苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:スコトーマ

Q-430:コーチングを行う際、説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:コーチングを行う際、説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいでしょうか?

 

A1:まずは私から質問させていただきます。コーチングとは何でしょうか?

 

 

 答えは「マインドの使い方」。

 F-395:ナイセイカンショウ <vol.4;認知戦に打ち勝つための「ナイセイカンショウ」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36687231.html

 

 もうちょっと具体的にいうと、「ゴール達成のためのマインドの使い方の技術」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 さらに具体的にいうと、「現状の外にゴールを設定して、エフィカシーを上げる」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 最近の苫米地博士は「現状の可能世界w1から、現状の延長線上では達成できない可能世界w2への移行」と表現されています。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「w1からw2へ」という方向性は、抽象度でいうと、より高次元へと向かう方向性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が上がるほど具体的な情報量は減り、よりシンプルになっていきます。そして、具体的な情報量が減りシンプルになるほど、より多くの情報を得ることや具体的情報の共有は難しくなっていきます。すると、(情報共有という意味では)スコトーマが生じやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

私たちは目の前の世界をゲシュタルトとして認識していますが、知識のもととなる情報が乏しいままであれば、新たなゲシュタルトを生みだすことは困難です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *「情報」「知識」「ゲシュタルト」の関係はこちら↓

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 ところが、1つ上の抽象度で大きなゲシュタルトができると、未知の情報を認識することができるようになり、理解が深まります。そのような特殊な力が、脳が発達した人類に備わる「ゲシュタルト能力」です。

 Q-407~:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430427.html

 

 以下、苫米地博士の著書「2024年度版 新・夢が勝手にかなう手帳」(CYZO、付録②)より引用します。「情報」「知識」「ゲシュタルト」、そして「抽象度」の関係性を考えながらゆっくりと(&繰り返し)読んでください。Feel

 

 

1つ目の異世界転生術の魔法は「知識」

 まず1つ目は「知識」です。

 「知は力なり」と哲学者フランシス・ベーコンが言ったとされていますが、私なら「知識は情報空間における移動の関数である」と言い換えます。

 知識によって、ある空間から別な空間へワープできるのです。知るということは、知らなかった世界から、知っている世界へ移動することです。

 情報空間に浮かんでいる情報場があったとして、Aという情報場からBという情報場へ移動するための乗り物が知識です。知識がなければ移動できません。逆に適切な知識があれば、どんな不思議な世界へも転生できます。

 あなたが理想世界に転生できたとしたら、そのための知識を得たからにほかなりません。

 逆に知識がなければ、その空間でどんなにがんばったところで、移動はできません。転生できないのです。

 昔、スマホがなかった頃に、男女が出会い、連絡先を交換するときは家の電話番号を紙に書いて渡したものです。

 例えば、女性が男性に向けて、紙の切れ端か何かに、ささっと自宅の電話番号を書きます。それを男性に渡して、二人は別れます。

 そこに書かれた数字の羅列が本当に彼女の番号なのかは、それとも嘘の番号なのかは、その時点で彼には知りようがありません。

 後日、彼はその番号に電話をします。もしその電話番号が正しければ電話がつながり、うまくすれば次のデートの約束も取り付けられるでしょう。

 ここで紙に書いた数字は「知識」と同じです。その知識がその状況において有効かどうかは、場を移動できるかどうかで判断されます。

 もしそれが(正しい)知識ならば、二人は再び会うことができます。間違っている知識ならば、二人が再び出会うことはほぼありません。移動できないのです。

 もちろん知識の絶対的な正しさというものは存在しません。後に取り上げる不完全性定理により、絶対的な正しさやそのモノサシ自体がなくなったからです。

 その知識が正しいかどうかは、場が移動できるかで決まります。電話番号が正しい知識ならば、電話がつながり、その二人の関係は始まります。

 というわけで、1つ目の異世界転生術の魔法は「知識」ということになります。知識がなければ、そしてそれを理解するだけの抽象度に自分がいないと、奇跡のような異世界転生は起こせないのです。

 ではワークです。この魔法を使うためにも、土台となる知識が必要です。

 その「知識」を得るためにまずはたくさんの勉強をしましょう。古典と呼ばれる名著を次々と手当たり次第に読みましょう。

 AmazonKindleのような電子書籍リーダーにたくさんの名著をダウンロードしておいて、日々スキマ時間に読んでもよいでしょう。私の書籍ももちろん繰り返し読んでください。

 私のDVDや動画教材でセミナーを視聴している人は、繰り返し視聴しながら、自分の中に落とし込みましょう。圧倒的な知識が背景にあるからこそ、圧倒的な結果が出せます。

 圧倒的な異世界転生術の基礎には圧倒的な知識が必要です。私の著作は200冊を超えますが、千里の道も一歩からと思って、一冊一冊熟読してください。

 はじめの一歩としては、この苫米地手帳を繰り返し読むことです。繰り返し読んで、理解して、IQや視点の抽象度を上げていきましょう。

 音読するのもよいでしょう。そうやって身体に落とし込んで初めて見えてくることがあります。知識が身になるのです。

 引用終わり

 

 

 知識がなければ、そしてそれを理解するだけの抽象度に自分がいないと、奇跡のような異世界転生は起こせない

 

 ポイントを整理すると、

     知るということは、知らなかった世界から、知っている世界へ移動すること

     Aという情報場からBという情報場へ移動するための乗り物が知識

     知識がないと移動できない。逆に適切な知識があれば、どんな不思議な世界へも転生できる

     知識が正しいかどうかは、場が移動できるかどうかで決まる

     知識がなければ、そしてそれを理解するだけの抽象度にいないと、転生は起こせない

     圧倒的な知識が背景にあるからこそ、圧倒的な結果が出せる

 

 

 では、そんな大切な知識を得るためにはどうすればよいのでしょう?

 

 博士が教えてくださるのは「DVDや動画教材を繰り返し視聴しながら、自分の中に落とし込む」こと。「自分の中に落とし込む」というのは、俗に言う「腑に落ちる」という感覚と同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31993466.html

 

 その「自分の中に落とし込む」「腑に落ちる」が「ゲシュタルト化」です。

 

ゲシュタルトとは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」を指します。人はゲシュタルトとして目の前の世界を認識しています。つまり、ゲシュタルトが意味を決めるということ。

Q-063:「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

釈迦哲学に寄せて表現すると、ゲシュタルトとは、「全体と部分の双方向性で成り立ち、1つの統合的意味を持つまとまり」のこと。人の場合は「統合的な人格」のことともいえます。その根幹にあるのは縁起の思想です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 私たちは、潜在的には複数のゲシュタルトを持つことができます。しかしながら、ホメオスタシス(恒常性維持機能)を維持できるのは1つだけです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その“1つ”を決めるのが“臨場感”。

複数のゲシュタルトのうち、最も臨場感の高いゲシュタルトが選択されて“現実”となります。その理をプリンシプル化したものが「I×V=R」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 繰り返しますが、人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。

 ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。それがゲシュタルト能力。ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

 さて、今回の御質問は「説明を平易にしたり、自分なりの解釈や例え話を作って説明してもよいか?」ですが、私の回答が感じられたでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 もしも感じられなかったら、ぜひ「抽象度」を意識に上げながら読み直してください。きっとゲシュタルトの統合が起こり、スコトーマが外れ、理解がさらに深まるはず。Feel

 L-213202207月シークレットレクチャー -11;<ワーク3>スコトーマを消す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36911560.html

 

Q-431につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-356:自由訳「OODA」 <vol.2Orient

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L-205202207月シークレットレクチャー -03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

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新・夢がかってにかなう手帳 2024年度版



L-213202207月シークレットレクチャー -11(最終回);<ワーク3>スコトーマを消す

 

20227月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html

 02;〇〇とは情報である

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36751237.html

 03;情報空間のエネルギーを認識し活用する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36763767.html

 04;「想像力×創造力」の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36789215.html

 05;正しい「過去の記憶」の使い方

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36800425.html

 06;「ブリーフシステムは、結果として変わるもの」← why

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36826574.html

 07;コーチングのカクシン

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36836716.html

 08;狭く! 高く!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36862880.html

 09;<ワーク1>逆腹式呼吸を意識に上げてコントロール →

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36874418.html

 10;<ワーク2>過去の出来事にラベルを貼って、ドリームキラーを撃退する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36900186.html

 11;<ワーク3>スコトーマを消す

 

 

 前回(L-212/10)は、「ラベリング」を取り上げました。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 誰もが無意識の中に「苦手」や「不得意」をたくさん抱えています。その評価(判断)の多くは、過去のドリームキリングにより刷り込まれたもの。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 その「苦手」「不得意」という評価関数を変えていくことで、自由度の高い人間になることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

そして、「現状の外」というこれまでのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の外側にいることで感じる不安や恐怖に打ち克つこともできるようになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 真面目な方ほど「B」「D」「T」「Nil」の評価が正しいかどうかを気にしがちですが、その「正しいかどうかを気にする」というハビット&アティテュードも、きっとドリームキラー的な刷り込みです。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 ラベリングにおいては、「正しいラベルを貼ったかどうか?」を気にする必要はありません。今回のテーマに沿って言うならば、「“これまでの正しい”を疑い、ゴールが生みだす“まったく新しい正しい”を信じきる」ことが重要!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ラベリングによって自我が変わっていくと、自分を縛っているものから自由になっていきます。すると無意識は、今まで縛られてきた制約に自然に気づくようになり、ゴールに関係するかどうかを勝手に判断するようになります。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

 答えは「物理空間の呪縛から解き放たれ、より高次の情報空間で自由に思考できるようになる」から。それをシンプルにいうと、「抽象度が上がる」「IQが高くなる」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

苫米地博士の著書「超瞑想法」(PHP)に沿って言い直すと、「正しく見る」「自由自在に見る」「臨場感を維持する」を体得していきます。

F-360:自由訳「OODA」 <vol.6;「OODA」とは〇〇〇そのもの ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35009043.html

 

 

超瞑想法

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 繰り返しますが、「物理空間の呪縛から解き放たれ、より高次の情報空間で自由に思考できるようになる」というのは、抽象度を思いのままに上げることができる状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そんな意識状態をしっかり維持したまま以下のワークを行うと、「スコトーマを消す」ことがさらにうまくできるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

<ワーク3:スコトーマを消す>

①知識を増やす

知識により新たなスコトーマが生じるため、②以下のワークと同時に取り組む

②因果を逆に考える

未来を「因」とし、現在を「果」とする。「時間は未来から過去へと流れる」の体感

③自分の視点を否定する

固定観念に縛られず、今までの見方を否定してみる

④正しいと思っている常識を疑う

自分の中にある過去の記憶にまつわる判断を「本当にそう思ったのか?」と自問する

 

*①以外の3つは「スコトーマをダイナミックにずらして確率を上げる方法」

連続的にワークを行い、大胆にずらすことがポイント

 

 

 このワークは、じつは、苫米地博士の著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版、p116)に記載されているワークです。以下、同書(p68)より引用します。

 

 

苫米地 思考ノート術

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理解を深める

 話をノートの目的のところに戻します。

 ノートをとる目的は「脳を活性化させて見えないものを読み取り、自分の新しい思考で物事への理解を深めるため」です。

 また、「高い視点でものを見て理解するためにノートをつくる」とも言いました。

 このことについて説明しましょう。

 

 抽象度を上げていままで気づかなかった認識が生まれると、新たな思考ができ、理解が深まります。

 この理解が深まることを「ゲシュタルト」と言います

 情報を見て(聴いて)、その情報に意味を持たせ、もっと大きな枠組みで理解をする能力がゲシュタルト能力です。

 ゲシュタルト能力は、抽象化能力とイコールです。

 ゲシュタルトとは、「部分と全体を統合すること」です。部分の合計が全体だという意味ではありません。

 あくまで部分と全体の相複合関係を維持しながら、全体としてのひとつの総合認識をつくり上げることです。

 たとえば、文法を考えてみてください。

 全体がわからなければ品詞が決まらない用法がたくさんあります。一部の言語学者なら「先に品詞や文法ルールがあって全体が決まる」と言うかも知れませんが、実際は全体がわかって初めて品詞が決まるのです。

 この世の中にある(起こる)一見バラバラなものにも隠された法則があります。その法則や関連性を見出して初めて「新しいゲシュタルトができた」と言えます。

 

 ゲシュタルトという言葉をしっかり理解するために、2つの説明をしましょう。

 ゲシュタルト心理学を知っていますか?

