苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:ゲシュタルト

F-396:ヘンザイ <前編;ちょっと混乱

 

 前回(F-395)までのテーマは、「ナイセイカンショウ」。

 

今、どんなイメージが浮かんでいますか?

 

 もしも「内政干渉」と記したなら、各人のイメージのずれはきっと少ないでしょう。これまでの教育等により、なんとなくではあっても「内政干渉」という概念(ゲシュタルト)を共有しているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 もしも白衣を着た私が「ナイセイカンショウ」を「無精管症」や「内性感症」と表現したなら、多くの人はまじめな話だと判断するでしょう。無粋な冗談だとは思わずに。

「医学」や「医療」というフレームで情報処理を行うからです。

 Q-407:ブリーフシステムをゼロベースで観察することがvol.1;フレーム問題>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

 もしも少しだけ違和感を感じる場合(例えば「ナイカンショウ」「ナイセイショウ」「ナイセイカン」など)は、ちょっと混乱するはず(or すっかり興味を失う)↓

F-392~:ナイセイカンショウ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431017.html

 

 

とくにコーチとしての私が意識しているのは、「ちょっと混乱」を引き起こすこと。その理由は「『Rゆらぎ』のきっかけになるから」です。

 Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのようにゆらがすのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

 

 ゆらぐ(&リラックスする)ほど、より高次の情報空間にアクセスしやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」でいうと、「別の“w2”に移行」することは「Rゆらぎ」なしではできません。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 反対にいうと、他人に「Rゆらぎ」を仕掛けられると、相手にとって都合のよい「別の“w2」に連れ去られてしまうかもしれません。そうとは知らぬ間に。

 S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html

 

 だからモニタリングが重要!

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

最近、私の無意識は強いゆらぎを感知しました。「ヘンザイ」という言葉をきっかけに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 御承知のとおり、このブログは「苫米地博士の教えをしっかり届ける」ことを目的としています。そのために「博士の大量の著書の中から最もマッチする文章をピンポイントで引用する」ことを心がけています。

 最近引用させていただいたのが「百年後の日本人」(角川春樹事務所、p82)中の「意識の遍在化」(引用文はこちら↓)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36662809.html

 

 その引用文を読みながら、私は「ちょっと混乱」しました。フレームが中断した、あるいは切り離されたような感覚に襲われながら

 F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477749.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p249)より引用します。

 

 

空間支配のためのフレーム中断とオーバーロード

 空間をコントロールする手法には「フレーム中断」というものもあります。これも内部表現の書き換えの一種です。

 催眠術で起こすような「カタレプシー」もこれで起こすことができます。「カタレプシー」というのは受動的にとられた姿勢を、それが不自然な姿勢であっても保ち続けて、自分の意志で元に戻そうとしない状態のことを言います。

 たとえばこうです。

 「どうもどうも」などと言いながら相手に右手を差し出すと、相手も間違いなく右手を差し出してきます。このとき、相手の目を見ながら、何気なく、すうっと右手を引っ込めます。すると、相手は右手を出したまま、しばらくはその姿勢を保ち続けるのです。握手をするものだと思って出した手が、肩透かしを食らった感じで宙ぶらりんになっているにもかかわらず、その手を引っ込めることをしません。「握手」という一連の動作は一つのフレームとして記憶されており、これが中断されると内部表現切り離し状態が起きるのです。この状態が「カタレプシー」で、一種の催眠状態と言えます。

 思いっきり肩透かしを食らわせてしまうと、相手も気付きますが、握手をしない程度にこちらも宙ぶらりんな位置に手を置いておくと、ほぼ間違いなく相手も手を出したままの姿勢を保ちます。これも空間のコントロールの一つの手法です。このコントロール下で相手に働きかければ、相手は同調するしかありません。

 また、こんな方法もあります。

 ビジネスで名刺交換のときにわざと自分と違う人の名刺を出すのです。挨拶をして、お互い名刺を出した瞬間に自分の名刺が違うことに気付いたふりをして、「あ、ごめんなさい、間違えました」なんて言いながら、正しい自分の名刺と交換して出すのです。

 間違えた名刺を正しい名刺と交換するのに少し時間がかかるわけですが、相手はそのあいだ、ずっと名刺を出した状態のままで待っているはずです。これも「カタレプシー」です。これによって相手は暗示がかかりやすい状態になり、コントロールが容易になります。

 あるいは、誰かとお酒を飲んでいたとします。たいてい、最初に「乾杯」と言ってグラスを合わせますが、このとき、自分はふっとグラスを引っ込めてしまうのです。このままでは不自然ですから、「あれ、このグラス、なんか手触りが変わってるよね」とか「なんか、音楽、うるさいよね」とか、別の情報を与えて相手を混乱させてしまうのです。

 うまくやらないと「なんで乾杯なのにグラスを引っ込めてるのよ」とか「そんな話は乾杯してからにしてよ」なんて言われて失敗してしまいますから、さりげなく、ごく自然にやる必要があります。

 うまくできれば、相手はグラスをもったまま「カタレプシー」の状態になりますから、このときに暗示をかけるととてもかかりやすいのです。

 どんどん相手より先に話題を与え続けるというのは、「カタレプシー」状態をつくるうえで有効なテクニックです。人間の脳はある程度以上の過多な情報を与えられると、情報処理能力を超えてしまって、臨場感が現実世界と切り離されてしまうのです。オーバーロードというテクニックです。電話などで一方的にしゃべり続けるというのもオーバーロードにより「カタレプシー」を引き起こすための有効な手段です。

 相手を暗示にかかりやすい状態にしたら、あとはイメージでも、場合によっては言葉でも、こうなりたい、こうしてほしいという表現をするだけでいいのです。

 引用終わり

 

 

 フレーム中断、オーバーロード このコントロール下で相手に働きかければ、相手は同調するしかありません

 

 私が「百年後の日本人」中の「意識の遍在化」のところで「ちょっと混乱」したのには理由があります。もう修正されているかもしれませんが、引用文を選ぶ際に読んでいたKindle版の「百年後の日本人」には「意識の在化」と書いてありました。

 

 「偏在」というフレームのまま博士の文章を読んでいる間、クリアな感じは得られませんでした。それは「ゲシュタルトの統合ができず、理解できない状態」。体感でいうと「霧が晴れない感覚」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 「何かおかしい」という内省言語を経てたどり着いた仮説が「『在』の誤植であろう」。

その仮説を検証するため、すぐに書籍を引っ張り出して確認しました。すると、やはり書籍版には「在」と書かれていました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

この時点で明らかなのは、「Kindle版と書籍版で『ヘンザイ』の表記が違う」という事実。どちらが正しいかまではわかりません。

しかし私は、「遍在」が正しいと確信しました。「偏在」だとゲシュタルト化せず、「遍在」だとクリアなゲシュタルトができるから(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

  遍在と偏在

 

 この2つの言葉を眺めながら、「ヘンザイ」の使い分けと統合がコーチングの実践にとても重要であることに気がつきました。

 F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 

F-397につづく)

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-378:学びと破門で脅しをかける ~自由、フェアネス、平和のために~ <vol.2;洗脳を一瞬でキャンセルしてしまう方法>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35894360.html

L-149202111月医療系研修会 -04;生体に備わっているホメオスタシスの同調性を利用する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33760483.html

L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

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Q-424:現状の外側に100%want toのゴール設定を行うためにはどうすればいいでしょうか? <vol.2;ゴールの基本条件>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 6回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 vol.1;ゴール設定のスタートライン

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36583975.html

 vol.2;ゴールの基本条件

 

 

Q:これまではhave toの生活が多く、現状の外側にゴールを設定することが困難に感じています。現状の外側に100want toのゴール設定を行うための方法をご教示頂きたいです。よろしくお願い致します

 

A2:前回は「ゴール設定のスタートライン」について考察しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ところで、「ゴールの3つの基本条件は?」と問われたら、何を思い浮かべますか?

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む(100%want to)、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)に設定する です。

 L-09920218月シークレットレクチャー -01;ゴールの基本条件

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31136092.html

 

 もう一つ加えるなら 4)自分中心を捨て去る こと。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再版、p205)より引用します。「ゴール」と「ゲシュタルト」の関係性をイメージしながら読み進めてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

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現状の外のゴールは、ゲシュタルト能力によって叶う!

 そして、ここからが大切なのですが、ステップ7で私がゴールは現状の延長線上ではなく「現状の外に設定せよ」と述べたのも、実はまさにこのゲシュタルト能力を人間が備えているからです。

 「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトがつくられます。

 双方向性が働いて1個のゲシュタルトができるということは、その橋が架けられた状態がコンフォート・ゾーンになる。つまりそのゲシュタルトにホメオスタシスが働くということです。

 そうなればしめたもの、体の各部位や体全体が連動して展開することで歩行が実現するように、今の自分(部分)となりたい自分(全体)が双方向的に関わり合い一つの大きなフレームを瞬時につくり上げることができます。ゴールが見えなくても関係ありません。むしろ、ゴールが見えない方が、このプロセスの中でスコトーマがはずれ、ゴールに有用なものがどんどん現れ、ゲシュタルトがより強固になる。結果いつのまにか現状の外にある抽象度の高いゴールが叶うのです。

 これが、現状の外のゴールが叶うメカニズムです。

 私たちは本書で見てきたようにこの世に生まれ落ちたときから、さまざまな他者からの洗脳を浴び続けています。「現状の環境」と「自我」の間にゲシュタルトを築き、無意識にそこをコンフォート・ゾーンにして生きてきたといっていいでしょう。いわば、社会的洗脳状態というゲシュタルトを日々強化しながら生きているのです。

 しかし、それでは私たちが本来持つ無限のポテンシャルは発現できません。現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができるのです。

 引用終わり

 

 

「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架ける

 

 その「臨場感という橋を架ける」ことを、最近の苫米地博士は「エフィカシー関数をつくる」と表現されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

240617バラダン-5

「バラいろダンディ」(2024617日放送回)より引用

「成長」の夏に向けて習得!苫米地式「オーセンティック コーチング」 (2024年6月17日) #コーチング (youtube.com)

 

 

 「ゴール」が生みだすイメージ(Image/Imagination)と「エフィカシー」で強化する臨場感(Vividness)により、これまでは認識さえできなかった“まったく新しい現実”が創造されます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

その“新しい現実”が、引用文中の「ゲシュタルト」。「双方向性が働いて1個のゲシュタルトができるということは、その橋が架けられた状態がコンフォート・ゾーンになる」ので、自然かつ強力にゴールに近づいていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その“自然かつ強力”な力の正体は、「脳が進化した人類が持つ『情報空間に働くホメオスタシス』」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

それを理論化したものが、苫米地理論の第Ⅰ世代「サイバーホメオスタシス理論」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

 繰り返しますが、ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)バランスホイール、4)自分中心を捨て去る

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 質問中の「現状の外側に100want toのゴール設定を行うための方法」という表現は、1)現状の外、2)心から望む の2つをカバーしています。

もしも3)バランスホイール、4)自分中心を捨て去る というポイントがスコトーマに隠れているなら、これからも「ゴールを設定することが困難」な状態は続くでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 なぜだと思いますか?

 

 答えは、じつは、引用した苫米地博士の文章中にあります。その理由をじっくりと考えてみてください。気楽にどうぞw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

Q-425につづく)

 

 

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-関連記事-

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

L-172202203月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 

 

 

Q-420:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36479608.html

 key 3;排他的でスノッブな空間

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36494091.html

 key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A4:これまで「必ずスコトーマがある」こと(key 1)、「教育により差別が刷り込まれている」こと(key 2)、「コンフォートゾーンは排他的である」こと(key 3)を取り上げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 これら3つには共通点があります。何でしょう?

