苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:プライミング

L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

 

202111月に鹿児島県の小学校で親子向けの講演を行いました。依頼されたテーマは「コーディネーション」。

当日お話しした内容をブログ用にまとめ、御質問・御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;最高のコーディネーショントレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33283301.html

 02;生まれてからずっと続けている運動?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33297928.html

 03;子どもたちに一番伝えたかったこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

 04;ゴールを設定するといろいろなことが“調和”していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33345501.html

 05;人の成長(人間形成)や進化・向上は情報空間で起こる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

 06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

 

 

 そこに意図があれば、それにコーチがいれば別

 

 ゲシュタルト能力を最大限に発揮し、抽象度の階梯をどんどん駆け上がるために欠かせないのは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

「意図」と「コーチ」。詳しくはこちらでどうぞ↓

 Q-333:最近「記憶が抜ける」vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 コーチとの縁で意図をゴール化できると、世界がどんどん豊かになり、人生そのものがますます楽しくなります。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 答えは「RAS&スコトーマの働きにより、認識するすべてがゴールの世界の一部になる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ゴールとは、1)現状の外にある、2)心から望むことで、3)人生のあらゆる領域に設定するもの(バランスホイール)。さらに付け加えると、4)自分中心を捨て去りながら更新し続けるものです。

 L-10020218… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 ゴールを設定した段階では、まだまだ「ゴールの世界」は現状の外。止められてもやりたいといっても、臨場感が低くはっきりと感じることができません。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)として考えると、ゴール側のCZよりも現状のCZの方が圧倒的にリアルに感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その結果、ゴールの世界(ゴール側のCZ)から現状に引き戻そうとする力が働きます。その力の正体は「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」。その強力な力に抗いゴールに向かい続けることは困難です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 それなのに、なぜ現状の外のゴールに向かい続けることができるのでしょうか?

 

 答えは「プライミングが働く」から。鍵となるのが「ドーパミン」です。

 Q-356:休みの日なのに気持ちが? <vol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

ドーパミン(dopamine)は「行動を促す中枢神経系の神経伝達物質」のこと。食事で摂取したフェニルアラニン(豆類、ナッツ類)やチロシン(乳製品、大豆)を元につくられ、興奮した状態をつくるアドレナリン、不安や恐怖を引き起こすノルアドレナリンに変わります。

以前は単なる前駆物質と考えられていましたが、ドーパミンそのものが「運動調節」「ホルモン調節」「快の感情や意欲」「学習」に関わることがわかってきました。

 欲求が満たされると、その刺激が脳に伝わり、ドーパミンが分泌されます。それによって中枢神経が興奮し、喜びや楽しさという感情が生まれます。それを報酬系(reward system)と呼びます。

 

 人間の脳は何らかの報酬回路が働くときに、先にドーパミンが流れるようにできています。その現象がプライミング。詳しくは「先に受けた刺激(先行刺激)によって、後続する刺激に対する認知や判断が影響を受け、特定の行動が促進または抑制される」。

 人間の場合はさらに、腹側被蓋野(ventral tegmental areaVTA)の中脳辺縁系投射であるA10神経など、ドーパミン経路が前頭前野にまでひろがっています。だから高い抽象度の情報空間に対してもプライミングを働かせることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それが現状の外のゴールに向かい続けることができるカラクリ

 

 

 そんなことをただ純粋にお話ししました。22ヶ月前は。

 その後、社会の様変わりを(とくに医療・介護現場で)経験し、これまで以上にプライミングの重要性を痛感しています。そのコントロールが自由に直結するからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 以下、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(牧野出版、p107)より引用します。子どもたちに教えるべき“調和”について、考え感じながら読み進めてください。

 

 

■心の教育と宗教

 三つの教育のうち、特に述べておきたいことがある。

 結論から言おう。「心の教育」には、宗教を使ったほうが効果的だと。(もちろん、効果的だから、より望ましいか別問題だが。)

 私はこれまで、「すべての支配者は教育という名目で宗教を利用する」と繰り返し述べてきた。

 宗教のレベルで信じさせるからこそ教育が効果を発揮するし、逆に教育という手段を用いることで、宗教とは別物だと信じ込ませることができる。歴史上の支配者が、この原理を自らの支配強化のために利用してきたのは、紛れもない事実である。

 では、なぜ宗教を使ったほうが効果的なのか、説明しよう。

 「心の教育」を行うときには、必ず、人の生死について話さなければならない。そのためには、人が生きること、死ぬことに対する回答を何に求めているのか、という前提が大事だ。

