苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:プロファイリング

F-343:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.8(最終回);プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうなケース」編>

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33933655.html

 vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33989164.html

 vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34042823.html

 vol.8;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうなケース」編

 

 

ゴール設定によって新しい宇宙(w1)を創造するためには、過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”を壊さなければなりません。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

“殻(w0)”を壊してゴールを現状の外に設定するために、まずはその“殻(w0)”をしっかり把握する必要があります。それがコーチングにおけるプロファイリング。

 Q-137:問題が生じたゴールへの向き合い方 -02

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22312817.html

 

 プロファイリングのポイントはいくつかありますが、私がとくに重視しているのはかたさ“です。我欲の強さと言ってもいいかもしれません。

 L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

具体的には、「“殻(w0)”を壊せそうにないケース」と「“殻(w0)”を壊せそうなケース」に分類しています。前回(F-342/vol.7)は「“殻(w0)”を壊せそうにない」と分析した後に行うことについてまとめました。

このシリーズの最終回である今回は、「“殻(w0)”を壊せそう」と分析した後に行うことについてまとめます。

 

 ところで、前々回(F-341/vol.6)、マズローの「自己実現理論(欲求段階説)」について紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

自己実現理論(欲求段階説)

Wikipediaより引用

自己実現理論 - Wikipedia

 

 

このマズローの階層を上がっていくことが進化・成長であるとされています。その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

ところが、下から数えて5層目の「自己実現(Self-actualization)」の段階でも、まだまだ十分とはいえません。「自己実現」だからです。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 「自己にこだわる」ことを我欲と呼びます。仏教的にいうと煩悩です。

 煩悩=我欲をコントロ-ル(=克己)できないままであれば、本当の自分を生きているとはいえません。その理由はクリアですか?

 F-052:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のこと。私たちの無意識の選択には、必ず他人の意見や社会の価値観がすり込まれています。「私は“本当の私”ではない」のです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 前回(F-342/vol.7)取り上げた「“殻(w0)”を壊せそうにないケース」とは、スコトーマに隠れたままの“本当の私”を感じることができない状態のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

  

その場合、コーチとしての私は、どんどんゴール設定していくように導きます。ゴール(らしきものでもOK)が設定できたら、「共感覚」「プライミング」「トリガー&アンカー」などをフル活用!

 Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 ゴールに向かいながら無我夢中になり、そして実際にゴールを達成していくプロセスは、きっと充実していて、とても幸せに感じられるでしょう。

 F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

 しかしながら、その段階の幸せは、まだまだ本物の幸せとはいえません。

 

 本当の自分を生き、本物の幸せを実現するためには、煩悩=我欲を克服しなければなりません。それは外から与えられた情報から自由になり、“自分という殻(w0)”の外側に出て、シンの自由意思を手に入れるということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

その上で、高いレベルの思考をし、“自分”を拡張・拡大していくのです。それが“自分中心を捨て去る”ということ。コーチングのコアであるゴール設定の、大切なポイントであり、重要な機能です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それゆえ、本物のコーチング(Authentic Coaching)では、「止観」と「抽象度を高める」ことを重要視します。

「止観」において、止めるものは煩悩=我欲、観るものはゴールです。

F-319:観自在 <理論編-2;自在を観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html

 

ディベート的にいうと、「観る」とは、抽象度を高めてゴールを達成するための課題を見つけ(case-side)、解決すること(plan-side)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 絶対に解決不可能だと思える問題でも、煩悩=我欲を止め、抽象度を上げて思考すると、けっこう解決するもの。そうですよね?

 

 そうやって抽象度を上げ続けていると、“自分”がさらに拡張・拡大し、やがて「空(くう)」が感じられるようになります。その上で、あえて機能・役割に注視するのが「仮(け)」。

 「空」と「仮」をバランスよく維持している状態が「中(ちゅう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 その「中」を「無意識と意識の境界で一部だけは意識して、一部だけは無意識にする」ことが、「“殻(w0)”を壊せそう」と分析した後に行うこと

 Q-280:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました <後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29681889.html

 

 最後に、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所、p16)より引用します。コーチングのベースにあり、苫米地理論の基礎でもある「空仮中」について、しっかり感じてください。Feel

 

 

超瞑想のベースは「空の思想」 ~物理空間と情報空間の関係~
 あなたが暮らすこの世界や、あなた自身を、自由自在に書き換える方法が「超瞑想」です。

 超瞑想は、仏教で伝えられてきた「空」の思想がベースになっています。超瞑想について語る前に、「空」について考えてみましょう。

 空は釈迦が説いた思想です。釈迦はちょうど2600年前に菩提樹の下で、この世界が空であることを悟り、その教えを広めました。

 空というと、多くの人は「空っぽ」をイメージするかもしれません。でも、実際はその逆です。

 空とはこの世界のすべての事象を包み込んだ概念です。

 空は、ありとあらゆるものが詰まっている状態。しかも、そのありとあらゆるものが、ダイナミックに、常に変化しながら存在している状態を言います。

 

 空について説いている般若心経に「不生不滅」「不増不減」という言葉が出てきます。これは、「生まれるとか滅びるとか、増えるとか増えないとか、そういうことはこの世には一切ない」という意味です。

 今この瞬間に、あらゆるものが存在しているのです。

 「あらゆるもの」には「無」さえも含まれています。

 つまり、「有」や「無」を超え、「有」も「無」もみな包み込んでいるのが空なのです。

 言うなれば、空は「超存在」であり「超有」「超無」の世界なのです。

 

 しかも、空に包まれているこの世界のすべては、すべてが互いに何らかの関係性を持っています

 この宇宙に存在するすべての事象で、独立しているものは1つもないということです。これを「縁起」といいます。

 

 そして、その縁起の中心にあるのが、私たち一人ひとりの心なのです

 

 私たちは、誰もが自分を起点にして始まる宇宙を1つずつ持っている-。

 空とはまさにそのことを言っているのです。

 

 ところが、「すべてのものは空である」というと、人によっては「人生はどうせ空なのだから何をやっても同じ」「生きていても死んでいても同じなら、生きることは虚しい」という虚無主義(ニヒリズム)に陥ってしまう人がいます。でもそれは、空の思想を正しく理解していない証拠です。

 正しく空が理解できれば、

 「苦しいこと、嫌なことがあっても、すべては空だから、何とでもできる」

 「自分自身も空なのだから、いつでも好きな自分になれる」

 と考えられるようになります。

 

 この世界のすべての存在をダイナミックかつ多次元的にとらえ、それらすべての関係の中心に自分の心があり、自分の心がすべての存在、すべての事象を生み出していると考えることが、「空」の真髄なのです。

 空だからこそ、私たちはその気になれば自分や世界をどんなふうにでも書き換えることができるのです。

 そして、そのもっとも優れた方法が「超瞑想」です。

 

 この空の思想は、機能脳科学や量子論をはじめとした最先端の科学にも通じている、人類史上の偉大なる発見のひとつです。

 ただ、「どんなふうにでも書き換えることができる」といっても、物理法則を無視して何かを変えることはできません。

 たとえば、今、この本を読んでいるあなたの目の前に、突然金の延べ棒を生じさせることはできません。なぜならば、何の因果関係もなく、突然ある物体がこの世界に現れることは、物理法則に反しているからです。もし物理法則を無視して物体をこの世界に現出させることができるという人がいたら、その人はとんでもない嘘つきか、幻を見ているだけであり、信じるに足りないオカルトです。

 

 超瞑想とは、自分の心をコントロールして、自分や世界を形作っている関係性(ネットワーク)を変えることで、自分や世界のあり方を自由自在に変えてしまうことです。それはオカルトとはまったく次元の異なる、科学的ともいえる行為です。

 

 ちなみに、日本で瞑想は、静かに座って思索を巡らせることといった程度にしか理解されていません。それとは一線を画すため本書では瞑想を「超瞑想」と名付けています。

 引用終わり

 

 

 この世界のすべての存在をダイナミックかつ多次元的にとらえ、それらすべての関係の中心に自分の心があり、自分の心がすべての存在、すべての事象を生み出していると考えることが、「空」の真髄

 

 これが苫米地式プロファイリング×ゴール設定の真髄であるはず。

 

 そして、「自分や世界を形作っている関係性(ネットワーク)を変えることで、自分や世界のあり方を自由自在に変えてしまう」ことが、苫米地理論をベースとしたコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 今回参考にした「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社)は200912月に発売されています。

 その後、苫米地博士の「プロファイリング」は、DVD教材(フォレスト出版)の中で開示されています。守秘義務契約があるため内容をお伝えすることはできませんが、今や苫米地式の「プロファイリング」は“宇宙創造レベル”にまで進化しています。

 下記HPで「全体像を把握し、ゲシュタルトをつくる」ことができます。ぜひ御確認ください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *「マインド・プロファイリング 他人の脳と心を透視し、思い通りに操作する方法」↓

 マインド・プロファイリング (forestpub.co.jp)

 

 *「マインド・プロファイリングⅡ -Everlasting Influence-」↓

 マインド・プロファイリングII (forestpub.co.jp)

 

 *「マインド・プロファイリングⅢ ~宇宙超越洗脳・5次元絶対他力~」↓

 マインド・プロファイリングⅢ~宇宙超越洗脳・5次元絶対他力~ (forestpub.co.jp)

 

 

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2024年度のオンラインセミナーは、6月と11月に開催する予定です。

(セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明を行います)

セミナー開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-335:分断緩和のための処方箋 vol.6;「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴール

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Q-217:家族や人間関係のゴール設定はどのようにすればよいでしょうか?

