F-055:おもしろき こともなき世を おもしろく
ブログ記事F-052およびF-053では、幕末から明治にかけて活躍した薩摩の雄 西郷隆盛の言葉「人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる」を御紹介しました。
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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12645423.html
今回は、同じく幕末に活躍した長州の雄 高杉晋作(1839~1867年)の言葉を紹介いたします。
…コーチとして、そして医師(&ヒーラー)として、たくさんの出会いがあります。
お話を伺っていて感じるのは、「何が幸せかは人それぞれである」ということ。そして、「『幸せ』や『喜び』といったものがどこかに『ある』と思っている方々がとても多い」ということです。そういう私も「幸せ」が「ある」と思っていました。
「どこかにあるはずの幸せがなかなか見つけられない」
「喜びをなくしてしまった」
「何のために生きているのかがわからない」
「なかなかゴールが見つからない」
…そんな言葉を耳にするたびに、コーチとしての私は、高杉晋作のこの言葉を思い出します。
おもしろき こともなき世を おもしろく
「おもしろき」ものは、最初から「おもしろき」ものとして存在しているのではありません。ある事象を認識する人の情報処理の結果として、つまりマインドの働きにより、「おもしろき」ものが存在として新たに生じます。縁起です。
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よって、同じ人であってもその時の気分(マインドの状態)により「おもしろく」感じられないことが起こりえますし、逆に誰からも心配されるような逆境の中に「おもしろき」ことを見いだすこともありえます。
最初から「おもしろき」ものがあるのではなく、心の状態により「おもしろきこともなき世」が「おもしろく」なるのです。「おもしろき」ものは、「あるともいえるし、ないともいえる」ものといえます。
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その鍵となる“心の状態”をうみだすものが「ゴール」です。ゴールがすべての事象の意味を決めます。
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そして、ゴールが心のロックを解除していきます。
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止められても成し遂げたいゴールがあり、その達成を確信するようになると何気ない日常の生活の中に「おもしろき」ものを見つけ始めます。スコトーマが外れるからです。
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モチベーションの視点でいうと、「have to」だったことが「want to」にどんどん変わっていくのです。それは「どこかにあるはずのwant toを見つけだす」という感覚とは全く異なります。
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その時、すべての偶然はチャンスに、さらには必然に変わります。
偶然は準備のできていない人を助けない
チャンスとは、心構えのできた者にのみ訪れるものだ
…これはフランスの生化学者・細菌学者 ルイ・パスツール(1822~1895年)が、リール大学での講義中に語った言葉だといわれています(1884年12月7日)。
パスツールの語る「準備」とは「ゴール設定」のことです。そして、「心構え」とは「ゴールの実現を確信すること(=エフィカシー)」だといえます。
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ゴールを設定し、その実現を確信すると、ゴールを達成している未来から時間が流れるようになります。そして、スコトーマがはずれることで、次々とチャンスを見つけるようになります。
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そんな人生はきっと「おもしろき」ものであるはずです。
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繰り返しますが、そのすべてのはじまりがゴール設定です。
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…ところで冒頭の高杉晋作の言葉ですが、高杉の死後に、女流歌人 野村望東尼(のむらもとに、1806~1867年)が下の句を付け加えました。野村は福岡の平尾山荘で勤皇の士をかくまったりしましたが、その時に高杉晋作と出会っています。
その野村望東尼の句が「すみなすものは こころなりけり」。
「おもしろきものは自らつくりだすものだ」という高杉の上の句、そして「すべては心が生みだすものだから」という野村の下の句
…それらが紛れもない事実であるということは、認知科学の研究が明らかにしました。150年の時を経て。
おもしろき こともなき世を おもしろく
すみなすものは こころなりけり
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
今回御紹介した高杉晋作の言葉は、苫米地博士の著書「自分を大きく変える 偉人たち、100の言葉 ―Dr.苫米地式名言活用術」(TAC出版)の中でも取り上げられています。一部御紹介します。
自分の思い通りにならないことがあった時、人は自分以外のものに原因を求め不満を抱きます。仏教ではこうしたものはすべて煩悩が原因で自分の心が生み出していると考えます。こうした煩悩を消し去り、安らかな心を持って生きることこそ「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」、つまり“悟り”の境地なのです。
…続きはぜひ、博士の著書で御確認ください。
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-関連記事-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5305837.html

高杉晋作