苫米地式認定コーチ CoacH T(タケハラクニオ) ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学びながら九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:ファイト・オア・フライト

Q-201:コーチングでは「最悪を想定する」ことはどう考えればよいでしょうか?

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:コーチングではあらかじめ最悪の状態を想定することはどう考えればよいのでしょうか?

A:「最悪の状態を想定すること」は広い意味ではコーチングの範囲といえますが、厳密にはマネジメントではないでしょうか。私自身はリーダー、コーチ、マネジメントの機能を分けて考えています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 役割が異なり、抽象度(&そのベクトル)が違うからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

脳の働きでいえば、マネジメントは「前頭前野背外側部での論理的思考」で行うべきもの。それに対してコーチングが目指すのは「前頭前野内側部での超論理空間へのアクセス」です(はずw)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18911304.html

 

「広い意味ではコーチングの範囲」だと思うのは、私がクライアントのマインドに「リーダー」「コーチ」「マネジメント」としてのブリーフシステムをそれぞれ作り上げることをイメージしているから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

もちろん、私自身も「あらかじめ最悪の状態を想定する」ことを重要視しています。

しかし、それは「論理的思考で解決するため」というよりも、「Fight or Flightに陥らないため」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 だからだと思いますが、私の正直な感覚では、「あらかじめ最悪の状態を想定すること」はマネジメントというよりもヒーリングに近い気がします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22043888.html

 

 御承知のとおり、「Fight or Flight」とは、人間らしい前頭前野(新しい脳)よりも動物的な大脳辺縁系(古い脳)が優位になる状態。そんな状態からリカバーしてはじめて論理的な思考を行うことができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 トゥールミンロジックを用いた論理的思考については、こちらの記事を参照してください↓

 S-01~:よりよい“議論”のために(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 

 以上、私の回答です。御質問ありがとうございました。

 以下、今回の質問と関連する苫米地博士の言葉を紹介します。「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版)からの引用です。

 

最悪な事態を知ることが心を安定させる

 

 福島の原発事故で政府がなにをするべきだったかといえば、まず恐怖の存在そのものを認めること、そして最初に最悪の事態はこうだということを伝えること、そして改善するためのプロセスを明らかにし、そのプロセスを踏んでいることをデータで示していくこと、さらには事故に関する文脈情報を国民に与えることでした。

 

 建屋の爆発が起こったときに想定された最悪のシナリオは、炉心がすべて溶けてメルトスルーし、それが地下に潜り込んで地下水脈に届き、水蒸気爆発が起こるというものだったと思います。

 政府は早い段階からメルトダウンが起こっていることを知りながら、何も説明しませんでした。最悪のシナリオを国民に知らせ、最悪の場合に環境に放出される放射性物質の量やそれがどこに流れていくかという予測を明らかにしていれば、国民はその場で適切に避難することができました。

 3号基建屋が爆発したときも、2号基、4号基が爆発したときも、そうした情報はいっさい出てきませんでした。

 その後、注水が再開され、燃料の冷却ができるようになり、燃料棒取り出しの工程表を発表したまではよかったものの、国民にわかりやすい形でデータや数字を示すことはありませんでした。圧力容器や格納容器がどのような状態にあるかについても情報を開示しません。爆発した3号基のMOX燃料がどうなっているか、どのくらいの危険があるかについても何もいいません。

 もちろん、廃炉に向けた工程表がどの程度達成されたかというフォロー情報もないわけです。

 事故を小さく見せたいという政府と東電の意図はわからないではありません。

 ところが、これだけ情報を隠し、また隠そうとする意志があからさまだと、人間はかえって恐ろしいと恐怖を感じるものです。

 そして、恐怖を感じれば、「ファイト・オア・フライト」の状態になり、前頭前野の活動は抑えられ、かえっておかしな行動をとるようになるのです。

 

 日本という国は、もともとクライシスサイコロジーが下手な国だったといえます。

 しかし、現実にこれだけのクライシスが生じたのですから、「下手なんです」ではすまされません。

 政府のクライシスサイコロジーの欠如が、国民の混乱に拍車をかけているわけです。

 

 CDCのガイドラインにも、文脈情報を提供することが大切だとあるように、脳の働きからいっても、これほど重要なことはありません。

 ここでいう文脈情報とは、関連する知的な情報です。私は当時、関連文脈情報として、「半減期とは何か」「モーメントマグニチュードは何か」といった情報を大量にブログに流しました。実際当時、私のブログを読んで、なぜか安心したという話を後からたくさん聞きました。

 「ファイト・オア・フライト」の大脳辺縁系優位の情報処理を前頭前野優位に変えるには、文脈情報を読んで、前頭前野を働かせることが一番だからです。

 前頭前野が働き出すと、すでにたびたび述べてきたように、大脳辺縁系の活動が抑えられ、前頭前野の活動が活発になり、その結果、人々からただちに不安や恐怖が消えていきます。

 前頭前野側からの介入が行われるからです。

 逆に、文脈情報が与えられないために恐怖体験が長引くと、その記憶は長期記憶化し、トラウマ化していきます。

 クライシスにさいしても、その体験をトラウマにするか、単に役立つ失敗の記憶にするか、前頭前野側からの介入を行えるかどうかが天国と地獄を分かつのです。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 御承知のとおり、「Fight or Flight」とは、人間らしい前頭前野(新しい脳)よりも動物的な大脳辺縁系(古い脳)が優位になる状態。そんな状態からリカバーしてはじめて論理的な思考を行うことができます

 

 それは「レジリエンス」という観点でも重要です↓

 F-142143:不要不急 Vol.34;レジリエンス

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 L-014~20202月リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)レポート

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_410646.html

 

 

-関連記事-

S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17563396.html

S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html

F-035~:クライシス(危機)の本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_395184.html

Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 

 

イヤな気持ちを消す技術


Q-200:医療の場でどのようにコーチングに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

 

 私は、コーチ兼医師として、「医療・介護(業界)」と「コーチング」を“connect”する取り組みを続けています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ずいぶん前にこのような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 (変更を加えています)

 

Q:医療とコーチングを組み合わせて行っているということですが、コーチングは「受けたい」と熱望する人に半年かけて行う取り組み、一方で医療の場はもともと望んでいない人ばかりです。期間の問題もあります。どのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

 

御質問をいただいた頃、私は、医師として関わる患者さんやスタッフにコーチングを行おうとし、病院長として働く職場にコーチングを導入しようと試み、医師会理事として縁ある人々(地域)にコーチングを紹介していました。

 

 結果は惨敗。

 

詳細には、患者さん(&家族):△、スタッフ:〇と×の二極化、職場(経営陣):×、地域:〇といった感じです。職場での“失敗”については、とくに考察を重ねました。エクスプラネーション・パターン法を用いて↓

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 認知科学者 苫米地英人博士は「家族や社員にコーチングをしてはいけない」と話されます。

 Q-177:家族ががんで治療中です… -01;家族にコーチングしない理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25025653.html

 

コーチになりたての頃、正直に言うと、師のそんな教えに挑戦したいと思っていました。「push-push back」が働いていたに違いない私は、「抽象度をうまくコントロールできればきっとうまくいく」と信じていました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 “根拠なき確信”をエフィカシーだと誤解していたのです。本当は知識・経験不足による妄信に過ぎなかったのに。「認定コーチらしくなかった」「私らしくなかった」と反省しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

じつは、私は今も「家族や社員へのコーチング」をあきらめてはいません。縁起を理解し、中観を実践する間にいつかマスターできると信じています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それは確信というより“覚悟”。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 そんな“覚悟”を意識に上げながら、以前いただいた御質問を再び考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

Q:医療とコーチングを組み合わせて行っているということですが、コーチングは「受けたい」と熱望する人に半年かけて行う取り組み、一方で医療の場はもともと望んでいない人ばかりです。期間の問題もあります。どのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

 

A:私がコーチ兼医師として心がけているのは、「生きることの素晴らしさ」を再体験していただくこと。そして、生ききることの素晴らしさ」を見いだしていただくことです。

 (後者は、少なくとも御家族には)

 

 患者さんやその御家族の多くが老病死に伴う苦しみにばかり目を奪われています。RAS&スコトーマの働きによって。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 それは関わる医療・介護従事者も同じ。“いのちの現場”は「ファイト・オア・フライト」に陥りがちです。だから、まずCDCの提言に沿った対処を心がけています。

