苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:コーチング

L-254202212月医療・介護研修会 -03;人間は情報不足を補うために、限定合理的な推論を使う

 

202212月、鹿児島県の医療法人で、認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。テーマは「3つの感染症』を“Total”という視点で考える」。

当日の研修内容を、最新の知識で再構築しながら、ブログ用にリライトします。

*関係者の皆さま、大変長らくお待たせいたしました

 

 01;研修当時の“空気感”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38323917.html

 02;帰納的方法論(induction)と演繹的方法論(deduction

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38330191.html

 03;人間は情報不足を補うために、限定合理的な推論を使う

 

 

「上位概念の定義ができてはじめて、下位の概念が定義できる」というのが演繹的発想。この発想の課題は「つねに定義する対象の上位概念がはっきり定義されていないといけない」こと。

 その課題を解決するためには大きな問題(case)がありますが、じつは、その解決(plan)はすでに示されています。偉大な先人たちによって。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 その解決とは、前回取り上げた「ゲシュタルト」の概念です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

仏教的にいうと、「部分と全体の双方の関係性である『縁起』を理解する」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、そのために欠かせないのが「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 人間の思考は、そもそも非単調性です。それは排中律(はいちゅうりつ)ではないということ。排中律とは「任意の命題に対して、それが成り立つか、成り立たないかいずれか一方であって、その中間はないことを述べた論理学の法則」のことです。

 F-2313錠じゃないと飲まん! <前編:排中律>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28339618.html

 

「中間はない」という発想の根底には「完全性」があります。知識でいうと、「正しいもの以外は知識とは呼ばない」という考え方。

それは単調論理であり、不完全性定理や不確定性原理以前の西洋哲学の世界観です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

「不完全性」が証明された現代は非単調論理がベース。単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)です。トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 苫米地博士が専門(のひとつ)とされているコンピュータサイエンスの研究は、「人間の推論は非単調論理となっている」ことを解き明かしました。それは前回(L-253)取り上げた「帰納的方法論(induction)」や「演繹的方法論(deduction)」とは違う「アブダクション(abduction)」と呼ばれる推論法で、心理学や計算機科学では「ヒューリスティック(heuristic)」と呼ばれています。

 

その「アブダクション」や「ヒューリスティック」は、「経験的(もしくは生得的)な知識を利用して、あいまいなマッチングを“発見的”に行う」という能力。それが人が持つ「ゲシュタルト能力」です。

Q-266:臨場感世界をまったく同じように感じることが<後編;視点を上げる>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29135063.html

 

もっとコーチっぽく表現するとイマジネーションの限界を超える力

F-363:シコウサクゴ <前編:コーチング前は誰もが「思考錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35159915.html

 

 以下、苫米地博士の著書「すべてを可能にする数学脳のつくり方」(ビジネス社、p124)より引用します。

 

 

人にとっての情報不足は人工知能にとっての情報過多

 人間は曖昧な状態の中で判断を下すことができる。これは裏を返せば、現実の世界は情報不足ということになる。

 実際、道に迷ったということは目的地に対する情報が不足しているからだ。

 人間はそれを補うために、限定合理的な推論を使う。

 これをヒューリスティックといい、情動的な思考、情報空間における自由気ままな発想を行っているから判断できるのである。

 この情報空間における自由気ままな発想こそが数学的思考である。

 論理的思考と数学的思考の決定的な違いはここにある。

 では、人工知能が曖昧な判断ができない理由はどこにあるのだろうか?

 情報不足だから起きているのだろうか?

 実は違う。

 人工知能が曖昧な判断ができないのは情報不足ではなく、逆に情報過多が原因なのだ。

 例えば、右に行くのが正しいのか、左に行くのが正しいのかを人工知能自身が推論する場合、左右の道のアスファルトの素材の微妙な違い、色の違い、温度差、標識の有無などありとあらゆることを論理的に検討してしまう。のちほど説明するフレーム問題が発生する。

 こんなことをしていたら、答えなど出るわけがない。

 人工知能と人間は同じ景色であっても見ているものが違うのだ。

 人間が情報不足に陥るのは必要な情報が揃っていないことによる。

 ところが、人工知能は必要な情報以前に不必要な情報に振り回されて判断ができなくなっている。

 この見ている景色の違いこそが重要なのである。

 人工知能が見てる景色はあくまで論理的世界であり、事実の積み重ねだ。センサーを使って収集した情報を検討しているのだから当然といえば、当然だろう。犬が西向きゃ尾は東、というように当たり前の道理を積み重ねていくことで解を見つけていく。

 つまり、人工知能は物理空間にいるのである。

 しかし、人間の思考は違う。一瞬で「右」などと決められるのは人の思考が物理空間ではなく、情報空間にあるからだ。情報空間にあるからこそ、しばしば余計なものを切り捨て、時折不合理なものも挟み込みながら判断していけるのだ。もちろん、その判断が正解かどうかはわからないが、まがりなりにも解を導くことができるのである。

 引用おわり

 

 

 この情報空間における自由気ままな発想こそが数学的思考である

 

 苫米地博士と出会うまで、「数学的思考」が「自由気ままな発想」であるなんて、考えたこともありませんでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 しかし、今は、この教え(表現)を素直に受け入れることができます。皆さんもそうですよね。

 

 私なりになぜそんな変化が起こったのか考えてみました。

その理由を突き詰めていくと、それこそが演繹的発想の抱える問題を解決するポイントであり、偉大な先人が示してくれている智慧であり、そして、認知戦の時代を生き抜く最大の“秘訣”である という確信が湧き上がってきました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 人工知能が見てる景色はあくまで論理的世界であり、事実の積み重ねだつまり、人工知能は物理空間にいるのである。

 しかし、人間の思考は違う。一瞬で「右」などと決められるのは人の思考が物理空間ではなく、情報空間にあるからだ

 

 その“秘訣”に対する認識と五感を伴った体感が、「人の思考」をますます「情報空間」に誘います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

L-255につづく)

 

 

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F-448:音楽から引退することはできない <vol.2;「映画音楽はあまり好きではなかった」>

 

映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams1932~)は、昨年(2025年)、自伝を出版しました。その出版に関するインタビューの最後の言葉は「音楽から引退することはできません。それは呼吸のようなもので、私たちの人生だから」。

 巨匠らしい抽象度の高さを感じさせる言葉ですが、そこに至るまでは“らしくない表現”が続きました。例えば、映画音楽について

あまり好きではなかった

懐かしい思い出として記憶しているだけ

儚く、断片的

ただの仕事」  とコメントしています↓

ジョン・ウィリアムズ「映画音楽あまり好きじゃなかった」「ただの仕事」 | THE RIVER

 

John_Williams_2024(Wikipedia)

ジョン・ウィリアムズ(2024年撮影)

Wikipediaより引用

ジョン・ウィリアムズ (作曲家) - Wikipedia

 

 

そのブリーフシステムを分析する過程で感じたことを整理しながら、これらの発言を考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38315386.html

 

 vol.2;「映画音楽はあまり好きではなかった」

 

 

 今回は映画音楽について「あまり好きではなかった」と述べたウィリアムズの心の内を考察します。もちろん自由訳です。気楽にお読みください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

 1979年の「スーパーマン」と1981年の「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」の間に、ウィリアムズはボストン・ポップス・オーケストラ(Boston Pops Orchestra)の主席指揮者に就任します。依頼したのは当時ボストン交響楽団(The Boston Symphony OrchestraBSO)の音楽監督を務めていた小澤征爾さん(1935~2024年)だったそう。

 小澤征爾 - Wikipedia

 

 就任4年目の1984年(「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」の頃)、リハーサル中に団員が選曲に対して反発し、翌日ウィリアムズが辞表を提出するという“事件”が起こります。

 当時のボストンの音楽家たちは娯楽音楽に対して否定的で、映画音楽を嫌っていたそう。ウィリアムズ自身も「映画音楽を見下していて、演奏したがらない。あまりに態度が悪くて、プロ意識に欠けると感じた」と回顧しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 これらの言動から感じられるのは、ウィリアムズが映画音楽に対して誇りを持っていたこととその可能性を確信していたこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 きっと当時のウィリアムズには「『映画音楽』のポジション(←旧エスティーム)を引き上げる」という強い思いがあったはずです。

 Q-460:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.4;エスティーム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37991770.html

 

 それはウィリアムズが想定する「『映画音楽』のあるべきコンフォートゾーン」に戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その強力なホメオスタシスの源は、もちろん、ゴール。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 それは「映画とその音楽が、人々の苦しみを最小化し、幸せを最大化している」といった抽象度の高いものであったはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その証拠に、ウィリアムズは団員の謝罪を快く受け入れ、辞意を撤回します。これは私憤ではなく、公憤だったことのあらわれといえます。そして、1993年までの計13年間、主席指揮者を務め続けました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 ゴールに向かう間に、ウィリアムズのミッションは「音楽家の生活を守る」ことや「若手音楽家を育成する」ことにシフトしていったようです。きっとゴール自体も「オーケストラという音楽文化を守り、さらに発展させ、後世に手渡す」といったことに上書きされていったはずです。

 F-407:自由訳「守破離」 vol.5(最終話);苫米地式「守破離」の真髄

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37145932.html

 

 その背景にあったのは、「電子音楽」と呼ばれる新たな音楽文化に対する危機感でした。映画音楽でいうと、シンセサイザーを駆使するハンス・ジマー(Hans Zimmer1957~)のような次世代作曲家の登場です。

 F-344:止められないんだ! これを聴いて、脚本を書くときのインスピレーションにしてほしい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34150617.html

 

 そのようなゴール&ミッションの変化がコンフォートゾーンを書き換え、やがて映画音楽を「あまり好きではなかった」に変えていったに違いありません。

 Q-299:どれくらい相手に共感していいものでしょうか? <実践編;現状打破>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30759661.html

 

  

 ところで、前回引用した部分(「音楽と洗脳 美しき和音の正体」)で、苫米地博士はこのように書かれていました。

 

 それにしても不思議なのは、なぜ、ある一定の響きやパターン、変化が脳を刺激するのか? です。

 そもそも音とは空気の振動です。この振動が耳から入り、長さ約3.5センチの外耳道を通って鼓膜を揺らします。たったそれだけのことなのに、人は音に気持ちよさや不安感などを感じ、時にはトランス状態にまでなってしまいます。

 

 以下、前回引用部分のつづきです(p73)。

 

 

◎音の変化は脳が聞き分ける

 蝸牛で音を電気信号に変えたあとは下部脳幹にある蝸牛神経核で音を認知していきます。

 この蝸牛神経核では定常音を感知します。

 定常音とは変動数の少ない音で、たとえると街の雑踏のような音のことです。定常音の変動数が少なければ環境音化しますし、大きければ耳障りな騒音、雑音になります。

 蝸牛神経核では、街の雑踏のような変動数の少ない音だけを感知するための神経細胞が揃っており、定常音がスタートした時だけ発火する細胞、定常音が持続しているあいだ発火し続ける細胞、そして定常音がやんだ時に反応する細胞があります。

 つまり、蝸牛と蝸牛神経核によって、その音が高い音なのか、低い音なのか、長く続く音なのか、短い音なのか、基本的な判断をしています。

 蝸牛神経核を出たあとは上オリーブ核に入ります。

 ここでは音の位置情報が分析されます。両耳から送られてきた音情報を解析して、上下前後左右、音がどちらの方向から来ているのか、音の出どころ、自分の立ち位置など音の奥行き、空間情報を感知します。

 そして上オリーブ核を出たあとは上部脳幹の下丘から内側膝状体に入ります。

 下丘の中心核には各周波数に反応する神経細胞が同心円状に広がっています。低周波に対応する細胞は背側に、高周波に対応する細胞は腹側にあります。また、内側膝状体の腹側核では神経細胞が周波数ごとの層構造に収まっています。

 AMニューロンと呼ばれる神経細胞は音圧(音の大きさ、ボリューム)が一定の周期で動いている時に反応し、FMニューロンと呼ばれる神経細胞は周波数の変化(音の高低)に対して反応します。

 音圧の変化に対応するAMニューロンにしても、周波数の変化に対応するFMニューロンにしても、細分化されていて、例えば、FMニューロンには周波数が高くなる時だけに反応する細胞や、低くなる時だけに対応する細胞などもあります。

 ここでは、周波数ごとの音の大きさや音の変化を感知しています。要は、周波数と音波の物理的な特質(音の高さ、強さ、音の波形)を分析しているわけです。

 引用おわり

 

 

 このような詳細な仕組みを知るほど、「音に気持ちよさや不安感などを感じる」ことが、さらに不思議に感じられるはず。それは「仕組み」の抽象度と「気持ちよさや不安感」の抽象度とのギャップの拡大によるはず。

 F-302:芸術は高抽象度の未知なるLUB。ではvol.4;同調能力の秘密>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32026141.html

 

誰もが美しい音楽が心を癒やすことを知っていますし、音楽によって元気がでたり、反対に悲しみが止まらなくなることを経験しています。

では、“音(の連なり)”はどのように“音楽”に変わるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 そんなことを考えていたら、“音楽”の不思議を実感した経験を思い出しました。それは50代で病に倒れた同僚の葬儀に参加したときの記憶です。

 F-001:やり場のない

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516364.html

 

50代という若さで、しかも診断からあっという間に亡くなってしまったため、葬儀場は深い悲しみに包まれていました。厳かに進んでいた葬儀の最後、出棺のときに「故人が希望されていた曲です」というアナウンスとともに流れたのは六甲おろし。

 

イントロが流れた瞬間、葬儀場の雰囲気は一変しました。それまでの暗く重たい雰囲気が、いきなり7回裏の甲子園球場のような雰囲気に変わりました。色でいうと黒から真黄色に変わった感じ。

阪神ファン仲間に違いない人たちの合唱の中、泣きながら口ずさむ家族とともに、故人を乗せた車は静かにではなく、にぎやかに出発しました。

Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html

 

 あの日葬儀場にいた阪神ファンと家族は、同じような記憶(←アンカー)を共有していたはずです。その記憶を引き出すきっかけ(←トリガー)として機能していたのが、「六甲おろし」という音楽でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 同様に、ある映画を縁に構築した何らかのイメージや“大切な思い出”を、映画音楽は強力に引き出します。何年経っていたとしても、ほんの一瞬で。

 F-445~BLACK RAIN

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_433236.html

 

 ただし、その働きは諸刃。

その事実を痛感していたからこそ、晩年のウィリアムズは、映画音楽について「あまり好きではなかった」とコメントしたのだと思います。

L-136202111… -05;イマジネーションによって作った限界を破壊し

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33084025.html

 

F-449につづく)

 

 

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-追記1

きっと当時のウィリアムズには「『映画音楽』のポジション(←旧エスティーム)を引き上げる」という強い思いがあったはずです

 

 「『映画音楽』のポジション」に関連して、世界的なチェロ奏者 ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma1955~)はこのようにコメントしています(Disney+「ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽」)。

 

 子どもの頃から疑問だったなぜ音楽のジャンルにはたくさんの壁があるのか?

