苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:ゲシュタルト

F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 

 先日「ウォーミングアップとクーリングダウン」について書いたブログ原稿を読み返していたら、タイプミスに気がつきました。「シコウサクゴ」を、「試行錯誤」ではなく、「思考錯誤」と書いていたのです。

 (その記事はこちら↓ タイプミスは修正しました)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html

 

 湧き上がる感情と思考を観察しながら、気楽にまとめてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 *前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35159915.html

 

 

 前回(F-363/前編)、「思考錯誤」を「自分で自分の限界を生みだしていること」と定義しました。

 

自分で生みだした限界の集合が“自分”

 

それをコーチングではブリーフシステム(Belief SystemBS)と呼びます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ところで、「思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought)」という概念(ゲシュタルト)ご存じでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 以下、苫米地式コーチング認定グランドマスターコーチ 田島大輔さんの著書「マインドの教科書」(開拓社、p292)より引用します。

 

 

マインドの教科書

 

 

 思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 人が思考する時の言葉・映像・感情からなる3つの要素。

 

 人間は「言葉(Words)」と「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」という3つの軸によって思考しています。私たちは「言葉」を使って考えます。その言葉が「映像」を想起させます。そして、その映像は「感情」を生み出します。人間は、この3つの軸で常に自分自身に話しかけています。この3つの軸による思考を「セルフトーク」といいます。

 この思考体系は、別の言葉では「アファメーション」ともいいます。アファメーションとは「事実として認識したことを宣言する」ことです。「信念について述べる」ことともいえます。ここでの「事実」とは実際の事実とは限りません。人間の『無意識』は、自分自身に事実として認識したことを真実としてそのまま受け入れます。

 アファメーションのプロセスは、人間がこの3つの軸で思考することを応用した技術です。

 引用終わり

 

 

 私たちは「言葉(words)」と「映像(pictures)」に「感情(emotions)」を加えた3つの軸で思考をしています。

よって、「思考錯誤」は、この3つのレベルで考察することができます。抽象度を軸に低い方からならべると、1)感情レベルの錯誤、2)言葉&論理レベルの錯誤、3)映像レベルの錯誤 です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

以下、簡潔にまとめます。

 

 

 1)感情レベルの思考錯誤

私たちの目の前の世界は過去の記憶と紐づいた言葉と映像でできあがっていて、そこには感情(情動)が貼り付いています。感情の多くはネガティブなものです。なぜなら、私たちは“失敗”を強く記憶するから。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 私たちは、そうとは知らずに、いつも過去=“失敗”に囚われています。言葉・映像・感情(情動)が一体となった“失敗”の記憶によって大脳辺縁系が活性化してしまうと、文字どおり“動物的”になってしまいます。それは思考というより、ただのリアクション。

そんな「ファイト・オア・フライト」と呼ばれる状態が、「1)感情レベルの思考錯誤」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 2)言葉&論理レベルの思考錯誤

1)感情レベルの思考錯誤」を克服できたとしても、すなわち大脳辺縁系を抑え前頭葉前頭前野優位で思考できたとしても、私たちは情報次元で強力に縛られます。その代表が言葉(言語)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

例えば、コーチングの観点で考えると、「言語(化)」には次のような課題があります。

    want tohave toに変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

    ドリームキラーが生まれる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

    エフィカシーが下がる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

    抽象度の上限ができる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

    言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 論理でも同じ。

現代の論理はトゥールミンロジックのように非形式的なものです。これらのロジックは現代分析哲学において非単調論理として形式化されているそうですが、突き詰めると必ず「現状の最適化」に至ります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 それはコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の固定化であり、過去に縛られることと同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 つまり、現状に囚われることが「言葉&論理レベルの思考錯誤」です。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 

 3)映像レベルの思考錯誤

 ここでは「映像レベル」を「超言語」「超論理」だと理解してください。あるいは「左脳言語野を抑え、右脳言語野が活性化した状態」です。

 S-02-12“超論理”を表現する言葉

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19021726.html

 

 このレベルでの思考の特徴を言葉にすると、「なんとなく」。

 L-08520213月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 

 前頭前野の外側部が論理を司っているのに対して、前頭前野の内側部が司るのが社会的情動です。私たち人間は、この社会的情動の働きによって、矛盾した状況の中でも答えを出すことができます。

