L-212:2022年07月シークレットレクチャー
-10;<ワーク2>過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退する
2022年7月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。全体を通してのメインテーマは「信」。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
リラックスを深めながら、気楽にお読みください。
01;決して過信はせずに、しっかり確信する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html
02;〇〇とは情報である
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36751237.html
03;情報空間のエネルギーを認識し活用する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36763767.html
04;「想像力×創造力」の源
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36789215.html
05;正しい「過去の記憶」の使い方
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36800425.html
06;「ブリーフシステムは、結果として変わるもの」← why?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36826574.html
07;コーチングのカクシン
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36836716.html
08;狭く!
高く!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36862880.html
09;<ワーク1>逆腹式呼吸を意識に上げてコントロール → …
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36874418.html
10;<ワーク2>過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退する
ラスト3回は、「コンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)は空である」と意識に上げ続けながら、「(CZは)狭く! 高く!」を実践し、「可能世界w1からw2へジャンプ」する意識状態を作り上げる ためのワークを紹介します。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
*「空(くう)」はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
2つ目のワークは「過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退する」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
通常の「ラベリング」は“現状”に対して行います。その“現状”とは… 重要なもの/ことの集まり。
F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html
私たちは重要なもの/ことのみを認識しており(=RASを通過)、重要度の低いもの/ことは認識していません(=スコトーマに隠れる)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
その「重要なもの/ことの集まり」とは、「コンフォートゾーン(CZ)」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
そして、重要度を決めるのが「ブリーフシステム(Belief System、BS)」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
以前(L-208/06)取り上げたとおり、BSには階層性があり、より上の階層が下の階層を支配しています。上の階層が変化しないかぎり、下の階層が変化することはありません。
L-096:2021年7月… -08;BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html
その一方で、BSの階層は、双方向の依存関係にあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
BSの階層の上下関係は、しばしば脳の抽象的な思考を妨げるように働きます。その代表が「煩悩」です。
L-185:2022年06月医療・介護研修会 -08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35626365.html
つまり、重要度を決めるBSの階層性はグチャグチャ。若いときは「矛盾」「葛藤」「混乱」というカオス状態です。そんな乱れた階層性を、抽象度に沿った形に整えていくことが、人の進化・成長の過程だといえます。
L-176:2022年03月シークレットレクチャー
-09;ラベリングにより到達する境地
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html
その取り組みの一つとして、BSの階層性を「ゴールから考えたとき、どれくらい重要か?」という尺度に統一するのがラベリング。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
ゴールの抽象度が上がるほど、重要度に影響するBSの階層性は整っていくことになります。抽象度に高低に合わせて。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
BSは自我と同義。自我の定義でいうと、重要度とは「重要性評価関数」のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
その重要性評価関数は、過去の記憶によりつくられています。その記憶は“失敗駆動型”。つまり、情動がべったり張り付いた“失敗”の記憶により、私たちの自我はつくられているということ。
PMⅠ-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
そんな自我(重要性評価関数)を、「過去の出来事」や「ドリームキラー」から開放することが、今回のワークの目的です。すなわち「自我を解放する技術」!
Q-210~:世の中はどうしてドリームキラーばかりなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414219.html
<ワーク2>過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退する
思い出した過去の出来事に対して、「B」「D」「T」「Nil」の4種類のラベルを貼り付ける
B:「煩悩」のB、「社会に洗脳されている(Brain Wash)」のB
D:「雑念(Delusion)」のD。「雑念」とは現在の情動で過去を評価すること
T:「True」。過去に遡って、「今あるべき現在」に関係あればT
Nil:「値がない」という意味。過去に遡って、「今あるべき現在」に関係なければNil
例;「レストランで静かにしていたらほめられた」ことを思い出した場合
-「今あるべき現在」=ゴールを達成している自分に関係あればT
-「親の煩悩だ」←B(過去の自分からみての評価)
