苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:セルフトーク

Q-103:あがり症は克服できますか?

 

 御質問をいただきました。

 

Q:苫米地博士の書籍を読みコーチングに興味があります。

質問なのですが、あがり症はコーチングによって克服されるのでしょうか?

〇〇が好きで、将来〇〇を教えるという目標を立て、毎日朝夕に楽しくイキイキと〇〇を教えている自分を想い描いていたのですが、それにドキドキしてしまい、ドキドキに疲れはて止めてしまいました。
 子どものPTAなどで発言しなければならない機会も増え、なんとかならないものか、悩んでいます。

 

A:早速ですが、もちろん「あがり症」は(セルフ)コーチングでも克服できます。必ず。

 

「〇〇を教えている自分」を思い描いてドキドキしてしまうというのは、それだけ今とは違う(現状の外の)イメージに強い臨場感を感じているということです。それはとてもすばらしいことですよ。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

恋愛などで経験されていると思いますが、通常はだんだん慣れてきて(当たり前になってしまって)、むしろドキドキを感じたくても感じられなくなってしまいます。いかがですかw

 

それは「かつてはドキドキしたもの」がコンフォートゾーンになったということ。おかげでリラックスすることができるのですが、その一方でときめきを失います。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

今はそのドキドキ(ときめき)を思いっきり楽しまれたらよいのではないでしょうか。

 

 

もしもすぐに克服したいのなら、ドキドキしてきたら「私らしくない」と自分に語りかけてください。リラックスをキープできたら「私らしい」です。

 

自分への語りかけをセルフトークと呼びます。そのセルフトークには4つの段階があります。

 

 第1段階は「無理だ」「できるわけがない」という“あきらめ”。

 第2段階は目的論的なものが生まれてくる、いわば“希望”が芽生える段階。

 第3段階は“誓い”。

「私はいつも~している」というセルフイメージができあがると、目標に向かって問題解決をしている自分のイメージを探し始めます。

 第4段階ではゴールを“実現”した新しい自分のイメージで自然なセルフトークができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

4段階になるとコンフォートゾーンがゴール側に移行し、ゴール実現に向けてRASがオープンになります。すると、スコトーマが外れることで、今まで見えなかったものがどんどん見えるようになります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

ぜひ「心から楽しみながら〇〇を教えているイメージ」を五感で味わいながら、その未来の私の視点でセルフトークを行ってください。それは「臨場感を高めて夢を実現するワーク」にもなります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17573387.html

 

 

ところで、御質問中の「PTAなどで発言しなければならない...」にはhave toが入り込んでいます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

PTAなどで発言する前に、御自身のゴールを再チェックされてみてください。「未来ですでにゴールを達成している私にとって大切な縁起として△△(PTAでの発言などの機会)がある」と思えるとwant toでいられます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

「不言実行」「有言実行」をテーマに、関連することを下記ブログ記事で考察しています。ぜひ参考にされてください。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14973460.html

 

御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7701939.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859111.html

 

 

Q-093181122福祉講演会(鹿児島県)- 15

 

 20181122日に、鹿児島県の福祉施設にて、コーチングをテーマとした講演を行いました。講演後にいただいたコメントに回答いたします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15981131.html

 

そもそも不完全な宇宙に生きている、必ずスコトーマを持った私たちが、「よりよく生きるために心がけるべきこと」とはなんでしょうか?

私の答えはこのシリーズの最後で)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 

「もっと知りたいことは?」という質問に対する皆さまの御意見です。

 

 

・伝えたいことを伝えられない、がまんしてしまうとき、自身がイラついてしまうとき。もっとコンフォートゾーンについて知りたい

 回答前半はこちら:

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17858263.html 

 

Aこのケースのように、have toはすっかりはびこり、人を狂わしています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076206.html

 

 「~しなければならない」「~してはならない」といったhave toは、社会全体のコンフォートゾーンになってしまっているのかもしれません。そして、今後ますます強まっていくはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 では、私たちはこの閉塞状況から抜け出すためにどうすればいいのでしょうか?

 

 

 答えはもちろんゴール設定です。その上で、そのゴール達成の確信(エフィカシー)をどんどん高めること。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

エフィカシーは日々の言葉遣いを工夫することで高めることができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7701939.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859111.html

 

例えば、ミスや見落としが生じたときにポジティブな表現を用いると、エフィカシーを下げずにむしろ高めることさえできます。「私らしくなかった。次は○○する」という感じです。

 

個人レベルだけでなくチームでも同様です。「何をやっているのか」「何度言ったらわかるのか」「失敗」「残念」「あきれる」などネガティブな表現ではなく、「あなたらしくない」「私たちらしくない」「成功へのきっかけにかえよう」「次は○○しよう」と言ってみましょう。

 

