苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:ゼロトラスト

L-203202207月シークレットレクチャー -01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 

20227月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 

 

 最近、衝撃的な事実(data)が公表されました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 総務省の統計によると、2024101日時点での日本人人口12380万人で、前年から898千人も減少しています。これは秋田県(89万人)や和歌山県(88万人)が丸ごと消えたようなもの。驚くべき数字です。

 統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐

 

 その理由は「出生数の低下」と「死亡数の増加」のダブルパンチ。

 

 合計特殊出生率の最新値は未発表ですが、1947年の4.54をピークに下がり続けた出生率は、2023年に過去最低の1.20にまで下がっています。人口維持に必要な値は2.10とされていますので、このままでは日本人は激減していきます。

 令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況

 gaikyouR5.pdf

 

私は医療・介護の現場にいるので厳しく実感していますが、「死亡数の増加」はさらに加速しています。今年(2025年)1月の死亡数は178412人(人口動態統計速報)。これは過去最多を記録した前年1月より、さらに21762人も多い数。なんと、13.9%増の異常値です↓

今年1月死亡数が異例の激増!いったい日本で何が起こっているのか? | アゴラ 言論プラットフォーム

 

 「COVID-19のせいで世界中で人口が減っていて、各国の平均寿命も短くなっている。だから仕方がない」という意見を見聞きします。

もしもそうであるのなら、なぜ世界で一番“コロナワクチン”を打った日本で大幅な人口減少が進行しているのでしょう? なぜ予想をはるかに超えるスピードで日本人が減り続けているのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「まずは、『信じる』ことをやめなさい ~脳、宗教、歴史からわかった人を操る「サイン」の秘密! 騙されずにこの時代を勝ち抜くただ一つの方法」(泰文堂、p6)より引用します。

 

 

人が信じるとき、そこには「騙し」が存在する

 何かを「盲信する」ことほど危険なことはありません。

 この世のありとあらゆる大きな権力、または権力者やカリスマには、常に煩悩にまみれた思いが働いているからです。つまり、そこには意図や思惑があり、決して完全神でも聖人君子でもありません。

 何かを信じた瞬間、あなたはコントロールされる側に回るのですいわば、リーダーとフォロワーの関係ですフォロワーであること、それは自分の自由な人生を歩めないことを意味します

 リーダーが何かを命じれば、動かざるをえない状況に陥ります。リーダーが間違っていることに気づいても、指摘できなくなりますし、リーダーの間違いにさえ気づけなくなるということです。

 これを洗脳と呼びます。つまり盲信は、簡単に洗脳されてしまうのです。

 

 実際、過去には某カルト教団による国家転覆を狙った事件も起きています。末端信者は、まっとうな信仰をしているつもりが、気がつけば国家転覆を狙っている一員になっていた、ということも起きてしまいました。

 2012年末に発覚した、尼崎連続変死事件においても一種の洗脳事件でした。家族同士で殺し合うという恐ろしい事件でしたが、間違っているとわかっていても誰も逆らえない状況に陥ったのでしょう。

 イスラム圏で起こる自爆テロ事件も同じことで、何も変わりがありません。何かを盲信していれば、そこにスコトーマ(盲点)が生まれ、他から見れば間違っていることも「正しいこと」にしてしまうのです

 だから自分がやっていることは正しいことだ、と信じ過ぎることは危ないのです。何かを信じることで、あなたは常にフォロワーになってしまいます。

 フォロワーは決して、自分の人生を歩むことはできません。あなたの「信じている」ものも、人も、世界も「常に正しい」ものではないからです。

 

まずは信じることをやめなさい

 あなたが「自分の人生を生きたい」「もっと自由に生きたい」と思うのなら、

 まずは、信じることをやめなさい

 何かを盲信するのではなく、何かに救いを求めるのではなく、自分を信じるべきなのです。

 さきほど、

 「信ぜよ、さらば救われん」

 という言葉が誤解である、といいましたが、これをあえて私なりに言い換えるとするならば、

 「疑え、さらば救われん

 となるかもしれません。

 本書は、宗教的な視点、国家や経済的な視点から個人レベルまでの「信仰と幸福」について考察していきます。

 この世界、この時代に仕掛けられた様々な嘘や罠を見破り、本当に目指すべき「生き方と幸福」について学んでみてください

 引用終わり

 

 

 疑え、さらば救われん

 

 この心構えのことを「ゼロトラスト」と呼びます。

「ゼロ」は「0」、「トラスト」は信頼を意味する「trust」で、「『何かを完全に遂行することは不可能』という認識」のことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

ゼロトラスト、すなわち過信しないことは、レジリエンスの大原則。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

  決して過信しない!