 ジョンの音楽はすべてのジャンルを網羅していた

 

 このコメントからは、ウィリアムズの作る音楽に対しての尊敬の念が感じられます。その理由は、「人気があるから」ではなく、「抽象度が高いから」。それは「すべてのジャンルを網羅」という言葉にあらわれています。

 F-417:煩悩か 芸術か

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37518824.html

 

 ストレートに考えると、大衆に受け入れられる抽象度は、決して高くはないはずです。なのに、なぜ「すべてのジャンルを網羅」するような高抽象度の音楽が、人々を魅了し続けるのでしょう?

 

 

-追記2

 抽象度が高い次元(世界)を感じ取る人は、当然、高抽象度の情報処理を行っています。それを実際の行動にまで落とし込むのがゲバラ主義“↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 20194月、ヨーヨー・マは、アメリカとメキシコをつなぐ橋の前でバッハの無伴奏チェロ組曲第一番を演奏し、このように発言しました。

 

  In culture, we build bridges, not walls.

  Our country is not a hotel, and it’s not full. 

  I’ve lived my life at the borders, between cultures, between disciplines, between music, between generations.

 

そんなヨーヨー・マが演奏する「シンドラーのリスト」がこちら↓

 BBC Proms 2024 - John Williams - Schindler's List

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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音楽と洗脳

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L-253202212月医療・介護研修会 -02;帰納的方法論(induction)と演繹的方法論(deduction

 

202212月、鹿児島県の医療法人で、認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。テーマは「3つの感染症』を“Total”という視点で考える」。

当日の研修内容を、最新の知識で再構築しながら、ブログ用にリライトします。

*関係者の皆さま、大変長らくお待たせいたしました

 

 01;研修当時の“空気感”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38323917.html

 02;帰納的方法論(induction)と演繹的方法論(deduction

 

 

 とくに初めての場で研修を行う場合、私は「スコトーマ」と「ゲシュタルト」の話からはじめます。「認識の不思議」を体感していただき、「認知(cognition)」について興味をもってもらうために。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 そのためによく用いるのが「ルビンの壺」。

 ルビンの壺 - Wikipedia

 

 最近出版された(20264月)苫米地博士と佐藤勝さんの対談本「見えない戦争の正体 -米中露が仕掛ける『認知戦』-」(フォレスト出版)の中で、「ルビンの壺」が取り上げられていました。以下、同書(p46)より引用します。

 

 

認知戦のベースとなる認知心理学と認知言語学

佐藤勝 「認知戦」という概念は、近年になって頻繁に使われるようになりました。しかし、その本質を理解するためには、まず「認知(cognition)」という語の意味を確認しておく必要があると思います。1990年代から一般にも広まったこの言葉について、「広辞苑」ではこのように定義しています。

 

 事象について知ること、ないし知識をもつこと。広義には知覚を含めるが、狭義には感性に頼らずに推理・思考などに基づいて事象の高次の性質を知る過程。

(新村出編『広辞苑』第七版・岩波新書・2022 

 

 この定義では曖昧ですが、「認知」とは人間の脳の働きを基礎とした判断力や思考力のことです。そして、そうしたものを研究する学問が認知科学です。

 この分野は、心理学、言語学、神経科学、教育学、情報工学、コンピュータ科学、哲学といった広範な学問領域と密接につながっていますが、認知戦を実践するにあたり、こうした理論を網羅的に学ぶ必要はないというのが私の認識です。

 また、戦争以外の領域においても、認知科学的なアプローチを交渉や実際の駆け引きに応用すれば、相手の認知空間を自由自在に作り変えることができてしまいます。

 先生、このような理解で、合っていますよね?

 

苫米地 はい、合っています。

 

佐藤裕二 それでは、次に苫米地先生に、認知戦研究の前提となっている、認知をめぐる中心学問について少し詳しく説明していただきたいと思います。

 

苫米地 わかりました。情報工学についてはこの対談の中で詳細に検討すると思いますので、それ以外の認知科学のいくつかの中心分野について、説明しておきたいと思います。

 まずは、認知心理学の歴史的展開について少し述べていきたいと思います。認知心理学という分野が確立する前、構成主義心理学、あるいはその発展形式である行動主義心理学が中心の時代と認知心理学が中心との間の時期に、心理学の世界で大きく注目された考え方があります。

 それはゲシュタルト心理学です。

 ゲシュタルト(Gestalt)とはドイツ語で、「形態」や「図」や「状態」などを示す言葉ですが、ゲシュタルト心理学は行動主義心理学の刺激-反応モデルへの疑問から20世紀初頭に生まれたものです。

 チェコ人で、ベルリン大学で心理学を学んだマックス・ヴェルトハイマーは、今、この学派の創始者と言われていますが、彼の理論を発展させた研究者であるドイツのヴォルフガング・ケーラークルト・コフカのほうが有名ですね。ケーラーのチンパンジーを使った学習に関する実験はよく知られていますので、ご存じの人も多いと思います。

 ゲシュタルト心理学の特徴を要約すると、「部分をいくら足しても全体にはならず、重要なのは全体である」という全体論を基本とした考え方によって物事を捉えようとする傾向があるということです。

 人間の認識では、単なる点の集合が、ある形のもの、たとえばモナリザの姿として見えたり、音が連続的に並べられたものがメロディーに感じられたりします。こうした部分には還元できない、全体から人間の認識を捉えようとしたのがゲシュタルト心理学です。

 この考え方は、のちの認知心理学に大きな影響を与えました。ゲシュタルト心理学の理論はある対象がどのように見えたり、どのように聞こえたりするのかという問題は全体の中でのある要素と他の要素との関係によって決まるというものですが、それは人間の認識の基本が部分と部分の総和には決してなっていないという根本的な問題を提起します。

 

佐藤勝 ルビンの壺がそのいい例ですね。図と地との関係によって、壺に見えたり、二人の人物が向き合っているように見えたりするというやつですが……

引用おわり(このつづきは「L-255」で引用します)

 

ルビンの壺(「見えない戦争の正体」)

「見えない戦争の正体」より引用

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認知心理学という分野が確立する前、構成主義心理学、あるいはその発展形式である行動主義心理学が中心の時代と認知心理学が中心との間の時期に、心理学の世界で大きく注目された考え方があります。それはゲシュタルト心理学です

 

 苫米地博士が語られているのは「構成主義心理学→行動主義心理学 →ゲシュタルト心理学 →認知心理学という流れの中で、ゲシュタルト心理学が“大きな転換点”になった」ということ。

 Q-435:コーチングは行動科学とvol.2;心理学から行動科学、そして認知科学へ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37049778.html

 

 それは「『部分→全体』という一方向性から『全体⇆部分』という双方向性へのパラダイムシフト」と考えることができます。

 F-318:観自在 <理論編-1観自在菩薩行深般若波羅蜜多時

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32825990.html

 

 もっとシンプルにいうと、視点の抽象度が上がった結果として、「部分と全体の双方の関係性(=縁起)を理解する」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 ゲシュタルト心理学の特徴を要約すると、「部分をいくら足しても全体にはならず、重要なのは全体である」という全体論を基本とした考え方によって物事を捉えようとする傾向があるということです

 

 概念を定義する場合、大きく分けると、2つの方法があります。一つは「帰納的方法論(induction)」、もう一つは「演繹的方法論(deduction)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 帰納的方法論とは、「たくさんのサンプルを持ってきて、そのサンプルから共通するパターンを見つけ出して定義する」という方法です。

 前回(L-252)取り上げた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でいうと「空気を介して感染」「スマホ付着後4週間残存可能」「皮膚上でインフルの5倍の“寿命”」「糖尿病の引き金」「脳が10歳老化」「お茶で無害化」「90日以内に精神疾患発症」「脳に侵入(している可能性)」などを共通点とする新たな感染症が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」だといえます。

 

 帰納的方法論にはいくつか問題があります。

ひとつはサンプル数が足りないと間違った定義をしてしまうリスクが高くなるということ。「糖尿病の引き金」「お茶で無害化」など細部にこだわると、本質が見えなくなってしまいます。そもそも例に挙げた研究報告を全部満たしたとしても、それがウイルス感染なのか細菌感染なのかさえわかりません。肝心な部分が抜けているからです。

もう一つは間違ったところを抽出してしまう可能性です。実際、日本においては「空気を介して感染」は長い間否定され、「接触感染」と「飛沫感染」だとされていました。現在の定義からすると、当時の日本で流行した感染症は「『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)』ではない」ということになります。

 

 コーチングの視点でさらに付け加えると、サンプルというのは全部過去。つまり、帰納的発想からは、現状の外に設定するゴールのようなまったく新しい発想(世界、未来)は生まれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 概念を定義するもう一つの方法は演繹的方法論。それは「先に抽象的な定義をし、目の前のサンプルを『その定義の中で、どう当てはまるか』という視点で考える」というもの。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」でいうと、先に「感染症」というものを定義します。そして、その「感染症」という定義の中で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」に当てはまるものを定義していくことが演繹的方法論です。

 

 演繹的方法論にも課題があります。それは「つねに定義する対象の上位概念がはっきり定義されていないといけない」こと。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を定義するためには、その上位概念である「感染症」が定義されていないといけません。「感染症」を定義するためには「病」が、「病」を定義するためには「生命(現象)」がと上位概念を定義していく必要があります。

 

繰り返しますが、「上位概念の定義ができてはじめて、下位の概念が定義できる」というのが演繹的発想。この発想の課題は「つねに定義する対象の上位概念がはっきり定義されていないといけない」こと。

 

 その課題を解決するためには大きな問題(case)がありますが、じつは、その解決(plan)はすでに示されています。偉大な先人たちによって。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

L-254につづく)

 

 

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F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

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Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

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Q-387~:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか?

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Q-421~:コーチングを受けるとどうなりますか? -version 2

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430928.html

 

 

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L-252202212月医療・介護研修会 -01;研修当時の“空気感”

 

202212月、鹿児島県の医療法人で、認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。テーマは「3つの感染症』を“Total”という視点で考える」。

当日の研修内容を、最新の知識で再構築しながら、ブログ用にリライトします。

*関係者の皆さま、大変長らくお待たせいたしました

 

 01;研修当時の“空気感”

 

 

 研修を行った202212月というのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の騒動から3年目。実験薬(mRNAワクチン)接種が始まって2年目というタイミングでした。皆さんはあの頃のことを覚えていますか?

 F-139:沈黙の春

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22636357.html

 

コロナ当初は不安や焦燥を感じている人からの質問や相談が多かったように記憶しています。例えば↓

Q-237:新型コロナウイルスが怖いのですが、どのように対処すればよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28210417.html

 

 苫米地博士は「不安や恐怖は慣れる」と話されます。この事実を知っていることは、トラウマ対策としてとても大切です。

 F-075Preventable Trauma Death

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15833962.html

 

 

  不安や恐怖は慣れる

 

 

 それは「不安や恐怖を感じる状況に対して、大脳辺縁系ではなく、前頭前野で対処できるようになる」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 コーチング的にいうと、コンフォートゾーン化です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

それは基本的にはいいことですが、不安や恐怖から開放される一方で、無気力に陥ったり虚無感に苦しむ場合もあります。

 Q-354:休みの日なのにvol.1;「無気力」と「やる気がない」の違い&GMCZ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33182294.html

 

 社会的な視点でいうと、「影響が長引き、思うように元に戻らないことで、社会全体に抑うつや無気力が生じる」という幻滅期です↓

 F-187~8:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04~5;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25802632.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25868437.html

 

 

時間の経過と被災者のこころの動き

災害時の「こころのケア」の手引き

東京都保険福祉保健局HP(平成205月)より引用

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamasou/sonota_jouhou/saigaitaisaku.files/saigai.pdf

 

 

 その頃、私自身は、ちょっとうんざりしながら(=プチ“幻滅期”)情報収集&発信を続けていました。記録を確認すると

 

 □新型コロナウイルスは空気を介して感染しうる(2022.9月、米国CDC

 □新型コロナウイルス、スマホなどに付着後4週間残存可能(2022.10月、豪CSIRO

 □新型コロナウイルスの「寿命」皮膚上でインフルの5倍(2022.10月、京都府立医大)

 □新型コロナウイルスは糖尿病の引き金か、症例相次ぐ(2022.10月、Reuter報道)

 □新型コロナ感染の後遺症で脳が10歳も老化する可能性(2022.10月、Newsweek報道)

 □お茶で新型コロナ無害化 1分で最大99%(2022.11月、奈良県立医科大)

 □コロナ感染者の5人に1人が90日以内に精神疾患を発症(2022.12月、英オックスフォード大)

 □新型コロナウイルスが脳に侵入している可能性が高い(2022.12月、米ワシントン大学)

 

 という感じ。

 F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

 

 皆さんは当時の重苦しい感じや閉塞感にうんざりしていませんでしたか?