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 矛盾した状況で答えを出す

 

それが「映像レベルの思考錯誤」の克服。そして、それは現状の外にゴールを見出すときの意識状態でもあります。限界突破のための意識状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 以下、苫米地博士の著書「30代で思い通りの人生に変える69の方法」(泰文堂、p79)より引用します。「分厚いスコトーマを破壊して、ゴールを見出す感覚」をぜひつかんでください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

18 情報・知識の塗り残しをなくせば人生の本当のゴールが見えてくる

 私の本を読みつけている読者なら自明のことだと思いますが、知識のゲシュタルトが飛躍的に増加するのは、それぞれの知識のゲシュタルトに含まれている知識と知識が新しい別のゲシュタルトを形成し、一から知識を獲得することなしに新しい認識を生み出すからです。

 あなたは、成長というものがS字曲線を描くことをご存じでしょう。何かを始めるときは、最初のうちはなかなか上達していきませんが、知識や経験の量があるところを超えると、急に上達のスピードが上がり、その後さらに加速していきます。その上達の様子をグラフ化したのが、成長のS字曲線です。

 知識を身につけるときも同じで、全体像を知るために勉強を始めたばかりのときは、なかなか理解が進みません。ところが、それをやり続けていくと、あるとき急に、全体像が丸ごと理解できる瞬間がやってきます。すると、次の瞬間から新しい知識を理解するのはとても簡単なことになり、理解もどんどん深まっていきます。このような経験は、誰もが学生時代に味わっているはずです。

 知識のゲシュタルトをたくさん身につけていくと、今度はそれが、技術や経済といった特定の分野を超えたところで起こります。要するに、それぞれの知識のゲシュタルトの中に含まれた知識同士が結びつき、新しいゲシュタルトが生み出され、それが社会観や世界観といった、大きなくくりの認識を生み出すわけです。

 読者のみなさんは、「私はすでに社会観や世界観を持っている」というに違いありませんが、その社会観や世界観はまだまったく不十分で、塗り残しが目立つ絵のようなものです。

 塗り残しは、自分に無関係と思い込んで、そのまま放置されている部分です。確かにその部分の知識を持っていなくても仕事に支障はないし、逆に、その部分の知識を持ったところで仕事や出世に直接、役立たないかもしれません。だからこそ、塗り残しになっているわけです。

 ところが、塗り残しをそのままにしていると、その絵はいつまでたっても完成しません。絵が完成しないということは、確固とした世界観を持てないということだけではありません。それがないということは、本当に心から実現したい自分の望みは何かということについても、理解が届かないことなのです。

 私事を少しばかり説明すると、私は機能脳科学の学者であり、脱洗脳の専門家であり、天台宗で出家した仏弟子であり、さらにいま、先日亡くなったアメリカのコーチングの祖であり、世界的権威ルー・タイスと共同でつくり上げたコーチング理論「TPIE」を普及させる活動を行っています。そして、すでに紹介したように、私の人生のゴールは「差別と戦争のない世界をつくること」です。

 ふり返って、20代のころ、私は自分がそのような生き方をするとは思ってもいませんでした。実際、三菱地所に勤め、アメリカに留学していたころは、「映画監督になってやろう」と考え、映画専門学校に通った一時期もありました。

 若いうちは四方八方に関心を持つものです。

 アメリカで認知科学を学ぶうちに「仮想現実の臨場感」というテーマに深くかかわるようになり、帰国してオウム真理教信者の脱洗脳を行うことになったのがきっかけで仏教を勉強することになり、釈迦の哲学を勉強するうちに出家することになりという具合に、たくさんの知識のゲシュタルトを身につけるようになりました。そして、それが社会人と子どもたちの自己実現を助け、人生の高いゴールを達成する科学的な方法の普及という現在の活動へと私を導き、私自身も40代になってから先に述べた人生のゴールを見出すようになりました。

 私がそうした人生のゴールを見出したのも、私がたくさんの知識のゲシュタルトをつくってきたことの結果です。

 コーチングで私がいつも指摘するように、人生のゴールは、現状からできるだけ遠いものでなければなりません。しかし、遠くにありながら本心から実現したいゴールは、塗り残しの目立つ世界観によって見出すことはできません。たくさんの知識のゲシュタルトが身につき、十分に深い世界観を持つようになって、初めて遠くにあるゴールが見えてくるわけです。

