苫米地式認定コーチ CoacH T(タケハラクニオ) ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学びながら九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:フレーム

F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」(ワーク付き)

 

 情報が書き換わると現実が変わる

  …と言われたら、皆さんはどのようなことをイメージしますか?

 

今回は、身近な話題から国家規模の策略まで、「情報が書き換わると現実が変わる」ことをテーマにシリーズでお届けします

 Vol.1;言語編

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20086131.html

 Vol.2;非言語編

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20173981.html

 Vol.3;戦争をせずに他国を支配するマニュアル -前編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276927.html

 Vol.4;戦争をせずに他国を支配するマニュアル -後編-

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377720.html

 

 

 前回まで、「情報が書き換わると現実が変わる」ことの具体的な事例を提示しながら、「情報を支配されると現実まで支配される」という問題点を示しました。これはディベート(トゥールミンロジック)でいうとケースサイドにあたります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html

 

 今回はプランサイド、すなわち「問題を解決すること」がテーマです。「他人に支配されないため」という視点と、「他人を(無意識下でも)支配しないため」という視点で、2回に分けてまとめます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

 まずは「他人に支配されないため」から。

 

 ところで、皆さんは「幸せなら手を叩こう♪」と歌う曲を御存知でしょうか?

 私には幼少期の頃によく聞いていた記憶があります。しかしながら、それは歌詞から連想するような明るい思い出ではありません。今思えば、子どもながらに自由を奪われる不快感を感じていたのでしょう。「幸せなら態度で示そうよ ほら、みんなで手を叩こう」という部分がたまらなくイヤでした。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 「幸せなら手を叩こう」は「AならばB(A→B)」という誘導です。

私たちの行動、とくに無意識の行動は、必ずフレームになっています。例えば、「A:むしゃくしゃしたら→B:飲みに行く」「A:出かける前に→B:鏡を見る」「A:家に帰ったら→B:ゲームをする」というように。

 このような一連の行動の枠組みが「フレーム」です。フレームは、もともとはコンピュータ(人工知能)の情報処理の概念で、「ある一定のタスクを処理するための枠組み」のことを表します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477304.html

 

「病院を受診しインフルエンザの予防接種を受ける」という例で考えてみましょう。
 フレーム(「病院を受診しインフルエンザの予防接種を受ける」)のタスクを処理するためには、「A:電話して予約する」→「B:予約時間前に病院に到着し受付を行う」→「C:体温を測定し問診表に記入する」→「D:診察を待ち呼ばれたら診察室に入る」→「E:診察後ワクチン接種を受ける」→「F:容体変化がないか確認しながら会計を待つ」→「G:会計を済ませ病院を出る」…という一定の行動パターンがあります。

 毎年、同じ病院で予防接種を受けている方々は、この一連の流れをフレームとして認識し、「次は何だっけ?」などいちいち考えることなく(フレーム内の行動を)無意識に行うことができます。

 

 その行動パターンのことを「ゲシュタルト」とも表現しますが、いずれにせよ、私たちの生活のあらゆる行動は、こうしたフレームやゲシュタルトが無数に集まって形成されているのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

情報(印象)操作をおこなうことで、これまでの「A→B」を「A→X」という別なものに変えることができます。そして、その情報操作を受け入れると現実が変わります(BからXへ)。例えば「A:OKサイン→B:賛成・同意」が「A:OKサイン→X:白人至上主義への支持表明」に変わったように。記念撮影時にOKサインをしていた着ぐるみの中の従業員がテーマパークを解雇されたという事実は、情報(印象)操作により“現実”が変わってしまったことの証です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20173981.html

 

 では、私たちは「他人に支配されないため」にどうすればいいのでしょうか?

  …ここでは2つの方法を御紹介します。

 

 1つ目は「フレームの中断」。

 「病院を受診しインフルエンザの予防接種を受ける」といったフレーム内の一連の行動は、ほとんどの場合、無意識に行われています。そのため、いったんあるフレームが動きだしてしまうと、そのフレームが完結するまではフレームに支配されて、途中で行動をやめることができません。しかし、そのフレームを意識化し、フレームに自ら介入することで、フレーム内の行動を中断することができるようになります。

あるいは、予防接種でいえば「B:予約時間前に病院に到着し受付を行う」や「C:体温を測定し問診表に記入する」の段階で、「予防接種は負の側面もある」ということを顕在化するように仕掛けておくことで、フレーム内の一連の行動を中断することができます。

 無意識の一連の行動であるフレームを中断できると、→「Y:やっぱり注射はやめる」という新たな選択ができるようになるのです。

 

 このフレームの中断は「アンカー&トリガー」として説明することもできます。アンカーとは脳が記憶している何らかの意識状態で、トリガーはその意識状態を引きだすきっかけとなる情報のことです。先の例の場合は、「予防接種は負の側面もある」と思い出すことがアンカーで、そのきっかけとなる「病院」や「問診表」がトリガーといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477470.html

 

 「他人に支配されないため」の2つ目の方法は「アンカー&トリガー」を利用して「フレームの組み換え」を行うこと。

「A:むしゃくしゃしたら→B:飲みに行く」「A:出かける前に→B:鏡を見る」「A:家に帰ったら→B:ゲームをする」で考えてみましょう。「むしゃくしゃしたら飲みに行く」という人は、「飲みに行く」という行為をきっかけ(トリガー)に、「ストレスから解放されリラックスした意識状態」(アンカー)を引っ張りだしています。同じように「鏡を見る」(トリガー)は「凛々しい大人のイメージ」(アンカー)、「ゲームをする」(トリガー)は「むっちゃ楽しい気分!」(アンカー)といった感じでしょうか。

