体で体感する

 -さらには演奏者の動きも。「すべての芸術は身体表現。身体をリアルに感じられると、その芸術に対する理解が深まる」by苫米地博士

 

STEP2:メロディラインを聴き分ける>

 -交響曲や室内楽では複数のメロディが同時に進行している

例:主旋律:ヴァイオリン、副旋律:フルート

 -モーツァルトの曲を聴きながら、複数のメロディラインを聴き分ける

 -同時に、演奏者の動きや、その動きによって音が楽器や演奏者の身体に響いて振動しているところをイメージする

 -モーツァルトの曲という抽象度の高いものを、まず個々のメロディという低い抽象度でとらえることを意図している

 -「複数のものを並列して捉える能力」や「物事を分解する能力」が刺激される

 

STEP3:メロディを別の感覚に置き換える>

 -共感覚者になるトレーニング

 -モーツァルトの曲を聴きながら、(例えば)色をイメージする。例えば

  「ヴァイオリンが弾いたメロディは水色」

  「フルートのこのパートは赤から青へのグラデーション」

  「ピアノが弾いているこの和音は濃い緑色」

 -モーツァルトの楽曲がもつ抽象的な世界の臨場感が高まる

  →モーツァルトが描こうとした世界がくっきりと像を結び、自分の身体で触っているようにリアルに感じられるようになる

 

STEP4:ゲシュタルトをつくる>

 -聴き分けたメロディラインを再統合してゲシュタルトをつくる

  =楽曲をひとつの総体として味わう

 -抽象度を上げて楽曲をアートとして体感することが目的

 -抽象度の高いモーツァルトの楽曲がアートとして体感できれば、IQは飛躍的に上がる

 

 

-追記2

 さらなる応用的ワークは「モーツァルトの重ね聴き」。苫米地博士の著書「聴くだけ! クラシック音楽で脳が目覚める」(ペダルファーブックス)に詳しくまとめられています。重ね聴き音源(CD)付きです。

 

聴くだけ! クラシック音楽で脳が目覚める

 

 

-追記3

 究極のワークはDVDCD教材「『悟り』への道」(Club Tomabechi)で。

CDdisc2)に収録された「シンフォニア/悟り、その先へ」は、モーツァルトに加え、苫米地博士の「ダヴィンチ脳音源Ⅱ・Ⅳ」を含む11曲が重ねられています。

圧倒的悟り体験により、さらなる“現状の外”が感じられるはずです。

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 

-告知1

2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-064:「第九」に込められたベートーヴェンの思い

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14248557.html

F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

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F-309:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~ vol.6;抽象度+α>

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Q-350~:「情報的身体」というのがよくわかりません?

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Q-365:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか? -A4<円融;一人ひとりの「仮の役割」を認め、慈しむ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33657069.html

 

 

 

Q-371:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.3;実践編>

 

「共感覚」に関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。

 

 vol.1;理論編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html

 vol.2;「共感覚」実践の前に確認しておくべきこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34082930.html

 vol.3;実践編

 

 

Q:苫米地英人先生の本やYou Tubeで学んでいます。「共感覚」に取り組んでいるのですが、なかなかうまく実践できません。どうやったらうまくできるでしょうか?

 

A3:最初(Q-369/vol.1)に確認したとおり、共感覚とは「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のこと。共感覚を用いると、抽象度と臨場感を同時に上げることができるようになります。無意識のうちに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「意識」「無意識」とRAS&スコトーマの関係について、こちらでどうぞ↓

 Q279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

突き詰めて考えると、共感覚とは「“ものごと”の何らかの特徴を抽出して、別の感覚で表現する」ことです。それは「物理情報のひとつの抽象化作業」だといえます。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 この共感覚化の作業を繰り返していると、無意識が“現実”だと認識している物理空間から切り離され、自由に世界を認識できるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

それは「深い変性意識状態になることで、情報空間を自在に移動できるようになる」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

その結果、「自分の在るところを自由自在に観る」という「観自在」がうまくできるようになります。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 つまり、共感覚(化)により瞑想がうまくできるようになる ということ。

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

以下、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所、p131)より2回に分けて引用します。前半の引用では、重要な部分を再引用(青字)し補足していきます。「共感覚(化)」というゲシュタルトをつくり、感じてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

臨場感を維持するワークⅠ 過去の体験を利用して臨場感を強化しよう

「臨場感と五感のリンク瞑想」解説

 臨場感を強めるためには、知識と経験が豊富であればあるほど有利です。

 例えば、私の知り合いの著明な物理学者は「ビッグバンをこの目で見た」と言います。宇宙を発生させたビッグバンはきわめて抽象度の高い概念です。

 知人の物理学者は、それを「見た」と言うのです。普通の人が聞いたら「何を荒唐無稽なことを」と笑ってしまうか、「この人はちょっとおかしいのでは?」と疑ってしまうでしょう。しかし、彼には宇宙や惑星の発生に関する膨大な知識と経験があり、それらを基にして宇宙誕生の瞬間も強い臨場感で体感することができているのです。

 臨場感の強化には、知識と経験が必要です。いかに強い臨場感で抽象思考しようとしても、まったく知らない世界のことは認識できません。

 とはいえ、知識・経験が少ないからといって、あきらめることはありません。

 人間には「ゲシュタルト能力」があるので、知らない事象であっても類似の知識や経験を駆使して臨場感を強めることができるのです。

 例えば「ハワイにいる自分」を瞑想するとします。

 実際にハワイに行ったことがあれば、その時の知識や経験をベースにして瞑想してください。明るく澄み切った青空、広い海で泳ぐ気持ちよさ、街のざわめき、ビーチの解放感などを心の中で再現するのです。

 もしハワイに行ったことがなくても、日本の海で泳いだ経験や、ハワイに行った友人から話を聞いたり、テレビや雑誌などで見聞きしたハワイの知識があれば、強い臨場感で「ハワイにいる自分」を瞑想することができます。

 引用終わり

 

 

 臨場感を強めるためには、知識と経験が豊富であればあるほど有利

 

これはスコトーマの話。私たちは1)知識があり、2)重要性が高く、3)役割(責任)がある ことしか認識することができません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その3つに「ゴール」が大きく関係します。Goal comes 1st.です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 だから、「共感覚がなかなかうまく実践できない」という場合、ゴールを再検討することが何よりも重要!

 

ひょっとしたらゴールだと思っているもの/ことは、本物のゴールではないのかもしれませんよ。あるいは、かつての“現状の外”が、すでに現状に変わっているのかも。

 Q-042~:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html

 

 知識がないとスコトーマが生じますが、反対に知識があることでスコトーマが外れにくくなってしまう場合もあります。それは「思い込み」「過信」という“落とし穴”。

 F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29906587.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html

 

 その危険を回避するために、ゴールのポイントのひとつである「自分中心を捨て去る」ことが役に立ちます。「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」と同じ意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

 人間には「ゲシュタルト能力」があるので、知らない事象であっても類似の知識や経験を駆使して臨場感を強めることができる

 

 ゲシュタルトとは、「全体と部分とが双方向的に意味を与える統合された概念構造」のこと。その「概念構造」を構築する能力がゲシュタルト能力です。

 潜在的には複数のゲシュタルトを持つことができますが、ホメオスタシスで維持できるゲシュタルトは1つだけ。複数のゲシュタルトのうち、最も臨場感が高いものが選ばれます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 人間のすごいところは、複数のゲシュタルトを統合して1つにできること(connect the dots)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その際に抽象度が上がり、理解が深まっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 これまでも確認してきたとおり、抽象度が上がると、ふつうは臨場感が下がります。「臨場感が最も高いイメージが現実(I×V=R)」ですので、それでは現状の外にあるゴールの実現はできません。より大きなゴールであるほど、本質的にゴール達成は困難になります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そこで共感覚(化)!

