苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:トゥールミンロジック

L-198202207月医療・介護研修会 -08;ディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行う

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html

 05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36270252.html

 06;世界を一変するためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36301779.html

 07;「イライラ」から「ワクワク・ドキドキ」への流れ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36314050.html

 08;ディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行う

 

 

 前回(L-198)は、モチベーションと重ねながら、「『イライラ』から『ワクワク・ドキドキ』への流れ」を考察しました。まとめると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

1)     まずは呼吸をモニタリング

F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

2)     呼吸(身体機能)の観察 → 心の状態(精神機能)までコントロール =Rゆらぎ

Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのように

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

3)     逆腹式呼吸でリラックスを深め、さらなるゆらぎを得る →大脳辺縁系優位(fight or flight)から前頭前野優位へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

4)     前頭前野をフル活用してゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

5)     ゴール →価値 →want to →「ワクワク・ドキドキ」があふれる

 

 

 この部分に関連して、研修後、このようなコメントをいただきました。

 

何か新しいことにチャレンジしようかと思っているので(悩んでいるので)、頑張ってチャレンジしてみようかと思います

 

 苫米地式における「悩み」とは、「悩むことに夢中になりすぎて行動を忘れている状態」のこと。「一生懸命やらない理由を探している状態」が「悩み」です。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

 それは創造的回避が働いている状態。創造的回避が働くのは「have toが入り込んでいる」からです。きっとまだゴールがないか、あっても「心から望む」ものではないはず。つまり、誰かに「チャレンジ」を仕組まれているということ。

そのままでは無意識が強烈に嫌がってしまいます。だから、

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 「頑張る」「努力」「根性」といった感覚には注意が必要!

 

それらはhave toを前提とする昭和の間違った方法論を象徴する言葉(感覚)だといえます。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「ワクワク・ドキドキ」は、ゴール設定の結果として自然に生まれるもの。ゴールに向かうホメオスタシス活動のあらわれです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ただし、ゴールがしっかり設定でき、その世界(=ゴール側のコンフォートゾーン)の臨場感を十分に高められたとしても、want toがいつの間にかhave toに変わってしまうことがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 私自身は、「want tohave toに変えてしまうもの」として、「Fear(恐怖・不安)」「Obligation(義務感)」「Guilty(罪悪感)」に気をつけています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 「気をつける」をより具体的にいうと、「止観を行う」。

それは以前取り上げたとおり(L-194/04)、「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」こと。

(「止観瞑想」に関する苫米地博士の解説はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 今回は苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZOp221)より引用します。「止観」に関するゲシュタルトを、さらに大きくクリアにしてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

超人脳への道 -止観

 このファイナルトレーニングの「Rゆらぎ」と「Dの排除」を集中して行う作業は古くから「止観」と呼ばれています。文字どおり「心を止めて観る」ということです。「煩悩を止めて観る」ということです。あるひとつのことに「心を停めて観る」というのも止観といえます。ちなみに止観について記述されている天台智顗(ちぎ)による摩訶止観(まかしかん)では、以下のように定義されています。

 

 ●相対の止観

 ①さまざまの悪い覚観や妄念やの思想が静かに休息すること、②心を明らかな真理に依拠させて、現存する念をこれにつなぎとめて、停住させて動かさないこと、③無明に対して観ずること。

 ●絶対の止観

 相対するものがない全一なる仏法の世界。言葉が無用になりすべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられること。

 

 ここで、「相対の止観」の②で、「明らかな真理」というのは、何かということになりますが、本書では、論理的な真偽値が真のものぐらいに理解しておけばいいでしょう。論理の世界を超えるのですから、その論理の世界の真偽値でどう考えても真なものに心を停めて観るというぐらいの解釈でいいでしょう。

 ③で、無明というのは、これは、仏教用語になってしまいますが、「縁起を知らないこと」としましょう。「縁起」というのは、お釈迦様の哲学の基本で、すべての事象が関係から成り立っているという事柄です。この世の中には、(たとえ神がいたとしても)それだけで、他の何者にも依らず成り立っているものは何もないという哲学です。西洋的な定義における絶対神としての神や、道教でいうタオ(それだけであるもの)は、この世には存在しないという哲学です。それを知らないことを無明といいます。

 「絶対の止観」ですが、絶対を否定する仏教において、この絶対はどういう意味かを考察してみましょう。私は超越したという意味で捉えています。超越止観とでもいいましょうか。悟りの世界を表現している文言に読めます。ここで、天台智顗がいう「言葉が無用になり、すべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられる」というのは、まさに、相対的な考えの方法論の現在における頂点であるディベートを超越して、その超越を超えることでそのひとつを示せると思っています。

 もちろん、これは、実際にディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行ってもらって、読者の皆さんひとりひとりに体得していただくしかありません。ちなみに、このレベルが涅槃と呼ばれるものといって過言ではないでしょう。以下は、同じく、摩訶止観からの引用です。

 「色(物質的現象)は無明から生じており、無明は実体がないものであるから、いかなる色も仮のものであり、仮のものであるから常にあるものではなく、そのような本性はないのであるから、空であることがわかるのである。

 また、ほんの一瞬でも心が生ずれば、それは必ず根(知覚器官)と境(それらにより生じる感覚)によって起こるのであり、いかなるものも因縁により生じているのである。因縁によって生じたものはみな無常なのである、あるいは、『一念の心に六十の刹那がある』といい、あるいは、『一念の心に三百億の刹那がある』という。このように一瞬たりともとどまらないので、念々(刹那刹那)の心は無常であり、無常で実体のないものであるから、煩悩は根底からくずれ、業も苦もないことになり、かくして生死の苦悩は滅するから、これを涅槃と名づけるのである。これは色心を分析する観の意である」

 

 空であるとは、縁起のことであり、すべては関係であるということです。ディベートはまさに現代版の修行の体系でもあり、その体感をするのに非常に役に立ちます。

 ただし、ディベートという論理の系のなかにいたのではそれは無理で、それを超えるしかありません。まさにそれを実現する脳が超人脳であり、空そのものを体験する脳ということです。ディベートは縁起を知る(無明から抜け出す)ための現代のサトリ修行でもあるのです。

 引用終わり

 

 

 天台智顗がいう「言葉が無用になり、すべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられる」というのは、まさに、相対的な考えの方法論の現在における頂点であるディベートを超越して、その超越を超えることでそのひとつを示せると思っています

 

 コーチングとは、「マインドの使い方をマスターする」こと。そのコアは「ゴール」と「エフィカシー」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴール;1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る

 エフィカシー;自分のゴール達成能力の自己評価

 

 …つまり、「~したい(want to)」という思いと「できる」という確信。

その思いや確信は左脳的な論理空間における「相対的」な評価ではなく、「ディベートを超越して、その超越を超える」という右脳的な超論理・超言語空間でのもの。

 F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html

 

 その超論理・超言語空間に構築された巨大で抽象的な構造を(非言語のまま)体感することが、「Don’t think. Feel!」の「Feel!」の感覚↓

 L-08520213月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 

 その「Feel!」を重ねるたびに、ますます「Total well-being(全人的幸福)」に近づくはず

 

私はそのように確信しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

L-199につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

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 2025年前期のパーソナルコーチングの受付を開始しました(募集期間は~3月末まで)。

コーチング期間は254月から同9月の6ヶ月間。4コースあります。詳しくはこちらでどうぞ↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36288183.html

 

 

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「<25年前期>コーチング説明会&セミナー」の動画配信を開始しました。今回のテーマは「現状の外をどうやって見つけるか?」。20254月末まで視聴可能です。

ぜひゴール設定の“基本”と“ポイント”を体得してください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36249577.html

 

  

-告知3

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36332004.html

 

 

-関連記事-

F-253Corona Panicに打ち克つ ~ビジュアライゼーションによるゴール達成法~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29357204.html

F-284~:気楽 ver.2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

Q-238~:気楽に生きたいのですが

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418094.html

Q-243~:続・気楽に生きたいのですが~「気楽に生きる」ということ~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418403.html

 

ディベートで超論理思考を手に入れる

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方 eBook : 苫米地 英人:

 

 

L-193202207月医療・介護研修会 -03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 

 

 前回(L-192)、「情報をゲシュタルト化し、知識として身につける」ことについてまとめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

「知識」はとても重要です。

知識とは、「ある可能世界から別の可能世界への到達可能性関数」であり、「潜在的に他者と共有しうる物事の関係性」のこと。

前回の引用文の中で、苫米地博士は「知識のない人は自分の望む生き方はできない」と断言されていました。

 Q-180:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -04;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する> 後編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 「『イライラという可能世界w1』から新たな『ワクワク・ドキドキという可能世界w2』に移行する」という今回のテーマでいうと、「イライラ(w1)」および「ワクワク・ドキドキ(w2)」に関する知識と「w1からw2に移行する(w1w2)」ための知識が必要です。

 (「ワクワク・ドキドキ」に関してはこちらでどうぞ↓)

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 その「『w1からw2に移行する(w1w2)』ための知識」というのが、コーチングに関する知識。ただし、「知識」だけでは足りません。知識はあくまでも大前提です。

 

 以下、苫米地博士の著書「40歳から『差がつく』生き方 奴隷マインドを捨て、ノット・ノーマルで行け!」(PHP研究所、p143)より引用します。前回引用分のつづきです。

 

 

知識を生かすためのロジックも学べ

 世の中には明文化されていない知識もある。ロジックというものも、明文化されているものではない。

 アリストテレスの時代までは、ロジックとして三段論法が使われていた。三段論法は、「アリストテレスは人間である」「人間は死ぬ」「だから、アリストテレスは死ぬ」というロジックだ。