その1つ目が「最初に最悪の可能性を伝え、それが改善していることを数字で伝える」。4つ目が「恐怖を認め、問題に関連する文脈情報を伝える」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 医療・介護の場での「最悪の可能性」とはもちろん“死”ですが、無意識下では“死”そのものよりも“死に伴う苦しみ(死後も?)”の方を心配されている方が多い気がします。あくまで私の主観ですが。

 だから医師としての私は、患者さんや家族に対して、文脈情報として「全人的苦痛」の説明を行います。とくに身体的苦痛とその対処については詳しく。臨場感が高いからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html

 

 と同時に、患者さん&家族はもちろん、医療・介護スタッフの心理・精神的苦痛や社会的苦痛、そしてスピリチュアルペインにも気を配ります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

 そのような働きかけを通じて大脳辺縁系から前頭前野優位に切り替わることがヒーリングです。そして、それと並行してコーチングに関する知識と技術を使ってアプローチしていくというのが医療・介護現場での私のマネジメントです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 詳しくは下記記事を参考にされてください。

 

 *若者および老人向けのヒーリング&コーチングはこちら↓

 F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

 

 *壮年向けヒーリング&コーチングはこちら↓

 Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html

 

 

 「身体的苦痛」や「スピリチュアルペイン」をまとめて「全人的苦痛」と捉えることは、より大きなゲシュタルトをつくることといえます(connect the dots)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 より大きなゲシュタルトができあがると理解が深まります。「老」「病」「死」という部分を「老病死(+生で四苦)」という全体として捉えることができると、やがて(部分である)「死」そのものの意味が書き換わっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その過程でこそ、「『生きることの素晴らしさ』を再体験していただくこと」と「『生ききることの素晴らしさ』を見いだしていただくこと」ができるはず↓

 F-163~:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html

 

 それが私の現在の取り組みです。

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 老病死に苦しむ患者さんや御家族のためにも、まずは「医療・介護従事者自身が、painを克服し、well-beingに満ち溢れている」ことが重要だと思っています。

そのために「医療・介護(業界)」と「コーチング」を“connect”することが、コーチ兼医師である私のミッションです。

 F-176:“幸福(well-being)とは”? ~antiwithwellpart

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

 

 講義・講演や研修の御依頼は、下記メールアドレスに御連絡ください↓

 coachfor.m2@gmail.com

 

 

-関連記事-

Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 

 

F-148:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える vol.3;トリアージの問題点/課題 <中編>

 

 私は2007年から11年間にわたって病院長を務め、その間に300回の研修会を開催しました。今回御紹介するのは、コーチングを導入しようと奮闘していた院長時代に作成したもの。テーマは「トリアージ(triage)」です。

 (実際には“奮闘”ではなく“粉砕”しましたw

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15110477.html

 

 2008年(苫米地理論と出会う前)に作成後2011年(苫米地理論と出会った後)に作り直したものをベースに、さらに2020年(認定コーチ6年目)の視点で「connect the dots」したいと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

vol.1;トリアージとは?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/23110775.html

 vol.2;トリアージの問題点/課題 <前編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/23211097.html

 

 

vol.3;トリアージの問題点/課題 <中編>

 

このように厳しい状況下でのトリアージには、「最大数の命を救うために、全ての命を救う努力を放棄する」という決断が求められます。医療者は、限られた時間の中で、究極の判断をしなければならないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

ここで厳しい状況下でのトリアージについて、違う表現でまとめます。

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し


繰り返しますが、災害医療は、通常の医療とは大きく異なり、限られた資源(医薬品、医療従事者等)で多くの患者(負傷者)を診なければなりません。よって、冷たいようですが、どうしても“見捨てられる患者”が生じてしまいます。

ここで問題です。

Q1:“見捨てられる患者”が生じることは、「仕方がない」と受け入れ、諦めるべきなのでしょうか?

Q2:トリアージを行う者は何をよりどころにすればいいのでしょうか?

Q3:「限られた資源で多くの患者を診なければならない」 このフレーズを聞いて何か思い当たりませんか?(F-149で考察)

Q4:下記の表現に潜む問題点(課題)とは何でしょうか? (F-150で考察)

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し

 

 

 それではコーチの視点で考察していきます。

Q1:“見捨てられる患者”が生じることは、「仕方がない」と受け入れ、諦めるべきなのでしょうか?

 

 A1:最初に「『仕方がない』と受け入れる」ことはとても重要です。なぜなら、「全員を助けることはできない」という厳しい状況では、医療者自身がファイト・オア・フライトに陥りやすくなるから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 ファイト・オア・フライトの状態とは、簡単にいうと、心身ともこわばった状態。前頭葉前頭前野よりも大脳辺縁系の方が優位になるため、IQが一時的に下がり(「頭が真っ白」「思考がまとまらない」「怒りっぽくなる」など)、普段は簡単にできることができなくなります(「粗暴」「乱雑」「ミスが増える」など)。

 それは抽象度が下がった状態。脳の機能でいえば、人間的な社会的情動(感性)または論理のレベルから、動物的な情動処理レベルに一時的に退化してしまった状態です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 そんな状態では助けられる命も助けられなくなります。だから、まず「『仕方がない』と受け入れる」ことで、自らがファイト・オア・フライトに陥らないようにする(すぐに脱する)必要があるのです。「厳しい状況の中で最大数の命を救う」ために。

コーチとしてしっかり言い換えると、「最大数の命を救う」をゴールにし、「厳しい状況」をコンフォートゾーンに変えてしまう感じです(さらに詳しくは追記で)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 「『仕方がない』と受け入れる」ことはとても重要

 

 しかしながら、受け入れることはOKでも、諦めることはNGです。諦めた瞬間に「もっと救える可能性」がスコトーマに隠れてしまいます。そればかりか解決(改善)のためのエネルギーと創造性を失い、上方修正することができなくなります。現場の状況は刻一刻と変わっていくのに。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 では、「とりあえず受け入れるが、決してあきらめない」ためにはどうすればいいのでしょう?

 その答えはQ2への回答と同じです。

 

 

Q2:トリアージを行う者は何をよりどころにすればいいのでしょうか?

 

 A2:ポイントは「不完全性を忘れることなく思考し続け、ゴールを再設定し続ける」こと。つまり、大乗仏教でいう「空(くう)」をよりどころにするのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

「空」を理解しているからこそ、厳しい状況の中に希望を見いだすことができます。

「空」を体感しているからこそ、“現状の外へ新たなゴールを設定し続けることができます。

「空」だからこそ、リミッターをはずし、潜在能力をフルに発揮することができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

 これらは私が苫米地式認定コーチとして医療・介護現場にコーチングを届け続けている“よりどころ”でもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14833876.html

 

F-149につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 本文中に「コーチとしてしっかり言い換えると、『最大数の命を救う』をゴールにし、『厳しい状況』をコンフォートゾーンに変えてしまう感じです」と書きました。

さらに詳しく述べると、「最大限の命を救う」はエンドステートに相当します。エンドステート、アサンプション、コース・オブ・アクションについて、苫米地博士の著書「コーポレートコーチング(下)」を参考に下記記事にまとめています。「不言実行」がテーマです↓

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973460.html

 

-追記2-
 今回は「厳しい状況下でのトリアージ」をテーマにしていますが、その“状況”自体はどんどん変化していきます。私が医療・介護現場で行う研修では、その“状況”の変化を「レジリエンス」の枠組み(ゲシュタルト)で捉えることを提案しています(「重要度&緊急度によるマネジメント」も)。
 
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 



    Normal Operations ←継続的なモニタリング  第二領域「重要不急」

    ShockCascading ←最低ラインの確保          第一領域「重要緊急」

    Recovery Phase ←準平常ラインの設定           第一から第二領域への移行期

    Restoration Phase ←さらに高いラインに回復 第二領域「重要不急」

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

https://www.youtube.com/watch?v=CZyGvCXnCGI

 


御興味のある医療・福祉関係者の皆さまは、下記メールアドレスに御連絡ください。

(今後、セミナーや研修はオンラインで行う予定です。ただ今準備に奮闘中ですw

連絡先:coachfor.m2@gmail.com

 

