F-410:病院嫌い ~最適化の外側で遊べ!~ <後編>
医療現場で直接言われることはそう多くはありませんが、ときどき“病院嫌い”という方に遭遇します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
わざわざ言わないだけで、そう思っている人はけっこういるはず。皆さんはどうですか?
病院を嫌いだと思う人の気持ちはよくわかります。医師である私がいうのもなんですが、私も病院が嫌いだから。
Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html
相手の中に“病院嫌い”を感じたとき、私はついその理由を探ってしまいます。相手のブリーフシステム(Belief System、BS)を分析するクセがついているからでしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
それはコーチとしてのハビット&アテュテュードです。
L-096:2021年7月… -08;BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html
スコトーマを作り思考を限定してしまうのが嫌なので、コーチとしての私はパターン分類はしていません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
それでもあえて分類するならば、“病院嫌い”は大きく5つのカテゴリに分けることができそうです(自由訳です)。
Q-407:BSをゼロベースで観察することが困難な中… <vol.1;フレーム問題>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html
シンプルにまとめると…
1)
過去に病院で嫌な経験をしている
2)
未来(老病死)に対して不安や恐怖を感じている
3)
必要性は認めるが信用していない
4)
自分らしくないという感覚が強い
5)
必要性を感じていない
…少し抽象度を下げ、2回にわけて考察します。
*前編はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37211609.html
4)自分らしくないという感覚が強い
これはコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)の話。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
もっとわかりやすくいうと、セルフイメージのことです。
Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html
例えば、病気を患う自分を「自分らしくない」、健康な自分を「自分らしい」と思うほど、病院と縁がある自分に対して強い違和感が生じます。その落ち着かない感覚が“病院嫌い”の正体ということもあるはず。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
苫米地式次世代コーチング・プリンシプルでいうと、「現状の可能世界w1=病気」と「別の可能世界w2=健康」が同時に存在している感じです。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
ゴールのバランスホイールには、必ず「健康」のカテゴリを設けます。ゴールがなんであれ、その達成には“健康”でいることが必須だから。
Q-425:現状の外側に100%want toの…
<vol.3;update of「Balance Wheel」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html
コーチング中にコーチが行うのは、「健康」のカテゴリへもゴール設定を促し、エフィカシーを高める(=エフィカシー関数をつくる)ことによって「w2=健康」側への移行をサポートすること。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
「w2=健康」が自分らしいと感じられるほど(&「w1=病気」が自分らしくないと思えるほど)、「w2=健康」側にホメオスタシスが働き、心身の状態が“健康”になっていきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
ところで、苫米地博士の“健康”の定義を御存知ですか?
著書「脳に免疫力をつければ病気にならない!」(徳間書店、p30)の中で、苫米地博士は“健康”をこのように定義されています。
健康とは「体がそのときの自分にとって正常な状態」
…「そのときの自分」は、通常の場合は「現状の可能世界w1」が規定します。それに対して、コーチング実践者における「そのときの自分」とは、「ゴール側の可能世界w2」にふさわしい「自分」のことです。
PMⅠ-04-03:苫米地理論で考える「健康」とは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html
ホメオスタシスと重ねていうと、「w2」を実現し維持するようにホメオスタシスが働いている状態が“健康”。苫米地博士は、その状態を「脳の免疫力が健全な状態」と表現されています。
F-400:縁起から得た“希望/HOPE”の体感 <後編;苫米地理論学習中の気づき>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36884253.html
「脳の免疫力」とは、情報空間のエネルギーのことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
5)必要性を感じていない
情報空間には階層性があります。その代表が「抽象度」。実際のところ、多くの人々の意識は、抽象度を軸とした場合の情報空間の底面(=物理空間)に囚われています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
生命(現象)は全抽象度次元にひろがっているというのに、低抽象度次元に囚われたままでは、物理空間でしか生命(現象)を認識することができません。マインド(脳と心)でいうと、物理的な脳にばかりに囚われ、情報的な心がスコトーマに隠れている状態です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
私は精神科を持つ病院の院長を長く務めていたので、精神科の先生にいろいろと教えていただく機会に恵まれました。興味深かったのは、心の話がいつの間にか、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質やSSRIなどの薬の話になること。もちろん、神経伝達物質や薬は物理空間上の具体的な存在です。
