苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:不完全性

Q-340「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている? <中編;時間栄養学と精神栄養学>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 3回にわけて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q過去未来という時間の概念は一神教的な考えだと思います。

未来過去という考え方は分析哲学の結論であり、苫米地博士が採用している考え方だと理解しています。

「未来、今、過去は同時に存在している」という考えはアインシュタインであり、物理学の結論だと思っています。

そこで質問なのですが、よく「あなたは食べた物からできている」という言葉があると思います。これは過去の積み上げ方式の考え方によるものだと思います。この言葉は間違っているのでしょうか?

「添加物が入った食べた物で、病気になるから気を付けてね」という文脈で使われる言葉ですが、間違いなのでしょうか?

間違いではないような気もするのですが、物理空間の方が臨場感が高いから、結果として「身体が食べた物で作られている」と思っているだけなのでしょうか?

そう考えると気功や加持祈祷で書き換えられる理由も分かるような気がしますが、かといって暴飲暴食はダメなような気もします これも思い込みなのでしょうか?

暴飲暴食かはゴールが決めるのだと思いますが、そう考えると、もう何が何だか分からなくなってしまいました。そこでどのようにこの疑問にアプローチすればいいのか分からず、質問させて頂きました。

 

 前編;スコトーマ×時間×中観

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32365388.html

 中編;時間栄養学と精神栄養学

 

A2:前回(Q-399)は、苫米地博士の時間観が「一念三千」であることと、苫米地式は「中観」をベースにしていることをお伝えしました。

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 *中観はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

一念三千や中観の根底にあるのは「縁起」の思想。

「縁起の理解を深める」が、「どのようにこの疑問にアプローチすればいいのか?」という御質問に対する私の回答です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 ところで、「時間栄養学」と「精神栄養学」についてご存じですか?

 

 最近の研究では、“食事をとるタイミング”が体内時計の調整に関わり、健康に大きく影響していることがわかってきたそう。そのタイミングに着目するのが「時間栄養学」です。

 (“健康”については、こちらをどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html

 

 さらには、脳の活動はもちろんのこと、心の働きにも食生活が大きく関係していることが明らかになってきました。例えば、

 □鉄や亜鉛、ビタミンB6B12、葉酸が不足するとうつ病リスクが高まる

□緑茶やコーヒーを飲む人ほどうつ症状を呈しにくい(緑茶のテアニンには精神安定作用あり)

 □腸内細菌のバランス改善がストレス改善に有効

 □メタボリック症候群はうつ病のリスクを1.5倍高め、反対にうつ病もメタボリック症候群のリスクを1.5倍高める

 □肉由来のn-6系脂肪酸(アラキドン酸など)は炎症を惹起し、魚由来のn-3系脂肪酸(EPADHA)は神経栄養因子を増やし炎症を抑える

n-6系とn-3系の摂取割合は41が理想。肉食化してn-6系が増えるほど、脳が炎症を起こしやすくなる

このような食生活と脳や心の働きとの関連を調べるのが「精神栄養学」だとされています。

 

 この「時間栄養学」と「精神栄養学」には、決定的な違いがあります。もっと詳しくいうと、「時間と栄養の関係性」と「精神と栄養の関係性」は同じではありません。何が違うのかクリアですか?

 

 以下、苫米地博士の著書「なぜ、脳は神を創ったのか?」(フォレスト出版、p151)より引用します。“視点”を意識に上げながら読み進めてください。Feel

 F-163:アンチからウィズ、そしてウェルへ vol.1;好きなことだけやる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

毒矢のたとえ

 阿含経典には、次のような釈迦の教えを伝えています。私なりの現代語に直して、かいつまんで紹介しましょう。

 

 毒矢が飛んできて身体に刺さり、毒が回りだしました。

 そのときに、人間が考えることには、いろいろなものがあります。

 たとえば、毒矢はどこから飛んできたのだろうか。あるいは、この毒はどんな毒だろうか、さらに、誰の仕業だろうか、などです。

 毒矢が刺さったことで、いろいろ考え悩むことは増えたでしょうが、その前にやるべきことがあるはずです。それは、まず矢を抜きなさい、ということです。

 

 これが釈迦の教えです。

 つまり、あの世について語ること、その前に未来について語ること、それはすべて妄想だから、目の前にあるやるべきことをやりなさい、という意味でしょう。

 釈迦は、「あの世はない」とか「霊魂はない」といったことを直接的に言及はしていません。そういうことにいっさい答えていないのです。それを語ること自体がムダなことだ、それよりもやるべきことをやれ、ということです。