 先に何らかの「信仰(faith)」がないと教えられないのである。

 「信仰(faith)」があるから、「証拠(evidence)」があり、そこで初めて「証拠(evidence)」に基づいた論理が成り立つ。その論理を教えることが、「心の教育」そのものであり、人の生死について教えるためには、論理の根拠としての「証拠(evidence)」、そしてその前提の「信仰(faith)」が欠かせない。

 アメリカの能力開発、コーチングの権威であるルータイスは、敬虔なカトリック信者である、彼にとっては、神への「信仰(faith)」が最も重要であり、「証拠(evidence)」はそのあとに付いてくるものである。

 たとえば、「神はいるっていう証拠を見せて」と言われると、彼の返答は「神を信じていない人に証拠を見せても、見えない。証拠は、神を信じている人にだけ見えるのだ」となる。コーチングで言えば、スコトーマ(心理盲目)の原理だ。私たちは、自分が重要だと思っているものしか見えない。

 一方、私にとっての「信仰(faith)」は科学だ。簡単に言うと、科学の目で「証拠(evidence)」を見ることができる。

 科学の目は、いまから何百億年経つと土の中から死体が蘇ってきて一斉に裁判を受けるかという話や、位牌に手を合わせて先祖を拝んでいる姿を、「証拠」だとは認めない。

 それは、私が、人が生きること、死ぬことを含めた、この世のすべての事象に対する回答を、科学に求めているからである。私の拠って立つところは科学なのだ。

 私に見える「証拠」が、盲目的に宗教を信じている人には見えない。それは、異なる「信仰」を持っているからだ。

 南部10州にいるような原理主義的キリスト教信者に、進化論を証明するデータをいくら並べ立てても、「否、その裏には神の思し召しが隠されているのだ」と反論されてしまうのである。

 このように、いかなる人にも拠って立つ信仰が見えるものをつくる。同じ国に住んでいるからと言って同じ信仰とは限らない。

 私は、本来は、「信仰」を、宗教ではなく科学や哲学に求めるべきだと考えている。

 しかし、それはとても困難なことだ。

 一つには、教える側にかなりの能力が要求される。一言で言うと、「人は死んだらどうなるの?」という子どもの疑問に対し、宗教的思想を含めずに、子どもが理解できるようにわかりやすく、説明しなければならないからである。

 つまり、「お祖父ちゃんはこれからもどこかであなたを見守っていてくれるよ」とか、「お祖母さんは天国に召されて、幸せに生きているよ」などと言わずに、死とは何かを説明しなければならない。

 もう一つには、これまで繰り返し述べてきたように、日本人はすでに儒教という宗教を心の中に持っている。すでに「儒教」という「信仰」を持っている人に、いくら科学や哲学の「信仰」で物事を説明しても、キリスト教原理主義が進化論を「神の思し召し」と一蹴したのと同じ結果を招くだけである。

 そこで私は、いわば暫定的な対応として、「心の教育」に仏教を使うことを提案する。

 もちろん本来の釈迦仏教である。

 その理由は二つある。

 第一に、繰り返し述べてきたように、差別思想を内包した儒教は教育から排除すべきであり、「心の教育」に儒教思想を入れるなど、もっての他であるということ。

 第二に、日本人が信仰しているのは、あくまで儒教などに染まった日本仏教であるとはいえ、日本人にとっては、仏教という言葉は馴染みやすく、キリスト教に対するアレルギー反応のようなものがないこと。

 私は何も、学校で仏教を布教しろと言っているわけではない。

 大昔に実在していた人物のひとりとして釈迦を紹介し、その言葉を引用して例を示し、「心の教育」を行うことを提案しているのである。

 そして、もう少し日本社会が成熟してきたら、というよりも、儒教の洗脳から解かれた段階で、科学と哲学の用語のみを使って「心の教育」を行えばいいと考えている。

 引用終わり

 

 

 今、人間社会はどんどん壊れています。

中東はもちろん、世界中で「神」を巡る争いが激化していますが、世界をおかしくしている「信仰(faith)」は「神」ではありません。

 

 では、人間社会を壊している「信仰(faith)」とは何なのでしょう?

今こそ子どもたちに教えるべき“調和”とは、一体何なのでしょうか?