 ポイントは「臨場感と五感のリンク」。「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」「誇らしい」「すがすがしい」というプラスの五大感情をうまく使うと、抽象度を上げながら臨場感を強化することができます。

 Q-289:ドーパミンの分泌をvol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 

再度、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所、p133)より引用します。いよいよ実践ワークです。リラックスを深めながら、じっくりと取り組んでください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

「臨場感と五感のリンク瞑想」ワーク

 それでは、過去の知識や経験をベースに臨場感を強めてみましょう。

 手順は次の通りです。

 

1. 過去の出来事から喜怒哀楽の感情を思い出し、その感情から体感を引っ張り出す

 過去の出来事(実際にハワイに行った経験、もしくはそれに類似する経験)から嬉しい、楽しい、気持ちいい、面白い、清々しいなどの感情を思い出し、次にそれらをリアルな体験として感じてください。

 たとえば、楽しければ身も心も弾みます。面白いときは笑いすぎておなかがよじれそうになります。清々しいときは心が軽くなるように感じます。

 悲しいときは胸が苦しくなります。怖いときは足がすくむ感じがします。感情は、必ず何らかの体感を伴います。難しく考えず、感情に伴う体感を素直に思い出すのです。

 

 2.体感を少しずつ強化する

 ステップ1で引き出した体感のままでは抽象度が低く、ステップ3の操作にうまく移行できません。そこでこのステップ2では、体感を少しずつ強化します。

 いきなり体感を感情の2倍、3倍にするのは難しいですが、人間の無意識はあまり賢くないので、1割増しぐらいならば簡単にできます。まずは1割増し、と徐々に強めていきましょう。「嬉しい」はもっと嬉しく、「楽しい」はもっと楽しく、といった感じです。

 体感が1割増しになるたびに、抽象度も少しずつ上がっていきます。2倍、3倍くらいに強化できれば、体感はかなり抽象化されています。

 

 3.体感を色や音、触感などで表現する

 強化した体幹を、次は色、音、におい、味、皮膚感覚など別の感覚に書き換えます。

 この書き換えには決まったルールはありません。

 「楽しくて身も心も弾んでくるような体感は、赤い色」「面白くてお腹がよじれそうな体感は、ピンポン球が跳ねる音」「清々しさで胸がスーッとする体感はミントのにおい」など、自分が感じるままに書き換えます。

 このとき、もともとの感情の臨場感も維持するように意識してください。先ほどの例でいえば、「赤い色を思い浮かべると、身も心も弾んでくる」「ピンポン球の跳ねる音をイメージすると、お腹が苦しくなるほど笑えてくる」「ミントのにおいを感じると、心がスーッと軽くなる」というように、臨場感と五感による書き換え情報がリンクするようにするのです。

 余裕が出てきたら、ステップ3の状態でさらに臨場感を1割ずつ強めていくといいでしょう。色をどんどん濃くしたり、音を大きくしたり、香りを強くするだけで、簡単にできます。

 このトレーニングを繰り返すことで、抽象度の高い情報空間で強い臨場感を維持するコツを身につけることができます。

 引用終わり

 

 

 あせらず、あわてず、気楽に取り組み続けてください。ゴールの世界のワクワク・ドキドキを楽しみながら。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 共感覚(化)をマスターするほど、「夢が勝手にかなう」ようになっていきます。お楽しみに。

 (こちらも合わせてどうぞ↓)

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 人間には「ゲシュタルト能力」があるので、知らない事象であっても類似の知識や経験を駆使して臨場感を強めることができる

 

 守秘義務情報なので詳しくは書けませんが、「ゲシュタルト能力」には重大な秘密が隠されています。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 そんな「ゲシュタルト能力」は生得的なものではありますが、もちろん、後天的に訓練することもできます。その代表が「コンセプチュアル・フロー」。こちらでどうぞ↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

-告知1

2024年度のオンラインセミナーは、6月と11月に開催する予定です。

(セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明を行います)

セミナー開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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Q-370:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.2;「共感覚」実践の前に確認しておくべきこと>

 

「共感覚」に関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。

 

 vol.1;理論編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html

 vol.2;「共感覚」実践の前に確認しておくべきこと

 

 

Q:苫米地英人先生の本やYou Tubeで学んでいます。「共感覚」に取り組んでいるのですが、なかなかうまく実践できません。どうやったらうまくできるでしょうか?

 

A2:「共感覚」実践の前に確認しておくべきことがあります。これからお話しする3つをマスターすれば、「共感覚をうまく実践する」ことができるはずです。

 

 まずは「基本中の基本」「基礎中の基礎」といえることから確認しましょう。

『共感覚』に取り組んでいるが、うまく実践できない」と思えば思うほど、「共感覚」にロックオンしてしまい、“大切なこと”を忘れてしまいます(ロックアウト)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

忘れてしまいがちな“大切なこと”が何かわかりますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 わからない?

では、質問を変えます。「共感覚」に取り組んでいる間、呼吸は意識に上がっていましたか?

 

 そう、“大切なこと”とは「呼吸」。逆腹式呼吸のことです。

 

呼吸は人間の生命維持に必要なホメオスタシスの中で最も重要でありながら、意識でコントロールすることができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「『共感覚』実践の前に確認しておくべきこと」の一つ目は、「呼吸を意識に上げ、コントロールし続ける」ことです。ふだんは無意識のうちに行っている呼吸を、意識上に引っ張りだしてください。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 物理空間でがんじがらめに縛られている心身を解き放ち、リラックスを深め抽象度を上げながら、思考力がフル稼働する状態にもっていく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 そのために逆腹式呼吸を行います。具体的にはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27570183.html

 

 

 「『共感覚』実践の前に確認しておくべきこと」の二つ目は、「自分の得意なモーダルチャンネル&抽象度を見つける」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 モーダルチャンネルとは、情報の入力経路のことで、目(視覚)、耳(聴覚)、皮膚(触覚)などの感覚器官のこと。仏教では、意識(意根)を加え「六根(ろっこん)」と呼びます。

 F-325:観自在 <実践編-5;“縁起力”をブーストする>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33162493.html

 

 内部表現書き換えは「自分の得意なモーダルチャンネル&抽象度で行う」ことが基本です。それは自分自身に対して働きかける場合も同じ。

 リアルな体感を維持・強化しながら臨場感をさらに上げていけば、あとは脳が自動的に操作できる空間を他の抽象度次元にまでひろげてくれます。まとめると

 

自分が操作しやすい抽象度を見つける →そこで臨場感を上げる →その臨場感を他の抽象度にひろげる

 

 という感じ。ここで肝となるのが、「物理と情報は同じ」「物理空間は情報空間の底面」という知識。「脳」と「心」は別々のものではなく、「脳と心」でひとつです。

 L-104~620218月シークレットレクチャー -06~8;「私」とは何?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31294306.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31317222.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31345260.html

 

 得意なモーダルチャンネルの見つけ方は簡単です。「自分がどんな表現を使うか?」を観察(モニタリング)するだけ。例えば、フードコートで何を食べようか迷っているときに

 できあがるまでの音がたまらない →聴覚系

 サクサクしてそう →触覚系

盛り付けがきれい →視覚系

 いい香り →嗅覚系

 美味しそう →味覚系

 