 

-関連記事-

    F-140~:不要不急

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_400247.html

    S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563396.html

    S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

コーポレートコーチング




F-147:トリアージ(triage)をコーチの視点で考える vol.2;トリアージの問題点/課題 <前編>

 

 私は2007年から11年間にわたって病院長を務め、その間に300回の研修会を開催しました。今回御紹介するのは、コーチングを導入しようと奮闘していた院長時代に作成したもの。テーマは「トリアージ(triage)」です。

 (実際には“奮闘”ではなく“粉砕”しましたw

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15110477.html

 

 2008年(苫米地理論と出会う前)に作成後2011年(苫米地理論と出会った後)に作り直したものをベースに、さらに2020年(認定コーチ6年目)の視点で「connect the dots」したいと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

vol.1;トリアージとは?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/23110775.html

 

 

vol.2;トリアージの問題点/課題 <前編>

 

どの流派でもトリアージのやり方は簡素化されており、機械的に振り分けられるようになっています。しかし、実際はかなりの混乱が生じる(修羅場になる)と予想されます。

トリアージには精度および倫理の問題が必ず伴うからです。

 

トリアージは短時間で迅速に行うものであり、傷病者を詳細に診察し検査をした上で診断することはできません。したがって、一定の確率で重症が軽症に選別されますし、その逆も起こります。

一般的に、選別基準を厳しくして重症に選別する人数を少なくするほど、重症を軽症と誤る確率が高くなります。逆に、基準を緩くして重症に選別する人数が増えるほど、軽症が多く含まれるようになります。

いずれにせよ、トリアージの精度には限界があり100%の精度は望めません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

トリアージにおけるもう一つの問題が、最重症者の選別における倫理問題です。

傷病者数が少なく充分な医療資源が得られる時は、たとえ救命可能性が低くても重篤な傷病者の治療優先度が最も高くなります。一方、明らかに傷病者数が医療資源を上回っている場合(地震などの大災害時)には、治療によって救命できる可能性の高い傷病者が優先され、重篤すぎる傷病者の治療優先度は低くなります。

つまり、優先度は不変ではなく、「意味は状況で決まる」のと同様に、その時の状況でどんどん変わっていくのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

このように選別基準は状況によって変化するため、異論・反論が生じやすくなります。

最も重篤な傷病者の治療優先度を下げるということは“死の宣告”と同じです。それは一般的な倫理規範に反するため、トリアージを行う者に強い心理的ストレスを与えます。

傷病者やその関係者はもちろんのこと、医療者自身もファイト・オア・フライトに陥りやすくなるといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

さらに、その判断の適否を巡って、後から責任を追及されることさえあります。

前回(F-146)御紹介したJR福知山線事故では、黒タッグをつけられた患者の遺族がトリアージをした医師に復讐を試みたという恐ろしい噂を耳にしました。もしも本当なら、家族はきっと大脳辺縁系優位のままだったのでしょう。それは「動物的怒り」「私憤」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

このように厳しい状況下でのトリアージには、「最大数の命を救うために、全ての命を救う努力を放棄する」という決断が求められます。医療者は、限られた時間の中で、究極の判断をしなければならないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

ここで厳しい状況下でのトリアージについて、違う表現でまとめます。

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し

 

繰り返しますが、災害医療は、通常の医療とは大きく異なり、限られた資源(医薬品、医療従事者等)で多くの患者(負傷者)を診なければなりません。よって、冷たいようですが、どうしても“見捨てられる患者”が生じてしまいます。

 

では、最後に問題です。

Q1:“見捨てられる患者”が生じることは、「仕方がない」と受け入れ、諦めるべきなのでしょうか?(F-148で考察)

Q2:トリアージを行う者は何をよりどころにすればいいのでしょうか?(F-148で考察)

Q3:「限られた資源で多くの患者を診なければならない」 このフレーズを聞いて何か思い当たりませんか?(F-149で考察)

 

F-148につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 もう一問w

 本文中に書いたトリアージの表現は2008年時点の私の考えです。苫米地博士に学び始めた後、この考え方には大きな問題点(課題)があることに気づきました。

Q4:下記の表現に潜む問題点(課題)とは何でしょうか? (F-150で考察)

1)     手を尽くしても助けられない人には何もしない

2)     放っておくと死ぬけれども、すぐ手を尽くせば助かる人をまず最初に治療する

3)     放っておくとよくないが、とりあえず少しは待てる人を次に

4)     放っておいても死なない人は後回し

 

 

-関連記事-

    F-140~:不要不急

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_400247.html

    S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563396.html

    S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 

F-144:不要不急 vol.5;自身の機能・役割を「不要不急」と言われたら... <前編>

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、今春(2020年)、日本中が自粛ムードに包まれました。にぎわいが消えた町の様子はまさに「沈黙の春」のよう。自粛期間中、よく耳にしたのが「不要不急」という言葉でした。

その「不要不急」について考えてみたいと思います。シリーズでお届けします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22636357.html

 

vol.1;重要度と緊急度 <ワーク付き>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22705015.html

 vol.2;「不要不急」や「重要緊急」を決めるもの

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22775911.html

 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22878502.html

 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22931091.html

 

 前回(F-143/vol.4)、こんなワークを紹介しました。

<ファイト・オア・フライトを防ぐ(すぐに回復する)ためのレジリエンス各フェースのポイントを考えるワーク>

Q1:大前提となる「ゼロトラスト」は?

Q2:各フェース(①~④)での取り組みを考えてください

    Normal Operations ←継続的なモニタリング  第二領域「重要不急」

    ShockCascading ←最低ラインの確保          第一領域「重要緊急」

    Recovery Phase ←準平常ラインの設定           第一から第二領域への移行期

    Restoration Phase ←さらに高いラインに回復 第二領域「重要不急」

 

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

https://www.youtube.com/watch?v=CZyGvCXnCGI

 


 私の回答はこんな感じです。

A-1:大前提となる「ゼロトラスト」とは、「誰もが不安・恐怖や怒りの情動により『ファイト・オア・フライト』に陥る可能性があるという認識」

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

A-2:各フェースごとの取り組みは

    want toか?」「リラックスしているか?」等自分や仲間の状態を常にモニタリング

F:不安・恐怖、O:義務感、G:罪悪感が忍び込んでいないか?)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22390484.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

    不安・恐怖や怒り・イライラなどの情動を感じたときは、「ファイト・オア・フライト」や「2つの怒りとその間の論理的思考」などを思い出し、前頭前野優位を取り戻し衝動的な言動を自制しながらゴール設定(情動脳から論理脳へ)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

    「時間の流れ」をふまえ「いい機会だ」と再解釈しながら、スコトーマが外れて得た新たな気づきを踏まえゴールを再設定。新たなゴールに向けて動きだす(論理脳から社会的情動脳へ)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

    ドリームキラーとの戦いを楽しみながらゴールへと邁進。さらなる“現状の外”へゴールを再々設定していく

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

このワーク自体が①のフェースで行うべき第二領域:「重要不急」の取り組みになります。「ファイト・オア・フライト」に陥らないために(すぐにリカバーするために)、ぜひ毎日のスケジュールに落とし込み習慣化してください。

 

 

 …では、今回のテーマに入りましょう。

 2020226日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相は日本全国を対象に「イベント中止・延期要請」を行いました。Perfume(東京ドーム)やEXILE(京セラドーム大阪)のコンサートが当日開場直前に中止になったのをはじめ、文化イベントやスポーツ大会が相次いで中止となりました。先日(同619日)、プロ野球が3カ月遅れで開幕しましたが、無観客での開催が続いています(同6月末時点)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21664055.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21664503.html

 

文化芸術関連やスポーツだけではなく、多くの人の“日常”も変わったはずです。出社時間をずらした人、出社そのものを減らしリモートワーク(テレワーク)中心になった人、自主休業を強いられた人、偏見や誹謗中傷に負けずに働き続けるも経営悪化に直面している医療従事者など

コンフォートゾーンが崩壊していく混乱の最中、リーダー達がよく口にしたのが「不要不急」でした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 それまでのコンフォートゾーンが崩れ、さらには病や死の臨場感が高まっている中での「不要不急」という言葉は、多くの方々の心に重く響いたはずです。
 