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Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?

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Q-359~:こんな当たり前のことを訊いてもよいのでしょうか?

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Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

 

 

超瞑想法

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 思うままに夢がかなう 超瞑想法 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 



F-342:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編>

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024226) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33933655.html

 vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33989164.html

 vol.7;プロファイリング後に行うこと 「殻(w0)“を壊せそうにないケース」編

 

 

 最初(F-336/vol.1)にお伝えしたとおり、ゴール設定によって新しい宇宙(w1)を創造するためには、過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”を壊さなければなりません。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

“殻(w0)”を壊してゴールを現状の外に設定するために、まずはその“殻(w0)”をしっかり把握する必要があります。それがコーチングにおけるプロファイリング。

 Q-137:問題が生じたゴールへの向き合い方 -02

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22312817.html

 

 プロファイリングのポイントはいろいろありますが、私がとくに重視しているのはかたさ“です。我欲の強さと言ってもいいかもしれません。

 L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

具体的には、「“殻(w0)”を壊せそうにないケース」と「“殻(w0)”を壊せそうなケース」に分類しています。

 今回は「“殻(w0)”を壊せそうにない」と分析した後に行うことをまとめます。

 

 

 「“殻(w0)”を壊せそうにない」というクライアントさんに対して、私がまず心がけるのは「気楽にゴール設定をサポートする」こと。

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 「“殻(w0)”を壊せそうにない」場合のゴール設定のコツは、難しく考えずにとにかくたくさん設定してみること。コーチもクライアントも“気楽”に取り組むことです。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「止められてもやりたいゴールが見つからない」という人は、他人が勧めるものでも、世間で流行っていることでもいいので、とにかく選択肢を作ってみてください。間違いなく現状の中にゴールを設定することになりますが、まずは動くことが重要!

トライアル&エラーを繰り返しながらスコトーマを外していくイメージです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ゴールっぽいものが見つかったなら、そのゴールが実現した未来(世界)をイメージしてみましょう。「やりたいことが多すぎて決められない」という場合は、その「やりたい」を実現した未来を一つひとつイメージしてください。気楽にw

 

 ゴールを達成した未来を疑似体験し、どのゴール体験が自分にとって一番心地よかったか? うれしかったか? 楽しかったか? と比較していきます。

そうすることで、なりたい自分の姿=ゴールの世界を見つけられるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 苫米地博士がよく話される「新入社員の頃に社長秘書と仲良くなり、社長外出中に社長室に入れてもらい、社長の気分で椅子に座った」というエピソードのように、ゴールを達成した自分に関するあらゆるイメージや感覚を体験して、その自分になりきりましょう。

それは「ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をつくる」という大切なプロセスになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ゴール側のCZの臨場感が上がるほど、何の変哲もないこれまでどおりの日常生活の中に、次々とゴール達成のヒントを見つけるはず。きっと新たなゴールも見つけるでしょう。

 RASが変化し、スコトーマがどんどん外れていくからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 

 このシリーズのテーマは「次世代プロファイリング×ゴール設定」ですが、せっかくなので「ゴール達成」のポイントも記しておきます。「“殻(w0)”を壊せそうにない」クライアントさん用です。

 

 そのポイントは2つ。「モチベーションの維持」と「ゴールに向かい続ける意識状態の維持」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 まずは、先ほどと同じように、ゴールが実現した未来(世界)をイメージします。

 次に、五感をフルに使うことで、その未来(世界)の臨場感を強化していきます。臨場感を強化するために用いるのが

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 「共感覚」です。

 共感覚とは、「ある感覚を別の感覚に置き換えてみる」こと。視覚(映像)を聴覚(音)に、聴覚を嗅覚(におい)に、嗅覚を触覚(手触り等)に、触覚を味覚(味)に といった感じで、ランダムにどんどん置き換えていきます。

 L-111~220218… -13~14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

 

 先ほどの苫米地博士のエピソードでいうと、社長の椅子の座り心地を、味とか色とか音とかにおいで感じていく感じ。すると、社長という概念の臨場感が上がり、理解が深まっていきます。ゲシュタルトができるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 共感覚を使ってなりたい自分の姿=ゴールの世界をゲシュタルト化できたら、次はそのゲシュタルトに強烈な情動の記憶(うれしい・楽しい・気持ちいい・すがすがしい・誇らしい)を貼りつけていきます。

 Q-290:ドーパミンの分泌をコントロールまたはvol.10;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」秘訣>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29942186.html

 

 すると、プライミングが働きます。

プライミングとは、「先に受けた刺激(先行刺激)によって、後続する刺激に対する認知や判断が影響を受け、特定の行動が促進または抑制される」こと。いわゆる報酬系(reward system)のことであり、洗脳技術の一種でもあります。

 Q-336:何かいい仕事はありませんか? <vol.3;認知ホメオスタシス -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32300998.html

 

 このプライミングをしっかり働かせることが、「モチベーションを維持」の秘訣です。

 Q-356:休みの日なのに気持ちがvol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

 最後は「ゴールに向かい続ける意識状態の維持」について。このときに利用するのは「アンカー&トリガー」です。

 「アンカー(anchor)」とは船の錨のことで、無意識の中に保管されている特定の記憶や意識状態のこと。「トリガー(trigger)」とは銃の引き金のことで、アンカーを無意識下から意識上に引っ張り出すきっかけのこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 先ほどの共感覚と強烈な情動記憶でつくったゲシュタルトが瞬時によみがえるような自己暗示と考えるとわかりやすいでしょうか。

例えば、朝起きて鏡に映る自分の姿を見たら、ゴールを達成した未来(世界)や自分の姿を思い浮かべるように訓練します。すると、鏡を見るだけで強烈な情動を伴ったゴール側のCZを体感できるようになります。それが「アンカー&トリガー」による自己催眠です。

F-177:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-2;幸福はさらに深い自己催眠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25175860.html

 

 

以上、プロファイリングにより「“殻(w0)”を壊せそうにない」と分析した後に、コーチとしてクライアントさんに働きかけることについてまとめました。

 

私の場合ですが、知識の伝授はチュータリングの時間に行っています。コーチング・セッションは実践のみ。働きかけは主に非言語です。

Q-222:チュータリング・コースでも自身のゴール設定についてアドバイスは頂けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27505564.html

 

 非言語で行う働きかけとは、簡単にいうと「抽象度を上げる」こと。

 それは「我欲から離れる」ことと同義ですが、苫米地博士は必ずしも煩悩を捨てろとは仰いません。「ほどほどにコントロールしてね」という感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その理解と実践はとても大事。いつも楽しく、かつ自然であり続けるために、ぜひとも抑えたいポイントです。

以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p37)より引用します。しっかり理解し、意識に上げながら、日々実践し続けてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

この視点があれば、欲望を捨てる必要はない

 「自分以外の人の幸せを願おう」などと言いますと、「我欲とか煩悩を捨て去って、お釈迦様みたいな悟りの境地に到達せよとでも言うんですか」と思われる方もいるかもしれません。ですが、そうではありません。「我欲とか煩悩とか捨てよ」とはお釈迦様も言ってはいません。そもそも我欲、煩悩を完全に捨て去ってしまったら食欲や性欲も捨てることになりますから、人は飢え死にしてしまって生きてはいけませんし、子どもをつくれませんから人類という種の保存もできません。あっという間に人類滅亡です。お釈迦様が言っているのは「我欲、煩悩はほどほどにね」ということです。もってもいいけれどほどほどにして、自分でしっかりとコントロールしなさいというわけです。

 我欲や煩悩をコントロールするのも、「私」という殻から抜け出ないと難しくなります。自分自身から抜け出して自分自身を一つ高いステージから俯瞰で見る。自分を客観視するというのも自分自身を高い抽象度から俯瞰で見るためのいい方法の一つでしょう。

 これもあとでくわしく説明しますし、トレーニング法も詳述しますが、我欲や煩悩をコントロールする方法には二つあります。一つは先ほどから述べている「抽象度を上げる」ということ。もう一つは「止観」という方法です。これらは別々のものではなく、一つのセットと考えてください。抽象度を上げる説明はすでにしましたので、ここでは「止観」について簡単に説明しましょう。