 

  

 そんな“空気感”の中で行った講義を、当時の感覚を思い出しながら、そして、その後の学びを加え再解釈して、ブログ用にリライトしたいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

L-253につづく)

 

 

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-追記-

 苫米地博士は「不安や恐怖は慣れる」と話されます。この事実を知っていることは、トラウマ対策としてとても大切です

 

 人は生きている間にたくさんの「辛い」「悲しい」「腹立たしい」「悔しい」等に遭遇し、それを記憶します。失敗を記憶するのは、同じ体験を回避するための重要な働きです。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 しかしながら、辛い体験や悲しい体験の記憶をうまく処理することができないと、負の連鎖へと発展しトラウマ化してしまうリスクもあります。

もしもトラウマ化してしまえば、人間的な成長が阻害され、人格的にも歪んでしまいかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 だからトラウマ化を防ぐことが大事。

苫米地博士は著書「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版)の中で、その方法を2つ挙げられています。

 1つ目は「その体験を繰り返し、慣れること」。

2つ目は「前頭前野側から介入して、恐怖をなくしパターンを変えること」です↓

 Q-201:コーチングでは「最悪を想定する」ことはどう考えればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26357342.html

 

 以下、同書(p65)より引用します。

 

 

ゴキブリも慣れるトラウマ回避の方法

 人間が過去の過酷な体験をトラウマ化させてしまうのは、これまで述べてきたように、扁桃体が海馬に促す増幅作用が原因になっています。

 そこで、海馬が記憶を思いっきり増幅して引っぱり出すレベルを意図的に鈍感にしてやることが、辛い体験や悲しい体験の記憶を“忘れる”ためにとても有効な方法です

 鈍感にさせる方法は、2つあります。

 

 1つ目は、その体験を繰り返し、慣れることです

 慣れるというと、首をかしげる人がいるかもしれません。

 慣れないからこそイヤな記憶が甦る。

 そう考える人がいたとしても、不思議はないでしょう。

 そこでもう少し厳密にいえば、慣れるというのは、それが自分の身に何も危険を及ぼさないということを、体験的にくり返して知るという意味です。

 

 私の知り合いに、ゴキブリの研究をしているアメリカの有名大学の教授がいます。詳しくは知りませんが、ゴキブリの分泌物は、医学的に役立つ大きな可能性を秘めているのだそうです。

 彼の研究室には、さまざまな種類のゴキブリが収められた飼育用ガラス箱が、所狭しと積み上げられています。

 もちろん、それだけでは飽き足らず、彼の瀟洒なアパートメントも、研究室と同じような状態になっています。

 リビングはもとよりキッチンや寝室の床から天井までガラス箱が積まれ、そのひとつひとつに珍しいゴキブリがびっしり入っています。生活空間に、それこそ何千匹、何万匹がうごめいているわけです。

 彼にとって、それは愛する研究対象でしょうが、パートナーの女性には耐えがたい存在に違いありません。彼女は、ごくふつうの女性と同様に、ゴキブリは大の苦手です。

 

 ところが、そんなパートナーでも、それほど時間を費やすことなく、ゴキブリ満載のアパートメント暮らしに慣れてしまうそうです。どの程度の慣れなのか定かではありませんが、毎晩ゴキブリ飼育のガラス箱が並んだキッチンで手料理をふるい、隣接したダイニングでふたり食卓を囲んでいることだけはたしかなのです。

 それは、初めての解剖で卒倒した医学部の学生が、やがて平然とメスをふるうようになるのと同じことです。

 扁桃体は海馬に記憶を増幅して引っぱり出すよう促す働きを行いますが、その一方で、逆にそれを弱めるよう促す働きも持っています。ある情報について、それが生命の危機ではないと判断すると、その情報に鈍感になるわけです。

 少々難しい言い方ですが、扁桃体はその意味で、「評価関数である」ということができます。

 評価関数とは、たとえば将棋のゲームソフトなどに使われている局面の評価方法のことです。将棋ゲームソフトでは、人間が駒を動かして現れた局面を+10とか+90などと評価し、コンピュータが次の手を探すようにつくられています。

 扁桃体も、目の前で起こった出来事を+10とか+90などと評価して、過去の記憶をどのくらい強く引っぱり出すかを決めているわけです

 引用おわり(つづきはこちらでどうぞ↓)

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イヤな気持ちを消す技術

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F-447:音楽から引退することはできない <vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡>

 

 前回(F-445~)取り上げた映画「BLACK RAIN」を、私は映画館で二度観ました。

 F-445~BLACK RAIN

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_433236.html

 

二度目は大学受験初日の夜。その日、先に観たのは「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」でした。音楽を担当したのは映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams1932~)です。

*インディといえばこの曲↓

John Williams & Saito Kinen Orchestra - "Raider’s March" from "Raiders of the Lost Ark"

 

 

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

 

 

 ウィリアムズは、皆さん御承知のとおり、映画音楽史上最も高い評価を得ているといっていい作曲家。グラミー賞を26回、アカデミー賞を5回受賞(ノミネートは54回!)しています。「ジョーズ」「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「スーパーマン」「E.T.」「74日に生まれて」「ホームアローン」「JFK」「シンドラーのリスト」「ハリー・ポッター」「プライベート・ライアン」「リンカーン」などそのメロディを誰もが耳にしたことがあるはず。

 

 

John_Williams_2024(Wikipedia)

ジョン・ウィリアムズ(2024年撮影)

Wikipediaより引用

ジョン・ウィリアムズ (作曲家) - Wikipedia

 

 

そんなウィリアムズは、昨年(2025年)、自伝を出版しました。その出版に関するインタビューの最後の言葉は「音楽から引退することはできません。それは呼吸のようなもので、私たちの人生だから」でした。

これは「音楽は“命”にかかわる大切なホメオスタシスの一部であり、“生命(活動)”そのもの」という意味であるはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 巨匠らしい抽象度の高さを感じさせる言葉ですが、そこに至るまでは“らしくない表現”が続きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 例えば、映画音楽について

あまり好きではなかった

懐かしい思い出として記憶しているだけ

儚く、断片的

ただの仕事」  とコメントしています↓

ジョン・ウィリアムズ「映画音楽あまり好きじゃなかった」「ただの仕事」 | THE RIVER

 

 インタビュー記事を読みながら、私はすごく混乱しました。壮大で美しい数々の楽曲やドキュメンタリー映像等での明るく前向きなイメージとインタビューでのコメントがあまりに乖離していたから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 きっと深い意図があるに違いないと思いながら、ジョン・ウィリアムズについてリサーチしてみました。ブリーフシステム分析の過程で感じたことを整理しながら、先ほどの発言を考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡

 

 

 まずは映画音楽の巨匠と呼ばれるまでの軌跡を確認しましょう。

 

 ウィリアムズの母親はジャズドラマーだったそうです。きっと生まれた時から音楽がコンフォートゾーンだったのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

大学時代に作曲を学び、ジャズバンドの一員として活動します。最初はトロンボーンに憧れていたそうですが、アメリカ空軍に入隊後はピアノとベースの演奏を担当し、軍楽隊の指揮と編曲も行っていたそうです。

兵役を終えた後(23歳)、かの有名なジュリアード音楽院に入学します。コンサートピアニストになることを夢みてピアノを専攻しましたが、同世代のピアニストの演奏を目の当たりにし、作曲に専念するようになったそうです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

作曲家を志したモチベーションの根底には、ピアニストとしての劣等感があったのかもしれません。

Q-380自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<後編;plan-side

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34672869.html

 

 卒業後は再びピアニストとして活動し、「ピーター・ガン」「ティファニーで朝食を」「シャレード」「アパートの鍵貸します」「ウエスト・サイド物語」といった映画音楽のピアノを担当します。この頃にジャズアルバムもリリースしたそうです。

 話が逸れますが、幼少の頃の私は、なぜか「ピーター・ガン」のテーマが大好きでした。そのピアノを弾いていたのがじつはジョン・ウィリアムズだったと知り、とても驚いています。

 *「ピーター・ガン」のテーマ↓

 ピーター・ガン/ヘンリー・マンシーニ

  

 映画音楽にピアニストとして関わるようになった後、テレビ音楽を作曲するようになり、徐々に映画音楽の作曲へと活動の場を移していきます。そして、1972年に「屋根の上のバイオリン弾き」でアカデミー賞(編曲・歌曲賞)を受賞します。

 *その時の映像がこちら↓

 Fiddler on the Roof Wins Adaptation and Original Song Score: 1972 Oscars - YouTube

 

 その後「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」「大地震」といった大作映画の音楽を担当するようになり、ついにスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg1946~)と出会います。

 スティーヴン・スピルバーグ - Wikipedia

 

 余談ですが、たった2つの音で作られた「ジョーズ」のメインテーマを聴いたとき、スピルバーグは冗談だろうと思ったそう。その後様々なテーマのバリエーションを聴き、「最もシンプルなアイデアこそが最高なのだ」と納得したそうです。

その「ジョーズ」の楽曲にて、ウィリアムズは2つ目のオスカーを手にします(以後の受賞はすべて作曲賞)。

*「ジョーズ」のテーマ↓

 John Williams: Theme from Jaws (Boston Pops)

 

 その後数多くの作品を共作することになるスピルバーグの強い勧めで取り組むことになったのが、ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」。

 ジョージ・ルーカス - Wikipedia

 

1977年の第1作(Episode /A New Hope)から2019年の第9作(Episode /The Rises of Skywalker)までのすべて音楽を担当し、さらにスピンオフ映画「ハン・ソロ」(2018年)やDisney+で配信された「オビ=ワン・ケノービ」(2022年)にも楽曲を提供しています。

 *「スター・ウォーズ」メインタイトル↓

 John Williams & Wiener Philharmoniker – "Main Title" from "Star Wars: A New Hope"

 

 ルーカス(&フィリップ・カウフマン)の原案をもとにスピルバーグが監督を務め生みだしたのが「インディ・ジョーンズ」シリーズ。

冒頭で紹介したインディのテーマ曲だけでなく、マリオンのテーマ曲も秀逸です。42年という長い時を経て、その美しい旋律は深みを増しています↓

 John Williams & Anne-Sophie Mutter – Williams: Marion's Theme - From "Indiana Jones"

 

 

 ジョン・ウィリアムズの長い音楽活動の軌跡をたどるにはまだまだ情報が足りませんが、あと1つだけエピソードを紹介します。

 

 1993年、スピルバーグとウィリアムズのタッグは、正反対の映画と音楽を生みだしました。最初に公開されたのが「映画の歴史が変わる スピルバーグが変える」というキャッチコピーが付けられた「ジュラシック・パーク」。その後が「一つの生命を救う者が 世界を救える」というキャッチコピーの「シンドラーのリスト」(日本での公開は942月)。

 *「ジュラシック・パーク」のテーマ曲はこちら↓

 John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Theme from “Jurassic Park”

 

 「ジュラシック・パーク」終了後にすぐに「シンドラーのリスト」の撮影のためにポーランドに飛んだスピルバーグは、帰国後ラフカットをウィリアムズに見せて音楽を依頼します。

その映像を見て「打ちひしがれ、言葉が出なかった」「圧倒されて、涙が出た」というウィリアムズは、盟友に正直な気持ちを打ち明けます。「この映画は、私よりも優れた作曲家が必要だと思う」。その告白に対するスピルバーグの返答は、「わかる。でも、彼らはみんな死んでしまった」

 「彼の粘り強さのおかげで音楽を引き受けた」というウィリアムズは、「でも、本当に自信がなかったんだ。誰が、どんな曲を書いても、ふさわしい曲にはならない- それほど重みのある作品だった」と述べています(Disney+「ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽」)。

 このエピソードから感じるのは、スピルバーグのエフィカシーを高める働きかけ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 もっと正確に表現するとコレクティブ・エフィカシーです。

 Q-310~2:私のまわりではvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 そのエフィカシーによりセルフイメージの限界を突き破り、ついに生みだされたのが、5つ目のオスカーをもたらしたこの名曲↓

 *サントラ録音時のヴァイオリニスト イツァーク・パールマン演奏

 John Williams: Schindler´s List Theme - Itzhak Perlman

 *2023年ジョン・ウィリアムズ来日時演奏(サイトウ・キネン・オーケストラ)

 John Williams & Saito Kinen Orchestra - Schindler’s List (Live at Suntory Hall, 2023)

 

 

 私は「シンドラーのリスト」を観る前にこの楽曲を聴きましたが、それはまさに「打ちひしがれ、言葉が出なかった」「圧倒されて、涙が出た」という至高の体験でした。

ひょっとしたら、「高抽象度の未知なるLUB」に触れてしまったのかもしれません。

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

 

 ところで、きっと誰もが音楽を聴いて「打ちひしがれる」「言葉が出ない」「圧倒される」「涙が出る」という体験をしているはず。なぜ、そのようなことが起こるのでしょう?

 

 著書「音楽と洗脳 美しき和音の正体」(徳間書店)の中で、苫米地博士は「音」や「音楽」について詳しく解説されています。これから4回にわたって同書より引用します。

まずはこちらから(p71)。

 

 

◎音はどうやって脳を刺激するのか?