 話は変わりますが、キリスト教世界では長い間、釈迦の教えのことを「悪魔の宗教」と呼んでいました。

 神を否定する釈迦が生み出した仏教が、キリスト教徒たちの目にはよほど邪悪なものに映ったということでしょう。

 現代の宗教学者は、仏教について「釈迦という神」と表現していますが、「悪魔の宗教」と呼んだ昔の神学者は「釈迦という悪魔」の意味でそれを使っていたのかもしれません。その是非はともかく、釈迦は悪魔も否定しているわけですから、彼らの論理のモノサシで釈迦を計れるはずはないでしょう。アプリオリ性を徹底的に否定し、神がいないとする宗教は世界的に見ても仏教だけです。だからこそ、キリスト教やイスラム教に比べ、数で圧倒的に負ける、弱い宗教なのです。

 釈迦の教えそのものは、西洋的な宗教学の定義でいえば、本当の宗教とはいえません。ただし、宗教的な信仰心という意味で、それを宗教現象と捉えることはできます。それは、仏陀という超人になるという意味において宗教的思想であり、宗教的な活動であるわけです。

 引用終わり

 

 

 「時間栄養学」と「精神栄養学」との決定的な違いとは、その抽象度!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

情報空間のうち、もっとも抽象度が低い次元が物理空間です。

 時間と栄養は同じ物理空間上での関係性ですが、精神と栄養の関係性は次元を超えています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「毒矢のたとえ」で釈迦が言っているのは、まさに“タイミング”のこと。物理空間では時間などの物理法則が働くため、「やるべきことをやる」というマネジメントが重要になります。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 では、釈迦は高次の抽象度次元は考えるなといいたかったのでしょうか?

 

 私の答えはNo。反対に「やるべきこと(優先するべきマネジメント)に取り組みながら、徹底的に考え続けよ」と思っていたはずです。

 Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

 

 なぜなら、釈迦は「アプリオリ性を徹底的に否定」だから。

「アプリオリなものはない」という事実は、クルト・ゲーテルにより示され、グレゴリー・チャイティンにより完全に証明されました。それを「不完全性定理」といいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

つまり、絶対的に正しいものはない。

「唯一のモノサシ」は存在しえないのです。それは「人類はどこまでも考え続けることができる」「さらに進化・向上することができる」ことを示唆しています。

釈迦が見いだし、大乗の発展の中で完成された「空」の哲学は、私たちに思考し続ける生き方を促しています。その上での「仮」。そんな「空」と「仮」の実践が「中」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 コーチングに寄せて言い直すと、「中観」とは、抽象度の高い世界できちんと行きたい(生きたい)ゴールの世界があって(さらには更新し続けて)、物理的な抽象度(物理的現実世界)においてもゴール実現のためになんらかの具体的行動を続けている状態

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 この“抽象度という視点”はとても重要。それがないと肝心なことが認識できません。スコトーマが外れないから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「あなたは食べた物からできている」を物理空間に限定して考えることは、決して間違いとはいえないでしょう。それは「時間栄養学」と同様の話です。

 しかしながら、「添加物が入った食べた物で、病気になるから気を付けてね」を物理空間に限定してしまうのは完全な誤りです。それは「精神栄養学」を物理空間だけで考えることができないのと同じ

 

 その理由を考えてください。

理由がわかったなら、「縁起の理解を深める」という言葉の真意を感じてください。気楽にどうぞw

 (鍵は「双方向性」。ヒントはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

Q-341につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

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 次回の開催は9/24(日)。詳しくはこちら↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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F-140~:不要不急

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F-269~:冗長性と多様性

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L-068202011月シークレットレクチャー -03;じかんかじ(時間舵)

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Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

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Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

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なぜ、脳は神を創ったのか?