人の集まりである組織においては、とくに言葉の影響には留意するべきです。組織内で使われる言葉をポジティブにコントロールすることは、その組織のブランディングやマーケティングにもつながります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14401202.html

 

エフィカシーが高められるのは未来にフォーカスしているからです。未来の「もっとすごい私」「ますますイケてる私たち」を前提に現在を否定することは、個人やチームのイメージを引き上げることを可能にします。

コーチングではそのような時間観を「時間は未来から過去に流れる」と表現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 

・スコトーマが外れたときの感覚がわかりません

 

A:「スコトーマが外れたときの感覚がわからない」理由として、まず「強烈な経験をしたことがないから」があげられます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 なので、講演にはいろいろ仕込みました(笑)。

実際、講演中には「アッ(←純粋な驚き)」や「ウヮ~(←鳥肌が立つほどのものすごい驚き)」、「エ~ッ(←『そこですか?』といった非難がちょっと混じった驚き)」など、たくさんのリアクションをいただきました(笑)。

 

そんな感じ 驚きのあまり思わず声が漏れてしまうような体感です。

 

 

・視点を切りかえたりするコツ

・自分の認識ってどれくらいあるのか、今後に活かせられるかと興味があります

 

A:まずはリラックスしてください。リラックスのポイントは呼吸です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17573387.html

 

 次にワクワク感。ワクワクを強く感じられるのは、「期待するもの」の存在が明確であり、かつ「期待するもの」に近づいていると確信できているから。

 よって、ゴール&エフィカシーがコツであるといえます。

 

 ところで、「視点の切りかえ」には「ずらす」という感覚と「超越する」という感覚があります。「ずらす」は同じ抽象度でのスコトーマ外し。「超越する」は一つ上の抽象度への移動です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 「超越する」をジョブスの言葉で表現すると「connect the dots」。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 それは「より大きなゲシュタルトをつくること」でもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628437.html

 

 

・~しなければならない人になっている自分。モチベーションを高める、維持し続けるには、自分自身の問題と思うが、どうすればよいか(~したいと思っていたい)

 

A:まず「~したいと思っていたい」を「~したいと思っている」に変えてください。その次は「(余裕で)~している」です。

 

 つまり、セルフトークを変えていくことがまず取り組むべきことだと思います(もちろん、100% want toでですよ)。

 

 セルフトークには4つの段階があります。

 第1段階は「無理だ」「できるわけがない」という“あきらめ”。

 第2段階は目的論的なものが生まれてくる、いわば“希望”が芽生える段階。「~したいと思っていたい」は第2段階です。

 第3段階は“誓い”。「私はいつも~している」というセルフイメージができあがると、目標に向かって問題解決をしている自分のイメージを探し始めます。

 第4段階ではゴールを“実現”した新しい自分のイメージで自然なセルフトークができます。この段階になるとコンフォートゾーンがゴール側に移行し、ゴール実現に向けてRASがオープンになり、スコトーマが外れることで今まで見えなかったものが見えるようになります。

当然、「視点」も切り替わっています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 

 ぜひ苫米地英人博士の著書「コンフォートゾーンの作り方」(フォレスト出版)をお読みください。Unit 6でセルフトークが、Unit 8にて御紹介したセルフトークの4段階が詳しく解説されています。

 

 ところで、この御意見には修正すべき点があります。どこかわかりますか?

 

 

 答えは「自分自身の問題」という表現。「問題」という言葉には否定的なニュアンスが含まれています。

 

 私たちの記憶のメカニズムは失敗駆動型です。よって、「問題」「トラブル」「失敗」「挫折」などの言葉を使うたびに、過去の“失敗”を再体験してしまいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13397552.html

 

 これからは「問題」とは言わずに「課題」と表現してください。

 

 時間の流れをふまえると、「未来で成功しているから、今、解決するべき課題が目の前にある」といえます。そういうセルフトークが自然にできることが、「過去に囚われない」ということであり、「前向きに生きる」ということです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

Q-094につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

コンフォートゾーンの作り方




F-022:平昌五輪で垣間見た言葉の力 ~フィギュアスケート編~

 

 「言霊(ことだま)」という言葉が存在することからもわかるように、日本では昔から「言葉には不思議な力が宿っている」と考えられていました。その言葉を積極的に使って(あるいは慎むことで)、言語で表現される内容を現実化しようとするのが言霊信仰です。

 

 西洋社会においても、「はじめに言葉ありき」という新約聖書の一節(ヨハネによる福音書第一章)に象徴されるように、「すべて言葉によって成り立っている」という思想が根底にあります。

 1970年代にルー・タイス氏がおこしたコーチングにおいても言葉の力を重要視しており、アファメーションとして用いています。

 

 「すべては情報であり、様々な抽象度の階層に同時に、かつ、ダイナミックに存在している」という苫米地理論で考察すると、「ある抽象度において言葉となった情報が、多次元的に共有され、それぞれの書き換えのきっかけ(縁起)になる」と解釈することができます。