 この三段論法は、真実であることが前提でなければならないが、不完全性定理が証明されてからは、公理系の数学証明そのものが怪しいと言われている。アリストテレスは宇宙人かもしれないし、人間に不老不死の時代が来るかもしれない。その場合には、三段論法のロジックは崩れる。

 現在は、三段論法はあまり使われない。スティーヴン・トゥールミンという人が発明したトゥールミン・ロジックが大人のロジックになって久しい。トゥールミン・ロジックは、ディベートなどでもよく使われ、データ、ワラント、クレームの三つで成り立っている。

 昔ながらの三段論法にしても、トゥールミン・ロジックにしても、公理系の証明にしても、すべて左脳の世界だ。

 「数学は右脳だ」と言う人がいるが、それは数学を知らない人だ。フェルマーの定理を解いた人は右脳で解いたかもしれないが、数学の公理系の作業はすべて左脳の世界だ。言語野は左脳にあるわけだから、言語も左脳の世界だ。ロジック(論理)は広い意味では言語の範疇に含まれるものだ。

 法律を理解する場合に、一字一句、言語的に理解するだけでは十分ではない。論理として理解しなければ使うことはできない。これらの働きはすべて左脳の活動である。

 私たち大人が存在している空間は「左脳空間」だ。会社に行くのは会社との労働契約があるからであって、気分で会社に行くわけではない。

 仕事はみな、知識と論理で成り立っている。知識そのものは脳の側頭葉や前頭前野にパターンとして入っているが、それをどうやって組み合わせて使うかを考えるのは、すべて左脳の作業だ。

 だから、四〇歳までは、まず左脳を鍛えておく。大量の知識を頭に入れて、知識をもとに論理を自在に使えるようにしておかないといけない。

 右脳の活動も大切だが、右脳の大切さは子供のころから死ぬまでずっと変わらない。いくら仕事ができても幸せでなければ意味がない。右脳は前頭前野などと連携して自分を評価する働きをする。「幸せだ」とか「幸せでない」と評価するのは右脳である。幸せを感じる機能は、子どもにも大人にも高齢者にも必要なものだ。

 右脳の働きは感情的な反応とは違う。フェルマーの定理を証明するときの「ひらめき」を生んだのは右脳だが、「ひらめき」は情動ではないし、論理でもない。

 右脳的な能力のない人がリーダーになると、部下を奴隷のように上手に使うけれども、部下からは「あの人にはついていけない。あの人は尊敬できない」と言われる存在となる。尊敬されないどころか、むしろ軽蔑される。

 右脳の働きがないと、人間関係はうまくいかないし、幸せを感じることもできない。リーダー的な仕事が始まる四〇代になると、それまでとは質の違う右脳の働きも要求されるから、右脳の鍛え方も考えておかないといけない。

 リーダーにとって右脳の働きは大事だが、社会生活やビジネス生活の大前提としての左脳の知識量が不足している人が多いから、四〇代までは左脳を中心に鍛えておいたほうがいい。

 引用終わり

 

 

仕事はみな、知識と論理で成り立っている。知識そのものは脳の側頭葉や前頭前野にパターンとして入っているが、それをどうやって組み合わせて使うかを考えるのは、すべて左脳の作業だ。だから、四〇歳までは、まず左脳を鍛えておく。大量の知識を頭に入れて、知識をもとに論理を自在に使えるようにしておかないといけない

 

 「知識」とともに必要なのが「論理」。現代の論理は「トゥールミン・ロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 その「知識」と「論理」は、「左脳の世界」。「側頭葉や前頭前野にパターンとして入っている」知識を「どうやって組み合わせて使うかを考える(=論理)」のは、「すべて左脳の作業」です。

(詳しくはこちらでどうぞ↓)

 S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

右脳は前頭前野などと連携して自分を評価する働きをする。「幸せだ」とか「幸せでない」と評価するのは右脳である。幸せを感じる機能は、子どもにも大人にも高齢者にも必要なものだ

 

 左脳的な働きだけでは、人は「幸せ」を体感することはできません。左脳だけでは「『幻覚』を見破り『付加価値』を生み出す」ことができないからです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 

 それは前回(L-192)挙げた

 

  コーチングは「『目の前の世界』や『人生』を丸ごと変える」ものであり、その目的は「人々をリッチにする」「社会や未来をリッチにする」こと

 

 というポイントとも大いに関係します。

 

リッチ(rich)とは、「金持ち」という意味ではなく、「豊かさ(well-being)」のこと。コーチングは「豊かさ(well-being)」のためにあります。

 L-179202206月医療・介護研修会 -02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 

 つまり、コーチングとは、「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」こと。それができるコーチング実践者のことを、苫米地博士は「超人」と表現されます。

 F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 

L-194につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

 (御質問の受付は終了しました)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html

 

 

-関連記事-

F-290:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.3;「超人脳」獲得への2つのステップ 1)論理を極める

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31350367.html

F-291:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.4;「超人脳」獲得への2つのステップ 2)論理を超える

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31405631.html

F-292:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.5;超人から超人へと受け継がれるもの

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31456569.html

L-175202203月シークレットレクチャー -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

Q-406:コーチング時間はどれくらいが適切でしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35916123.html

 

 

40歳から「差がつく」生き方

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L-191202207月医療・介護研修会 -01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

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 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとして働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 

 

 前回の講義後たくさんの質問や感想をいただきました。その中の一つに「学習(知識)と時間の関係が少し難しかったのですが、又聞いて理解を深めます」というものがありました。

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 私たちは、RASReticular Activating System、網様体賦活系)の働きにより、自身のブリーフ(信念)に従った情報しか取り入れていません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

それは「常にブリーフ(信念)に従うものにロックオンし続け、それ以外をロックアウトしている」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

そのロックアウトが「スコトーマに隠れる」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 あるブリーフ(信念)に基づくロックオン/ロックアウトは、有益な情報を逃してしまう恐れがある上に、間違った情報を信じてしまう危険性まではらんでいます。それが「洗脳」のカラクリ。

 S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html

 

 したがって、「RAS&スコトーマとブリーフシステム(Belief SystemBS)の関係をしっかり理解し、自らコントロールする」ことは、とても重要だといえます。それこそが「自由」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

スコトーマを生みだす/外すポイントは3つあります。

 

1つ目は「知識」。

そもそも私たちは、「知らないもの」を認識することができません。反対に、「すでに知っている」という思い込みは、新たな認識を妨げます。

L-140202111月小学校親子講演会 -03;子どもたちに一番伝えたかったこと

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

 

2つ目は「重要性」。

私たちは重要な情報しか認識していません。その“重要”は必ずしも好ましいもの/ことではありません。

例えば、「イライラしている人が苦手」という人の無意識には、「イライラが重要」と書き込まれています。すごく嫌いな人のことがつい頭に浮かんでしまうのは、その「嫌いな人」の重要性が高いからです。

Q-398~:恨みをメールで送りつけたい気持ちがあります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429964.html

 

3つ目は「役割(責任)」。

そのポイントをシンプルに表現すると、「すべてを自分事にする」です↓

S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

スコトーマが生じる/外れるポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)

 

 つまり、目の前の世界は、各自の「知識+重要性+役割(責任)」の投影だということ。同じような現実を前にしても、認識にあがる情報は人それぞれです。苫米地博士は、それを「一人一宇宙」と表現されます。

 Q-235:「財布を盗られた」といった被害妄想が… vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 その「一人一宇宙」を実態にあわせて厳しく表現しなおすと、「一人一洗脳宇宙」

 

以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(CYZOMonthly Dr.Tomabechi’s Column2月』」より引用します。

 

 

ゴール達成を邪魔する「洗脳」について知ろう

 ゴールを叶えるためにも、この認知戦の時代を生き抜くためにも、「洗脳」について考えることはきわめて重要です。あなたのゴールの実現をはばむ最大の問題はあなたに仕掛けられた「洗脳」だからです。以前であれば、社会的洗脳があったり、互いに洗脳したり、ビジネスに洗脳的手法を使ったり、カルト集団が犯罪として洗脳を使ったりする程度でした。

 しかし、私が2000年に『洗脳原論』(春秋社)を書いたときから予言し、警鐘を鳴らしてきたのは、現代社会が洗脳社会になるということでした。洗脳のカラクリが密かに公開され、多くの人が洗脳的手法を用いるようになる世界が来ると予言していたのです。その予言は的中したと言わざるを得ません。互いに洗脳し合うことにとどまらず、現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています。

 洗脳とはいわば醒めない催眠です。深い変性意識状態になり、第三者の利益のために自身のリアリティーを書き換えられた状態です。特にアンカーとトリガーという心理的手法を使います。アンカーが特定の記憶であり、その特定の記憶を引き出すための言葉やイメージがトリガーです。そのトリガーを見たり触ったりすると、特定の記憶が引き出され、それが考えや行動を決めてしまいます。

 もし洗脳が催眠ならば、夜に眠れば催眠は解けます。なぜなら睡眠は最も深い変性意識状態だからです。しかし、睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。

 これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります。その例の一つが最近のパンデミックです。事実に基づいた反論や論理がまったく通じず、感情だけで大衆が動いてしまい、社会の流れが止まってしまいました。これが「洗脳」社会の恐ろしさです。

 もちろん洗脳はゴールを設定したり、達成することも邪魔します。しかし、洗脳について正確に知ることで、洗脳から逃れることも可能です。洗脳について正確に知ることが、防衛につながるのです。

 引用終わり

 

 

 睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります

 

 私が経験した「説得や論理が通じない」ケースをお話しします。

 (プライバシー保護のため、一部変更しています)

 

 入院中の高齢患者さんの呼吸状態がA型インフルエンザ罹患後に悪くなったため、急遽、御家族に面会をしていただきました。隔離された病室に入るためにガウンや手袋などの個人防護具(PPEPersonal Protective Equipment)をつけていただこうとした際、家族の一人がこのような発言をしたそうです

 

これは何のために着るんですか?