 

 

 私の答えは「無意識」 ふだんは意識に上がっていないということです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 「無意識」の例として、苫米地博士がよく挙げられているのが「自転車の運転」。

 私たちが自転車に乗っている時、左右のバランスをうまく取ろうといった意識で乗っているわけではありません。「身体が勝手にバランスを取っている」という感じで、それを言語化することは難しいくらい。

 Q-175脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いてるということになるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html

 

乗れるようになるまではずいぶん苦労したのに、一旦乗れるようになってしまえば乗れないようにするのが難しいのが自転車の運転。そのカラクリは「ゲシュタルトができ、無意識が維持している」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

それは「全体と部分の双方向性の関係性ができ、ホメオスタシスで維持されている」という状態。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

抽象度を下げて具体的に表現すると、「今までバラバラだった『手の動き』『足の動き』『体重のかけ方』といった部分がつながり(connect the dots)、すべて連動して動かせる」という状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

しかも、自然に(=無意識化)、かつ、言葉を超えて(=超言語化)。

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 その「無意識」かつ「超言語」をしっかりコントロールすることが、脱洗脳の重要なポイントであるはず。そのコントロールが「『ブレない判断基準』を生みだすもの」に自身を導きます↓

 L-169202203月シークレット… -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 

 以下、「一瞬で自分を変える技術」(ビジネス社、p12)より引用します。

 

 

武術に学ぶ 一瞬で自分を変える技術

 

 

内部表現の一瞬の書き換え

 「内部表現の書き換え」とは一言で言ってしまえば、それまでの選択肢を変えてしまうことです。これまでAを選んでいた人がBCといった選択肢があることに気づいたり、BCを選ぶことでより良い人生、自分らしい人生を生きる手助けをするものです。

 ただし、「内部表現の書き換え」は洗脳技術とかなりの部分重複しており、危険な技であることは間違いありません。「そんな危険な技をなぜ公開するのか」という人もいるでしょう。

 確かにその気持ちもわかりますが、現在はあまりにもひどい洗脳時代です。洗脳技術を公開しないと、人々は手もなく、洗脳されてしまうのです。

 いまが洗脳時代である証拠の最もわかりやすい例は東京オリンピックです。東京オリンピックではいまボランティアという美名のもの、11万人のタダ働き要員を募集しています。しかし、ボランティアたちの無償の働きによって誰が得をするのかといえば、大手広告代理店です。彼らに利益が流れるような仕組みがあることを知っていながら、テレビと新聞はそれをほとんど報道せず、素晴らしい体験、おもてなしなどと言って喧伝しています。これを洗脳行為と言わずして何を洗脳と言うのでしょうか?

 洗脳で最も効果的なのは大手メディアを使った手法です。現代の日本はそれが日常茶飯事になっているのです。はっきり言わせてもらえば、テレビはすでに広告代理店が操作する洗脳マシンに堕しています。とてもメディアと呼べるような代物ではありません。

 そんな時代ですから、いまは、国民一人一人が「内部表現の書き換え」の技術を会得しておく必要があるのです。百歩譲って会得しないまでも、どういうものであるかぐらいは、知っておく必要があります。

 ですから、私はこういった書籍をずっと書いているのです。

 もちろん、「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります。

 私たちには多くの可能性が眠っています。自分ではこんなことは無理だと思うようなこともできてしまいます。

 「内部表現の書き換え」の技術は、実は対洗脳技術というよりは、そちらの方面で積極的に活用してほしい技術なのです。

そして、「内部表現の書き換え」を一瞬で行っていたのが武術なのです。

それが具体的にどういうことなのかは、本書で読んでみてください。

引用終わり

 

 

 「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります

 

 その「内部表現の書き換え」の最新科学バージョンが「苫米地式コーチング」。そのコア中のコアがゴール設定。先ほどの「『ブレない判断基準』を生みだすもの」とは、ゴールのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは、1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 ゴールを設定し、そのゴール達成に夢中になって取り組む間に、人は刷り込まれた差別を脱却し(脱洗脳)、自由意思を獲得し、自らのブリーフシステムを(結果として)書き換えることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その積み重ねの中で、まずは個人のマインドから、そして社会が共有するブリーフから、「パワハラ」や「虐待」がなくなっていくはず。そのように私は信じています。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 最後に、これまでの考察をまとめ、シンプルに回答し直します。

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A:「差別はやめよう」「差別をなくそう」という発想では、いつまでも解決することはできません。なぜ?

 

その理由は「差別はやめよう」「差別をなくそう」は「差別」の存在を前提としているから。差別が「ある」「ない」は同じ抽象度の裏表です。

L-152202111月医療系… -07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33851880.html

 

「差別」は道徳教育を通じて、個人(&社会)のブリーフシステムの中に刷り込まれています。無理やり変えたとしても、すぐに元の状態に戻るでしょう。強力なホメオスタシス・フィードバックが働くから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

シンの解決は、まずは「縁起を理解し、『差別はあり得ない』ことを知る」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、その上でゴールを設定し、可能世界w2に移行した結果としてブリーフシステムを変更(更新)すること。より高次の抽象度次元に。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

その積み重ねにより、無意識レベルでフェアネスを実現することができます。それは中観の実践でもあります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 以上が私の回答です。

御質問ありがとうございました。

 

 

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-追記-

 鍵は「抽象度」ですが、「何でもかんでも抽象度を上げればいい」というわけではありません。大切なのは「抽象度を使い分ける」こと。それは「異なる思考回路を利用する」ということでもあります。

 

 以下、苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZOp162)より引用します。参考にされてください。Feel

 

 

抽象度を上げた反駁を効果的に使うには

 先ほど、「抽象度を上げて反論する」という話をしましたが、「何でもかんでも抽象度を上げて反論せよ」という意味ではありません。コンストラクティブ(立論)では同じ抽象度で反論し、リバタル(反駁)で抽象度を上げて反論するようにするのです。

 直接的に論理と論理とを戦わせることをクラッシュ(争点の衝突)といいますが、同じ抽象度で反論しないとクラッシュが起こりづらいでしょう。新しいことをどんどん出していいわけですから、同じ抽象度でできるだけ多くの情報を使って相手の論理を否定するのが、コンストラクティブの基本です。

 それに対して、リバタルではすでに言われたことに関わることしか言えないわけですから、同じ抽象度で反論するよりも、抽象度を上げて反論したほうが効果的であり、反論の反論になり得るわけです。新しいことは言えないというルール上、必ず前に誰かが言ったことに対応し、また包含することしか言えないことになります。

 情報量を多くするために抽象度を上げない戦略を取るコンストラクティブと、抽象度を上げて情報量を少なくしてまとめて一気に反論するという戦略を取るリバタルとでは、それぞれ異なる思考回路を利用する必要があります。

 引用終わり

 

 

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2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36332004.html

 

 

-関連記事-

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

L-134202111月シークレットレクチャー -03;抽象度が上がる →自由 →ますます“いい状態(well-being)”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33037872.html

Q-387~:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429772.html

Q-392:コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成することなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35248836.html

 

 

ディベートで超論理思考を手に入れる

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L-194202207月医療・介護研修会 -04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 

 

  コーチングは「『目の前の世界』や『人生』を丸ごと変える」ものであり、その目的は「人々をリッチにする」「社会や未来をリッチにする」こと

 

 リッチ(rich)とは、「金持ち」という意味ではなく、「豊かさ(well-being)」のこと。コーチングは「豊かさ(well-being)」のためにあります。

 L-179202206月医療・介護研修会 -02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 

その「豊かさ(well-being)」は、前回の講義でお伝えしたとおり、「健康(Health)」の定義でもあります。

 

 1998年にWHO(世界保健機関)の執行理事会で採択された健康の定義がこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual, and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、身体的に、心理・精神的に、スピリチュアルに、そして社会的に完全に良好な(well-being)ダイナミックな状態であり、単に病気がないとか、弱っていないということではない

 

 

WHO 健康の定義

 

 

 私はこの健康の定義を肯定しているわけではありませんが、「physical」に限定することなく、「mental」「spiritual」「social」にまで“拡張”していることは素晴らしいと思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html

 

 スコトーマに隠れがちな“より高次の抽象度次元”をしっかり捉えているから(lock on)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

physical」と「mental」「spiritual」「social」は、そもそも抽象度が違います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「physical」が情報空間の底面である物理空間上の身体が対象であるのに対して、「mental」は情報空間の心が対象です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 もちろん、体(物理)と心(情報)は同じもの。

同じものの抽象度の違いに過ぎないのですが、意識は情報量が多い下位の抽象度次元に向いてしまいがちです。例えば、「うつ」という心の状態(←情報次元)の話が、セロトニンやそのセロトニンを増やす薬(←物理次元)のことばかりになってしまうなど。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 体(物理)と心(情報)は決して別々のものではなく、「体(物理)と心(情報)」でひとつ。物理空間の体と情報空間にひろがる心すべてが“自分”の正体だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その“自分”は縁起のつながりのことでもあります。それが「social」という言葉の意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *「spiritual」についてはこちらをどうぞ↓

 Q-168:スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?どうやって原因である無関心が生まれてくるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24321116.html

 

医療・介護現場では、それら4つの視点で患者(利用者)さんの「苦痛」を考えます。それが「トータル・ペイン(Total Pain)」です。

PM-04-12:次世代型緩和ケアの鍵となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 

 

全人的苦痛(トータルペイン)

厚生労働省HP>第2回終末期懇談会 資料2-2より引用

終末期医療に関する懇談会 (mhlw.go.jp)

 

 

 「トータル・ペイン(Total Pain)」は、緩和ケア(緩和医療)における重要な概念です。

緩和ケアとは、「患者とその家族のQOLQuality of Life、生活の質・人生の質)を改善するための取り組み」のことをいいます。

 解決(解消)する領域として4つのカテゴリーが設定され(「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル」)、さらに、その4つを別々に考えるのではなく全体として捉えるために「全人的(トータル)」という概念が用いられています。

 L-00120201… -01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

 この「部分(4つの領域)」と「全体(トータル)」の関係は双方向性。東洋哲学的にいうと「縁起」、西洋哲学では「ゲシュタルト」です。

 ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。それは「全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまり」のことです。部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「身体的(physical)」「心理・精神的(mental)」「社会的(social)」「スピリチュアル(spiritual)」のそれぞれが独立したひとつのゲシュタルトです。と同時に、それらを包摂した「トータル(total)」という“全体”を構成する“部分”でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

“部分”である「身体的苦痛」「心理・精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」はまったく違うもの。その違う概念を「同じ(“全体”の一部)」と認識する力がゲシュタルト能力。それは「人が持つとてつもない才能」です。

L-157202201… -01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 

「同じ」と認識できたとき、じつは、抽象度が上がっています。抽象度が上がると「対象の本質をとらえる」ことができるようになり、理解がさらに深まります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 そして、そのプロセスを繰り返すと、前回(L-193)お伝えした「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」ことができるようになっていきます。苫米地博士の表現でいうと「超人」化です。

 F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 

 もしも「左脳的な働き」に留まると、シンの「豊かさ(well-being)」は手に入れられないでしょう。そのレベルでは「豊かさ(well-being)」を求めるほど、「ワクワク・ドキドキ」が消え、「イライラ」が募っていくはずです。なぜだと思いますか?