 簡単に言うと、ゲシュタルト心理学とは「部分や要素では意味をなさないものを、全体的な枠組みで意味を見出そうとする心理学」のことです。

 

 次のページの図を見てください。

 11つの点にはまったく意味がありませんが、全体を見て1個の洋ナシと認識したとたん個々の点が意味を持ちます。

 

 

ゲシュタルト図:洋ナシ(苫米地思考ノート術)

ゲシュタルト図:洋ナシ

「苫米地 思考ノート術」より引用

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 もうひとつは、経済学・経済原理でゲシュタルトを説明するとこうなります。

 個人個人では烏合の衆のような購買活動を、高い抽象度からひとつの消費パターン(ゲシュタルト)として見るのが経済学であり、そのパターンを理論化したのが経済原理です。

 つまり、高金利の住宅ローンを借りて家を建てた挙句に破産してしまった人たちの行動と、折り込みチラシを見て10円だけ安いダイコンを1キロ先のスーパーまで買いに行く主婦の行動の間にも、共通の法則が見出せるわけです。

 

 ノートの目的のひとつは、ゲシュタルト能力を身につけることです

 こう言い換えることもできます。

 抽象度の低いところは行き当たりばったりの世界ですが、宇宙は整合性のとれた世界です。ノートは、見えない宇宙を見えるようにするためにあるということです。

 

 講演を聴きに行くのは、講演者の話を聴くことで自分が何らかの発想を生むためです。講演会だけではなく、新聞・本を読んでも、会議でも同じことです。

 ノートでは、自分のゲシュタルトをつくるだけではなく、もうひとつ異なる種類のゲシュタルトをつくることも可能です。

 それは、相手の心の中を知りたい場合です。

 対象となる講演者、新聞記事や本の作者、会議のプレゼンテーターは自分の中にアイデアや考え方、価値観など抽象的なものをゲシュタルトとして持っています。それを実際の場では抽象度を下げて具体的なものに変えて表現しています。

 その相手のゲシュタルトを聞き手(読み手)が理解したとき、ノートを利用することができます。

 

 たとえば、小説家の場合を例に挙げましょう。

 大勢のファンを持つ小説家はたいてい自分のゲシュタルトを作品の中に盛り込むのが上手です。

 小説空間としてのゲシュタルトと、自分自身の世界空間としてのゲシュタルトの両方を小説中で展開しています。読者が常にそれを感じることができるように、小説を書いているものです。

 

 この小説家の2つの空間をビジュアル化してノートをつくると、小説家のゲシュタルトがわかるのです。

 

 こうしたゲシュタルトのつくり方は、評論家が小説を読むときには有効だと言えるでしょうけれど、それとて評論家は自分の批評のために小説を読んでいるわけです。

 

 なかなか相手のゲシュタルトを読み取れない場合は、ノートをつくって理解することも可能だという程度です。

 引用終わり

 

 

 抽象度の低いところは行き当たりばったりの世界ですが、宇宙は整合性のとれた世界です。ノートは、見えない宇宙を見えるようにするためにあるということです

 

 私がこの言葉から感じたのは、

 

行き当たりばったりの世界」を過信することなく、「整合性のとれた世界」をしっかり確信する

→ 抽象度を上げ続ける

 

 それが苫米地博士が語られていた「この世界、この時代に仕掛けられた様々な嘘や罠を見破り、本当に目指すべき『生き方と幸福』について学ぶ」ための大切なブリーフ

 

そのように私は思っています↓

L-203202207月シークレット… -01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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L-204202207月シークレットレクチャー -02;〇〇とは情報である

 

20227月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の1回目。全体を通してのメインテーマは「。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 01;決して過信はせずに、しっかり確信する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36719650.html

 02;〇〇とは情報である

 

 

 前回(L-203/01)、医師としての私は「確信の力」をはっきりと感じていると書きました。その力とは、「プラセボ(placebo)」のこと。

 F-157:指一本でも役に立ちたい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23874668.html

 

 もっとわかりやすくいうと、「イメージの力」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

苫米地博士は、著書「脳に免疫力をつければ病気にならない!」(徳間書店)の中で、「イメージの力」のことを「脳の免疫力」と表現されています。

以下、同書の「イメージが健康をつくる」(p36)より引用し(青字)、解説を加えます。

 

 

イメージが健康をつくる

脳が体を書き換える

 「脳の免疫力」を高める方法は

 ・「情報空間」を味方につけること。

 ・健康な状態をあなたの「コンフォートゾーン」にすること。

 と前述しました。

 

 

 動物の多くは世界と五感でつながっています。見える情報(視覚)、聞こえる情報(聴覚)、匂える情報(嗅覚)、味わえる情報(味覚)、そして触れる情報(触覚)です。

脳(特に前頭葉)が発達した人間の場合、さらに言語情報も含めた6つの情報入力経路(モーダルチャンネル)より得られた情報を自らの脳で処理し、事物や現象や世界を認識しています。つまり

 

認識する世界はどこまでいっても情動だけで構築されている

 

 その情報の世界が「情報空間」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

 1つ目の「情報空間」を味方につけることですが、まず、情報空間という言葉自体、皆さんにとっては聞き慣れないものだと思います。

 これは認知科学で使用する用語で、健康の文脈で単純化していえば、「情報空間=脳/物理空間=体」です。情報空間(脳)は物理空間(体)にさまざまな影響を及ぼします。冒頭で紹介した前屈の実験を思い出してください。「脳は体を書き換える」のです。

 

 

 情報空間=脳/物理空間=体」という表現について、「『情報空間=/物理空間=体』なのではないか?」と困惑する方もいらっしゃるはず。脳は、体と同様に、物理空間上の“実体”であるから。

 

もちろん、そのとおりです。

 「健康の文脈(ゲシュタルト)で単純化」しているので「情報空間=脳/物理空間=体」と表現されていますが、より正確には「情報空間=/物理空間=体」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 さらにいうと、「脳も、体も、心も、すべて情報」であり、“実体”はありません。「脳/体」と「心」はそもそも同じ情報の抽象度の違いに過ぎず、「脳/体と心」でひとつです。

 Q-192:コーチングはマインドを使える人のための… Vol.1;抽象度&ゴール

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25534400.html

 

それが「認識する世界はどこまでいっても情動だけで構築されている」が示すこと。

その理を理論化したものが、苫米地理論の第2世代「超情報場理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

ハーバード大学の「祈り」の研究

 脳が体を書き換える例をさらに一つ紹介しましょう。

 それは「祈り」の研究についてです。

 アメリカのハーバード大学やコロンビア大学などの名門大学を含む全米70校以上の大学医学部では、「祈り」が治癒に与える影響について真剣な研究が行われています。それらの研究では、医師や家族が患者の回復を祈ると、治癒率が驚異的に伸びるというデータが得られています。

 こうした結果を研究者たちは、こんなふうに結論づけています。「他人に回復を祈ってもらうことにより、患者は自分が治癒したイメージを持ちやすくなり、その治癒のイメージが免疫力を高めて病気の治癒を促しているのだ」と。

 これを本書の理論で説明すると、「祈りを契機に、健康で元気な自分に向かって脳の免疫力が働き、脳が体を書き換えた」ということになります。

 単純化していえば、どのようなイメージを描くかが極めて重要なのです。

 健康で元気な自分のイメージを描けば細胞や免疫システムが活性化し、反対に病気の自分などをイメージすると細胞や免疫システムの活性が鈍ります。

 こうしたメカニズムを応用したイメージ療法は世界中の医療現場で実践されています。ホワイトボードにがんの絵を描き、そのがんを白板消しで消すというイメージ療法で、本当にがんが治ったという報告もあります。

 がんが消える様子が脳内でリアルにイメージされ、脳が体を「自分はがんだ」から「自分は健康だ」に書き換えた結果、がんが治ったのです。

 

 

 医療・介護に携わる方は、誰もが「病気の自分などをイメージすると細胞や免疫システムの活性が鈍る」ことを実感しているはず。

 PM-04-04収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

それを「病は気から」と表現しますが、本当は「健康も病もすべては気から」です。

 Q-249:病気をどのように考えていますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28540879.html

 

ここでいう「気」とは「情報」のこと。

健康で元気な自分のイメージ」という情報に対する臨場感が高いほど、実際に細胞や免疫システムは活性化します。

Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 なぜなら、生命とは「情報」だから。すべてが情報です。

 

 

生命とは「情報」である

 「箱を潰す」イメージをすると、それまでより深く前屈できる。

 がんが治る、がんが消えるイメージを持てるとがんが治る。

 これが「情報空間(心)」を味方につけたということです。

 どういうことか説明しましょう。

 先に述べたよう、脳は頭蓋骨の中におさまっていて、外界と触れることはありません。頭蓋骨を切って、大脳を外に出しても、触感がないために脳は外界を感知しません。

 脳が外界と触れるのは、脳の入出力チャンネルである「モーダルチャンネル」(「五感」と「言語」を合わせたもの)を介してのみです。脳は、神経を通じてもたらされる電気信号によってのみ外界を認識します。

 すなわち、脳にとっては生命活動=「情報」なのです。

 私たちが生きているということ、生活しているということは脳にとっては「情報処理活動」なのです。

 

 

 脳にとっては生命活動=「情報」

 

 だから、情報を「自由に認識し、自在に操作する」ことができるようになると、生命活動(現象)そのものを自由自在にコントロールできるようになります。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 ところが、情報を自由に認識することは、決して簡単ではありません。必ずスコトーマが生じるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そして、生命活動(現象)を完全にコントロールすることもできません。不完全性や不確定性が働くから。さらに物理空間においては、物理法則という秩序が働いています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 

物理空間は抽象度が低い世界

 一方で、私たちは物理的な空間に生きています。

 これは簡単なことで、皆さんもよくお分かりですよね? 私たちはお腹がすけばご飯を食べ、病気になれば治療をし、眠たくなれば眠ります。つまり、「物理空間(体)」の活動をしています。

 ここでまたひとつ、認知科学の新しい言葉を使います。物理空間は、情報空間のいちばん下の抽象度に位置している。ということです。

 抽象度って何? と思われた方も多いでしょうが、これは要するに「情報量の大小」を言っています。情報量が多ければ多いほど抽象度は低く、情報量が少ないほど抽象度は高くなります。

 

 たとえば、「犬」「猫」より、犬も猫も含んだ「哺乳類」の方が情報量は少なく、抽象度が高い。「人間」は「苫米地英人」より抽象度が高い。しかし「人間」は「霊長類」より抽象度は低い。イメージがつかめましたか?

 なぜ「人間」の方が「苫米地英人」より情報量が少ないかというと、「人間」は「苫米地英人」「前田日明」「山田太郎」といったさまざまな対象を包摂しているからです。

 すべてのものは情報量の大小(抽象度)で序列化できます。

 そして私たちの生命活動はすべて情報処理活動なので、物理空間(体)は情報空間(心)の一部です。情報空間中で最も抽象度が低く、物理法則が働くエリアが物理空間です。物理空間は情報空間の一部であり、抽象度の最も低い空間なのです。

 引用終わり(続きは次回引用します)

 

 

 情報空間中で最も抽象度が低く、物理法則が働くエリアが物理空間

 

 私たちは、つい、物理空間だけを認識してしまいます。そして、物理空間だけで理解し、評価し、判断してしまいがちです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 すると、自分や世界を形作っている抽象度の高い情報空間の関係性を“正しく認識する”ことができないため、シンの問題や課題を見つけることができず(case-side)、解決することもできません(plan-side)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 だから、まずはより抽象度の高い次元に、しっかりと気を向けることが必要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

L-205につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

私たちは、つい、物理空間だけを認識してしまいます。そして、物理空間だけで理解し、評価し、判断してしまいがちです

 

 その理由は主に3つあります。

 

1)「物理空間が広大な情報空間の一部分であることを知らない」という知識不足

 Q-180:家族が… -04;「I×V=R」を用いた<イメージをゲシュタルト化する> 後編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

2)「生命とは何か?」「宇宙とは何か?」という根源的問いに対する関心(重要度)の低さ

Q-066:認知的不協和の状態にあり頭痛が… Vol.3;宇宙の構造と生命(現象)の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14106619.html

 

3)そもそも役割(責任)がない

F-384:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.4;役割/責任「Intentionality」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36189008.html

 

 では、これら3つに大いに関係することは何でしょうか?