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F-228:ゼロトラスト 前編;民無信不立

 

 今回のテーマは「ゼロトラスト」。

 「ゼロ」は「0」、「トラスト」は信頼を意味する「trust」で、「完全に守ることは不可能という認識」のこと。「過信しない」というレジリエンスの大原則です。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

 東洋思想(釈迦哲学)の縁起は、最初から不完全性をベースにしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 西洋的な思想においても、現代は不完全性が前提。不完全性は、情報空間では不完全性定理として、情報空間の底面である物理空間では不確定性原理として知られています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 *情報空間&物理空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 リスクマネジメントをテーマとした研修や講演等で「ゼロトラスト」の話をすると、「信用がないとチームは機能しない(=ディスアドバンテージ)」「お互いに信頼するから困難を乗り越えられる(=ソルベンシー)」といった反対意見をいただくことがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

 もちろん、そのとおり。

 

その事実を、有名な歴史上の人物は、このように表現しました。誰の言葉か御存知でしょうか? (ヒント:中国人です)

 

民、信なくんば立たず(民無信不立

 

答えは孔子。

2500年も前に、政治の要諦は「信」、すなわち「信用の確立」だと語っています。現代的にいうと、企業経営や組織運営の最重要課題は「信」であるということ。

(一例としてこちらをどうぞ↓)

F-078~:ヘンリー・フォードの教え

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_342433.html

 

 具体的にはこんな言い伝えです。

あるとき子貢という弟子が政治の目的について尋ねたところ、孔子はこう答えました。

 

食を足らし、兵を足らし、民これを信にす

 

…1)食糧の充足、2)軍備の充実、3)信用の確立、この3点をポイントとして挙げたのです。

さらに子貢が、「この3つのうち、仮に1つを諦めねばならないとしたらどれを除きますか?」と質問したところ、孔子は「軍備だよ」と即答しました。

「残りの2つのうち、1つを諦めるとするとどちらですか?」と重ねて尋ねると

 

もちろん食糧だ。人間はいつか死ぬ。死は逃れられないが、信用が失われては社会そのものが成り立たなくなる(民、信なくんば立たず)

 

孔子は食糧よりも信用を選びました。それは命よりも信用の方が大事だということ。

 

ここを苫米地式で考察すると、物理空間上の個の存在よりも、より抽象度の高い情報次元での縁(社会的つながり)の方に重きを置いていることがわかります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

孔子は見抜いていたのです。宇宙はすべて関係性で成り立っていると。

見抜けた理由は「巨大なゲシュタルトを構築していたから」のはず。ゲシュタルトができるから、しっかり理解することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

さらにゲシュタルトどうしがつながり(connect the dots)、より大きなゲシュタルトができあがることで、理解がますます深まっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

関係により存在が生まれる

 

それは2600年前に釈迦が見いだした真理。

冒頭で御紹介したとおり、哲学や科学の発展により、現代社会はようやく釈迦の教えに到達しました。その代表が「不完全性定理」「不確定性原理」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526199.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687391.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687476.html

 

 

 最後に問題です。

 「ゼロトラスト」、すなわち「過信しない」というレジリエンスの大原則と、「信用・信頼が大切」という現場の認識は矛盾していません。その理由を考えてください。ヒントは本文中の「〇〇〇(漢字3文字)」です。

その理解と実践は、じつは、コーチングの成否に大きく関係します。なぜでしょうか?

 

 私の答えは次回以降(F-229~)に。

 リラックスしながら、思考そのものを楽しんでください。Take it easy

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

F-229につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

リスクマネジメントをテーマとした研修や講演会等で「ゼロトラスト」の話をすると、「信用がないとチームは機能しない(=ディスアドバンテージ)」「お互いに信頼するから困難を乗り越えられる(=ソルベンシー)」といった反対意見をいただくことがあります

 

 教育現場で「ゼロトラスト」の話をさせていただいた際に、「子どもを信じることこそが一番大切なのではないか」と熱く反論されたことがあります。

 

 そのとおり!

 

「ベーシックトラスト」を育むことは教育の重要なポイントです。詳しくはこちらで↓

Q-227~:低年齢の子どもも「want toで生きる」「have toは一切しない」なのでしょうか? しつけと教育の違いはどのように考えればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416707.html

 

 「ゼロトラスト」と「ベーシックトラスト」は矛盾しません。その理由もイメージしてください。

 

 

-追記2

孔子は食糧よりも信用を選びました。それは命よりも信用の方が大事だということ。

ここを苫米地式で考察すると、物理空間上の個の存在よりも、より抽象度の高い情報次元での縁(社会的つながり)の方に重きを置いていることがわかります

 

 孔子とその高弟の言行を記録した書物が「論語」。

 認知科学者 苫米地英人博士の著書の中に、「論語」の表と裏を、その仕掛けとともに鋭く解読されている本があります。その名は「洗脳論語」(三才ブックス)。とても衝撃的な本です。

 

 

-関連記事-

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

-告知-

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

次回は「R4.2/19土 午前9時」、その次は「R4.2/211745分」開催。20分間(~最長30分)です。一緒に楽しみましょう!