 それにしても不思議なのは、なぜ、ある一定の響きやパターン、変化が脳を刺激するのか? です。

 そもそも音とは空気の振動です。この振動が耳から入り、長さ約3.5センチの外耳道を通って鼓膜を揺らします。たったそれだけのことなのに、人は音に気持ちよさや不安感などを感じ、時にはトランス状態にまでなってしまいます。

 この秘密を解き明かすためにも、一度、音がどのようにして脳まで届くのかを確認する必要があるでしょう。

 それでは、鼓膜を震わせた空気の振動は、どんな経路をたどって、脳に行き着くのか見てみましょう。

 鼓膜に伝わった空気の振動は中耳にある3つの連携した小骨に伝わります。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨で、鼓膜で受けた振動はこれら3つの骨によって増幅されて内耳へと伝わっていきます。

 ただし、耳小骨は骨である以上どうしても物理的な制約がかかってしまいます。大きなエネルギーを持つ音が入力されても鼓膜のように大きく振動せず、エネルギーの小さな音ではそもそも振動できません。私たちの耳に可聴域があるのはこのためで、可聴域の下が約20Hz、上が約20kHzと決まっているのは、鼓膜の振動を内耳に伝える伝導体が骨だからです。

 中耳の奥にあるのが内耳で、カタツムリ(蝸牛)の形をしています。蝸牛の内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の中には2万個ほどの有毛細胞があります。

 この有毛細胞は文字どおり、蝸牛内部に生えた毛で、この毛が音の周波数の高低に反応します。

 例えば、高い音は蝸牛の入り口付近に生える毛だけを揺らします。一方、低い音は蝸牛の奥、つまりカタツムリの殻の奥のほうの毛まで振動させることができます。

 ですから蝸牛の入り口の有毛細胞しか振動していないと脳が認識すれば、いま高い音が鳴っているとわかり、蝸牛の奥まで振動していれば、いま低い音が鳴っているとわかるわけです。

 ちなみに、年齢が上がってくるに従って高音が聞きづらくなるのは、高音に反応する有毛細胞が蝸牛の入り口に生えているからです。入り口付近の毛ですから、担当外の低音でも常に揺らされることになり、消耗が激しくなってしまいます。年を経るに従って高音の代表的な音であるモスキート音が聞こえなくなるのは高周波に反応する入り口付近の有毛細胞が徐々に劣化(脱毛)してしまったのが原因です。

 引用おわり(このつづきは次回引用します)

 

F-448につづく)

 

 

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-追記1

 「映画制作者を育成し、映画芸術の遺産を顕彰する」ために設立された団体AFIAmerican Film Institute)は、2005年にアメリカ「映画音楽ベスト100film scores)」を発表しました。

 映画音楽ベスト100 - Wikipedia

 

 堂々の1位に選ばれたのは、「スター・ウォーズ」のこの曲です↓

 John Williams & Saito Kinen Orchestra - 王座の間とエンドタイトル

 

 ちなみに、私の1位はこちら↓

 John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Imperial March (from “Star Wars”)

 

 ウィリアムズ自身のお気に入りはこの曲なのだそう↓

 John Williams & Berliner Philharmoniker – Yoda's Theme (Official Music Video)

 

 

-追記2

 2016年に、ジョン・ウィリアムズは、AFIから「生涯功労賞」を贈られました。

授賞式当日、インディのテーマ曲が流れる中ちょっと不機嫌そうに登場したハリソン・フォード(Harrison Ford1942~)は、「この“damn music”がいつもついて回る。舞台に上がるとき、舞台から降りるとき、いつもこの曲がかかる。この前なんか大腸内視鏡検査を受けている手術室でもかかった」と悪態をつきます。

そんなつかみの後に取り上げたのは「マリオンのテーマ」。ウィリアムズが作る音楽の本質を捉え、さらに音楽の持つ力を感じさせる名スピーチです↓

Harrison Ford on the "Indiana Jones Theme" song, praises John Williams

 

その日のジョン・ウィリアムズのスピーチもどうぞ↓

ジョン・ウィリアムズが第44回AFI生涯功労賞を受賞

 

 

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-関連記事-

F-008SWな一日

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F-014:「THE LAST JEDI」評 ~ネタバレなしversion

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F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

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Q-162~3,5:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか? <コーチング実践者向け回答 vol.3~5ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24124167.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html

 

 

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Q-482:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか? <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。

博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?

 

A2:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 *前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38305515.html

 

 

 前回引用した文章で博士が問われているのは

 

  自分を好きですか?

  自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?

 

 ということ。

 

 でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。

 その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。

もっと本質的に考えると、そもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だからです。

 だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 とここまでがコーチング入門者向けの話。

 現状の外にゴールを設定し、未来から過去に流れる時間観で生きるコーチング実践者にとっては、「過去は一切関係ない」!

これは重要なプリンシプルです。

 L-248202210月介護施設研修 -08;「過去には一切こだわらない」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38119777.html

 

 いくらいいアファメーションであっても、過去の自分が書いたものを今声に出して読んで臨場感を上げることは、「過去は一切関係ない」と断言する苫米地式と矛盾します。

だから最新のコーチングにおいては、質問中にあるとおり、苫米地博士はアファメーションを推奨されてはいません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

では、なぜ「老い方をいますぐ、アップデート」(TAC出版)の中で「アファメーションを積極的に勧めている(ように感じられる)」のでしょう?

 

 

 ヒントになるのは「ゲシュタルト」(あるいはフレーム)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

もう一度、「老い方をいますぐ、アップデート」の第4章全体を読み直してみてください。

 

 

老い方をいますぐ、アップデート

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 …OKですか?

では、コーチング実践者に対する視点で回答します。

F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

4章のタイトルは「これからの世界に何を残すのか? -次世代リーダーという新しいあり方」です。つまり、リーダーシップのゲシュタルト(フレーム)。だから博士は「アファメーションを積極的に勧めている」ように書かれたのだと思います。

Q-459:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.3;リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37967235.html

 

 コーチングとリーダーシップはまったく違うものです。まずはそこをしっかりと理解してください

 

 

 「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。

 

 その上で両者を統合することができると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 理解がさらに深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

コーチングとリーダーシップはまったく違うもの

 

 

 その一方で、両者は深く関係しています。苫米地博士は「真のリーダーにはコーチングの知識と技術が必要」と話されています。「真のリーダー」とは、アプリオリ権力ではないリーダーのことです。

 F-296:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.3;次世代リーダーの要件 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31709558.html

 

「オーセンティック・コーチング 2026」(開拓社)の中で、博士はゴールのバランスホイールに「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」を追加されました。

なので「リーダーシップ」は -あくまでもその本質はコーチングとは違うものですが-コーチングの実践に含まれます。

 Q-464:「この世をよくしたいvol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

オーセンティック・コーチング2026

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 つまり、低い抽象度次元においては「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」ですが、1つ抽象度を上げると「コーチングとリーダーシップは同じ(包摂される)」ということ。

 そのように抽象度をコントロールしながら向き合うことで、しっかり「理解」しながら(=抽象度↑)、ちゃんと「実践」する(=抽象度↓)ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 繰り返しますが、ポイントは抽象度のコントロールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「コーポレートコーチング 上」(開拓社、p109)より引用します。「抽象度のコントロール」を意識に上げながら、ゆっくり読み進めてください。Feel

 

 

コーポレートコーチング(上)

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リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインド

 次は、リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインドについてです。

 簡単に言いますと、リーダーの人たちと現場の人たちとの違いは何かという話です。

 これは、抽象度の違いと捉えるべきものです。

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります。

 仮に現場レベルの業務をやるケースがあったとしても、頭の中には常にコーポレート全体の発展とか、コーポレートが目指すゴールのことを考えていなければなりません。

 例えば、何かの理由でファーストフードチェーンの社長が、現場の店舗の厨房に立って、調理をすることがあるかもしれません。

 しかし、これは100%パフォーマンスであって、頭の中は会社全体のことを考えています。

 それに対して、現場の厨房で働く人たちは、通常はエンドステートのこと、つまり自身のやるべきミッションに集中しているはずです。

 こうした各自のミッションのことを、コーポレートミッションと区別する意味で「サブミッション」と呼ぶことがあります。

 このサブミッションを遂行するために、エンドステートの臨場感空間の抽象度で活動することは、何の問題もありません。

 ファーストフード店の厨房でパンにハンバーガーを挟む仕事をしている人が、社長や役員が経営会議で話し合う内容について、いちいちチェックする必要はないわけです。

 ただし同時に、この抽象度を上げたり下げたりする柔軟性をそれぞれの構成員が持つことは、現在のコーポレートにとっては必要なことでもあり、実際、システムとして存在するということは注意点の一つとして押さえておいた方がいいでしょう。

 現場の厨房からいきなり持株会社の社長レベルにまで上がってしまうような柔軟性までは必要としませんが、抽象度で一つか二つ上、具体的には厨房で仕事をする人なら、その店舗の店長レベルの抽象度ぐらいまでは柔軟に上げ下げできるべきです。

 現在的な組織は、誰もがいつでもリーダーになることができるように、最初から訓練された人たちの集合体であるべきです。

 また特殊部隊の例で恐縮ですが、特殊部隊の中にもリーダーがいます。

 もしリーダーがテロリストとの戦闘で撃たれて、戦闘不能の状態に陥ったとしたら、それまでリーダーではなかった特殊部隊員の誰かがリーダーの役割を担う必要が出てきます。

 そのときに、誰もがリーダーとしての訓練を受けていなかったら、この部隊は壊滅してしまうか、少なくともミッションを遂行することはできなくなるでしょう。

 それでは困るわけで、リーダーが突然、不在になるリスクも考慮して、自らのエンドステートの遂行とは別に、普段から抽象度の上げ下げができるようにしておく必要があるのです。

 さらにここで注意が必要なのは、リーダーが不在となり、それまで同じくらいの抽象度にいた構成員がリーダーの役割を担うことになったとき、他の構成員はその人を本当のリーダーだと扱って行動しなければいけないということです。

 簡単に言うと、その急造リーダーの命令を絶対のものとして受け入れなければいけないということです。

 コーポレートにおいて、組織の命令は常に一方向でなければなりません。

 特に企業においては民主主義はありません。

 業務命令は常に上意下達です。

 ビジネスには一瞬の躊躇が、大きな損失に繋がることも少なくありません。

 すぐに判断を下して動かなければならないような状況で、「あいつはこの前リーダーになったばかりだから信用できん。まずはみんなで会議しよう」などと言っていては、生き残れません。

 もちろん、「ブリーフィング」はかまいません。

 ブリーフィングというのは、まだ実際の行動に移る前に、ミッションの共有、手順の確認、あるいは想定される状況のシミュレーションなどを全員で確認し合うことです。

 特殊部隊であれば、実際の戦闘地域ではない場所、例えば基地内、もしくは空母やヘリコプターの中で行われる打ち合わせ、会議、といった情報共有の場のことです。

 そういった場で行われるような情報伝達であれば、下から上にも常に伝わらなくてはなりません。

 それはやるべきことですが、テロリストと対峙している状況で会議を開くことはあり得ません。

 ましてや、「あいつはこの前まで俺と同じ立場だった急造リーダーだから、言うことは聞けん」などという状況では、組織は崩壊しているも同然です。

 いずれにしても、組織の構成員はエンドステートの臨場感を持ちつつ、抽象度が一つか二つ高いポジションならいつでも取って代われるという状態に訓練されている必要があります。

 全員のエフィカシーが高ければ「なんでリーダーは俺じゃなく、あいつなんだ」というようなおかしな感情は生まれません。

 また、当然ですが、リーダーは現場の抽象度までいつでも下がっていける状態でなければなりません。

 現場のエンドステートに関わることを相談されたとき、「全然、わからない」では困ります。

 特殊部隊のリーダーであっても、銃の使い方に長けている必要はありますし、テロリストとの格闘になったとき、素手でねじ伏せるぐらいの格闘技術を身に付けておく必要はあるわけです

 組織は、それぞれのサブミッション(エンドステート)の抽象度の二つ上ぐらいの抽象度を持てる人を常に育てる必要があるのです。

 企業などの組織における出世を考えたとき、どういう人間を出世させるかと言えば、このように二つぐらい上の抽象度について明らかによく理解している人を選ぼうということになるはずです。

 ひと昔前までは、前のリーダーやさらに上のリーダーに忠誠を尽くした人とか、個人的にかわいがられた人といった、抽象度の極端に低い人が出世したりしました(もちろん、出世させる方も抽象度が低い)。しかし、今はそんな企業が次々と淘汰される時代になっています。

 さて、こうした、優れたリーダーになるというような、抽象度が少し上のエフィカシーとは別に、「俺はこの仕事に関しては、最高の業績を出せる」というような、自分のサブミッション(エンドステート)への高いエフィカシーというものもあります。

 これが、プロフェッショナルのマインドです。

 プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します。

 一人一人がプロフェッショナルなマインドを持つことは、ハイパフォーマンスな組織を作る上では必須です。

 まずは、こうしたプロフェッショナルのエフィカシーを徹底的に上げていけるようなコーポレートトークを作り上げていく必要があります。

 そういったコーポレートカルチャーを作り出すど真ん中にいるのがコーポレートコーチだということを理解していただきたいと思います。

 引用おわり

 

 

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります

 

プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します

 

 このような「リーダーのマインド」と「プロフェッショナルのマインド」を極めた先にあるのが“ゲバラ主義”です。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 ゲバラ主義とは、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性

 

 「抽象度が高い理想(ゴール)」が時空を超えていくほど、アファメーションは過去に縛られなくなっていきます。つまり、「過去は一切関係ない」というプリンシプルと矛盾しなくなる ということ。

 Q-476:嫌がらせを<応用編;「やりたいことをやりたいだけやる」を貫く鍵>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38252126.html

 

 一方の「直接的実行」は、より抽象度の低い次元での行動です。抽象度が低くなるほど、関連する具体的情報(縁起)が増え、それらが複雑に絡み合いながらダイナミックに変化していくことになります。仏教的にいうと「無常」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そのような状況で「サブミッション(エンドステート)」を達成するためには、状況の変化に合わせて想定(アサンプション)を細かく更新していく必要があります。コーポレートコーチングのフレームでは、それを「アサンプション・アップデート」と呼びます。

 当然、アサンプションを更新するたびにアファメーションは変わっていき、結果的に「過去は一切関係ない」という状況になります。

 F-270:冗長性と多様性 <vol.2;アサンプション・アップデート>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321842.html

 

 

 以上より、「博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?」に対する私の回答はリーダーシップのゲシュタルト(フレーム)だから

 

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?」に対してはゲバラ主義と理解して、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性で実践する です。

 

 

 これがコーチング実践者向けの回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。その上で両者を統合できると理解がさらに深まります

 

 そのための方法が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

F-443:風になりたい <vol.7(最終話);新たな『風になりたい』(=自己組織化)をブーストする鍵”>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38237847.html

L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

Q-464:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

 

Q-481:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。

博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?

