前回(F-395)までのテーマは、「ナイセイカンショウ」。
…今、どんなイメージが浮かんでいますか?
もしも「内政干渉」と記したなら、各人のイメージのずれはきっと少ないでしょう。これまでの教育等により、なんとなくではあっても「内政干渉」という概念(ゲシュタルト)を共有しているから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
もしも白衣を着た私が「ナイセイカンショウ」を「無精管症」や「内性感症」と表現したなら、多くの人はまじめな話だと判断するでしょう。無粋な冗談だとは思わずに。
「医学」や「医療」というフレームで情報処理を行うからです。
Q-407:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが… <vol.1;フレーム問題>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html
もしも少しだけ違和感を感じる場合(例えば「ナイ省カンショウ」「ナイセイ勧ショウ」「ナイセイカン賞」など)は、ちょっと混乱するはず(or すっかり興味を失う)↓
F-392~:ナイセイカンショウ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431017.html
とくにコーチとしての私が意識しているのは、「ちょっと混乱」を引き起こすこと。その理由は「『Rゆらぎ』のきっかけになるから」です。
Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html
ゆらぐ(&リラックスする)ほど、より高次の情報空間にアクセスしやすくなります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」でいうと、「別の“w2”に移行」することは「Rゆらぎ」なしではできません。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
反対にいうと、他人に「Rゆらぎ」を仕掛けられると、相手にとって都合のよい「別の“w2”」に連れ去られてしまうかもしれません。そうとは知らぬ間に。
S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html
だからモニタリングが重要!
F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html
最近、私の無意識は強いゆらぎを感知しました。「ヘンザイ」という言葉をきっかけに。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
御承知のとおり、このブログは「苫米地博士の教えをしっかり届ける」ことを目的としています。そのために「博士の大量の著書の中から最もマッチする文章をピンポイントで引用する」ことを心がけています。
最近引用させていただいたのが「百年後の日本人」(角川春樹事務所、p82)中の「意識の遍在化」(引用文はこちら↓)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36662809.html
その引用文を読みながら、私は「ちょっと混乱」しました。フレームが中断した、あるいは切り離されたような感覚に襲われながら…
F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477749.html
以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p249)より引用します。
空間支配のためのフレーム中断とオーバーロード
空間をコントロールする手法には「フレーム中断」というものもあります。これも内部表現の書き換えの一種です。
催眠術で起こすような「カタレプシー」もこれで起こすことができます。「カタレプシー」というのは受動的にとられた姿勢を、それが不自然な姿勢であっても保ち続けて、自分の意志で元に戻そうとしない状態のことを言います。
たとえばこうです。
「どうもどうも」などと言いながら相手に右手を差し出すと、相手も間違いなく右手を差し出してきます。このとき、相手の目を見ながら、何気なく、すうっと右手を引っ込めます。すると、相手は右手を出したまま、しばらくはその姿勢を保ち続けるのです。握手をするものだと思って出した手が、肩透かしを食らった感じで宙ぶらりんになっているにもかかわらず、その手を引っ込めることをしません。「握手」という一連の動作は一つのフレームとして記憶されており、これが中断されると内部表現切り離し状態が起きるのです。この状態が「カタレプシー」で、一種の催眠状態と言えます。
思いっきり肩透かしを食らわせてしまうと、相手も気付きますが、握手をしない程度にこちらも宙ぶらりんな位置に手を置いておくと、ほぼ間違いなく相手も手を出したままの姿勢を保ちます。これも空間のコントロールの一つの手法です。このコントロール下で相手に働きかければ、相手は同調するしかありません。
また、こんな方法もあります。
ビジネスで名刺交換のときにわざと自分と違う人の名刺を出すのです。挨拶をして、お互い名刺を出した瞬間に自分の名刺が違うことに気付いたふりをして、「あ、ごめんなさい、間違えました」なんて言いながら、正しい自分の名刺と交換して出すのです。
間違えた名刺を正しい名刺と交換するのに少し時間がかかるわけですが、相手はそのあいだ、ずっと名刺を出した状態のままで待っているはずです。これも「カタレプシー」です。これによって相手は暗示がかかりやすい状態になり、コントロールが容易になります。
あるいは、誰かとお酒を飲んでいたとします。たいてい、最初に「乾杯」と言ってグラスを合わせますが、このとき、自分はふっとグラスを引っ込めてしまうのです。このままでは不自然ですから、「あれ、このグラス、なんか手触りが変わってるよね」とか「なんか、音楽、うるさいよね」とか、別の情報を与えて相手を混乱させてしまうのです。
うまくやらないと「なんで乾杯なのにグラスを引っ込めてるのよ」とか「そんな話は乾杯してからにしてよ」なんて言われて失敗してしまいますから、さりげなく、ごく自然にやる必要があります。
うまくできれば、相手はグラスをもったまま「カタレプシー」の状態になりますから、このときに暗示をかけるととてもかかりやすいのです。
どんどん相手より先に話題を与え続けるというのは、「カタレプシー」状態をつくるうえで有効なテクニックです。人間の脳はある程度以上の過多な情報を与えられると、情報処理能力を超えてしまって、臨場感が現実世界と切り離されてしまうのです。オーバーロードというテクニックです。電話などで一方的にしゃべり続けるというのもオーバーロードにより「カタレプシー」を引き起こすための有効な手段です。
相手を暗示にかかりやすい状態にしたら、あとはイメージでも、場合によっては言葉でも、こうなりたい、こうしてほしいという表現をするだけでいいのです。
引用終わり
フレーム中断、オーバーロード …このコントロール下で相手に働きかければ、相手は同調するしかありません
…私が「百年後の日本人」中の「意識の遍在化」のところで「ちょっと混乱」したのには理由があります。もう修正されているかもしれませんが、引用文を選ぶ際に読んでいたKindle版の「百年後の日本人」には「意識の偏在化」と書いてありました。
「偏在」というフレームのまま博士の文章を読んでいる間、クリアな感じは得られませんでした。それは「ゲシュタルトの統合ができず、理解できない状態」。体感でいうと「霧が晴れない感覚」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
「何かおかしい」という内省言語を経てたどり着いた仮説が「『遍在』の誤植であろう」。
その仮説を検証するため、すぐに書籍を引っ張り出して確認しました。すると、やはり書籍版には「遍在」と書かれていました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
この時点で明らかなのは、「Kindle版と書籍版で『ヘンザイ』の表記が違う」という事実。どちらが正しいかまではわかりません。
しかし私は、「遍在」が正しいと確信しました。「偏在」だとゲシュタルト化せず、「遍在」だとクリアなゲシュタルトができるから(connect the dots)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
遍在と偏在
…この2つの言葉を眺めながら、「ヘンザイ」の使い分けと統合がコーチングの実践にとても重要であることに気がつきました。
F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html
(F-397につづく)
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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<vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>
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L-149:2021年11月医療系研修会 -04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法
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L-163:2022年01月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳
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Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
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