 

 その大切さは身にしみるほど感じていますが、一方で医師としての私は確信の力もはっきりと感じています。簡潔にいうと「プラセボ(placebo)」のこと。つまり

 F-157:指一本でも役に立ちたい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

  確信が重要!

 

 

 コーチングにおいて重要な概念にエフィカシーというものがあります。それは「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。そのポイントは「根拠はまったくいらない」。

ただ信じ切るだけ というのがエフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 つまり、コーチングを実践するには

 

  確信=エフィカシーが必要!

 

そのエフィカシーは、過信(あるいは慢心)とどう違うのでしょうか?

 

 

これから3回の講義で考えるのは、「信」とは何か?

目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

L-204につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-227:ジョコビッチのwp

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28113432.html

F-228~:ゼロトラスト

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

F-281~:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

Q-293:私のような凡人にはとてもできそうになく、悶々とした日々を過ごしています

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321962.html

 

 

まずは、「信じる」ことをやめなさい

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: まずは、「信じる」ことをやめなさい ~脳、宗教、歴史からわかった人を操る「サイン」の秘密! 騙されずにこの時代を勝ち抜くただ一つの方法 eBook : 苫米地英人:

 



F-229:ゼロトラスト 中編;「ゼロトラスト」はマネジメントの心がまえ

 

 今回のテーマは「ゼロトラスト」。

 「ゼロ」は「0」、「トラスト」は信頼を意味する「trust」で、「完全に守ることは不可能という認識」のこと。「過信しない」というレジリエンスの大原則です。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

 リスクマネジメントをテーマとした研修や講演等で「ゼロトラスト」の話をすると、「信用がないとチームは機能しない(=ディスアドバンテージ)」「お互いに信頼するから困難を乗り越えられる(=ソルベンシー)」といった反対意見をいただくことがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

 「ゼロトラスト」、すなわち「過信しない」というレジリエンスの大原則と、「信用・信頼が大切」という現場の認識は矛盾していません。教育の重要なポイントである「ベーシックトラスト」とも矛盾しません。その理由は?

 さらに、その理解と実践はコーチングの成否に大きく関係します。なぜでしょうか?

 

 前編;民無信不立

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28170711.html

 中編;「ゼロトラスト」はマネジメントの心がまえ

 

 鍵となるのは「抽象度」。

 抽象度とは、情報空間における視点の高さを表すもので、分析哲学の中の存在論における「Levels of Abstraction」の日本語訳です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「抽象度」の名づけの親は認知科学者 苫米地英人博士。その苫米地博士が「バラいろダンディ」(TOKYO MX2022124日放送)で、とてもわかりやすく「抽象度」を解説されています。ぜひご覧ください(19分間です)↓

 Dr.苫米地 2022年の飛躍に苫米地用語「抽象度」を習得しよう - YouTube

 

 抽象度は「情報量の大小で宇宙をならべる軸」のこと。上に上がるほど具体的な情報量は少なくなり(=抽象化)、下に下がるほど情報量は増えていきます(=具体化)。

 例えば、「さくら(この世に一匹の実在)」→「ラブラドールレトリーバー」→「犬」→「哺乳類」→「脊椎動物」→「動物」→「生物」→「存在(有)」→という変化を「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」と表現します。

 

 具体的な情報量青色で表すと、抽象度でみる宇宙は下図のような形になります。

 (注;情報宇宙の底面である物理空間が平面ということではありません)

 

 

宇宙の構造


 

 先程の例で考えると、「犬」は「ラブラドール」より具体的な情報量は少ないのですが、潜在的な情報量は(「ラブラドール」よりも)多いと考えることができます。

 

「潜在的な情報量」を「可能性」に置き換えるとわかりやすいかもしれません。

「犬」は「チワワ」「コーギー」「シェパード」などすべての犬種を包摂(包含)しています。「私は犬を飼っている」という場合、その「犬」には全ての犬種が当てはまります。「シベリアンハスキー」かもしれませんし、「ラゴット・ロマーニャ」「ベルガマスコ」なのかもしれません。可能性が開かれているのです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26545746.html