自分の仕事は意味がないと言われたような気がして傷ついた

存在価値がないかのように扱われ悔しかった

せめて不急という言葉だけにしてほしい
 

 私のまわりでもそんな声をたくさん聞きました。

 

 F-140/vol.1に書いたとおり、私自身は第二領域:「重要不急」(下図黄色の部分)を常に意識しています。時間管理やゴールの見直し(バランスホイールの確認)に役立つからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22705015.html

 

 

重要度&緊急度マトリックス-3(ver2)



 しかしながら、最も重要な理由は、「時間管理」や「ゴールの見直し」をはるかに超えた次元にあります。それは

第二領域:「重要不急」にカテゴライズされる機能・役割は人生そのものを豊かにする

 ということ。

 

 「不要不急」という言葉を浴びせられたとき、「不急」であるからと落ち込む必要はありません。繰り返しになりますが、むしろ「不急」なものの中にこそ、人生をよりよくするためのヒントが隠されています。

 本当に問うべきなのは重要性(重要度)の方。さらにいうと、重要性(重要度)の抽象度です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 「重要不急」を吟味し実践することは人生を豊かにすることに間違いはありませんが、抽象度が低い場合豊かになるのは自分だけです。それを「趣味」といいます。

 「重要不急」の抽象度が上がっていくほど、より多くの人々が豊かになっていきます。豊かさが縁起空間(社会)に拡散していく感じです。そんな機能・役割のことを「職業」「仕事」といいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 もちろん「重要緊急」な機能・役割も重要です。むしろ緊急であるほど優先度は高いといえるでしょう。しかし、それでも私には「重要不急」なものこそが豊かな未来実現の鍵だと思えてなりません。

 なぜなら

 

F-145につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

F-035~:クライシス(危機)の本質

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_395184.html

F-078~:ヘンリー・フォードの教え

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_342433.html

S-04~:さぁ「人間関係を克服する旅」をはじめよう!(目次)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22305802.html

 

 

I-038:ブログ更新予定変更(シリーズ編第4弾スタート)のお知らせ

 

これまでシリーズ編第3弾(S-03)として、「心のエネルギーとは何か?」をテーマに、怒りに代表される情動の正体やその向き合い方について考察を行いました。きっと何かしらの情動にまつわる思い出があるかと思いますが、御自身の経験と照らし合わせていかがだったでしょうか?

 告知(I-035):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19792909.html

 S-03-00(目次):

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19879680.html

 

 その第3弾が始まったのはちょうど半年前(2019年10月)。その頃は怒りにまつわる相談や質問をいただくことが多かったのですが、最近(2020年4月)は不安や恐怖に関する相談事が俄然多くなってきました。もちろん、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に広がり、暮らしが一変しているからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21664055.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21664503.html

 

先月は私が住む鹿児島でもトイレットペーパーがなくなりました。マスクや消毒用アルコールなら理解できますが、オイルショックの時と同じ現象が再び起きたことにとても驚きました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.htm


売り切れてはいるが完売ではない


これらの行動は、不安や恐怖によって、前頭前野から大脳辺縁系優位に変わってしまったことが原因です。そんな状態を「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」と表現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 文字どおり「闘争か、逃走か」という心理状態に陥った人々は、簡単に言うと“動物的”になっています。短絡的で視野が狭くなり、通常なら言わないようなことを言ってしまい、普段なら絶対にやらないようなことをしてしまいます(反対に、いつもはできることができなくなります)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

 鹿児島の地元紙 南日本新聞の2020年4月11日の一面は、「県内医療者へ中傷深刻」というものでした。記事によると「地元在住でない人をなぜ入院させた」「コロナの患者がいる病院には二度と行かない」などの苦情が殺到。クレームに対応する病院事務職員は、「受話器を取るなり怒鳴られ、罵倒され続ける。電話が怖い」と記者に打ち明けたそうです。

問題は医療現場で働く者への精神的な仕打ちだけではありません。

指定医療機関の看護師は子どもの通う保育園で「医療従事者の子は預からないように検討している」と告げられ、感染者が入院した病院に勤める看護師は同じ学童保育の保護者に利用をやめるように頼まれたといいます。

 

もしも子どもを預かってもらえない医療従事者が増えれば、もともと脆弱な鹿児島の医療体制はあっという間に崩壊するでしょう。そのとき、医療従事者は身体的にも(過酷な労働環境)、精神的にも(悪質なバッシング)、社会的にも(地域の医療崩壊)、苦しむことになります。もちろん、スピリチュアルペイン(自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛)にも苦しむはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 そして、その苦しみは地域の住民にも跳ね返り(医療崩壊)、ますます「ファイト・オア・フライト」として拡散していきます。なぜなら、すべては縁起だから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 問題も、その解決も、鍵は“関係”にあるといえます。繰り返しますが、すべては縁起だからです。

 

 シリーズ編第4弾として新たに始まるS-04では、「人間関係」について考察していきます。ぜひ皆さん自身の様々な“関係”をイメージしながら読み進めてください(Don’t think. Feel!)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

 

 …次回より更新スケジュールを変更いたします

 

 

 月曜日:S-04「さぁ『人間関係の悩みを克服する旅』をはじめよう!」より投稿

 

金曜日:フリーテーマとして、その時々の話題に関連した文章を投稿

 

その他の曜日に、御質問への回答やセミナー開催の告知などを行います(不定期)

 

 

御質問や研修・講演の御依頼等については、コメント欄またはメールで御連絡ください(coachfor.m2@gmail.com)。

 

パーソナルコーチング、医療・福祉機関や教育機関向けのコーチング(研修、講演)の受付も随時行っております。詳細についてはメールで御相談ください。

 

御連絡をお待ちしております。

連絡先:coachfor.m2@gmail.com

 

 

苫米地式認定コーチ                       

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 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

問題です。

鏡の中の自分に微笑んでもらうためにはどうすればいいでしょうか?

 

…私の答えは、これからはじまるシリーズでw

 

 

-関連記事-
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9188068.html

Q-134190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -13

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 内容について御紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 研修内容はこちら(Q-122)↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

 アンケート結果概要(Q-123):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21141120.html

 

 いただいた御意見・御質問に回答いたします。今回から「もっと知りたいこと」です。

 

 

・ファイト・オア・フライトについて

・ファイト・オア・フライトの状態の相手をうまくなだめるできるだけ簡単で効果的な方法を知りたいです

 

A:四苦(とくに老病死)を実感しやすい医療・福祉の現場は、とくに「ファイト・オア・フライト」に陥りやすい場です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 よって、そこで働く人々は、患者(利用者)さんやその家族はもちろん、自分自身や仲間のためにも、「ファイト・オア・フライト」を予防する(すぐにリカバーする)方法を習得するべきです。

 

 その最も重要なものは「ゴール設定」。この記事の最後(4つ下の回答)で取り上げます。

 

ここでは「できるだけ簡単で効果的な方法」をお伝えしましょう。その簡単な方法とは「笑顔」。マザー・テレサは「平和は笑顔とともにはじまる(Peace begins with a smile)」と語りましたが、それは紛れもない科学的事実といえます。

通常、視覚情報は脳の後方(後頭葉)にある視覚野に送られ処理されます。そして、記憶との照合や前頭前野での判断を経て、「それがなんであるか」が認識されるのです。ところが、その経路とは別に、視神経から扁桃体に直結する経路が存在することが明らかになっています。

扁桃体とは「ファイト・オア・フライト」のときに活性化している場。人間の場合、その扁桃体で相手の表情を読み取ることがわかっています。笑顔だとポジティブに、怒り顔だとネガティブに。つまり、笑顔はダイレクトに扁桃体に働きかけるのです。もちろんポジティブに。

ぜひ目の前の相手に対して微笑んでください。いつも微笑むことできる心境でいてください。それは「簡単だがとても効率的」な方法です。もちろん、あなた自身のためにも。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11294790.html

 

 

・イライラしないようにすること

 

A:イライラは決して悪いことではありません。それは(ゴールが生みだす)理想があるゆえに生じる認知的不協和といえるからです。「イライラ」という心のエネルギーを上手く利用することで、理想に向かって現状を改善することができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 ただし、イライラは「ファイト・オア・フライト」のひとつの表現ともいえ、うまく大脳辺縁系から前頭前野優位に戻さないと(リカバーしないと)墓穴を掘ることになります。