 (答えは↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *スコトーマについて、詳しくはこちらでどうぞ↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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Q-418:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A2:ずいぶん前に医師として経験した話を紹介します。

 

 その病院の院長は世襲の二代目。「優しい医療」や「仁」という言葉を好んで使っていました。しかしながら、職員の評価は微妙で、事実として離職率が高い職場でした。

 

 当初、私は“偽善”を疑っていました。しかし、院長自身はいたって真面目。本気で「優しさ」や「仁」を追求しているように思えました。

 PM-02-22~3偽善とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 そんな院長に対して、職員は3つのグループに分かれていました。1)10%が院長を崇拝するグループ、2)20%が院長を小馬鹿にするグループ、そして3)大多数(70%)が「どうでもいい」という感じの日和見グループ。

 つまり、職員の9割が、院長のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の外にいるという感じです。

 (↑今はこの分析は正しくないと思っています。その理由は次回まとめます)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その院長は、確かに明るい人ではありませんでしたが、根暗なわけでもありませんでした。今思い出しても、間違いなく真面目。

 F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

  こんなに一生懸命なのに、なぜ職員から評価されないのだろう?

 

 そんな疑問を解決することなく、私は任期を終え病院を去りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その後、認知科学者 苫米地英人博士に学ぶ中で、この病院での経験を思い出しました。そして、RAS&スコトーマで説明できるのではないかと思うようになりました。私の分析は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 院長および崇拝グループ:パワハラや虐待があると思っていない

=スコトーマに隠れている

 その他の職員:パワハラや虐待がひどいと思っている

=スコトーマが外れている

 

 しかし、このような分析を行っても、やはりスッキリしないまま。何か大事なことを見逃している気がしていて、「一向にゲシュタルトが完成しない」という不安定な感覚が続きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

そもそも「パワハラ・セクハラ・モラハラ」や「虐待」はなぜ生じるのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(オープン・エンド、p39)より引用します。

 

 

■差別思想と身分制度

 儒教は、権力を持つに至った支配者が、その支配を維持し、より強固なものにしていくためには何をなすべきか、民衆をどう教育すべきか、ということを並べ立てた宗教なのである。本質的に支配者にとって利用しがいのある宗教だと言える。なぜならば、儒教はその中に差別思想をふんだんに内包しているからである。差別思想を民衆の中に埋め込めば埋め込むほど、国の支配は強固なものとなり、支配者にとって都合のよい安定(秩序)が生まれる。

 では、儒教の差別思想はどこから生まれてきたものだろうか。

 前項で述べた儒教の「孝」という概念では、先祖代々木の板や墓を守り継ぐ家長が最も偉いということになる。家長は血のつながりによって長男へと受け渡され、一族は存続していく。ここに、先祖、家長、長男、二男、三男といった順位が生まれる。

 また、儒教には「仁」という考え方がある。儒教の中で中心に置かれる徳目の一つで、人と人とが結び付くときの規範である。仁とは仁愛と言い換えることもできる。

 確かに、仁愛は自分が他者との関係を築くときの重要な心構えではあるが、この場合の「他者」がくせものなのだ。儒教で言う他者とは、限られた身内、あるいは、限定された空間つまり仲間においての他者を指している。

 たとえば「仁義」という言葉で説明するとわかりやすいかも知れない。やくざの仁義は同じ組織の中だけで通用するものであり、他の組織との間には仁義は存在しない。

 このように、仁とは身内にだけ通用させ、それ以外の人間との関係には適用しないものなのである。実は閉塞的で、身内さえよければという考え方に至るのは必然だろう。

 身内は仁によって守られているが、ともすればおしつけがましく上に立つ人間の意思しだいでいかようにもなる規範と言えよう。

 さらに、儒教は仁を支える「忠」という概念がある。仁の対象である組織における上下関係を強化する論理である。

 日本でこの「忠」をたくみに利用したのは、徳川家康である。忠を根本に置き、確固たる武家社会を築いたのだ。そのことは後述しよう。

 

 儒教において、「孝」は「仁」によって支えられ、「仁」は「忠」によって支えられ、より強固な差別を生んでいったのである。

 シャーマニズムでは、宗教的リーダーであるシャーマンが最も尊い存在である。この下に祖先の身分の高さに準じた父系の一族(血縁集団)がずらりと並ぶのだ。

 儒教においては、親から、ひいては祖先からいただいたものはすべて、身体はもちろん、身分も大切にしなければならないという論理が、祖先崇拝によって成り立っている。その論理の行き着く先が職分論、つまり各人の身分に結びついた、それぞれの職務・役割(職分)を果たすことが正しい生き方だとする考え方である。その結果、親の職業によって子どもの職業が決まることになる。言い換えれば、人の価値は血で決まるということだ。

 これは、支配者にとってはまさに都合のいい論理である。親の職業を継ぐことが是とされれば、支配者の職分をその子どもが継ぐことが当然とされ、地位、権力が安泰となることは言うまでもない。ここに身分制度が生まれるのである。

 インドのカースト制度でも同様である。輪廻転生を信じているインド人は、来世で別のカーストに生まれ変わるかもしれないと本気で思っている。しかし現実には、どこの家に生まれたかでカーストは決められ、カースト間の移動は認められていない。

 つまり、親がどのカーストに属するかによって、その人の一生が決まるというのがヒンドゥー教信者の宿命である。

 引用終わり

 

 

儒教はその中に差別思想をふんだんに内包している

 

 「儒教なんか私には関係ない」と思っている人も多いはず。しかし、私たちは儒教的な洗脳をたっぷり浴びています。その代表が「道徳教育」です。

 F-368:義を見て為さざるはvol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 

 「道徳」の「道」という言葉は、儒教の書である論語の中にも繰り返し出てきます。

 中国語では「道」を「タオ」と読み、通常は道教の始祖である老子の言葉を指すのだそう。だから、儒教は道教の影響を受けているといえます。

 道 (哲学) - Wikipedia

 

 「道徳」の「德」という言葉は、まさに儒教における重要な概念のことです。

 徳 - Wikipedia

 

 つまり

 

私たちは「道徳教育」という儒教(&道教)洗脳によって、「『孝』『仁』『忠』により支えられる強固な差別」を刷り込まれている

 

そして、その無意識下に潜む差別が「私(私たち)は正しい」「私(私たち)は〇〇してもいい」という偏見を生みだしています。本当は「絶対に正しい」などありえないのに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 その差別を根源とする偏見こそが“無明”の証。

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 今回取り上げたケースでいうと、院長の無意識には、間違いなく差別がありました。その差別が「〇〇家は偉い」「〇〇家は何をしてもいい」という偏見を生みだしていました。

 はっきり理解していたかどうかは別として、職員の20%(小馬鹿グループ)はそんな思い上がりに気がついていた(=スコトーマが外れていた)はずです。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

「道徳教育」により、無意識に「差別」が刷り込まれている

 

 その事実に無自覚なまま生き続ける人は、すべて“偽善”といえます。

 Q-192~:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_410371.html

 

Q-419につづく)

 

 

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F-257~:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ

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Q-387~:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか?

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Q-417:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 1;「S」>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A1:まずは医療に関連した知識から紹介します。

 

 肝臓に脂肪が蓄積している状態を「脂肪肝」と呼びます。

脂肪肝は、じつは、あなどれない病態です。そのまま放置すると慢性的なダメージが蓄積し「肝硬変」に至り、さらには「肝がん」を合併することもあります。

「だから、早期発見・早期治療を!」ということで行われているのが、現在のメタボ健診です。正確には「特定健康診査・特定保健指導」といいます。

F-056~:「不摂生が理由で病気になった人の医療費を健康のために努力している人が負担するのは『あほらしい』」ことなのだろうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_277070.html

 

 脂肪肝に加え、過体重、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などがある場合、飲酒量の確認が行われます。飲酒量が多くなく(アルコール 男性:210g/週未満、女性:140g/週未満)、主因が飲酒ではないと思われる場合には「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLDnon-alcoholic fatty liver disease)」と診断されていました。これまでは。

 

 ところが、最近、その診断名が「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLDmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)」に変わりました。その理由は何だと思いますか?

 

 答えは「『alcoholic』『fatty』という表現が差別的だから」です。

 

 

 しばらくの間、読み進めるのをやめて、御自身の心(思考)を観察してください。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」に対してどんなことを感じていますか?

違和感でしょうか? 驚きでしょうか? それとも憤り?

 

 

 おそらく多くの方にとって、「alcoholic(アルコール依存)」や「fatty(肥満)」という表現(ゲシュタルト)と「差別」(というゲシュタルト)は結びついていなかったはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 私自身は、「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」と聞いて、とても驚きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 医療・介護現場が主ではありますが、研修や講演の際にこの知識を紹介し、これまでの認識を確認してみました。すると、案の定、「alcoholic」や「fatty」が「差別」と結びついていない方がほとんど。これは「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」がスコトーマに隠れていたと考えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 以下、苫米地博士の著書「立ち読みしなさい! ~美しいほどシンプルな成功術」(ありがとう出版、p137)より引用します。

 

 

◆「見る」と「観る」は似て非なるもの

 漫画の中で出てきた3つ目のキーワードは“スコトーマ”です。

 スコトーマとは「心理的盲点」という意味。見えているのに気付けない状態のことを指します。百聞は一見に如かず! 早速、このスコトーマを体験してもらいましょう。

 今、あなたがいる場所から見える範囲の中で赤い物を3つ探してください。

 赤色であればどんなものでも構いません。できるだけ早く赤色を3つ探してください。

 スタートです!

 

 いかがでしたか? 見つかりましたか?

赤色のモノはありましたよね。それでは青色のモノは幾つありましたか?

 

「え? 青色?」そう思った感覚が大切です。もう一度確認をしてみると、青色のモノも存在していると思います。これがスコトーマです。

一体どうしてこのようなことが起きるのか説明していきます。

 スコトーマとは見えているのに見えていない状態だと話しました。実際に青色の物があったのに見えていませんでした。不思議だと思いませんか?