-「親に埋め込まれていたなぁ」←D(今の自分の感想)
-「人前でしゃべることが苦手になった」←T(ゴール達成の阻害要因)
最後に、苫米地博士の著書「営業は『洗脳』 一瞬でお客様を支配する禁断の営業術」(CYZO、p126)より引用します。
現状の外のゴールに向かっていくことは、これまで臨場感空間を共有していた人にとっては心乱される行為です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
関係が密であり臨場感の強度が強いほど、強力なドリームキラーに変わってしまいます。そんなドリームキラーに打ち克つ方法を体得してください。
(補足すると、最も「関係が密であり臨場感の強度が強い」のは“自分自身”です↓)
Q-203:「自分自身が最大のドリームキラー」という意味はどういうことなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26417115.html
ドリームキラーの排除法 その2
もうひとつのドリームキラー排斥法は、先ほどのルー・タイス方式に合わせて、苫米地ワークス方式とでも呼びましょう。
ルー・タイス方式は簡単で非常に有効なのですが、そこにはある条件がつきます。それは、まだ誰にも教えていない場合に限られるということです。
つまり、誰にも教えないルー・タイス方式は、すでに誰かに教えてしまった人、過去に教えてしまってボロボロに言われてしまった人には手遅れなのです。
小さい頃から「おまえには無理だ」「おまえはダメだ」と言われ続けてきてしまった人は、これから先、誰にも言わないと決めたとしても、すでに何かに挑戦しようとすると「私には無理だ」という思いが反射的に現れて、モチベーションが下がってしまうのです。
そんなケースでも有効なのが、苫米地ワークス方式です。
苫米地ワークス方式は、ドリームキラーの発言の評価を変えるという方法です。「ダメだ」と言われたことを本当にダメなのかと疑ってみるというものです。
たとえば子どもの頃、親とレストランに来て「騒いだらダメ」と叱られた記憶があるとします。これがその人の中で大きくなってしまうと、人前で大きな声を出したり、大きな音を出したりすることができない人間ができあがってしまいます。つまり、歌手になりたいとか、政治家になりたいと思っても、この記憶が邪魔をして、人前で歌ったり、演説したりすることができない人になってしまうのです。
叱られたのではなく、レストランでおとなしくしていたことをほめられた場合も同じです。レストランでは騒いではいけない、おとなしくしなければいけないと言われているのと同じだからです。
子どもというのはレストランだろうと、電車の中だろうと、道端だろうと、基本的に騒ぐものなのです。つまり、騒ぐに決まっている存在をわざわざレストランに連れてきた親の行為自体が間違いです。自分がレストランで食事をしたいからという親の欲望を満たすために、本来、騒ぐのが当然である子どもを騒がせないようにしようとしているだけです。
たとえばファミリーレストランなどであれば、別に子どもが騒いでも周りもそれほど神経質なまでに不快に思うわけではありません(だから、“ファミリー”レストランなのです)。
騒いではいけないようなレストランには子どもは連れて行かないというのが正解ですし、騒いでもいいレストランなら騒がせておけばいいのです(ものを壊したり、人のものを盗ったりと言った行為の場合は「騒ぐ」というのとは話が別です)。
「でも、食事中に騒ぐと本人も食べることに集中できませんし、おいしさも味わえないと思うんです」
もし、そう考えるのであれば、それを子どもに伝えて、納得してもらうべきなのです。
「食事中に立ち歩いたり、騒いだりしたら、消化に悪いし、おいしくないでしょ」と言えばいいのです。
しかし、たいていの親はそうはしません。
「こら、騒ぐな!」とか「おとなしくしなさい!」などと怒鳴りつけてしまうのです。これはまさにドリームキラーそのものです。
親が騒いでいる子どもを叱るのは、自分が恥ずかしいと思うからです。他の客に「あの親は子どもを騒がせる親だ」と思われるのが恥ずかしいのです。実際に周りは、子どもを怒鳴りつける行為のほうに眉をひそめているにもかかわらず、親は怒鳴りつけるのが正しいと思ってしまっているのです。本当は自分の煩悩を子どもに押し付けているだけなのに、それが教育だなどと勘違いしている親があまりにも多いのには困ったものです。
怒鳴りつけたとき、親が「私が恥をかくから騒ぐのはやめなさい」と言っているのだと、子どもは敏感に察知します。そうすると、子どもの無意識は「人前で自分がやりたいことを自己主張することは恥ずかしいことなんだ。少なくとも私の大好きなお父さん、お母さんは恥ずかしいって思うんだ」と感じ取ってしまうのです。
だから、人前で発言できない大人とか、初対面の人に営業をかけられない大人を作るための第一歩は、レストランでおとなしくさせることから始まるのです。
もし、営業の仕事をしていて、初対面の人と話すのが苦手とか、人に自分の意思を伝えるのが苦手だという人がいたら、子どもの頃、こういったレストランでの出来事に似た経験をしている可能性が高いと言えます。いつの間にか、無意識が自分を制約するようになっているのです。
そこで、苫米地ワークス方式は実際そのときに起きた情動を全部自分でひっくり返してみようというものです。苦しかった、辛かった、嫌だったという気持ちが起こった体験を思い出し、それに対して客観的に評価をし直すのです。
親の言うことが絶対だった子どもの頃ではなく、現在の自分が当時の親の発言を評価するのです。
「なんだ。あのとき、レストランで親が怒ったのは、自分が恥ずかしかっただけじゃないか」
評価関数を変えてやると、こんなふうに評価そのものも変わってきます。こんなふうに、過去の記憶そのものは消せないにしても、嫌な記憶、抑圧された記憶などから引き起こされた情動を打ち消すことはできるのです。
こうしたトレーニングをしていくと、いままで苦手だと思い込んでいたことが、実は誰かに刷り込まれただけで、本当は苦手ではなかったと思えるようになっていきます。
通常の能力で普通にやればできるはずなのに、無意識のうちに逃げてしまうのは、心のどこかにドリームキラーの影響が残っている可能性が大きいのです。
引用終わり
苫米地ワークス方式は実際そのときに起きた情動を全部自分でひっくり返してみようというもの
…自分でひっくり返すことができるようになるほど、本当の意味で自由自在に生きられるようになります。それは“観自在”という意識状態を体得する重要なプロセスです。
F-318~:観自在
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html
(L-213につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-告知1-
2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-228~:ゼロトラスト
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html
Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html
Q-225:ラベリングにおけるゴールに関連があるないの判断基準はエンドステートでの自分の姿なのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27711225.html
Q-287:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?
<vol.7;モニタリング&ラベリングの意義>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29863863.html
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