 うまく前頭前野優位に戻すための「簡単だがとても効率的」な方法が「笑顔」。そして、最も重要な方法が この記事の最後(3つ下の回答)でw

 

 

PTSDについて(複数回答)

 

APTSDとはPost Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害と訳されます。厚労省のHPには「生死にかかわるような実際の危険にあったり、死傷の現場を目撃したりするなどの体験によって強い恐怖を感じ、それが記憶に残ってこころの傷(トラウマ)となり、何度も思いだされて当時と同じような恐怖を感じ続けるという病気」と記載されています。

 厚生労働省>みんなのメンタルヘルス>専門的な情報>PTSD

 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_ptsd.html

 

私は「本当は誰もがPTSDに苦しんでいる」と考えています。みんな最初は被害者だからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

 

・心の傷を解決する方法をもっと知りたいです

・理不尽度、興味あります

 

A:「もっと知りたい」「興味がある」とは重要度が高いということ。私たちは目の前の世界をありのままに認識しているわけではなく、知識があり(すでに知っていて)、重要度が高いもののみを認識しています。その他の情報はスコトーマに隠れ、認識にあがりません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 その重要度は過去の記憶によりつくられていきます。その多くは他人や社会からの刷り込みです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

 その過去や他人による呪縛から自らを開放する行為が「ゴール設定」。“現状の外”にゴールを設定することではじめて、本当の自分の人生を生きることができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 自ら設定したゴールに向かって生きていると、目の前の世界がすべてゴール達成のための大切なきっかけに感じられるようになります。スコトーマが外れ、ゴールに関係する情報をどんどん見つけていくからです。

そんな体験を繰り返すと、「すべてがつながっている」と実感するようになります。縁起の体得です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 目の前の世界はすべてゴール設定の結果 そのように無意識が納得したとき、理不尽度はなくなります。すべてが自分の選択だから、すべてが“自分自身”だからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

 理不尽度ゼロはストレスフリーの状態。その時、人は真の自由を実感するはずです。真の自由とは、「自らに由る」という釈迦の教えに由来する自由。思考や行動の判断基準を自らに置いた心の状態のことです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

 ぜひ自由に生きてください。自由に生きるほど、心の傷は癒えていきます。

 繰り返しますが、それはゴール設定からはじまります。そして、そのゴール設定は、自分の未来に興味と責任を持つことからはじまります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

Q-135につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

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 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

F-129The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -1;不安に襲われる若者、希望を失う老人

 

 前回(F-128)、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 

 最近、立て続けに、子ども達から心身の調子を崩している友達の話を聞きました。いずれも10代後半から20代前半。本来なら「やりたいこと なんでもできるのさ♪」と人生を謳歌しているはずの若者たちです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268333.html

 

 上記リンクのブログ記事(F-038~)で御紹介したとおり、内閣府が公表している「子ども・若者白書」によると、日本の若者は諸外国と比べて自分を肯定的に捉えている者の割合が低いことが明らかになっています。

 最新の令和元年版においても同様の結果が得られています。「自分には長所がある」と感じている者の割合は、残念なことに、さらに低下していました。

 内閣府「子供・若者白書(R1概要版)」特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~

 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/s0_1.html

 

 米国精神医学会が昨年(2019年)発表した調査によれば、アメリカ人の3人に2人が「健康」「経済状況」「家族の安全」に不安を抱いています。この傾向は若いほど顕著で、1834歳の70%が「経済状況」「家族の安全」に、66%が「パートナーとの関係」に不安を感じているとのこと。全体の約20%はすでにカウンセリングを受けているそうです。

 さらに米国心理学会の報告(2018年)によると、1997年以降生まれの“Z世代”はどの世代よりも心の健康状態が悪く、91%がうつや不安などストレスに関連した身体的または心理的症状を経験していることが判明しました。別の調査でも、過去1年間に「圧倒的な不安」に苦しんだ大学生は63%と多く、大学のカウンセリングセンターを訪れた学生数は2009年から2015年の間に30%以上増えているということでした。

 

 これらの調査結果を、先の日本の若者の自己肯定感の低さと合わせて考えると、日本では若者の心身の不調が他国以上に大きな問題になると予想されます。私のまわりに調子を崩している若者がいるのは決して偶然ではないようです。

 

 では、若者ほど不安を感じ体調を崩してしまうのはなぜでしょうか?

 

 多くの研究者が指摘しているのは、インターネットとソーシャルメディアの普及です。

 

現在、新型コロナウイルスによる感染症が世界的な脅威となっています。ウイルス自体の感染力について、WHO(世界保健機関)は「インフルエンザよりは高くない」という見方を変えていません(’20.3/16時点)。しかし、感染は瞬く間に世界中に拡大し、慎重な印象のテドロス・アダムノWHO事務局長もついに「パンデミックである」との認識を示しました(’20.3/11)。

インフルエンザほど感染力が高くないはずのコロナウイルスが、驚くべきスピードで拡散している理由は、「グローバル化」にあるといえるでしょう。それと同様に、ネットやSNSで世界中と(しかも常時)つながっている若者たちは、事件・事故や災害による悪影響を瞬く間に(しかも持続的に)受けてしまうといえます。世界のどこかで生じた「ファイト・オア・フライト」が容易に“感染”してしまうのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

ネットやSNSの問題は“感染力”だけではありません。過去のブログやセミナーでも取り上げたとおり「依存という“重症化”」の問題もはらんでいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19572599.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19979953.html

 

昨年(2019年)、カナダの法律事務所がシューティングネットゲーム「フォートナイトFORTNITE)」を開発したEpic Gamesに対して集団訴訟を起こす準備を進めていることが報道されました。訴状ではWHOがけがや病気を分類する国際的なガイドラインである「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改訂版で、ふだんの生活に支障が出るほどゲームをやり過ぎてしまう「ゲーム障害」を新しい病気と認定したことにも触れ、ゲーム中毒は病気であることが強調されているそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 

 実際、最新のゲーム開発には心理学や認知科学の知見がふんだんに取り入れられています。つまり、脳と心(マインド)についての科学的探究により、今後ますます“感染力”が高まり、“重症化”していくのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13825013.html

 

では、そんな未来に対して、私たちはどのように向き合うべきでしょうか? 今回のテーマである「The Sweet Goodbye」を実現するために、何を心がければいいのでしょうか?

 

 私の答えは、「マインドについて理解し、しっかりとコントロールする!」です。

 

 マインドに関する知識とスキルは、ネット依存やギャンブル依存、酒やたばこを含む薬物依存といった他の依存症対策にも応用できるはずです。さらには四苦(生老病死)といった生きる上での苦しみの克服にも役立ちます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 なぜなら、ゴールを見つけるから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 そして、希望をもって“今、この時”を生きれるようになるからです。希望あふれる人は自然に元気になり、健康であり続けます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 依存に陥り苦しむのも、依存を克服し元気に生きるのも、すべてマインド次第

 

 

 しかしながら、私の子どもを含む若者たちにとって、“現状の外”へのゴール設定はとても困難に感じられるはずです。

その理由のひとつが今回取り上げた「自己肯定感が低いから」「不安や恐怖に蝕まれているから」です。他にも「スピリチュアルペインを抱えているから(完全にはスコトーマに隠れていないから)」「ドリームキラーの影響を受けやすいから」「知識や経験が不足しているから」などが考えられます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 思いつく様々な理由の中で私が最も危惧するのは、「未来に希望が感じられないから」というもの。それは若者よりも、むしろ高齢者ほど深刻なはずです。老いや病、そして死という四苦(とくに老病死)を実感するほど、希望を失い、さらなるゴール設定が難しくなっていくから。そして、未来という残された時間(生)が短くなっていくからです。

 

 次回(F-130)は私が考える「The Sweet Goodbye」について説明します。その後、「The Sweet Goodbye」実現に必要なヒーリングについて、そして「The Sweet Goodbye」を実現するコーチングについて、若者向けと老人向けにそれぞれ考察したいと思います。

 

F-130につづく)

 

 

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_352303.html

 

 

F-127:続・クライシスの本質 ~首相による「一斉休校要請」と社会の反応を読み解く~ <後編>

 

 2020年2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相は「3月2日から全国の小・中・高校、そして特別支援学校を春休みに入るまで臨時休校とするように」と、各都道府県の教育委員会などを通じて「要請」する考えを示しました。

前日の「イベント自粛要請」に続く大胆な方針は瞬く間に日本中を駆け巡り、教育現場や子どもを持つ家庭(とくに共働き世帯)は大混乱となりました。そんな混乱が社会に拡散してしまったのでしょうか、鹿児島でもドラッグストアやスーパーからトイレットペーパーが消えるといった現象が起きています。

まるで日本全体が「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」に陥ったかのようです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 前回は、米CDC(Centers for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」より、危機に瀕した時の行動(Negative Behavior)とその対策(基本原則)を御紹介しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21664055.html

 

 日本を覆う不安や不満を払拭し、国民が「ファイト・オア・フライト」に陥るのを防ぐ(回復する)ために、安倍首相自身が記者会見を行ったことは正しかったといえます。 

ところが、世間の反応をみると、必ずしも成功したとは言えないようです。

 

なぜ首相の記者会見は評価されなかったのでしょうか?