 結論から話すと、私たちの脳は同時に2つの世界を維持することはできません。

 そして、見たいものしか見ないのです。赤色と言われれば赤しか見ませんし、青色と言われれば青しか見ません。その他の色も見えてはいますが、認識しないのです。

 

 少し違う観点から説明します。

 私たちが小学生の時に習った漢字「見る」と「観る」の違いです。

 「見る」という行為はただ漠然と眺めているだけです。目を開けているので見えているだけだと思ってください。見えてはいますが、私たちの脳にとってはあまり重要な情報ではありません。

 しかし「観る」という行為は、意識して観ている。集中して観ている。気になって観ている。そういった状態です。私たちの脳にとっては重要な情報を得ようとしています。一眼レフのカメラであれば、その対象物にズームし、ピントを合わせている状態です。

 

 ちなみに「聞く」と「聴く」も同じような意味があります。

 「聞く」はただ聞こえているだけ。たとえ寝ていても何かしらの音は私たちの耳に入ってきます。しかし、ほとんどの音はまさしく右から入って左にぬけていくだけの状態です。

 これに対して「聴く」は意識して聴いている状態。興味があり耳を傾けている状態です。

 私たちの脳がその音に対して重要な情報だと認識し情報を欲している状態です。

 

 先ほどの質問を思い出してください。

 「赤い物を3つ探してください」ということだったので私たちの脳が「赤い物だけ」を観よう! としました(「見る」ではなく「観る」です)。

 青色をはじめ他の色も見えていましたが、認識しませんでした。

 

 これはGoogleYahoo!の検索ワードで調べる場合とほぼ同じです。

 まず赤色が最優先の検索ワードで、それを3つというのがその次のワードです。

 まず赤色とそれ以外の色に分けられ、その次に、その色を3つ、となります。

 赤に近いピンクなどの色は脳の検索ワードに少しヒットしますが、赤色でないためスルーされてしまいます。しかし青色など全く違う色の場合は最初からスルーされていました。

 引用終わり

 

 

 スコトーマとは「心理的盲点」という意味。見えているのに気付けない状態のことを指します

 

 私は、このスコトーマの原理が働くことが、「パワハラや虐待がなくならない」理由の1つ目だと思っています。パワハラや虐待を繰り返す人の多くは、そもそも自身の行いが「パワハラや虐待」であると認識していないはずです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 だから、その行いが「パワハラや虐待」であることをしっかり認識してもらえば、パワハラや虐待はなくなる

 

 そうならいいのですが、そんなに簡単には解決しませんよね。解決どころか、「パワハラや虐待」はもっとエスカレートしてしまうかもしれません。

 Q-326~7:最近「記憶が抜ける」ようなことがvol.1~2;感情が起こるメカニズム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31854899.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

 「パワハラや虐待を繰り返す人は、そもそも自身の行いが『パワハラや虐待』だと認識していない」ことは多くの場合で事実であるはず。しかし、「『パワハラや虐待』だと認識したところで解決しない」こともまた事実。

 

 では、どうすればいいのでしょうか?

 「パワハラや虐待」のもっと根深いところには、一体何があるのでしょう?

 

Q-418につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記1

医療・介護現場が主ではありますが、研修や講演の際にこの知識を紹介し、これまでの認識を確認してみました。すると、案の定、「alcoholic」や「fatty」が「差別」と結びついていない方がほとんど。これは「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」がスコトーマに隠れていたと考えることができます

 

 この仮説は「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」という主張(claim)が正しいことを前提としたもの。私が調べる限り、その根拠(warrant)や事実(data)ははっきりしません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 今回のブログ執筆をきっかけにもう一度考えてみましたが、やはり「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」には違和感があります。もっとはっきりいうと、「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」という考え自体が差別的!

 

 原因は、おそらく、差別と区別の違いが不明瞭なところにあるはず↓

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 鍵は「抽象度」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

-追記2

 さらに考察すると

 

「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」は「〇〇依存」という表現をタブー化するための仕込みなのでは?

 

 そんな疑念が浮かびます。

 

残念ながら、日本では、これから確実に「依存症」が増えます(case)。

 Q-383:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34738124.html

 

 その解決(plan)として、コーチングはますます重要になるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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F-071~:「糖尿病リスク予測ツール」に思う

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_319922.html

F-082~:ダメ。ゼッタイ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_352303.html

F-215:これりすくん

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27469761.html

F-258:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html

Q-121:過去にこだわる人に対してどのように対応すればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20932824.html

 

 

立ち読みしなさい!

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L-195202207月医療・介護研修会 -05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html

 05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 

 

  言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする

 

それがTotal Pain(全人的苦痛)をTotal well-being(全人的幸福)に書き換える奥義。

 L-07620211… -05;部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29515037.html

  

 コーチとして言い直すと、それは「『Total Pain(全人的苦痛)』という可能世界w1」から「『Total well-being(全人的幸福)』という可能世界w2」へ移行する奥義です。

今回のテーマに合わせると、「『イライラ』という可能世界w1」から「『ワクワク・ドキドキ』という可能世界w2」へ移行する奥義だともいえます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

  言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする

 

 前回の研修では、詩人 あいだみつをさんの書「しあわせは いつも じぶんの こころがきめる」をトリガーにして、「すべて自分のマインドが生みだしている」というアンカー(意識状態)を引きだす方法についてお話しました。

 L-182202206月医療・介護研修会 -05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 

 *トリガーとアンカーはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 「すべて自分のマインドが生みだしている」は2600年前に釈迦が見いだした真理。

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

その真理のことを、コーチングの祖 ルー・タイス(Lou Tice)さんは、「ゴールが先、現実が後 / Goal comes first, reality is second」と表現し、「夢をかなえる方程式 I×V=R」としてプリンシプル化されました。つまり

Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 もっとも臨場感が高い(V)イメージが(I)その時の現実(R

 

 ならば、苦痛を幸福に書き換えることも、イライラをワクワク・ドキドキに変えることも自由自在にできそうです。しかし、実際には簡単にはできません。その理由は「秘密がある」から

 

 以下、苫米地博士の著書「空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば」(PHP研究所、p27)より引用します。博士が話されているのは密教についてですが、抽象度を上げて、森羅万象をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

空海はすごい

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密教とは何か -如来秘密と衆生秘密

 ところで密教とはいったい何でしょうか。

 密教の「密」には二つの意味があります。如来秘密と衆生秘密です。

 如来秘密は、読者のみなさんが想像している密教のイメージそのものです。

 大日如来は私たちにいつも語りかけているけれど、その教えは如来の言葉であるために、私たちには理解できないという考え方です。

 大日如来は釈迦とは違い、人間ではありません。法身といって、私たちの目には見えない存在なのです。それは宇宙の原理そのものですが、それではあまりに人々に伝わりづらいので、大仏のような形ある存在として表現しているのです。

 また、密教は人から人へと伝えられるために、師僧に出会わないかぎり、その教えの本当の意味を知ることはできません。その意味でも秘密にされているのです。

 歴史上では、空海と最澄(七六七~八二二)のやりとりがとくに有名です。

 空海と最澄は八〇四年の遣唐使で、留学僧として同時に唐へ渡りました。最澄は当時すでに桓武天皇の護持僧として確固たる地位を築いていましたが、空海はまだ無名の一留学僧にすぎませんでした。ところが、密教を完全な形で持ち帰ることができたのは空海だけでした。

 帰国後の空海と最澄は、経典の貸し借りなどをしていましたが、『理趣経』という難解な密教経典の解説書を借りたいという最澄からの申し出を、空海は断ります。

 なぜ空海が最澄の申し出を断ったのかというと、真偽は不明ですが、最澄はお経を書き写すばかりで、密教の本質を学ぼうとしないと空海が判断したからだと伝わっています。

 密教の考え方では、法(ダルマ)は、経典のなかにあるのではなく、人から人へしか伝わらないとされます。

 このエピソードは、如来秘密について明確に語っているものの一つでしょう。

 もう一つの秘密は、衆生秘密です。衆生秘密とは、私たち自身の心が閉ざされているために、その教えを享受することができないということです。

 密教なんて呪術にすぎない、密教なんて仏教ではない、という考えを心に抱いていれば、密教と出会うことはありません。

 もっと広げていえば、仏を信じなければ仏教と出会うことはありません。

 この衆生秘密は密教というより、仏教全体にあてはまる考え方です。

 たとえば、日本のほとんどの仏教宗派(密教を含む)では、お経を読む前に『開経偈(かいきょうげ)』を読みます。

 

  無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)

  百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)

  我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅじ)

  願解如来真実儀(がんげにょらいしんじつぎ)

 

  このうえもなく深い繊細な教えがこの世にはある

  計り知れない長い時間を経ても、その教えに出会うことはむずかしい

  私は今、その教えを見たり聞いたりする機会を得ました

  願わくば仏の真の教えを理解できますように

 

 この言葉からもわかるとおり、仏教の本質は、私たちの心そのものにあるのです。そのことを衆生秘密は説いています。

 真言を唱えたり、曼荼羅をつくったり、瞑想をしたり、護摩を焚いたりすることで、密教は私たちの心に仏が宿っていることを知らせてくれます。

 密教の教えは神秘思想的な側面をもつだけではないのです。

 引用終わり

 

 

密教の「密」には二つの意味があります。如来秘密と衆生秘密です

 

 如来秘密とは、「大日如来は私たちにいつも語りかけているけれど、その教えは如来の言葉であるために、私たちには理解できない」という考え方。

 ここでいう「如来の言葉」は、人間にとっては超言語。だから、「言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする」。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 衆生秘密とは、「私たち自身の心が閉ざされているために、その教えを享受することができない」ということ。これが「無明」です。

 F-357:自由訳「OODA」 <vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 

 苫米地博士は、「無明」のことを「存在がアプリオリな確定性のものだと思いこんでいる状態」と定義されています(「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」p181)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 

頭の回転が50倍速くなる脳の作り方

 

 

 すべての存在は不確定です。それは「常に無限の可能性が開いている」ということでもあります。

 L-175202203… -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

 

「観測される粒子は、正確に計測しようとすればするほど、その観測行為の影響を受けて不確定になる」という存在の双方向性のことを、釈迦は「縁起」と呼びました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その縁起を知らないことが「無明」です。後の大乗仏教でいえば、不確定性という「空」の原理を知らないこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

その「無明」が苦の根源であるというのが、十二支縁起の「無明によりて行があり」。「行」とは誤った認識作用のこと。コーチングおいては、その「誤った認識作用」のことを、「スコトーマに隠れる」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

L-196につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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ぜひゴール設定の“基本”と“ポイント”を体得してください↓

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html

 

 

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F-286:気楽 ver.2 03;さらに“自分”の「リミッターをはずす!」-前編-

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Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

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L-191202207月医療・介護研修会 -01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとして働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 

 

 前回の講義後たくさんの質問や感想をいただきました。その中の一つに「学習(知識)と時間の関係が少し難しかったのですが、又聞いて理解を深めます」というものがありました。

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 私たちは、RASReticular Activating System、網様体賦活系)の働きにより、自身のブリーフ(信念)に従った情報しか取り入れていません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

それは「常にブリーフ(信念)に従うものにロックオンし続け、それ以外をロックアウトしている」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

そのロックアウトが「スコトーマに隠れる」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 あるブリーフ(信念)に基づくロックオン/ロックアウトは、有益な情報を逃してしまう恐れがある上に、間違った情報を信じてしまう危険性まではらんでいます。それが「洗脳」のカラクリ。

 S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html

 

 したがって、「RAS&スコトーマとブリーフシステム(Belief SystemBS)の関係をしっかり理解し、自らコントロールする」ことは、とても重要だといえます。それこそが「自由」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

スコトーマを生みだす/外すポイントは3つあります。

 

1つ目は「知識」。

そもそも私たちは、「知らないもの」を認識することができません。反対に、「すでに知っている」という思い込みは、新たな認識を妨げます。

L-140202111月小学校親子講演会 -03;子どもたちに一番伝えたかったこと

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

 

2つ目は「重要性」。

私たちは重要な情報しか認識していません。その“重要”は必ずしも好ましいもの/ことではありません。

例えば、「イライラしている人が苦手」という人の無意識には、「イライラが重要」と書き込まれています。すごく嫌いな人のことがつい頭に浮かんでしまうのは、その「嫌いな人」の重要性が高いからです。

Q-398~:恨みをメールで送りつけたい気持ちがあります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429964.html

 

3つ目は「役割(責任)」。

そのポイントをシンプルに表現すると、「すべてを自分事にする」です↓

S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

スコトーマが生じる/外れるポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)

 

 つまり、目の前の世界は、各自の「知識+重要性+役割(責任)」の投影だということ。同じような現実を前にしても、認識にあがる情報は人それぞれです。苫米地博士は、それを「一人一宇宙」と表現されます。

 Q-235:「財布を盗られた」といった被害妄想が… vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 その「一人一宇宙」を実態にあわせて厳しく表現しなおすと、「一人一洗脳宇宙」

 

以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(CYZOMonthly Dr.Tomabechi’s Column2月』」より引用します。

 

 