 

 

 そう、ますますモノサシ“に縛られるから。苫米地博士は、刷り込まれてきた考え方や価値観の代表として「3つの“モノサシ”」を挙げられています↓

 F-241:トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28695996.html

 

もしも他者や社会から刷り込まれた“モノサシ”を捨て去ったとしても、「豊かさ(well-being)」を左脳的処理で評価し続ける限り、「イライラ」の可能性は残ります。たとえ“モノサシ”がオリジナルのものだったとしても、その“モノサシ”を基準にした認知的不協和が生じるから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

だから、“モノサシ”そのものを手放すことが重要。その上で右脳的評価を行うようになったとき、人はシンの「豊かさ(well-being)」を感じることができるようになります。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 鍵は「『言語束縛』を外す」こと。大きく分けて二つの方法があります。

 F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html

 

 以下、苫米地博士の著書「宗教の秘密」(PHP研究所、p50)より引用します。

 

 

「言語束縛」を外すには -禅の場合

 では、この「言語束縛」をどうやって外すか、それが次のステップになります。それには二つの方法があります。

 一つは馬鹿になる方法。それが禅宗のやり方です。馬鹿と言ったら怒られますが、頭の中をスッカラカンにする、ということです。これは、自分の頭の想念から一切の言語を消し去る方法です。

 禅では、言語の介在なしでイメージだけが見えている分には、それを「雑念」とは言いません。光が見えたから音が聞こえたからといって坐禅のときに「喝!」とは言われませんし、頭の中に仏様の姿があらわれたからといって「喝!」とはなりません。光も音も仏様も、それに意味を持たせたり言語化した瞬間に「喝!」が来ます。「お腹がすいた」と言うと「喝!」なのは、言語が介在するからです。お腹がぐーっと鳴っても、「喝!」にはなりません。

 では、私たちの想念は何で作り上げられているかというと、それは子どもの頃から今日に至る経験で積み重ねてきたことの集積です。そして過去の自分についてのありとあらゆる記憶は、親との関係や学校教育なども含めて、そのほとんどが他人との関係でつくり上げられたものです。

 仏教の言葉で言うと、それは私たちそのものがどのように成り立っている存在であるか、すなわち「縁起」を意味しています。縁起とは「それ単体で成り立つものは何もなく、すべては他のものとの関係性によって成り立っている」という思想です。

 

 このようにして、言語としての想念が作り上げられていきます。それが世界を規定しているのですから、その言語を取っ払ったとき、はじめて本物が見えるようになります。それを「覚醒」といいます。

 このとき、言語という言語はすべて取り払います。自然言語だけでなく、記号の類いや人工言語もすべてです。言語化されていなくても、「思考」であれば、ほぼ言語に近いと考えられるので、思考もしません。

 この世は情報で成り立っているわけですから、言語化しないというのはとんでもなく大変なことなのです。すべてのスコトーマをはずして「あるがままに見る」を実践する必要があるのですから。

 引用終わり

 

 

 このようにして、言語としての想念が作り上げられていきます。それが世界を規定しているのですから、その言語を取っ払ったとき、はじめて本物が見えるようになります。それを「覚醒」といいます

 

 これは「左脳的な働きを超える(>抑える)」ことに主眼を置いた方法です。止観瞑想でいうと「止(サマタ)」の方。

(「止観瞑想」に関する博士の解説はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 そんな「止」に対して、「観(ヴィッパサナー)」が「右脳的な働きをブーストする」ための方法です。具体的には

以下、引用のつづきです。

 

 

言語を入れずにイメージを使うのが密教方式

 言語束縛を外すためのもう一つのやり方が密教方式です。密教方式は、頭を馬鹿にするのとは逆に、イメージで頭をいっぱいにすることで行います。

 たとえば曼荼羅を見ることです。曼荼羅のイメージで頭をいっぱいにして、言語を排除します。曼荼羅はご存知のように仏教(特に密教)の世界観を表現した絵画ですが、仏様がいっぱい描かれています。それをひとりひとり見ていきますが、そのとき言語を一切介在させてはいけません。

 仏教の歴史に詳しい人などが曼荼羅を指して、これは何という仏様だとか、どういう意味があるのかと説明していることがありますが、それはやってはいけない、素人の行いなのです。イメージに「意味」を持たせてはいけません。「意味」という解釈された情報にした瞬間に、言語化されることになるからです。曼荼羅のみならず、密教は言語を排除することを目指しています。

 引用終わり

 

 

 イメージで頭をいっぱいにする

 

 「言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする」ことが、Total Pain(全人的苦痛)をTotal well-being(全人的幸福)に書き換える奥義

 L-07620211… -05;部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29515037.html

 

 医療・介護に携わりながら、私はそのような確信に至りました。コーチとしての揺るぎない確信です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

L-195につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

だから、“モノサシ”そのものを手放すことが重要。その上で右脳的評価を行うようになったとき、人はシンの「豊かさ(well-being)」を感じることができるようになります

 

 “モノサシ”が空だとわかりながら(空観)、あえて手放さずゴールという“モノサシ”を仮として保ち続けるのがコーチング(仮観)。

空と仮をバランスよく維持する苫米地式コーチングは「中観」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 もう一つ付け加えると、目の前のすべてを「ゴールという“モノサシ”」で評価することが「ラベリング」です。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 

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ぜひゴール設定の“基本”と“ポイント”を体得してください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36249577.html

 

 

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F-216:激烈な腹痛の最中に得たインスピレーション -真夜中に、一人きりで-

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Q-330:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.5;イメージの限界が自分の限界>

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宗教の秘密

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L-192202207月医療・介護研修会 -02;ゴールを考える前に必要なもの

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 

 

 前回の研修(L-178~)で確認したとおり、イライラや不幸から自由になるためには、「RAS&スコトーマをコントロールして、『ワクワク』や『幸せ』をしっかり感じる」ことが絶対条件です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その「RAS&スコトーマをコントロール」の第一歩がゴール設定。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

そして、ゴール設定とともに磨き続けるのがゲシュタルト能力!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 ところで、「学習曲線」を御存知でしょうか?

 

「学習曲線」は、ドイツの心理学者 ヘルマン・エビングハウスによって提唱された概念です。そもそもは「忘却曲線」として知られる「人は反復して覚えることで記憶力が上がる」という事実を紹介したものでしたが、現在では「能力の向上によってこなす時間が短くなる」という意味まで内包するそうです。

 

皆さんはこれまでの人生で、何かの練習を続けたり、何らかの技能を身につけようと取り組んだ経験がありますよね?

 

 そのときのことを思い出して欲しいのですが、練習時間や練習量と能力の向上は必ずしも比例しなかったはずです。

たいていは、1)どれだけ頑張っても進歩が感じられない長い横ばい状態があり(停滞期)、2)“ある瞬間(掴んだ瞬間)”にドーンと成長し(成長期)、そして3)まるで壁にぶつかったかのように再び横ばいになる(停滞期) といった感じだったと思います。

図にすると↓


S字曲線

 

 

その「横ばい状態」を「プラトー(plateau)」と呼びます。そして、ドーンと成長した瞬間がゲシュタルトができたとき、すなわち「ゲシュタルト化」の瞬間です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

このように何かを身につけるときは、1)プラトー →2)ゲシュタルト化 →3)プラトーとS字を描くように経過します。

 Q-179~80:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -03~4;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25131114.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 さらにゲシュタルト同士を統合しながら、より大きなゲシュタルトを作りあげると、“理解”が深まり、ますます“習熟”していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 それは「情報をゲシュタルト化し、知識として身につける」ということ。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 以下、苫米地博士の著書「40歳から『差がつく』生き方 奴隷マインドを捨て、ノット・ノーマルで行け!」(PHP研究所、p141)より引用します。「ゴールを考える前に必要なもの」をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

生き方を考える前に大量の知識を身につけておく

 膨大な知識量を必要とする現代社会では、知識のない人は自分の望む生き方はできない。自分の望む生き方をしたければ、まず知識を増やしておく必要がある。

 論理的なことを司る左脳と、直感的、感覚的なことを司る右脳とで言えば、左脳が育っていない人間は使い物にならない。社会というのは、「左脳」の世界である。

 我々が赤信号で止まるのは、赤が嫌いだからではない。道路交通法で決まっているから赤信号で止まるのだ。道路交通法を知らない人間が道路を歩いていたら、危なくて仕方がない。少なくとも車を運転するときには、道路交通法を知っていることが大前提となっている。筆記試験をパスした、道路交通法を知っている人に対して運転免許が交付されることになっている。

 私たちの生きている社会には、憲法があり、それぞれの分野に法律があって、ルールが定められている。ルールを知っておかないと仕事はできない。

 たとえば、会社で上司から「明日の朝までに、この仕事をやっておけ」と言われたら、命令を無視して同期と飲みに行くわけにはいかない。もし飲みに行ってしまったら、民法上の契約違反になる。場合によっては、会社に損害を与えたと判断されて刑法に抵触する可能性も出てくる。

 商法にも違反している可能性がある。商法上は株主総会が会社の意思決定機関で、株主によって取締役に権限が委譲されている。その取締役が部長や課長に権限を委譲している。上司の命令を無視して飲みに行ったのであれば、株主を裏切ったことになり、商法違反に該当する可能性もあるのだ。商法上の損害賠償の対象となるかもしれない。また、飲みに行った領収書を会社の経費にしていたら、税法違反になるかもしれない。

 社会では法律を知っていることが前提となっているから、法律違反があれば処罰されても文句は言えない。世の中のことはすべてルールに書かれているわけだから、ルールを知識として左脳に入れておかなければいけない。

 法律以外にも、ビジネス分野には様々なルールがあるから、それらも知っておく必要がある。身につけるべき知識は膨大だ。

 引用終わり

 

 

 膨大な知識量を必要とする現代社会では、知識のない人は自分の望む生き方はできない。自分の望む生き方をしたければ、まず知識を増やしておく必要がある

 

 今回の研修の目的は「これまでの『イライラという可能世界w1』から新たな『ワクワク・ドキドキという可能世界w2』に移行する」こと。
 その「w1」から「w2」への移行を可能とする大前提が知識。「到達可能性関数」としての知識です。それは、もちろん、コーチングに関する知識。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 コーチングのポイントをシンプルにまとめると

 

    コーチングとは「マインドの使い方をマスターする」こと

L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 

    コーチングの実際の作業は「ゴールを設定する」ことと「エフィカシーを高める」こと

F-314~5:デジタル自傷行為 <plan-side -2~3;ゴール×エフィカシーの“秘密”>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32626694.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32678098.html

 

    ゴール:1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る

Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

    エフィカシー:自分のゴール達成能力の自己評価

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

    「~したい」という思い(ゴール)と「できる」という確信(エフィカシー)を共有した縁起空間 =コレクティブ・エフィカシー

Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

 もう1つポイントを挙げると、コーチングは「『目の前の世界』や『人生』を丸ごと変える」ものであり、その目的は「人々をリッチにする」「社会や未来をリッチにする」ことです。

 L-070202011… -05「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

 

 リッチ(rich)とは、「金持ち」という意味ではなく、「豊かさ(well-being)」のこと。そう、コーチングは「豊かさ(well-being)」のためにあります。

 L-179202206月医療・介護研修会 -02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 

L-193につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

きっとこれまでの人生で、何かの練習を続けたり、何らかの技能を身につけようと取り組んだ経験がありますよね?