 「飲みに行く」「鏡を見る」「ゲームをする」という行為が、理想的な意識状態をつくるための“儀式”のようになっているのです。前回(F-113)取り上げたラグビーに関連していえば、元代表選手 五郎丸歩選手がプレースキックをする前にしていた“ルーティン”も同様です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377720.html

 

 理想的な自己イメージを強化するために、あらかじめ特定の行動をすることを「アンカリングのアファメーション」と呼びます。アファメーションとは、主に言語を使って理想的な自己イメージをつくりあげる方法のことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8431170.html

 

 新たなアンカリングのアファメーション、すなわち何らかの“儀式”的な行動(トリガー)を決めて、理想的な意識状態(アンカー)と結びつけてしまうことが「フレームの組み換え」です。「飲みに行く」を「瞑想する」、「鏡を見る」を「深呼吸をする」、「ゲームをする」を「まず宿題をする」に変更することができると、「A:むしゃくしゃしたら→X:瞑想する」「A:出かける前に→X:深呼吸をする」「A:家に帰ったら→X:まず宿題をする」が自然に選択される“儀式”的な行動となり、理想とする意識状態を引きだしやすくなります。

 

 それでは最後にワークを行いましょう。

 

 

 <ワーク:フレームを意識化し、中断、組み換えを行う>

1.    自分がしている行動をすべて意識にあげ言語化する(紙に書きだせばbetter

2.    意識に上がった行動を一旦ストップし(中断)、「なぜ?」「何のために?」と自問する(ラベリングも一緒にどうぞ)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18456250.html

3.    行動をストップしたままゴールを確認し、それを達成している理想的な意識状態をイメージする(例えば「うれしい」「楽しい」「誇らしい」)

4.    そのイメージを引きだす新たな“儀式”を決め、イメージと結びつける(理想的なイメージをありありと感じながら“儀式”を繰り返す)

5.    その後も自分がしている行動をすべて意識にあげ(中断)、組み換えが不完全なら「私らしくない」とセルフトークしながら修正(3&4に再度取り組む)、組み換えができていれば「私らしい」とセルフトークしてさらに強化していく

 

 

 このワークは、ますます深刻化する「ゲーム障害」や「薬物依存」対策にも応用できます。ぜひ大切な人たち(とくに子どもたち)に教えてあげてください。

 

F-115につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-参考-

 苫米地英人博士著 「Dr.苫米地の脱洗脳禁煙術」(WAVE出版)

 

 
-追記-
 本文中の例は、マービン・ミンスキーの「フレーム理論」というよりは、ロジャー・シャンクの「スクリプト理論」かもしれません。苫米地博士の著書「認知科学への招待」(サイゾー)に詳しくまとめられています。



脱洗脳禁煙術&認知科学への招待




ブログ・シリーズ編

S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

S-03-06:「すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのか?」の「エネルギー」について

 

シリーズ編第3弾(S-03)は、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察したいと思います。ぜひ皆さん自身の経験を振り返りながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

うつは「心のエネルギー不足」といわれています。その“エネルギー”とは一体どんなものなのでしょうか?

私は「『心のエネルギー』は概念(情報空間)の階層の高低差から生まれる」と考えています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276623.html

 

2011年6月15日、カナダのバンクーバーで、100人以上が逮捕され、130人以上の市民と9人の警官が負傷(うち12人は刃物での刺傷)するという事件(暴動)が起こりました。そのきっかけは“アイスホッケーの試合”でした。

では、すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのでしょうか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377205.html

 

これから書くことは私の分析です。もちろん、その分析が絶対に正しいと思っているのではありません。ツッコミを入れながら気楽に読んでくださいw

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

私はいつもお互いのスコトーマを外しあい、そして、エフィカシーを高めあうことを願っています。皆さまのゴール達成のヒントになれば幸いです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

「すさまじい“怒り”のエネルギーはどのように発散されたのか?」を、1)すさまじい、2)“怒り”、3)エネルギー、4)どのように、5)発散された、の5つに分けて分析します。

 

まず「3)エネルギー」について。

低い抽象度次元から高い抽象度次元に向かって、概念のフレーム別にまとめると、「カナックスファン」→「(アメリカでなく)カナダのチームのファン」→「NHL好き」→「ウインタースポーツ好き」→「スポーツ愛好家」…となります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

このとき、より上位の概念ほど大きなエネルギーを蓄えていることになります。情報の位置エネルギーです。その概念の階層のことを、哲学や心理学では「フレーム」や「ゲシュタルト」と表現します。
 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276623.html 

 

 (S-03-07につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1-

 「フレーム理論」は、「人工知能の父」と称されるマービン・ミンスキーが1975年に発表した理論です。人は物事を認識している際に「フレーム」と呼ぶパターンのようなもので認識し、その「フレーム」と同じ、もしくは近いものがあったら、それを同じものだと認識するということを理論化しています。

 認知科学者 苫米地英人博士の著書「認知科学への招待」(サイゾー)に詳しくまとめられています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477749.html

 

 -追記2-

 抽象度はとても重要な概念です。その抽象度と「区別」「差別」の関係について、下記ブログ記事にまとめました↓

 Q-061~:犬好きではいけないのですか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_284899.html

 

 

-関連記事-

PMⅠ-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 

認知科学への招待



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