ゴール達成を邪魔する「洗脳」について知ろう

 ゴールを叶えるためにも、この認知戦の時代を生き抜くためにも、「洗脳」について考えることはきわめて重要です。あなたのゴールの実現をはばむ最大の問題はあなたに仕掛けられた「洗脳」だからです。以前であれば、社会的洗脳があったり、互いに洗脳したり、ビジネスに洗脳的手法を使ったり、カルト集団が犯罪として洗脳を使ったりする程度でした。

 しかし、私が2000年に『洗脳原論』(春秋社)を書いたときから予言し、警鐘を鳴らしてきたのは、現代社会が洗脳社会になるということでした。洗脳のカラクリが密かに公開され、多くの人が洗脳的手法を用いるようになる世界が来ると予言していたのです。その予言は的中したと言わざるを得ません。互いに洗脳し合うことにとどまらず、現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています。

 洗脳とはいわば醒めない催眠です。深い変性意識状態になり、第三者の利益のために自身のリアリティーを書き換えられた状態です。特にアンカーとトリガーという心理的手法を使います。アンカーが特定の記憶であり、その特定の記憶を引き出すための言葉やイメージがトリガーです。そのトリガーを見たり触ったりすると、特定の記憶が引き出され、それが考えや行動を決めてしまいます。

 もし洗脳が催眠ならば、夜に眠れば催眠は解けます。なぜなら睡眠は最も深い変性意識状態だからです。しかし、睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。

 これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります。その例の一つが最近のパンデミックです。事実に基づいた反論や論理がまったく通じず、感情だけで大衆が動いてしまい、社会の流れが止まってしまいました。これが「洗脳」社会の恐ろしさです。

 もちろん洗脳はゴールを設定したり、達成することも邪魔します。しかし、洗脳について正確に知ることで、洗脳から逃れることも可能です。洗脳について正確に知ることが、防衛につながるのです。

 引用終わり

 

 

 睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります

 

 私が経験した「説得や論理が通じない」ケースをお話しします。

 (プライバシー保護のため、一部変更しています)

 

 入院中の高齢患者さんの呼吸状態がA型インフルエンザ罹患後に悪くなったため、急遽、御家族に面会をしていただきました。隔離された病室に入るためにガウンや手袋などの個人防護具(PPEPersonal Protective Equipment)をつけていただこうとした際、家族の一人がこのような発言をしたそうです

 

これは何のために着るんですか?

私はもうインフルエンザにかかったんですよ。

私もこれを着ないといけないんですか?

 

 頑なに防護具を拒み続ける家族への対応を私が引き継ぎました。イライラを隠さない家族に話したのは

1)     インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニン(HAH1~H1818種類、赤血球凝集素)とノイラミニダーゼ(N1~N1111種類)という糖タンパクの抗原性の違いから、複数のサブタイプ(亜型)に分類される

2)     同じA型インフルエンザ感染症であっても、サブタイプが違うと再度感染するリスクがある

3)     現在は2種類のA型が流行している

4)     B型も流行する時期に入っている

といった医学的事実。

 

 医学的事実 →根拠(再感染する可能性がある) →主張(感染防御を行うべき)というロジックです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 それでも納得しない家族に対して、やむを得ず、

5)「自分は感染しないからいい」は「自分さえよければいい」と言っているに等しい

6)「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である

と伝えました。

 

 「抽象度を上げて、“自分”の定義をひろげる」ことをイメージしながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 老病死(+生で四苦)の現場では、不安や恐怖から大脳辺縁系優位に陥ってしまうことがよくあります。本人・家族はもちろん、医療・介護従事者も。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 その方もきっと大脳辺縁系優位に陥っていたのでしょう。しかし私は、その言動から差別的なブリーフシステムを感じました。「私は特別扱いされるべき」「私は好きにしていい」という内省言語を生みだすブリーフを。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 もしもそうなら、それこそ「洗脳」。ゴール達成を邪魔する「洗脳」です。

 

 

 前回の研修で確認したとおり、イライラや不幸から自由になるためには、「RAS&スコトーマをコントロールして、『ワクワク』や『幸せ』をしっかり感じる」ことが絶対条件です。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その「RAS&スコトーマをコントロール」の第一歩がゴール設定。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

そして、ゴール設定とともに磨き続けるのが

 

L-192につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である

 

 新型コロナ感染症とその実験薬(いわゆる“コロナワクチン”)との縁を経て、これまでの私のブリーフは大きくゆらぎました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています」という苫米地博士の言葉が重く響きます。

 F-367~:義を見て為さざるは、勇無きなり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429934.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

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F-036:縁起と宇宙と教育や学習の関係 ~「何もないところからレンブラントを発見」の補足説明~

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F-380:学びと破門で脅しをかける ~自由、フェアネス、平和のために~ <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

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L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

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Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 

新・夢がかってにかなう手帳 2024年度版




Q-413:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.3;抽象度>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A3:前回(Q-412)、人が持つゲシュタルト能力について触れました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

分別しながら“ある枠組み”を決め、その中で思考する

 

 その“ある枠組み”が「フレーム」であり、「ゲシュタルト」。

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。抽象度が上がるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 反対にいうと、ゲシュタルトの統合がないままではスコトーマは外れません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 例えば、私は前回「『物理的』『精神的』『社会的』の3つがそろうことが『物理的&精神的&社会的』なのではなく、そのどれか1つでも攻撃を受けたら『物理的&精神的&社会的』です」と書きました。

 (参考にこちらもどうぞ↓)

 F-311~:デジタル自傷行為

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html

 

 その理由は「すべて情報であり、『物理的』『精神的』『社会的』は同じ宇宙の抽象度の違いにすぎない」からですが、この“表現(ゲシュタルト)”が固定化すると、さらなる可能性を見失います。

 (見失う“一例”はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 

 だから、まずは「宇宙の構造」「宇宙の理」を知り、そして「必ずスコトーマがあること」を意識に上げ続けることが重要。

 Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 その上でゴール設定を行い、ゴール側の視点から「ゴールに関係すること(T)」はスコトーマを外し、「ゴールに関係ないこと(Nil)」「情動(D)」はスコトーマに隠していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

もちろん、「怒り(とくに動物的怒り・私憤)」は「D」です。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 そんなモニタリング&ラベリングと並行して行うのが、「抽象度のコントロール」。

 ゴールを無事に設定することができ、その達成に意識が向かうようになると、どうしても抽象度は下がりがち。

 よって、「さらなるゴールを思い描きながら(空観)、同時にゴール達成を模索する(仮観)」という感覚が重要になります。その感覚(=中観)が「抽象度のコントロ-ル」の肝だと私は思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 最後に苫米地博士の著書「苫米地博士の『知の教室』:本当の知性とは難しいことをわかりやすく説明することです!」(CYZOp72)より引用します(苫米地博士の発言は青字)。

 「怒りのコントロール」をテーマに、苫米地博士は聞き手に合わせながら抽象度をダイナミックにコントロールされています。その“感覚(中観)”を感じながら読み進めてください。Feel

 

 

6時限 「怒りのコントロール」

― 博士、感情ってどうやってコントロールしたらいいんですか! 
苫米地 ん!? どうしたの? 急に

─ いや、なんというか夫婦間でいろいろあってコテンパンにやられて……
苫米地 要は夫婦ゲンカで負けたんだ。ワハハハ! でも、それでいいじゃん、負けておけば(笑)

─ いや、まあ、そうなんですけど、僕の人間が小さいというかですね、あとになって「なんで、俺が我慢しなきゃいけないんだ! 俺、悪くないじゃん!」ってなって余計腹が立ってくるのがどうにも、こうにも。はあ〜。
苫米地 相変わらず、自分が未熟で困る、という話ね(笑)。だからさ、前から言ってるように怒ったら我慢しなくていいんじゃないの? 自分が悪くないと思ってるんでしょ?

─ いや、そうなんですけど、そこで怒るとまた一悶着起きてしまって……

苫米地 面倒なのね(苦笑)。じゃあ、一生怒らないってことにしたら?

─ う〜ん。以前、そう決めたんですけど、ダメでした……
苫米地 でしょ、結局決めたって守れないんだから(笑)。要は怒ることはいいか、悪いかじゃないんだって。怒りたければ怒っていいの。でも、みんな必死で怒らないようにしたり、ヘタな感情の爆発のさせ方をしているから失敗するの。じゃあ、なんでそんな失敗をするのかっていうと、勘違いしているからなんだよ、感情をコントロールするっていう意味を

─ 勘違い?
苫米地 そう。そもそも感情ってなんだかわかる?

─ 博士がよくおっしゃっているのは、人間の生理現象であり、排泄物と一緒。だから我慢するものでもないし、我慢したら身体に悪い。
苫米地 そう。ということは、感情って出していいものでしょ。というか、出さなきゃダメでしょ。ただし、通勤電車の中で排泄したいと思った時、普通そこでする?

─ いや、絶対にしません。したらダメだと思います(笑)。
苫米地 だよね。電車が駅につくまで我慢してトイレに駆け込むでしょ

─ そうか! 怒りや感情もそれと一緒で人前でやっちゃダメだと。排泄物に例えるとわかりやすいですね(笑)。
苫米地 人前で出すと差し障りのあるものは人前では出さないってことが基本ね(笑)。要は感情を爆発させてはダメな場所やタイミングってあるわけ。タイム、プレイス、オケージョン。TPOをみて吐き出す。例えば、取引先の社長に頭に来てもそこで怒るのは大抵自分が不利になるでしょ。だったら、その場は我慢して、あとでバッティングセンターでボールを引っ叩いたり、木人拳を叩いてもいいし(笑)。それこそトイレに駆け込んで罵詈雑言を吐き出せばいいわけでしょ。その数分から数十分を我慢すれば? って言ってるわけね

─ それが感情のコントロールだと。
苫米地 そういうこと。で、その数分を我慢することって難しい? だって、みんなできているよ。電車の中で漏らさないでトイレ行けるでしょう。そんなのウチで飼っているネコだってやってるよ(笑)

─ そもそも感情のコントロールなんて大層な話ではないと。コントロールができないとか言っている時点でネコ以下だと(苦笑)。
苫米地 みんなできるし、現にもうやっている。じゃあ、なぜ問題が発生するのかというとそのあとの対処がなってないからなんだよ

─ そのあと?
苫米地 よく考えてみればわかると思うけど、怒るなんて感情は本来どうでもいいわけでしょ。怒ったからなに?で、問題は怒ったとか、怒らないとかではなくて、自分を怒らせるような出来事があって、それがのちのち自分に不都合な事態を引き起こす可能性があるかもしれないってことじゃないの?

─ 確かにそうですね。だいたい自分に不利益が起きるかもしれないから怒るわけで。
苫米地 ということは大事なのは怒ったあとにどう復讐するかってことじゃないの?

─ えっ、復讐ってアリなんですか!?
苫米地 全然アリ(笑)。逆にしっかりリベンジしないからダメなんだって。「自分に不利益な事態が発生しそうだなと思ったけど放っておきました」ではまたやられるよ。それは地震警報が発令されたのと同じ。普通はどこに身を置いたら安全かを考えるでしょ。でも、「なんだよ、ゆっくり寝ているのに起こしやがって」って怒っていたらバカでしょってこと。でも、現実には皆さんそれをやっちゃってるんだよ

─ そうですね。よくも俺を怒らせやがって、許せねえって。
苫米地 でも、本当に大事なのは怒ったあと。次の理不尽な攻撃を防ぐための抑止力としての復讐をどうやるかってこと。じゃあ、その大事なことをするのに怒っててできる? 情動に負けてて抑止力としての復讐なんて論理的に考えられる?