私はもうインフルエンザにかかったんですよ。

私もこれを着ないといけないんですか?

 

 頑なに防護具を拒み続ける家族への対応を私が引き継ぎました。イライラを隠さない家族に話したのは

1)     インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニン(HAH1~H1818種類、赤血球凝集素)とノイラミニダーゼ(N1~N1111種類)という糖タンパクの抗原性の違いから、複数のサブタイプ(亜型)に分類される

2)     同じA型インフルエンザ感染症であっても、サブタイプが違うと再度感染するリスクがある

3)     現在は2種類のA型が流行している

4)     B型も流行する時期に入っている

といった医学的事実。

 

 医学的事実 →根拠(再感染する可能性がある) →主張(感染防御を行うべき)というロジックです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 それでも納得しない家族に対して、やむを得ず、

5)「自分は感染しないからいい」は「自分さえよければいい」と言っているに等しい

6)「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である

と伝えました。

 

 「抽象度を上げて、“自分”の定義をひろげる」ことをイメージしながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 老病死(+生で四苦)の現場では、不安や恐怖から大脳辺縁系優位に陥ってしまうことがよくあります。本人・家族はもちろん、医療・介護従事者も。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 その方もきっと大脳辺縁系優位に陥っていたのでしょう。しかし私は、その言動から差別的なブリーフシステムを感じました。「私は特別扱いされるべき」「私は好きにしていい」という内省言語を生みだすブリーフを。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 もしもそうなら、それこそ「洗脳」。ゴール達成を邪魔する「洗脳」です。

 

 

 前回の研修で確認したとおり、イライラや不幸から自由になるためには、「RAS&スコトーマをコントロールして、『ワクワク』や『幸せ』をしっかり感じる」ことが絶対条件です。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その「RAS&スコトーマをコントロール」の第一歩がゴール設定。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

そして、ゴール設定とともに磨き続けるのが

 

L-192につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である

 

 新型コロナ感染症とその実験薬(いわゆる“コロナワクチン”)との縁を経て、これまでの私のブリーフは大きくゆらぎました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています」という苫米地博士の言葉が重く響きます。

 F-367~:義を見て為さざるは、勇無きなり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429934.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html

 

 

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-関連記事-

F-036:縁起と宇宙と教育や学習の関係 ~「何もないところからレンブラントを発見」の補足説明~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963314.html

F-380:学びと破門で脅しをかける ~自由、フェアネス、平和のために~ <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 

新・夢がかってにかなう手帳 2024年度版




Q-411:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.1;クレーム>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? ご教授いただければ幸いです。


A1:「F-001:やり場のない」は7年前に書いた文章。苫米地式コーチング認定コーチとして3年目に入った頃のものです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516364.html

 

 その“フリーテーマ 1本目の文章”で、私はこのように書きました↓

 

 コーチングにより“現状の外”にゴールを設定し、アファメーション等でその臨場感を高めることができると、「やり場」ができあがります

 

 現状の外にゴール設定すると臨場感が高まる」は少しはしょりすぎ。ゴールを設定してすぐに(あるいは自動的に)臨場感が高まるなら、そのゴール(らしきもの)はまず間違いなく現状の中でしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールは必ず「現状の外」。スコトーマに隠れ、そもそも認識することさえできないものが本物のゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だから、ゴール設定は決して簡単ではありません。私は、コーチとの縁がなければ、ゴール設定は不可能だと思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 コーチングにおける重要なプリンシプルである「I×V=R」を用いて説明すると、「IImagination)」をつくる最初の行為がゴール設定、「VVividness)」を高めるために行うのがアファメーション等。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そうやってつくった「I×V」が「やり場」です。

その「やり場」とは、新たに生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)だともいえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 最近の苫米地博士がよく用いられている表現でいうと、「やり場」とは、「可能世界w2」のことです。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 

 では、先に進みましょう。「『やり場』ができあがります」に続く部分がこちらです↓

 

そうなると「怒り」や「フラストレーション」は、現状を打破し、ゴールの世界に向けて自らをブーストするエネルギーとなります。ゴールを実現するための創造性の源へと変わります

 

 ゴール設定で「やり場(=I×Vw2)」を生みだし、かつその臨場感が十分に高い(Vivid)と、「目の前の現実世界(w1)」と「やり場(=I×Vw2)」とのギャップからエネルギーが生まれます。その状態が「認知的不協和」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 その時に生まれる落ち着かない感じを、暴走させるのではなく、正しく解放することが重要。では、“正しく解放”のために行うことは何でしょう?

 

答えは「きちんとクレームをつける」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

きちんとクレームをつける

 

その基本は何だと思いますか?

 

 以下、苫米地博士の著書「日本人よ、目を覚ませ!」(サン出版、p139)より引用します。

 

 

日本にクレームをつける

 さて、国家破産宣言の話によって日本の問題点が見えてきたのではないでしょうか。政治家、官僚、マスコミ、外資。これらが自分たちの利益の追求のために、何重にも手を組んで私たちの生活を脅かそうとしています。実際、私たちの生活はいままさに苦しく、夢が持てる状況ではありません。

 そんな状況を現実的に変えるにはどうしたらいいか?

 最初にしなければいけないのは、私たちの意識を変えることです。

 多くの日本人はなにか不満があっても、黙って耐えるクセがついています。それが美徳だとすら思っています。不満を口にしたり、怒りを爆発させることはみっともないと思っています。

 しかし、それで得をするのは誰でしょうか。

 やりたい放題にやっている官僚たちや、政治家、マスコミ、一部の企業だけです。ですから、私は提案したいのです。マスコミや行政のやり方に矛盾や怒りを感じたら、きちんとクレームをつけるべきだと

 さて、いまクレームという言葉を聞いてどう思いましたか?

 多くの人が「そんなみっともないことをしたくない」と思ったことでしょう。しかし、この意識こそ、マスコミによって植え付けられた洗脳なのです。そもそもクレームをつけるのは決して悪いことではないのに、いつの頃からか、クレームは、クレーマーという言葉とセットになって、危ない人がするものというイメージに変わってしまいました。

 なぜでしょうか。これは完全にテレビの影響です。一時期、各局でクレーマーたちの理不尽な振る舞いを盛んに映していましたが、あれで得をしたのはスポンサー企業だけでしょう。考えてもみてください。ほとんどの日本人はクレームをつけるべきところですらクレームをつけない、波風が立つことを極力嫌う人たちです。

 クレームというのは本来、企業の側に落ち度があるから起きるものです。私たちが怒るのは、そこで企業の側が誠実な態度を取らないからです。そして企業が誠実な態度を取らないことは多々あるので、我慢強い日本人でも怒ってしまうのです。ところが「クレーマー」という言葉が生まれてしまうと、悪いのはクレームをつける人ということになってしまいます。

 こうして私たちは不良品を掴まされても文句をいわず、従業員の態度の悪さにも我慢するという、企業としても国としても、とても操りやすい人間になってしまったのです。日本人には極力我慢してほしいというのが、企業の、そして国の考え方なのです。しかし、我慢をしていて良いことがありますか? 尖閣諸島の問題は我慢をしていれば解決できますか?

 人間は本来我慢などしてはいけないのです。努力に努力を重ねてなにかを得るという行為は、本質的にはゴールに向かっていく楽しみがありますから我慢とは言いません。ただただ忍耐を強いられているだけ、これが我慢です。いま、私たちはただただ忍耐しろと言われているのです。

 まずはこの意識を改めてください。私たちがいま正当な権利を主張しないと、官僚たちはますます好き勝手なことをするだけです。尖閣諸島で中国のやり方に多くの人が怒っていますが、官僚たちはもっとひどいことを私たちにしているのです。そろそろ、ごく当たり前のクレームをしていきましょう。これが私からの提案です。

 とはいえ、これまでクレームをつけたことのない人がいきなり国にクレームをつけましょうといってもなかなか難しいはずです。ですので、私からいくつか、ここはおかしいという点を提示させていただきます。

 引用終わり(続きはこちらで↓)

 Amazon.co.jp: 日本人よ、目を覚ませ! eBook : 苫米地英人:

 

 

 人間は本来我慢などしてはいけない

  

 我慢や忍耐など、私たちには必要ありません。本来、人は自由であり、差別などありえないから。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 マスコミや行政のやり方に矛盾や怒りを感じたら、きちんとクレームをつけるべき

 

「きちんとクレームをつける」ための基本は、「論理的思考をフル活用する」こと。その論理的思考はディベートを学び実践することで身につけることができます。ちなみに、現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

ディベートを学ぶ目的は、「論理的思考」を鍛え、最短時間で最適解を見つけられるようになること。では、その先にあるものは?

 

答えは「自由」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

論理的思考を徹底的に極めると、論理という系の外に出て自由になることができます。「超論理」「超言語」の意識状態です。

F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html

 

 それは“さらなる現状の外”にゴールを設定するために必須の心の状態です。

 Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35818349.html

 

だから、「やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?」に対する総論的な私の回答は「自由になってゴール設定する」。

 

 一言でいうと「観自在」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 *「論理的思考をフル活用」について、詳しくはこちらでどうぞ↓

01 よりよい”議論”のために : 苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T

 

Q-412につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE           

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

コーチングにおける重要なプリンシプルである「I×V=R」を用いて説明すると、「IImagination)」をつくる最初の行為がゴール設定、「VVividness)」を高めるために行うのがアファメーション等

 

 「アファメーション」の他に行うのは、「ビジュアライゼーション」や「セルフトークのコントロール」+α↓

 L-188202206月医療・介護研修会 -11;臨場感を高めるための一工夫

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35688489.html

 

 さらに私は「共感覚」を重視しています↓

 L-11120218… -13;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-323:観自在 <実践編-3;アファメーション>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

L-070202011月シークレットレクチャー -05「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

L-11220218月シークレットレクチャー -14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <後編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 

 

日本人よ、目を覚ませ!