 得意なモーダルモーダルチャンネルがわかりにくい場合は、「ふだん使っている言葉」を意識に上げてください。

 「~のように聞こえる」 →聴覚系

 「ゴツゴツ」「ツルツル」と表現 →触覚系

 「~のように見える」 →視覚系

 “疑い”を「くさい」「におう」と表現 →嗅覚系

 “優しさ”や“心配り”を「あま~い」と表現 →味覚系

 

 得意なモーダルチャンネルを見つけたら、次は臨場感を高めながら得意な抽象度を見つけていきます。

1)まずは何か1つ、目の前のものを選んでください 例:木製の机

2)選んだらそれをイメージしてみます。その時に1つモーダルチャンネルが選ばれているはずです 例:温もり(触覚)

3)今度はそのモーダルチャンネルの体感を言語化してください 例:机の場合

 (叩いた音から)くぐもった低音(聴覚) → コン

 温もり(触覚) → ポカポカ

 きれいな木目(視覚) → キリリッ

 清々しい香り(嗅覚) → スッキリ

 酸っぱそう(味覚) → シューン

 

 対象に対する感覚を言語化してイメージを強化していると、まるで今「音を聞いている(聴覚)」「触っている(触覚)」「見ている(視覚)」「においを嗅いでいる(嗅覚)」「味わっている(味覚)」というような臨場感がでてくるはず。

Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

 

その臨場感(感覚)の抽象度を上げていきます。

表現する言葉(コン・ポカポカなど)や概念の抽象度を上げていきながら臨場感(感覚)を維持できるギリギリのところが「得意な抽象度」です。

 Q-330:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.5;イメージの限界が自分の限界>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31958269.html

 

 

 自分の得意なモーダルチャンネル&抽象度は見つかりましたか?

 「何となく」でも大丈夫。目的は物理抽象度より上の抽象度に移行することだから。そのために物理空間に存在するものを、五感(とくに得意なモーダルチャンネル)を使ってイメージします。

 

そうやって抽象度が上がるほど、私たちは、物理空間に働いている強力なホメオスタシスのフィードバックから自由になっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

「『共感覚』実践の前に確認しておくべきこと」の三つ目は、「自分を中心とする世界に、整合的な地図をつくる」こと。具体的には、自分の中に散在している知識や経験を縦横無尽に結びつけて、整合的な地図=縁起のネットワークをつくっていきます。

ちなみに、私がブログ記事内でリンクを張り巡らせているのは、「整合的な地図=縁起のネットワークづくり」の実践です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「整合的な地図=縁起のネットワークをつくる」とは、整理・整頓の行き届いた部屋のように“整合性のある状態”にしておくこと。違う表現でいうと「ゲシュタルト化」です。

縁起ネットワーク(=ゲシュタルト)ができると、部屋の中からすぐに必要なものを取り出せるように、必要な知識や経験をうまく引き出せるようになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 さらにいうと、自分を中心とする「整合的な地図=縁起のネットワーク」とは、自我のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 よって、「自分を中心とする世界に、整合的な地図をつくる」と、自分自身のコントロールがうまくできるようになります。それが「観自在」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

最後に、苫米地博士の著書「世界一簡単に目標がかなう 成功脳の作り方」(日本文芸社、p165)より引用します。

「『共感覚』実践の前に確認しておくべきこと」に共通する鍵は「抽象度」です。「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ということをイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

高い抽象思考をする訓練をしよう

 コーチを雇うお金がない人はどうすればよいでしょう。成功脳を作るためにセルフコーチングをするべきでしょう。

 まず第一歩として、パラダイム(考え方の枠組み)をシフトする必要があります。

 視点を高くすることを、カント以降の分析哲学では、抽象度を上げる、といいます。

 見える視点を変えることで、抽象度を上げるのです。

 抽象度とは、物ごとの本質を少ない情報で表すことです。あなたが犬を飼っていたとすると、犬という概念より哺乳類という概念のほうが、抽象度が高くなります。

 さらに、動物、生物……というように概念が含む世界を大きくすることが、抽象度を上げるということです。

 哺乳類を知っているということは、犬や猫、その他の動物も当然知っていることになります。動物がわかる人は、哺乳類だけでなく爬虫類や両生類の存在も知っているでしょう。

 このように抽象度が上がると高いところから見渡すことができるのです。これが、視点が高いということです。

 犬の視点でしか見ないと、チワワや柴犬、ミニチュア・ダックスフンドは見えるけれど、その上の概念である哺乳類や爬虫類、両生類は見えないのです。

 

 もうひとつ住んでいる場所を例にしてみましょう。

 抽象度を上げていくと、港区→東京都→関東地方→日本→アジア→北半球→地球……というように広がっていきます。

 グーグルアースを使って見るように、視点を高くして地球規模で見たほうが、広い空間を見ることができるのです。

 ではなぜ、抽象度を上げることが重要なのでしょう。セルフコーチングをする場合、バリアのあるプランを見るためには、抽象度を上げる必要があります。

 高い塀で囲まれ育った、生まれながらの囚人が、高い塔に登って外の世界を見るようなものです。そこではじめて自分の世界が不自由な世界であったと気がつきます。

 知らないことは認識できません。今とは違う抽象度で見ることで、現状に縛られている自分に気づくこともあるし、自分のゴールがバリアの外側にあることもわかります。

 

 コンフォートゾーンをどんどん上げていくと、それに伴って抽象度も上がっていきます。抽象度が上がると、これまで見えなかったものが見えてきます。つまり、スコトーマが外れるのです。

 引用終わり

 

Q-371につづく)

 

 

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Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 

「共感覚」に関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。まずは“理論編”から。

 

 vol.1;理論編

 

 

Q:苫米地英人先生の本やYou Tubeで学んでいます。「共感覚」に取り組んでいるのですが、なかなかうまく実践できません。どうやったらうまくできるでしょうか?

 

A1:共感覚とは、「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のことです。

具体的には文字や音が色として感じられたり、匂いに感触が付随したりする現象のこと。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じる「感覚の相乗り状態」をいいます。

 

 共感覚を利用すると「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」しやすくなります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

通常は、脳の視覚野と聴覚野が重なっているとか、映像や音が抽象度の高い情報として処理される際に混同されるというような先天的な感覚の性向のことを指します。例えば「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」という感じ。

ところが、苫米地博士は「共感覚は意図的に獲得できる」と話されています。それが「後天的共感覚生成」。そのポイントが「抽象度」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 共感覚を利用すると認識精度が上がり、臨場感が増し、リアリティが上がります。わかりやすく表現すると、「より微細な構造がしっかりと感じられる」という感じ。

その結果、「臨場感を高めて(I×V)、リアリティを合成(R化)」することができるようになるのです。より自然かつ強力に。

F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

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 ふつうは抽象度が上がると、臨場感は下がります。抽象度が上がるほど具体的情報量が減っていき、文字どおり“抽象的”になるからです。

 ところが、共感覚を用いると、抽象度と臨場感を同時に上げることができるようになります。無意識のうちに。

 (「意識」「無意識」とRAS&スコトーマの関係について、こちらでどうぞ↓)

 Q279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

先ほどの「絵を鑑賞していると、その絵の中にある音楽が聞こえてくる」でいうと、色情報からなんらかの特徴を抽出することが「抽象度を上げる作業(抽象化)」です。

情報量を減らしながら特徴を抽出したら、その特徴を音情報にマッピングしていきます。それがもとの情報の本質を維持しながらの「色→音」「絵→音楽」という変換。

 