─ 絶対無理です。
苫米地 でしょ。怒りながら抽象度の高い作業なんてできないわけ

─ ということは、怒ることっていうのはそもそも無意味なんですか?
苫米地 無意味は無意味だけど、でも怒ってもいいわけ。湧き上がった感情はTPOにあわせて吐き出せばなんの問題もないのに、いちいちそこで「怒るべきか、怒らざるべきか」って立ち止まるから問題になってしまうわけね。だけど、本当の問題は相手の次の攻撃があるか、ないか。ありそうだったら抑止力としての報復行動を取る。でも、それは怒ったままではできませんよってことね

─ そうか。怒りは一回すっきり全部吐き出して、そのあとに抑止力としての復讐を考えなければいけなかったんですね。それを「怒りたい、怒れない。我慢しなきゃ、でも、我慢できない」ってやってたからいつまで経っても……

苫米地 堂々めぐりだよ。感情は感情として吐き出しておいて、復讐は論理的にやらないと成功しないよという話。そういう報復行動は、人間は昔からしてきているんだよ。例えば、中国人なんて何千年も前からやっているよ。墓まで暴いて名誉を傷つけたりしているでしょう

─ ああ、死体を晒したりしてますね。
苫米地 あれは権力を握った者に反抗する人間をもう出さないためっていうことでもあるし、ありとあらゆる意味合いを持った報復攻撃でしょ。いまの日本だってやってるよ、それは。テレビで官邸批判をすると、すぐにその局の役員に、ある筋から電話がかかってきて「上の人間が怒っています」とかやるらしいよ。別に、上の人間は怒っていないと思うけど(笑)。これなんて抑止力としての怒りを活用しているいい例だよ

─ 怒るのではなく、怒っているフリ。
苫米地 いまの例の場合はね。肝心なことは、論理的に行動しているかってこと。ところが、怒りで悩む人っていうのは感情のハケ口としての復讐行動ばっかりとってない?

─ やり返えさないと腹の虫が収まらないんですよね(苦笑)。
苫米地 でも、それって自分の怒りを吐き出すことが目的であって、その後のことなんかなにも考えていないでしょ。脳内の情報処理でいえば前頭前野ではなく、扁桃体優位のままで動いている。それじゃあIQの高い行動に出られないわけで、結局、取引先を怒らせたり、奥さんを怒らせて、自分に不利益な事態を招いてしまうんだよ

─ そうですねえ……。そういう結果になるとわかっていながら、なぜかガーッと言いたいんですよね。
苫米地 実はそこにもうひとつの問題があるわけ。感情を爆発させるのを是とする風潮がいま日本にはある

─ えっ、そうですか?
苫米地 だって、昔の日本の教育は感情を出すのはみっともないだったはずだよ。人前で泣くなんて恥っていうのが日本の武家文化だったはずでしょ

─ いわれてみればそうですね。子供の頃、泣くなんてみっともないっていわれました。
苫米地 でしょ。それが戦後GHQによって感情表現を出していく文化を植え付けられて、少しずつ変わってきた。いまなんて、場合によってはTPOもわきまえないぐらい大げさに感情を出すほうがいいという風潮、それが男らしいみたいな風潮がどこかあるんじゃないかと思うんだよ

─ そうなんですか?
苫米地 うん。実は俺、この前の冬休みにNHKの大河ドラマの黒田官兵衛モノと坂本龍馬のヤツをDVDで全部見たんだよね。それでわかったんだけど、あんな泣いてばっかりいる武士なんていないよ。坂本龍馬ものなんか、龍馬も龍馬の周りにいる人もみんなワンワン泣いてない?

─ そうですね。特に龍馬はいまそんなキャラクターになっている気がします。
苫米地 でもさ、あんなに情動を剥き出しにする人間が切腹なんてできないよ。龍馬はずっと命を狙われていたんだよ。もっと情動を抑えているって。あれはさ、日本の文化をNHKはぶっ壊してない?

─ う〜ん、たしかに情動出しすぎな感じはしますけど、日本の文化を壊すまで言うと大げさすぎる気もしますが(苦笑)。
苫米地 だけど、戦前は親が死んでも泣くのは恥ずかしいっていう文化だったんだよ。それが、武士も泣いていいんだっていうふうに180度変わっているよ

─ 確かにそうですね。全然気が付きませんでした。
苫米地 それが洗脳なんだって。で、ここ最近、その傾向に拍車がかかっているから問題なんだよ。で、その原因が……

─ 大河ドラマですか?
苫米地 違うんだよ。この前わかったんだけど、韓流ドラマなんだよ(笑)

─ え〜〜っ、ホントですか(笑)。だって、博士は韓流ドラマ好きじゃないですか。
苫米地 好きだし、よく見ているよ。だから、わかるんだけど、俺、日本国民があんなふうに泣いたり、怒ったりしたらダメだと思うんだよ

─ 韓流ドラマファンとは思えない発言ですね(笑)。
苫米地 俺はああいうのを娯楽として楽しんでいるからいいの。でもさ、見習っちゃダメでしょ(笑)

─ ダメだと思いますけど、見習う人なんていますか?
苫米地 NHK大河ドラマのスタッフは見習っていると思うよ。だから、あんな泣きすぎ龍馬を是としているんだよ。俺はあのドラマを見て「こんなものを1年も流して、日本人を弱っちいヤツにするための謀略か?」って思ったけど(笑)

─ そんな壮大な策略が大河ドラマというか、韓流ドラマにあったんですか。
苫米地 そう思えるほどNHKの大河ドラマは韓流ドラマみたいだったね(笑)

─ とりあえず、感情をコントロールしたければ、大河ドラマを見ちゃダメ(笑)。
苫米地 ダメ(笑)! ま、余談はこのぐらいにして、情動は出してもいいけど、それは人前で出さないってことだよね。で、抑止力的な報復が必要だと思ったら情動優位のままでは動かない。じゃあ、どうすれば情動優位状態をやめることができるのかといえば、論理的に復讐する方法を考えること。いきなり情動状態をやめようとするのは間違いってことだよね

─ ああ! 一生懸命論理的になろうとするんじゃなくて、どうやったら効果的な復讐ができるかを考えれば、自然に論理的になれると。
苫米地 だから、そういう意味でも、抑止的な復讐を考えるってことは大切なんだよ。で、最後にもうひとつ、一番いいのがそもそも感情的にならない人間になること。情動は娯楽として愉しめばいいんだから。逆に、娯楽に振り回されるからおかしなことになるんだって。情動はなにかというと、自分から出しに行くものなの。嬉しい、悲しいっていう感情を楽しみに行くのが正解。今日は思い切り怖がるぞってホラー映画を見にいくのが正しいわけ

─ それが感情をコントロールするってことだったんですね。
苫米地 そう。出したい感情を出したい時に出す。相手が選ぶんじゃない。自分で選ぶってことね

─ あっ、いまの言葉で凄く納得しました!
苫米地 わかった? ということで、夫婦ゲンカも娯楽にするように(笑)。

─ うぅ、頑張ります……

 引用終わり

 

Q-414につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

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Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

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Q-407:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように分析を行えばいいのでしょうか? <vol.1;フレーム問題>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 (「シンプル」の意味はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 まずは「case-side」から。テーマは「フレーム問題」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A1:認知科学(cognitive science)の現在のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。

その“関わり”が「ファンクション」。東洋哲学でいうと「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

コーチング関連用語を用いてさらに言い換えると、「ゲシュタルト(gestalt)」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 一般的には、ファンクションとは「機能」「役割」のことです。ファンクショナリズムも最初は「機能主義」と訳され、その考え方で脳を研究する学問を「機能脳科学」と呼んでいたそう。

以前は、苫米地博士も(たくさんの肩書きの一つとして)御自身のことを「機能脳科学者」と表現されていました。

 Q-328:最近「記憶が抜ける」ようなことがvol.3;ソフトウェアとハードウェア>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31906669.html

 

その後、コンピュータとの関連から「ファンクショナリズム=関数主義」と訳されるようになりました。その関数主義を信じ研究する学者が認知科学者です。

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 現在の認知科学(ファンクショナリズム)は壁にぶつかっているといいます。その壁が「フレーム問題」。

苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。それは「あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「フレーム問題」のフレームとは、「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky1927~2016年)が提唱した概念で、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。

そのフレームを、苫米地博士は、「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

 

 

マービン・ミンスキー(Wikipedia)

マービン・ミンスキー(2008年、OLPCオフィスにて)

Wikipediaより引用

マービン・ミンスキー - Wikipedia

 

 

 著書「認知科学への招待」(CYZO)の中で、苫米地博士は「フレーム問題」を「レストラン」というフレームを用いて解説されています。シンプルに問うと

 

人はなぜその場所がレストランだとわかるのか?

 

 

認知科学への招待

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 人工知能が「ここはレストランだ」と完全にわかるためには、「レストランに関する知識(ここはレストランだと判断するための知識)」だけでなく、「レストランではないことに関する知識(ここはレストランではないと判断するための知識)」が必要なのだそう。

つまり、世の中のありとあらゆる知識を教えておかなければならないということ。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 仮に世の中のすべての知識を人工知能に教え込むことができたとしても、その知識すべてにアクセスして思考(計算)を始めてしまうため、その場所がレストランかどうかを判断するだけでも膨大な時間がかかってしまうそうです。

 つまり、傍から見ると思考(計算)が止まったかのように見える それが「フレーム問題」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 そんな人工知能に対して、人間には「ある程度合致していれば『これだ』と判断する能力」が備わっています。誰もが持つその能力は、じつは、とてつもない才能です↓

 L-175202203… -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

 

著書「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店)の中で、苫米地博士は「ゲンかつぎ」を取り上げられています。例えば「野球選手が赤い帽子をかぶり赤いトランクスをはいて登板したら完全試合を達成することができた」というケースの場合、人工知能と人との間にどのような違いが生じるでしょう?

 

 以下、同書(p148)より引用します。

 

 

Dr.苫米地の「脳力」の使い方

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すべては、ゲシュタルトの選択問題

 前項で述べたように、ゲシュタルトとは、1つの心を維持し、それにそぐわないものは認識しないという知覚現象や認識活動を説明するための概念で、日本語では認識の統合とか認識のかたまりとか呼ばれています。

 維持するためにふさわしい認識の範囲がすなわち、前出のフレームになるわけですが、現実の人間の思考では、そのフレームを設けて、その中で考えるということが難なくされています。

 無限の可能性を全部洗って、選択するには、無限の時間がかかってしまうからです。

 つまり、ある1つのことをやるときに、その中で起きうることのすべてに、起きる可能性があるのです。

 その可能性の中で、何が関係あるのか、何が関係ないのかを選び出し、ゲシュタルトを形成するのです。

 例に挙げた完全試合でいえば、赤い帽子が重要だったのか、赤いトランクスが深い関係を持っているのか、あるいは、観客の帽子が赤かったことと関係があるのか、そのどれもが関係ないのかなどなどの可能性です。

 もしかしたら、観客にとっては、そのどれもが関係ないもので、赤い帽子もめがねも、完全試合をするためのフレーム、ゲシュタルトの中にははいらないかもしれません。

 まして、ピッチャーがはいているトランクスの色など知りようがないのです。完全試合の可能性はまったくないことでしょう。

 しかし、ピッチャーにとっては、これは、完全にゲシュタルトの選択範囲内です。彼は、数々のゲシュタルト要因の中から、赤いトランクスを選び出したのです。

 このような、人間の心だけがする選択を科学で可能にし、問題を解決しようとしたのが認知科学です。

 その先駆者は、アメリカの計算機科学者ジョン・マッカーシーです。彼は、マービン・ミンスキーとならぶ初期のAIArtificial Intelligence=人工知能)の第1人者と言われています。

 彼は、1956年、人工知能に関する初の国際会議を開催しました。

 そしてパトリック・ヘイズとともに、彼の指導を受けたアラン・コトックは、1966年にチェスプログラムを開発しました。

 しかし、ジョン・マッカーシーや同じく第1人者とされたパトリック・ヘイズらが提唱したフレーム問題により、人工知能(AI)の限界が見えてきたのです。

 つまり、かなり狭い範囲のゲシュタルトによるものでなければ、人工知能は、与えられた使命を果たすことができないことがわかったのです。

 たしかに、人工知能研究の初期には、文法や専門知識などのルールを与えればコンピュータによる自然文の理解が可能になり、人間との対話もできるようになるのではないかという楽観的な見通しがありました。