 

A1:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 

「アファメーション(Affirmation)」の「affirm」は、「肯定する」「承認する」という意味です。コーチングにおいては「肯定的な断言をすることにより、無意識の力を引き出し、イメージを現実化する方法」として用いられています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 なぜ「無意識の力を引き出す」ことができるのでしょう?

 

 

 答えは「ゴール側の可能世界w2の臨場感を高めることができる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールは現状の外にあるためクリアにイメージすることはできません(できる場合は現状の中です)。しかし、ゴールを達成している未来から逆算した自分やまわりのあるべき状態はイメージすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

それはゴールに基づいたコンフォートゾーン(CZ)であり、ゴール側の可能世界w2です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です。

 F-430:オーセンティック・コーチングの形式定義 <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37977729.html

 

 その“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”を肯定的に断言すると、その臨場感を高めることができます。声に出しながら繰り返し読むと(=外部化)、臨場感はさらに高まります。

 L-246202210月介護施設研修 -06;可能世界w2の臨場感を上げる3ステップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38099185.html

 

 なぜ臨場感が高まると無意識の力を引き出すことができるのでしょう?

 

 

 答えは「“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”にホメオスタシスが働く」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

情報空間に働くホメオスタシス・フィードバックの強度が臨場感の正体です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 つまり、臨場感とは、CZのレベルやホメオスタシス・フィードバックの強度と同じ。そして、それはエフィカシーの高さのことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。最新のコーチングにおいては「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」と定義されています。

 

 

  Efficacyw1)→ w2

 

 

 コーチングの実際の作業は「クライアントのゴール設定をサポートし、エフィカシーを上げる」こと。よって、アファメーションが有効なのは間違いありません。

 F-323:観自在 <実践編-3;アファメーション>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

 

 では、なぜ「コーチングではアファメーションは行わない」のでしょう?

 

 

 ここで「新刊の『老い方をいますぐ、アップデート』」中のアファメーションに言及されている部分を確認しましょう。以下、同書(TAC出版、p16520263月発売)より引用します。

 

 

エフィカシーの簡単な上げ方

 第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。

 そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです

 

 そこで、まず試してほしいのが、毎朝「今日はいい一日になる」と声に出しながら、コップ一杯の水を飲む習慣です。たった数秒の行動ですが脳の働きを活性化させ、作業効率を大きく底上げしてくれます。

 なぜ水を飲むだけで脳が目覚めるのか。それは、水を飲むという行為と、ポジティブな言葉やイメージをセットにすることで、エフィカシーが自然と高まるからです。こうした「言葉で理想の自分を作る技法」はアファメーションと呼ばれ、自分で自分の肯定感を高める手法です。

 人はどれだけ知識やスキルを持っていても、エフィカシーが低いと実力を発揮できません。逆に、エフィカシーが高まれば、自信を持って行動でき、成果にもつながりやすくなります。

 

 では、アファメーションを使ってエフィカシーを高めるにはどうすればいいか。

 まず、「こうなりたい」という未来の自分を明確に決めます。たとえば、「老後はずっと孤独だ」と悩んでいるなら、「主体的な仲間たちに囲まれた自分」がその理想のイメージになるでしょう。

 次に、その理想の姿を具体的な言葉で自分に繰り返します。

 「自分はできる」

 「この目標を達成するのにふさわしい人間だ」

 「仲間たちに囲まれて、自分のやりたいことをやり、社会に貢献できている」

 こうしたポジティブな自己対話を毎日続けることで、未来の自分の姿がリアリティを帯び、行動も自然と変わっていきます。

 何かができない人は「うまくできない自分」を根拠なく思い込んでいるだけで、本来の力を出せていません。

 だから、理想の自分をさきに決め、その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づけるのです。これが自己イメージを高く保つやり方であり、結果として「なりたい自分」を現実化していくことにつながります。

 朝の一杯の水は、自分の未来を変える自己イメージアップの呼び水なのです。

 すでにご存じの方も多い方法ですが、ここであらためてアファメーションの作り方の基本ルールを整理しておきます。

 

アファメーション作成の11のルール(「老い方をいますぐ、アップデート」より引用)

「老い方をいますぐ、アップデート」p168より引用

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント eBook : 苫米地英人:

 

 

第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。

 そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです。

 

 その「自分への信頼」や自分の裏返しである「宇宙(世界)への信頼」の基盤となるのがベーシックトラスト。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 ベーシックトラストとは、「子どもの親(大人)への絶対的な信頼感」のこと。

 それは親が子どもを徹底的に信じてあげることで育まれます。親から信頼されている状態がCZになる ということです。

 Q-229:低年齢の子どもも後編;しつけと教育の違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27824108.html

 

 ところが、現実においては、親はドリームキラーであることが多いもの。ベーシックトラストが弱く、なかなか「自分への信頼」が持てないという方は決して少なくないはずです。そうですよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 さらに老いが重なると、ますます「自分への信頼」は揺らいでいきます。心身ともに弱っていくから。

 L-02620203月シークレット… -04;老いの実感 ~乗り物酔いリターンズ~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26077153.html

 

よって、文字どおり「老い方をアップデート」するために、あえてアファメーションを取り上げられているのだと思います。

 F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ ♪」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html

 

これはコーチング前の段階の話であり、コーチング入門者向け。

エフィカシーは「自分のゴール達成能力の自己評価」ですが、そもそもゴールが設定されていなければ高めようがありません。

 ゴールがないままでは「理想の自分をさきに決める」ことはできず、当然「その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づける」こともできません。

ルー・タイスさんの言葉でいうと、「ゴールが先、認識が後」です。

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 引用した文章で博士が問われているのは

 

  自分を好きですか?

  自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?

 

 ということ。

 

 でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。

 Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html

 

 その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。もっと本質的に考えるとそもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だから です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。

 Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html

 

 

 以上がコーチング入門者に対する視点での回答です。

 次回はコーチング実践者に対する視点で回答し直します。

 

Q-482につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です

 

 思考することそのものが大切。思考とは「記憶と情報の関連性を無作為に組み合わせる」ことです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30514015.html

 

 ところで、最新のゴールの定義は「∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈w_{future}}」でしたが、「老い方をいますぐ、アップデート」と同時期に発売された「新・夢が勝手にかなう手帳 2026年度版」(Club Tomabechi)の中では「w ∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈w_{future}}」と記載されており、「ある可能世界において」をあらわす「w」が追加されています。

これはなぜなのでしょう?

 

 

 そのようなことを探究し続けることが「コーチにふさわしいハビット&アティテュード」だと私は思っています。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-164~5:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ vol.2「老」;anti-aging <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24337669.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24402109.html

F-371:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

L-251202210月介護施設研修 -11(最終回);<ワーク>自己充足的予言

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38141994.html

Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html

Q-450:現状が嫌でしょうがなくてコーチングを学び始めましたが、ちっとも変わりません。こんな私でもコーチングを受ければ変わることができるのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37819886.html

 

 

老い方をいますぐ、アップデート

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F-446BLACK RAIN <後編;強い倫理観が「命を失っても譲れないゴール」を生みだす>

 

 前々回(F-444)のタイトルは「Working Dead」。

 ブログ用の文章を書きながら、「私もWorking Deadだったな」としみじみと思いました。もっと正確にいうと働く前からすでにWorking Dead

 F-444Working Dead

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38257510.html

 

 そんなことを考えたのは、書きながら聴いていた音楽が影響したのかもしれません。聴いていたのは1989年に公開された映画「BLACK RAIN」のサントラです(作曲:Hans Zimmer)。

 F-344:止められないんだ! これを聴いて、脚本を書くときのインスピレーションにしてほしい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34150617.html

 

 

BLACK RAIN

 

 

 前編;“視点”の違い ~スリー・タイム・フレーム~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38276542.html

 後編;強い倫理観が「命を失っても譲れないゴール」を生みだす

 

 *今回も軽くネタバレを含みます。御注意ください

 

 

 二度目の「BLACK RAIN」は大学入試1日目の夜でした。

 

 もしも入学できたとしても、学費や生活費を自力でなんとかしないといけなかった私にとって、地元の鹿児島大学医学部以外の選択肢はありませんでした。そのため現役時は鹿大だけを受験しました。

 余談ですが、当時の担任からは「鹿大にこだわるなら工学部に行け」と悪意なく言われ、御縁ある内科医からは「医師になったら僕が講師を務める医局においで。一緒に働こう」と言っていただきました。

 PM-03-07~8鹿児島大学医学部を目指して

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7199779.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7199884.html

 

 前者はエフィカシーを下げる働きかけ、後者は上げる働きかけ。前回(F-445)のテーマ“視点”でいうと、前者は「過去」、後者は「未来」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 1年の浪人を経ての医学部再挑戦で、私は鹿大以外の大学も受験しました。仮に合格したとしても6年間の一人暮らしを続けることはできないのに。

そういう意味では「現状の外」といえますが、そのときの意識状態は決してゴールに向かうものとはいえませんでした。なぜなら「医師になる」の先の世界(ビジョン)がなかったから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

そんな状態で「未来のビジョンによる引力の極大化」が起こるはずがありません。

F-332:分断緩和のための処方箋 vol.3;「未来のビジョンによる引力の極大化」と「過去からの引力の最小化」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33515591.html

 

ゴールは自分のことではなく(例:医師になる)、未来の社会や世界のことです(例:誰もが心身ともに健康で自身の望む人生を全うしている)。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 そのような利己的で未熟な意識状態で臨んだ(鹿大ではない大学の)受験1日目の筆記試験の後に面接がありました。人生初の面接です。

そのときに面接官から「当大学と鹿児島大学、両方合格したらどちらを選びますか?」と質問され、私は「鹿児島大学です」と即答しました。

その回答に(おそらく表情や口調などの非言語部分にも)キレた面接官(たぶん教授)に罵倒され、しかもストレートに言い返してしまったため、私は不合格を確信しました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

プレッシャーからすっかり解放された私は、その夜すぐにはホテルに戻らず、映画館でのんびり過ごしました。観たのは「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」と「BLACK RAIN」の二本立てです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 前年夏に観たときに面白すぎて2回観た「インディ」(3作目)にはさほど心は動かず、初見でなんともいえない思いが残った「BLACK RAIN」に心が震えたことを覚えています。

 

  なぜ最初に観たときとこんなに印象が違うのか?

  なぜ心が震えるのか?

 

 そんなことを考えながら、2日目の受験終了後に鹿児島に帰りました。言葉にはできない悶々とした思いを抱えながら。

 F-189~:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411502.html

 

 苫米地式認定コーチとして活動する今は、二度目に心が震えた理由がよくわかります。ひと言でいうと“共感”です。

Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

主人公の心(情報場)に強く共感したのは、大事な受験の面接で逆ギレしてしまい後悔していたからだと思います。横領を行い、信じてくれた同僚を裏切り続けた主人公の後悔と(今思うと小さいものですが)私の後悔が共鳴したのでしょう。

F-418:私、うっちゃいました <前編;後悔は進化の結果>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37549544.html

 

 前回(F-445)書いたとおり、主人公 ニック(演:マイケル・ダグラス)は、松本(演:高倉健)のサポートを得て、未来において責任を果たそうとします。佐藤(演:松田優作)を捕まえることで。そして、刑事としての尊厳を取り戻すことで。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 それは「本当の“自分”を取り戻す」ということ。ひと言でいうと「脱洗脳」です。

 F-378:学びと破門で脅しをかける <vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

 

 では、何から“自分”を取り戻すのか? というと 拝金主義。

 ゴールのバランスホイールでいうと、養育費の支払いなどで「ファイナンス」に偏っていたのを、「職業」や「社会への貢献」、そして「スピリチュアリティ」を包摂する“視点”でバランスを取り戻すということ。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

ひょっとしたら、この時初めて「職業」と「ファイナンス」のゴールを切り分けたのかもしれません。

 Q-444:ファイナンスがどうしてもhave toな場合、どうすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37428249.html

 

 生活に追われ横領を行ったニックと進学後のお金の心配で頭がいっぱいだった私は、ともに「お金の奴隷」だったといえます。だから「Working Dead」。私の場合は「働く前からすでにWorking Dead」。

 Q-422:コーチングを受けるとどうなりますか? -version 2- <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36570553.html

 

 自らを脱洗脳し、「Working Dead」から脱するためには、ゴール、とくに「スピリチュアリティ」のカテゴリーのゴールが必要です。

 日本にコーチングを導入する際にバランスホイールから抜いたという「スピリチュアリティ」を、苫米地博士は「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」の3つに分けて戻されました。

Q-305:「心身相関」と「超情報場理論」 <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30918952.html

 

 以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2026年度版」(Club TomabechiMonthly Dr.Tomabechi’s Column 1月)より引用します。

 

 

スピリチュアリティというゴール(抽象度、リーダーシップ、エソテリシティ)

 コーチングの元祖であるルー・タイスは敬虔なクリスチャン(キリスト教徒)であり、その社会貢献のゴールに「スピリチュアリティ」がありました。これはカトリシズムのような博愛主義から来ており、そこではキリスト教という枠組みの中での人格形成や霊性、精神性の向上が意図されています。

 ただ、日本では不幸にもオウム真理教のテロ事件があり、その後も統一教会などのトラブルが続いており、スピリチュアリズムに対しては私自身も批判的です。ただし、スピリチュアリズムとスピリチュアリティは区別されるべきです。

 そのため、私はスピリチュアリティをバランスホイールのゴールに入れるべく、3つに分割しました。それが「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ(秘教性)」です。ただ、この3つは絡み合い、3つで1つです。

 抽象度とは利他性です。他人を利することを考えると現状の外に飛び出せます。またリーダーシップはゴールと関わります。多くのフォロワーに支持される社会性と利他性のあるゴールを掲げてリーダーになりましょう。そして強い倫理観によって「自分の命をたとえ失っても譲れないゴール」を持つ人となりましょう。

 この倫理観こそがエソテリシティであり、抽象度とリーダーシップとエソテリシティはこのように絡み合ってスピリチュアリティというゴールに統合されるのです。

 引用おわり

 

 

抽象度とは利他性です。他人を利することを考えると現状の外に飛び出せます。またリーダーシップはゴールと関わります。多くのフォロワーに支持される社会性と利他性のあるゴールを掲げてリーダーになりましょう。そして強い倫理観によって「自分の命をたとえ失っても譲れないゴール」を持つ人となりましょう

 

 映画終盤でのニックの姿には「自分の命をたとえ失っても譲れないゴール」の存在が感じられます。ただし、そんな意識状態の時には、気をつけないといけないことがあります。

それは「空(くう)」が抜けた「実(じつ)」になってしまわないこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

ひとたびゴールを設定すると、ゴール達成、すなわち抽象度が下がる方向ばかりに気が向いてしまい、ついつい「空」を忘れてしまうもの。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

それは「指ばかりを見て、指さす先を見失った状態」。だから「指さす先」=「空」を忘れないために、「さらなるゴールを思い続ける」という感覚が大切です。

 Q-408BSをゼロベースで観察することが困難な中vol.2;〇〇を感じ取る力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 

その鍵となるのが「意図性(intentionality」。

「意図性(intentionality)」とは、「次に何をするか」という将来に対する自身の意図のこと。それは行動だけでなく、思考(=情報空間での行動)をも含みます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

「意図性(intentionality)」が、“自分”という存在のオリジナルを決め、その存在の意義を決めます。シンプルにいうと、「なぜ存在するのか?」「なぜ生きるのか?」への答えが自分(=宇宙)を決定します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

  自分の命をたとえ失っても譲れないゴールとは何か?