私たちは何を心がけるべきなのでしょうか?

 

 

…「一斉休校要請」の翌々日(同2/29)に行われた安倍首相の記者会見中、私はすこし不快なデジャブ感に襲われました。その感覚をたどっていくと、日本大学アメリカンフットボール部の「反則タックル問題(2018年5月6日)」に行き着きました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

両方とも、その構図をシンプルに示すと、「A:リーダーの要請」→「B:要請どおり実施」→「C:社会的インパクト発生」とすることができます。

 

「シンプルに示す」とは、「抽象度を上げる」と同意です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

「抽象度を上げる」ということは情報量が少なくなることですので、対立や矛盾は解消されていきます。それは“無敵”に近づくということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html

 

よって、リーダーが「要請」を行う場合、その抽象度の高さが問われるといえます。もしも抽象度が低い「要請」を現場が何の疑いもなく(あるいは忖度して)実行してしまうと、対立や矛盾を内包するネガティブな「社会的インパクト」が生じます。「反則タックル問題」がそのいい例です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040523.html

 

 では、リーダーの「要請」に欠かせないもの、すなわち抽象度の高さを左右する一番大切な要因とは何でしょうか?

 

 …もちろん、ゴールです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 ゴールとは“現状の外”に設定するもの。よって、リーダーの「要請」は、現状維持を是とする多くの人々にとっては不快(不安)に感じられます。コンフォートゾーンの外だからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 もちろん、既得権益とも思いっきり衝突することになります。反対に言うと、既得権益を含む“現状維持のプレッシャー”と戦う覚悟がリーダーには求められているといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13837769.html

 

 安倍首相が下した決断は、少なくとも直接影響を受ける人たちや業界にとっては“現状の外”といえるでしょう。誰もが「ありえない」と思ったはずです。

例えば、2/26の「イベント中止・延期要請」によって、Perfume(東京ドーム)やEXILE(京セラドーム大阪)のコンサートが当日の開場直前に中止になったのをはじめ、文化イベントやスポーツ大会が相次いで中止(または無観客開催)されています。

先日(2/17)、内閣府はGDPの前期比6.3%減(年率換算、季節調整値)という衝撃的な発表をしたばかり。その上に今回の「イベント自粛」や「一斉休校」の要請ですから、経済へ与える打撃ははかりしれません。正直な話、私は「日本沈没」という言葉がよぎりました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

「日本沈没」にリアルな恐怖(不安)を感じた私は、すぐに止観瞑想を行いました。

リラックスし呼吸を整えながら(逆腹式呼吸!)思考を続けている間に見えてきたものは、これらの「要請」の判断根拠がまったく示されていないという事実でした。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18576926.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18684707.html

 

“現状の外”に導くのですから、リーダーには理解を広げていく能力(同調能力)が求められているといえます。そこで必要となるのが論理的思考(トゥールミンロジック)です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html

 

ある論題に対してその行動をとるべきであると判断されるためには、通常、2つのことが必要になります。その2つとは「ケースサイド」と「プランサイド」。すなわち「問題を見つけること」と「問題を解決すること」です。

このケースサイドとプランサイドのふたつの側面において、必要性と有効性を示すことを「立論」といいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

ケースサイド(必要性)には、「ハーム(問題性)」と「インへレンシー(内因性)」という2つのポイントがあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12808495.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12808542.html

 

 プランサイド(有効性)の検証にもポイントが2つあり、「ディスアドバンテージ(不利益)」と「ソルベンシー(解決性)」と呼びます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12935916.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12935992.html

 

 詳細は苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる」(CYZO)を参考にまとめたシリーズ編第1弾(S-01):「よりより“議論”のために」を参照してください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_254557.html

 

念のためですが、論理的思考=同調能力と言いたいのではありません。論理的思考とその思考プロセスの開示は、同調能力そのものではなく、周囲を同調させるための最低限のマナーです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_368012.html

 

 新型コロナウイルスに対する一連の政府の施策に関して、多数の専門家が「エビデンスが示されていない」ことを指摘しています。もちろん、エビデンス(=ワラント、根拠)は明示されるべきです。事実(データ)とともに。
 その上で、エビデンス(=ワラント、根拠)の論拠(バッキング)、確率(クオリファイアー)や例外(リザベーション)といったものまで、しっかりと示すべきだといえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12340209.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12504855.html

 

 最後に取り上げるのは責任能力。当日の会見では「私が決断した以上、私の責任において、様々な課題に万全の対応を採る決意であります」と発言されています。

 首相官邸HP「安倍内閣総理大臣記者会見(令和2年2月29日)」:

 https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0229kaiken.html

 

 責任とは未来で果たすものです。

 よって、重要なのは現在の「決意」ではなく、今後の「行動」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 

 首相がこれから果たす“責任”をしっかり見届けることが、私たち国民一人ひとりに求められている「行動」です。そして、それは国民の権利であり、義務でもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13959033.html

 

 そんな国民の「行動」そのものが、日本を「ファイト・オア・フライト」から救いだす大切な縁起になるはずです。なぜなら、クライシス(危機)とは人のマインドで生じるものであり、その本質は「情報処理が前頭前野優位から大脳辺縁系優位になること」だから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 クライシスとは「転換点」です。「ゴールに向かって“現実”を大きく変革するチャンス」です。変革の成否は、リーダーだけではなく、国民一人ひとりにも委ねられています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_262962.html

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1-

 リーダーの資質については、苫米地博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス)に詳しくまとめられています。

 

-追記2

 R2.3/9、内閣府はGDPの改定値を発表(20191012月)。本文で触れた速報値 マイナス6.3%(年率換算)をマイナス7.1%にさらに下方修正しました。東日本大震災の影響を受けた201113月期のマイナス6.9%よりひどく、前回の消費税増税(58%)時のマイナス7.1%201446月期)に並びました。

 安倍首相のブレーンとして第二次政権発足時から政策を支えてきた藤井聡 京都大学大学院教授は出演したラジオ番組(2019年9月24日)でこのようにコメントしています。「17年間5%で据え置かれた消費税率が、安倍さんがたったの5年で5%から10%に、倍にしてしまうと。これは一般の方が想像する何千倍、何万倍もの悪影響を経済に及ぼす」。

 マイナス7.1%は新型コロナウイルス騒動前の数字です。繰り返しますが、首相がこれから果たす“責任”をしっかり見届けることが、私たち国民一人ひとりに求められている「行動」です。そして、それは国民の権利であり、義務でもあります。


 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_277070.html

 

 

すごいリーダーは「脳」がちがう

すごいリーダーは「脳」が違う

苫米地英人博士のブログから引用

http://tomabechi.jp/archives/50839421.html

 

 

F-126:続・クライシスの本質 ~首相による「一斉休校要請」と社会の反応を読み解く~ <前編>

 

 2020227日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相は「32日から全国の小・中・高校、そして特別支援学校を春休みに入るまで臨時休校とするように」と、各都道府県の教育委員会などを通じて「要請」する考えを示しました。

前日の「イベント自粛要請」に続く大胆な方針は瞬く間に日本中を駆け巡り、教育現場や子どもを持つ家庭(とくに共働き世帯)は大混乱となりました。そんな混乱が社会に拡散してしまったのでしょうか、鹿児島でもドラッグストアやスーパーからトイレットペーパーが消えるといった現象が起きています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