 

L-144につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

ゴールを設定した段階では、まだまだ「ゴールの世界」は現状の外。止められてもやりたいといっても、臨場感が低くはっきりと感じることができません

 

 ゴール設定直後の段階ではっきりと感じられるのなら、それは「理想的な現状」です。もう一度ゴール設定をやり直してください。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 ゴールに近づくにつれ、ゴール側のイメージはどんどんvividに感じられるようになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

それはゴール達成間近であることの「証拠(evidence)」ですが、同時に新たなゴールを設定するべき「合図(sign)」でもあります。

 Q-218:わりとすぐに達成できそうなゴールを設定してもよいですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27405307.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

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-関連記事-

PM-05-27自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10987549.html

F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415360.html

F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されてるか分かるようになるのですか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?

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脱洗脳教育論

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Q-356:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか? <vol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は最近、仕事の疲れなのか、休みの日なのに気持ちが良くない日が続きました。訳もなくイライラするなどです。また、不平不満や愚痴をいうタイプではなかったのですが、それをいうようになっている自分に気が付きました。

仕事は、しんどいと感じるときもありますが、ゴールの一部として思えるとやる気は湧きます。単に疲れているだけでしょうか?

 

 vol.1;「無気力」と「やる気がない」の違い&GMCZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33182294.html

 vol.2;リラックスと緊張のサイクル -基礎編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33196855.html

 vol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 

 

A3:前回(Q-355)は「リラックスと緊張のサイクルの裏には副交感神経と交感神経のサイクルがあり、神経伝達物質や内分泌物質が深く関わっている」ことを確認しました。

 

「リラックス→緊張→リラックス」のサイクルが重要だとわかっていても、なかなか緊張を解けないということも多いはず。

F-072:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.2;わかっちゃいるけどやめられない

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15394923.html

 

そのような状況で心がけることについて確認しましょう。以下、苫米地博士の著書「本番に強い脳と心のつくり方」(PHP研究所、p163)より引用します。

 

 

決定的場面で簡単に緊張をほぐす方法

 逆境をつくるのは周囲の状況ではなく、あくまでも自分の判断といっても、慣れていない人が大観衆の前に出たり、試合を左右する打席に立ったりすれば、やはり緊張して体はガチガチになってしまうと思います。

 そこで、リラックス状態の簡単なつくり方をお教えしましょう。

 一つ目は、脳のカラクリを利用した方法で、「緊張をすればするほど、リラックスができる」ことを利用します。

 先述したように、リラックス状態のときに分泌されるセロトニンには、アドレナリンやドーパミンなどの抑制物質としての役割があります。つまり「緊張するからこそ(アドレナリンやドーパミンが分泌されるからこそ)、リラックスもできる」のです。

 ですから「いま自分はすごく緊張している」と感じたら、「緊張してラッキー。このあと思いっきりリラックスできるじゃん」と考えれば、そのとおりになるのです。逆に「緊張してマズイ。なんとか緊張を解かなきゃ」と焦ってしまうと、ますます緊張が解けなくなってしまいます。

 人間の脳の仕組みとして、ずっと緊張を続けることはできません。緊張すればするほど、アドレナリンやドーパミンが出れば出るほど、それを抑制するために勝手にセロトニンが放出されるからです。

 脳のこうしたからくりを知っていれば、緊張してもすぐに対処できます。

 二つ目の方法は、頭のてっぺん、もしくは足先から、順番に一つひとつの筋肉を緩めていく方法です。このとき「順番に」が最大のポイントになります。

 なぜなら「まずは腕、次に足」と選択的に緩めようとすると、選択した部位に意識が向いてしまい、ますますその部位の筋肉を緊張させてしまうからです。人間は何かを意図的に選択するとき(この場合は「〇〇の緊張を解こう」と意識すると)、そのことに対する内部表現が強くなってしまうので、結果として余計に緊張してしまいます。

 「今日は足の親指のつま先から」「今日は頭のてっぺんから」とスタート地点だけは決めて、あとは足先から(もしくは頭のてっぺんから)順番に緊張を緩めていったほうが効果的です。同時に逆腹式呼吸で息を吐き、お腹を膨らませながら緩めていくと、よりリラックス状態をつくりやすくなります。

 緊張したとき、「緊張した、マズイ」「リラックスしなきゃ」と焦ることが、いちばんしてはいけないことです。緊張を緩めようと強く思えば思うほど、逆に緊張します。

 焦るのではなく、気楽な気分で「いまノルアドレナリンが出ているから、次はセロトニンの出番だな」と体内物質の性質を把握したり、体の一部分から順番に緊張を緩めたりすることで、勝手にリラックスできるようになります。

 引用終わり

 

 

 緊張するからこそ(アドレナリンやドーパミンが分泌されるからこそ)、リラックスもできる

 

 アドレナリンやドーパミンなどの興奮系物質を抑制するのがセロトニンです。交感神経優位の緊張状態時にアドレナリンやドーパミンが多く分泌されるほど、それらを抑制するためのセロトニンが大量に分泌されます。だから「緊張してラッキー」!