 「止観」とは、法然、栄西、道元、日蓮、親鸞、一遍などの、日本仏教各宗派の開祖を輩出した、最澄、比叡山延暦寺の日本天台宗の源である中国天台宗の高祖、天台智顗(538~597)の書物、『摩訶止観』による用語ですが、ここでは読んで字のごとく「止めて」「観る」ことと理解してもらえればOKです。

 そういわれても「何を止める」のか、「何をどう観るのか」わからないかもしれません。まず「止める」ものですが、「我欲・煩悩」と本書では理解してください。心を落ち着けて、とりあえず我欲、煩悩を脇に置いてみる。なくす必要はありませんが、とにかく一度離れてみるのです。そして「観る」のほうは考えている対象、自分なら自分、悩みなら悩み、課題なら課題です。問題は「どう観るか」ですが「観る」で大事なのは、「抽象度を上げて観る」ということです。

 「私」を観ようとするなら、「私」よりも抽象度の高い視点で観てみる。「恋愛の悩み」ならそこから一つ抽象度の高い視点で観るのです。これができると問題自体を高い次元で観ることができますから解決策も見えやすくなり、しかも対症療法ではなく根本的な解決策が見つかりやすくなります。

 引用終わり

 

F-343につづく)

 

 

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-追記-

 ゴールを達成した自分に関するあらゆるイメージや感覚を体験して、その自分になりきるようにしましょう。それは「ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をつくる」という大切なプロセスになります

 

 さらに時間の感覚も追加すると、ゴール側のCZの臨場感がさらに高まります。

 具体的には、時間軸上を自由自在に動き回っている様子をイメージしたり、カレンダーが高速でめくれていく様子を想像したり、時計がものすごいスピードでぐるぐる回っている様子をビジュアライズしたり

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 本格的に取り組みたい方には、IQと抽象度を上げる「タイムライン・トレーニング」をお勧めします。苫米地博士のDVD教材「『ダヴィンチ脳』能力開発プログラム」や「苫米地英人ライブ『自由』」(ともにフォレスト出版)を御確認ください。

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-267:「Classic」 前編;トリガー&アンカー+ゲシュタルトwith時間の流れ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30112410.html

F-284~:気楽 ver.2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

Q-223~:コーチングが重要なのは理解しているが、医療現場は忙しすぎて実践できない

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416549.html

Q-238~:気楽に生きたいのですが

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418094.html

Q-289:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 

 

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F-341:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33933655.html

 vol.6;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編2-

 

 

今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p108)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。キーワードは「ホメオスタシス同調」。引用文中の「犯人」を「クライアント」に、「刑事」を「コーチ」に置き換えて読み進めてください。

 

 

現場におけるホメオスタシス同調効果プロファイリングのやり方(前回引用のつづき)

 「現場に立って一瞬、悟りの世界に行くわけです。そうすると全部見えてくる。捜査側の視点が何かもわかるし、犯人の視点もわかる。犯人の行動がわかるということは見えるものが決まったということ。世田谷一家4人殺人事件では、私が現場に立ったとき、風呂場の鍵が外れているのが見えました。そこから現場の情報が入ってきたときに、犯人が見たものが全部見えてきます。窓をよじのぼった可能性。そこに立っていたであろう若者の心理。そこに立った男、若い男、むしゃくしゃするときがあってそこに立つときがあった。そういったものを再現していくのです。どういうルートで室内に入ったか。全部再現していく。北側の窓を見たときに、彼の情動が再現できました。それまでは絞り込みだから、犯人像は不特定多数しかわからない。男かもしれないし、女かもしれない。そしてだんだん人格が特定されてくると、そのときに見えるものが特定されてくるのです。プロファイリングで犯人が絞り込まれてくると、犯人だけしか見えてこないものが見えてくるわけです。犯人だけが気にしているものが見えてくるわけです。そこから次はどういう行動をするか。そうするとその行動が実際の犯人の行動と合致するとプロファイリングになる。つまり、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングは、その人の認識を作り上げること。その人の自我を作ることなのです。犯人が見たものが決まってくると、その瞬間に犯人の自我が形成されてくる。犯人がその自我で見ているであろうことが私に見えてくる。それまではファクトです。犯人が行った場所、おこなったこと、触ったものが、ファクトでわかる。犯人の自我が形成されてくると、犯人の目だったら見えるけど、通常の人なら見えないものが見えてくる。そこからがプロファイリングになります。この現場を見ることができた人間はどういう人物か。犯罪の結果は、見えているものの集合体です。それは従来のプロファイリングのような統計にもとづいたものではない。ただし抽象度が低い状態でプロファイリングすると、自分の自我で見てしまうのでうまくいきません。多くの刑事は抽象度が高くない。足で稼ぐなんて言ってる刑事は抽象度が低い、ダメな刑事です。過去と同じプロファイリングをやっているので、いまのように色々な心理的要因の異常犯罪が起きると機能しなくなります。刑事は自我をますます強めてしまって経験則に頼りすぎて現場に立ってしまう。刑事の想像もつかないような人格、価値判断をもっている犯罪者が続々と登場しているから、未解決事件が増えるのです」

 現場におけるホメオスタシス同調効果によるプロファイリングにおいて、被害者のプロファイリングは一切関係が無くなる。

 苫米地博士によれば、被害者は犯罪プロファイリングにおいて、データとして認識されるが、事件においては点景に置かれるという。

 「たとえば、いま、ある女子校に通う女子高生が授業を抜け出して、この店にいた中年男性客を殺害したとしましょう。中年男性が被害者になっても、中年男性の心理状態はプロファイリングにおいて何の関係も無い。おじさんの心理は女子高生の行動に全然関係がない。そのおじさんを突然殺しそうになったときに、おじさんがどういう反応をするかがプロファイリングするときに重要になってくるので、おじさんの反応を見なければならない。そのとき初めて被害者のプロファイリングが重要になってくるわけです。プロファイリングにおいて、最初は被害者は背景の点景に過ぎないのです。被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて被害者のプロファイリングが重要になってくるのです。それまでは被害者が外側から見てどのように見えるかのほうが重要なのです」

 では、読者が苫米地博士のように殺人現場でホメオスタシス同調効果によるプロファイリングを敢行できるのだろうか。

 すると苫米地博士は冷厳な言葉を下した。

 「読者がホメオスタシス同調をやろうとしても無理です。釈迦のようにならないといけないのですから。ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低いので、いい結果はもたらしません。抽象度を上げる訓練をしている段階で、ホメオスタシス同調のプロファイリングなんかしたら、非常に危ない。完全に自分の自我を無くすことができる人間でなければ、実行はやめるべきです」

 クンダリーニヨーガをまねて心身のバランスを崩し死亡してしまったり、心の奥底を覗こうと催眠術を会得して他人にかけたのはいいが催眠状態から戻ってこられなくなったり、催眠セミナーで精神世界の真底であるダークネス・バウンダリ(闇の領域)まで分け入って、正常な精神状態に戻ってこられなくなったり、みずから心を操ることは危険と隣り合わせであることを銘記すべきだろう。

 引用終わり

 

 

犯人の行動がわかるということは見えるものが決まったということ

 

 認知科学ができる前から、心理学には「スキーマ」という考え方があったそうです。様々な記憶や知識が統合された“まとまり”のようなもののことで、苫米地博士が好んで使われる表現でいうと「ゲシュタルト」に相当します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「スキーマ」があることによって、私たちは物事をうまく認知できるようになります。逆に、「スキーマ」があることで心理的盲点(スコトーマ)も生じます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 つまり、「行動がわかる=見えるものが決まる」というのは、相手(クライアント)の「スキーマ」や「ゲシュタルト」を把握するということ。もっとコーチング的にいうと、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」を知るということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

苫米地博士とも御縁があったマーヴィン・ミンスキー(1927~2016年)の「フレーム」や、博士がコンピュータ・サイエンスに進むきっかけとなったロジャー・シャンク(1946~2023年)の「スクリプト」と合わせて理解すると、認知科学の全体像がつかめるはず。こちらでどうぞ↓

F-260:不満と傲慢のはざまでvol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

 

つまり、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングは、その人の認識を作り上げること。その人の自我を作ることなのです

 

 そのために、まずは自分の自我を消します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「自我を消す」の本質は、「抽象度を上げる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

犯人の自我が形成されてくると、犯人の目だったら見えるけど、通常の人なら見えないものが見えてくる。そこからがプロファイリングになります

 

 これは「RAS&スコトーマ」を共有したということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 一方で、「通常の人」の視点は失います。コーチの立場でいうと「クライアントと同じスコトーマができる」。

コーチがその状態のままであれば、相手(クライアント)をよく理解することはできますが、現状の外に導くことができなくなります。

Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 だから、ホメオスタシス同調によるプロファイリングをしっかり行いつつ、一方でその同調から抜け出さなければなりません。その感覚が“共感”です。

 Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 そのときのポイントが

 

 

この現場を見ることができた人間はどういう人物か。犯罪の結果は、見えているものの集合体です。それは従来のプロファイリングのような統計にもとづいたものではない

 

 そのときのポイントが「抽象度のコントロール」。

その肝がゴール設定です。Goal comes 1st.