Kindle版はこちら↓

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F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。

話題が新型コロナウイルス感染症に対しての“ワクチン”になったとき、理事長が私に向けて発した言葉が

 

  あいかわらず尖っていますね

 

 コーチとしてこの言葉を翻訳すると、「あなたは私たちのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)から外れている」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 理事長的には皮肉だったのかもしれませんが、私にとっては褒め言葉です。「Not Normal」と認めていただいているのだから。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなって

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 私は「Yes, I’m good!」とセルフトークを重ねながら、理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)の観察を続けました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 その時に浮かんできたのが

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 

 これは論語の中の一節(為政第二の二十四)。

 論語は、古代中国の思想家で儒教の教祖でもある孔子(紀元前551~紀元前479年)やその弟子たちの言行を、孔子の死後にまとめたものです。

 「学而第一」「為政第二」「八佾第三」「里仁第四」「公冶長第五」「雍也第六」「述而第七」「泰白第八」「子罕第九」「郷党第十」「先進第十一」「顔淵第十二」「子路第十三」「憲問第十四」「衛霊公第十五」「季氏第十六」「陽貨第十七」「微子第十八」「子張第十九」「堯曰第二十」という20編で構成されており、全部で512の短文が収録されています。

 

 その中でもとくに有名な一節が、「義を見て為さざるは、勇無きなり」。

 その意味は「人としてなすべきことと知りながら、それを実行しないのは勇気がないからである」とされています(デジタル大辞泉)。

 

 面談中にわかったのですが、なんと、理事長はコロナ“ワクチン”推進派。日本政府的な言い回しを用いると、「大切な人たちを守るために“ワクチン”接種を推奨する」という考えでした。この場合、「義」は「大切な人たちを守る」で、「為」が「“ワクチン”推奨」です。

 

 「大切な人たちを守る」という「義」は私も同じ(正確にいうと「大切な人たち」は△。追記で取り上げます)。つまり、理事長と私はゴールを共有しているということ。

 ただし、「為」はまったく正反対です。私の「為」は「“ワクチン”絶対阻止」だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

会話を続けながら、私は理事長の「為」を「“ワクチン”推奨」から「“ワクチン”絶対阻止」に書き換えようと思い立ちました。苫米地式でいうと「アサンプション・アップデート」。

F-270:冗長性と多様性 <vol.2;アサンプション・アップデート>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321842.html

  

 「理事長の『為』を『“ワクチン”推奨』から『“ワクチン”絶対阻止』に書き換える」をトゥールミンロジックで表現すると、「ワラント(warrant、根拠)をひっくり返す」。それを「ターンアラウンド(T/A)」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 そのために私は理事長のBSの分析を続けました。具体的にいうと、1)知らない(←スコトーマがある)、2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)、3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)、4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)のどの段階にあるかを見極めながら。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 以下、簡潔にまとめます。

 

 

1)知らない(←スコトーマがある)

 スコトーマが生じるのは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)のいずれかが欠けたとき。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 よって、ゴールを確認し(重要性)、そのゴールと理事長という機能を結びつけながら(役割/責任)、“ワクチン”に関する医学的情報を提供しました(知識)。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

 実際にはこの段階でターンアラウンドが起こったのですが、まだだったなら次の段階に移行するつもりでした。

 Q-207:「縁起」と「因果」 vol.4;家族に対してどんな声掛けをすれば-後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26568420.html

 

 

 2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)

 「不安・恐怖(Fear)」により人間らしい思考(認識・理解・評価・判断)ができなくなる状態のことを「ファイト・オア・フライト」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 さらに私は、「不安・恐怖(Fear)」に加え、「義務感(Obligation)」と「罪悪感(Guilty)」にも気をつけています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 この段階での目標は「前頭前野優位に戻して、維持する」こと。それが私にとっての「ヒーリング(Healing)」です。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 

 3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)

 先ほどの段階の「不安・恐怖(Fear)」と強く結びついているのが「煩悩」。

例えば「お金」とそれに紐付く「不安・恐怖 with 煩悩」が人を動物的にしてしまいますが(大脳辺縁系優位)、前頭前野優位をうまく保てたとしても「お金」の誘惑は続きます(むしろ“誘惑”は強くなるかもしれません)。

 L-144202111月小学校親子講演会 -07;「最高のCOT=コーチング」の真の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33432688.html

 

その結果として判断ミスが起きる というのがこの段階。「お金」に代表されるような「“何か”に紐付いた情動を伴った煩悩」が論理的判断を誤らせる=心が曇る(心曇る)という状態です。

Q-363各エリアのゴールについて想いを… -A2<止;煩悩を意識する>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

この段階では徹底的に論理的思考を重ねる必要があります。それも複数の視点で。もちろんゴールは共有したまま。

詳しくはこちらでどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)

 論理的思考を行う場合に大切な注意点があります。それは「『決して相対化してはならないものがある』ということを忘れない」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

例えば、「“ワクチン”推奨か? 絶対阻止か?」という議論は論理空間上で行われます。論理空間とは、もちろん、情報空間の一部です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

情報空間には不完全性が働きます。つまり、「絶対に正しい答え」や「永遠に正しい解」は存在しえないということ。だからこそ、「命」のように相対化してはならないものを議論の対象にしてはならないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

ところで、皆さんは「人を殺してはいけない理由」を子どもたちにどのように説明しますか?

 

 私の場合、「ぎをゆな(議を言な)!」の一言です。

 (鹿児島弁です。詳しくはこちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19370962.html

 

 

 大切なことなので繰り返しますが、世の中には「決して相対化してはならず、議論の対象にしてはならないこと」があります。それは「論理を超えた空間がある」ということ。

その「論理を超えた空間」のひとつが「倫理(空間)」だと私は理解しています。よって、私にとって「倫理違反」や「倫理性に関する懸念」という表現はとても重く響きます。

F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 トゥールミンロジックにおいては「クリティーク(kritik)」。

「肯定側の推進する論理の背景もしくは前提にある哲学、思想、世界観、利用される用語などが望ましくないものであれば、肯定側のケースやプランの有効性にかかわらず、現実の世界では、肯定側のプランが採択されてはならないという議論」がクリティーク。

わかりやすく言うと、「そもそもおかしい。だから議論する意味(価値)がない」ということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

 そのようなことを思いながら「義を見て為さざるは、勇無きなり」という言葉について考えていたら、猛烈な違和感が湧き上がってきました。このザラザラ感はきっと、「コーチとしてのレッドフラッグ」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 

 ところで、苫米地博士は、「義を見て為さざるは、勇無きなり」についてどのように考えていらっしゃるのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p92)より引用します。

 

 

皇帝が神として君臨するための橋渡し

 

 子曰く、その鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり、と。

(為政第二の二十四)

 

 儒教おける忠義は、もともと先祖に対するものでした。それが論語では、君子を先祖と同様に扱っています。そのため忠義の対象には、君子も含まれるようになりました。論語が世界を席巻した大きな理由の1つです。

 この文は、忠義の対象が先祖から君子へとすり替えられた、橋渡し的な文だと言えるでしょう。「その鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり」と「義を見て為さざるは、勇無きなり」という2つの文は、同じような意味合いです。

 多くは「自分の先祖以外の霊を祀るのはただのおべっか使いだ。逆に、正しいこととわかっていながら実行しないのは臆病者だ」と訳されています。

「自分の先祖以外の霊を祀るのはただのおべっか使いだ」という前半の文からは、「先祖を祀らないことはダメだ」という意図も読み取れます。要するに、「先祖は祀らないといけないが、祀る価値があるのは自分の先祖だけだ」と言っているのです。自分の先祖を祀るのは、当時では当たり前のことだったので、時代の文化として最も受け入れやすい言葉でした。

 しかし、孔子や皇帝というのは、信者からすれば他人です。他人を祀る必要はなく、そこに義はありません。ところが、先にも述べたように、孔子はそれを先祖と同じくらいに偉いのは自分、あるいは皇帝と、祀る対象を君子へとすり替えていきました。例外として孔子や皇帝も含めるのではなく、「この世の父は孔子であり、皇帝である」というのが、この文の論理なのです。

 孔子の本心は「先祖を祀るのと同じように、君子を祀りなさい」ということです。「自分もしくは皇帝以外に諂うのは間違い」と言っているのです。

 後半の文章も同じ意味です。孔子または皇帝を祀ることができない者は、勇気がない者だと言っています。

 「義を見て為さず」というのは、孔子または皇帝に対してやるべきことをやらないことです。拡大解釈すれば、義は正義となります。目の前に正義があるのに、それを実行しない者は腰抜けだと貶めています。

 では、正義かどうかはいったい誰が決めるのでしょうか。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

 

 今回の1)知らない(←スコトーマがある)、2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)、3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)、4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)のどの段階にも大きく関わる重要な概念があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そう、ゴール!

 

 ゴールこそがすべての本質(コア)だといえます。もちろん、「正義」もゴール次第です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

F-368につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

「大切な人たちを守る」という「義」は私も同じ

 

 正確にいうと、「大切な人たち」という表現は△。「大切な人たちを守る」には、「大切ではない人は守らなくていい」という論理(言い訳)が入り込む余地があるから。無意識は“差別”を肯定してしまうかもしれません。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 この部分は「縁ある人たちを守る」と表現するべき。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 同じように感じられるかもしれませんが、「大切な」と「縁ある」はまったく異なります。前者は主観であり、後者は客観です。

コーチングにおいて重要なのは「外側視点」。コーチングは、主観ではなく、客観です。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 

-追記2

 会話を続けながら、私は理事長の「為」を「“ワクチン”推奨」から「“ワクチン”絶対阻止」に書き換えようと思い立ちました

 

 念のためですが、この場合の「書き換え」はコーチングではありません。その理由はクリアですか?

