Q-504:私は今、職場のTCZの構造を書き換えようとしています… <vol.1;TCZ>
御相談をいただきました。ありがとうございます。
その一部に回答いたします。
(変更を加えています)
vol.1;TCZ
Q:私は今、職場のTCZの構造を書き換えようとしています。今のところ、できるだけいつも大周天を意識し、自分が一番気持ちのいい状態で仕事をしてはいるのですが、いまいち手応えというものが分からずにいます
A1:いいですね! どんどん書き換えてください。
「TCZ」とは「Total Comfort Zone」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
苫米地博士は「潜在ポテンシャル統一理論:認知ホメオスタシスと認知戦」(以下、NDU論文と表記)の中で、TCZをこのように定義されています↓
{ w | ∀y ∃x rTCZ(x, y) }, x, y ∈ Wcurrent&future
…右側の「W」とは認知世界のことで、「現在の瞬間だけでなく、現在と将来に起こりうる状態の全空間」のこと。その「W」での「どんな状況y(∀y)」に対しても「安定した地点xへ戻る応答が必ず存在する(∃x)」というのが左側の式の意味です。
つまり、TCZとは「完全に行き詰まることのない世界の集まり」「常に平衡に戻る道筋がある空間」であり、「主体が安定して住みうる将来世界の全体」。そして、そのTCZは静的な集合ではなく、「認知ホメオスタシスのもとで動的に維持」されています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
「潜在ポテンシャル統一理論:認知ホメオスタシスと認知戦」より引用
苫米地博士は、そのようなTCZについて、NDU論文の中でこのように書かれています。
TCZが大きい人は予期しない出来事の広い範囲を不安定化せずに吸収できる
TCZが小さい人はわずかな変化でも危機に陥りやすい
この式は心理的レジリエンスの正確な数学的集合である
…「レジリエンス(resilience)」は物理学の用語で、「外力による歪み」を意味するストレスに対して「ストレスを跳ね返す力」の意味で使われています。
そこから心理学の世界にひろがり、「社会的ディスアドバンテージや己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力」を表す言葉として用いられるようになりました。
シンプルにいうと「自発的治癒力」。それは「脆弱性(vulnerability)」の反対概念であり、「精神的回復力」「抵抗力」「耐久力」とも訳されています。そして現在は安全保障の基本概念としても用いられているそうです。
F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28657999.html
苫米地博士は、レジリエンスを、「有事の際に迅速にリカバーし、元より強固になることができる性向」といった意味で使われています。古い言い回しを用いると、「転んでもただでは起きぬ」というブリーフシステムです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
そのレジリエンスの大前提は「ゼロトラスト」。それは「完全に守ることは不可能という認識」を示します。「無常」で知られる縁起の思想はもちろんのこと、不完全性定理以降の西洋哲学においてもとても重要な概念です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html
繰り返しますが、レジリエンスの大前提は「ゼロトラスト」。その上でポイントとなるのが下記の4つです。
①
平常状態の継続的なモニタリング
②
最低ラインの確保(平常状態を有事に確保するのは現実的ではないという認識)
③
できるだけ迅速にリカバーできる準平常ラインの設定
④
準平常ラインから元々の平常ラインよりさらに高いラインに回復する構造
この4つのポイントに、苫米地博士が出演されている「バラいろダンディ」(東京MX、2019年11月4日放送回)内での講義時に使用された用語(下図)を重ねると、
①
Normal
Operations ← 継続的なモニタリング
②
Shock&Cascading ← 最低ラインの確保
③
Recovery
Phase ← 準平常ラインの設定
④
Restoration
Phase ← 元々の平常ラインよりさらに高いラインに回復する構造
…となります。
「バラいろダンディ」(東京MX、2019年11月4日放送回)より引用
ところで、「心理的レジリエンスの正確な数学的集合」である「TCZ」のことを、苫米地博士は「リーダーシップ」の枠組みでも語られています。
Q-459:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.3;リーダーシップ>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37967235.html
以下、AMA JAPAN(アジアモデル協会)のHPから苫米地博士のメッセージを引用します。
AMA
JAPANのHPより引用
博士が語られている「リーダーシップを伝えるプログラム」の「リーダーシップ」とは、もちろん「次世代リーダーシップ」のこと。AMAのフレームで語られる「次世代リーダーシップ」は、コーチングとリーダーシップのコアだけを限定的抽出したプログラムのことです。