 

私たちの目の前の世界は、各人の記憶で構築される「一人一宇宙」。その記憶とは、「言葉(words)」「映像(pictures)」「感情(emotions)」からなる“失敗”の塊です。

L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

だから、通常は、ネガティブな情動がたっぷり貼り付いています。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

そんな“失敗”の刷り込みにより、マイナスの自己イメージができ、ネガティブな自己対話が生まれ、ネガティブなブリーフシステムをますます強化してしまうことが、人間の脳が抱えている課題です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

そんな根源的課題(case)を解決する光となるのが“本物のコーチング”です(plan)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

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-関連記事-

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

F-372:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35605504.html

L-173202203月シークレットレクチャー -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

40歳から「差がつく」生き方

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Q-414:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.4;〇〇-感情-怒り>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

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 vol.2;初心

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 vol.3;抽象度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36079057.html

 vol.4;〇〇-感情-怒り

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A4:前回(Q-413)は、「抽象度のコントロール」を意識に上げながら、「怒りのコントロール」を感じていただきました。だいぶ「怒り」に関するイメージや質感が変わったのでは?

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 「問題/課題(case)」を見つけ、その「解決(plan)」を考えていると、どうしても抽象度が下がりがちです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 それは抽象度を上げる方向性の「ゲシュタルト化」とは正反対。それでは本質を見失いかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 抽象度を上げながらより大きな「ゲシュタルト」をつくるほど、本質がわかり、理解がより深まっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

例えば「チワワ」「ブルドッグ」「コーギー」「ラブラドールレトリーバー」という抽象度ではよくわからなかったことも、一つ上の次元の「犬」というゲシュタルトで考えるとわかったりします。

 F-199:“あの人”の… Vol.3;「こんなにほったらかしにして」を生みだすスコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26545746.html

 

さらに「猫」「牛」「豚」「クジラ」「コウモリ」といったゲシュタルトまで統合して「哺乳類」というゲシュタルトをつくると、さらに「チワワ」や「ブルドッグ」の理解は深まります。それが人が持つ「ゲシュタルト能力」です。

 Q-268:薬をやめることができますか? <前編:induction

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29185121.html

 

 では、同じように「怒り」について考えてみましょう。「怒り」と同じ抽象度の概念(ゲシュタルト)は何でしょうか?

 

 そう、「悲しみ」「不安」「後悔」「劣等感」など。それらは「negative」とひとくくりにされるようなものですが、反対に「positive」でくくられるような「喜び」「勇気」「期待」「優越感」も挙げることができます。

 

 では、「怒り」とそれらを統合して“1つ”とする概念は?

 

 そう、「感情(情動)」です。

 「感情」という全体(のゲシュタルト)ができると、部分である「怒り」はもっとよくわかるようになります。そして、「怒り」がもっとよくわかると、それだけコントロールもうまくできるようになります。それが「観自在」の感覚です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 さらに「感情」を部分とするようなもっと大きなゲシュタルトができると、「感情」の理解が深まり、「怒り」はもっとコントロールできるようになります。

ただし、より高次のゲシュタルトをつくる前に、「感情」に関する誤解を解消することが必要。例えば、皆さんは「心が折れる」「感情的になる」と聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?

 

以下、苫米地博士の著書「人間は『心が折れる』からこそ価値がある」(PHP研究所、p172)より引用します。「感情」に関する誤った刷り込み(=洗脳)を解くイメージで読み進めてください。Feel

 

 

感情を抑制してばかりの人間なんて、前時代的な工業化社会の奴隷にすぎない

 前章まで述べてきたように、今後開発が進んでいく人工知能は、「心の折れる人工知能」になります。

 人間の役に立つ人工知能にするには、人間の気持ちを理解できなければいけませんので、人工知能が「疲れた」「かったるい」「心が折れた」と言い出します。人工知能は、人間の情動システムを取り入れ、より人間的になっていきます。

 そういう前提で考えてみてください。

 ロボットがどんどん人間化されていくのに対して、逆に人間のほうがロボット化されてしまっては、本末転倒ではないでしょうか。人間がロボット化されることに、はたしていかなる意味があるでしょうか?

 「折れない心をつくる」とか「感情的にならないで生きる」などといっているのは、感情を失ったロボットになることを目指しているようなものです。それを強く望んでいるのは、一部の支配者たちです。一般の人を反抗しないロボットのようにして働かせて、それによって収益を上げようという考え方です。

 これは近代工業化社会の産物といえるでしょう。大量生産社会では、労働者を一人の人間と見ないで、感情を持たずに淡々と作業をこなすロボットのようにさせようとしました。「かったるい」「疲れた」などといっている社員は使いにくいですし、儲けにつながりません。心が折れないで、感情的にならずに仕事ができる社員を使ったほうが儲けられます。心が折れない社員は経営者には非常に好都合なのです。

 「折れない心をつくろう」などと思うのは、近代工業化社会のパラダイムにまんまと乗せられてしまっているだけです。何の感情も感じない人間になれば、心は折れなくなりますが、それでいいのでしょうか。人間はときに感情的であっていいし、つらいときには心が折れていいのです。

 人工知能を搭載したマシンが「心が折れました」「疲れました」というのは、システムや部品に何かの不具合を感じたときです。自動車のタイヤがすり減っているときや、コンピュータのハードディスクが壊れそうなときなどに、「もうダメです」とシグナルを送ってきます。そのシグナルを無視してしまったら、大きな事故につながりかねません。

 同じように、人間が「心が折れた」「かったるい」と感じるときは、心身のどこかに不具合を感じているときです。

 そんなシグナルを受け取ったときには、無視しないで、素直に受け取ったほうがいいに決まっています。

 かったるいのに、無理に仕事を続けるようなことをすると、かえって健康状態が悪くなります。つらいのに無理して長時間働きすぎると、精神的にもさらにつらくなります。「心が折れてはいけない」と思っていると、無理をするので、かえって心の病気になってしまうかもしれないのです。

 引用終わり

 

 

 何の感情も感じない人間になれば、心は折れなくなりますが、それでいいのでしょうか

 

 引用文に続く部分で、苫米地博士は、「不快な気分、ネガティブな気分があるから、人間は素晴らしい完成された存在なのです」「心が折れるのはダメな人間の証拠ではなく、人間の素晴らしさの証拠です」と書かれています。

(こちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33974189.html

 

 「感情」というゲシュタルトに対してネガティブなイメージがあるままだと、どうしても「怒り」に対して歪んだ思いが生じてしまいます。そのままではきっとコントロールも難しいでしょう。

 

 反対に、「感情」をさらに上の視点で理解することができると、「感情」全体をコントロールすることができるようになり、下の次元で「怒り」をさらにうまくコントロールすることができるようになります。

 

 では、問題。

「感情(情動)」を部分とするようなもっと大きなゲシュタルトとは何でしょうか?

その場合に、「感情(情動)」と同じ抽象度で部分となる概念は何でしょう?

 

 

 私の答えは「思考」です。

「感情(情動)」と同じ抽象度で部分となる概念とは、「言葉」と「映像」。そう、「思考の3つの軸」のこと。

L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 「怒り」を1つ上の抽象度で「感情」と理解し、さらに上の抽象度で「思考」と捉えることができると、苫米地博士がよく話される「娯楽にする」という感覚がよくわかるはず。

 重要なのは「抽象度を上げて捉え直す」ことです。

 Q-327:最近「記憶が抜ける」ようなvol.2;感情が起こるメカニズム -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

Q-415につづく)

 

 

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F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

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Q-269:薬をやめることができますか? <中編:case-side(ワーク付き)>

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Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

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Q-366~:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました

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Q-413:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.3;抽象度>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A3:前回(Q-412)、人が持つゲシュタルト能力について触れました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

分別しながら“ある枠組み”を決め、その中で思考する

 

 その“ある枠組み”が「フレーム」であり、「ゲシュタルト」。

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。抽象度が上がるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 反対にいうと、ゲシュタルトの統合がないままではスコトーマは外れません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 例えば、私は前回「『物理的』『精神的』『社会的』の3つがそろうことが『物理的&精神的&社会的』なのではなく、そのどれか1つでも攻撃を受けたら『物理的&精神的&社会的』です」と書きました。

 (参考にこちらもどうぞ↓)

 F-311~:デジタル自傷行為

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html

 

 その理由は「すべて情報であり、『物理的』『精神的』『社会的』は同じ宇宙の抽象度の違いにすぎない」からですが、この“表現(ゲシュタルト)”が固定化すると、さらなる可能性を見失います。

 (見失う“一例”はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 

 だから、まずは「宇宙の構造」「宇宙の理」を知り、そして「必ずスコトーマがあること」を意識に上げ続けることが重要。

 Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 その上でゴール設定を行い、ゴール側の視点から「ゴールに関係すること(T)」はスコトーマを外し、「ゴールに関係ないこと(Nil)」「情動(D)」はスコトーマに隠していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

もちろん、「怒り(とくに動物的怒り・私憤)」は「D」です。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 そんなモニタリング&ラベリングと並行して行うのが、「抽象度のコントロール」。

 ゴールを無事に設定することができ、その達成に意識が向かうようになると、どうしても抽象度は下がりがち。

 よって、「さらなるゴールを思い描きながら(空観)、同時にゴール達成を模索する(仮観)」という感覚が重要になります。その感覚(=中観)が「抽象度のコントロ-ル」の肝だと私は思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 最後に苫米地博士の著書「苫米地博士の『知の教室』:本当の知性とは難しいことをわかりやすく説明することです!」(CYZOp72)より引用します(苫米地博士の発言は青字)。

 「怒りのコントロール」をテーマに、苫米地博士は聞き手に合わせながら抽象度をダイナミックにコントロールされています。その“感覚(中観)”を感じながら読み進めてください。Feel

 

 

6時限 「怒りのコントロール」

― 博士、感情ってどうやってコントロールしたらいいんですか! 
苫米地 ん!? どうしたの? 急に

─ いや、なんというか夫婦間でいろいろあってコテンパンにやられて……
苫米地 要は夫婦ゲンカで負けたんだ。ワハハハ! でも、それでいいじゃん、負けておけば(笑)

─ いや、まあ、そうなんですけど、僕の人間が小さいというかですね、あとになって「なんで、俺が我慢しなきゃいけないんだ! 俺、悪くないじゃん!」ってなって余計腹が立ってくるのがどうにも、こうにも。はあ〜。
苫米地 相変わらず、自分が未熟で困る、という話ね(笑)。だからさ、前から言ってるように怒ったら我慢しなくていいんじゃないの? 自分が悪くないと思ってるんでしょ?

─ いや、そうなんですけど、そこで怒るとまた一悶着起きてしまって……

苫米地 面倒なのね(苦笑)。じゃあ、一生怒らないってことにしたら?

─ う〜ん。以前、そう決めたんですけど、ダメでした……
苫米地 でしょ、結局決めたって守れないんだから(笑)。要は怒ることはいいか、悪いかじゃないんだって。怒りたければ怒っていいの。でも、みんな必死で怒らないようにしたり、ヘタな感情の爆発のさせ方をしているから失敗するの。じゃあ、なんでそんな失敗をするのかっていうと、勘違いしているからなんだよ、感情をコントロールするっていう意味を

─ 勘違い?
苫米地 そう。そもそも感情ってなんだかわかる?