 

 

 私は「リーダーシップ」のフレームで「書き換え」を行いました。コーチングとリーダーシップはまったく別物です。

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

その違いをわかっていなかった私は、かつて手痛い“失敗”を経験しました↓

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124527.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

F-303:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.5;芸術とコーチング(Authentic Coaching)とリーダーシップに共通する境地

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32078054.html

L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html

Q-383~:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429499.html

 

 

洗脳論語

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Q-388:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <中編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 
 ...「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35095081.html

 

 

A2:すべては空。自我も空

 

その事実が意味することは、「人は本質的に自由である!」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 前回(Q-387/前編)の4つのチェックポイントを通じて感じたのは、「不完全性」の理解の重要性。その理解がコーチングのスタートラインだとあらためて思いました。

 F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 

では、残りの3つのチェックポイントをシンプルに解説します。

 

 

 □非単調論理

 かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」ことが大前提だったそうです。それを「単調論理」と呼びます。

 そんな単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。いわば最初のチェックポイント「不完全性」を論理空間に組み込んだような感じでしょうか。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

現実の世界に存在する論理はトゥールミンロジックのように非形式的なもの。これらのロジックは現代分析哲学において非単調論理として形式化されているそうです。詳しくはこちらでどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 □非言語

 トゥールミンロジックを用いたディベートは、通常、言語を使って行われます。よって、言語空間の限界が必ず生じます。「言語束縛」と言い換えることもできます。

 F-0543つのロック(&1つのキー) <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12794797.html

 

ところで、コーチングの基本は非言語です。なぜなら、言語を用いると

 

     want tohave toに変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

     ドリームキラーが生まれる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

     エフィカシーが下がる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

     抽象度の上限ができる

Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

 

     言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 等々、起こりえるから。

 

コーチングだけでなく、じつは、すべてのコミュニケーションの原則が非言語です。非言語コミュニケーションが、人と人のコミュニケーションの原点だといえます。

F-327~:お大事に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427730.html

 

 

 □慈悲(compassion

 「非言語」というコミュニケーションの原点を踏まえた上で、慈悲的内省言語を考えると

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 

 本当に相手のためか?

 相手の立場に立っているか?

 

 

 そんな内省言語を経て実行されるべき慈悲とは、「相手の五大感情『うれしい』『楽しい』『気持ちいい』『すがすがしい』『誇らしい』を感じひろげながら、そのイメージ実現のためにそのときのベストと思われる対応をする」ことであるはず。

 

 私はそれが慈悲の実践の基本だと思っています。

 Q-289:ドーパミンのvol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 

 

 以上の7つのチェックポイントに意識を向けながら、まずは相手の「意図」を明らかにしてあげてください。そもそも「意図」に気づいていないかもしれません。

 

 自分の「意図」に気づいていない

 

 それは自由がないのと同じ。“自分”を生きていないのと同じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p174)より引用します。前回引用箇所のつづきです。

 

 

人は「理性」を超越できる

 その後ゲーデルの不完全性定理は、ロッサー、タルスキー、チューリング、チャーチといった数学者・論理学者たちが拡張していくのですが、IBMワトソン研究所のグレゴリー・チャイティンという数学者はついに1987年にこの定理を、数学全般にまで拡張して証明しました。「任意のシステムSにおいて、そのランダム性を証明不可能なランダム数Gが存在するという定理」がそれです。数学全般に拡張されたということは、

 「物理宇宙から情報宇宙まで含めて宇宙全体に不完全性定理が働く」

 と解釈できます。物理宇宙から情報宇宙まですべて数学で記述できるからです。これをさらに“翻訳”すると、次の意味になります。

 「内部表現という全抽象度に広がる宇宙の完全性は、内部表現の外側に出なければわからない」

 内部表現という言葉を「理性」と言い換えれば、「宇宙の完全性(もしくは神の存在)があるとすれば、それは理性を超越している」という意味でもあります。

 となれば、内部表現という宇宙に外側があるか否かは、哲学的な問いかけとなります。もしもそれがないとすると、自由とは単にランダムな偶然でしか手に入れられないことになってしまいます。

 では、ゲーデル自身はなぜ、不完全性定理の働く系の内側にいるにもかかわらず、不完全性定理に気づき、証明することができたのでしょうか。まさにそれが、彼の悩みでした。そこで出したゲーデルの結論は、

 「宇宙は閉じた系で、外側がある。そしてその不完全性定理の働く宇宙の外側にいるのが神であり、その神が叡智を与えてくれた」もしくは、「理性を超越した存在があり、それが叡智をくれた」

 というものです。それで彼は、神の存在を証明する数学理論をつくるために残りの人生を費やし、晩年は自分が毒殺されるという妄想に取り付かれ、挙げ句の果てに餓死してしまいました。

 私の考えは、ゲーデルと半分同じ。でも、重要な半分で異なっています。「内部表現宇宙には外側がある」もしくは「理性」を超越できる可能性はある。ただ、ゲーデルが閉じた系の内側にいながら不完全性定理を発見できたのは、その外側の神から情報をもらったからではない、そう考えています。不完全性定理は宇宙の基本原理だから、宇宙をメタ(高次元)に思考できれば、発見できて当たり前。メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならないと思うのです。それが、我々の自由意思だと、私は捉えています。ゲーデルの言葉で「数学的直観」と言われるものです。また、ゲーデルの不完全性定理を用いて神の非存在論を1991年に展開したパトリック・グリムの言葉を借りれば「理性を超越するもの」、それが「自由意思」です。

 だから、「内部表現の外側があるか?」と問われれば「イエス」だし、「人は自由意思を持ちうるか?」と問われれば「イエス」、それが私の考えです

 引用終わり

 

 

 メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならない

 「理性を超越するもの」、それが「自由意思」

 

 …7つのチェックポイントを踏まえた上で確認するのは「意図」。

 Q-333:「記憶が抜ける」ようなvol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

 

 「意図性(intentionality)」が、オリジナルを決め、存在の意義を決めます

 

それは「自分とは何者なのか?」を決めるということであり、「宇宙とは何か?」を決めるということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

Q-389につづく)

 

 

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-関連記事-

F-119:公私混同(ワーク付き)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20933874.html

Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

Q-371:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.3;実践編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34120540.html

L-08420213月シークレットレクチャー -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

新・福音書

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L-174202203月シークレットレクチャー -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

 

前回(L-173/06)は、“闇”への対処法について書きました。その本質は「抽象度を上げながら“自我”を巨大化し、自由自在になっていく」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを一言でいうと「観自在」。その実践法がコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

コーチングを違った表現であらわすと、「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けること。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 そのために絶対に欠かせないものがあります。何でしょうか?

 

 

 答えは「知識」。

 今回は、あらためて知識について考えていきましょう。まずは歴史的な話から。

 

 かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」が大前提でした。それを「単調論理」と呼びます。

 そんな単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。

S-01-12三段論法がダメな理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658325.html

 

 その基本構造は「データ(事実)」「ワラント(根拠)」「クレーム(主張)」の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

さらに「バッキング(論拠)」「クオリファイアー(確率)」「リザベーション(例外)」の3つを足した六要素で論理構築が行われます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

 

トゥールミンロジックの6要素

*詳しくはこちらをどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 先ほどの「例外のない法則はない」とは、「リザベーション(例外)」のこと。その根底にあるものを、西洋哲学で表現すると「不完全性」「不確定性」、東洋哲学では「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 いずれにせよ、「正しいもの以外は知識とは呼ばない」という大前提を外し、「間違っていても知識と呼ぶ」「真偽値が定まっていない知識を知識として認める」としたことで、この世界をより正確に記述できるようになりました。それが「非単調論理」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 と、ここまでが歴史の話。

 

 

 現代分析哲学では、知識とは「可能世界から可能世界への到達可能性関数」です。よって、現実世界で実現可能な関係であれば知識、実現不可能であれば妄想といえます。ここでいう現実世界とは、「情報空間のうち誰もが共有している世界」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 抽象度という軸で宇宙を並べ替えた場合の底面、すなわち一番情報量が多い次元が物理空間です。その物理空間が「情報空間のうち誰もが共有している世界」だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 つまり、「現状の自我(BS=p)」が生みだす現実世界という可能世界(←多くにとっては物理空間、w1)から、現状の外への「ゴール設定」で自ら生みだす新たな可能世界(w2)へ移動する関数が「知識」

 

 最新の苫米地博士の表現(「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」)に沿って言い直すと、「現状の自我(BS=p)」という情報場(w1)から新たな情報場(w2)へ移動するための乗り物が「知識」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 以下、苫米地博士の著書「年収1億円プレーヤーの仕事哲学」(宝島社)のCHAPTER-3「情報収集において決して検索エンジンを使わない」(p100)より、2回に分けて引用し(青字)解説します。ゴールの世界(=ゴール側のコンフォートゾーン)に移行する秘訣をマスターしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

年収1億円プレーヤーの仕事哲学

 

 

▶検索エンジンで知識は増えない

 前ページでも述べましたが、1億円プレーヤーは、ネット空間の情報を盲信しません。ですからグーグルなどの検索エンジンで情報を集めることもありません。あなたがもし、「検索エンジンは便利」と思い込んでいるのであれば、まさにそれがスコトーマです。検索エンジンは「意図的な情報操作を受けるリスクのある情報」を信じさせられる可能性がある上に、「決して知識が増えることのない」ものだということを知ってください。

 ネット空間の匿名性の高い情報が、操作を受ける可能性のある信用に足らないものであることは、おわかりいただけたと思いますが、検索エンジンを使っても知識が増えないのはなぜなのでしょうか。