 

知識のゲシュタルトをたくさんつくり、自分のゴールはできるだけ遠くに見出そう

 引用終わり

 

 

読者のみなさんは、「私はすでに社会観や世界観を持っている」というに違いありませんが、その社会観や世界観はまだまったく不十分で、塗り残しが目立つ絵のようなものです

 

塗り残しをそのままにしていると、その絵はいつまでたっても完成しません。絵が完成しないということは、確固とした世界観を持てないということだけではありません。それがないということは、本当に心から実現したい自分の望みは何かということについても、理解が届かないことなのです

 

 本当に心から実現したい自分の望み」を見つけ、ゴールとして設定することがコーチングの前半部分。それが「情動→言葉&論理→映像という思考錯誤」の克服

 Q-358:止められてもやりたいゴールが見つかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

 そして、ゴールを抽象度の低い次元で具体的に現実化(実装)するための取り組みが、コーチングの後半部分であり、本来の意味での「試行錯誤」

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 

「シコウサクゴ」を縁に湧き上がる感情と思考を観察しながら、そんなことを感じ考えました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

私たちは、そうとは知らずに、いつも過去=“失敗”に囚われています。言葉・映像・感情(情動)が一体となった“失敗”の記憶によって大脳辺縁系が活性化してしまうと、文字どおり“動物的”になってしまいます。「ファイト・オア・フライト」です

 

 今回のテーマ「思考錯誤」を“動物的”に表現すると、1)感情レベルの錯誤 =「ワニ」、2)言葉&論理レベルの錯誤 =「サル(黒・白・シマシマ)」、3)映像レベルの錯誤 =「火の鳥」です。

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html

F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

L-171202203月シークレットレクチャー -04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

L-174202203月シークレットレクチャー -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 

30代で思い通りの人生に変える69の方法

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Q-389:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 

どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35095081.html

 <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35145311.html

 

 

A3:前回(Q-388)までの7つのチェックポイントに意識を向けながら、まずは相手の「意図」を明らかにしてあげてください。そもそも「意図」に気づいていないかもしれません。

 

 自分の「意図」に気づいていない

 

 それは自由がないのと同じ。“自分”を生きていないのと同じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 相手が自分自身の「意図」を感じ始めたなら、お客さんの「意図」を感じ取ることの大切さを教えてあげてください。それは「慈悲(compassion)」をブリーフシステム(Belief SystemBS)に組み込む大切な縁起となるでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 自由や慈悲を伝える職場の先輩の「意図」まで感じ取ることができるようになった頃には、あらたな関係性が構築できているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「苫米地式 超高速コミュニケーション術」(大和出版、p29)より引用します。「コミュニケーションのカギ」をマスターし、まわりにひろげてください。

 

 

自分と相手の意図を結ぶ=関係性がコミュニケーションのカギ

 コミュニケーションをするとき、もうひとつ大切なことがあります。それは「コミュニケーション相手との関係性」です。

 そう書くと難しく感じるかもしれませんが、発信者であるあなたに意図があるように、受信者である相手にも意図があります。相手の意図を無視した一方的な意図の伝達はコミュニケーションとは言えません。ここが“スピーチ”とは違うところです。

 たとえば、あなたが自動車の営業マンで「車を売りたい」という意図を持ち、お客さんである相手は「新しい車がほしい」という意図を持っていれば、お互いの意図が合致しているため、あなたが自分の意図とそれに伴う情報(この場合は、売りたい車に関する情報)を伝えることで、相手の意図も満たされ、契約成立という両者の意図の達成に近づくことができます。それはコミュニケーションの理想的なパターンのひとつです。

 逆に、相手の意図をしっかりと把握していないと、自分(車を売りたい人)と相手(車を買いたい人)の関係性が成り立たず、まったくかみ合わないやりとりになってしまいます。

 では、あなた(営業)の意図は「車を売りたい」、相手(顧客)の意図は「車よりも家がほしい」という状況を例に、どんな会話になるか見てみましょう。

 