まるで日本全体が「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」に陥ったかのようです。

 

 「ファイト・オア・フライト」とは、高度な情報処理を行う前頭前野よりも本能的な情報処理を行う大脳辺縁系が優位になってしまった状態です。文字どおり「戦うか、逃げるか(闘争か、逃走か)」という心理状態に陥ります。

 

 コロナウイルスに関連して最近よく話題にのぼる米CDCCenters for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中には、危機に瀕した時の行動(Negative Behavior)として下記の4つが挙げられています。

Demands for unneeded treatment:不必要な対処を求める

Reliance on special relationships:特別な関係に依存する

 〇Unreasonable trade and travel restriction:理由なく商業取引や移動(旅行)が減少する

 〇MUPSMultiple Unexplained Physical Symptoms):医学的に説明できない身体症状が複数出現する

 

 「トイレットペーパーがなくなる」は、まさに「ファイト・オア・フライト」が引き起こした現象です(Demands for unneeded treatment)。このままだとますます経済が停滞し(Unreasonable trade and travel restriction)、国民の体調は心身ともに悪化していくことでしょう(MUPSMultiple Unexplained Physical Symptoms)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 「ファイト・オア・フライト」は各人の免疫力低下を招きますので、肝心な新型コロナウイルス対策という観点でも大問題です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21245972.html

 

クライシス(危機)時には「拒絶→不安・恐怖→回避→希望の消失→パニック」と進行していきます。こうした事態に対処するために米CDCが公表している基本原則が下記の4つです。

1.      最初に最悪の可能性を伝え、それが改善していることを数字で伝える

2.      「必ず解決します」などの約束はNG。むしろ状況の不確定性を正確に伝え、その問題を解決するプロセスについてのみ伝える

3.      問題解決のプロセスが進んでいることや状況が改善していることを伝えるために、それを示すデータや数字を継続的に提供し続ける

4.      恐怖を認め、問題に関連する文脈情報を与える

 

 これらの基本原則が目的としているのは「前頭前野優位を維持する(すぐに回復する)こと」。なぜならクライシス(危機)とは人のマインドで生じるものであり、その本質は「情報処理が前頭前野優位から大脳辺縁系優位になること」だからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9815429.html

 

 それを回避(回復)するための原則が先の4つ。簡潔に解説します。

 

 最初に最悪の可能性を伝える

「最悪の可能性」を伝えたらかえってパニックが起こるような気がする方もいることでしょう。確かに「悪いこと」にロックオンしてしまうと、RAS&スコトーマの原理により「悪いこと」ばかりを認識してしまいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

しかしながら、情報の隠蔽を疑ったり、隠そうとする意思を感じ取った時の方が恐怖は大きくなります。その様を表現しているのが、「疑心、暗鬼を生ず」という列子中の言葉です。

 

不確実性を伝え、プロセスについてのみ伝える

 「不確実」なのは不完全性が働くから。この世に“絶対”はありません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 「プロセスについてのみ伝える」のは、人々の意識を未来にフォーカスさせるためです。過ぎ去った(変えられない)過去ではなく、これから創造する未来を鮮明に感じることができるようになると、未来から過去へと向かう時間の流れに乗ることができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

データや数字を提供し続ける

関連する文脈情報を与える

これらは論理的な思考を可能にします。論理的な思考は、もちろん、前頭葉で行われます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11613757.html

文脈情報とは「関連する知的な情報」のことです。データや数字、文脈情報などに触れることで前頭前野が働くようになると、大脳辺縁系の活動が抑えられ、不安や恐怖が消えていきます(=「ファイト・オア・フライト」の克服)。

 情報が集まりゲシュタルトができると、ますます前頭前野優位になることができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 

 以上より、日本を覆う不安や不満を払拭し、国民が「ファイト・オア・フライト」に陥るのを防ぐ(回復する)ために、安倍首相自身が記者会見を行ったことは正しかったといえます。 

ところが、世間の反応をみると、必ずしも成功したとは言えないようです。

 

なぜ首相の記者会見は評価されなかったのでしょうか?

私たちは何を心がけるべきなのでしょうか?

 

次回、私の分析をまとめます。

 

F-127につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 認知科学者 苫米地英人博士の著書「イヤな気持ちを消す技術」(フォレスト出版)には、セルフコントロールの方法を応用した「自分を苦しめるイヤな気持ちを“忘れる”ための脳の使い方」が書かれています。それは、まさに今、最も必要とされる知識!

自分自身のために、大切な人たちのために、ぜひお読みください。

 

 

イヤな気持ちを消す技術(青)



F-122:免疫力をあげる!

 

 12月から2月にかけて、医療・介護の現場はとてもあわただしくなります。その原因はなんといっても感染症。インフルエンザの流行に加え、今年(2020年)はコロナウイルスが原因とされる「新型肺炎」が瞬く間に世界中に広がり、ますます猛威を振るいそうな状況です。

 

感染症とは、「ウイルスなどの病原体が体内に侵入・増殖することで、発熱や咳などの症状がでること」です。

 

したがって、感染症対策としては、まずは「侵入させない」ことを目指します。

そのために、個人レベルでは「手洗い・うがい」「マスク着用」「人込みを避ける」等を徹底して行うことが重要になります。

病院や福祉施設などの組織レベルではさらに、「清潔(消毒)の徹底」「面会制限や外出制限(人の出入りのコントロール)」「空調・飲料水・給食などの管理」等に留意していきます。

 

もしも病原体の侵入を許してしまったら、すぐさま想定を更新して(アサンプションアップデート)、「増殖(拡散)させない」ことに取り組みます。

そのために、先の「侵入させない」ための取り組みに加え、「(流行気に入る前からの)ワクチン接種」「感染者の隔離」「汚染物の管理」「抗ウイルス薬や抗菌薬の投薬」「濃厚接触者への予防投薬」等を行っていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973460.html

 

 感染症に罹患すると、たいていは体温が上昇します。その発熱に対して解熱剤を用いたり、体を冷やしたりすること(クーリング)がありますが、必ずしもよい行いとはいえません。生体に備わった自然治癒力を邪魔することになるからです。

感染症の際に「発熱や咳などの症状がでる」のはホメオスタシス(Homeostasis、恒常性維持機能)の働きです。高熱になることで免疫力が高まりますし、咳がでることで体外への排出(体内の浄化)ができます。倦怠感も大切な縁起。無理ができず、結果的に回復に必要な休息をとることになるからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

それなのにすぐに解熱しようとしてしまうのは、過去の記憶でつくられ強力に維持されている医療・福祉業界のブリーフシステムに由るといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

そして、そのブリーフの根底にあるものは、病に対する嫌悪や死に対する恐怖(不安)であるはずです。さらに「何とかしなければならない」といった義務感や「辛そうにしているのが忍びない」といった罪悪感が加わり、ますます医療・福祉従事者を苦しめます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

 その先に待つのは「ファイト・オア・フライト」。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

医療・福祉従事者が「ファイト・オア・フライト」の状態に陥ると、患者さんやその家族の苦しみはさらに増大してしまいます。ホメオスタシス同調により「ファイト・オア・フライト」が拡散していくからです。

 脳(とくに前頭葉)が発達した人間においては、情報空間にもホメオスタシスが働きます。その進化が医療・介護現場での苦しみを増強してしまうのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 “苦しみの増強”は感染症対策の観点でも問題です。免疫力を下げてしまうからです。

 人はストレスにさらされると緊張状態になります。心理的には「怒り」「不安」「恐怖」「悲しみ」といった情動が有意になり、判断力や創造性、生産性が低下します(=ファイト・オア・フライト)。

 

 体の恒常性を保つ自律神経のバランスが崩れ交感神経優位になると、ノルアドレナリンやアドレナリン、コルチゾールといったホルモン分泌が亢進し、血圧上昇、頻脈、息切れ、頭痛、めまい、血糖異常、痛み増強、不眠などがおこります。

その時、感染症に対する防御の要である免疫力が低下します。ロンドン大学のレインらの研究によって、「怒ると6時間以上免疫力が下がり、他者へのいたわりや慈しみの感情を抱くと24時間以上免疫力が高まる」ことが明らかになっています。