 人工知能にできることは、現在、50年近くもまえに開発されたチェスのゲーム以上のものはないのです。

 これから先のことはわかりませんが、私は、やはり、ここでも、認知科学の限界を感じてしまうのです。

 まとめれば、人工知能はたしかに、たとえばチェスや将棋のように限定されたゲームなどのフレームの中では、人間を凌ぐ能力を発揮します。しかし、それも人間がプログラムを仕込んだからこそできることです。

 ある野球のピッチャーが、いい成績を上げるのに、自分のはいたトランクスが関係あるのだといった、思いがけない関係性を見つけ出すような「抽象化能力」、そして全体と部分の双方向性を捉える能力は、人工知能には今のところ望むべくもないのです。

 むしろ、そうした人工知能の限界をはっきり認識したことが、現在の認知科学の功績と言ってもいいのではないでしょうか。

 引用終わり

 

 

ゲシュタルトとは、1つの心を維持し、それにそぐわないものは認識しないという知覚現象や認識活動を説明するための概念で、日本語では認識の統合とか認識のかたまりとか呼ばれています

 

 このブログ記事の最初の方で、苫米地博士のこのようなコメントを紹介しました。

 

認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた

 

これは「あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということですが、この「あえて」というのが人間に特有の能力です。

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 無限に等しい可能性の中からまるで運命に導かれるかのように「『これだ』と判断」できるのが「ゲシュタルト能力」。そして、その「『これだ』と判断」と同時に、他の可能性を「あえて」スコトーマに隠すことができるのが「ゲシュタルト能力」です。

 L-170202203月シークレット… -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 

私たちは、じつは、あたりまえのようにゲシュタルト能力によって「フレーム問題」を解決しています。

 Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることがOps編;〇〇〇化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 このゲシュタルト能力こそが、認識できないはずの現状の外にゴールを見出し、実際にそのゴールを達成してしまう秘密であるといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

Q-408につづく)

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

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L-177202203月シークレットレクチャー -10(最終回);自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35079795.html

Q-268~:薬をやめることができますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421168.html

Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

 


Q-404:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか? <後編;plan-side

 

介護現場で働く方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、前編(case-side)と後編(plan-side)の2回に分けて回答いたします(変更を加えています)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35833083.html

 

Q:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

 

A2:コーチがクライアントのコンテンツに関わった瞬間に、コーチングは洗脳に変わります。

 Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

 

“自由”を追求するはずのコーチングが、“奴隷”を生みだす洗脳に変貌してしまうのです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

じつは、誰もがすでに洗脳されています。それはブリーフシステム(Belief SystemBS)を考えるとわかるはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 前回、「問題を見つけることも、見つけた問題を解決することも、その鍵は『スコトーマ』にあります」と書きました。スコトーマを生みだす/外すポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 知識がなければ、そもそも認識することができません。

 その一方で、知識が新たな認識を妨げてしまいます↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 「自分」について一番知識があるのは、もちろん、自分自身。

 だから、「自分の知識や常識として受け入れているものを、入念に吟味し続ける」ことが重要。少しでも違和感を感じるなら、その違和感は徹底的に掘り下げるべきです。

 L-159202201月シークレット… -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 

 どこに違和感を感じるのか?

 どれくらい感じるのか?

なぜ感じるのか?  等々

 

 違和感を徹底的に掘り下げることによって、知識は新しいものに書き換わっていきます。これまでのゲシュタルトが、より大きなゲシュタルトへと再構築されていきながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 前回、「コーチングにおいて、このプロセス(ゲシュタルト再構築)はとても重要」と書きました。その理由は、ブリーフシステムを見直す大切な縁起となり、さらなる現状の外にゴールを見いだす貴重な機会となるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 信じて疑わない自身のブリーフシステムを疑うからこそ、現状の外がだんだんと見えてきます。「徹底的に掘り下げることで知識が新しいものに書き換わる」とは、自分のブリーフシステムをゴール側から修正していくことです。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

その過程で新たな現状の外が感じられるようになり、新たなゴールが見えてきます。それが認識できないはずの現状の外へゴールを設定する秘訣です。

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 そんなプロセスを繰り返すほど、新たに見いだすゴールは抽象度の高いものに変わっていくでしょう。それは自分自身がリーダーになっていくということでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 リーダーが描くゴールの世界に対して臨場感が生まれると、ラポールの次の段階であるハイパーラポールが生まれ、強烈なホメオスタシス同調が働くようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 すると、ゴール達成を確信するリーダーのエフィカシーが、縁起空間中にひろがっていきます。これがコレクティブ・エフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 つまり、私がイメージする解決とは、

 

抽象度の高いゴールを持つ者がリーダーとなり、ゴールの世界の臨場感を高めながら、まわりを巻き込んで進化・向上していく

 

 というもの。

 F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

 以下、苫米地博士の著書「年収1億円稼ぐ! 脳の磨き方」(宝島社、p26)」より引用します。本のテーマ上、博士は「お金」にフォーカスしながら書かれていますが、もう一段抽象度を引き上げて読み進めてください。Feel

 

 

チームのリーダーとなってコレクティブ・エフィカシーを高めよ

 

1億円を稼ぐには自分がリーダーになる

 前に「5つのゴールを作る」という話をしましたが、そのうちの①、自分の欲求がない人は1億円を稼ぐことはできません。何度も言いますが、お金はただの数字であり、紙切れです。それを欲しいと思わなければ、決して金持ちにはなれないのです。

 しかし、自分の欲求だけではゴールになりませんし、身内からドリーム・キラーを生んでしまいます。人を引っ張っていくという理由としても弱いため、結果としてチームで動くことができません。

 1億円を稼ごうとしてチームで動く場合、全員が“1億円稼ぐ”というエフィカシーを持っています。これが「コレクティブ・エフィカシー(集合的エフィカシー)」で、まずは自分がリーダーとなり、チームのコレクティブ・エフィカシーを高めていきましょう。

 

すべてのゴールが見える人がリーダーになるべき人

 チームのリーダーになるためには、①の欲求だけでなく、社会的なゴールや趣味など、②から⑤までのゴールがすべて揃っていなければなりません。また、自分がリーダーにならない場合でも、自分以外の人たちとゴールを共有していく必要があります。

①のゴールだけしかないと、稼ぐ側としてはチームのコレクティブ・エフィカシーを生み出すことができませんし、ましてやリーダーになることもできません。なぜならば、①だけでは社会の味方がいないため、ドリーム・キラーに狙われやすいのです。

 ハーバード・ビジネス・スクールと米TPIの合同統計によると、コレクティブ・エフィカシーがある会社とない会社の10年間の追跡調査を行ったところ、売り上げでは、ある会社が2~3倍多い程でしたが、利益率では750倍も多かったという結果があります。同様に、海外の特殊部隊や自衛隊なども、チームのパフォーマンスを上げる最大の要因は、コレクティブ・エフィカシーを作れるかどうか、チームの全員が「自分はすごい」と思っているかどうかなのです。

 コレクティブ・エフィカシーが生まれる心理的要因は、“ゴールの共有”と“結果としてのラポール(心理的連帯感)”です。簡単に言えば、コンフォート・ゾーンを共有する人たちで仲良くなればいいのです。リーダーと集団がゴールを共有すると、必要な倫理レベルもリーダーにならってアップし、高いコンフォート・ゾーンが共有され、ラポールが生まれます。まずはリーダーが“レベルの高いゴールを設定する”“チームのみんながそれを達成できると思う”、このことでラポールを生み、レベルの高いコンフォート・ゾーンを作るのです。

 引用終わり

 

 

 チームのパフォーマンスを上げる最大の要因は、コレクティブ・エフィカシーを作れるかどうか、チームの全員が「自分はすごい」と思っているかどうか

 

 あなた自身がチームの誰よりも高い抽象度のゴールを設定し、そのゴールをチームのメンバーとしっかり共有してみてはいかがでしょう

 

あなたがレベルの高いコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)を作りあげるほど、そしてメンバーがそのCZを強く共有するほど、チームは劇的に変わっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 すべては自分自身のマインドからはじまります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 最後にもう一度、苫米地博士のこの言葉を

 

 チームのリーダーとなってコレクティブ・エフィカシーを高めよ!

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 信じて疑わない自身のブリーフシステムを疑うからこそ、現状の外がだんだん見えてきます。「徹底的に掘り下げることで知識が新しいものに書き換わる」とは、自分のブリーフシステムをゴール側から修正していくことです

 

 ゴール側からゲシュタルトを再構築する思考法が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 *こちらもどうぞ↓

 L-08820213月シークレット… -11コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-311~:デジタル自傷行為

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L-07420211月シークレットレクチャー -03;ブリーフシステムによる〇〇思考を止める

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L-09420217月シークレットレクチャー -06;ブリーフシステムと人格や未来との関係

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L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

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L-09620217月シークレットレクチャー -08;ブリーフシステムとハビット&アティテュードと抽象度の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

L-168202203月シークレットレクチャー -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 

 

年収1億円稼ぐ! 脳の磨き方



L-187202206月医療・介護研修会 -10;ビッグなゴールが生みだすもの

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 04;イライラや不幸から自由になるために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35531009.html

 05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 06;成功体験を再現し、次の日の成功を思い描く

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35578663.html

 07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35626365.html

 09;「ゴール」と「イライラ」の関係のパターン別考察

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35638948.html

 10;ビッグなゴールが生みだすもの

 

 

 コーチとしてあらためて「イライラ」について考えてみると、「“自分”を生きていない」「本当の“私”じゃない」ことが「イライラ」の根源に感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 シンプルに表現すると、「自由がない」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

苫米地博士がよく用いられる表現でいうと、「奴隷」です。

L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 だからコーチング!

 コーチングを実践することで、結果として、「本当の“私”」を見つけることができるようになります。

 F-355~:自由訳「OODA

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429448.html

 

 その「“自分”」「“私”」のことを、コーチングでは「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

ブリーフシステム(BS)とは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という、個々人が強く信じて疑うことのない固定的な思考=信念のこと。その信念がさまざまな判断基準の核となります。

 L-135202111月シークレットレクチャー -04;「囚」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33051194.html

 

 ブリーフシステムのブリーフ(信念)とは、前頭前野や大脳辺縁系に作りあげられた認識のパターンのことです。その“パターン”が「自分を含む世界の地図」を生みだします。古い表現では「内部表現(Internal RepresentationIR)」といいますが、それこそが「現状(Status Quo)」です。

 Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html

 

 以前確認したとおり、私たちはRASの働きにより自身のブリーフ(信念)に従った情報のみを取り入れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 情報の取り入れ口が「モーダルチャンネル」で、人間の場合は「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」「言語」の6つがあります。その中でも「言語」は臨場感を上げやすいチャンネルです。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の…~ vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

「『言語』は臨場感を上げやすい」を言い換えると、「『言語』は現実を作り変えやすい」。その理由は?

 

そう、目の前の現実世界(Reality)は「一番臨場感の高いイメージ」だから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 「言語」によりたやすく現実を変えることができる

 

 ただし、その「言語」の多くは外から入ってきます。RAS&スコトーマの働きを決める重要度は、たいていの場合、自分以外から出てきた情報によって決まります。

 だから、自身の重要度を意識に上げ続けることが大切!