 我々の目の前にある情報は、脳が過去の記憶をもとに「これは重要である」と判断し、認識されています。過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません。

 ですから、もしあなたが検索エンジンで知らない情報を見つけたと感じたとしても、それは必ず過去に知っているものであり、本当に知らないものは認識できません。情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚なのです。

 引用終わり

 

 

 以前(L-171/04)引用した苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)には、このような記述があります。

 

 

 認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです

 

 

 この言葉をシンプルにすると「I×V=R」。

 「I」とはImaginationImageのことで、「脳が過去の記憶をもとに『これは重要である』と判断し、認識」したものの投影です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 「過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません」とは、RASReticular Activating System)&スコトーマ(Scotoma)の話。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 前回(L-173/06)取り上げた「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法としても、RAS&スコトーマをしっかり理解し、正しくコントロールすることが重要です。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その第一歩が「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。そして、そのための基本中の基本が呼吸のコントロールです。

 L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 以下、引用のつづきです。

 

 

▶大切なのは「例」ではなく、「概念」を増やすこと

 あなたの目の前を「車」が通り過ぎたとします。もし、仮にあなたが車という「四輪で動く機械」という「概念」を過去の記憶としてもっていなければ、車を見たとしても、何か得体の知れない動くもの程度にしか認識できないはずです。車という概念が過去の記憶として備わっているからこそ、目の前の車が「新車」や「レアモデル」であるという「例」が、あなたの脳にプラスされていくのです。

 検索エンジンで情報を調べるということは、この「例」を増やしている行為にあたります。あなたの脳が認識できるのは、すでに過去において知っている概念の例に過ぎず、膨大にある例のなかから、ときどき気になる例を引き出しているに過ぎません。ひとつの概念にどれだけの例を増やしたとしても、決して知識を増やしたことにはなりません。

 1億円プレーヤーに必要なのは真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識すること。つまり「例の数」を増やすのではなく「概念の数」を増やすことです。新しい概念を知るためには「まず対象に直接接する」。そして「五感を使って対象を認識」したうえで「抽象度を高めて概念化する」ことが必要です。

 ですから、この章で述べたように1億円プレーヤーは、情報の発信源に自ら実際に行き、五感でその情報を感じ取ることを常としているというわけなのです。

 引用終わり

 

 

 繰り返しますが、「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法の第一歩が、「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。

 

 そして、対処法のコアが「真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識する」こと。そのために「『例の数』を増やすのではなく『概念の数』を増や」していきます。ここで言う「概念」とは、ゲシュタルトのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 新しいゲシュタルトを得るための秘訣が

 

 対象に直接接する五感を使って対象を認識抽象度を高めて概念化

 

 そのプロセスの強化のために、私は「共感覚」をお勧めしています↓

 L-167202201… -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34445624.html

 

L-175につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 苫米地英人博士は著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版)の中で、「(ノートにおける)知識とは、潜在的に他者と共有しうる物事の関係性のこと」と定義され、例として「村上春樹を知っている」という場合の「知っている」の意味を分析されています。

1)知り合いだ                  → 共有できない関係 =妄想

2)名前は知っている       → 知識ではなくラベル

3)どんな作品を書いている人か知っている  → 共有できる関係 =知識

 

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 

苫米地 思考ノート術

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬に開催します。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29906587.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html

L-070202011月シークレットレクチャー -05;「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

Q-362:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか? -A1<ノートとメモの違い>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33589654.html

 

 


L-11620219月シークレットレクチャー -04;論理という“劇薬”

 

20219月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。

*初回の講義はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423518.html

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424749.html

 

3回を通してのメインテーマは「コーチング×医療×脱洗脳。キーワードは「I×V=R」です。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式 I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

じつは隠れテーマがあります。その隠れテーマは“コーチの心得”といえる「ゲバラ主義」。

F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

そのゲバラ主義をイメージしながらお読みください。Don’t think, feel

 

 01;夢

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32063846.html

 02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 03;夢を現実化する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

 04;論理という“劇薬”

 

 

 情報が概念化され、その概念同士がより大きなゲシュタルトを生みだす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

そのゲシュタルトに重要性関数(ブリーフシステム)が乗っかって、目の前の世界(=自我宇宙)が生まれる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 目の前の世界は各自のイマジネーションが生みだしています。一人ひとりの認識がそれぞれの宇宙を生みだします。

 F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

 

 とはいうものの、思いどおりの世界(宇宙)を生みだすことは簡単ではありませんよね。私はよくこのような御相談をいただきます↓

 

理論は理解し、日々実践しているが、実際にはうまくいかない

 

 壁にぶつかったように感じる時は、一度立ち止まってみましょう。逆腹式呼吸を重ねリラックスを深めたら、スコトーマに隠れている課題とその解決を探しだします。気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *「課題と解決」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 個人的に重要視しているポイントをあげると
 「I×V」では、「論理(理論)」にこだわらない
 「R化」では、「論理(理論)」にこだわり使いこなす

 

ともに鍵となるのは「論理(理論)」。ただし、その向き合い方は真逆です。「I×V」では論理(理論)へのとらわれを捨て去り、「R化」では論理(理論)をフル活用するという感じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 *「論理」について、詳しくはこちら↓

 S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 もちろん、論理(理論)は大切です。論理(理論)がなければゲシュタルト化ができない(ゲシュタルト化できても維持できない)から。ゲシュタルト化が不十分であれば、しっかり理解することができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 一方で、論理(理論)にこだわると、リミッターが外せません。もっとコーチっぽく表現すると、「現状の外にゴールを設定できない」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

  

コーチの役目は「クライアントを『超論理』の次元に誘う」こと(“誘導”とは違います)。脳機能でいえば前頭前野内側部の発火であり、苫米地理論でいえば右脳言語野の覚醒を実現することです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、p199)から引用します。

 

 

頭のゴミが多い人は部分の迷路に迷い込む

 ここで念のために言っておきますが、私は論理的思考力そのものを必要ないと言っているのではありません。順を追って筋道を立てて考える論理的な思考力はもちろん必要です。それは思考力の基礎です。また、人に話すときはなおさら論理的な構成力が不可欠です。

 ただし、本当に頭のいい人は、必要に応じて論理的な構築力を使い、また必要に応じて論理を超えることができます。論理と不即不離の関係を保ち、論理にとらわれるということがありません。

 例えば、論理性に欠ける話を聞いてもちゃんと自分の頭で論理的に整理し、論理的にフィードバックする。あるいは、論理的に話していたかと思うと突然、論理を飛び越えてズバッと核心を突く一言を投げかける。そんな具合です。

 私が言っているのは、論理にとらわれてはいけないということ。「考えているうちに頭がゴチャゴチャしてくる」という人は、順を追っているうちに、順を追うことに精いっぱいになってしまっているのです。そして、ABC……と順に考えているうちに、「自分はそもそも何を解決しようとしていたんだろう?」「自分は何を求めていたんだろう?」と、迷路に迷い込んだように、自分が何を考えていたのか分からなくなってしまう。

 「論理(部分)を追っているうちに、論理(部分)の迷路に迷い込む」ということが、あなたの思考とひらめきを曇らせる頭のゴミの正体です。

 そうなってしまうのは、ゲシュタルトができていないからです。

 

 本当に頭のいい人は、ゲシュタルトができているので、たとえ必要に応じて順を追って思考しても、自分の頭の中で迷路に迷うということがありません。

 ゲシュタルトができていることによって常に全体が見えているからです。部分を追いつつ、その部分が全体とどう相互関係しているのかが分かっています。部分を追いながら、常に全体が見えている。部分にフォーカスするのも、全体を俯瞰するのも、自由自在にできる。それが本当に頭のいい人であり、それができるのはゲシュタルトができているからです。

 引用終わり

 

 

必要に応じて論理的な構築力を使い、また必要に応じて論理を超えることができる

 

 ゴール設定においては、論理はむしろ障壁になります。ルールや常識といった社会の価値観もそう。それらは人を現状に閉じ込めてしまう“劇薬”です。

 (詳しくはこちら↓)

 S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_368012.html

 

 一方で、その“劇薬”は「思いどおりの世界(宇宙)を生みだす」ための強力な縁起にもなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 では、最後に質問。

必要に応じて論理的な構築力を使う」「必要に応じて論理を超える」の“必要”とは何のことでしょうか?

論理という“劇薬”をうまく使いこなすために、何を心がけるべきでしょうか?

 

L-117につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)。詳しくはこちらでどうぞ↓

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-関連記事-

F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

Q-223~:コーチングが重要なのは理解しているが、医療現場は忙しすぎて実践できない

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416549.html

Q-259~:コーチングは弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまないのだろうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419730.html

 

 

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!(Kindle版)

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F-290:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.3;「超人脳」獲得への2つのステップ 1)論理を極める

 

 20233月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、日本代表が米国代表を下し3度目の優勝。日本中が感動(&感謝・希望)に包まれました。

 PM-07-02:釈迦が教えてくれること ~3Kを新たな3K

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15395021.html

 

 私の中のMVPは、やはり大谷選手。中でも一番心が揺さぶられたのは、決勝戦前のこの言葉です↓

 

 

 今日1日だけは、やっぱり憧れてしまったら超えられない。

 僕らは今日超えるために、トップになるために来たので、

 今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう!

 

 

 …WBCを縁にコーチとして考えたことをまとめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 vol.1;アファメーションの秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31244338.html

 vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 vol.3;「超人脳」獲得への2つのステップ 1)論理を極める

 

 

 エースで主力打者

 まるで漫画の主人公のような活躍を続ける大谷選手は、まさに「超人」!