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 具体的な話をすると、私は「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴールを設定しています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33671632.html

 

 

刑事は自我をますます強めてしまって経験則に頼りすぎて現場に立ってしまう。刑事の想像もつかないような人格、価値判断をもっている犯罪者が続々と登場しているから、未解決事件が増えるのです

 

 「最近スムーズに事が運ばない」「以前ほど上手くできない」と感じたなら、「経験則に頼りすぎていないか?「思い込みや決めつけはないか?」と自問してください。

 きっとゴールの感覚を失っているはずです。あるいは、かつてのゴールが、いつの間にか現状になっているのかもしれません(=コンフォートゾーン化)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その対策として、私が強くお勧めしているのが「ラベリング」。

 先ほど触れた「RASReticular Activating System、網様体賦活系)」とは、簡単にいうと重要度のことです。その重要度を「ゴールから考えたときに、どれくらい重要か」という尺度に統一することがラベリングの目的です。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 そのラベリングの際に、私はいつも“集中”を意識に上げています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

プロファイリングにおいて、最初は被害者は背景の点景に過ぎないのです。被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて被害者のプロファイリングが重要になってくる

 

 その“集中”には2つの意味があります。「concentration」と「focus of attention」です。

 Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html

 

ゴールは人生のあらゆる領域にたくさん設定するもの(バランスホイール)。

F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

ラベリングの際には、たくさんのゴールを同時に感じながら(無意識下でconcentration)、その時の“状況”で選択する(意識に上げfocus of attention)ことが重要です。

その“状況”の感覚を、「被害者の心理が犯人と被害者の行動に影響を与えるときに、初めて」という表現が言い表していると感じました。

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

読者がホメオスタシス同調をやろうとしても無理です。釈迦のようにならないといけないのですから。ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低いので、いい結果はもたらしません

 

 ホメオスタシス同調効果のプロファイリングをやりたいと思っているうちは抽象度が低い」というのはOKですか?

 

多くの「やりたいwant to)」は煩悩にまみれています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

マズローの「自己実現理論(欲求段階説)」を用いるとわかりやすいと思いますが、「自分の『やりたい』はどの階層か?」とつねにモニタリングしていることが大事。それが“観自在”の1st. stepです。

F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

自己実現理論(欲求段階説)

Wikipediaより引用

自己実現理論 - Wikipedia

 

 

抽象度を上げる訓練をしている段階で、ホメオスタシス同調のプロファイリングなんかしたら、非常に危ない。完全に自分の自我を無くすことができる人間でなければ、実行はやめるべきです

 

 抽象度を上げる」とは、先ほどのマズローの階層を上がっていくこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 ですが、下から数えて5層目の「自己実現(Self-actualization)」の段階でも、まだまだ足りません。「自己実現」だから。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 では、私たちは「完全に自分の自我を無くす」まで、プロファイリングやプロファイリングから始まるコーチングを行うこと控えるべきなのでしょうか?

 

F-342につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

私たちは「完全に自分の自我を無くす」まで、プロファイリングやプロファイリングから始まるコーチングを控えるべきなのでしょうか?

 

 皆さんはどう思いますか?

 

 私の思いはこちら↓

 Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33835792.html

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

L-06320209月シークレットレクチャー -03;全面肯定しつつ、“現状の外”を志向する

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28501205.html

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

Q-240~:毎日、無気力感に悩まされています ~気楽に生きる際の注意点~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418402.html

Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html

 

 

『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!(文庫版)




F-340:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 vol.5;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・実践編1-

 

 

 コーチングの前にしっかり“プロファイリング”を行うことは、とても重要です。

なぜなら、「誰もが『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の中で生きている」から。繰り返しますが、その“殻(w0)”はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、CZが生みだす「現状維持の壁」を突き破り、まったく新しい可能世界(w1)を生みだすことがコーチング!

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 その結果として、これまでのCZ=ブリーフシステム=関数P(←自我の一側面である「評価関数」のこと)が書き換わることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

では、今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p107)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。キーワードは「ホメオスタシス同調」です。

 

 

現場におけるホメオスタシス同調効果プロファイリングのやり方

 苫米地博士によれば、過去の犯罪を統計的に網羅したデータから分析する手法は旧世代のプロファイリングだという。

 認知科学による次世代プロファイリングは、苫米地博士によってさらなる進化を遂げつつある。

 現場百遍ではなく、たった1回殺人現場に立つだけで、犯人像はプロファイリングできるのだ。

 「いま私たちがいるこの喫茶店に、18歳の女子高生が来て、どんな行動をするのか、想像してみましょう。ここに人が座っている場合、座っていない場合、彼女はどの席に座って、どんなオーダーをするのか、素人でもだいたい想像できるはずです。それをもっと高度にプロファイリングしたのが現代の認知科学によるプロファイリングであって、それは統計ではないのです。統計の場合は過去に何人の女子高生がどの席に座ったかでしょう。そうではなくて、その女子高生が脳内でどういう情報処理がされるかを徹底的に考えれば、この店に平日の何時何分に入った女子高生はお客さんがそこにひとりいた場合、おじさんの場合、若い女の子の場合、どの席に座って何をオーダーするか、だいたいわかるのです。それをもっと高度にしたものがホメオスタシス同調効果によるプロファイリングなのです。同調の仕方は、脳内で女子高生になることです。人間は映画を見ているとき、どんな状態になりますか。まるで主人公のように同調しているでしょう。全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調するのです。私が女子高生の時に感じられることと、証券会社部長になって感じられることは、この席に座っていても違うでしょう」

 では、女子高生の自我に同調するにはどうしたらいいのか。

 「現場に立ったとき、まずやらなければならないことは、自我を無くすこと。つまり釈迦のようになることです。何が見えるのか、何が見えないのかは自我が決めるものです。宇宙と自我は同じもの。自分が見えているものは自分が決めているわけです。

 たとえば、私が原始人ならテーブルに置かれているこのテープレコーダーは目に入っていない。現代人には見えるけど。あるいは、取材を受けている人間にとって、目の前のこのグラスは目に入っていない。このペーパーナプキンも目に入っていないでしょう。テーブルに水をこぼしたら紙を探すでしょうから、そのとき初めてペーパーナプキンが見える。その存在に気づく。つまり、そのとき何が見えているか何が見えていないかは、全部その人の自我が決めるのです。自我が全部無くなってしまったのが釈迦です。

 見えているのに見えていないのは、スコトーマ(Scotoma・ギリシャ語で盲点の意味)があるからです。実際の盲点のように本当に見えていないのではなく、見えているはずなのに見えていないもの、です。その人にとって、その時に重要であると思ったものだけが見えて、他は省略されてしまっていること。これがスコトーマなのです。

 自我を無くすことは、スコトーマを無くすことです。殺人事件の現場では、一度がんばって釈迦のようになること。つまり自我を無くすことです。すると全情報が見えてくる。ほとんどの刑事が検挙率が悪いのは、刑事の自我を持ったまま現場に行ってしまうからです。刑事の経験で、うまくいったことにもとづいて現場を見てしまう。そうすると、見えるものが見えなくなってくる。初動捜査の誤りはみんなそう。誤った予見が入って、見えるものが見えていない。最初のプロファイリングを間違えたらアウト、事件の解決は遠ざかってしまいます。だからまずは最初は釈迦になる。できるだけ無我になる。いま、私が話していると、テープレコーダーの存在が消えているでしょ。目には映っているんだけど。私の話に引き込まれているから、テープレコーダーはどうでもよくなっている。私の話を聞きながら、テープレコーダーを見て、音楽を聴いて、眼鏡のツルの感触を感じてって、できないでしょう。それを無理矢理やる。自我を無くす。変性意識とは逆です。変性意識は特定の自我を作ることだから。一切の変性意識を無くすことですから」

 釈迦になる、という苫米地博士独特の言い回しは、俗語的に言い換えれば、余分な情報を一切シャットアウトして頭の中を空っぽにするということであろう。

 では、自我を捨てる具体的な方法はというと、苫米地博士の著書にもよく出てくる「抽象度を上げる」ということに行き着く。

 「無我になるためには一気に抽象度を上げることです。抽象度が高くなるほど情報量が減ってきて、無我に近くなる」

 抽象度が高くなるほど情報量が減る、とはどういうことか。

 苫米地博士の事務所がある六本木という地点を例にとってみよう。

 六本木よりも抽象度のたかいもの、つまり広範囲に渡るものは、港区であろう。港区よりさらに抽象度を上げると東京都になる。さらに上げると日本。さらに上げるとアジア。さらに上げると地球……

 苫米地博士はわかりやすく、六本木をウインドウズ式に記述して説明する。

 「六本木」は「日本国¥東京都¥港区¥六本木」

 「港区」は「日本国¥東京都¥港区」

 「東京都」は「日本国¥東京都」

 抽象度が高くなるほど情報量が少なくなっていく。

 つまり、余分な情報が削ぎ落とされる。

 抽象度を上げると、自我が消え、広範囲にレーダーが張られる。

 引用終わり(このつづきは次回引用します)