  そのさらに先にあるゴールは何か?

  なぜ存在するのか?

  なぜ生きるのか?

  “自分”とは?

 

 

 受験の後、鹿児島に帰る電車の中で感じた「言葉にはできない悶々とした思い」とは、そういった自問だったのだと気がつきました。

 Q-452:コーチングの対象が自分であってもvol.1;コーチングは「自問自答」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37854944.html

 

 これは「Working Dead」を脱し、真の意味で生きる(生ききる)ための自問です。

 L-221202208月シークレット… -08;“しっかり生きる”ためのシンプルなワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37223679.html

 

 

  なぜ生きるのか?

  “自分”とは?

 

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

プレッシャーからすっかり解放された私は、その夜すぐにはホテルに戻らず、映画館でのんびり過ごしました。観たのは「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」と「BLACK RAIN」の二本立てです

 

 若い人には信じられないと思いますが、昔は二本立てがあたりまえでした(少なくとも鹿児島では)。計4時間以上も映画館で過ごすことができるなんて、なんてのんびりした時代だったのでしょう。

Q-320~1:速いスピードでvol.2~3:「時間は体感」を体得する4つのステップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31693510.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31732537.html

 

 受験初日の夜、先に見たのはインディ・ジョーンズの3作目「The Last Crusade」でした。

1作「Raiders of the Lost Ark」(1981年)から第5作「The Dial of Destiny」(2023年)までは、なんと42年間!

それぞれの映画が意識に上がるたびに(trigger)、その時代の体感が甦ります(anchor)。

F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426094.html

  

 ところで、インディ・ジョーンズといえば、あの胸躍るマーチ!

 作曲したのは、もちろん、映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams1932~)です。

次回(F-447~)からは、その巨匠の言葉を考察します。

 

 

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

 

 

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F-381~:ロバート・メーガーの「3つの質問」

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Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?

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新・夢が勝手にかなう手帳 2026年度版




Q-480:「俺の処方を勝手に変えるな」と怒られました <vol.4;想像を超えるリアリティの出し方>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

vol.1;無明

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38266229.html

 vol.2;ゴールを包摂しエフィカシーを上げる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38272080.html

 vol.3;エフィカシーは“全て”に影響する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38285926.html

vol.4;想像を超えるリアリティの出し方

 

 

Q:私は4年目の内科医です。私自身がまだ先輩に指導を受けている立場ですが、研修医を指導することもしています。先日、先輩医師から引き継いだ患者さんの処方を変更したら、あとで「俺の処方を勝手に変えるな」とすごく怒られました。研修医もその場にいたので、とても悔しい思いをしました。コーチであり医師でもある先生は、どう思われますか?

 

A4:「情動的になり、論理的思考ができなくなってしまった脳」を、前頭前野優位に戻し、IQを高め、エフィカシーを上げていくためにはどうすればいいでしょうか?

 F-404:自由訳「守破離」 vol.2;「守」× Healing

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37031929.html

 

 じつは、苫米地博士は、強力な解決策を教示されています。それは「新しいエスティーム」を活用すること。

エスティーム(Esteem)は「尊重する」「高く評価する」という意味。エフィカシー(Efficacy)と似ているように思われるかもしれませんが、両者はしっかり区別するべきものです。

(区別と差別の違いはこちら↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 なぜなら、これまでのエスティームは、社会の中での地位のことを指すから。社会的地位とは「現状の中に居続ける」ことで意味を成します。それは「過去に囚われる」ということ。

例えば、「研修医」より「4年目の内科医」の方が偉く、「4年目の内科医」よりは「先輩医師」の方が偉いというのは、過去に囚われた従来のエスティームです。

 Q-458:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.2;権力とは?>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37957648.html

 

エスティームを高めることは「自分を現状に縛り付ける」「過去の呪縛を強める」ことを意味します。ですから、「過去は一切関係ない」をプリンシプルとするコーチングで重視されることはありませんでした。

 L-248202210月介護施設研修 -08;「過去には一切こだわらない」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38119777.html

 

ただ、エスティームが高い人は、じつは、エフィカシーも高い傾向があります。

そこで苫米地博士は、そのようなエスティームを活用するために、新たな意味を追加し再定義されました。それが「(自分の社会的地位を誇るのではなく)自分のゴールの凄さを自ら誇る」というものです。

Q-256:私、立ち直れるかな? <前編;個人の視点で>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html

 

 

エスティームの新しい解釈(オーセンティック・コーチング 2026)

「オーセンティック・コーチング 2026」(p133)より引用

Kindle版はこちら↓

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 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、4)自分中心を捨て去るの4つ。

 L-10020218… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 自分中心を捨て去りながら現状の外に設定するゴールは、当然、“自分”という枠組みを超え社会にひろがっていきます。抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そんな抽象度の上がったゴールを誇ることが新しい「エスティーム」。つまり、旧「エスティーム」は自分のことであり、新「エスティーム」は社会のことだということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 さらに時間を入れて考えると、旧「エスティーム」は過去であり、新「エスティーム」は未来だということができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 よって、苫米地博士によるエスティーム再定義のポイントは、「自分/過去」から「社会/未来」への意識(視点)の変化 だといえます。これは次世代コーチングの「(関数pの再定義を促すのではなく)可能世界w1から別の可能世界w2への移行を促す」という定義と合致します。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 苫米地式コーチングの形式定義は「可能世界間の移行」。それがここまで取り上げてきた「Efficacyw1)→w2」です。新しいエスティームまで入れて考えると

 F-429~:オーセンティック・コーチングの形式定義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_432237.html

 

 

 自分のゴールを誇ることでエスティームを高める

 →エスティームが高まることでエフィカシーが上がる

 →現状w1からゴールの世界w2に移行する = Efficacyw1)→w2

 

 

 新しい「エスティーム」と「エフィカシー」が高い人(=ゴールの抽象度の高さを誇り、かつ、ゴール達成を確信している人)は、高い抽象度で現状の外側をしっかりと見ることができるようになりますそれは「無明ではなくなっていく」ということ

 L-230202209月シークレット… -05;コーチングは「客観」 その理由は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37613554.html

 

そういう人だからこそ、圧倒的な利他性を持つことができます。

 

 

  圧倒的な利他性

 

 

 私が感じる御質問の課題(case)は「無明」。そして、解決(plan)は「利他性」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 その「利他性」を、苫米地博士は“苫米地英人アカデミー”の中で詳細に定義されています。このブログでその内容を明かすことはできませんが、じつは、博士の著書でエッセンスを感じることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 以下、苫米地博士の著書「老い方を今すぐ、アップデート 老害にならずに『第二の人生』を生きるヒント」(TAC出版、p68)より引用します。「利他性」という“関数”によりアクセスする次元を感じながら読み進めてください。Feel

 F-433~:イメージするための表現の関数

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_432465.html

 

 

世界の見え方を変える究極の方法

 新しい「発想」を得るには、新しい視点を手に入れることが大切です。

 別の視点から世界を見ることで新しい発想は自然に生まれてきます。

 問題はどうやって別の視点を手に入れるのか、ということです。別の視点を手に入れましょうと言われても、それが簡単にできないからみなさん、悩むわけです。

 

 私がこれまで別の視点の例として挙げてきたのは居酒屋の店長とアルバイトの違いです。店長の視点はどうやって店の売上を上げるか、で、そのためには集客を考えたり、コストを下げたりといった方策をいろいろ行います。

 しかし、アルバイトはどうでしょうか? 時間給で働くわけですから売上なんか関係ありません。極端な話、集客どころか、お客なんか来ないほうが楽にお金が入るでしょう。つまり、店長にとってお客さまは「ありがたい」存在であり、アルバイトにとってお客は「迷惑な」存在なのです。

 これが、視点の違いで見えるものが変わるというわかりやすい例です。ビジネスパーソンなら一度は聞いたことがあるでしょう。上司の視点、社長の視点、顧客の視点で世界を見直してみる。要は、視点を一段、高めてみると見えるものが自然に変わってくるということです。

 

 問題はそれをどうやって行うかです。上司や店長の気持ちを想像することによって、その視点を手に入れることは可能といえば可能ですが、想像はあくまで想像なのでどうしてもリアリティが出ません。一番いいのは自分がその立場になることですが、これだとしょっちゅう転職を繰り返すことになってしまい現実的ではありません。

 想像を超えるリアリティの出し方は、究極的には、たぶん一つしかないと思います。

 それが利他的になることです。

 なぜなら「利他」はとても簡単に他人の立場になれる方法だからです。相手をよく観察して手助けできるところがあれば手助けをする。これが利他の基本の一つです。

 想像はその人の思考をなぞるだけですが、「利他的になる」となれば、相手の力になろうとするのが自然です。相手の力になろうとすれば、自然に相手の視点で動くことになるわけで、結果として世界の見え方が変わるのです。

 これが視点を変えるということです。

 みなさんは、これまでの人生のなかで「視点を変えてみましょう」という言葉を何度も聞かされてきたはずです。しかし、ほとんどの人が何をどうしていいかわからなかったはずです。

 実はそのやり方が利他でした。利他によって新しい付加価値を生み出し、世界を変えることにもつながるのです

 引用おわり

 

 

 想像はその人の思考をなぞるだけですが、「利他的になる」となれば、相手の力になろうとするのが自然です。相手の力になろうとすれば、自然に相手の視点で動くことになるわけで、結果として世界の見え方が変わるのです。

 これが視点を変えるということです。

 

 コーチであり医師でもある先生は、どう思われますか?」に対する私の最終的な答えは視点を変えるビッグチャンス!

 Q-265:臨場感世界をまったく同じように感じることが<前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 

 ぜひ、「利他性」を意識に上げながら、「先輩医師」や「研修医」、そして患者さんや縁ある人々と向き合うようにしてください。きっと「世界の見え方が変わる」はずです。

 Q-266:臨場感世界をまったく同じように感じることが<後編;視点を上げる>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29135063.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

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F-275:冗長性と多様性 <vol.7DevSecOps

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37803561.html

L-172202203月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

L-173202203月シークレットレクチャー -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

Q-464:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

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Q-479:「俺の処方を勝手に変えるな」と怒られました <vol.3;エフィカシーは“全て”に影響する>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

vol.1;無明

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38266229.html

 vol.2;ゴールを包摂しエフィカシーを上げる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38272080.html

 vol.3;エフィカシーは“全て”に影響する

 

 

Q:私は4年目の内科医です。私自身がまだ先輩に指導を受けている立場ですが、研修医を指導することもしています。先日、先輩医師から引き継いだ患者さんの処方を変更したら、あとで「俺の処方を勝手に変えるな」とすごく怒られました。研修医もその場にいたので、とても悔しい思いをしました。コーチであり医師でもある先生は、どう思われますか?

 

A3Efficacyw1)→ w2

 

 このエフィカシー関数をイメージしながら、苫米地博士からの問いについて、じっくりと考えてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 「私はただのアルバイト」というエフィカシーで働いていれば、本当の力をセーブして働き続けます。力をセーブしていること自体にも気付きません。しかし、それはアルバイトをしている時だけの話です。アルバイトの時間だけ力をセーブします。

 それでは「私はごく普通の人」というエフィカシーだといかがでしょうか?

 

 

 では、答え合わせをしましょう。

 以下、苫米地博士の著書「立ち読みしなさい! ~美しいほどシンプルな成功術」(ありがとう出版、p190)より引用します。前回引用部分のつづきです。

 

 

◆エフィカシーは全てに影響する(前回のつづき)

 それでは「私はごく普通の人」というエフィカシーだといかがでしょうか?

 「私はただのアルバイト」というエフィカシーの場合は、アルバイトをしている時だけ力をセーブします。しかし、今回は「私はごく普通の人」というエフィカシーです。

 いかがでしょうか?

 その答えは非常に恐ろしいモノです。お分かりになるでしょうか?

 

 その答えは、「常に能力を制限して生活する」です。

 自分はこれといった才能や能力もない、ごく普通の人間だというエフィカシーであれば、それが全てに影響するのです。エフィカシーが持つ、とんでもない影響力です。

 ほとんどの人が徹底的にエフィカシーを下げられていますから、自分の才能や能力を制限したまま生活しているのです。実に恐ろしく、そして悲しい現実だと思います。

 

 それとは逆に「30代で最低1000億円のビジネスをする!」と本気で考えていた、ソフトバンクの孫社長が学生時代にあなたと同じアルバイトをしていたら、どのような姿勢で働いていたと思いますか?