 あなた 「車の買い換えをされるなら、今月発売されたこの車は大変素晴らしい性能になりまして……

 相手 「へーぇ。それはすごい車ですね。でも、今は車を買い換える気はないんです。実は、家の新築を計画しているんです」

 あなた 「新築ですか。それでは、新しい家の車庫にこの新車を入れたらいかがでしょう?」

 相手 「新築にお金がかかるので、車を買い換える余裕はありません」

 あなた 「いえいえ、〇〇さんがお相手ですから、ちゃんと割引させていただくので、余計なご負担はさせませんよ」

 相手 「割引とかそういう問題じゃなく……

 

 実際にこんなやりとりをしている人は珍しくないでしょう。あなたは「車を売りたい」という自分の意図ばかりが先に出て、相手の意図を配慮することがまったくできていません。相手の意図が把握できていないから、相手が「聞きたい」と興味を持ってくれるような情報を提示できず、コミュニケーションを成り立たせることができないのです。

 自分と相手の関係性を把握できていない会話は、物事や状況を前進させることは決してありません。同じ場所をぐるぐる回りつづけるだけ。つまり、単なる時間の浪費にすぎません。

 

 自分と相手のそれぞれの意図を把握しているか、その意図は近いものか離れたものなのか、言うなれば「自分と相手の関係性」をしっかり把握することがコミュニケーションを成立させるうえでは非常に重要です。それができてこそ、お互いの意図の伝達ができます。

 もしあなたが「自分はコミュニケーション下手だ」「相手に自分の思いが伝わらない」と悩んでいるなら、その原因は実は口下手などではなく、そもそも自分と相手の関係性を把握せずに、無理やり自分の意図を伝えようとしているからではないでしょうか。

 引用終わり

 

 

 自分と相手のそれぞれの意図を把握しているか、その意図は近いものか離れたものなのか、言うなれば「自分と相手の関係性」をしっかり把握することがコミュニケーションを成立させるうえでは非常に重要

 

 この引用文を用いて説明すると、「自分の意図」が1つのゲシュタルトであり、「相手の意図」が別のゲシュタルトです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そのゲシュタルト同士は違っていていいし、どちらかが「必ず正しい」「絶対に間違っている」ということはありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 「正しい」や「おかしい」を決めるのはゴール。だから、「自分と相手の関係性」が持つゴールを明らかにすることが重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 それは「ゴールを共有する」ということ。

 L-124202111月医療・介護研修… -05;働く仲間とゴールを共有するワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32710871.html

 

ゴールを共有すると、自ずとあるべき姿(HabitAttitude)が決まっていきます。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 すると、「お客さんに対しての話し方」は、自然にゴールにふさわしく修正されていくでしょう。

 (「自然に」の理由は↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ゴールを共有すると、自ずとあるべき姿(HabitAttitude)が決まっていく

 

 それはゴール側のコンフォトゾーン(Comfort ZoneCZ)が定まるということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

「自分の意図」と「相手の意図」という別々のゲシュタルトが一つの大きなゲシュタルトになるということです(connect the dots)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ただし、そのCZやゲシュタルトはやがて変質していきます。無常だから。

 Q-245:続・気楽に生きたいのですが… -03;昇進うつの解決法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28391533.html

 

ルー・タイス・プリンシプルでいうと昨日までの夢は、今日の必需品になる

 

 このプリンシプルは「人間の夢は、その人の成長とともに発展していく」という意味ですが、「必需品」と感じられる頃には“かつての「」”は現状化しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

それは「理想的な現状を生きている」ということ。強力な現状維持の力が、さらなる進化・向上を妨げてしまうでしょう。

PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 だから、さらに先にあるゴールを探すことが必要。つねにゴールを更新し続けるという意識状態が重要です。苫米地博士の表現でいうと、「“火の鳥”になれ!」(ずいぶん前の表現ですが)。

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 

 さて、「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するための7つのチェックポイントを、「もう一段抽象度を上げて統合する」ことができたでしょうか?