 

 

もっと高度にプロファイリングしたのが現代の認知科学によるプロファイリングであって、それは統計ではない

 

 統計(statistic)とは「社会の状態を数値によって精確に知りたいという要求に応えるため、実測したデータを元に計算した数値、あるいはそれを多数ひとまとめにしたもの」(Wikipediaより)。それは過去も含む「現状(w0)」の評価のこと。

 

 その「現状(w0)」は、一人ひとり違います。「一人一宇宙」だから。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 さらにいうと、一人の中にもたくさんの宇宙(可能世界)があり、その中から「一宇宙」がダイナミックに選びだされています。博士が座右の銘とされている「一念三千」の世界観です。

 F-319:観自在 <理論編-2;自在を観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html

 

コーチングに寄せていうと、「前頭前野に収められたいくつものブリーフシステム(BS)ごとに宇宙(可能世界)があり、そのひとつが実際に現実化している」という感じ。

 L-09420217月シークレットレクチャー -06BSと人格や未来との関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30598161.html

 

一人ひとり違っていて、かつ一人の中にもたくさんある「一宇宙=現状(w0)」を、まったく新しい宇宙(w1)に書き換えていくのがコーチングです。その新しい宇宙(w1)は、現状の外へのゴール設定により創造するもの。統計処理では絶対に見いだせません。

繰り返しますが、「過去は一切関係ない!」です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調する

 

 人間の脳にはミラーニューロンというものがあります。それは「相手の動作を見たときに、見た人の脳の中に、あたかもその人自身が同じ動きをしているかのように活性化する神経群」のこと。私たちはミラーニューロンにより「相手の行動を“鏡”にして自分の反応を生みだす」ことができます。

 「全感覚、何を見ているか、何を思ったか、何を感じたか、同調する」とは、このミラーニューロンを使って「一時的に相手になりかわっている状態」です。

 F-046:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから後編:ミラーニューロン

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11383670.html

 

 ミラーリングは、動作や行動といった物理次元にとどまらず、より高次の情報次元の認識や思考にまで拡張しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それを理論化しているのが、苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス仮説」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

現場に立ったとき、まずやらなければならないことは、自我を無くすこと。つまり釈迦のようになることです。何が見えるのか、何が見えないのかは自我が決めるものです。宇宙と自我は同じもの。自分が見えているものは自分が決めているわけです

 

 コーチングにおいて、コーチがまずやらなければならないことも「自我を無くす」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 そのために苫米地博士が勧めているのが、「スタニスラフスキー・システム」です。詳しくはこちらでどうぞ↓

 L-150202111月医療系研修会 -05;記憶にリアルな臨場感を持たせると、相手も同じ臨場感を感じる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33796873.html

 

 

テーブルに水をこぼしたら紙を探すでしょうから、そのとき初めてペーパーナプキンが見える。その存在に気づく。つまり、そのとき何が見えているか何が見えていないかは、全部その人の自我が決めるのです

 

 これはスコトーマ(scotoma)の話。スコトーマは心理的盲点のことで、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つがそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

この例でいうと、「ペーパーナプキン」のことを知らないとそもそも認識できず、知っていても重要性がないと認識できず、重要性があっても役割がないと認識できない という感じ。

テーブルに水をこぼす」という縁により、重要性&役割が変わり、RAS(網様体賦活系)が変化しスコトーマが外れ、「ペーパーナプキン」が突如認識されます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 その時、重要性関数(評価関数)が書き換わっているので自我が変化しているといえ、同時に認識する世界(自我の逆関数としての宇宙)も変化しています。

 このように自我と宇宙は表裏一体です。

 F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 

自我を無くすことは、スコトーマを無くすことです。殺人事件の現場では、一度がんばって釈迦のようになること。つまり自我を無くすことです。すると全情報が見えてくる

 

 …RAS&スコトーマについて、一般向けの説明とコーチング実践者向けの説明は異なります。クリアでない場合はこちらをどうぞ↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

自我を無くす。変性意識とは逆です。変性意識は特定の自我を作ることだから。一切の変性意識を無くすことですから

 

変性意識は特定の自我を作ること」。

変性意識(Altered State of ConsciousnessASC)とは、「目の前の現状よりも現状とは異なるイメージに強い臨場感を感じている状態」のこと。苫米地博士は全ての変性意識生成方法を統一的に説明されています。それが「Rゆらぎ」です。

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 通常、抽象度が上がると、臨場感は下がります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

具体的な情報量が減っていくからです。抽象度が上がるほど、文字どおり“抽象的”になっていきます。

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 ところが、「Rゆらぎ」を利用すれば、「抽象度を上げる際に同時に臨場感を上げていく」ことが可能になります。その秘訣が「呼吸」。詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

 

無我になるためには一気に抽象度を上げることです。抽象度が高くなるほど情報量が減ってきて、無我に近くなる

 

 抽象度を上げることによる「無我」とは、自と他の違いが無くなること。それはゴールの重要なポイント「自分中心を捨て去る」と同義です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

無我のさらに先には「空我」があります。それは「すべての違いがなくなる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それは悟りの境地。詳しくはこちらでどうぞ↓

 F-158~:無我夢中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_405002.html

 

F-341につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33835792.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

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F-284~:気楽 ver.2

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L-133202111月シークレットレクチャー -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

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Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

 

『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!



F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんと関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 

 

 「高度な抽象レベルで、統合的分析をするそれが苫米地博士の“プロファイリング”。苫米地理論を基盤とした次世代のプロファイリングです。

 

 「統合」とは、ゲシュタルト化のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

そして、ゲシュタルト同士のさらなるゲシュタルト化のことです(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度を上げる力=ゲシュタルト能力は、人間がもともと持っている偉大な能力であり、訓練によりさらに高めることができる無限の力です。

 L-133202111… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

 *ゲシュタルト能力を高める訓練はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

では、今回も苫米地博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p69)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。鍵は「情報空間に拡張したホメオスタシス」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「情報空間に拡張したホメオスタシス」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

ホメオスタシス同調によるプロファイリングとは?

 人間には天候が暑くなり体温が上昇すると汗をかいて体温を下げたり、寒くなると体温が下がるのを防ぐために毛穴が閉じるように、均衡状態を保つ能力が備わっている。これをホメオスタシスという。

 苫米地博士によれば、実は身体だけでなく精神にも人間のホメオスタシスは存在していると定義する。このホメオスタシス同調を利用したプロファイリングが、ホメオスタシス同調効果によるプロファイリングであり、認知科学としての次世代プロファイリングと言われている。

 「次世代プロファイリングは、軍事利用をはじめとして、色々な理由でやるようになったものです。そのひとつに洗脳解除があります。どういう洗脳がされているか、まずは洗脳されている現場を再現していかなければなりません。洗脳においては様々な仕掛けが施されているから、洗脳解除するときは慎重にやらなければ失敗します。それは地雷みたいなものであり、踏んだら致命的になるからです。洗脳解除は単に催眠を解くだけではなく、その途中で色々なアンカー(錨)が仕掛けられているので、アンカーを1個でも踏むと、地雷のように爆発するから、アンカーがどうやって仕掛けられているか、ビジュアライズして11個はずしていかないといけないのです。どうやって埋め込まれたアンカーを解除するかというと、かけられたときの現場を脳内で再現していくわけです。テレビでよくやっている時限爆弾の解除に似ています。この配線が何、このスイッチが何とカラクリを解明するだけではなく、このワイヤーがこっちのワイヤーと重なって、張力で爆発するというような解析をしなければなりません。赤と青の導線のどっちを切ればいいという単純なものではないのです。時限爆弾製造者が作った順番を意識してまったくその逆にはずしていく。時限爆弾を解除するときは、カラクリだけではなく作った人間のメンタリティ、作り方まで、その人間のすべてを再現していくのです。そうしないと、時限爆弾解除者になれない。1個でもしくじったら、ドカン! 洗脳解除も同じことです。洗脳をかけられたときの情報空間を再現するのです。人間の行動はいろんなところで制約されるから、人間がその場所でその情動であれば、どういう行動をするか、全部再現可能になりますから」

 苫米地博士は、オウムの凶悪な洗脳を解いてきた際に、信者の表情、声のトーン、反応などを見きわめながら、仕掛けられているアンカーをひとつずつ解除していった。

 その手法によって、犯罪プロファイリングもおこなわれる。

 具体的なやり方は、107ページで解説する。

 引用終わり

 

 

次世代プロファイリングは、軍事利用をはじめとして、色々な理由でやるようになったものです。そのひとつに洗脳解除があります

 

 洗脳とは、「人を変性意識状態にして情報の書き換えを行い、洗脳者の望む選択肢に導く」こと

 (「変性意識状態」について、詳しくはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 洗脳は、じつは、特殊なものでも非日常的なことでもなく、生活のあらゆる場面に潜んでいます。その代表が「テレビ」。だから「テレビは見てはいけない」↓