 このように「“ものごと”の何らかの特徴を抽出して、別の感覚で表現する」ことは、物理情報のひとつの抽象化作業だといえます。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 この共感覚化の作業を繰り返していると、無意識が“現実”だと認識している物理空間から切り離され、自由に世界を認識できるようになります。それは「深い変性意識状態になることで、情報空間を自在に移動できる」ということ。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

変性意識(Altered State of ConsciousnessASC)とは、「目の前の現状よりも現状とは異なるイメージに強い臨場感を感じている状態」のことです。苫米地博士は全ての変性意識生成方法を統一的に説明されています。それが“Rゆらぎ”。

つまり、共感覚化は“Rゆらぎ”のひとつの実践方法だということ。

 Q-361 “自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス p93、開拓社より再販)より引用します。「共感覚」という概念を意識に上げながら読み進め、クリアなゲシュタルトを作りあげてください(connect the dots)。そのプロセス自体が“Rゆらぎ”となるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

後天的共感覚の生成法

 呼吸による変性意識の生成ができるようになったら、次はマインドエンジニアリングする際に重要な技術「後天的共感覚生成」に挑戦していただこう。

 共感覚というのは、以前、山下篤子氏の訳書「共感覚者の驚くべき日常」などでも話題になった、先天的な感覚の性向である。本来の感覚とは別の感覚が伴う現象で、文字や音が色となって感じられたり、匂いに感触が付随したりする。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じるのが「相乗り」しているような状態、これが共感覚だ。

 この感覚の持ち主は、十万人に一人の割合といわれている。実は、私もたまたま先天的な共感覚者で、いまだに小学校の音楽の先生の声が紫色でツルツルしていたとか、別の先生は銀色でとがった三角に見えたという記憶がある。

 共感覚になる原因は、視覚野や聴覚野などの情報処理器官が重なり合っている可能性が指摘されているが、詳しくはまだ解明されていない。

 さて、この共感覚。先程、先天的なものだと述べたが、実は誰でも練習すればある程度の共感覚を持てるようになる。これは私が、過去に洗脳護身術を指導してきた経験から分かったことだ。この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる。また、共感覚をマスターすれば、数学やディベートといった複雑で抽象的な作業に役立ち、絶対音感覚も視覚的に体得できるようになるだろう。

 では、さっそく共感覚の生成法を解説していこう。ここでの共感覚の生成とは、「あらゆるものを視覚化する」ということだ。音、感情、命題、論理などすべてを視覚化するのである。そして、最終的には視覚化したものを触覚化できるようになっていただきたい。

 とりあえず、皆さんに練習してほしいのは、音の視覚化である。まずは、逆腹式呼吸を使って変性意識を生成する。それから座っている状態で聞こえる音を一つ一つ、心の中で列挙していく。すると色々な音が聞こえてくるはずだ。エアコンの音、外の喧騒、隣の部屋から聞こえる音楽。そして、聞こえる音の一つ一つに色や形、触感を付けていく。例えば、私は連休の旅先で、小さなノートパソコンで原稿を書いているのだが、ハードディスクが細かく無数に並べられた先のとがった鉛色の小さな三角形の上に、黄色いザラザラな布を被せた音を出していて、先程から気になっている

 最初はよく分からないだろうから、感じたままで結構だ。「このエアコンの音は、薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音だ」といった感じである。そしてそれを「薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音」として実際に見てほしい。変性意識が生成されていれば可能なはずだ。このように、周囲で聞こえる音を色や触覚、形などで見ていってほしい。匂いを加えると、さらに効果的だろう。

 次に感情を視覚化してみる。変性意識状態を維持したままで、目の前にいる人の顔から得られる感情を色や形、触覚で表現し、その人の顔に重ねて見るようにする。悪意のある感情は、どす黒く渦巻いた異臭感があるかもしれない。逆に優しく穏やかな顔の前には、滑らかな球形をした薄いピンクのボールが見えるかもしれない。我々はちょっとした表情の変化、目の動きから相手の感情を読み取ることができる進化した動物だ。ただ、相手の感情を操作するためには、視覚化、触覚化して操作しやすい状態に持っていかなくてはならない。このため、感情を共感覚的にとらえていく必要があるのだ。

 音の視覚化、感情の視覚化に成功したら、最後は気の視覚化に挑戦しよう。ここでは気という概念をあえて定義しない(詳細は第4章)。気功師が言及している「気」。そんなものが実際にあると考えるくらいでいいだろう。つまり、相手の感情状態のみならず、心身の健康状態を外部から感じられる気配のようなもの。これを気とする。

 とりあえずは、自分の手の指先をよく見て、そこから出ている気の色や形、触感を指の周りに表現してみてほしい。気功師のように気を出したり、信じたりする必要はない。もし、自分が中国の超人気功師のように気を出せたら、こんな感じだとイメージすればいいのだ。白く、煙のようにもやもやした感じだろうか。それとも、赤く燃え上がっているような感じだろうか。実際にあってもなくても、指の周りにそれが見えてくるまで練習していただきたい。

 以上の技術をマスターすれば、相手の内部表現を操作するとき、自分のイメージを見せるだけでなく、実際に触覚や味覚などのあらゆる感覚に臨場感を持たせることができるだろう。

 引用終わり

 

 

この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる

 

 私たちが「実際に存在している」と思っている現実的な物理世界は、本当の意味での物理的現実世界ではありません。「見る(視覚)」「触れる(触覚)」といった五感により、リアルタイムに情報を取り入れ、脳がそれらを再構成して認識している世界です。

 つまり、物理世界とは、イメージの中にある仮想の情報世界。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

だから、すべてが内部表現(IRInternal Representation)だといえ、すべてが情報だといえます。それを理論化したものが苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 すべてが情報だからこそ、私たちは認識している世界(一人一宇宙)を書き換えることができます。

 Q-246:続・気楽に生きたいのですが… -04;「一人一宇宙」はゴールに向かう夢の一部

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28416456.html

 

 イメージの中の仮想世界こそが人が認識している世界である以上、この仮想世界をゆるがすことで現実世界をゆるがすことができる

 

 そのためにあるのがコーチングで、その実践のための技術のひとつが共感覚です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

Q-370につづく)

 

 

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L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

 

20219月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。

*初回の講義はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423518.html

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424749.html

 

3回を通してのメインテーマは「コーチング×医療×脱洗脳。キーワードは「I×V=R」です。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式 I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

じつは隠れテーマがあります。その隠れテーマは“コーチの心得”といえる「ゲバラ主義」。

F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

そのゲバラ主義をイメージしながらお読みください。Don’t think, feel

 

 01;夢

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32063846.html

 02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 03;夢を現実化する方法

 

 

夢=w1=より高次の抽象度空間にひろがる縁起

 

*「w1」はこちら↓

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 今回のキーワードである「I×V=R」でいうと、IImageImagination)が、夢であり、w1であり、抽象度空間にひろがる縁起だということ。
 もちろん、それはゴールの世界でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールは“現状の外”であり、そもそも認識できません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 さらには、ゴールは自分中心を捨て去ったもの。つまり、より高次の抽象度次元にひろがる「I=夢=w1=縁起」がゴールの世界であり、ゴール側のコンフォートゾーン(CZ)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 では、抽象度が高いゴール側のCZの臨場感を高めるにはどうすればよいのでしょうか?