F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html
つまり、「職場のTCZの構造を書き換えようとしている」というのは、次世代リーダーシップを実践している
ということ。
以下、苫米地博士の著書「老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに『第二の人生』を生きるヒント」(TAC出版、p152)より引用します。まずはセルフイメージを「次世代リーダー」に書き換えていきましょう。「高齢者」の部分を「あなた」に変換し、「you affirmation」として活用してください。
F-324:観自在 <実践編-4;ユーアファメーション>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33111471.html
高齢者は人が自らついてくる人間になれ
結局、権力というものは認知空間におけるエネルギーの話なのです。
ですから、「見られているかもしれない」という認識にしても、法律にしても、認知空間のなかでなんらかの圧力作用が人の行動を制限するし、場合によっては思考も制限するのです。
しかし、権力やバイオパワーをいっさい利用しなくても、人を“従わせる”ことは可能です。それが「次世代のリーダー」です。次世代のリーダーは人を従わせることなく、人が自ら望んでついてきます。
これは必要性に応じて生まれるリーダーシップという言い方もできます。
必要性に応じて生まれるリーダーとは、リアルタイムに生まれるリーダーということです。
たとえば、かつての日本で電子メールが始まったときのことです。この頃は「メールで挨拶するのは失礼だ」と言われた時代で、いまとはまったく逆です。なにしろ、いまは電話するほうが失礼と言われます。
そんな時代からしばらくして少しずつメールが理解され始めると、社長や部長たちがメールを使うことに興味を覚えます。そうなった瞬間、リーダーの逆転劇が起きたのです。メールについてよく知る若い新入社員たちの台頭です。
社長や部長たちはこぞって新入社員たちにメールの設定の仕方や使い方を習い始めます。そのとき社長に、「いえいえ、そうではなく、ここはこうです」と新人が言えば、社長は「そうだったのか、わかった」と素直に言うことを聞いていました。
実はこれも権力の一種です。新入社員の持つ知識に必要性があり、社長たちが集まって教えを請うという必要性もあったため、自然に上下関係が生まれたのです。このときの権力はピラミッド構造による権力ではありません。特定の人物が持つ必要性によって自然に発生したものでした。
ここでおもしろいのは、社長や部長がメールの使い方を覚えれば、またもとの関係に戻るということです。せっかく権力者になったのだから、もっとこの地位に居座っていたいということができません。
あくまでリーダーはそのときどきの必要性によって選ばれるだけで、必要性がなくなれば、またもとの関係に戻るのです。このリアルタイムで移り変わっていくリーダーというのが次世代リーダーの特徴の一つなのです。
実際、私にもそういった経験がありました。私は三菱地所の社長と若い頃に世界中を出張して回っていました。三菱地所の社長といえば、三菱グループの中核企業の一つです。普通ならば新入社員が同席することも不可能でしょう。
しかし、海外出張の通訳が私だったため、社長と新入社員とは思えないフランクな間柄でした。私の所属は財務であって秘書室でも海外事業部でもありませんでしたが随行は常に私でした。財務情報などの細かな資料を英訳するときは「細かなところは君に任せたよ」と言われて、私が英語で説明していたほどです。
あのときは事実上、私が大三菱の代表として話していたわけです。話す内容については私に一任されていましたから、私に三菱地所の社長の権力が一部移譲されていたのです。
つまり、次世代リーダーとは、リーダーを誰かに決めるということではなく、状況に応じてリアルタイムに自然に変わっていくリーダーである、ということです。
引用おわり
(Q-505につづく)
CoacHing4M2 EDGE
竹原邦雄 / CoacH T
-追記-
「高齢者」の部分を「あなた」に変換し、「you affirmation」として活用してください
…現在の苫米地博士は「アファメーションは行わない」と話されています。
Q-481~:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_433327.html
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コーチとしての活動を大幅に見直しリブートしました↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_176695.html
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38713553.html
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-関連記事-
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