 F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

 

 大切なのは「これは洗脳(手法)だな」と気づくこと。そのために常時モニタリングを行っていることが重要です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 「洗脳は気づいてしまえば簡単に解けるもの」と苫米地博士は語られます。「モニタリングし続ける →洗脳に気づく →脱洗脳」という流れを無意識化できることが、コーチング前にマスターするべきハビット&アティテュードです。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 

洗脳解除は単に催眠を解くだけではなく、その途中で色々なアンカー(錨)が仕掛けられているので、アンカーを1個でも踏むと、地雷のように爆発するから、アンカーがどうやって仕掛けられているか、ビジュアライズして11個はずしていかないといけないのです

 

 「アンカー(錨)」とは、脳が記憶している何らかの意識状態のこと。その意識状態を引きだすきっかけとなる情報が「トリガー(引き金)」です。

 F-158:無我夢中 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 「まるで人が変わったかのように目の前の人が豹変した」という経験が、きっと皆さんにもあるはず。その時は埋め込まれた意識状態が突然引き出され、本当に人格が変わっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 さらにいうと、人格が変わっただけでなく、その人が認識している世界そのものが変わっています。認識を左右するフレームが変わっているからです↓

 F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477749.html

 

 そのようなアンカー解除の秘訣を、苫米地博士は何気に明かされています。その秘訣とは「ビジュアライゼーション」↓

 F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

 

 

どうやって埋め込まれたアンカーを解除するかというと、かけられたときの現場を脳内で再現していくわけです

 

 ビジュアライズするものとは、「洗脳をかけられたときの現場」。

 もちろん、その「現場」とは3次元座標で示される物理空間のことだけではありません。

  

 アインシュタイン以後、空間と時間は別々の軸ではなく、ひとつの連続体であることが明らかになりました。よって、「現場」には時間も入ります。

 Q-319~:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425265.html

 

 時間+空間の4次元時空は、抽象度という軸をとった場合の情報空間の底面。物理空間の上の次元には、広大な情報空間がひろがっています(物理空間も情報空間の一部です)。

それを理論化されたものが、苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

時限爆弾製造者が作った順番を意識してまったくその逆にはずしていく。時限爆弾を解除するときは、カラクリだけではなく作った人間のメンタリティ、作り方まで、その人間のすべてを再現していく

 

 その超情報場=情報空間の一部に人間の認知があります。

 

 つまり、先ほどの「洗脳をかけられたときの現場」とは、人間の認知も含めた超情報場のことであり、その情報場が写像された時間を含む物理空間のこと。

 L-132202111月シークレットレクチャー -01;メインテーマ「□」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32989957.html

 

 その再現を行うことが、苫米地博士が行っている“プロファイリング”です。

 コーチングの前にしっかりと“プロファイリング”を行うことは、とても重要。なぜなら

 

 

人間の行動はいろんなところで制約されるから、人間がその場所でその情動であれば、どういう行動をするか、全部再現可能になりますから

 

 なぜなら、「誰もが『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の中で生きている」から。繰り返しますが、その“殻(w0)”はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、CZが生みだす「現状維持の壁」を突き破り、まったく新しい可能世界(w1)を生みだすことがコーチング!

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その結果として、これまでのCZ=ブリーフシステム=関数P(←自我の一側面である「評価関数」のこと)が書き換わることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

F-340につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)(←再変更しました)。詳細はこちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33835792.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-267~:「Classic

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422833.html

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Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

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Q-338:エンドステートに対する臨場感の問題?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32350876.html

 

 

『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!(文庫版)



F-338:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

  

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんに関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33775039.html

 vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 

 

 結局、今の自我をつくったのは、自分。だから

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

自分(w0)を構成する記憶を吟味し、受け入れるかどうか判断し、まったく新しい自分(w1)をゴール設定しながらつくりあげていく

 

その積み重ねこそが、「“殻(w0)”から抜け出す」ということに他なりません。

 

“殻(w0)”とは、現状のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のことであり、これまでの記憶で作りあげたブリーフシステム(Belief SystemBS)のことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

  

 “殻(w0)”を抜け出し、CZBSを再構築していくための「吟味および判断」に相当するのが“プロファイリング”であるはず。その上での「ゴール設定→まったく新しい自分(w1)創造」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 では、苫米地博士の“プロファイリング”を確認しましょう。

 以下、博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p152)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。

まずは全体像を感じてください。

 

 

 プロファイリングが生まれたのは、FBIBSUと呼ばれる行動科学科(Behavioral Science UnitBSU)、現在は捜査支援課(Investigative Support UnitISU)がもととなっています。いわゆる行動科学ユニットとしてのFBIの中でできあがったものなのですが、1960年代の行動主義・古い心理学のパラダイムで作られたものがこのFBIBSUなのです。たくさんの人間の行動をプロファイリングして、統計的に予想するものです。でもそれは古いやり方でしかない。人間の心を統計で扱いようがない。

 新しいプロファイリングは、人間の心の中がどうなっているのか、解明しながらやる認知科学として確立しているのです。ロバート・K・レスラーのプロファイリングは典型的な古いプロファイリングです。過去のデータを使うのは何も問題ないのですが、彼自身、自我が強すぎるので、推理する対象がものすごく限られてくるのです。若い黒人の男の子が犯人だとしたら、彼がどういう心理状態にあったのか、過去のデータに頼り過ぎるのです。次世代プロファイリングは、実際にその男の子が現場に立ったとき、どういう精神状態だったか想像がつかないといけない。

 FBIBSUの次の世代によるプロファイリングを実行するためには、ありとあらゆる情報を統合しなければなりません。現場に行って、現場で得られるありとあらゆる情報をかなり高度な抽象レベルまで上げて、統合的分析をする。人間の第六感、直感的な情報処理も重要なものとなります。

 具体的にどうやるかというと、犯人に完全に同調するために、タイムマシンのようにさかのぼり同調しきって、脳内で犯人の心理状態を再現する。それが次世代の操作技術であり、私のプロファイリングではさらに私なりの手法で行っています。

 引用終わり

 

 

 新しいプロファイリングは、人間の心の中がどうなっているのか、解明しながらやる認知科学として確立しているのです

 

 認知科学(cognitive science)の現在のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その“関わり”が「ファンクション」。

コーチング関連用語でいうと、「ゲシュタルト(gestalt)」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 一般的に、ファンクションとは「機能」「役割」のこと。ファンクショナリズムも最初は「機能主義」と訳されていた時期があり、その考え方で脳を研究する学問を「機能脳科学」と呼んでいたそう。

以前は、苫米地博士も(たくさんの肩書きの一つとして)御自身のことを「機能脳科学者」と表現されていました。

 Q-328:最近「記憶が抜ける」ようなことがvol.3;ソフトウェアとハードウェア>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31906669.html

 

その後、コンピュータとの関連から「ファンクショナリズム=関数主義」と訳されるようになりました。その関数主義を信じ研究する学者が認知科学者です。

 現在の認知科学(ファンクショナリズム)は壁にぶつかっているそう。その壁とは、「フレーム問題」。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。詳しくはこちらでどうぞ↓

 Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

苫米地博士のすごいところ(の1つ)は、問題(case)を指摘されるときに、必ず解決(plan)も考えていらっしゃるところ(ディベーターにとっては当たり前なのでしょうが)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

ファンクショナリズムの先のパラダイムも、しっかりと理論化されています。それが“苫米地理論”です。さらにいうと、その苫米地理論をベースに、ルー・タイスさんのコーチング・システムをアップデートされています。それが“苫米地式コーチング”。

 PM-01~:苫米地理論とは? ~抽象度と超情報場仮説

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_123517.html

 

 現在、苫米地理論には3つのパラダイムがあります。1世代「サイバーホメオスタシス理論」2世代「超情報場理論」3世代「生命素粒子理論」です

 シンプルにまとめると

 

 1世代「サイバーホメオスタシス理論」

 :ホメオスタシスがサイバー空間(情報空間)にもひろがっている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 2世代「超情報場理論」

 :4次元(もしくは11次元)の物理空間を包摂するように超次元空間(情報空間)が存在し、高次の情報空間の因果が物理空間に写像される

 (注:物理空間は情報空間の一部。抽象度を軸とした場合、情報空間の底面が物理空間)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 3世代「生命素粒子理論」

 :物理空間に最小単位があるように、情報空間にも最小単位(生命素粒子)がある

 Q-330:最近「記憶が抜ける」ようなvol.5;イメージの限界が自分の限界>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31958269.html

 

 では、次の引用にいきましょう。

 

 

過去のデータを使うのは何も問題ないのですが、彼自身、自我が強すぎるので、推理する対象がものすごく限られてくる

 

 ここで苫米地博士が話されているのは、「自我が生みだすスコトーマ(scotoma)」のこと。今回のテーマに沿っていうと。「『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の内側しか認識することができない」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そのスコトーマを生みだす/外すポイントは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

よって、「推理する対象」をひろげるためには、1)知識を増やし、2)重要性と3)役割(責任)を拡張すればいいはずですが、残念ながら、それだけではスコトーマは外せません。

なぜなら、皆さんも御承知のとおり、知識量とスコトーマが外れることは相関しないから。むしろ知識が増えることでスコトーマが生じることも起こりえます。

その事実を伝えているのが、ソクラテスの「無知の知」であり、礼記の「学然後知不足」です↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 では、どうすればいいのでしょう?