 

 「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳のつくり方」(CYZO)の中で、苫米地博士は超人の条件を「多方面の分野で図抜けた実績を出せること」とされています。

 「図抜けた実績」のために必要なのは「革新的な発想」。「革新的な発想」は、徹底的に「論理」を極めたうえで、論理を超えた「超論理」の境地にまで達することで獲得できます。

 

 まずは徹底的に論理を極める

 それが「超人脳」獲得への最初のステップ。

 

 論理的思考を鍛えることができるのが「ディベート」です。ディベートをマスターすると、1)最短時間で最適解を見つけられるようになり(=普通のひらめき)、2)論理という系の外に出て自由を手に入れることができるようになります(=本物のひらめき)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」。それはイギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)により1960年代に提唱された論理的構築法です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26062728.html

 

トゥールミンロジックは、いわゆる三段論法に代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないために提唱されました。それは排中律の世界から無分別の次元へのパラダイムシフトと考えることができます。

F-231~3錠じゃないと飲まん!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418468.html

 

基本は「データ(data、事実)」「ワラント(warrant、根拠)」「クレーム(claim、主張)」の3要素。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 その3要素に「バッキング(backing、論拠)」「クオリファイアー(qualifier、確率)」「リザベーション(reservation、例外)」の3つを加えた6要素でディベートは行われます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

トゥールミンロジックの6要素

 

その6要素を用いて行うのが、「問題を見つけること(ケースサイド)」と「問題を解決すること(プランサイド)」。繰り返しますが、その目的は「最短時間で最適解を見つけること」です。

ケースサイド(case side)とは「必要性」のこと。具体的には「その問題(課題)がいかに大きいか?」「どれほど行動の必要性があるか?」を突きつめていきます。

プランサイド(plan side)とは「(行動の)有効性」。それは「行動をすることでニーズ(ケース)がきちんと解決するか?」を検証することです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 ケースサイドには2つのポイントがあります。ハーム(harm、問題性)とインヘレンシー(inherency、内因性)です。

 

 ハームとは「そのプランを実行しないとどの程度の影響がでるか?」。重要性(シグニフィカンス)が大きいほど、そのプランを実行するべきということになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

インヘレンシーとは「ハームの内因性の論理」。否定する側から見た場合、「ハームが現状(Status Quo)に内因的であるかどうか?」や「論題(プラン)を採択することのみでハームは解決するのか?」を確認することです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

余談ですが、「現状を維持すれば問題が修復されるのであれば、そんなものはハームではない」というインヘレンシーの論理をコーチング理論に変換すると、「現状を維持しても達成されるのであれば、そんなものはゴールではない」...

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 プランサイドにも2つのポイントがあります。ディスアドバンテージ(disadvantage、不利益)とソルベンシー(solvency、解決性)です。

 

ディスアドバンテージは、クレーム(主張)に対して「そのプランだと大きなディスアドバンテージが生じる」と攻撃すること。それは「プランを実行しない方が、最終的にアドバンテージ(利益)が大きい」と証明することでもあります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

ソルベンシーは「プランサイド(有効性)がケースサイド(必要性)に対して解決能力があるか?」を確認すること。解決策が必要性とあっているかを確認することを「ミート・ニード」といいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

 

 ここまで「論理を極める」ためのトゥールミンロジックについてシンプルにまとめました。その目的は「論理的思考によりスコトーマを外し、不完全性を前提に最適解を導く」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 それは前頭前野背外側部を発火させ、左脳言語野をフル活用すること。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 その上で取り組むのが、「超人脳」獲得への2つ目のステップ。次回シンプルにまとめます。

 

 *「トゥールミンロジック」について、詳しくはこちら↓

 S-01~:よりよい“議論”のために(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

F-291につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 今回説明した論理的思考を、もう一段抽象度を上げて考えることがとても重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

具体的には「ストックイシュー(stock issues)」「カウンタープラン(counter plan)」「カウンターワラント(counter warrant)」があります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

 中でも私が重要視しているのが「クリティーク(kritik)」。それは「相手の前提となっている価値判断そのものを疑う」というブリーフ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

昨今の“ワクチン”騒動を鑑みると、認知戦の時代を生き抜く“鍵”だといえます。

 F-281~:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

 

 それはレジリエンス(resilience)の大前提「ゼロトラスト(zero-trust)」とも通じるはずです。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

 

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今年度のオンラインセミナー開催は2回の予定です。詳細はあらためて告知いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

I-098:【重要】大切な人の命を守るために ~新型コロナワクチンに関する情報(リンク先)の御紹介~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30221437.html

F-061~:バイオパワー(生権力)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

Q-197:前代未聞の国会愚弄事件をなぜ衆参両院の憲法審査会は取り上げなかったのでしょうか? クズ政府の他責にせず自己責任なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26238799.html

 

 

 

I-098:【重要】大切な人の命を守るために ~新型コロナワクチンに関する情報(リンクあり)の御紹介~

 

 現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 その基本は「データ(data)」「ワラント(warrant)」「クレーム(claim)」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 さらに「バッキング(backing)」「クオリファイアー(qualifier)」「リザベーション(reservation)」を加えた6要素でディベートは行われます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

 

トゥールミンロジックの6要素

 

 *詳しくはこちらでどうぞ↓

 S-01~:よりより“議論”のために(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 

 例えば、「大切な人の命を守るために、ワクチンを打ちましょう」という場合、「大切な人の命を守るために」が根拠(ワラント)、「ワクチンを打ちましょう」が主張(クレーム)です。

 

 では、その根拠の根底にある事実(データ)は?

 

 

 肯定側の推進する論理の背景もしくは前提にある哲学、思想、世界観が望ましくないのであれば、肯定側のケースやプランの有効性にかかわらず、そのプランは採択されてはなりません。それが「クリティーク(kritik)」。

 S-01-18:反論力を身につける4つの戦略

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

 「大切な人の命を守るために、ワクチンを打ちましょう」の背景にある世界観とは、一体どんなものものなのでしょうか?

 

 

 以下、コロナワクチンに関する最近の勉強会(動画)のリンクです↓

 

□新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える勉強会(2022.11.25

 【完全版】令和4年11月25日新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える勉強会  - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

□コロナワクチンについてわかってきた事実/世の中の流れを変えていく勉強会(2022.11.04)

 コロナワクチンについてわかってきた事実/世の中を流れを変えていく勉強会 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

 

 大切な人の命を守るために、いえ、すべての命のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

  

-追記-

 こちらもぜひ↓

 Dr.苫米地英人がコロナワクチンを解説 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

   

-関連記事-

I-092:【重要】「[超党派議連]ワクチン大議論会 2022.10.18」動画のお知らせ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29928102.html

F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html


 

  

L-08020213月シークレットレクチャー -03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>

 

20213月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t think, feel!」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 *初回講義(202011月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html

 *2回目講義(20211月)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 

 01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html

 02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>

 

 

 心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと。いかにそれを言語を使わないで引き起こすのかということが極めて重要

 

 これは前回引用した苫米地博士の言葉。

 博士のこの言葉をストレートに受け取ると、各人の「言語能力」がとても重要であることがわかります。コーチングの枠組みでいうと、クライアントの「言語能力」です。

 

抽象度を下げて少し具体的に表現すると、私が思う言語能力とは「言語を用いてゲシュタルトを構築する能力」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 これから「言語を用いたゲシュタルト構築」について、2回にわけてまとめます。今回は基礎編。私が基礎としているのは「トゥールミンロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 トゥールミンロジックとは、現代ディベートの論理。いわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が適さないと考えて提唱された現代の論理技術です。

 (「適さない」理由はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 トゥールミンロジックを身につけると、論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養うことができます。

 情動とは、例えば「動物的な怒り」「私憤」といった大脳辺縁系優位の状態。トゥールミンロジックによって、大脳辺縁系優位を防ぎ(すぐにリカバーし)、前頭前野(背外側部)優位を保つことができます。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 コーチの視点で考えると、トゥールミンロジックの目的の1つは、「論理脳を鍛え、最短時間で最適解を見つけるようになる」こと。

 

ゴールは“現状の外”です。それは「絶対に達成不可能」「どうやったらいいのか、まったくわからない」という感じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 そんなゴールをしっかりと実現(実装)するためには、知識とその知識を運用する能力が欠かせません。その「運用のための論理力」を養えるのがトゥールミンロジックです。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 トゥールミンロジックのさらに重要な目的は、「論理的思考を徹底的に極めることによって、論理という系の外にでる」こと。その結果、ますます“現状の外”にゴールを見つけることができるようになります。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 なぜなら、ブリーフシステムによる自動思考を止めて、“本当の自分”の頭で考え、一段高い抽象度で物事を捉えることができるようになるから。それが「止観」を意味する方の「思考停止」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 *苫米地博士による「止観」の解説はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 

 では、簡潔にトゥールミンロジックを説明します。

 

 基本構造は「事実(Data)」「根拠(Warrant)」「主張(Claim)」の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 さらに「裏付け(Backing)」「確率(Qualifier)」「例外(Reservation)」を加えた6つがコアになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

 

トゥールミンロジックの6要素

 

 この6つのコアをベースに「問題を見つけ、解決する」のがディベート。「問題を見つける」ことをケースサイド(case-side)、「問題を解決する」ことをプランサイド(plan-side)と呼びます。

 

ケースサイドとは「必要性(ニーズ)」のこと。ある問題があったとき、「その問題がいかに大きいか」「どれほど行動の必要性があるか」ということをいいます。

プランサイドは「その行動(プランを実行すること)の有効性」のこと。その行動をすることで「ニーズ、すなわちケースサイドがきちんと解決するのかどうか」ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 実際に「問題を見つけ、解決する」際には、以下の4つのポイントを踏まえながら考えていきます。

 

<ハーム(harm)>

プランを実行しないとどの程度の影響がでるのか? 本当に問題か?