  

 対して、「私はラブラドールを飼っている」の場合、「チワワ」「コーギー」「シェパード」の可能性は0。もちろん、「シベリアンハスキー」「ラゴット・ロマーニャ」「ベルガマスコ」の可能性もありません。

 抽象度が下がるほど、具体的な情報量は増えていく一方で、潜在的な情報量(可能性)は減っていきます。物理空間に近づくほど限定的かつ特定的になっていくといえます。

 

 潜在的な情報量緑色で表すと、抽象度でみる宇宙は下図のような形になります。

 (注;赤枠が物理空間。もちろん、二次元平面ということではありません)

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間


 

 抽象度が上がるほど具体的情報量が減り潜在的情報量/可能性は増え)、抽象度が下がるほど具体的情報量は増える潜在的情報量/可能性は減る

 

 この関係性をしっかり理解することが「戦争と差別のない世界を実現する」ためにとても重要です。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 *具体的事例はこちら↓

  Q-061~:犬好きではいけないのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_284899.html

 

 

 では、今回のテーマ「ゼロトラスト」に戻りましょう。

 

「信用がないとチームは機能しない(=ディスアドバンテージ)」「お互いに信頼するから困難を乗り越えられる(=ソルベンシー)」「ベーシックトラスト」などの「信」や前回(F-228)御紹介した孔子の「信」は高い抽象度次元にあります。

 それは物理的な実体ではなく概念。ゲシュタルトです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

対して、「完全に守ることは不可能という認識」「過信しない」というレジリエンスの大原則は、物理空間や物理に近い低抽象度次元での心構え。マネジメントの話です。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 具体的な情報量で考えると、高次の抽象度次元にいくほどシンプルになり、秩序立っていきます。その次元を潜在的な情報量で考えると(無限の)可能性

そのような可能性に満ちた概念(ゲシュタルト)に対する確信が、「信用」「信頼」「ベーシックトラスト」であり、孔子の「信」です。

 

より高い視点(シンプル)で本質を見抜き(秩序立つ)、根拠(具体的な情報量)が乏しいのに可能性に賭けることができる

 

 このような「信」を持ち続けることがリーダーの大切な資質であるといえます。

 F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」Vol.4;リーダーの視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html

 

 

 具体的な情報量で考えると、低次の抽象度次元に向かうほど複雑化し、カオスになっていきます。仏教的にいうと無常

一番抽象度が低い物理次元(空間)を潜在的な情報量で考えると0限定的であり、特定的であり、確定的です。それは「その時・その状況での最適解はひとつ(しか選択できない)」ということ。

 

 情報過多(カオス)にて複雑な物理空間でのダイナミックな変化(無常)にしっかり対応し、状況に合わせて柔軟に最適解を選択できる

 

 あらゆる可能性(解)を想定しながら(=アサンプション)、実際の状況に合わせ素早く修正を行い(=アサンプションアップデート)、最適な行動(COA)を選択し続けることが、現場を任されたマネジメントの役割です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 

 「ゼロトラスト」、すなわち「過信しない」というレジリエンスの大原則と、「信用・信頼が大切」という現場の認識は矛盾しません。教育の重要なポイントである「ベーシックトラスト」とも。

 その理由は「そもそも抽象度が違う」から。

 

レジリエンスの大前提である「ゼロトラスト」は低い抽象度次元でのマネジメントの話

「信」は高次の抽象度次元に存在する何らかの概念(ゲシュタルト)に対する確信のこと

 

 その理解と実践はコーチングの成否に大きく関係します。

 

F-230につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

レジリエンスの大前提である「ゼロトラスト」は低い抽象度次元でのマネジメントの話

「信」は高次の抽象度次元に存在する何らかの概念(ゲシュタルト)に対する確信のこと

 

 この場合の確信とは「臨場感」のこと。こちらでどうぞ↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

-関連記事-

F-180:“幸福(well-being)”とは?…part-5;個のwell-beingから社会全体にひろがるwell-being

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25365643.html

F-190:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです <中編;リーダー>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25988048.html

Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

Q-210:世の中はどうしてドリームキラーばかりなのでしょうか? <回答1:ゴール&リーダーの視点で>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26886756.html

 

 

-告知-

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

 

このページのトップヘ