S-04-12:本当の幸せを感じられない理由 -2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23170992.html
コーチングを学び、実践し続けていると、抽象度がどんどん上がっていきます。すると、生命(現象)をより高次の抽象次元で捉えることができるようになり、やがて「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」ことができるようになります。
L-194:2022年07月医療・介護研修会 -04;「言語束縛」を外すための二つの方法
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html
そんな超言語・超論理の意識状態でいると、だんだん物理次元のリアリティが薄れていきます。それが「必要性を感じていない」という状態。わかりやすくいうと、「脳の免疫力=情報空間のエネルギー=気
を用いて対処するので病院は必要ない」と医療を軽視するような意識状態です。
L-085:2021年3月シークレットレクチャー
-08;「feel」の体感
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html
正直にいうと、私は、このような意識状態を自身の中に感じることがあります。
F-257~:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421948.html
その時はすぐに「自分らしくない」とセルフトークを行い、同時に「自分らしい」イメージを強く想起します。そのとき思い浮かべるのが「ゲバラ主義」。
(セルフトークには4つの段階があります。詳しくはこちら↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html
ゲバラ主義とは、「抽象度の高い理想を描き続けながら、同時に直接的実行を行い続ける」こと。「全抽象度次元で生きる(生ききる)」ことです。
F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html
「全抽象度次元で生きる」とは、「頂点である空(くう)から底面である物理空間まですべての次元を意識に上げながら生きる」ということ。大乗仏教でいう「中観」の感覚です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
高次の空間にフォーカスしすぎると「5)必要性を感じていない」状態になりかねず、物理空間にフォーカスしすぎると「2) 未来(老病死)に対して不安や恐怖を感じている」や「3) 必要性は認めるが信用していない」という状態に陥りやすくなります(ハズ)。
大切なのは「全抽象度次元に集中(concentration)し続けながら、自由意思でそのとき意識に上げる次元を選択する(focus of attention)」という感覚。
Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html
そのような理想的な意識状態を維持するためのキーワードが「遊び」。私の好きな表現でいうと「気楽」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
以下、苫米地博士の著書「201冊目で私が一番伝えたかったこと」(ヴィレッジブックス、p189)より引用します。
超一流脳を身につけたら「遊び」に時間を割け!
あなたが「超一流脳」を身につけることができた暁には、日々の仕事はこれまでよりもはるかに短い時間で済ませることができるようになり、結果としてかなりの時間が余ることになると思います。
それでは、その余ってしまった時間には、何をしたらいいのでしょうか。
意外に思う人もいるかもしれませんが、答えは「遊び」です。実は、遊びは、あなたがステップアップするための非常に重要なトレーニングになるのです。
ダーウィンの進化論では、生物は最適化によって進化したと唱えていますが、私に言わせればそれは進化ではなく、退化なのです。地上の生物は魚類が進化したものだというのが常識になっていますが、そもそも魚類が陸に上がるきっかけは何だったのでしょうか?
彼らは、最適化の結果、陸に上がったのではなく、遊びで陸に上がった以外に考えられません。ちょっと面白いから陸に上がってみようと水の外へと飛び出した結果、爬虫類へと進化したというのが真相ではないかと思います。「遊び」とは、最適化の外側にある概念なのです。
遊びの素晴らしいところは、魚が爬虫類に進化したように、遊んでいるうちに「新しいゴール」が見つかるという点です。さらには素晴らしい魚のコーチが「君にはできる」と最初に陸に上がった魚のエフィカシーを上げたのでしょう。
新しい世界へと足を踏み入れることで、スコトーマが外れ、それまで気づかなかった新しいビジネスチャンスを発見できることもあります。また、新しい世界を知ると、新しい自我も生まれるようになります。結果として人脈が増え、あなたの人間性の魅力も増してくるでしょう。それがさらに、あなたにさまざまなチャンスを呼び寄せることになるかもしれません。
好きなことをして遊んでいるうちにいつの間にか儲かっていたという人の話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。その人は何も運が良かっただけなのではなく、ある意味では必然的に儲かったのだとも言えるのです。
引用終わり
「遊び」とは、最適化の外にある概念
…医療現場で直接言われることはそう多くはありませんが、ときどき“病院嫌い”という方に遭遇します。そのときに私が伝えたいと願っているのが、「遊び」「気楽」という感覚。
F-284~:気楽 ver.2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html
「好きなことに夢中になっているうちにいつの間にか健康」がアタリマエになったとき、きっと“病院嫌い”という感覚は消え失せている
…コーチ(&ヒーラー)兼医師として、私はそのように感じています。
F-407:自由訳「守破離」 vol.5(最終話);苫米地式「守破離」の真髄
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37145932.html
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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Q-362~:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html
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