─ 博士がよくおっしゃっているのは、人間の生理現象であり、排泄物と一緒。だから我慢するものでもないし、我慢したら身体に悪い。
苫米地 そう。ということは、感情って出していいものでしょ。というか、出さなきゃダメでしょ。ただし、通勤電車の中で排泄したいと思った時、普通そこでする?

─ いや、絶対にしません。したらダメだと思います(笑)。
苫米地 だよね。電車が駅につくまで我慢してトイレに駆け込むでしょ

─ そうか! 怒りや感情もそれと一緒で人前でやっちゃダメだと。排泄物に例えるとわかりやすいですね(笑)。
苫米地 人前で出すと差し障りのあるものは人前では出さないってことが基本ね(笑)。要は感情を爆発させてはダメな場所やタイミングってあるわけ。タイム、プレイス、オケージョン。TPOをみて吐き出す。例えば、取引先の社長に頭に来てもそこで怒るのは大抵自分が不利になるでしょ。だったら、その場は我慢して、あとでバッティングセンターでボールを引っ叩いたり、木人拳を叩いてもいいし(笑)。それこそトイレに駆け込んで罵詈雑言を吐き出せばいいわけでしょ。その数分から数十分を我慢すれば? って言ってるわけね

─ それが感情のコントロールだと。
苫米地 そういうこと。で、その数分を我慢することって難しい? だって、みんなできているよ。電車の中で漏らさないでトイレ行けるでしょう。そんなのウチで飼っているネコだってやってるよ(笑)

─ そもそも感情のコントロールなんて大層な話ではないと。コントロールができないとか言っている時点でネコ以下だと(苦笑)。
苫米地 みんなできるし、現にもうやっている。じゃあ、なぜ問題が発生するのかというとそのあとの対処がなってないからなんだよ

─ そのあと?
苫米地 よく考えてみればわかると思うけど、怒るなんて感情は本来どうでもいいわけでしょ。怒ったからなに?で、問題は怒ったとか、怒らないとかではなくて、自分を怒らせるような出来事があって、それがのちのち自分に不都合な事態を引き起こす可能性があるかもしれないってことじゃないの?

─ 確かにそうですね。だいたい自分に不利益が起きるかもしれないから怒るわけで。
苫米地 ということは大事なのは怒ったあとにどう復讐するかってことじゃないの?

─ えっ、復讐ってアリなんですか!?
苫米地 全然アリ(笑)。逆にしっかりリベンジしないからダメなんだって。「自分に不利益な事態が発生しそうだなと思ったけど放っておきました」ではまたやられるよ。それは地震警報が発令されたのと同じ。普通はどこに身を置いたら安全かを考えるでしょ。でも、「なんだよ、ゆっくり寝ているのに起こしやがって」って怒っていたらバカでしょってこと。でも、現実には皆さんそれをやっちゃってるんだよ

─ そうですね。よくも俺を怒らせやがって、許せねえって。
苫米地 でも、本当に大事なのは怒ったあと。次の理不尽な攻撃を防ぐための抑止力としての復讐をどうやるかってこと。じゃあ、その大事なことをするのに怒っててできる? 情動に負けてて抑止力としての復讐なんて論理的に考えられる?

─ 絶対無理です。
苫米地 でしょ。怒りながら抽象度の高い作業なんてできないわけ

─ ということは、怒ることっていうのはそもそも無意味なんですか?
苫米地 無意味は無意味だけど、でも怒ってもいいわけ。湧き上がった感情はTPOにあわせて吐き出せばなんの問題もないのに、いちいちそこで「怒るべきか、怒らざるべきか」って立ち止まるから問題になってしまうわけね。だけど、本当の問題は相手の次の攻撃があるか、ないか。ありそうだったら抑止力としての報復行動を取る。でも、それは怒ったままではできませんよってことね

─ そうか。怒りは一回すっきり全部吐き出して、そのあとに抑止力としての復讐を考えなければいけなかったんですね。それを「怒りたい、怒れない。我慢しなきゃ、でも、我慢できない」ってやってたからいつまで経っても……

苫米地 堂々めぐりだよ。感情は感情として吐き出しておいて、復讐は論理的にやらないと成功しないよという話。そういう報復行動は、人間は昔からしてきているんだよ。例えば、中国人なんて何千年も前からやっているよ。墓まで暴いて名誉を傷つけたりしているでしょう

─ ああ、死体を晒したりしてますね。
苫米地 あれは権力を握った者に反抗する人間をもう出さないためっていうことでもあるし、ありとあらゆる意味合いを持った報復攻撃でしょ。いまの日本だってやってるよ、それは。テレビで官邸批判をすると、すぐにその局の役員に、ある筋から電話がかかってきて「上の人間が怒っています」とかやるらしいよ。別に、上の人間は怒っていないと思うけど(笑)。これなんて抑止力としての怒りを活用しているいい例だよ

─ 怒るのではなく、怒っているフリ。
苫米地 いまの例の場合はね。肝心なことは、論理的に行動しているかってこと。ところが、怒りで悩む人っていうのは感情のハケ口としての復讐行動ばっかりとってない?

─ やり返えさないと腹の虫が収まらないんですよね(苦笑)。
苫米地 でも、それって自分の怒りを吐き出すことが目的であって、その後のことなんかなにも考えていないでしょ。脳内の情報処理でいえば前頭前野ではなく、扁桃体優位のままで動いている。それじゃあIQの高い行動に出られないわけで、結局、取引先を怒らせたり、奥さんを怒らせて、自分に不利益な事態を招いてしまうんだよ

─ そうですねえ……。そういう結果になるとわかっていながら、なぜかガーッと言いたいんですよね。
苫米地 実はそこにもうひとつの問題があるわけ。感情を爆発させるのを是とする風潮がいま日本にはある

─ えっ、そうですか?
苫米地 だって、昔の日本の教育は感情を出すのはみっともないだったはずだよ。人前で泣くなんて恥っていうのが日本の武家文化だったはずでしょ

─ いわれてみればそうですね。子供の頃、泣くなんてみっともないっていわれました。
苫米地 でしょ。それが戦後GHQによって感情表現を出していく文化を植え付けられて、少しずつ変わってきた。いまなんて、場合によってはTPOもわきまえないぐらい大げさに感情を出すほうがいいという風潮、それが男らしいみたいな風潮がどこかあるんじゃないかと思うんだよ

─ そうなんですか?
苫米地 うん。実は俺、この前の冬休みにNHKの大河ドラマの黒田官兵衛モノと坂本龍馬のヤツをDVDで全部見たんだよね。それでわかったんだけど、あんな泣いてばっかりいる武士なんていないよ。坂本龍馬ものなんか、龍馬も龍馬の周りにいる人もみんなワンワン泣いてない?

─ そうですね。特に龍馬はいまそんなキャラクターになっている気がします。
苫米地 でもさ、あんなに情動を剥き出しにする人間が切腹なんてできないよ。龍馬はずっと命を狙われていたんだよ。もっと情動を抑えているって。あれはさ、日本の文化をNHKはぶっ壊してない?

─ う〜ん、たしかに情動出しすぎな感じはしますけど、日本の文化を壊すまで言うと大げさすぎる気もしますが(苦笑)。
苫米地 だけど、戦前は親が死んでも泣くのは恥ずかしいっていう文化だったんだよ。それが、武士も泣いていいんだっていうふうに180度変わっているよ

─ 確かにそうですね。全然気が付きませんでした。
苫米地 それが洗脳なんだって。で、ここ最近、その傾向に拍車がかかっているから問題なんだよ。で、その原因が……

─ 大河ドラマですか?
苫米地 違うんだよ。この前わかったんだけど、韓流ドラマなんだよ(笑)

─ え〜〜っ、ホントですか(笑)。だって、博士は韓流ドラマ好きじゃないですか。
苫米地 好きだし、よく見ているよ。だから、わかるんだけど、俺、日本国民があんなふうに泣いたり、怒ったりしたらダメだと思うんだよ

─ 韓流ドラマファンとは思えない発言ですね(笑)。
苫米地 俺はああいうのを娯楽として楽しんでいるからいいの。でもさ、見習っちゃダメでしょ(笑)

─ ダメだと思いますけど、見習う人なんていますか?
苫米地 NHK大河ドラマのスタッフは見習っていると思うよ。だから、あんな泣きすぎ龍馬を是としているんだよ。俺はあのドラマを見て「こんなものを1年も流して、日本人を弱っちいヤツにするための謀略か?」って思ったけど(笑)

─ そんな壮大な策略が大河ドラマというか、韓流ドラマにあったんですか。
苫米地 そう思えるほどNHKの大河ドラマは韓流ドラマみたいだったね(笑)

─ とりあえず、感情をコントロールしたければ、大河ドラマを見ちゃダメ(笑)。
苫米地 ダメ(笑)! ま、余談はこのぐらいにして、情動は出してもいいけど、それは人前で出さないってことだよね。で、抑止力的な報復が必要だと思ったら情動優位のままでは動かない。じゃあ、どうすれば情動優位状態をやめることができるのかといえば、論理的に復讐する方法を考えること。いきなり情動状態をやめようとするのは間違いってことだよね

─ ああ! 一生懸命論理的になろうとするんじゃなくて、どうやったら効果的な復讐ができるかを考えれば、自然に論理的になれると。
苫米地 だから、そういう意味でも、抑止的な復讐を考えるってことは大切なんだよ。で、最後にもうひとつ、一番いいのがそもそも感情的にならない人間になること。情動は娯楽として愉しめばいいんだから。逆に、娯楽に振り回されるからおかしなことになるんだって。情動はなにかというと、自分から出しに行くものなの。嬉しい、悲しいっていう感情を楽しみに行くのが正解。今日は思い切り怖がるぞってホラー映画を見にいくのが正しいわけ

─ それが感情をコントロールするってことだったんですね。
苫米地 そう。出したい感情を出したい時に出す。相手が選ぶんじゃない。自分で選ぶってことね

─ あっ、いまの言葉で凄く納得しました!
苫米地 わかった? ということで、夫婦ゲンカも娯楽にするように(笑)。

─ うぅ、頑張ります……

 引用終わり

 

Q-414につづく)

 

 

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F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html

L-180202206月医療・介護研修会 -03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

 

 

苫米地博士の「知の教室」

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Q-412:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.2;初心>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A2:前回(Q-411)の内容をまとめると

 

 ディベートを学ぶ

 → 論理的思考をフル活用

 → 自由(=超論理・超言語の意識状態)

 → “さらなる現状の外”にゴール設定

 

 お気づきだったかと思いますが、最初の「ディベートを学ぶ」の前にもゴール設定が要ります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「ディベートを学ぶ」ことを“必然”とするようなゴールの設定が。

 (“必然”の感覚はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その最初のゴール設定も、もちろん、心が自由でなければできません。ただし、この場合の“自由”は「freedomfrom)」で大丈夫(なはず)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 では、何からの自由?

 

 そう、答えは「怒り」。

 続けてもう一問。「怒り」から自由になるために、何から取り組めばいいでしょう?