R4.2/19土 午前9時」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28116052.html

 R4.2/211745分」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28166479.html

 

  

洗脳論語

Kindle版はこちら↓

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L-02920203月シークレットレクチャー -0775歳以上では延命治療は不要?<ケースサイド>後編

 

20203月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の2回目。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、初回(同1月実施)のサブテーマは「自由」でした↓

L-001~20201月シークレットレクチャー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 

 初回講義のラスト(L-013)に、「部分関数としての『自』を拡大し続けること」が「シンのスピリチュアルペイン克服、シンの自由である」と書きました。

 L-01320201… -13<最終回>;シンのスピリチュアルペイン克服、シンの自由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24890312.html

 

 自由に続くサブテーマは「貢献」。当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;スピリチュアルペインを解決するのは自由意思でのゴール設定<前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25974037.html

 02;スピリチュアルペインを解決するのは自由意思でのゴール設定<後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26014834.html

 03;職業と趣味の違いは「貢献」の範囲(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26037409.html

 04;老いの実感 ~乗り物酔いリターンズ~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26077153.html

 0575歳以上では延命治療は不要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26099140.html

 0675歳以上では延命治療は不要?<ケースサイド>前編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26140730.html

 0775歳以上では延命治療は不要?<ケースサイド>後編

 

仕事とは「付加価値を生みだすこと」「役に立つこと」。もっとシンプルに表現すると「貢献」。決して「お金を稼ぐこと」「お金儲け」そのものではありません。

 そのようなことを話すと、時々こんな質問をいただきます。特に医療・介護現場において。

 介護が必要な老人や障がい者、あるいは寝たきり患者さんは生きる価値はないのでしょうか?

 皆さんはどう思われますか?

 

 前々回(L-027)、ペンシルベニア大学 医療倫理・保健政策学部長のエゼキエル・エマニュエル博士(Ezekiel Emanuel1957年~)の「75歳以上では延命治療は不要である」という主張(claim)とその根拠(warrant)や事実(data)を紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 コーチとして考察すると、エマニュエル博士の主張には少なくとも6つの解決するべき課題があります。コーチングと関連して分類すると、1)モチベーション、2)バランホイール、3)時間の流れ、4)不完全性、5)縁起、そして6)空仮中 です。

 まずは課題についてシンプルに分析し(ケースサイド)、その後6つの課題を包摂した視点での解決策を提示します(プランサイド)。

(今回はケースサイドの後半です)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 4) 不完全性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 エマニュエル博士は「ハイキングやツーリングは価値のあることではあるが、もしもそれらが人生のメインテーマなら、おそらく意味のある人生ではない」と語っています。

 「意味のある人生」とは一体何でしょうか? 「意味」は誰が、何が決めるのでしょうか?

 

 もちろん、「意味」を決めるのは自分自身。そして、「意味」はゴールが決めます。自分自身の自由意思で決めた本当のゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 「『意味』はゴールが決める」ということは、ゴールの数だけ「意味」があるということ。

たとえ仕事や家庭という観点では意味がないことであっても、趣味として立派な意味があるということはあり得ます。ある人にとっては無意味でも、別の人にとってかけがえのない意味をもつことも。

 

状況は意味により変わり、意味はゴールが生みだす

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

 だからすべてゴール次第。唯一絶対の基準やモノサシなどありません。

 

 

 5) 縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 絶対的な基準やモノサシを信じる人に欠けているのは、「関係により存在が生まれる」という縁起の視点です。

「縁により起こる」という事実は、“自分”を定義してみるとよくわかります。

 

 では、ここでプチワークw

 今から1分間で自分自身を定義してみてください。どうぞ!