ある情報処理の結果が言葉となり、その言葉がきっかけとなり新たな情報処理に影響を与えるという感じです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306445.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

言葉は情報(処理)の結果であり、新たな情報(処理)の原因である

 

そのことをあらためて考えさせられるエピソードを、平昌五輪から二つ紹介いたします。前回はスピードスケートから紹介いたしました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7701939.html

 

「タケハラ先生もご両親や医療で大変だったと想うのですがコーチングで“顔晴”に成られているんですね!」というコメントをいただきました。ありがとうございます。

平昌五輪中に生まれた流行語で回答すると「そだね~」(笑)。

 

では、今回はフィギュアスケート女子からです。

 

 平昌五輪フィギュアスケート女子は、「ロシアからの五輪選手(OAR)」どうしの争いとなりました。ショートプログラムでは相次いで世界歴代最高得点を更新するハイレベルな演技で、首位がアリーナ・ザギトワ(15)、二位が世界選手権二連覇の女王 エフゲニア・メドベージェワ(18)でした。

 

 モスクワの同じスポーツクラブに通う二人の対決。若きザギトワが躍動し新女王が誕生するのか、それとも世界女王が貫録の演技で逆転するのか二人のフリーの演技に注目が集まりました。

 しかし、私にはすでに勝負は決しているように感じられました。フリー前日のコメントが正反対だったからです。

 

 ザギトワが「競争はあってもジェーニャ(メドベージェワの愛称)は友達。最大の競争相手は自分自身」と話したのに対して、メドベージェワは「試合のたびに小さな戦争をしているようなもの。私たちはベストな滑りを見せないといけない」と語っていました。

 

「自分自身が競争相手」と語るザギトワには、完璧な演技を終え表彰台の真ん中に立つイメージがしっかりあったはずです。あとはプレッシャーを力に変え、今までの練習の成果を発揮するだけという余裕が感じ取れます。

“争い”とはゴールを達成した未来の自分と現在の自分の間のものであり、そのモチベーションは「want to」です。

 

それに対して、「小さな戦争」と語るメドベージェワのコメントには、相手の演技(存在)に対する恐怖が感じられます。その恐怖という心の迷い(煩悩)が「ベストな滑りを見せないといけない」という言葉になって現れました。

メドベージェワにとっての“争い”とは後輩ザギトワと自分の間のものであって、そのモチベーションはもちろん「have to」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 ハーバード大学ビジネススクールのジョン・P・コッター名誉教授の研究によれば、建設的動機(want to)と強制的動機(have to)の違いにより、10年間で756倍の生産性の違いが生じるということが明らかになっています。7倍ではありません。756倍です。

 

 そのような大きな違いが表れてしまうのは、「want to」はコンフォートゾーンの中にいることであり、「have to」はコンフォートゾーンの外にいることになるからです。

 セルフイメージにより決められる、その人にとって心地がよい空間がコンフォートゾーン(Comfort zone)です。その中ではリラックスした状態でいられ、IQが上がり、パフォーマンスが向上します。逆にそこから外れると、途端に緊張し、何とかもとに戻ろうとします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 当然、二人とも演技前には大きなプレッシャーを感じていたはずです。心理学で「認知的不協和」と呼ばれるプレッシャーというエネルギーは、ザギトワにとってはゴールに近づけるものとして、メドベージェワにとってはゴールから遠ざけるものとして発揮されました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 ただし、ここで気をつけないといけないことがあります。

「コンフォートゾーンは、IQを高め、能力を存分に発揮するために大切なものであるが、一方で、さらにIQを高め、もっと能力を発揮する可能性を制限するものでもある」という事実です。

大きな成功を手に入れるほど、その成功(=コンフォートゾーン)から抜けられなくなります。本当はもっとすごい未来が待っているはずなのに。

 

その“もっとすごい未来”をつくりだすためにコーチングがあります。

現状の外にゴールを設定し続けることで、コンフォートゾーンを現状からさらなるゴール側にずらしていくことができます。

 

 フリーの演技で最後のポーズをとった直後に涙を流した女王 メドベージェワは、「競技で初めて泣いた。すべての感情が流れ出て、心が軽くなった」とコメントしたそうです。

 「冒頭のフリップ-トーループの連続3回転を後半に跳んでいたらザギトワとの1.31点差を逆転できたかもしれない」という意見に対し「『もし』は『もし』でしかない」と語ったメドベージェワは、「怪我がなければ結果は違ったか?」という質問には「私は今この時を生きている。過去を振り返りたくない」と答えたそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

 メドベージェワのマインドは、すでに次のゴールに向かい始めているようです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

メドベージェワ(Wikiより引用)

Wikipediaより引用

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