 

 私の答えは「『怒り』について知る」こと。

その本質は「『怒り』のゲシュタルトをつくりあげる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p20)より引用します(青字)。「私はすでに十分に理解している」といった自己評価を一旦ストップし、初読のつもりで読み進めてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「初心忘るべからず」で。

 F-264:不満と傲慢のはざまでvol.8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html

 

 

「怒り」とは

 自分が物理的・精神的・社会的に攻撃されたと感じ、冷静さを失っている状態。「眉間にしわが寄る」「目がつり上がる」「口角が下がる」などの表情の変化を伴い、「血圧が上がる」「動悸が激しくなる」「震える」といった身体的反応が起こることが多い。

 引用終わり

 

 

 「怒り」を知りコントロールするための大切なポイントは、「宇宙や自分を“正しく”観察し続ける」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 この引用文でいうと「物理的・精神的・社会的」の部分を、「物理的or精神的or社会的」ではなく、「物理的&精神的&社会的」としっかり理解しながら読み進めること。それが「宇宙や自分を“正しく”観察し続ける」です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

理解の一助となるよう私の経験をお話しします。

私は同じ医療圏のある開業医に繰り返し嘘をつかれたことがあります。その嘘のせいで私個人が嫌な思いをしただけでなく(精神的)、多くの時間を失い(物理的)、ずいぶんと非難されたりしました(社会的)。事情を知らない人たちから。

 

 ここで注目していただきたいのは、「物理的」「精神的」「社会的」の3つがそろうことが「物理的&精神的&社会的」なのではないということ。

そうではなく、そのどれか1つでも攻撃を受けたら「物理的&精神的&社会的」です。なぜだと思いますか?

 

 答えは「すべて情報」だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「脳」と「心」が「脳と心」でひとつであることと同様に、「物理的」「精神的」「社会的」も「物理的と精神的と社会的」でひとつ。それが「物理的&精神的&社会的」の意味。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 私たちは、つい分別して、物事を捉えがちです。それが「認識し、理解する」ことだから。

 

分別しながら“ある枠組み”を決め、その中で思考する

 

それを「ゲシュタルト化」と呼びます。知識とは「ゲシュタルト化された情報」のことです。

 L-164202201… -08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 

人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。なぜでしょう?

 

 そう、抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 以下、「『感情』の解剖図鑑」(p20)からの引用のつづきです(青字)。「抽象度」を意識に上げながら読み進めてください。Feel

 

 

怒りの原因には、複雑なものが多い

 人が怒りを覚える原因には、「誰かにいきなり殴られる」といった単純なものもありますが、たいていはもっと複雑です。たとえば、「利害の一致する仲間や、信用していた人から裏切られて怒る」という場合、「その人と利害が一致する(その人が信用に値する)と判断する」「その人に裏切られたと判断する」「その裏切りによって自分が害をこうむったと判断する」といった、高度な情報処理の積み重ねがあって、初めて人は怒りを覚えます。

 なお、人間は仲間に裏切られたとき、敵に攻撃されたときよりも大きな心理的ショックを受けます。それは「その人は仲間であり、裏切るはずがない」というブリーフシステムに反する、「ありえないと思っていた」出来事だからです。

 

現代の日本社会に、怒りの居場所はない

 それぞれの感情に対する世の中の評価は、時代によって変わります。しかし、少なくとも現代の日本社会においては、怒りはほぼ役割を失っており、重要度が低い感情であるといえるでしょう。

 たとえばビジネスの場面では、あなたの仕事に対し評価を下すのは上司や取引先です。評価が不当だと感じれば怒りが生まれますが、だからといって、そうした相手に怒りをぶつけるわけにはいきません。企業社会には基本的に、怒りの居場所はないのです。

 それ以外の場所でも、怒ってばかりいる人は「変わった人」「困った人」と判断されてしまいがちです。現代の日本社会で怒ることが許されるのは、せいぜい家庭の中だけといえるかもしれません。

 そのため、この社会に生きる私たちには、怒りの感情をコントロールすることが求められます。

 

怒りのメカニズム

 「自分が何らかの攻撃を受けた」と脳が判断すると、怒りが生まれます。怒りの感情はたいてい、大脳辺縁系の扁桃体によって増幅され、その情報が視床下部に伝わると、ノルアドレナリンが分泌され、交感神経が活性化し、血圧の上昇、心拍数の増加、気分の高揚などが起こります。寝る前に、その日にあった腹の立つ出来事を思いだすと、頭に血がのぼって眠れなくなったりするのは、そのためです。一方、怒りによって大脳辺縁系が活性化すると、前頭前野の働きが抑えられ、IQが下がって、冷静な思考ができなくなります。

 しかし、人は長く怒り続けることができません。あらゆる情動の後には、必ずセロトニンが分泌されます。どんなに激しく怒っても、いつかはリラックス状態が訪れるのです。

 引用終わり

 

 

 どうですか?

 

 きっと「怒り」に関する具体的情報量が増えるほど、「怒り」がわかったような気がするでしょう。

 

 確かにそうなのですが、それは一方で危険なことでもあります。スコトーマにより肝心な部分や本質的な意味がかえってわからなくなる可能性があるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「具体的情報量が増える」というのは抽象度が下がる方向性です。それは「複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とする」という抽象度が上がる方向性(←コンセプチュアル・フロー)とは真逆。

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

「具体的情報量が増えることで抽象度が下がり、本質がわからなくなる状態」を「専門バカ」といいます。それは決してレアなことではありません。ですよね?

 F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

 

だから、初心忘るべからず!

 

 

 「初心」とは、もちろん、ゴールのこと。そして、そのゴールの先にある“さらなるゴール”のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

Q-413につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

私は同じ医療圏のある開業医に繰り返し嘘をつかれたことがあります。その嘘のせいで私個人が嫌な思いをしただけでなく(精神的)、多くの時間を失い(物理的)、ずいぶんと非難されたりしました(社会的)

 

 でも、そんな嘘の1つがきっかけとなり、苫米地博士に鹿児島で講演していただくことになりました。

 PM-03-17~8苫米地理論との出会い ~現状の外のイメージ実現と挫折~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702480.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702640.html

 

 その後の“挫折”も含めた経験のおかげで、私は“ゴールの本質”を体感しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

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-関連記事-

F-265:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.9;“初心”とは?>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30002338.html

F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 

「感情」の解剖図鑑




Q-409:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか? <vol.3;方向>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 

 vol.1;フレーム問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 vol.2;〇〇を感じ取る力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 vol.3;方向

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A3:前回(Q-408)は「ゲシュタルト能力」を掘り下げました。「掘り下げる」というのは「具体的情報量を増やす」ことで、抽象度が下がる方向性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 今回は、抽象度を上げる方向性で考察します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 先に「どのように行えばいい?」に対する私の答えを述べておくと、「意図性(intentionality)を確認する」。

 

以下、苫米地博士の著書「洗脳原論」(春秋社、p122)より引用します。「ゲシュタルト能力」と「意図性」の関係性を感じながら読み進めてください。Feel

 

 

洗脳原論

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オウムの教義を論破する

 オウムは仏教徒だから、現象論の立場でものを話す。そのことが悪いわけではないが、哲学においては語り尽くされた立場でもある。私は哲学者として、現象論の立場を擁護することもできるし責めることもできる。もちろん、相手に合わせて仏教の唯識論の言葉を使って会話するのであるが、自分たちが現象論的立場に立脚していることさえ、オウムは気づいていない。

 オウムがいう個人とは、自分たちの作りあげた主観的存在である宇宙のなかに魂があり、その魂が個を作っているという図式である。だが、仮に私が天才的科学者で、「スタートレック」という映画のなかに出てきたような瞬間移動装置の発明に成功したとしよう。その機械は、すべての物質をアトミックレベルで再現できる機能を持っている。瞬間移動とは、移動先にコピーを作ると同時に、オリジナルを消去することである。つまりこの装置は、単に物質を移動させるだけでなく、オリジナルとまったく同じコピーを作成できるものなのである。

 この装置に私が入って、違う場所に瞬間移動したにもかかわらず、もしもオリジナルの私を消し忘れたとしたらどうなるか。同じ人がふたり存在してしまうことになる。それではどちらがコピーで、どちらがオリジナルなのか。これはインテンショナリティ(意図性)の問いである。インテンショナリティは、哲学にとって非常に興味深いテーマであって、昔から有名な哲学者がたくさん本を書いている。これは簡単な問題のように見えて複雑で、もともとのオリジナルを消し忘れた場合、移動先にあるほうが本来の目的を満たしたものであるから、オリジナルということになる。ところが実際は移動先にコピーを作って、元を消し忘れただけだから、物理的にどう考えても、元の場所にあるほうがオリジナルである。

 こういうことが起こった場合、オウム信者たちのいう魂は、どちらについていることになるのか質問すると、彼らは答えられない。そう結論づけていくと、そこでオウムの論理は崩壊する。本来の仏教では否定されているみたいだが、本人の体の外に二元論的に存在しうる

魂を認め、それを輪廻の対象とするオウムのカルト的カルマ論で構築された原始宗教的な教義ロジックは、実は、こんな簡単なSF的思考実験で崩壊するのだ。大体、本来仏教において説かれているのは、業と呼ばれる行為の因果の生死を超えた継続性であり、また、その継続性ゆえの同一性である。だからといって、肉体から離れて存在しうる魂が、物理の制約を超えて転生の対象として連続的に存在するとは、もともと説かれていないようである。たとえそこまで理解できなくとも、ロジックの袋小路に追いつめられたあげく、オウムの教義の枠を出て、自分でものを考えはじめるようになる。

 引用終わり

 

 

たとえそこまで理解できなくとも、ロジックの袋小路に追いつめられたあげく、オウムの教義の枠を出て、自分でものを考えはじめるようになる

 

 この「ロジックの袋小路に追いつめられた状態」とは、まさに「フレーム問題」そのもの。AIArtificial Intelligence=人工知能)の場合、無限の可能性を全部洗おうとするため、いつまで経っても選択することができません。その様子は「フレームに囚われたまま『思考停止』に陥っている」ように感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 ところが、人の場合、これまでのフレームの枠を飛び出して考えることができます。それが「ゲシュタルト能力」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 その本質は、思いがけない関係性を見つけ出す抽象化能力であり、全体と部分の双方向性を捉える能力です。つまり、「縁起を感じ取る力」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そんな「ゲシュタルト能力(=縁起を感じ取る力)」と深く関わるものが意図性(intentionality)!

 

 

現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するためには、ゴール側から認識・理解・評価・判断をしなければなりません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

それはこれまでのブリーフシステム(Belief SystemBS)を停止して、ゴール側から決定するということ。決して誰からも、何からも、強制されることなく決めるということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そのためには高い抽象度で情報を見定めることが絶対条件です。と同時に、ゴール達成のための判断を自由意思で決定しなければなりません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その自由意思の裏にあるのが「意図性(intentionality)」自由意思とは、自分がどういう意図を持っているかということです。

 F-375:俺にかかってこい

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35750566.html

 

 以上より、「ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?」に対する私の回答は、「意図性を確認する」。

 

 もっとシンプルに回答すると、「方向」の確認。

 相手の(無意識の中の)方向性を確認しながら、抽象度が上がる方向へ、すなわち「空(くう)」へとガイドしていく感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記1

もっとシンプルに回答すると、「方向」の確認。相手の(無意識の中の)方向性を確認しながら、抽象度が上がる方向へ、すなわち「空(くう)」へとガイドしていく感じです

 

 これはコーチング中に私が意図していることですが、この過程でクライアントさんはとても元気になっていきます。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 なぜでしょうか?