 (初めて会う人に自己紹介するように“自分”を表現してください)

 

 

 きっと「仕事は」「年齢は」「出身は」「趣味は」「夢は」というような説明になったはず。しかし、それは厳密には自分自身のことではありません。

私でいえば「コーチ」「アラフィフ」「鹿児島」「映画・音楽」「“無敵”」といった感じですが、さらに「コーチとは」「50代になると」「鹿児島といえば」「映画の中でも」「“無敵”というのは」と詳しく語るほど、ますます“私”から遠ざかっていきます。

(“無敵”はこちら↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

結局、“自分”は関係性でしか定義できないのです。それを「自我は部分関数である」と表現します(同時に「評価関数」でもあります↓)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 “自分”を定義する関係性が認識できないことが「孤独」です。

 孤独は健康に悪影響を及ぼします。例えば米国ブリガムヤング大学(ホルトランスタッド教授)の30万人以上のデータを対象にした研究によって、「社会的つながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」ことが明らかにされています。

 ちなみに、その“つながり”を強化しながら、他者尊重とともに自己評価を高めることができるのが「Guided Autobiography(案内型自伝)」です(詳しくはこちらで↓)。

 F-137The Sweet Hello,… -9SadSweetに書き換えるコーチング<老人向け 後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22488873.html

 

 ところで、なぜ「欠けているのは縁起の視点!」と断言できるのでしょうか?

 

 私の答えは次回(L-030)に。その解決(プランサイド)とともに明らかにします。

 

 

 6) 空仮中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 縁起が欠けている当然の帰結として、空観(くうがん)ではなくなっています。空観なき仮観(けかん)のことを、苫米地博士は実観(じつがん)と表現されます。それはとても危険な状態です↓

 PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14833876.html

 

 簡潔に2点挙げます。

 

 「私はアメリカの不滅崇拝願望を拒否する」は、「不滅」を前提とした上での拒否であるはずです。意図は理解しますが、空観ではありません。

有名な般若心経に「不生不滅不垢不浄不増不減」という一節があります。「六不の教え」と呼ばれています。「不生不滅」とは、「生じることもなく、滅することもない」という意味です。苫米地博士はよく釈迦の説法を引用して説明されます。

 

 釈迦:(若木を指して)この木は生じたのか?

 -弟子:いえ、別の木の種が地面に落ちて生えたものなので、何もないところから生じた訳ではありません

 釈迦:では、種は生じたのか?

 -弟子:いえ、種も木からできたもので、何もないところから生じたわけではありません

 釈迦:(次に枯れ木を指して)この木は滅したのか?

 -弟子:いえ、滅していません。その命は種となって若木を生み、自らは朽ちて土となり、他の植物を育てています

 釈迦:そのとおりだ。すべてが生じることもなく、滅することもないのだ

 

 枯れ木とはいえ、存在が消えてなくなったわけではありません。ただ形が変わっただけ それが空観です。「『不生不滅』を受け入れる」ことと「『不滅(崇拝願望)』を拒否する」ことはまったく意味が違います。

 

 もう1つはこちら。「大人、とくに高齢者に投資するほどには、子どもに投資していない」。抽象度を下げてさらに細かい指摘を行うと、このコメントには3つの課題(問題点)があります。すべて「縁起が欠けている結果、実観になっている」ことが原因です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 まずは「お金の視点が強力」ということ。「投資(investment)」という言葉には「見返りへの期待」が感じられます。もちろん見返りとはお金。政治家にとっては何よりも票が大切なのでしょうが、そこをクリアできたなら次はお金にいきます。例えば、見返り(税収)が望めない高齢者の医療を切り捨てるというように↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13214313.html

 

 次に「大人VS子どもという構図」。このゼロサム的発想は縁起の無理解の典型例といえます↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14401412.html

 

 最後は「区別と差別の違いが不明瞭?」。空であるがゆえに差別はありえませんが、仮としての区別ははっきりつけるべきです。その違いをしっかり理解し実践していることが重要。それが中観の生き方です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

L-030につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 有名な般若心経に「不生不滅不垢不浄不増不減」という一節があります

 

苫米地博士の著書に「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研)という本があります。般若心経の問題点が明らかにされ(ケースサイド)、なんと添削が行われています(プランサイド)。

「般若心経は間違っている」なんて思いもしなかった私は、読書中に猛烈な衝撃を体感しました。それは文字どおり「世界がひっくり返った感じ」。いわゆる「Rゆらぎ」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

と同時に、「観測者(認識主体)の知識、知能が上がれば上がるほど観測(認識)される宇宙は『たいしたことがある』ものになるという可能性」に震えました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17207221.html

 

その「可能性」が次回(L-030)のテーマ。まずはこちらの記事をどうぞ↓

F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 

-関連記事-

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html

Q-073~180804医療講演会レポート

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_318161.html

 