 それは間違いなく全力で働きます。アルバイトだからとか、新人だからとか、社員だからとか、時給はいくらだからとかは関係ありません。

 「自分は30代で1000億円のビジネスをする人間だ!」という高いエフィカシーを持っている人であれば、自分の能力を出し惜しみしません。常に全力です。力をセーブするどころか、自分の能力をさらに高めることだけを考え行動します。もう一度だけ言います。

 

 これは能力の違いではなくエフィカシーが持つ圧倒的なパワーの話です

 

 実際に多くの人が見たであろうエフィカシーの話を最後にします。

 サッカーの2014ワールドカップアジア最終予選、対オーストラリア戦で本田圭佑選手がPKを決めたシーンを思い出してください。日本代表のワールドカップ出場が決まる非常に重要なシーンです。普通の選手であれば、プレッシャーに押しつぶされるようなシーンで、本田選手は「俺が蹴るんだ!」と言わんばかりにボールを掴んだまま離しませんでした。

 そして、緊張感溢れるその状況の中で、なんとゴールのド真ん中にシュートを決めたのです。この劇的なシーンをエフィカシーの観点から説明しましょう。

 まずボールを掴んだまま離さなかったのは、「俺が日本代表のエースだ」というエフィカシーの表れです。「俺がゴールを決めるに相応しい」という非常に高いエフィカシーです。

 先ほどの「私はただのアルバイト」というエフィカシーと全く違うことが分ります。

 それを裏付けるように、本田選手の小学校の卒業文集には「将来、必ず世界一のサッカー選手になる!」と書いていました。つまり、あのPKの裏側には本田選手が小学生の頃から思い描いていた、プロで活躍する自分の姿があったということです。

 「世界一のサッカー選手になる」というエフィカシーだったからこそ、ボールを離さず、さらにド真ん中にゴールを決めたといっても過言ではありません。

 そんな本田選手のことをメディアでは強心臓などと報道していましたが、あのようなシーンでは技術力より精神力がより大切になります。いくら能力があったとしても、プレッシャーに負けて、持っている能力を発揮できない可能性が高くなるからです。

 エフィカシーは全てに影響すると言いました。エフィカシーが低ければ、ゴールを決めるイメージよりも外すイメージが強くなります。

 その強力な精神力を生み出しているのもエフィカシーだということです。

 引用おわり

 

 

常に能力を制限して生活する

 ほとんどの人が徹底的にエフィカシーを下げられていますから、自分の才能や能力を制限したまま生活しているのです

 

 おそらく「俺の処方を勝手に変えるな」と怒りながらあなたのエフィカシーを下げにかかる「先輩医師」も、これまでの人生で何度もエフィカシーを下げられてきたはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

そのたびに、例えば「出る杭は打たれる」的な価値観(ブリーフ)を受け入れていったのでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 低いエフィカシーのままだと、縁起を知ることはできません。仮にできたとしても、素直に受け入れることは難しいはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 鍵となるのは「抽象度」。私自身はエフィカシーと抽象度を双方向の関係性としてイメージしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

抽象度が足りないとそもそも認識することができず、仮にできたとしても理解ができません。ゲシュタルトができないから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 だからいって、「エフィカシーを高めましょう」「抽象度を上げましょう」「縁起を知りましょう」といくら説得してもムダ。無意識が「『4年目の内科医』から諭されている」と感じた場合、「先輩医師」のエフィカシーはますます下がり、その反動としてあなたはもっと怒られることになるはずです。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 もちろんそれがわかっているから「悔しい思い」に耐えながら、私に助けを求めたのでしょう。

 

 大丈夫です。

必ず解決しますので、安心してください。

 

 では、呼吸を意識に上げてリラックスとゆらぎを得ながら、一緒に現実的な“解決”について考えていきましょう。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

 

 前回(Q-478)、私は「ゴールを設定し、先輩のゴールと包摂する」ことと「ゴール側のコンフォートゾーン(CZ)の臨場感を上げる」ことを提案しました。「CZの臨場感を上げる」ことは「エフィカシーを上げる」ことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

そのときに気をつけて欲しいのは、「先輩医師がいる」「私がいる」→「二人のゴールの共有部分が“ある”」と考えないこと。もちろん「エフィカシーが“ある”」→「上げる」もダメ。

それだと無明に逆戻りで、相手の存在(自我)やゴール、エフィカシーを実観的に観てしまうことになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「実観」とは、「空(くう)」の抜けた意識状態のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 現在の可能世界w1からゴール側の可能世界w2への移行、すなわち「Efficacyw1)→ w2」は、あくまでも「空」を維持した「仮」の意識状態で行うもの。その「空」と「仮」を同時に維持(あるいは包摂)する状態が「中」。苫米地式コーチングは「中観」です。

 Q-423:現状の外側に100%want tovol.1;ゴール設定のスタートライン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36583975.html

 

 人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。それが無明であり、その絶対視によりスコトーマが生じます。自分自身を自由自在に観ることができなくなるのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 さらには、その“自分”は、ホメオスタシスによってますます強力に維持されるようになっていきます。きっと「俺の処方を勝手に変えるな」的な言動はどんどんエスカレートしていくでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

  Efficacyw1)→ w2

 

 

 これはエフィカシー関数であり、コーチングの形式的定義でもあります。

 

 コーチングとは、相手の自我を変えようとする行為ではなく、「相手にとって一番重要な未来のゴールに従い、現在あるべきコンフォートゾーンを選びだすことを促す行為」です。それは「現状(現在のCZw1からゴールの世界w2への移行を促す行為」でもあります。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなって

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 その移行の結果として、自我関数がゴールを達成する自我関数に変わります。直接自我関数を書き換えようとするのは苫米地式コーチングではありません。

 F-429~:オーセンティック・コーチングの形式定義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_432237.html

 

  現状w1からゴールの世界w2への移行

 

 ルー・タイスさんからはじまるコーチングの伝統では、この移行に必要なのはたった一つ。それが「高いエフィカシーを維持する」こと。高いエフィカシーにより現状w1からゴールの世界w2への移行が実現します。

 

 もちろん、エフィカシーを上げることは簡単ではありません。

 苫米地博士は、エフィカシーを上げられない理由として、「大脳辺縁系の活性が優位になり、IQが下がっている状態」を挙げられています。「すごく怒る」はまさにそんな感じでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 では、「情動的になり、論理的思考ができなくなってしまった脳」を、前頭前野優位に戻し、IQを高め、エフィカシーを上げていくためにはどうすればいいでしょうか?

 F-404:自由訳「守破離」 vol.2;「守」× Healing

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37031929.html

 

 じつは、苫米地博士は、強力な解決策を教示されています。次回取り上げます。

 (待ちきれない方はこちらをどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37991770.html

 

Q-480につづく)

 

 

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-関連記事-

F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ ♪」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html

F-371:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

Q-210~:世の中はどうしてドリームキラーばかりなのでしょうか?

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Q-411~:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430485.html

Q-448:未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています <補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37503636.html

 

 

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F-445BLACK RAIN <前編;“視点”の違い ~スリー・タイム・フレーム~

 

 前回(F-444)のタイトルは「Working Dead」。

 ブログ用の文章を書きながら、「私もWorking Deadだったな」としみじみと思いました。もっと正確にいうと働く前からすでにWorking Dead

 F-444Working Dead

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38257510.html

 

 そんなことを考えたのは、書きながら聴いていた音楽が影響したのかもしれません。聴いていたのは1989年に公開された映画「BLACK RAIN」のサントラです(作曲:Hans Zimmer)。

 F-344:止められないんだ! これを聴いて、脚本を書くときのインスピレーションにしてほしい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34150617.html

 

 

BLACK RAIN

 

 

 1989年秋から翌年春までの間に、私は二度「BLACK RAIN」を観ました。

 

 最初に観たのは大学浪人中の秋。リドリー・スコット監督ならではの映像美には感動しましたが(撮影監督:ヤン・デ・ボン)、内容的には何ともいえない余韻が残りました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 *ここからはネタバレを含みます。御注意ください

 

 

 まずはストーリーを紹介します。

 離婚後養育費の捻出に苦労するニューヨーク市警の刑事 ニック・コンクリン(演:マイケル・ダグラス)は、横領の嫌疑をかけられ査問中の身です。

 ある日同僚のチャーリー・ビンセント(演:アンディ・ガルシア)とレストランを訪れた際に日本のヤクザの抗争に巻き込まれます。そのときに捕まえた佐藤浩史(演:松田優作、この作品が遺作)を日本に送還した際、二人は騙され佐藤に逃げられてしまいます。

 自分たちのミスを取り返すべく大阪府警の捜査に加わろうと願い出ますが、刑事部長はそれを許さず、松本正博警部補(演:高倉健)を監視役に付けます。強引なニックと真面目な松本は反発し合いますが、チャーリーが惨殺されたことをきっかけに、佐藤逮捕に向けて思いを一つにします

 ブラック・レイン - Wikipedia

 

 

 当時、一番印象に残ったのは、張り込み中にニックが松本に対して横領が事実であることを告白したシーンでした。チャーリーにも打ち明けていなかった真実を知った松本は、ニックが“自分”を内省できるように導きます。

そのときの松本の表情と言葉の“間”がとても心に響きました。

 Q-170:自身の信念を失いそうです vol.2;コーチング実践者向け -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24425213.html

 

 その後、認知科学者 苫米地英人博士にマインド(脳と心)の仕組みや内部表現書き換え技術、そしてコーチングを学ぶようになって、心に響いた理由がよくわかるようになりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 その一つは“視点”。

 大阪府警の捜査に加わろうとするシーンにおいて、日本の警察と主人公 ニックの“視点”の違いが浮き彫りになります。

 Q-265:臨場感世界をまったく同じように感じることが<前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 

日本の警察は「おまえたちのせいだ」と怒り、「責任をどう取ってくれるのか?」と迫ります。それに対してニックは、ミスを認めた上で、「これからどう取り返すか?」に集中します。

警察は、例えば「切腹」のように、「過去に決着をつける」ことを「責任」と考えていました。対してニックは、「未来における自身の行動」を「責任」と考えました。ニックの犯した横領に対する松本の態度にも「未来」が感じられます。

 PM-06-09:仮説04)自由と責任の関係の理解不足

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958864.html

 

 つまり、日本の警察は過去に対してRASが働き、ニックと松本は未来に対してRASが働いている ということ。これが決定的な“視点”の違いです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 コーチングにおいて重要なのは、もちろん、未来。

 「スリー・タイム・フレーム」という概念がありますが、「思考の基準を未来に置く」ことがコーチングの基本です。

 L-09420217月シークレットレクチャー -06BSと人格や未来との関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30598161.html

 

 以下、苫米地博士の著書「[新版] コンフォートゾーンの作り方」(フォレスト出版、p126)より引用します。

 

 

スリー・タイム・フレーム

 ルー・タイスがよくあげるのは、スリー・タイム・フレームという思考の概念です。それは、過去、現在、未来のどこに思考の基準を置き、物事を考えるかというものです。

 過去に思考の基準を置く人は、過去の出来事を語り、過去を基準に物事を考えます

 こうした人たちに共通するのは、人生の最盛期をすでに過ごし、「昔は良かった」「あの時は幸せだった」という考えを持っていることです。それゆえに未来に対しては悲観的であり、現在は不平不満の対象でしかありません。

 現在に思考の基準を置く人は、「今現在」にします。「今こうだから、明日もこうだ」という具合です。現状を維持しようとする姿勢は、時として頼もしく映ることもあるかもしれませんが、結局は、来る日も来る日も同じことを繰り返すことになります。

 未来に思考の基準を置く人は、未来を先見し、そのイメージをはっきりと持っています。現状がその方向に動き出していることを想定して行動し、自分だけでなく周りの人をも未来に向かって引っ張っていこうとします。

 このような人たちは、未来のことであっても、すでに実現している、達成しているものとして現在形で語り、思考します。

 そのため、ゲシュタルトが有効に働き、その結果スコトーマが外れ、RASを働かせて必要な情報が流れ込むようになり、イメージ通りの未来に自分を導くのです。

 引用おわり

 

 

 未来に思考の基準を置く人は、未来を先見し、そのイメージをはっきりと持っています。現状がその方向に動き出していることを想定して行動し、自分だけでなく周りの人をも未来に向かって引っ張っていこうとします

 

 劇中のニックの姿は、まさにこんな感じ。

 佐藤とホステスのつながりや偽札に気づいたのも、執念の尾行で佐藤を追い詰めたのも、アメリカに強制送還される飛行機から脱出したのも、すべて「未来に向かって引っ張っていこう」とする力の結果。

 その力の正体はホメオスタシス(フィードバック)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その求心力により、ついには関西ヤクザの首領 菅井国雄(演:若山富三郎)のところにまで辿り着き、佐藤の殺害を持ちかけます。

 F-441:風になりたい <vol.5;自我の求心力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38197659.html

 

ただし、その強力な求心力には「チャーリーの仇をとりたい」という私欲がはりついていました。この時点でのニックは復讐の鬼。情動によりゴールの本質を見失っている状態です。

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 そして、ついにニックは

(この先は映画でお楽しみください)

 

 

 正直に言うと、浪人時代の私は、都合よく進むストーリー展開にすこし興ざめしていました。「そんなはずないだろう」「いやいやいや日本をなめすぎ」とあきれる感じで。

 きっと未来に希望を感じていなかったのでしょう。ゴールがなかったのです。まだ社会に出てもいないのに、心はすっかり老いて死にかけていました。だから「働く前からすでにWorking Dead」。

 PM-04-04収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 

コーチングを学んでいる今は、傍から見ると信じられないような展開が次々と起こることをしっかりと受け入れることができます。「超ラッキー」が「あたりまえ(New Normal)」な感じです。なぜなら

 

 ゲシュタルトが有効に働き、その結果スコトーマが外れ、RASを働かせて必要な情報が流れ込むようになり、イメージ通りの未来に自分を導く

 

 ことを何度も経験し、「信じられないような展開」がじつは必然であることを理解できるから。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 さらにいうと、コーチングを実践しながら抽象度を上げ続けることで、「スリー・タイム・フレーム」さえも超越することができるから。

 F-319:観自在 <理論編-2;自在を観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32875213.html

 

それはきっと、「一念三千」の意識状態。その一念三千を体感してはじめて、本当の意味で、心から理解することができるようになります。「過去は一切関係ない」と

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 

過去は一切関係ない

 

 

 それがコーチングの基本中の基本。

「過去は一切関係ない」が理解できているからこそ、純粋に未来に思考の基準を置くことができるようになります。そして、未来に思考の基準を置くことができるから、「未来のビジョンによる引力の極大化」を実践することができるようになります。

 L-248202210月介護施設研修 -08;「過去には一切こだわらない」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38119777.html

 

 

  未来のビジョンによる引力の極大化

 

 

 それがコーチングです。

F-332:分断緩和のための処方箋 vol.3;「未来のビジョンによる引力の極大化」と「過去からの引力の最小化」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33515591.html

 

F-446につづく)

 

 

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-追記-

 その求心力により、ついには関西ヤクザの首領 菅井国雄(演:若山富三郎)のところにまで辿り着き、佐藤の殺害を持ちかけます

 

 そのやり取り中の菅井のセリフが、

 

I was ten... when the B-29 came.