 

 答えは「抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくる」から。

 

 

 ゴールに向かう強烈な意思で、抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくり続けること

 

 

 ↑これが苫米地博士の「生命現象」の定義。著書「思考停止という病」の中で明かされています。詳しくはこちらでどうぞ↓

 L-11920219月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html

 

 

思考停止という病

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-追記2

 「抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくり続ける」=「高次元のフレームを構築し続ける」です。こちらでどうぞ↓

 L-161202201… -05;高次元のフレームを構築=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 

 

-追記3

 「高次元のフレームを構築する」ためには、まずは現状のフレーム(=ブリーフシステム)を解体しなければなりません。

 

そのために行うのが、「自分のフレームを疑う」こと↓

L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 

 そして、「幅広い知識・関心を持つ」ことです↓

 L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-346:ヘンシン! <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34261064.html

Q-333:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

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Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html

Q-400~:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430215.html

 



Q-408:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか? <vol.2;〇〇を感じ取る力>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 (「シンプル」の意味はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前回(Q-407/vol.1)は「case-side」として、「フレーム問題」を取り上げました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

 今回からは「plan-side」。掘り下げるテーマは「ゲシュタルト能力」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A2前回(Q-407)、「ゲシュタルト能力」について言及しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 無限に等しい可能性の中からまるで運命に導かれるかのように「『これだ』と判断」できる力が「ゲシュタルト能力」です。

 L-170202203月シークレット… -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 

私たちはゲシュタルト能力によって「フレーム問題」を解決しています。

 Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることがOps編;〇〇〇化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 そもそも「フレーム問題」とは、「ファンクショナリズム(functionalism)」をパラダイムとする現代の認知科学(cognitive science)が抱えている問題です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。

 その“関わり”が「ファンクション」。東洋哲学でいうと「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

よって、「フレーム問題」を解決するゲシュタルト能力とは、「縁起を感じ取る力」だといえます。心理学ではヒューリスティック(heuristic)と表現しますが、「経験的(もしくは生得的)な知識を利用して、あいまいなマッチングを“発見的”に行う」という能力です。

もっとコーチングに寄せて表現すると、「イマジネーションの限界を超える力」。

F-363:シコウサクゴ <前編:コーチング前は誰もが「思考錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35159915.html

 

 厳密には、この世に同じものは2つとありません。よって、ゲシュタルト能力なしでは認識すること自体が困難です。じつは、もうひとつ認識に欠かせないものがあります。

何だと思いますか?

(すでにこのブログ記事内で触れています)

 

 

 そう、「知識」。知識がスコトーマを外すための最初の条件です。スコトーマは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つがそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 認識の大前提は「知識」と「ゲシュタルト能力」

 

この2つに学習が関係します。学習により知識を得、学習によりゲシュタルト能力が磨かれるというように。

 PM-05-06~08:そもそも学習とは?-3-1~3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 以上より、「ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?」に対する私の答えは

 

 自分自身が知識を得てゲシュタルト能力をさらに磨きながら、クライアント(相手)の知識とゲシュタルト能力を観察する

 

 という感じ。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます。

(その基本はこちら↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

「イマジネーションの限界」がゆらぐと、その先、つまり現状の外側に、新たなゴールを見つけることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「イマジネーションの限界がゆらぐ」とは、自我(=これまでの縁起=ブリーフシステム)がゆらぐということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 膨大な知識があり、ゲシュタルト能力も磨いているのに、それでも「イマジネーションの限界を超えられない」という場合、おそらく「自分(関数p)が観ている宇宙(w1)」に限界があります。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 それは「自我が『限界』や『強力な壁』を生みだしている」ということ。

 F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34206232.html

 

 コーチの役目は「結果として、クライアントの自我を変える」ことです。「結果として」というのは、もちろん、「ゴール設定」の結果という意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『110分』でひらめき脳に生まれ変わる 『とてつもない成果』を生み出すいちばん簡単な方法」(イースト・プレス、p126)より引用します。

 

 

ゴール設定が「自我」を変える

 自我が変わるかどうかは、ゴールで決まります。

 私はギターを弾くので、アンプには異常なこだわりがあります。ダンブルやブルードトーンといったブティックアンプを数多く持っています。

 ライブをするときは、これらの重たいアンプを何台も運ばなければいけません。しかも、エフェクターからアンプまで含めると、総額で1000万円以上にもなってしまいます。

 私だけではなく、音質にこだわったプロのミュージシャンであれば、それくらいのコストと重労働は当然のことです。

 さらにいえば、世界のトッププロのミュージシャンは、必ず優秀なテクニシャンを雇っています。アンプなどの機械のメンテナンスのため、最低ひとりはフルタイムでテクニシャンを雇わないといけないのです。それだけで、年間1200万円ほどかかります。

 売れているミュージシャンであれば、それくらいのコストをかけられますが、普通のミュージシャンにはコストパフォーマンスが悪すぎます。

 そこで、最近ではフラクタルオーディオというものが登場しました。これは何かというと、いくつかの有名なアンプの実際の音をサンプリングして、デジタルで音の特徴を再現したものです。人間の耳ではほとんど違いがわからないくらい、完璧なモデリングです。

 たった1台のフラクタルオーディオがあれば、重たいアンプやエフェクターラックを何台も持ち運ぶ必要はありません。しかも30万円程度で購入できます。

 ですから、多くのプロミュージシャンはフラクタルオーディオに変えています。とくに高額なコストをかけられないプロミュージシャンは、フラクタルオーディオ1台ですませています。

 フラクタルオーディオに変更した人は、まさしくいままでの自我を変えたということ。それに対して、私はいまのところフラクタルオーディオに変更するつもりはありません。いちおうオーダーはしていますが。

 それは、なぜか。

 フラクタルオーディオで再生できない改造アンプをいろいろ使っている、同じアンプメーカーの同じ型番でもアンプ一つひとつで音が違う……など、理由はいくらでもありますが、その根本的な理由は、ゴールが違うからです。

 私がギターを弾くのは、それぞれのホールやライブハウス、レコーディングの環境に合わせて音質をとことん追究したいからです。自分ではんだごてを持ったり、銅線一本にもこだわったりしたいのです。

 しかし、多くのプロミュージシャンのゴールは、利益を上げること。もちろん音質やパフォーマンスにはこだわりがあると思いますが、ある程度の音質であれば、あとはコストとの兼ね合いでしょう。毎年赤字というわけにはいきません。

 ですから、アイドルの後ろで演奏するような仕事であれば、フラクタルオーディオに変更するのは当然のことです。年間数千万円ものコストが削減されるのですから。

 つまり、自我というのは、ゴールの設定によっているのです。

 私のような音質を追究している人間は、自我を変えてフラクタルオーディオに変更する必要はありません。必要がないというよりは、自我はどんどん変わっていても利益優先の自我にはならないのです。

 逆にいえば、自我を変えたいのであれば、ゴールを変えればいいということ。もし私が「音楽一本で食べていく」ということが必要となるゴールに変更すれば、自我は変わるでしょう。フラクタルオーディオを使用すると思いますし、アイドルの後ろで演奏するギタリストをするかもしれません。

 ゴールの設定については、これまでの私の書籍で何度も繰り返し述べてきましたので、ここでは簡単に復習するだけにしておきます。

 ゴールの設定で重要な条件は、「かないそうにない夢であること」、そして「want toであること」です。

 「かないそうにない夢」とは、現状の延長上にないものです。現在の状況をこのままほうっておいたら起こりうることをゴールにしても意味がありません。現状の外側にあることをゴールに設定しなければいけないのです

 「want to」については、STEP2で述べたとおりです。本当に自分がしたいことをゴールにしなければ、不幸です。ゴールを達成しても、それが望まないことだったら意味がないからです。

 そして、ゴールが「want to」であれば、ホメオスタシスが働き、自然にゴールが達成されます

 この二つの条件を満たすゴールを設定すれば、自分が望む自我に変えることができます。自我を変えることができれば、「本物のひらめき」が起こります。

 高い抽象思考ができ、膨大な知識量があっても、自我が変わらなければ、「本物のひらめき」は起こらないのです。

 引用終わり

 

 

 今回のサブタイトルは「〇〇を感じ取る力」。その「〇〇」とは、もちろん、「縁起」のこと。この引用文を読みながら、苫米地博士の「縁起」と「縁起を感じ取る力」を感じられたでしょうか?

 

 引用文を紹介する前に、私はこのように書きました。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます

 

 そのときにゆらぐのは、クライアントの「イマジネーションの限界」だけではありません。コーチ自身の「イマジネーションの限界」もゆらいでいきます。それが縁起だからです。

 Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html

 

 双方向性の縁起の力により、現状の外にゴールを設定し、結果として自我が変わり、「本物のひらめき」を得る

 

 それが苫米地式コーチング。

 人が持つ不思議な縁起の力をフル活用する本物(Authentic)のコーチングです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

Q-409につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます

 

そのための具体的方法はこちらでどうぞ↓

 Q-182~185:家族ががんで… -06~09;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する>実践編vol.1~4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25324197.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-325:観自在 <実践編-5;“縁起力”をブーストする>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33162493.html

L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32114512.html

Q-291:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.11;縁起的コミュニケーションのために>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29969615.html

Q-359~:こんな当たり前のことを訊いてもよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428035.html

 

 

「1日10分」でひらめき脳に生まれ変わる

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Q-407:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように分析を行えばいいのでしょうか? <vol.1;フレーム問題>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 (「シンプル」の意味はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 まずは「case-side」から。テーマは「フレーム問題」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A1:認知科学(cognitive science)の現在のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。

その“関わり”が「ファンクション」。東洋哲学でいうと「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

コーチング関連用語を用いてさらに言い換えると、「ゲシュタルト(gestalt)」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 一般的には、ファンクションとは「機能」「役割」のことです。ファンクショナリズムも最初は「機能主義」と訳され、その考え方で脳を研究する学問を「機能脳科学」と呼んでいたそう。

以前は、苫米地博士も(たくさんの肩書きの一つとして)御自身のことを「機能脳科学者」と表現されていました。

 Q-328:最近「記憶が抜ける」ようなことがvol.3;ソフトウェアとハードウェア>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31906669.html

 

その後、コンピュータとの関連から「ファンクショナリズム=関数主義」と訳されるようになりました。その関数主義を信じ研究する学者が認知科学者です。

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 現在の認知科学(ファンクショナリズム)は壁にぶつかっているといいます。その壁が「フレーム問題」。

苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。それは「あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「フレーム問題」のフレームとは、「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky1927~2016年)が提唱した概念で、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。

そのフレームを、苫米地博士は、「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

 

 

マービン・ミンスキー(Wikipedia)

マービン・ミンスキー(2008年、OLPCオフィスにて)

Wikipediaより引用

マービン・ミンスキー - Wikipedia

 

 

 著書「認知科学への招待」(CYZO)の中で、苫米地博士は「フレーム問題」を「レストラン」というフレームを用いて解説されています。シンプルに問うと

 

人はなぜその場所がレストランだとわかるのか?

 

 

認知科学への招待

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 人工知能が「ここはレストランだ」と完全にわかるためには、「レストランに関する知識(ここはレストランだと判断するための知識)」だけでなく、「レストランではないことに関する知識(ここはレストランではないと判断するための知識)」が必要なのだそう。

つまり、世の中のありとあらゆる知識を教えておかなければならないということ。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 仮に世の中のすべての知識を人工知能に教え込むことができたとしても、その知識すべてにアクセスして思考(計算)を始めてしまうため、その場所がレストランかどうかを判断するだけでも膨大な時間がかかってしまうそうです。

 つまり、傍から見ると思考(計算)が止まったかのように見える それが「フレーム問題」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 そんな人工知能に対して、人間には「ある程度合致していれば『これだ』と判断する能力」が備わっています。誰もが持つその能力は、じつは、とてつもない才能です↓

 L-175202203… -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

 

著書「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店)の中で、苫米地博士は「ゲンかつぎ」を取り上げられています。例えば「野球選手が赤い帽子をかぶり赤いトランクスをはいて登板したら完全試合を達成することができた」というケースの場合、人工知能と人との間にどのような違いが生じるでしょう?