 

-告知-

 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

2021年度セミナー予定はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第3回目は2021627日(日)開催。テーマは「サイバーホメオスタシス仮説」「エネルギーと創造性の源」です。詳細はこちらから↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26053730.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

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超訳般若心経


Q-193:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか? Vol.2;不完全性

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

抜粋した下記部分について、4回に分けて回答いたします。

(プライバシーに配慮し、変更を加えてあります)

 

 Q:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

 

 Vol.1;抽象度&ゴール

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25534400.html

 Vol.2;不完全性

 

 A:「マインドを使える」を「全抽象度次元に“集中”している(全集中w)」「抽象度の移動が自由にできる」と、そして「マインドを使えない」を「低い抽象度次元に囚われている」「高次の抽象度への移動ができない(しない)」という意味であるとすると、「コーチングはマインドを使える人のためのものなのか?」に対する私の答えは「そのとおり」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 

 前回(Q-192)は、「そのとおり」という主張(claim)の根拠(warrant)について、抽象度とゴールの定義(data)を用いて説明しました。ディベートを用いた論理的説明を心がけたつもりです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ディベートは論理的思考を極めることを目的としています。その先にあるのは「論理という系の外にでて自由を手にいれる」こと。その時、自由とともに、“社会的情動(感性)”も手に入れています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

“社会的情動(感性)”とは“超論理”のこと。それは論理空間を極めた後に到達できる次元にあります。その次元に向かうためにゴールがあり、その次元に到達することでさらなるゴールを見つけることができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 今回はディベート、すなわち論理的思考を掘り下げて「コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?」を考えてみましょう。

 

 

 ディベートは、「主張(claim)「根拠(warrant)」「事実(data)」を基本の3要素として、さらに「裏付け(backing)」「確率(qualifier)」「例外(reservation)」を足した6要素で行われます。繰り返しますが、目的は「論理的思考を極める」こと。そして「論理という系の外にでて自由を手にいれる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

現代ディベート論理はトゥールミンロジックと呼ばれています。
 提唱者のスティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)は、ディベート論理を形式論理とは異なり実際の議論の論理構築法として提唱しました。そのため「主張の相対的強度」としての「確率(qualifier)」や「例外(reservation)」を考慮に入れます。

その根底にあるのは「主張(claim)は常に正しいとは限らない」「Universally Trueではない」という不完全性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 この不完全性を理解していることはコーチングにおいてもとても重要です。反対に、不完全性がスコトーマに隠れている状態ではコーチングを受ける(実践する)べきではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 もう一度。

不完全性を受け入れない(体現できない)のなら、コーチングを実践するべきではありません。無理にコーチングに取り組んでも、きっと「こんなはずではなかった」「怒りと絶望しかない」「私は悪くない。○○のせいだ」などとネガティブばかりを発することになるでしょう。コーチングを受けることで、かえって大切な関係を失ってしまうかもしれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24979591.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23823944.html

 

「不完全性がスコトーマに隠れている状態」とは、「マインドを使えない状態」です。例えば大脳辺縁系優位に陥ったままだと、自身の思いが受入れてもらえなかったときに、むきになって攻撃したり(fight)、頑なに閉じこもってしまったりします(flight)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 それは認知的不協和のエネルギーを上手く使いこなせない状態ともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

もしも動悸、めまい、頭痛や腰痛などの疼痛、悪心・嘔吐、食欲不振、湿疹などの皮膚症状等の身体化が生じているときは、物理空間への働きかけとしての医療(内科や各専門科)を受けてください。

抑うつ感や意欲の低下、興味の消失、不眠といった精神症状が続くときは、精神医療のサポートが必要です。希死念慮が少しでもあるのなら、決して放置するべきではありません。

 

繰り返しますが、大脳辺縁系優位(情動)の状態ではコーチングを実践することはできません。まずは前頭前野優位の「マインドを使える」状態にリカバーすることが必要です。私はそれがヒーリングだと思っています。

 

Q-194につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 私のゴールの1つは「well-beingをひろげ、伝えること」です。

 (well-beingの考察についてはこちら↓)

 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

 例えばですが、「コーチングはマインドを使える人のためのものですか?」に対して「そのとおり」などと答えたりすると、「今苦しんでいる人たちは救わないのですか?」と批判され、「自己矛盾する詐欺師」「偽善者」といった陰口を叩かれます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 そんな時、私は、NilDを心の中で握りつぶします↓

 F-094~:私はイヤなことを心の中で握りつぶす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

 

 ところで、「ゴール実現のための活動」と「今苦しんでいる人たちを救う活動」はまったく別ものなのですが、その違いはわかりますか?