 

 

 FBIBSUの次の世代によるプロファイリングを実行するためには、ありとあらゆる情報を統合しなければなりません。現場に行って、現場で得られるありとあらゆる情報をかなり高度な抽象レベルまで上げて、統合的分析をする。人間の第六感、直感的な情報処理も重要なものとなります

 

 答えは「統合」。ゲシュタルト化であり、ゲシュタルト同士のさらなるゲシュタルト化です(connect the dots)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度を上げる力=ゲシュタルト能力は、人間がそもそも持っている偉大な能力であり、訓練によりさらに高めることができる無限の力です。

 L-133202111… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html

 

 *ゲシュタルト能力を高める訓練はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 「高度な抽象レベルで、統合的分析をするそれが苫米地博士の“プロファイリング”。苫米地理論を基盤とした次世代のプロファイリングです。

 

F-339につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その“関わり”が「ファンクション」。コーチング関連用語でいうと、「ゲシュタルト(gestalt)」のことです

 

 さらに釈迦哲学でいうと、「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

-告知1

2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)の予定です(←再変更しました)。1ヶ月前に告知を行います。お楽しみに。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-311~:デジタル自傷行為

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F-318~:観自在

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L-142202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-05;人の成長(人間形成)や進化・向上は情報空間で起こる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33398926.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

Q-326~:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425355.html

 

 

『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!



F-337:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる>

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんに関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。

 

 vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html

 vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる

 

 

 前回(F-336)は、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p66)から、「温故知新」に対する博士の鋭い分析を紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 その分析自体が「新しい視点」で行われています。その結果、露わになったのは「孔子が巧妙に仕組んだスコトーマ洗脳」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 大切なのは「新しい視点で見る」こと。

 ところが、それは簡単ではありません。なぜでしょうか(case-side)?

 「新しい視点で見る」ために、どうすればいいのでしょう(plan-side)?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 新しい視点で見る」ことが簡単ではない理由は、「誰もが『過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”』の中で生きている」から。その“殻(w0)”はコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)と言い換えることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、「新しい視点で見る」ためには、CZが生みだす「現状維持の壁」を突き破らなければならない ということ。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 だから、簡単ではありません。それは強力なホメオスタシス・フィードバックに打ち克つということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 このことはコーチングの難しさとも重なります。

 コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」ですが、ゴールを見つけるためには、まずは自分という“殻(w0)”を抜け出さなければなりません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 コーチングでは、自分を縛っているものをブリーフシステム(Belief SystemBS)と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

つまり、「過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”」とは、ホメオスタシスで維持されるCZであり、これまでの記憶で生み出したBS=自分そのもの。

だから、“殻(w0)”を抜け出すのは簡単ではない

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 そのように思い込むほど、じつは、“殻(w0)”を抜け出すことはますます難しくなります。すべては自分のマインド(脳と心)が生み出しているからです。

マインドの中で最も臨場感の高いイメージが現実となります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

BSは「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でできているとされています。じつは、それらはすべて自分が受け入れたもの。突きつめて考えると、本当は「自分のBS」に自分が縛られているだけです。

つまり、過去に囚われたままの自分(w0)が、本当の自分(w1)を縛っている。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

そもそも人は完全に“自由”な存在です。だから、まずは“自由”をしっかり意識に上げることが重要!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 外部から入ってくる情報は、最初は自分自身のものではありませんが、受け入れた時点で自分のものになります。その情報によって、自我がつくられていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 結局、今の自我をつくったのは、自分。だから、自分(w0)を構成する記憶を吟味し、受け入れるかどうか判断し、まったく新しい自分(w1)をゴール設定しながらつくりあげていく

 

その積み重ねこそが、「“殻(w0)”から抜け出す」ということに他なりません

F-331:分断緩和のための処方箋 vol.2;本当は今までずっと苦しかった

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33464142.html

 

 そのような再構築(withゴール設定)のための吟味および判断に相当するのが“プロファイリング”です(ハズ)。

 

 最後に苫米地博士の著書「洗脳力 あなたを変え、人を動かす『脳』と『心』の科学」(アスコム、p92)より引用します。「自分という殻」「我欲」をイメージしながら読み進めてください。気楽にどうぞw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

洗脳力

洗脳力 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

夢は自分という殻を抜け出して初めて見えてくる

 では、人に影響されていない、自分本来の夢とはどういうものをいうのでしょうか。また、それを見つけるためにはどうすればいいのでしょうか。

 それをこれから本書で述べていくわけですが、ひと言で述べるとすれば、「自分という殻から抜け出して、そこから自分を見つめて見えるもの」と言うことができます。自分という殻のなかで自分のことばかりを見ていたのでは必ず見誤ることでしょう。殻のなかにいたのでは、外からの影響なのか、内からの欲求なのかの区別がつかないからです。

 米国超有名大学院出身の彼はこんなことも言っていました。

 「先生、私はどうしても英語がうまくなりません。もっと英語がうまくなりたい。どんなに英語を勉強しても、ネイティブの人に『あなた、英語が上手ですね』と言われてしまうんです。それって、ネイティブのようには英語を使えていないってことですよね。日本人が日本人に「日本語うまいですね」なんて言わないでしょう。つまり、ネイティブからしたら、下手なんですよね。それが悔しいんです」

 頑張って必死に英語を勉強している人が聞いたら、ぶっ飛ばされそうな台詞です。アメリカの大学院を出ているということは、少なくとも、クラスで英語を駆使して、英語で修士論文か博士論文を書いて認められたということでしょう。つまり、彼は少なくとも不自由しないだけの英語力をもっているわけです。それでも満足できずに、ネイティブに「英語がうまい」と言われてコンプレックスを感じてしまっているのです。

 日本人は日本人に「日本語うまいですね」とは言わないでしょうが、たとえば地方出身者がふつうに標準語をしゃべっていたら「方言、出ませんね」くらいのことは言うでしょう。彼の英語だってそのくらいのレベルのはずです。必要十分でしょう。

 彼は自分という殻が硬く、我欲が強過ぎて、自分を正しく見ることができなくなっています。この状態で「英語がうまくなりたい」と言っていますが、もっと英語がうまくなっても(今でもすでに十分うまいのですが)、彼はきっと満足することはないでしょう。それは、彼自身が本当にしたいことではないからです。

 本書は、自分という殻から抜け出して、本当の自分、本当にやりたいことを見つけ出す方法、そしてそれを実現する方法を述べていきます。難しい方法ではありませんが、目新しいことが多いでしょうから、ゆっくりでもいいので、一つひとつ確実に実践してほしいと思います。

 引用終わり(このつづきは書籍でどうぞ↓)

 洗脳力 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

F-338につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 夢は自分という殻を抜け出して初めて見えてくる

 

 今回のサブタイトルは「ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる」。「夢」ではなく「ゴール」という言葉を使うことは、科学的知見を踏まえてさらに先に進むための1st.ステップです。

 

 以下、おなじみの「新・夢が勝手にかなう手帳」の2023年度版(CYZO、付録②)より引用します。

 

 

1st.ステップ:現代科学のパラダイムで考え、論理的・数学的に推論する。「夢」ではなく「ゴール」という言葉を使う

 新しい自分に生まれ変わるための第一歩は「夢」という言葉を使うのはやめ、「ゴール」という言葉を意識的に使うことです。この手帳は「夢を叶える手帳」ですが、この手帳では、ゴールと夢をほぼ同じ意味で使っています。

 ただゴールと違って、「夢」は正式に定義された言葉ではありません。現状の外のゴールを、もし別な言い方で表すならば「夢」は1つの方法だということです。

 でも「夢」という言葉は、例えばPX2(青少年向けの次世代教育プログラム)などで子供に伝えるにはよいですが、これから転生していくあなたは、「ゴール」と言いましょう。どうしてもやりたいことだけど、現状の外でこのままの状態では絶対に叶わないこと。それを、正確に定義された言葉である「ゴール」と呼ぶこと。これが第一のステップです。

 引用終わり

 

 

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2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)の予定です(←再変更しました)。1ヶ月前に告知を行います。お楽しみに。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-326:観自在 <応用編;か・ち・も・な・い(価値もない)>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33212902.html

F-329:ゴールのカテゴリ「家族」の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33361361.html

L-140202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-03;子どもたちに一番伝えたかったこと

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33148921.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版



F-336:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?>

 

 コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。

 時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、コーチとしてクライアントさんに関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 

 先日(2024226日)、「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓

 今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日) (youtube.com)

 

 Wikipediaによると、プロファイリング(offender profilingcriminal profiling)とは、「犯罪捜査において犯罪の性質や特徴から行動科学的に分析し、犯人の特徴を推論する」こと。「基本的な構造は、『こういう犯罪の犯人はこういう人間が多い』という統計学である」「日本語で正確に表現するのであれば『犯罪者プロファイリング』が正しい」とあります。

 

 もちろん、番組内で行われたのは、「犯罪者プロファイリング」ではなく、キンタロー。さんの「性質や特徴」の分析。苫米地博士をコーチと認識している方の中には、きっと博士が“プロファイリング”をされたことに驚いた方もいらっしゃるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 「コーチングには『過去は一切関係ない!』」から。純粋なコーチング関係ではないにしても、コーチはそもそも過去に興味を持ちません。コーチのブリーフはいつも「過去は一切関係ない!」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 さらにいうと、「コーチングは『行動科学的』ではない」から。苫米地式コーチングの基礎となるのは苫米地理論です。

 

 *苫米地理論の第1世代はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *第2世代はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 *第3世代はこちら↓

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 もっというと、「コーチングは『統計学』ではない」から。一人ひとり違う“一宇宙(w0)”を“まったく新しい宇宙(w1)”に書き換えていくのがコーチングです。その新しい宇宙(w1)は、統計処理では絶対に見いだせません。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 *「一人一宇宙」はこちら↓

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 過去は一切関係ない!

 

 

 コーチは、じつは、クライアントの過去を完全にスコトーマに隠しているわけではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

  

 ゴール設定によって新しい宇宙(w1)を創造するためには、過去の記憶でつくられた現状(Status QuoSQ)という“殻(w0)”を壊さないといけないから。“殻(w0)”を壊してゴールを現状の外に設定するために、まずはその“殻(w0)”をしっかり把握する必要があります。

 Q-137:問題が生じたゴールへの向き合い方 -02

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22312817.html

 

 私たちは現状に縛られ、“殻(w0)”に閉じ込められたまま生きています。そうとは知らずに。

 そして、その呪縛は、いろいろな形で日々強化されていきます。その仕掛けの一つが教育です。

 

以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p66)より引用します。「自由のための教育が自由を奪っていないか?」と問いながら読み進めてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

洗脳論語

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 洗脳論語 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

 

奴隷を過去に縛り付けるための提言

 

 子曰く、故(ふる)きを温(あたた)めて新しきを知れば、以て師と為るべし、と

(為政第二の十一)

 

 誰もが知っている成句「温故知新」の出典となる文です。

 「先人の教えを学べば(研究すれば)、現代に通じる新しい発見や応用できるものがあり、人の師となることができる」というのが、広く知られている意味だと思います。

 温故知新の「温故」は、「古いことを学んで」、あるいは「古いことを研究して」と訳されることが多いですが、「学」という字はこの文のどこにも書かれていません。もし、孔子が「学ぶ」という意味を持たせたかったのなら、ストレートに「学」という文字を使っていたでしょう。これは後世の人が、勝手に「学ぶ」「研究する」と解釈しただけのことです。

 もしくは、「温故」は「故(ふる)きを温(たず)ねて」と解釈されることもあるので、「尋ねる」から「質問する」などを連想し、「学ぶ」や「研究する」に結び付けたのでしょう。

 中国では、「温」という漢字は「価値観を高める」という意味です。「アイデアを温める」と同じ。重要視する、大切にするということです。

 古いものを大切にする。そうすることで、新しいことを知ることができる。

 これが、温故知新の本来の意味だと言えるでしょう。決して、古いことを学ぶわけではありません。

 「学ぶこと」と「大切にすること」では、意味合いが大きく変わってきます。学ぶことは、古いもの、つまり歴史などを研究し、理解することに繋がりますが、大切にすることには研究も理解もありません。ただ、大切にするだけです。古いものを盲目的に大切にすれば、新しいものを知ることができると、孔子は言っているのです。

 おかしいと思いませんか。古いものを大切にしたところで、新しいものを理解することなどできるはずがありません。

 この文は、孔子が巧妙に仕組んだスコトーマ洗脳です。スコトーマとは、重要と感じているものしか見ることができないという人間の心理的盲目状態のことを言います。

 孔子は、弟子達に古いもの、つまり詩経を重要視させることで、弟子達が心の内に抱いている現体制への違和感を見ないように導いています。要するに、スコトーマを仕向けているのです。

 「何も考えずに古いものを大切にしなさい。そうすれば新しいものが見えますよ」と説くことで、実は新しいものを見えなくさせているわけです。

 日本の政治で例えると、「自民党が政権与党、社会党が野党第一党という立場で維持されていた55年体制を重要視しなさい。そうすれば、新しいものが見えますよ」と言うといいでしょう。

 この場合、新しいものとは、民主党のアラです。

 このように言われると、長期に渡って政権を担っていた自民党は古きよき党となり、民主党は未熟な党に見えてくるはずです。そして、結果的には自民党がいいという風潮になります。

 実際には、50年以上政権政党であった自民党の政権運用脳力も、政権政党になってわずか数年に過ぎない民主党の政権運用脳力も五十歩百歩です。民主党が今現在漏出させているものと同様のアラは、過去の自民党も随分と露見させていました。政治家の違法献金疑惑や消費税引き上げの問題、事故や災害に対する対応のまずさなど、いつの時代にも噴出するもので、新しいシステムだから生成されるアラではありません。

 また他の例では、「新しいことを知っていても、古いことを知らなければ話にならない」と言い放つ人が挙げられます。「偉そうなことを言っているが、日本の歴史を知らない者に言われたくない」という主張です。しかし、これは「権威側」の反芻に過ぎません。

 古いものというのは、いつの時代も権威側が優位になります。なぜなら、古いものを提供するのは、権威側だからです。権威側の歴史を知らないことは、対等とは言えないというのが、彼らの論理なのです。

 新しいものは、未来を見ることで知ることができます。過去を見ることで知るのではありません。過去を見ても、新しいことを知った気になるだけで、知ることなどできないのです。

 もちろん、過去を見ることで新しいものを知ることも中にはあります。ただし、それは新しい視点で見るべきです。「古いものは重要だ」という盲信でしかない従来の視点で見ても、何も知ることはできません。

 例えば、ある土地からレアアースが発見されたとします。これはその土地を昔から重要視していたために発見されたわけではありません。レアアースという物質についての知識を得た上で、その土地を調査したから発見されたのです。新しい視点だからこそ、これまでは何の変哲もなかった土地から新たな発見ができたのです。

 「古いものを大切にしろ」というのは、「何も考えずにただ大切にしろ」という意味です。古いものが本当に重要なものかどうかなど、関係ありません。また、新しい視点を全く必要としていません。これは、「奴隷の論理」に他ならないのではないでしょうか。

 引用終わり

 

 

 過去を見ることで新しいものを知ることも中にはあります。ただし、それは新しい視点で見るべきです。「古いものは重要だ」という盲信でしかない従来の視点で見ても、何も知ることはできません

 

 私が苫米地博士に情報的に出会ったのは2009年。

 それ以来、ずっと教えを受け続けていますが、いまだにスコトーマがガツンと外れる体験をします。それは世界が一変するような感覚です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 学び初めの頃、とくに衝撃的だったのが、この「洗脳論語」。今までの自分がいかに「奴隷の論理」に支配されていたかを思い知りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 大切なのは「新しい視点で見る」こと。

 

 ところが、それは簡単ではありません。なぜでしょうか(case-side)?

 「新しい視点で見る」ために、どうすればいいのでしょう(plan-side)?

 

F-337につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

私たちは現状に縛られ、“殻(w0)”に閉じ込められたまま生きています。そうとは知らずに。そして、その呪縛は、いろいろな形で日々強化されています。その仕掛けの一つが教育です

 

 “教育”について考察しました↓

 PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124525.html

 

 

-追記2

学び初めの頃、とくに衝撃的だったのが、この「洗脳論語」。今までの自分がいかに「奴隷の論理」に支配されていたかを思い知りました

 

 もう一つ挙げると、「一生幸福になる超訳 般若心経」(学研プラス)。般若心経の問題点が明らかにされ(case)、なんと添削が行われています(plan)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

「般若心経は間違っている」なんて思いもしなかった私は、読書中に猛烈な衝撃を体感しました。それはまさに「世界がひっくり返った」感じ。強烈な「Rゆらぎ」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html

 

と同時に、「観測者(認識主体)の知識や知能が上がれば上がるほど、観測(認識)される宇宙は『たいしたことがある』ものになるという可能性」に震えました。

F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 

一生幸福になる 超訳 般若心経

 

 

-告知1

2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2024428日(日)の予定です(←再変更しました)。1ヶ月前に告知を行います。お楽しみに。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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