 

 答えは「『臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣』の習得。具体的には1)共感覚、2)プロセスに臨場感を持つ、3)バランスホイール の3つです。詳しくは↓

 L-111~220218… -13~14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

 

 前回の「Rゆらぎ」を行いながらコンセプチュアル・フローを実践すると、現状(w0)からゴールの世界(w1)に橋を架けることができます。その“橋”とはゴールに向かうプロセス空間のこと。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 *コンセプチュアル・フローはこちら↓

 L-08120213… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 そのプロセス空間を五感でフルに感じながら、別の感覚に置き換えていくのが「共感覚」。例えば、「見ている景色(視覚)を音で表現する(聴覚)」「聞こえている音(聴覚)を感触で味わう(触覚)」というように。

 L-08720213… -10;言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30239571.html

 

 コンセプチュアル・フローを実践しながら、1)共感覚を用いて、2)プロセス空間の臨場感を強化する すると、現状(w0)とゴールの世界(w1)を包摂するゲシュタルトができあがります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 それを人生のあらゆる領域で行うと(バランスホイール)、ゴールのカテゴリごとにゲシュタルトができあがります。

 Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html

 

 その複数のゲシュタルトを同時に観る感覚でいると、あるときゲシュタルト同士が「同じもの」に感じられるようになります。「同じ全体の中の違う部分どうし」という感覚。例えるなら、オーケストラ(全体)の中のホルン(部分)とバイオリン(部分)のような感じ。それがconnect the dotsの体感です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 以上が「臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣」です。

ちょっと難しく感じるかもしれませんが、意識に上げながら何度も繰り返していると、やがて無意識で行えるようになります。

 Q-280:今までRASとスコトーマは<後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29681889.html

 

もう1つ、手軽に臨場感を上げる方法をご紹介します。

以下、苫米地博士の著書「近未来のブッダ」(サンガ、p209)からの引用です。

 

 

慈悲を模倣する

 慈悲の心を育てるのによい方法は、たくさん慈悲の心がありそうな人をいっぱい見て、まねをすること。というのも、臨場感を上げたい場合、本物を見るのが一番臨場感の上がる方法だからです。

 できればリアルな本物の人物を見てまねるのがいいですが、小説や映画の中の人物でもけっこうです。自分よりちょっとでも慈悲がありそうだったら、それをまねます。もちろん、まねでもまねでなくても、自分自身がつねに慈悲のある行動をイメージしてやっていればOKです。

 最近で言えば、先ほど触れた行方不明になった二歳児を助けたボランティアの達人のおじいちゃんなどは、真の慈悲心の持ち主だと思いますが、いきなりサバイバルが得意な達人にはなれませんし、自分が大金持ちでなければ多額の寄付はまねできないでしょう。第1章で「慈悲深い人は実際にはこの世に存在し得ない」と言いましたが、完璧な慈悲は遠い目標です。まずは、ちょっとでも自分より慈悲に近い人を見つけて自分にできる範囲でまねをしたりイメージすればいいのです。

 千里の道も一歩から。身近なところで、たとえばバスや電車で席を譲っている人がいたり、高齢者や妊婦さんなどが困っているところを手助けしていたり、前を歩いている人が落としものをしたのを教えてあげたり……。「あ、こんなにステキに自分には声をかけたり、手助けしたりできないな」と思う人がいたら、その行動をまねればいいのです。

 引用終わり

 

 

 手軽に臨場感を上げる方法とは、「リアルな本物の人物を見てまねる」。

 ちなみに、私が意識から無意識レベルまで真似ようとしているのは苫米地博士。あとキアヌ・リーブス(Keanu Charles Reeves1964~)もw

 

 

 さて、これまでの講義(3回分)をまとめると

 

 情報が概念化され、その概念同士がより大きなゲシュタルトを生みだす

そのゲシュタルトに重要性関数(ブリーフシステム)が乗っかって、目の前の世界(=自我宇宙)が生まれる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 目の前の世界は各自のイマジネーションが生みだしています。一人ひとりの認識がそれぞれの宇宙を生みだします。

 F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

もっとシンプルに表現すると、関係が存在を生みだす。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

コーチング実践者はゴール(未来)側の重要性関数で現実を作りだします。

その時、ゴールのバランスホイールが豊かなほど、抽象度が上がり、より大きなポテンシャルエネルギーがたまっていきます。

 Q-178:家族ががんで治療中です… -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

目の前の世界(物理空間)から高次元に気を向け、内包されているエネルギーを感じましょう(=意識に上げる)。それが「瞑想思考」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

高い抽象度での瞑想思考がちゃんと維持できたなら(I×V)、「夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起=ゴールの世界」はどんどん現実化していくはずです(I×VR)。

エネルギッシュに、そしてクリエイティブに。

 F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

L-116につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)。詳細はまもなく告知いたします。お楽しみに。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

Q-196未来の抽象度の高いイメージ(I)を臨場感高く想像すれば(V)実現する(R)と考えていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25936863.html

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 

近未来のブッダ



L-08720213月シークレットレクチャー -10;言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”

 

20213月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t think, feel!」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 *初回講義(202011月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html

 *2回目講義(20211月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html

 02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30049883.html

 04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 06;心の本質を捉える基本中の基本

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30130987.html

 07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 08;「feel」の体感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 09;部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30210986.html

 10;言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”

 

 

 「何となく」

 それが超言語・超論理の右脳空間に構築された巨大で抽象的な構造を感じているときの感覚。「Don’t think, feel!」の「feel」の体感です。

 

 

前回(L-086)は、「feel」を体感しながら、“何となく”をキーワードにワークに取り組んでいただきました。「部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク」のversion 2です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29515037.html

 

 言語を使わずに「イメージする」「統合する」「書き換える」のは簡単ではないはず。とくに「落とし込む」のは難しかったのではないでしょうか?

 

 今回は「言葉を使わずに臨場感を高める“秘技”」がテーマ。その“秘技”とは「共感覚」!

 

 共感覚とは「本来の感覚とは別の感覚が伴う現象」のこと。具体的には文字や音が色として感じられたり、匂いに感触が付随したりする現象です。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じる「感覚の相乗り状態」のこと。

通常は先天的な感覚の性向のことをいいますが、練習すればある程度の共感覚を必ず持てるようになります と博士が書かれています。詳しくは下記ブログ記事で確認してください。苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、開拓社より再販)より引用しています↓

 Q-233:「財布を娘に盗られた」といったvol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27926812.html

 

 共感覚は内部表現を書き換えるのにとても役にたちます。「イメージする」「統合する」「書き換える」「落とし込む」は、まさに「内部表現の書き換え」です。

 

 では、なぜ共感覚をマスターすると内部表現を書き換えやすくなるのでしょうか?