 

 以下、同書(p148)より引用します。

 

 

Dr.苫米地の「脳力」の使い方

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すべては、ゲシュタルトの選択問題

 前項で述べたように、ゲシュタルトとは、1つの心を維持し、それにそぐわないものは認識しないという知覚現象や認識活動を説明するための概念で、日本語では認識の統合とか認識のかたまりとか呼ばれています。

 維持するためにふさわしい認識の範囲がすなわち、前出のフレームになるわけですが、現実の人間の思考では、そのフレームを設けて、その中で考えるということが難なくされています。

 無限の可能性を全部洗って、選択するには、無限の時間がかかってしまうからです。

 つまり、ある1つのことをやるときに、その中で起きうることのすべてに、起きる可能性があるのです。

 その可能性の中で、何が関係あるのか、何が関係ないのかを選び出し、ゲシュタルトを形成するのです。

 例に挙げた完全試合でいえば、赤い帽子が重要だったのか、赤いトランクスが深い関係を持っているのか、あるいは、観客の帽子が赤かったことと関係があるのか、そのどれもが関係ないのかなどなどの可能性です。

 もしかしたら、観客にとっては、そのどれもが関係ないもので、赤い帽子もめがねも、完全試合をするためのフレーム、ゲシュタルトの中にははいらないかもしれません。

 まして、ピッチャーがはいているトランクスの色など知りようがないのです。完全試合の可能性はまったくないことでしょう。

 しかし、ピッチャーにとっては、これは、完全にゲシュタルトの選択範囲内です。彼は、数々のゲシュタルト要因の中から、赤いトランクスを選び出したのです。

 このような、人間の心だけがする選択を科学で可能にし、問題を解決しようとしたのが認知科学です。

 その先駆者は、アメリカの計算機科学者ジョン・マッカーシーです。彼は、マービン・ミンスキーとならぶ初期のAIArtificial Intelligence=人工知能)の第1人者と言われています。

 彼は、1956年、人工知能に関する初の国際会議を開催しました。

 そしてパトリック・ヘイズとともに、彼の指導を受けたアラン・コトックは、1966年にチェスプログラムを開発しました。

 しかし、ジョン・マッカーシーや同じく第1人者とされたパトリック・ヘイズらが提唱したフレーム問題により、人工知能(AI)の限界が見えてきたのです。

 つまり、かなり狭い範囲のゲシュタルトによるものでなければ、人工知能は、与えられた使命を果たすことができないことがわかったのです。

 たしかに、人工知能研究の初期には、文法や専門知識などのルールを与えればコンピュータによる自然文の理解が可能になり、人間との対話もできるようになるのではないかという楽観的な見通しがありました。

 人工知能にできることは、現在、50年近くもまえに開発されたチェスのゲーム以上のものはないのです。

 これから先のことはわかりませんが、私は、やはり、ここでも、認知科学の限界を感じてしまうのです。

 まとめれば、人工知能はたしかに、たとえばチェスや将棋のように限定されたゲームなどのフレームの中では、人間を凌ぐ能力を発揮します。しかし、それも人間がプログラムを仕込んだからこそできることです。

 ある野球のピッチャーが、いい成績を上げるのに、自分のはいたトランクスが関係あるのだといった、思いがけない関係性を見つけ出すような「抽象化能力」、そして全体と部分の双方向性を捉える能力は、人工知能には今のところ望むべくもないのです。

 むしろ、そうした人工知能の限界をはっきり認識したことが、現在の認知科学の功績と言ってもいいのではないでしょうか。

 引用終わり

 

 

ゲシュタルトとは、1つの心を維持し、それにそぐわないものは認識しないという知覚現象や認識活動を説明するための概念で、日本語では認識の統合とか認識のかたまりとか呼ばれています

 

 このブログ記事の最初の方で、苫米地博士のこのようなコメントを紹介しました。

 

認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた

 

これは「あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということですが、この「あえて」というのが人間に特有の能力です。

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 無限に等しい可能性の中からまるで運命に導かれるかのように「『これだ』と判断」できるのが「ゲシュタルト能力」。そして、その「『これだ』と判断」と同時に、他の可能性を「あえて」スコトーマに隠すことができるのが「ゲシュタルト能力」です。

 L-170202203月シークレット… -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 

私たちは、じつは、あたりまえのようにゲシュタルト能力によって「フレーム問題」を解決しています。

 Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることがOps編;〇〇〇化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 このゲシュタルト能力こそが、認識できないはずの現状の外にゴールを見出し、実際にそのゴールを達成してしまう秘密であるといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

Q-408につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE           

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

L-177202203月シークレットレクチャー -10(最終回);自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35079795.html

Q-268~:薬をやめることができますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421168.html

Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html

 

 


Q-404:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか? <後編;plan-side

 

介護現場で働く方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、前編(case-side)と後編(plan-side)の2回に分けて回答いたします(変更を加えています)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35833083.html

 

Q:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

 

A2:コーチがクライアントのコンテンツに関わった瞬間に、コーチングは洗脳に変わります。

 Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

 

“自由”を追求するはずのコーチングが、“奴隷”を生みだす洗脳に変貌してしまうのです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

じつは、誰もがすでに洗脳されています。それはブリーフシステム(Belief SystemBS)を考えるとわかるはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 前回、「問題を見つけることも、見つけた問題を解決することも、その鍵は『スコトーマ』にあります」と書きました。スコトーマを生みだす/外すポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 知識がなければ、そもそも認識することができません。

 その一方で、知識が新たな認識を妨げてしまいます↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

 「自分」について一番知識があるのは、もちろん、自分自身。

 だから、「自分の知識や常識として受け入れているものを、入念に吟味し続ける」ことが重要。少しでも違和感を感じるなら、その違和感は徹底的に掘り下げるべきです。

 L-159202201月シークレット… -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 

 どこに違和感を感じるのか?

 どれくらい感じるのか?

なぜ感じるのか?  等々

 

 違和感を徹底的に掘り下げることによって、知識は新しいものに書き換わっていきます。これまでのゲシュタルトが、より大きなゲシュタルトへと再構築されていきながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 前回、「コーチングにおいて、このプロセス(ゲシュタルト再構築)はとても重要」と書きました。その理由は、ブリーフシステムを見直す大切な縁起となり、さらなる現状の外にゴールを見いだす貴重な機会となるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 信じて疑わない自身のブリーフシステムを疑うからこそ、現状の外がだんだんと見えてきます。「徹底的に掘り下げることで知識が新しいものに書き換わる」とは、自分のブリーフシステムをゴール側から修正していくことです。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

その過程で新たな現状の外が感じられるようになり、新たなゴールが見えてきます。それが認識できないはずの現状の外へゴールを設定する秘訣です。

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 そんなプロセスを繰り返すほど、新たに見いだすゴールは抽象度の高いものに変わっていくでしょう。それは自分自身がリーダーになっていくということでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 リーダーが描くゴールの世界に対して臨場感が生まれると、ラポールの次の段階であるハイパーラポールが生まれ、強烈なホメオスタシス同調が働くようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 すると、ゴール達成を確信するリーダーのエフィカシーが、縁起空間中にひろがっていきます。これがコレクティブ・エフィカシーです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 つまり、私がイメージする解決とは、

 

抽象度の高いゴールを持つ者がリーダーとなり、ゴールの世界の臨場感を高めながら、まわりを巻き込んで進化・向上していく

 

 というもの。

 F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

 以下、苫米地博士の著書「年収1億円稼ぐ! 脳の磨き方」(宝島社、p26)」より引用します。本のテーマ上、博士は「お金」にフォーカスしながら書かれていますが、もう一段抽象度を引き上げて読み進めてください。Feel

 

 

チームのリーダーとなってコレクティブ・エフィカシーを高めよ

 

1億円を稼ぐには自分がリーダーになる

 前に「5つのゴールを作る」という話をしましたが、そのうちの①、自分の欲求がない人は1億円を稼ぐことはできません。何度も言いますが、お金はただの数字であり、紙切れです。それを欲しいと思わなければ、決して金持ちにはなれないのです。

 しかし、自分の欲求だけではゴールになりませんし、身内からドリーム・キラーを生んでしまいます。人を引っ張っていくという理由としても弱いため、結果としてチームで動くことができません。

 1億円を稼ごうとしてチームで動く場合、全員が“1億円稼ぐ”というエフィカシーを持っています。これが「コレクティブ・エフィカシー(集合的エフィカシー)」で、まずは自分がリーダーとなり、チームのコレクティブ・エフィカシーを高めていきましょう。

 

すべてのゴールが見える人がリーダーになるべき人

 チームのリーダーになるためには、①の欲求だけでなく、社会的なゴールや趣味など、②から⑤までのゴールがすべて揃っていなければなりません。また、自分がリーダーにならない場合でも、自分以外の人たちとゴールを共有していく必要があります。

①のゴールだけしかないと、稼ぐ側としてはチームのコレクティブ・エフィカシーを生み出すことができませんし、ましてやリーダーになることもできません。なぜならば、①だけでは社会の味方がいないため、ドリーム・キラーに狙われやすいのです。

 ハーバード・ビジネス・スクールと米TPIの合同統計によると、コレクティブ・エフィカシーがある会社とない会社の10年間の追跡調査を行ったところ、売り上げでは、ある会社が2~3倍多い程でしたが、利益率では750倍も多かったという結果があります。同様に、海外の特殊部隊や自衛隊なども、チームのパフォーマンスを上げる最大の要因は、コレクティブ・エフィカシーを作れるかどうか、チームの全員が「自分はすごい」と思っているかどうかなのです。

 コレクティブ・エフィカシーが生まれる心理的要因は、“ゴールの共有”と“結果としてのラポール(心理的連帯感)”です。簡単に言えば、コンフォート・ゾーンを共有する人たちで仲良くなればいいのです。リーダーと集団がゴールを共有すると、必要な倫理レベルもリーダーにならってアップし、高いコンフォート・ゾーンが共有され、ラポールが生まれます。まずはリーダーが“レベルの高いゴールを設定する”“チームのみんながそれを達成できると思う”、このことでラポールを生み、レベルの高いコンフォート・ゾーンを作るのです。

 引用終わり

 

 

 チームのパフォーマンスを上げる最大の要因は、コレクティブ・エフィカシーを作れるかどうか、チームの全員が「自分はすごい」と思っているかどうか

 

 あなた自身がチームの誰よりも高い抽象度のゴールを設定し、そのゴールをチームのメンバーとしっかり共有してみてはいかがでしょう

 

あなたがレベルの高いコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)を作りあげるほど、そしてメンバーがそのCZを強く共有するほど、チームは劇的に変わっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 すべては自分自身のマインドからはじまります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 最後にもう一度、苫米地博士のこの言葉を

 

 チームのリーダーとなってコレクティブ・エフィカシーを高めよ!

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 信じて疑わない自身のブリーフシステムを疑うからこそ、現状の外がだんだん見えてきます。「徹底的に掘り下げることで知識が新しいものに書き換わる」とは、自分のブリーフシステムをゴール側から修正していくことです

 

 ゴール側からゲシュタルトを再構築する思考法が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

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 L-08820213月シークレット… -11コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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L-168202203月シークレットレクチャー -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

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