My family lived underground for three days.

When we came up, the city was gone.

Then the heat brought rain... BLACK RAIN.

You made the rain black and shoved your values down our throat.

We forgot who we were.

You created Sato and thousands like him.

I’ll pay you back.

 

 

 菅井の言う「押し付けられた価値観」を、とくにこの数年間、嫌と言うほど思い知らされました。

 F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 「your values」とは“拝金主義”のこと、「Sato and thousands like him」とは“拝金主義に染まった人々”のことです。

そして、日本人の価値観を徹底的に破壊した象徴が “BLACK RAIN...

 Q-278:親として何を助言していけば良いのか知りたいと思いました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29631346.html

 

敗戦国 日本の私たちは、民間人までもがたくさん虐殺されてしまった私たちは、アメリカ人が主人公のアメリカ映画「BLACK RAIN」にどのように向き合えばいいのでしょう?

 

 

 少し前までは気づいていませんでしたが、今の私には「過去は一切関係ない」という言葉がとても重く響きます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

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-関連記事-

F-197~:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか?

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Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

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Q-446~:未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています

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Q-478:「俺の処方を勝手に変えるな」と怒られました <vol.2;ゴールを包摂しエフィカシーを上げる>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

vol.1;無明

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 vol.2;ゴールを包摂しエフィカシーを上げる

 

 

Q:私は4年目の内科医です。私自身がまだ先輩に指導を受けている立場ですが、研修医を指導することもしています。先日、先輩医師から引き継いだ患者さんの処方を変更したら、あとで「俺の処方を勝手に変えるな」とすごく怒られました。研修医もその場にいたので、とても悔しい思いをしました。コーチであり医師でもある先生は、どう思われますか?

 

A2:「どう思われますか?」に対する私の回答は「無明」。

 無明 - Wikipedia

 

その本質的な解決策は、「すべては『空』として見る」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 でも、それは悟りの境地。コーチングのフレームでいうと「スコトーマがゼロ」の状態です。それは目指すものではあっても、実現できるものではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 今回からはコーチングのフレームで回答いたします。まずは「スコトーマ(Scotoma)」の確認をしましょう。スコトーマを生みだすものは主に3つあります。何でしょうか?

 

 そう、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)です。

 (*スコトーマについて、詳しくはこちらをどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 知識や経験、つまり記憶がないと、そもそも認識することができません。「『俺の処方を勝手に変えるな』とすごく怒る」という先輩医師には認識できていて、「4年目の内科医」や「研修医」には認識できていないことは、きっとたくさんあるでしょう。記憶の質と量が違うから。

 L-207202207月シークレットレクチャー -05;正しい「過去の記憶」の使い方

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36800425.html

 

 ならば、いつも先輩医師が正しいのか? というと、もちろん、そんなことはありません。

前回(Q-477)確認したとおり、この世(物理空間)にもあの世(情報空間)にも不完全性が働きます。経験を積み自信がつくとつい忘れてしまいがちですが、私たちは部分情報の世界に生きています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 その事実を忘れ、知識や経験を過信してしまうと、無明に陥ります。わかりやすくいうと「専門バカ」。前回追記中の苫米地博士の言葉を応用すると「生命現象を全抽象度で認識できない状態」です。

 L-068202011月シークレットレクチャー -03;じかんかじ(時間舵)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28988329.html

 

 

 スコトーマに関わるポイント「重要性」や「役割(責任)」についても、ふつうは過去の記憶により決まっています。しかも他人の意見や社会の価値観がたっぷり擦り込まれた記憶によって。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ここで問題。リラックスしながら気楽に考えてください。

 

そもそも知識(記憶)がないと認識することができず、スコトーマを外す鍵である重要性や役割(責任)も過去の記憶で決まっているのに、まったく新しいこと、つまり記憶にないことを認識できるのはなぜでしょう?

 

 

 そう、「ゲシュタルト能力がある」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 私自身は「脳が発達した人間が持つゲシュタルト能力を発揮するための縁起」がコーチングである と思っています。そして、ゲシュタルト能力こそが「縁起を感じ取る力」である とも。

 Q-408BSをゼロベースで観察することが困難な中vol.2;〇〇を感じ取る力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 

 コーチングのコア中のコアは「ゴール」。そのポイントは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、そして 4)自分中心を捨て去る(利他性) です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 そのようなゴールにより、未知の縁起を感じ取ることができるようになり、新たな認識(知識化)が可能となり、そして、まったく新しい可能世界w2の創造が可能になります

 L-237202209月シークレットレクチャー -12;ゴール側からの新たな縁起づくり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37748141.html

 

 そんな大切なゴールを共有することが重要

 

 

 「俺の処方を勝手に変えるな」と怒る先輩医師と「とても悔しい思いをした」というあなたとの間には共有するゴールがないはず。あるとしても、ゴールが生みだすコンフォートゾーン(w2)は決してクリアではないでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ここで気をつけて欲しいのは、「先輩医師がいる」「私がいる」→「二人のゴールの共有部分が“ある”」と考えないこと。

 

「先輩医師のゴール」や「私のゴール」が“ある”と考え、その共有部分を模索するという考え方はNGです。その理由はクリアですよね?

 

 そう、無明だから。

「存在→関係」ではなく、「関係→存在(もしくは関係⇆存在)」。すべては双方向性の縁起です。その事実を決して忘れないでください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「存在」の固有性やアプリオリ性に囚われずに「関係」をしっかりと観ることができるようになると、自然とゴールを包摂することができるようになります。

 Q-449:アートマンって何ですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37528586.html

 

 抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゴールを包摂できたなら、あとはゴール側のコンフォートゾーンの臨場感を上げるだけ。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 それはエフィカシーを上げることでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 以下、苫米地博士の著書「立ち読みしなさい! ~美しいほどシンプルな成功術」(ありがとう出版、p186)より引用します。

 

 

◆エフィカシーは全てに影響する

 ここまでたくさんの秘密を暴露してきました。特にこのパート、これから話す内容は全て大きな文字、全て太字で書きたいほど重要な話です。これから話すことが理解できれば必ずあなたの人生が大きく変わります。全て大文字、全て赤文字のパートだと思って本気で聞いてください。

 

 「根拠のない自信」という言葉があります。根拠のない自信とは他人から見てという前提が付きます。根拠のない自信を持っている人は、元々のエフィカシーが高い人です。

 まだ何も結果を生みだしていないのに、自分で自分の能力を高く評価している状態です。

 たとえばロック歌手の矢沢永吉さんは実績も何もなかった学生時代から「自分はスーパースターになる人間だ!」「自分こそスーパースターに相応しい人間だ!」と思っていたそうです。非常にエフィカシーが高い人、まさしく他人から見れば根拠のない自信があったということです(矢沢永吉さんの自伝『成りあがり』より)。

 実は、はじめに話したルフィやイチロー選手も全く同じです。ルフィは「自分は海賊王に相応しい人間だ!」と思っています。イチロー選手も、小学生の頃から「自分はプロ野球選手として成功する人間だ!」と思っていました。

 またソフトバンクの孫社長は学生時代から、30代には最低1000億円のビジネスをすると周囲に話していたそうです。これも根拠のない自信です。

 日本を代表する漫画の主人公から、日本を代表するロック歌手やスポーツ選手、そして実業家まで全員が元々、根拠のない自信を持っていたということです。つまり、元々、エフィカシーの高い人たちです。何か大きな結果を出す前から、自分こそ大きな結果を出すに相応しい人間だと思っていたということです。まずはこの事実を噛み締めてください。

 

 それでは「自分はロックスターに相応しい人間だ」と思っていた学生時代の矢沢さんの行動を想像してみましょう。まず間違いなく積極的に行動を起こします。次々と作曲し、練習も人一倍するでしょう。常にロックスターに相応しい最高の自分を想像し、その理想の自分に近づこうと前向きに行動します。それは誰にも見られていない自宅にいる時でも変わりません。歩き方から話し方まで全てロックスターに相応しくなっていきます。

 理想の自分に足りない部分を補うことはもちろん、自分の才能や能力を目覚めさせ劇的に高めていきます。これがエフィカシーが持つ圧倒的な力です。ほんの些細な思考から大きな行動に至るまで、エフィカシーは全てに影響を及ぼします。全てにです!

 

 そして大切なことは、あなたもエフィカシーを高め人生を激変させることができるということです

 

 「私は何もできない人間だ!」というエフィカシーであれば、それが全てに影響します。何かにチャレンジする時でも「はじめから私には無理」と心のどこかで思って行動をします。そして、そのマインドに従い、結局は失敗に終わるのです。

 それとは逆に「私は素晴らしい可能性を秘めた人間だ!」というエフィカシーであれば、それが全てに影響します。何かにチャレンジする場合には「私は素晴らしい結果を出せる」というマインドで行動をします。そして、実際に素晴らしい結果を残すのです。

 これは能力の違いではなく、エフィカシーの違いです。ここを勘違いしないでください。

 ここまで話してきた通り、私たちは子どもの頃から否定され続け、徹底的にエフィカシーを下げられてきました。そして、ほとんどの人はその下げられたエフィカシーに従って考え行動しているのです。非常に残念な現状です。

 あなたは磨けば光る原石です。あなたは、あなた自身が考えている以上に素晴らしい力を秘めています。決して自分自身のことを低く見なさないでください。あなたは、とてつもない可能性を秘めているのです。

 ここで、あなたがどれほどエフィカシーを下げて行動してきたかを理解してもらいます。

 

 まず、あなたが学生時代にやっていたアルバイトを思い出してください。どんなアルバイトでも構いません。その頃のあなたは、どのような考え方で仕事をしていましたか?

 

 「私はアルバイトだからこれくらいの働きでいい」という甘えはありませんでしたか?

 「私は学生だから社員さんほど働かなくていい」と考えていませんでしたか?

 仕事に対する責任感も「アルバイトだから」という理由で、低くありませんでしたか?

 「私は新人だから」という甘えはありませんでしたか?

 いかがでしょう?

 つまりそのようなマインドは、本当はもっと働くことができるのに、自分の力を自分でセーブしていた状態です。アルバイトだから、学生だから、新人だからという理由をつけて、積極的に仕事をしません。「私はただのアルバイト」というのも1つのエフィカシーです。

 エフィカシーは全てに影響すると言いました。「私はただのアルバイト」というエフィカシーで働いていれば、時給に見合った仕事しかしません。自分の能力を引き出し高めようとも考えません。自分は学生だからとか、アルバイトだからというマインドで常に仕事をします。つまり、それがエフィカシーが持つ力です。

 

 ここで本当に重大な問いかけを“あなた”にします

 

 「私はただのアルバイト」というエフィカシーで働いていれば、本当の力をセーブして働き続けます。力をセーブしていること自体にも気付きません。しかし、それはアルバイトをしている時だけの話です。アルバイトの時間だけ力をセーブします。

 それでは「私はごく普通の人」というエフィカシーだといかがでしょうか?

 「私はただのアルバイト」というエフィカシーの場合は、アルバイトをしている時だけ力をセーブします。しかし、今回は「私はごく普通の人」というエフィカシーです。

 いかがでしょうか?

 その答えは非常に恐ろしいモノです。お分かりになるでしょうか?

 引用おわり(この続きは次回引用します)

 

 

 私たちは子どもの頃から否定され続け、徹底的にエフィカシーを下げられてきました。そして、ほとんどの人はその下げられたエフィカシーに従って考え行動しているのです

 

 御質問を読んだとき、コーチとしての私は“不当に下げられたエフィカシー”を感じました。それは医師としての私が、長い現場経験の中で、ずっと感じ続けていること。

 私は、今、日本の医療・介護業界に最も必要なのはエフィカシーだと思っています。業界全体を包み込むコレクティブ・エフィカシーです。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんけどvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。最新のコーチングにおいては「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」です。

 L-246202210月介護施設研修 -06;可能世界w2の臨場感を上げる3ステップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38099185.html

 

 

  Efficacyw1)→ w2

 

 

 このエフィカシー関数をイメージしながら、苫米地博士からの問いについて、じっくりと考えてください。

 

 

 「私はただのアルバイト」というエフィカシーで働いていれば、本当の力をセーブして働き続けます。力をセーブしていること自体にも気付きません。しかし、それはアルバイトをしている時だけの話です。アルバイトの時間だけ力をセーブします。

 それでは「私はごく普通の人」というエフィカシーだといかがでしょうか?

 

 

Q-479につづく)

 

 

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