F-115:情報が書き換わると現実が変わる vol.6;フェアトレード(ワーク付き)
情報が書き換わると現実が変わる
…と言われたら、皆さんはどのようなことをイメージしますか?
今回は、身近な話題から国家規模の策略まで、「情報が書き換わると現実が変わる」ことをテーマにシリーズでお届けします
Vol.1;言語編
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20086131.html
Vol.2;非言語編
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20173981.html
Vol.3;戦争をせずに他国を支配するマニュアル -前編-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276927.html
Vol.4;戦争をせずに他国を支配するマニュアル -後編-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377720.html
Vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」(ワーク付き)
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20477749.html
F-114(vol.4)まで、「情報が書き換わると現実が変わる」ことの具体的な事例を提示しながら、「情報を支配されると現実まで支配される」という問題点を示しました。これはディベート(トゥールミンロジック)でいうとケースサイドにあたります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html
前回からはプランサイド、すなわち「問題を解決すること」がテーマ。前回(F-114)は「他人に支配されないため」という視点でまとめ、2つの方法(「フレームの中断」「フレームの組み換え」)を紹介しました。
(本ブログ記事の最後で、さらに強力な方法を紹介します)
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html
では、プランサイドのもう一つの視点、「他人を(無意識下でも)支配しないため」について考えてみましょう。
…理由ははっきりと思い出せないのですが、幼い頃より私は紅茶を好み、コーヒーはほとんど飲んでいませんでした。大学時代からずっと一緒にいる妻はコーヒー党。きっと妻と同調していったのでしょう、いつの間にか私もコーヒーを飲むようになりました(反対に、妻は時々紅茶を飲んでいますw)。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19485793.html
その妻が、ある日、「フェアトレード」について教えてくれました。
フェアトレード(fair trade)とは、「発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動」のことです。国際的な貧困対策、環境保護を目的とし、アジア、アフリカ、中南米などの発展途上国から先進国への輸出において採用されている取引形態で、主にコーヒー・バナナ・カカオといった食品や手工芸品、衣服で行われています(Wikipediaより)。
トレードとは「何かと何かを交換すること」です。わざわざフェアをつけてフェアトレードと呼ぶところに、従来のトレードはフェアではないこと、つまり強者による弱者からの搾取であることがあらわれています。差別が存在するのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14249741.html
事実、世界一の経済大国 アメリカ合衆国のトップは、つねに「自分の利益の最大化」を求めています。そんな本音を隠そうとする様子さえありません。それは縁起とは真逆の「ゲーム理論」の考え方です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
ゲーム理論とは、シンプルに表現すると、「自分100%の完全利己主義」。それはlose-loseの結果を招く“破滅的な思考法”です。他の表現でいえば「ゼロサム(zero-sum)」。
では、「相手が得をする分、自分は損をする」と捉えるゼロサム的思考に致命的に欠けているものとは何でしょうか?
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14401412.html
…答えは「抽象度」です。
ゲーム理論やゼロサム的思考には“相手と自分を包摂する視点”がありません。それは抽象度を欠いた思考であり、煩悩を完全肯定する考え方です。「自分さえよければいい」という薄っぺらい世界には、文字どおり、自分しかいません。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html
それとは反対に、抽象度を上げて“自分”を“より大きなものの一部”と考えることができれば、自分はもちろんのこと、相手にも、そしてともに生きる他の存在にとっても、よりよい未来を見つけることができます。真のwin-winの実現です。F-106~で取り上げた映画「ライオン・キング」では、そんな願いが「サークル・オブ・ライフ(circle of life)」として歌われていました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_383531.html
そのブログ記事(F-106~)で、AERAのインタビューを紹介しました。「コンピューターでこれほどリアルな映像を作れるとなると、フェイクニュース動画も簡単に作ることができそうです。映像技術を極めたからこそ、これはやってはいけないと自分を律していることはあるのですか?」と質問された「ライオン・キング」の監督 ジョン・ファブローは、「技術の進歩は誰にも止められない。でも技術で一番大事なのは人々を結びつける力だと思う。社会のいろんな問題も技術で解決できる。そういう技術の可能性に対する感受性や責任感を持つことが大事だと思う」と答えています。
その感受性や責任感を持つために欠かせないものが「ゴール」です。ゴールがすべてを生みだします。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
そして、ゴールの抽象度を上げることが、「情報を操作する(操作される)ことで、世界を書き換える(書き換えられる)」ことを悪用しない(させない)ための「感受性や責任感」を育みます。それは人間形成の階梯を駆け上がっていくプロセスで手に入れる大切な力でもあります。人間力です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html
冒頭で触れたフェアトレードは「立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す」ものでした。それは抽象度の高いゴールに根差すものといえます。その抽象度の高さこそが、「他人を(無意識下でも)支配しないため」の要諦です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7199706.html
そして、抽象度の高いゴールを持ち続けることは、「フレームの中断」や「フレームの組み換え」をはるかに凌ぐ強力な「他人に支配されないため」の方法にもなります。より大きなフレームをつくる「フレームの統合」が可能になるからです。
それは「ゲシュタルトをさらに大きくする」と同じ意味で、スティーブ・ジョブスの言葉でいうと「connect the dots」に相当します。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html
ゲシュタルトをさらに大きくすることである「フレームの統合」は、まだまだ眠っている強大な力を覚醒させ、人類を進化・向上に導くはずです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html
その先にあるのは自由であり平和。もちろん、そのもっと先には悟りである空(くう)が、そして涅槃といえる中観宇宙がひろがるのでしょう。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html
情報が書き換わると現実が変わる
…と言われたら、皆さんはどのようなことをイメージしますか?
…ぜひ、フェアネス、自由、平和を強くイメージしてください。
そのイメージがゴールへと結実し、臨場感豊かに感じられるようになるほど、どんどん現実へと変わっていきます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html
最後にワークです。
今回はとてもシンプル。常に「行動はフェアか?」「思考はフェアか?」と問い続けてください。
<ワーク:フレームを統合すための意識状態をつくる>
常に「行動はフェアだろうか?」「思考はフェアだろうか?」と問い続ける
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
鍵は「フェアネス」です。下記ブログ記事でも取り上げています↓
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987618.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142365.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19678041.html
-追記2-
私の無意識は「なぜ紅茶好きになったのだろう?」と考え続けていたのでしょう。突然、ティーンの頃から好きなStingの代表曲「Englishman in New York」にこんな歌詞があることを思いだしました。
I don’t take coffee, I take tea, my dear
I like my toast done on one side
and you can hear it in my accent when I talk
I’m an Englishman in New York …
今回のブログ記事は「情報が書き換わると…」をテーマに書きました。“書き換え”に留意し続けることはもちろん大切ですが、すでに埋め込まれてしまっている“情報”自体をまずは吟味すべきであることを痛感しました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
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http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_369873.html
国際フェアトレード認証ラベル
Wikimedia Commonsより引用