-重要性が大きいほど、そのプランをより実行すべきということになる

-ハームとは異なった意味合いでアドバンテージ(利益)とも表現する

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

<インヘレンシー(inherency)>

ハームの内因性の論理 ハームの本質的な原因は何か?

-否定する側から見た場合、そもそもハームが「現状(Status Quo)」に内因的であるのかどうか? そもそも論題を採択することでのみハームは解決するのか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

<ディスアドバンテージ(disadvantage)>

プランを実行するとかえって不利益が生じるのではないか?

-プランを実行しないほうが、最終的にアドバンテージ(利益)が大きいと証明すること

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

<ソルベンシー>

解決能力があるか?

-別名「ミート・ニード」。解決策が必要性とあっているかどうか

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

 

 このトゥールミンロジックは、言語を用いてゲシュタルトを構築するための基礎。マスターすると、情報空間を自由自在に移動する(操作する)ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 次回は「言語を用いたゲシュタルト構築」の応用編。苫米地博士から教えていただいている「情報空間を自由自在に移動(操作)するための思考法」についてまとめます。

 

L-081につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

「トゥールミンロジック」を身につけると、論題を自らの情動と切り離し、相対化して、物事の裏表両方を見る視点を養うことができます

 

 ただし、「トゥールミンロジック」は絶対ではありません。例えば「相対化」はメリットがある一方で(solvency)、大きなデメリットもあります(disadvantage)。

 

 *「相対化」のメリットの一例はこちら↓

 Q-285:ドーパミンの分泌をvol.5;ドーパミンをモニタリングする -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29811912.html

 

 *「相対化」のデメリットの一例はこちら↓

 S-02-15:マナーやルールに潜む罠 -2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19370962.html

 

 詳しくは苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる」(サイゾー)で御確認ください。Kindle版は↓

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第8回目(R4.11/27開催)のテーマは「現状の外」。こちらで御確認ください↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29987722.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

Q-201:コーチングでは「最悪を想定する」ことはどう考えればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26357342.html

S-01~:よりよい“議論”のために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 

ディベートで超論理思考を手に入れる

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Q-224:コーチングが重要なのは理解しているが、医療現場は忙しすぎて実践できない 後編;本質的な原因は?

 

 医療・介護の現場からコーチングに関する講演や研修の依頼をいただいたとき、必ずといっていいほど取り上げているのが「トータルペイン(全人的苦痛)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル」という4つの苦痛について説明し、それらをトータル(total)とみる視点や視点の移動についてお伝えしています。

「視点」とは抽象度のこと、「視点の移動」とは抽象度を上げることです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 先日も地域の安全と安心を支えている大病院で、「トータルペイン(全人的苦痛)」や「抽象度」について話をさせていただきました。その際、このようなコメントをいただきました。

 

コーチングが重要なのは理解しているが、医療の現場は忙しすぎて実践できない

 

 医療現場の過酷さを知る医師兼コーチとして、一般向けに回答させていただきます。

 前編;何にwell-beingを感じるか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27659615.html

 

 

後編;本質的な原因は?

 

 つまり、マインドについて教わりながら“現状の外”へのゴール設定を強力にサポートしてもらう本物のコーチングなしでは、シンのwell-beingは決して実現しないということ。

 「医療の現場は忙しすぎて実践できない」は紛れもない事実ですが、「忙しすぎる」が問題の本質ではないはずです。最大の問題(課題)は、「本物のコーチングがスコトーマに隠れていること(わからないこと)」であり、「本物のコーチにアクセスできないこと」だと私は思っています。

 

 

 ところで、ディベートで「問題の本質」を何というか御存知でしょうか?

 

 答えは「インヘレンシー(内因性)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

インヘレンシーというのは「ハームの内因性の論理」です。

否定する側から見た場合、そもそもハームが「現状(Status Quo)」に内因的であるのかどうか、したがってそもそも論題を採択することでのみハームは解決するのかということを指します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

「現状」が肯定側のプランなしでもハーム(問題)を解決することができるのであれば、肯定側のプランはいらないという論理でもあります。もしくは、「現状」を維持すれば問題が修復されるのであれば、そんなものはハームではないという論理です。

逆に、肯定側から見れば、「現状」に内因的であるならば、これは放っておいてもなおらない。それなら肯定側のプランを採択しなければならないという論理です。

 

よって、インヘレンシーは、ハームの本質的な原因は何かという議論といえます。

 

今回のテーマでは、「医療の現場でなかなかコーチングが実践できないのは忙しいからなのか?」「忙しさを解決できたら、医療現場でもコーチングの実践ができるのか?」ということ。

 

インヘレンシー(内因性)はさらに、「構造性インヘレンシー」「行動性インヘレンシー」「実存性インヘレンシー」の3種類に分けることができます。

(ちなみに、これは「抽象度が下がる」=「より具体的になる」方向性です)

 

 

1つ目の「構造性インヘレンシー(Structural Inherency)」とは、法律、条約、判例、閣議決定、省令その他の法もしくは法に順ずる「障害(Barrier)」があり、現状では肯定側のプランを採択しようがないという論理です。サブタイプとして「構造ギャップインヘレンシー(Structural gap Inherency)」があります。これは法的な阻害要因ではないが、過去の立法の不備などで、そのままでは現状の中で肯定側のプランを採用しようがない場合のこと。

 

現在、「医療・介護の現場にコーチングを導入してはならない」といったような障害(Barrier)はありません。反対に、法律で「医療機関や介護施設はコーチングを実践しなければならない」や「常勤のコーチを配置しなければならない」といったことが決まれば、コーチングの実践はしやすくなるかもしれません。

しかし、私はコーチングの義務化には反対です。

コーチングそのものが、want toではなく、have toになってしまいかねないから。それでは本末転倒。私はその怖さを身をもって体験しました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html

 

まずは保険点数的なインセンティブ(=予算)を期待したいところです。「ニンジンぶら下げ方式」(←プライミング)っぽいですが、それは「構造ギャップインヘレンシー(Structural gap Inherency)」を解決するための一助となるはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10987549.html

 

 

 2つ目の「行動性インヘレンシー(Attitudinal Inherency)」とは、政権の思想や主義などにより、現状では肯定側のプランは採択されることはないという論理です。「Attitudeは『態度』だが行動性と訳すほうが五感としてあっている」と苫米地博士はおっしゃっています。

 

 コーチングで「Attitude」というと、「無意識の判断」のこと。その判断基準は情動を伴った体験の記憶でつくられています。そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ブリーフシステムは日々強化されていきます。昨日までの記憶で今日を生き、今日の記憶を加えて明日を生きるからです。その過程で認識するものは全て「過去」。つまり、最も経験豊かなベテランほど「過去に囚われがちで危険」といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

組織のトップが過去に拘泥したままだと、その「思想や主義」により「コーチングの実践」は難しくなります。難しいどころか、確実に潰されるでしょう。ドリームキリングです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

反対に、トップやその周辺の人たち(私の経験でいうと“経営陣”)に理解と覚悟があれば、必ず道は開きます。トップとは、国レベルなら総理や厚労相、地域レベルなら医師会長、病院なら院長や部門長のことです。

「理解」とはゴールが生みだすビジョンの共有のこと。私の言う「覚悟」とはエフィカシーです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

「実存性インヘレンシー(Existential Inherency)」とは、なんらかの問題(ハーム)が現実問題として現状に継続しているというハームの実存性から、放っておいても問題解決は現状ではあり得ないという論理です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

ハーム(例:トータルペイン)が実際に存在しているのに、現状で肯定側のプラン(例:コーチングの実践)が実行されていないということは、何か見えない要因が肯定側のプランの採択を阻害しているに違いないという論理です。それは「本当の問題(課題)がスコトーマに隠れている」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

「解決(plan)がわからない」のではなく、「問題(case)に気づいていない」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

さらにいうと、「『問題に気づいていない』ことに気づいていない」。仏教でいう無明です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 「気づいていない」ことに気づいていない医療・介護現場が抱えている本当の問題(課題)が「本物のコーチングがスコトーマに隠れていること(わからないこと)」と「本物のコーチにアクセスできないこと」であるというのが私の考えです。

 

 

今回取り上げたインヘレンシー(内因性)とは、「肯定側のプランを採択する以外の方法ではハームを解決することができない」という論理でした。まとめると、

 

コーチングの実践なしではスピリチュアルペインを含むトータルペインを解決することはできないため、医療・介護業界がコーチングを知り、コーチにアクセスできるようにする必要がある

 

 それが私の主張(claim)であり、切なる願いです。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 今回の記事は、私の師である認知科学者 苫米地英人博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる」(CYZO)を参考にしています。

 現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」と呼ばれています。そのトゥールミンロジックは、ヒーリングやコーチングはもちろん、医療にも大変役立ちます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 論理脳を駆使して最短時間で最適解を見つけられるようになるから。そして、論理脳を極めることで論理という系の外に出て自由になることができるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 「系の外」とは現状の外のこと。ゴール側から新たな“自分”を作りあげることができるという自由を手に入れると、人はどんどん元気になり、ますますクリエイティブになります。

 

 

-追記2

コーチングの実践なくしてスピリチュアルペインを含むトータルペインを解決することはできないため、医療・介護業界がコーチングを知り、コーチにアクセスできるようにする必要がある

 

 上記はディベートでのケースサイド。それは「問題を見つけること」。

 そして、「見つけた問題を解決すること」がプランサイドです。

 

 本来はプランがなければケースを叫んではなりません。かえって現状維持が強まるから。

 私のプランは、もちろん“現状の外”。それは「忙しすぎて実践できない」という問題(課題)も解決するはずです。2022年の最重要課題とし、取り組みを加速させるつもりです。経過はこのブログで報告します。

 F-140~:不要不急

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400247.html

 

 

-関連記事-

S-01~:よりよい“議論”のために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124527.html

 

 

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