次回、苫米地博士の実例を紹介します。それまでの間、あらためて下記問いについて考えてください(感じてください)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 Q:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

 

 

-追記2

不完全性を受け入れない(体現できない)のなら、コーチングを実践するべきではありません。無理にコーチングに取り組んでも、きっと「こんなはずではなかった」「怒りと絶望しかない」「私は悪くない。○○のせいだ」などとネガティブばかりを発することになるでしょう。コーチングを受けることで、かえって大切な関係を失ってしまうかもしれません

  

 体現とは「思想・観念などを具体的な形であらわすこと」「身をもって実現すること」という意味です。それは情報空間上のものを物理空間に実装するということ。下記ブログ記事で詳しく解説しています↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 苫米地博士の実装例についてはこちら↓

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 

 人間関係についてはこちら↓

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22305802.html

 

 

-告知-

 今年度(2021年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

 (セミナー予定はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html

 

 第1回目は2021425日(日)開催。テーマは「スコトーマ」「ゴール」「エフィカシー」です。

 (詳細はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25523198.html

 

 超情報場でお会いしましょう!

 

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ブログ・シリーズ編

S-01:よりよい“議論”のために

S-01-06:よりより“議論”のための前提条件

 

このシリーズでは、 “議論”について、そして“議論”をよりよくすることについて考察します。

PM-02-13http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html

I-017(告知):http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

S-01-00(目次):http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11613757.html

 

 

06:よりより“議論”のための前提条件

 

 前回、議論とは、「情動→論理→社会的情動という進化・向上のきっかけになるもの(=縁起)、すなわち覚りへの階梯である」と書きました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11995099.html

 

 (繰り返しになりますが)ここでいう「進化・向上」とは、「抽象度を上げる」ことと同じ意味です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

 よって、よりよい“議論”のための前提条件とは、抽象度を上げるための前提条件といえます。

 

 よりより“議論”のための前提条件として、私は下記の三つを特に重要視しています。

 

1)     ゴールの共有

2)     不完全性・不確定性の理解

3)     スコトーマの理解

 

それぞれを説明いたします。

 

1)     ゴールの共有

ゴールとは、人生の目的であり、未来をつくりだすものです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

よりよい“議論”のためには、「なぜ議論を行っているのか?」という議論自体の目的を全員が理解し、共有している必要があります。

ゴールは常に“現状の外”にありますので、議論の目的は「ゴールを達成するための新たな方法を、スコトーマを外して見つけだすため」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

そもそも「アリバイ作り」や「現状維持」のために行うものは議論ではありません。そんな会議や会合には一切参加する必要はありません。

 

2)     不完全性・不確定性の理解

 「すべては決定的ではなく、不完全(不確定)である」という事実は、すでに証明されています。情報空間(宇宙)においては不完全性定理、物理空間(宇宙)では不確定性原理として。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

 「不完全である」という事実は決してネガティブなことではなく、「だから、もっと良くなる可能性がある」という意味であり、「永遠に進化・向上し続けることができる」という希望にもつながります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 さらに、不完全性を突き詰めていくと、縁起や空仮中といった釈迦哲学の真髄に至ることができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 「不完全なのは、必ずスコトーマがあるから」と考えることもできます。

 

3)     スコトーマの理解

 スコトーマとは「心理的盲点」のことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 スコトーマをうみだすものは、「知識」「重要性」「役割」の三つです。

 よって、「必ずゴールを達成する」という思いをみんなで共有し(重要性の認識)、それぞれの価値観の違いを尊重し(役割の認識)、お互いの知識と経験を持ち寄ること(知識の認識)が、スコトーマをはずす上で重要になります。

 

 そのために議論があるのです。

 

 ちなみに、「スコトーマがある」という事実を知らないことを、釈迦哲学では「無明(むみょう)」と言い表します。それがすべての苦のはじまりであるという教えが十二支縁起(十二因縁)です。

 医療や介護の現場はとくに、無明が苦の源泉となります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7199706.html

 

 


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