 

 答えは「強烈な臨場感を生みだせる」から。

 前回(L-086)の追記中の博士の言葉どおり、リアリティ(R)は臨場感(V)とイメージ(I)によってつくられます。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式:I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 共感覚によって生みだす強烈な臨場感がリアリティを書き換える秘訣です。

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

強烈な臨場感を生みだすと、まずは自分が深い変性意識に入ります。すると、次第にまわりも深い変性意識に引き込まれます。ホメオスタシスが同調するからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 共感覚を使って自分で作りだした強烈な臨場感空間(I×V)ですから、その世界(R)の支配者は自分自身です。

 それを言語化したアファメーションがこちら↓

 

 

 覚醒パワーで人々を啓蒙する言葉

 私は、私の臨場感の世界の支配者である。したがって、すべての人の選択はいつも私の思うようになっていることに気づいている。その責任感と充実感がいつもとても心地よい。

新・夢が勝手にかなう手帳 2022年度版・特別付録より

 

 

 では、具体的に説明します。

基本は、自分が普段考えている世界や感じている世界を、色だったら「音に変える」「味に変える」というように“違う感覚”に変えること。その訓練を毎日20分間、まずは3カ月間続けます。

 

 早速、今、目の前にあるものを1つ選び、視覚以外の感覚に置き換えてください。「音で例えると」「味にすると」「匂いなら」「感触は」といった感じで自由に変えていきます。その違う感覚へのマッピングが「共感覚」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 オタクな映画話で恐縮ですが、日本では20221月に公開されたMCUMarvel Cinematic Universe27作目の映画「Spider-ManNo Way Home」には、噂どおりのビッグサプライズが仕込まれていました。その他にもたくさんのサプライズがあり、例えば“ある人物”がMCUに初登場しています。盲目の弁護士/クライムファイター マシュー・“マット”・マードック/デアデビル(Matthew Matt Murdock / Daredevil)です。

 デアデビルの「レーダーセンス」と呼ばれる特殊能力は、まさに「共感覚」。視覚を失った代わりに手に入れた、四感(聴・嗅・触・味)による視覚化(マッピング)能力です。その能力を使って「目が見えないのに見える」「目で見る以上に見える」ことができます。

 (日本の漫画「るおうに剣心」にも同じような能力を持ったキャラがいますよねw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな能力を意図的に覚醒させるのが共感覚訓練です。「感覚の相乗り状態」を身につけると、高い抽象度のイメージであっても(I)、むしろ臨場感が増していき(V)、思いどおりに現実化できるようになります(R)。内省的吟味を加えやすくなるからです。

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

もちろん、共感覚を入れたということで、自ら支配する変性意識下にいることになります。コントロールされた“Rゆらぎ”です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

 最後に、前回のワークについての補足をまとめます。「共感覚」を意識に上げながら、ワークをもう一度行ってください。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

<補足>

1:苦痛をカテゴライズし、ゲシュタルトとして認識する

-「4つの苦痛」について、それぞれ共感覚的に感じる ex. 色・形・音・匂い・味・素材感・重さ

2:ゲシュタルトの統合(connect the dots

-「4つの苦痛」を感じながら、同時に全体を共感覚的に感じる ex. 色・形・音・匂い・味・素材感・重さ

→「全人的苦痛(トータルペイン)」(全体)と「4つの苦痛」(部分)を同時に感じられるようにイメージを繰り返す

 3:統合した「全人的苦痛(トータルペイン)」を「全人的幸福(トータルウェルビーイング)」に書き換える

  -ゴールをイメージしながら、色、形、素材感、重さなどを変えて、強化する

 *参考にこちらをどうぞ↓

 Q-289:ドーパミンの分泌をvol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 4:幸福を4つのカテゴリーに落とし込む。「身体的幸福」「心理・精神的幸福」「社会的幸福」「スピリチュアルウェルビーイング」

  -少しずつ鮮明(ex. 色、形、素材感、重さ)にする感覚。この時も「全人的幸福」を同時に感じ続ける

 

*「部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワークver.2」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30210986.html

 

L-088につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

ワークの参考にどうぞ。苫米地博士の著書「超一流脳のつくり方」(枻出版社、p71)からの引用です。

 

 

 五感をフルに働かせ、体感と未来の記憶を結びつける

 ゴールにリアリティを持つようにするには、ゴールを達成したときの感情にリアリティを持つことが重要です。実現させるには、こんな方法もあります。

 まず、人生を振り返って、楽しかった、すがすがしかった、嬉しかった、誇らしかった、気持ちよかったという5つの体験を書き出します。判断基準は、体感の強さです。5つ書き出せたなら、12回、4週間、繰り返し読み上げます。読むたびに五感をフルに働かせて追体験します。思い出すときは、「嬉しかった」と声を出して言うと効果的です。声にしてもう一度聞くことで、体感が強化されます。

 次に、やりたいことややりそうにないことに分け、自分のゴールを書きます。そして、そのゴールを達成している自分を思い浮かべます。そのゴールに先ほど思い出した体験に貼り付けてください。たとえば、仕事をバリバリこなす自分のイメージに誇らしい体感をミックスさせ、体感を伴う未来の記憶を合成します。最初は過去の記憶を思い出しながらじゃないとできませんが、慣れてくれば簡単に結びつけることができます。すると、デスクワークをしながら気持ちいいという状態をつくり出すこともできるのです。

 現在以外の過去、未来は想像でしかありません。言い換えれば、過去も未来も創造できるということになります。現在での願望は、もう未来そのものなのです。

 

 過去のポジティブな出来事と未来のイメージをミックスさせる

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第9回目(R4.12/25開催)のテーマは「超瞑想」。こちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30204067.html

 

 

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F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」

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新・夢が勝手にかなう手帳2022年度版



Q-234:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.5:ユマニチュードの5つのステップ 後編>

 

 先日、認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。コーチとして。

 私が取り上げたのは「認知機能の低下で情緒が不安定になり、環境に反応して起こる」とされている「BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia、行動・心理症状)」。

 厚生労働省HPBPSD:認知症の行動・心理症状」

 s0521-3c_0006.pdf (mhlw.go.jp)

 

講演後に行われたシンポジウムで、大学教授からこのような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 

Q:「スコトーマは医療の現場では『認知バイアス』として知られている」ということでしたが、とくに注意バイアスの話に思えました。

 認知症の患者さんでは、記憶障害のため財布などを見つけられない時に、「ここに置いたはず」→「娘が盗った」という被害妄想がおこりがちです。特に大切なものにバイアスがかかりやすいと思いますが、コーチング(コーチ)の視点では、「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

 回答を一般~コーチング実践者向けに再構成し、6回に分けてお届けします。

 vol.1:認知症の2つの症状>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27839838.html

 vol.2RAS&スコトーマと専門性の関係>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27881450.html

 vol.3:ユマニチュードの4つの柱>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27907680.html

 vol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27926812.html

 

A5:前回からユマニチュードの「心をつかむ5つのステップ」を取り上げています。それは1)出会いの準備、2)ケアの準備、3)知覚の凍結、4)感情の固定、5)再会の約束。

 とくに3)知覚の凍結は重要。私は「後天的共感覚生成」に通じるひとつの技法であると捉えています。

 

 4)感情の固定は「気持ちよくケアできたことを患者さんの記憶にしっかりと残し、次回のケアにつなげる」ことが目的。そのために先ほどまでのケアを二人で想起します。ポイントは4つです。

 〇ケアの内容を前向きに評価 →シャワーは気持ちよかったですね

 〇相手を前向きに評価 →シャワーをしてさらに素敵になられましたね

 〇ともに過ごした時間を前向きに評価 →私もとても楽しかったです。ありがとうございます

 〇前向きな言葉(言語)&好意的な動作(非言語) →ポジティブな情動記憶を残す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 「情動記憶」という言葉から、私はブリーフシステムを想起しました。この4)感情の固定は、ケアに対して前向きなブリーフを作る手法と理解することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ケアを受ける側である患者さんの多くは、病気や老いによって、今までできていたことができなくなっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045827.html

 