つまり、「免疫力をあげる(高める)」ためにマインド(脳と心)のコントロールが重要であるということ。そのコントロールにコーチングがとても役に立ちます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_384262.html

 

 このような変化は個人レベルにとどまりません。

心理的感染効果(ホメオスタシス同調)により「怒り」「不安」等がまわりに広がると、場を共有する人たちまで免疫力が低下してしまうことになるからです。医療・介護現場でいえば、職員だけでなく、患者・利用者さんやその家族にまでマイナスの影響が拡散していきます。まるで“感染”したかのように。物理空間の秩序に制約される身体においては、加齢とともに確実に免疫力が低下していきますので、高齢者の割合が多い場での悪影響ははかりしれません。

 

 それとは反対に、笑ったり楽しい気分でいると、自己免疫疾患の炎症反応が改善したり、血圧や血糖のコントロールが安定することが知られています。もちろん、免疫力が向上していくことも明らかになっています。怒りや不安を防ぐことが免疫力低下を防ぎ、楽しく働く(生きる)ことが免疫力を高めるのです。

 

心理的感染効果(ホメオスタシス同調)により「笑顔」「楽しい気分」等がまわりに広がれば、場を共有する人たちまで免疫力が向上していくはずです。医療・介護現場でいえば、職員だけでなく、患者・利用者さんやその家族にまでプラスの影響が拡散していきます。まるで“感染”したかのように。加齢とともに低下する免疫力を引き上げることができるのですから、高齢者が多い場ほどそのメリットは大きいといえます。

つまり、「免疫力をあげる(分け与える)」ためにマインド(脳と心)のコントロールが重要であるということ。そのコントロールに、もちろん、コーチングがとても役に立ちます。

 

新たな感染症が世界的な脅威になりつつある今こそ、コーチングを実践する時だといえます。社会のために。そして、未来のために。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12936581.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076878.html

 

 

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Q-124190919リスクマネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)Q&A -03

 

 20199月、鹿児島県の医療法人にて、「リスクマネジメント」をテーマとした研修を行いました。タイトルは「すべてはマインド(脳と心)が生みだしている ~イヤな気持ちをエネルギーと創造性に変える科学的方法~」です。

 研修内容はこちら(Q-122)↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21034051.html

 

研修後のアンケートにはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。

 アンケート結果概要(Q-123):

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21141120.html

 

 いただいた御意見・御質問に回答いたします。まずは「印象に残ったもの」です。

 

 

・ファイト・オア・フライトを防ぐリスクマネジメント(複数回答)

・ファイト・オア・フライトという言葉。自分の経験を思い返すとよくある気がする

 

A:人は進化の過程で前頭前野での思考を手に入れました。

 平常時は、本能的な情報処理を行う大脳辺縁系の活動より、高度な情報処理を行う前頭前野の方が優位に働いています。

 ところが、いったん危機に瀕すると「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」という「戦うか、それとも逃げるか」という心理状態に陥ります。例えば「頭の中が真っ白になる」というような状態です。さらには体もこわばり、ふだんどおりのパフォーマンスができなくなってしまいます。

 「一時的に動物(獣)レベルに退化する」「心身ともにこわばってしまう」 それが「ファイト・オア・フライト」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 米国CDCCenters for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中に、危機に瀕した時の行動(Negative Behavior)として、4つの行動(症状)が記載されています。

 その一つが「不必要な対処を求める(Demands for unneeded treatment)」というもの。

 

 仏教でいう四苦のうち、特に「老」「病」「死」の臨場感が高いのが医療や福祉の現場です。

スコトーマが外れることで「老いる悲しみ」「病による苦しみ」「死に対する恐怖(不安)」を実感してしまった患者さんやその家族は、容易に「ファイト・オア・フライト」に陥ってしまい、つい「不必要な対処」を要求してしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 そんな現場で働く医療・福祉従事者には、自分自身が「ファイト・オア・フライト」に陥らない(素早くリカバーする)ことが求められています。ベストを尽くすために、そして自分自身を守るために。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 

 

・ファイト・オア・フライトがとても印象に残った。イライラした時にまず一呼吸おけたらと思う

 

Aでは、自分自身が「ファイト・オア・フライト」に陥らないために、そして他者を「ファイト・オア・フライト」の状態から救いだすために、私たちは何をするべきなのでしょうか?

 

 その答えが、御指摘の「ひと呼吸おく」です。

 

「ひと呼吸おく」ために、私はCDCのガイドラインを再確認することを勧めています。ガイドラインには、「平常心を取り戻す方法」として、下記の4つの基本原則が記載されています。

 〇最初に最悪の可能性を伝える

〇状況の不確実性を伝え、問題を解決するプロセスについてのみ言及する

 〇プロセスが進んでいることを伝えるため、データや数字を継続的に提供する

 〇恐怖を認め、問題に関する文脈情報を与える

 

 それらの基本原則を復習(復唱)しながら「ひと呼吸」おき、ガイドラインに沿った対応をイメージすることに取り組んでください。必ずイメージどおりにいくとは限りませんが、未来のイメージが不明瞭なままでは解決に導くことはできません。

 コーチングでいう「I×V=R」の実践です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

・「ファイト・オア・フライト」被害者から加害者になりうる 自分の心を強く持ち続けるように日々頑張る

 

A:目の前の世界は失敗の合成です。しかも、そこには情動がべったりと張り付いています。辛い、苦しい、悲しい、悔しい、憎いといったネガティブな情動や怒りなどです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

みんな最初は被害者です。大人になるまでの間にたくさん心に傷を負い、その心の傷(ネガティブな情動が張り付いた記憶)がブリーフシステムとなって生みだしたイヤな世界の中で、ますます心に傷を負っていきます。大人になってからも。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 

 みんな最初は被害者

 しかし、「ファイト・オア・フライト」の状態が続くうちに、やがては自分自身や縁ある人たちを傷つける加害者へと変貌していきます。人間らしさの源である前頭前野よりも、動物的な脳である大脳辺縁系が優位な状態がずっと続くからです。ますます易怒的、攻撃的、他罰的となり、まわりが見えず、未来を豊かに想像することができない状態が続きます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 大切なのは「自分で自分の生き方を選択する」こと。そして、「自身の選択に責任を持つ」ことです。私は、責任が覚悟となり、やがてエフィカシーへと変わっていくと信じています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19033189.html

 

 「心を強く持ち続ける」ことがゆるぎない自己イメージとなった時、「日々頑張る」必要はなくなります。ホメオスタシスが「心を強く持ち続ける」ことを勝手に維持してくれるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 

・ファイト・オア・フライト (転倒の)リスクが起きる。正直、利用者に対して「何で?」と思ってしまうことがあります。今日の講義を聞いて、「私は逃げていたのかな?」って思いました。これからちゃんと落ち着いて行動ができるようにいったん考えて行動していきたい

 

A:念を押しますが、「ファイト・オア・フライト」が問題なのは、前頭前野が働かなくなり、ベストパフォーマンスができなくなるからです。戦ったり(ファイト)、逃げたり(フライト)することそのものが悪いわけではありません。

 

 「私は逃げていたのかな?」と内省する際には、同時に「私のゴールは何か?」をしっかりイメージしてください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 本当はゴールに近づくチャンスだったのに「逃げた」と思う時は、「私らしくなかった。次は○○している」とセルフトークしながら自己イメージを修正してください。時間は未来から過去に向かって流れています。Next chance

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

Q-125につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 コーチング実践者向けに2点追記します。

 

 「自分の心を強く持ち続けるように日々頑張る」には強制的動機(have to)が潜んでいます。「頑張る」「努力」「根性」といった言葉がよぎるときは、いったん立ち止まり(「止観」の止)、ゴールを再確認してください(「止観」の観)。モチベーションはいつも100% want toです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19980130.html

 

 「これからちゃんと落ち着いて行動ができるようにいったん考えて行動していきたい」はセルフトークの第3段階(誓い)です。次の第4段階(新しいイメージについてのセルフトーク)に到達することで、ゴールの世界に向けてRASがオープンになり、スコトーマが外れます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 セルフトークの4ステップについては、下記ブログ記事を参照してください↓

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19152931.html

 

 

Q-124用(リスクマネジメント研修)



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