Q-427:現状の外側に100%want
toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか? <vol.5;小さな器を粉砕するためのワーク>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
6回に分けて回答いたします。
(変更を加えています)
vol.1;ゴール設定のスタートライン
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36583975.html
vol.2;ゴールの基本条件
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36617136.html
vol.3;update of「Balance
Wheel」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html
vol.4;小さな器
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36662809.html
vol.5;小さな器を粉砕するためのワーク
Q:これまではhave toの生活が多く、現状の外側にゴールを設定することが困難に感じています。現状の外側に100%want toのゴール設定を行うための方法をご教示頂きたいです。よろしくお願い致します
A5:「have toの生活をやめたい」「want toで生きたい」と言うとき、意識はきっと「自分」を維持しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
自と他を分別する「自分」という意識状態は、自身を「個」という小さな器に閉じ込めます。
Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35882023.html
そんな意識状態のままでは、「現状の外側にゴールを設定すること」はできません。一方で、空にまで到達できないとシンのゴールが設定できないのであれば、やはり「現状の外側にゴールを設定すること」はできないでしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
では、どうすればいいのでしょうか?
…私の気楽な答えは、「とりあえずゴール(らしきものでOK!)を設定する」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
「たぶん現状の外ではない」「ひょっとしたらwant toでもないかも」というものであっても、今までの自分(=ブリーフシステム)であれば思いつかないようなワクワク(&ドキドキ)するものであったなら、「ゴール(仮)」として気楽に設定してしまいましょう。
まずは動き出すことが大事!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
その時に意識に上げることは「人生のあらゆる領域に設定する」。そう、バランスホイールです。
Q-255:バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html
人生のあらゆる領域(ゴールのカテゴリ)に暫定的な「ゴール(仮)」を設定したら、次に取り組むのは「コンセプチュアル・フロー」。
コンセプチュアル・フローは苫米地博士が無意識に行われている思考法で、博士の著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版)内で詳しく解説されています。
F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html
Kindle版はこちら↓
苫米地式 思考ノート術 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon
「コンセプチュアル」とは「抽象度が高い」という意味。
「コンセプチュアル・フロー」では、いま自分が思考していることを高次の抽象度で描き直していきます。その“抽象度”が縦軸です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
「フロー」とは「時間の流れ」のこと。
物事の関係性は、静的に未来永劫つづくものではなく、時間とともにダイナミックに変化するものです。もちろん、時間は未来から過去に向かって流れています。その“時間”が横軸。図にすると…
「苫米地式 思考ノート術」(Kindle版)より引用
余談ですが、「過去は一切関係ない」という事実を無意識にすり込むことができるのも、私がコンセプチュアル・フローを強くお勧めする理由です。
上の図をご覧ください。横軸である時間に過去はありません。
「未来が因であり、現在が果」「過去は一切関係なし」
…それがコーチングマインド!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
ただし、本当に未来から過去へ向かう時間の流れを生きるためには、絶対に欠かせない条件があります。それはコーチングのコア中のコア。何でしょうか?
…そう、ゴール!
ゴール設定がすべてのはじまりです。現状の外へのゴール設定によって、時間が未来から過去へと流れはじめます。
(さらに詳しく解説しました↓)
Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html
そんな大切なゴールを「ゴール(仮)」として気楽に設定し、「まずは動き出す!」というのが今回の最大のポイント。「動き出す!」方向はより高次の抽象度であり、そのための方法がコンセプチュアル・フローです。
Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html
では、縦軸(抽象度)と横軸(時間)を書いて、右上(一番抽象度の高い次元&一番遠い未来)に「ゴール(仮)」を書き込んでみましょう。
Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html
その後は頭に浮かんだ認識を自由に書き込んでいきます。
ここで大切なのは誰かの言葉を書くのではなく、自分で考え感じた言葉を書き込むこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
さらに付け加えると、ここでいう“自分”とは、現在の自分(ブリーフシステム)ではなく、ゴールを達成した未来側の“自分(=コンフォートゾーン)”のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
「苫米地式
思考ノート術」(Kindle版)より引用(一部改)
ゴールから見た言葉(認識)をたくさん書き込んだら、バラバラな言葉(認識)の関係性を見つけます。物事のすべてに関係性があります。その関係性(=縁起)を言語化していきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
図全体を眺めていると、ひとつのゲシュタルトが見えてくるはず。それが「理解」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
「苫米地式 思考ノート術」(Kindle版)より引用(一部改)
さらに新しい認識を書き込むことを続けていくと、1つ抽象度が上がった新しいゲシュタルトができます。それを続けていくと、だんだん抽象度が上がり、ゲシュタルトも高い(大きい)ものになります。ジョブス風にいうと「connect the dots」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
それが「理解が深まる」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
理解が深まることでスコトーマに隠れていたシンの問題に気づくことができ(case-side)、理解がさらに深まることでその問題を解決することができます(plan-side)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
*「case-side」「plan-side」はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
つまり、ゴールを達成するということ。
それが「『ゴール』と『現状の自我』という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けること」という感覚です。
F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html
「苫米地式 思考ノート術」(Kindle版)より引用(一部改)
…ふだんコンセプチュアル・フローについて話す際には、私自身も1つのカテゴリを想定しながら説明しています。
今回の目的は「『個』という小さな器に閉じ込められたままの意識を、『現状の外側』に開放する」こと。
その実現のために、ゴールに向かうコンセプチュアル・フローを、複数のゴールのカテゴリで同時並列的に行います。
Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html
難しい気がしますか?