御質問中の「認知症の患者さん」も同じ。状況をまったく理解できないのではなく、むしろ「現在の私」を評価できるから混乱していきます。それはコンフォートゾーンを下向きに外れる状態であり、自己イメージが低下する状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 4)感情の固定は、苦痛(とくに心理的苦痛)を軽減し、エフィカシーを高める効果があると感じました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 5)再会の約束は患者さんの記憶力に関わらず行います。とくにケアに拒否的な人に対しては不可欠な行為とされています。

 この部分を苫米地式で解釈すると、「場の共有」。「場」とは「情報空間における座標」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

よって、再会の約束は、「時空を超えた(潜在的な)場の共有の意識化」といえるはず。

 Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html

 

 

以上がユマニチュードの「心をつかむ5つのステップ」。

 

被害妄想がでている老人」と向き合う際には、ぜひユマニチュードの「4つの柱」と「5つのステップ」を意識に上げてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

スコトーマを外しながら、その場面に最適な対処法を「invent」できるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 次回が最後の回答です。「コーチング(コーチ)の視点では、『財布を娘に盗られた』といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?」について、さらに抽象度を上げて考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 鍵となるのは「共感覚」。

 前回に引き続き、認知科学者 苫米地英人博士の著書より「共感覚」に関する部分を引用します。今回は「脳と心の洗い方 ~『なりたい自分』になれるプライミングの技術~」(フォレスト出版)からの引用です。

 

 

●人口共感覚の作り方

 臨場感を増すためには共感覚が役に立ちますが、実際一万人に一人では方法論になりません。ですから、私はクラスで人口共感覚の生成法を教えています。この方法を使えば、普通の人でもちょっと訓練すれば誰でも共感覚を感じられるようになります。

 これは秘伝技です。通常は医師や臨床心理士にしか教えていないのですが、強烈な臨場感を生み出すと自分が深い変性意識に入り、そうすると相手も深い変性意識に引き込まれるので、思い切り相手をコントロールできる状態になります。

 なぜなら、自分が支配する仮想空間ですから相手に対する影響力が強くなるので、教える相手を選んでいます。

 問題ない程度にテクニックを伝授すると、基本的には自分が普段考えている世界、感じている世界を色だったら「色を音に変える」または「味に変える」といったような違うものに変える訓練を毎日二十分間続けます。それを三カ月間。

 たとえば、今、目の前にはこういう人がいて、絵画があり、壁があります。そして、「じゃあこの壁はこの音にしよう」「絵画はこの音にしよう」「前の人の服はこの音にしよう」と自分で決めていきます。音や味、なんでもいいけれど視覚以外のものにします。訓練したければ、「今日は味でやってみよう」「匂いにしてみよう」「今日は色でやってみよう」といった感じでやります。

 自分なりの工夫で違う感覚にマッピングすることを三カ月続けていると、できるようになります。その結果、リアリティがすごく増します。

 

●目が見えなくても見える!

 実際に嫌でもやらざるを得ない人っているでしょう?

 目が見えなくなった人でも、まるでまわりが見えているかのように行動する人がいます。それはおそらく音や触覚情報を視覚情報にマッピングしていると考えられるわけです。これは眼球がダメになったわけで、視覚野がダメになったわけではない人の場合は視覚野の情報処理に対するデータの入り口を目ではなくて耳にしている可能性が考えられます。

 武道などでも同じです。後ろから攻めてきた人がわかったりするというのも、音なのか風の感触なのかわかりませんが、ちゃんと認識しています。それも微細にわかる達人は共感覚の利用が考えられます。

 同じことが身体障害者の場合は、嫌でもやらざるを得ない状況になっているということでしょう。それを我々は謙譲の身体でやる。その訓練を一日二十分三カ月。

 そうすると普段見ている現実世界のリアリティが増していくし、リアリティに対して自分が内省的吟味を加えやすくなる。もちろん共感覚を入れたということで、すでに自ら支配する変性意識下にいることにもなります。

 

●どんどんリアリティを増していく!

 この訓練をすれば、人口共感覚はできます。これがいいところは全て自分が生み出したリアリティ世界だから、リスクが少ない。この訓練を毎日やるだけでいい。

 逆に「明日何をやるべきか」「明後日何をするべきか」というのは、一切考えなくていい。大金持ちになるためには、「今日何をしなくてはいけない」とか考えてしまいそうですが、そんな必要は全然ありません。

 大金持ちになるのは一年後くらいにどうなっているかという結果、三年後くらいにどうなっているかという結果、五年後くらいにどうなっているかという結果のリアリティでしっかり共感覚で強く感じればいい。後は無意識の選択にまかせる。

 十年後は先過ぎます。五年くらいがいいでしょう。一年後、三年後、五年後くらいのゴールをリアルにします。

 「五年後ビル・ゲイツに勝った!」「三年後一部上場した!」「一年後マザーズの壇上に立った!」ぐらいでいいのです。

 それをリアルな姿ではっきりと思い描きます。まずは視覚情報、それから聴覚情報、味覚情報など全部。それを「マザーズの壇上に立ったときの祝いの花束の匂いはどうなんだろう?」、そして「マザーズの壇上に立ったときの花束の視覚情報を匂いに変えたらどうなんだろう?」というようにやるのです。

 また、祝賀パーティで出すミネラルウォーターの味を匂いに変えてみたり、皮膚感覚に変えてみたりするのです。

 画を味に変えたり、画を感触、体感に変える。それが共感覚的な感触。するとリアリティがどんどん増していきます。

 

Q-235につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

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Q-233:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.4:ユマニチュードの5つのステップ 前編>

 

 先日、認知症をテーマとした医療系の研修会で講演を行いました。コーチとして。

 私が取り上げたのは「認知機能の低下で情緒が不安定になり、環境に反応して起こる」とされている「BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia、行動・心理症状)」。

 厚生労働省HPBPSD:認知症の行動・心理症状」

 s0521-3c_0006.pdf (mhlw.go.jp)

 

講演後に行われたシンポジウムで、大学教授からこのような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 

Q:「スコトーマは医療の現場では『認知バイアス』として知られている」ということでしたが、とくに注意バイアスの話に思えました。

 認知症の患者さんでは、記憶障害のため財布などを見つけられない時に、「ここに置いたはず」→「娘が盗った」という被害妄想がおこりがちです。特に大切なものにバイアスがかかりやすいと思いますが、コーチング(コーチ)の視点では、「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

 

 回答を一般~コーチング実践者向けに再構成し、6回に分けてお届けします。

 vol.1:認知症の2つの症状>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27839838.html

 vol.2RAS&スコトーマと専門性の関係>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27881450.html

 vol.3:ユマニチュードの4つの柱>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27907680.html

 

A4:前回は「見る」「話す」「触れる」「立つ」というユマニチュードの4つの柱を紹介しました。今回は心をつかむ5つのステップ。それは1)出会いの準備、2)ケアの準備、3)知覚の凍結、4)感情の固定、5)再会の約束 です。

 

1)出会いの準備とは「自分が来たことを知らせ、“ケアの予告”をするプロセス」。具体的には ①3回ノック→②3秒待つ→③3回ノック→④3秒待つ→⑤1回ノックしてから部屋に入る→⑥ベッドボードをノックする とあります。

「相手の覚醒水準を徐々に高める効果がある」とされているこの過程を、苫米地式で読み解くと「共有」。共有とは「ある世界があってお互いがコミットすること」です。

わかりやすく言い換えると「相手の視点で世界を見る」「(相手に働きかけるという意識ではなく)相手そのものになる」ということ。これは変性意識導入の基本といえます。

Q-169~:自身の信念を失いないそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 

 2)ケアの準備とは「ケアについて合意を得るプロセス」のこと。時間の目安は20秒~3分間。3分以内に合意を得られなければ、いったん諦めて出直します。実際には9割のケースにおいて、40秒以内にこのプロセスが完了するそうです。

 これは「無理強いはしない」「have to化を防ぎ、want toを引き出す」ということ。合意がないのに強引に押し進めるとpush-push backが働きます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

 このステップを実行することで攻撃的で破壊的な動作・行動(←BPSDの一症状)を83%減らせたという報告があります(European Union Geriatric Society annual meeting 2013)。

この事実は大脳辺縁系が優位になることで起こる「ファイト・オア・フライト」の回避を意味するはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 では、どうすれば合意を得られるのでしょう? そもそも合意とは何でしょう?