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

そのために常に無意識のコントロールを行います。その一つが「誰によって入力されたのか?」という自問です↓

 L-168202203… -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 

 そんな自問を続けることを大前提として、私がお勧めするのが「ビッグなゴールを夢見る」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、苫米地博士の著書「人生を劇的に好転させる自己洗脳ルール44 もう努力してはいけない!」(学研プラス、p64)より引用します。「なぜ『ビッグなゴールを夢見る』ことが『本当の“私”』を見つけることになるのか?」と問いながら読み進めてください。

 

 

ルール13 ビッグなゴールを夢見る

 夢をかなえたいというときに大事なことは、できるだけビッグなゴールを設定するということです。

 なぜかというと、現状とゴールとの差が夢をかなえようとするときのパワーの源になるからです。現状とゴールとの差を埋めようとする力こそが、夢をかなえる原動力となるのです。

 すぐに実現できてしまうようなゴールだと、現状との差が小さいため、夢をかなえようとするための原動力も小さいものになってしまいます。

 さらに、ゴールの設定は自分の限界の設定(そこまでいけばそれでいいという意識)にもつながってしまいます。ですから、自分の想定できる範囲でいいので、できるだけビッグなゴールを設定してください。

 

 例えば、お金で言えば、日本人のサラリーマンの平均年収が430万円だとしたら、その100倍、「年収43000万円になる」くらいでちょうどいいでしょう。100倍くらいがちょうどいいのですが、多くの人はせいぜい10倍くらいのゴールを設定してしまいます。

 次にやるべきことは、そのビッグなゴールが本当に自分の夢かどうかをよくよく調べるということです。もしその夢が、誰かに仕掛けられたものだったり、騙されてやらされているものだったりしたら、ビッグにすればするほど愚かな奴隷になってしまいます。

 誰かに仕掛けられたものかどうかの判断基準があります。それは、「設定したゴールが現状の外側にあるかどうか」です。現状とは、瞬間的な現在の状況ではなく、現在の状況の延長線上にあるもの、現在の状況を変えなければ、将来、起こり得るようなことも入ります。現状をそのままにしておくことで起こり得ることはすべて「現状=Status Quo(ステータス・クオ)」なのです。

 だから、新入社員が「将来、この会社の社長になる」というゴールを設定したとしたら、まあ、多少ビッグとは言えるかもしれませんが、ゴールが現状の中なので、他人に埋め込まれたゴールの可能性が高いということになります。

 ゴールが現状の外側にないと、現在の延長線上にゴールがある(未来は過去の延長線上にある)ということになりますから、常に過去にこだわり続けることになります。「過去にこだわってはいけない」という話はすでにしたとおりです。すばらしい未来を得るのに、過去は関係ありません。過去にこだわってしまうと、未来は過去の延長線上にしかないことになりますから、現状を変えたいと思っていてもStatus Quo(現状維持)な未来しかやってこないことになります。

 また、自分自身にこだわってしまっているようなゴールは、現状の中のゴールである可能性が高いです。それに対して、社会性の高いもの、公共性の高いものは現状の外側の可能性が高いと言えます。絶対ではありませんが、一つのバロメーターとしては有効でしょう。

 ですから、「年収43000万円」というゴールは、自分自身にこだわり過ぎているので、やや危険なゴールと言えます。ただ、どうしてもほしいと思うのであれば、現状の延長線上にあるかどうかわからないほどビッグなゴールにしてしまえばいいでしょう。その値の目安が、現在の100倍くらいということです。

 ここで、一つ気をつけたいことがあります。それは、現状とかけ離れたビッグなゴールになればなるほど、臨場感が薄れてしまうということです。まだ現実化していない、しかも現状と大きくかけ離れたことに対して臨場感を持てという方が難しいのは当然です。人間の無意識は臨場感の高いものを現実と思い込む性質がありますから、臨場感が薄いとホメオスタシス(環境と身体との生理的同調関係)が働かず、せっかく設定したゴールも現実化しなくなってしまいます。

 この現状の外側に設定したゴールの臨場感を高める方法論に、「アファメーション」というものがあります。この「アファメーション」の話は、別の項目でもう少し詳しく見ていくことにします。

 引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)

 Amazon.co.jp: 絶対成功する44のルール eBook : 苫米地英人:

 

 

 社会性の高いもの、公共性の高いものは現状の外側の可能性が高いと言えます

 

 「社会性が高い」「公共性が高い」は、「抽象度が高い」と言い換えることができます。それが「ビッグ」の意味です。よりビッグなゴールになるほど、社会性・公共性が高くなり、抽象度が上がっていくということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前半で確認したとおり、「現状」とは、「BSが生みだす『自分を含む世界の地図』」のことです。ビッグなゴールになる=抽象度が上がるほど、スコトーマが外れやすくなり、「BSが生みだす『自分を含む世界の地図』」の外側を感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 すると、さらなるゴールを見つけられるようになります。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

ゴールとは、個人レベルの願望成就ではなく、より高次の抽象度次元にひろがる縁起(関係性)そのものの幸せ(well-being)のことです。ビッグなゴールになるほど、幸せ(well-being)が大きくなり、「イライラ」は消えていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

「バラいろダンディ」(20211213日放送回)での講義で、苫米地博士は、ゴールのことを「将来達成したい世界」と表現されていました。「ゴールは自分のことではなく、社会の姿。それもより抽象度の高い世界のことである」と。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

その「将来達成したい世界」は、“自”と“他”を分ける“自分”という視点を超越した「未来における縁起のつながり」のことでもあります。それこそが「本当の“私”」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

ビッグなゴールが生みだす空(くう)としての自我です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

L-188につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart

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L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

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Q-383~:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

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Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

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人生を劇的に好転させる自己洗脳ルール44

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L-185202206月医療・介護研修会 -08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html

 02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 04;イライラや不幸から自由になるために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35531009.html

 05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 06;成功体験を再現し、次の日の成功を思い描く

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35578663.html

 07;「イライラ克服」の基盤

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35592887.html

 08;つまらない夢を失った瞬間に訪れるもの

 

 

 前回(L-184)、「イライラ」は「Fight or Flight」の一表現であり、“動物的”になり心身ともに緊張(&疲弊)している状態だとしました。「Fight or Flight」とは、“人間らしさ”の源である前頭葉前頭前野よりも、“動物的(原始的)”な大脳辺縁系の方が優位になっている状態です。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 人間の脳には、じつは、階層性があります。その階層性は脳の進化と関係しています。

では、ここで問題。「階層性」とは何のことでしょうか?

 

 

脊椎動物の脳は、脳幹、小脳、大脳で構成されています。この基本構造はどの脊椎動物でも共通ですが、各パーツの大きさやその機能は進化の度合いで大きく異なっています。

 

魚類や両生類の大脳は大脳辺縁系だけで大脳皮質はありません。爬虫類には大脳皮質がありますがごく小さいもので、大脳辺縁系がほぼむきだしです。

大脳辺縁系は旧皮質といわれる「本能を司る脳」で、食欲や性欲などの本能や、怒りや恐れといった原始的な感情に関係しています。

ちなみに、人間でも、一時的に「本能を司る脳」が優位になることがあります。それが「Fight or Flight」。日本語で「闘争逃走反応」と呼ばれる状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

鳥類や哺乳類の大脳皮質は大きく発達しており、運動野や感覚野といった高度な機能を持つ部位がここに宿っています。鳥が巧みに空を飛んだり、哺乳類が素早く行動できるのはこの大脳皮質の働きのおかげです(さらに人の場合はこちら↓)。

 L-173202203月シークレット… -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 

哺乳類でも霊長類になると、大脳皮質に連合野が現れます。その中でも、思考や創造、推論、意欲、情操といった人間ならではの行動の源、さらには自我や意識などの根源と考えられているのが前頭前野です(前頭連合野とも呼ばれます)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

ちなみに、大脳皮質に占める前頭前野の割合は、ネコが3.5%、サルで11.5%、人間では30%といわれています。霊長類の中で最も進化した人間が高度な認知や行動を行えるのは、この前頭前野のおかげ。まさに人を人たらしめる理性の座であり、思考の場です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

さらに前頭前野は、論理的な判断をつかさどる背外側部と社会的情動にかかわる内側部に分かれます。ディベート中に活性化するのは、論理脳である前頭前野背外側部です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

このように階層性は脳の進化と関係しており、進化した脳ほど抽象度が高く、階層的に高い世界に臨場感を感じることができます。つまり、階層性≒抽象度。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 初回(L-178/01)にお伝えしたとおり、私はコーチングが「イライラ」を解決すると思っています。その理由は「ゴール設定(&達成)を繰り返すたびに、抽象度が上がる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

コーチングを実践するほど、スコトーマがどんどん外れ、より高次の抽象度次元を感じることができるようになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その過程をシンプルに表現すると、「煩悩克服」。

 L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html

 

その時の意識状態は、落ち着いていて、とてもクリアな感じ。私の感覚では「気楽」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

コーチングに取り組むほど、抽象度が上がり、煩悩を克服できる

 

 しかしながら、本当に大切なことは「煩悩克服」そのものではありません。それはコーチングの結果として起こることです。では、何を目指すのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版、p143)より引用します。

 

 

果てしない煩悩が満たされない気持ちをつくる

 とすれば、つまらない記憶ばかりをくり返し思い出し、あるいはつまらない考えばかりが浮かんでイライラする原因は情報過多ではありません。

 イライラの原因は、自分で重要度を高めているものが多すぎるということなのです

 重要度が高くなければ、認識にのぼってこないし、それが澱のように溜まっていくこともないからです。

 問題は、なぜ自分で重要度を高めているものが多いのか、ということでしょう。

 おそらく読者のみなさんは、その理由は煩悩が多いダメな人間だからだ、と考えるのではないでしょうか。

 しかし、よく自分のそれを顧みて欲しいのですが、ひとりの人間が持つ欲望など、じっさいはたかが知れています。あれも欲しい、これも欲しいと希っているうちが花で、いざそれを手に入れてしまうと、「なんだ、こんなものか」と欲望がたちまち欲望でなくなって、さびしい思いをする経験は誰しもあるはずです。

 

 たとえば、私が思い出すのは芥川龍之介の『芋粥』という短編小説です。

 子どもからも「赤鼻」と呼び捨てにされる平安時代のだらしない侍が、当時のご馳走とされた芋粥を腹いっぱい食べてみたいと思っています。

 それを聞いた藤原利仁という武将が、望みをかなえてやろうということになりました。

 招かれた先で、その侍の前に芋粥がこれでもかとばかりに提供されていきます。その侍は、やがて芋粥を食べることが苦痛になり、ついに食べなくてもいいという許しが出ると、心から安堵します。

 それは、心ゆくまで芋粥を食べたいという夢を失うことと引き換えに許された安堵である、という残酷な小説です。

 

 煩悩とはつまらないものである、といいたいのではありません。

 私は、もっとお腹いっぱいになりたいとか、もっとおいしいものが食べたいとか、自分自身の中から発せられた欲望を満たそうとすることは、決して悪いことではないと考えています

 いざ欲望を満たしてみると、それがつまらないものに映り、それが次の欲望を膨らませていくエンジンになったとしてもいいのです。

 それが進歩や成長というものであり、人間はそうやって一歩一歩、自分が本当にやりたいことは何か、本当に成し遂げたいことは何かを理解していきます。

 一般に、芥川の『芋粥』は、救いようのない絶望を描いた作品と理解されています。

 しかし、私は、だらしない侍がつまらない夢を失った瞬間に、その男に本当の目覚めが訪れたのではないか、とも思います。夢を失うことによって初めて手に入れることができる夢というものが、人間には必ずあるからです。

 その意味で、私は人間の煩悩を否定することはできないと考えているわけです。

 引用終わり(このつづきは次回引用します)

 

 

 夢を失うことによって初めて手に入れることができる夢というものが、人間には必ずある

 

 つまらない夢を失った瞬間に訪れるものとは、「本当の目覚め」。そう、“覚醒”!

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

“覚醒”を経て手に入れた「夢」のことを、コーチングでは「ゴール」と呼びます。

L-10020218月シークレットレクチャー -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

L-186につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

このように階層性は脳の進化と関係しており、進化した脳ほど抽象度が高く、階層的に高い世界に臨場感を感じることができます。つまり、階層性≒抽象度

 

 教育の目的は、人類の進化といえるこの脳の変化を、個人の成長に落とし込むこと。それは「人間形成」という形で実現していきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 この「臨場感が物理空間から高次の情報空間に拡大していく」という「人間形成」はとても重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

苫米地博士は「人は、進化の結果として、ホメオスタシスの能力が物理空間から情報空間にまで拡張している」と説明されています。

ホメオスタシス(Homeostasis)とは、「恒常性維持機能」のこと。私たちが環境の変化にもかかわらず体温や血圧、心拍数といったものを保つことができるのは、この機能によります。

そんな恒常性維持機能が「情報空間にまで働いている」というのが、博士が提唱される「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

  

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