 

 会社にいるほとんどの人は、過去が決めている「今、何が重要か?」が生みだすスコトーマの中にいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

会社や業界というバーチャルな存在さえも、過去の中に閉じ込められています。それが“現状”ということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 その“現状”の外側にゴールを設定し、さらに先にゴールを再設定していくことで、自分だけでなくまわりの人々のスコトーマも壊し、新しい認識を生みだすことができます。

 それは脱洗脳と同じ。

 Q-373:やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34458945.html

 

 「『“現状”という現実世界』という幻」からまわりの人々を目覚めさせるために、「どう伝えようか?」「どう接すればいいか?」と悩み続けてください。そして考え続けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

もちろん気楽に。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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-関連記事-

F-303:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.5;芸術とコーチング(Authentic Coaching)とリーダーシップに共通する境地

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L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

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苫米地式超光速コミュニケーション術

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L-177202203月シークレットレクチャー -10(最終回);自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

 09;ラベリングにより到達する境地

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html

 10;自由なマインドで「物事を高所から俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

 

 

 

 ここまで「『ゴール(w2)』と『現状の自我(BS=p=w1)』という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトが作られる」ということについて確認しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 最後の2回は実践編。ゴールの世界を統合していくためのワークを紹介します。

 

前回(L-176/09)は「過去の評価関数を変える方法」としてのラベリングでした。このラベリングは、時間の流れを「未来から現在、過去へ」と変える効果もあります。

コーチング実践者にとっては、未来が「因」で、過去が「果」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

ラベリングによって、過去の記憶に紐付く「B」や「D」を取り除くことができれば、苦手意識とか不得意だとか決めつけて逃げることはなくなります。

Q-203:「自分自身が最大のドリームキラー」という意味はどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26417115.html

 

つまり、ラベリングによって評価関数を変えていくことで、ますます自由度の高い人間になれるということ。そう、ラベリングにより到達する境地(意識状態)とは自由!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

自由とは、無意識がゴールに関係するかどうかを勝手に判断してくれる状態のこと

自由とは、無意識下で縛られている制約に無意識が気づいてくれるようになること

 

 そんな自由を、私たちはモニタリング&ラベリングで手に入れることができます。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 

 最後に御紹介するのは、手に入れた自由なマインドで「物事を高所から俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク。具体的には「様々なジャンルの音楽の中からランダムに20曲くらい選んで聴く」というものです。

 

 著書「夢が勝手にかなう脳」(講談社)の中で、苫米地博士は「私はだいたい月に2000曲くらい、『iTune』のミュージックストアで買い物をしています」「とにかくありったけ買う、というスタイルです」と書かれています(p135)。

 

 

夢が勝手にかなう脳

Kindle版はこちら↓

夢が勝手にかなう脳 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 月2000曲購入はハードルが高いと思いますが、皆さんのデジタルデバイスにはけっこうな数の曲がすでにストックされているはず。

 その楽曲の中から直感で20曲くらいを選んでプレイリストを作り、実際に聴いてください。それがワークです。

 

 ワークを行っているときの理想的な感覚を言語化すると

 

 音楽を大きなフレームで見てゲシュタルトをバーンと広げ、より高い視点から音楽全体を見下ろし、自動的に自分が聴くべき曲を選び出す

 

 抽象度が高いゴールにリアリティを持てる人は、「ランダムに散らばっているカオスの世界を瞬時にしてパターン認識し、最短・最速で思い通りに結果を出す能力」が備わっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それがゲシュタルト能力!

 その本質は「〇〇」を感じ取る力です。

 (「〇〇」とは何でしょう? 詳しく知りたい方はこちら↓)

 Q-268:薬をやめることができますか? <前編:induction

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29185121.html

 

 「〇〇」が“正しく”感じ取れるようになると、仕事や人間関係など、すべてがうまくいくようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

より高い視点で多くの情報を一瞥し、そこから不要な情報(Nil)を捨てて、必要な情報(T)だけをピックアップできるようになるから。それは能動的なRAS&スコトーマのコントロールといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そのような能力を磨くためのワークが、「20曲くらいを選んでプレイリストを作り、実際に聴く」。その感覚を身につけたら、今度は苫米地式にふさわしいワークに取り組みましょう。

 

 そのワークとは、「あるテーマを決めて、苫米地博士の著書から数冊を選び、そのテーマを博士の言葉(著書からの引用文)を使って説明する」。

 

 以下、「夢が勝手にかなう脳」(p137)より引用します。

 

 

 先ほど「ゲシュタルト」という言葉を使いましたが、これはカオスからパターンをつくることを意味します。何も特別な能力ではありません。皆さんも日常的に経験しているはずです。