 Q-327:最近「記憶が抜ける」ようなvol.2;感情が起こるメカニズム -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

 じつは、この“緊張→リラックス状態”を経験することは超重要! なぜでしょう?

 

 

 交感神経優位の極度の緊張から解放されてリラックス状態になると、副交感神経優位に変わりながらセロトニンが大量に分泌されます。セロトニンは前頭前野にはあまり作用しないため、大量のセロトニンでリラックスを深めながらも前頭前野ではドーパミンの興奮状態が続いているという無双状態が生まれます。

 (「ドーパミン」について詳しくはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29791782.html

 

 それは「幸福感に包まれながら、いまだ興奮が冷めやらぬ状態」。いわば「リラックス×緊張(興奮)のハーモニー状態」です。

 

 このセロトニン&ドーパミン状態を何度も経験すると、強い「プライミング」が形成されます(data)。だから「“緊張→リラックス状態”を経験することは超重要!」(claim)。

 では、「data」と「claim」をつなぐ「warrant(根拠)」を確認しましょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 プライミングとは、「先に受けた刺激(先行刺激)によって、後続する刺激に対する認知や判断が影響を受け、特定の行動が促進または抑制される」こと。いわゆる報酬系(reward system)のことであり、洗脳技術の一種でもあります。

 Q-336:何かいい仕事はありませんか? <vol.3;認知ホメオスタシス -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32300998.html

 

 脳は何らかの報酬回路が働くときに、先にドーパミンが流れるようにできています。その現象がプライミング。じつはプライミングが「時間」の概念を生みだしています。

と苫米地博士が書かれています。<「脳と心の洗い方」p113>)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 さらに人間の場合、腹側被蓋野(ventral tegmental areaVTA)の中脳辺縁系投射であるA10神経など、ドーパミン経路が前頭前野にまでひろがっています。だから時空を超えた抽象度の高い次元に対してもプライミングを働かせることができます。つまり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 現状の外(=高い抽象度次元)にゴールを設定する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

→ プライミングを働かせる(傍からみるとモチベーションup

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

→ ゴールの世界(未来)がコンフォートゾーン化することでホメオスタシスが働く

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 *情報空間に働くホメオスタシスはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

  

 御相談の「訳もなくイライラする」ときは、何らかの緊張状態にあるはず。脳波でいうとベータ波支配、自律神経でいうと交感神経優位、内分泌物質でいうとアドレナリンやノルアドレナリンがいっぱい、そして脳機能は大脳辺縁系優位です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html


そんな時は自身の状態をモニタリングし、ゴール側から肯定的に評価(T)してください。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

その上で「GMCZ」を再チェックしながら、脳波(ローアルファ波支配)や自律神経(副交感神経優位)を整え、セロトニン&ドーパミン状態を再現して前頭前野をさらに活性化させましょう。超論理の高次元空間まで突き抜けるイメージで。

S-02-12“超論理”を表現する言葉

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19021726.html

  

そのプロセスはプライミングを強化するビッグチャンス!
 気楽に取り組んでください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

Q-357につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 緊張するからこそ(アドレナリンやドーパミンが分泌されるからこそ)、リラックスもできる

 

 さらにいうと、極度のストレス状態で苦痛を感じると、ノルアドレナリンに加え、β-エンドルフィン(beta-endorphin)が分泌されるようになります。

 F-157:指一本でも役に立ちたい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

 β-エンドルフィンは中枢神経系と末梢神経系の双方で産生される内因性オピオイドです。

オピオイド(opioid)とは、1)ケシから採取されるアルカロイド、2)そこから合成される化合物、3)体内に存在する内因性の化合物 のこと。わかりやすく表現すると“麻薬”。

(「麻薬」は法律上の分類であり、すべてのオピオイド=麻薬というわけではありません)

 

β-エンドルフィンの鎮痛効果は、なんとモルヒネ(←医療用麻薬)の6.5倍もあります。そのストレス低下作用はとても強力です。

Wikipediaには「鎮痛効果はモルヒネの18~33倍」と記載されています)

 

 “ストレス低下作用”は情報空間の底面(物理空間)だけに限定されるものではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 β-エンドルフィンが出るほどの苦痛レベルでは大量のセロトニンが分泌されるため、苦しみから解放されたときの幸福感も思いっきり高まります。それは全抽象度での苦しみ(トータルペイン)を解消するために役立つはず。

 L-00120201… -01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

だから「緊張してラッキー」。さらにいうと「緊張するほどラッキー」!