「難しい」という意識がある間は、きっとうまくいきません。「難しい」を維持しようとして創造的回避が働くから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html
ポイントは「無意識に任せる」ことです。
(その秘訣はこちら↓)
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
(Q-428につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
ポイントは「無意識に任せる」ことです
…もう一つポイントを挙げるなら「臨場感」。
Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが… <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html
以下、苫米地博士の著書「すべての仕事がやりたいことに変わる -成功をつかむ脳機能メソッド40」(CYZO、p84)より引用します。「異なるカテゴリの複数のゴールに対して同時並列的にコンセプチュアル・フローを行う感覚」の参考にどうぞ。Feel!
16「うれしい・楽しい・気持ちいい・誇らしい・すがすがしい」
これまで「ゴールの重要性や設定方法」について述べてきました。ここではゴールへ向かうための実践トレーニングをご紹介しましょう。
まず、これまでのあなたの人生を振り返ってみて、「うれしかった」「楽しかった」「気持ちよかった」「誇らしかった」「すがすがしかった」体験を5つ、書き出します。ひとまず思いつくままにたくさん書き出してみて、その中から5つを選ぶほうがいいかもしれません。
このときに5つを選び出すポイントとして、「体感の強さ」を判断基準にしてください。その体験を思い起こしたときに、「うれしい・楽しい・気持ちいい・誇らしい・すがすがしい」という体感をどれだけ強く感じられるかが重要なのです。
五感をフルに働かせろ!
5つを書き出せたら、それを「4週間、毎日、1日2回」繰り返し読んでください。読んだときに再度、そのときの楽しさや達成感、快感といったものをイメージの中でリアルによみがえらせ、追体験します。このときに、五感をフルに働かせることがポイントです。たとえば、「サッカーのゴール」の場面であれば、駆け寄ってきたチームメイトたちの表情や歓声はもちろん、「ナイスゴール!」と背中を叩かれたときの感覚や、ゴクリと飲み込んだツバの味、汗のにおいなど、できる限り、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のすべてを使って思い出すのです。
体感を思い起こしながら、「俺はうれしい!」とか「誇らしい!」と大きな声に出していうと、より効果的です。恥ずかしいと思わず、ぜひ、やってみてください。声を出すことで自分の体感を外の物理空間に出し、それをもう一度自分の耳で聞くことで、体感が強化されるのです。これを感覚の「外部化」といいます。外部化で体感を強化することは、エフィカシー(自己評価)を上げることにも役立ちます。5つの「うれしい・楽しい・気持ちいい・誇らしい・すがすがしい」体験を思い出すことを4週間、毎日2回繰り返すと、5×2×28で280回もそれらを追体験することになり、たいへん強い体感を過去の体験から抽出することができます。
さて、次にやっていただきたいのは、自分のゴール、夢を書き出すことです。これまで述べてきたように、それは自分にとって本当に「やりたいこと」であり、「現状のままでは決してかないそうにないこと」であるのが条件です。本書では「仕事・ビジネス」をテーマにしてきましたが、必ずしも、それに限らなくてもかまいません。とりあえずはお金や物が欲しいということでもいいし、恋愛や結婚などプライベートに関する事柄でもいいでしょう。
次に、そのゴールを「すでに達成している自分」の姿を思い浮かべてください。そのゴールを達成したときの自分の姿を「こんなふうに感じるだろうな」とイメージするのです。ここで重要なのは、「未来において達成できる」と考えるのではなく、あくまでも「現在すでにゴールを達成している」と捉えることです。先述したように「今、こうあるべき自分」の姿をイ併せてメージしてください。
そして、そのゴール、または「今、こうあるべき自分」の姿に、先ほど書いた5つの項目を読んで思い出した体験を貼り付けていきます。たとえば、「起業に向かってバリバリと準備を進めている自分」という自分に対して、「うれしい・楽しい・気持ちいい・誇らしい・すがすがしい」といった体感を、シャワーを浴びせかけるようなイメージでミックスしていきます。こうして、体感を伴った「未来の記憶」を合成していくのです。
最初はいちいち過去の体験を鮮明に思い出しながらでないとできませんが、慣れてくると、瞬時に体感と未来の記憶を結びつけられるようになります。これが無意識で24時間、ずっと行えるようになると理想的です。超並列思考を鍛えておけば、デスクワークをしながら、ご飯を食べながら、本を読みながら、常に「俺は気持ちいい!」「誇らしい!」という体感がグルグルと回っているような状態を無意識の中に作り出すことができます。すると、見ている世界がすべてゴールから作られたコンフォート・ゾーンになり、ゴールがどんどん自分に近づいてきます。
●ポイント
過去の「うれしい・楽しい・気持ちいい・誇らしい・すがすがしい」の体感を抽出、ゴールのイメージとし未来の記憶を作ってコンフォート・ゾーンにする。
引用終わり
-告知1-
2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html
L-088:2021年3月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html
Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html
Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html
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