 

 そう、合意とは「ゴールの共有」のこと。先程の「ある世界があってお互いがコミットすること」の「ある世界」がゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 実際のケアにおいては、まずはゴールが生みだすコンフォートゾーン(CZ)をクリアにすることが重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

その上で、介護側が常にCZを意識に上げながら、患者さんやその家族にしっかり体感してもらうことが「合意を得るプロセス」には欠かせません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

 3)知覚の連結はケアを実際に行う際の最も大切な部分で、2つのポイントがあります。

 〇「見る」「話す」「触れる」のうち2つ以上を行うこと

 〇五感から得られる情報は常に同じ意味を伝えること

 

 つまり、相手の視覚・聴覚・触覚のうち少なくとも2つ以上の感覚に「調和的でポジティブな情報」を入力し続けるということ。笑顔(視覚)と穏やかな声(聴覚)と優しい触れ方(触覚)の3つ(のうち最低2つ)を同時に行いながら、「ポジティブなメッセージを伝える」「ネガティブなメッセージは絶対に入れない」ことが知覚の連結です。

 

 このユマニチュードにおける知覚の連結を、私は「後天的共感覚生成」に通じるひとつの技法と捉えています。

 

ちなみに、共感覚は臨場感を高めるための重要なポイントです。

御承知のとおり、認知科学以降、現実とは(R)臨場感が一番高い(V)イメージのこと(I)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 五感+言語という6つのモーダルチャンネル(←苫米地博士の造語、情報入力経路のこと)から入力された情報(部分)がポジティブなものであると、スムーズに「安心・安全」というゲシュタルト(全体)がつくられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 それが先程の「ゴールが生みだすコンフォートゾーン」です。

 

 いったんポジティブなゲシュタルト/コンフォートゾーンができると、RAS&スコトーマの働きにより、患者さんはポジティブなものばかりを認識するようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 医療・介護現場だけではなく、教育現場や家庭、そして職場においても、ユマニチュードにおける知覚の連結はとても重要だといえます。

(「5つのステップ」の続きは次回に)

 

 

最後に、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、開拓社より再販)より引用します。「共感覚」という概念を意識に上げながら読み進め、クリアなゲシュタルトを作りあげてください(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

後天的共感覚の生成法

 呼吸による変性意識の生成ができるようになったら、次はマインドエンジニアリングする際に重要な技術「後天的共感覚生成」に挑戦していただこう。

 共感覚というのは、以前、山下篤子氏の訳書「共感覚者の驚くべき日常」などでも話題になった、先天的な感覚の性向である。本来の感覚とは別の感覚が伴う現象で、文字や音が色となって感じられたり、匂いに感触が付随したりする。例えば「ざらざら」という感触を音で感じたり、味や色や形で感じるのが「相乗り」しているような状態、これが共感覚だ。

 この感覚の持ち主は、十万人に一人の割合といわれている。実は、私もたまたま先天的な共感覚者で、いまだに小学校の音楽の先生の声が紫色でツルツルしていたとか、別の先生は銀色でとがった三角に見えたという記憶がある。

 共感覚になる原因は、視覚野や聴覚野などの情報処理器官が重なり合っている可能性が指摘されているが、詳しくはまだ解明されていない。

 さて、この共感覚。先程、先天的なものだと述べたが、実は誰でも練習すればある程度の共感覚を持てるようになる。これは私が、過去に洗脳護身術を指導してきた経験から分かったことだ。この共感覚は、相手の内部表現を操作するときに非常に役に立つ。相手が「見ている」「触れている」感覚を変性意識下で作り出せば、それを操作しやすくなる。また、共感覚をマスターすれば、数学やディベートといった複雑で抽象的な作業に役立ち、絶対音感覚も視覚的に体得できるようになるだろう。

 では、さっそく共感覚の生成法を解説していこう。ここでの共感覚の生成とは、「あらゆるものを視覚化する」ということだ。音、感情、命題、論理などすべてを視覚化するのである。そして、最終的には視覚化したものを触覚化できるようになっていただきたい。

 とりあえず、皆さんに練習してほしいのは、音の視覚化である。まずは、逆腹式呼吸を使って変性意識が生成する。それから座っている状態で聞こえる音を一つ一つ、心の中で列挙していく。すると色々な音が聞こえてくるはずだ。エアコンの音、外の喧騒、隣の部屋から聞こえる音楽。そして、聞こえる音の一つ一つに色や形、触感を付けていく。例えば、私は連休の旅先で、小さなノートパソコンで原稿を書いているのだが、ハードディスクが細かく無数に並べられた先のとがった鉛色の小さな三角形の上に、黄色いザラザラな布を被せた音を出していて、先程から気になっている

 最初はよく分からないだろうから、感じたままで結構だ。「このエアコンの音は、薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音だ」といった感じである。そしてそれを「薄茶色の粒粒の形をしたザラザラした音」として実際に見てほしい。変性意識が生成されていれば可能なはずだ。このように、周囲で聞こえる音を色や触覚、形などで見ていってほしい。匂いを加えると、さらに効果的だろう。

 次に感情を視覚化してみる。変性意識状態を維持したままで、目の前にいる人の顔から得られる感情を色や形、触覚で表現し、その人の顔に重ねて見るようにする。悪意のある感情は、どす黒く渦巻いた異臭感があるかもしれない。逆に優しく穏やかな顔の前には、滑らかな球形をした薄いピンクのボールが見えるかもしれない。我々はちょっとした表情の変化、目の動きから相手の感情を読み取ることができる進化した動物だ。ただ、相手の感情を操作するためには、視覚化、触覚化して操作しやすい状態に持っていかなくてはならない。このため、感情を共感覚的にとらえていく必要があるのだ。

 音の視覚化、感情の視覚化に成功したら、最後は気の視覚化に挑戦しよう。ここでは気という概念をあえて定義しない(詳細は第4章)。気功師が言及している「気」。そんなものが実際にあると考えるくらいでいいだろう。つまり、相手の感情状態のみならず、心身の健康状態を外部から感じられる気配のようなもの。これを気とする。

 とりあえずは、自分の手の指先をよく見て、そこから出ている気の色や形、触感を指の周りに表現してみてほしい。気功師のように気を出したり、信じたりする必要はない。もし、自分が中国の超人気功師のように気を出せたら、こんな感じだとイメージすればいいのだ。白く、煙のようにもやもやした感じだろうか。それとも、赤く燃え上がっているような感じだろうか。実際にあってもなくても、指の周りにそれが見えてくるまで練習していただきたい。

 以上の技術をマスターすれば、相手の内部表現を操作するとき、自分のイメージを見せるだけでなく、実際に触覚や味覚などのあらゆる感覚に臨場感を持たせることができるだろう。

 

Q-234につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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