 

 

 じつは、シンの「ラッキー」はさらに高い次元にあります(次回まとめます)。

 L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

 

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-関連記事-

PM-05-27自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

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F-082~:ダメ。ゼッタイ。

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F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

F-280L下でのBSB vol.5;“風通し”=ゴール側から〇〇を整え続けること>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30825413.html

 

 

お釈迦さまの脳科学

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F-101:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.1;映画館での出来事


 ちょっと前のことですが、ある映画を観に行きました。

その映画はシリーズもので、前作の衝撃の結末から1年間心待ちにしていた待望の最新作(いろんなヒーローがassembleするあの映画ですw)。ですが、ちょうどその頃はいろいろと予定が立て込んでいて、なかなか観ることができませんでした。

これからお話しするのは、公開から2週間経ってやっと観にいくことができた日の出来事です。

 

 アラン・シルヴェストリ(1950年~)作曲のテーマ曲を陽気に口ずさみながら運転していた私は、軽い興奮状態でした。プライミングです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

ちょうど映画館に着いたとき、スマホが激しく鳴り響きました。緊急地震速報でした。

 地震はすぐにおさまり、見渡す限り特に被害はないようでした。熊本地震は本震が後に来たことを思いだしながらどうするか迷いましたが、結局、予定どおり映画を観ることにしました。

 

すでにあふれていたドーパミンの影響なのでしょう、始まった行動を途中で止めることができなかったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

「映画を観ている」という理想的なイメージの臨場感が高く、「映画を観るべきではない」理由を覆いつくしていました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 幸い映画館はいつもどおり。座席指定後、ロビーの椅子でリラックスしながら開場を待ちました。

 

入場時間になって入口に向かうと、「地震の影響で映写機が故障しており、現在調整中のためしばらくお待ちください」と言われました。しばらくして店員さんから個別に「予告編なしで映画本編からはじまることになります」と説明を受けました。

この時点で、私は予定どおり(あるいは少しの遅延で)鑑賞できるものと認識しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 ところが、本編開始の頃合いになっても入場のアナウンスはありません。他のスクリーンは問題がないようで、後から映画館を訪れた人たちが予定どおりに入場していきます。他の映画を観る集団がいなくなるたびにロビーに取り残される悲し気な人たちが全部で10人ほど。みんな徐々にうなだれていきました。

 

50分遅れで上映される(私が観る映画の)日本語吹き替え版は、予定どおりに入場がはじまりました。「別に日本語版でもよかったのに」と心の中でぼやきながら、それでもひたすら待ちました。必ず観れると信じて。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 さらに1時間以上が経過。

状況を店員さんに確認しにいくと、「上映できるかまだわかりません」という返事でした。そのやりとりの中で、申し訳なさそうにしているスタッフさんは正社員ではなく非正規労働者であることがわかりました。

 不安な様子でちらちらと様子を伺うスタッフさんが他に2名。その方々もおそらく非正規なのでしょう。目があうたびに不安と罪悪感が伝わってきました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

結局、私は、その日映画を観ることを断念しました。

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事
 
Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点
 Vol.3;不安や怒りへの対処法
 Vol.4;リーダーの視点で
 Vol.5;フォロワーの立場で

 

F-102につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

湧きあがった悔しい気持ちは「D」。そんな時は「ラベリング→エモーションコントロール→」。下記ブログ記事でどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_375251.html

 

 

-追記2

 共同通信(201993日配信)によると、厚生労働省雇用環境・均等局が、国会答弁などの際に非正規雇用で働く人の呼称として「非正規労働者」や、単に「非正規」という表現を使わないように求める通知を省内にだしていたそうです。その意図とは何でしょう?

 いずれにせよ、このブログ記事は「ルール違反」といえます。厚労省的には。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_368012.html

 

 

-追記3

 同じ映画館での違う体験について、下記ブログ記事に書いています。「SWな一日」が再び訪れるワクワクは日に日に大きくなっています♪ May the force be with you

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615496.html

 

 

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