 たとえば新入社員のころは、目の前の仕事しか見えません。その仕事にどういう意味があるのか、どんな役に立つのか、どうすれば早く処理できるのか、よくわからなかったでしょう。自分の周りに知識や情報はあるけれど、断片的に散在しているカオスの状態だからです。

 でも、経験を重ね、知識を習得するにつれて、カオスだった知識や情報に意味や関係性があるとわかるようになります。思考の抽象度が上がって、新しいゲシュタルトができたからです。

 一般的には「経験知」などと表現されますが、それは新しいゲシュタルトを積み上げていくことでもあります。

 ただし、抽象度の高いゴールにリアリティを持てる人は、会社とか業界とか、一つの系のなかでゲシュタルトを積み上げた結果、高い抽象思考ができるようになったわけではありません。そんなのは単純に「経験を積んだ」だけです。系の外はスコトーマのカオスのままです。

 そうではなくて、抽象度が高いゴールにリアリティを持てる人は、あらゆる系が渾然としているカオスの世界を、瞬時にパターン認識できるのです。

 ここまでゲシュタルト能力が高まっているからこそ、何事も高所から俯瞰して行動し、最短・最速で結果を出すことができるわけです。判断に困ることも、誤ることもなくなるのです。

 引用終わり

 

 

抽象度が高いゴールにリアリティを持てる人は、あらゆる系が渾然としているカオスの世界を、瞬時にパターン認識できる

 

 コーチングとは、「『ゴール(w2)』と『現状の自我(BS=p=w1)』という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトが作られる」こと。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価がvol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 それは「抽象度を上げながら“自我”を巨大化し、自由自在になっていく」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 一言でいうと「観自在」。その実践法がコーチングです。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 さらに今講義のメインテーマ「」と重ねていうと、自身の自由意思で見いだしたゴール側から「囚」を再構築すること。つまり、「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」がコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 

因4(緑:情報空間・超言語)

 

 

 私たちはそれぞれの「空」なる世界に、それぞれが役割を持たせて「仮」なる世界をつくりあげています。

 

その時に「この人も役割を果たしている」「私も役割を果たしている」という視点ができると、ひとつ外側の視点になり、それぞれの役割の持たせ方が違うことが許容できようになります。「空」と「仮」という論理よりも1つ上の視点が生まれるから。

 

 それは「空=ゴール(w2)」と「仮=現状の自我(BS=p=w1)」の間に臨場感という橋を架け、新たなゲシュタルトができること。そのゲシュタルトが「中」。

その「中」、すなわち中観がコーチングの基盤です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 まずは過去の記憶でつくられた「これまでの『フレーム=BS可能世界w)』」を明らかにすること。そして

→ スコトーマを外しながら、

→ 新たなゴールを設定し、

→ 高い次元に「新たな『フレーム=BS別の w1)』」を再構築する

=グレインサイズが大きくなる

=ゲシュタルトを統合

=抽象度が上がる

 → 人生がますます豊かになる

  =世界(宇宙)がますます豊かになる

 

 

最後にもう一度伺います。

 

「囚」を見て、どのようなイメージが浮かびますか?

 

2021年11月シークレットレクチャー2

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

→ 人生がますます豊かになる

  =世界(宇宙)がますます豊かになる

 

 その理由は、「自分」と「世界(宇宙)」は表裏一体だから。

 S-04-24~6:「鏡の中の自分に微笑みかけること」の本当の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23983088.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057099.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24116667.html

 

 自分=世界(宇宙)は慈悲が満ちあふれているはずですが、苫米地博士はそんな慈悲さえも乗り越えろと仰います。「慈悲をコンフォートゾーンにしてはいけない」と。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 以下、「近未来のブッダ」(サンガ、p171)より引用します。コーチングを実践する自分=世界(宇宙)が向かう先を感じてください。Feel

 

 

慈悲を乗り越える

 もし、私が『百年後の日本人』に書いたように、いずれみんながつながって個がなくなる時代に来たら、他人の痛みは自分のものになります。じゃあ、そうなったら慈悲は不要になるかといったら、とんでもありません。というか、より飛躍のチャンスです。

 人類が一つになったら、違う星の生命体に対する人類の慈悲が発揮できるようになります。あるいは人類が一つの意識をほぼ共有しても、それぞれの個はあるから完全共有ではありません。そのとき、ますます慈悲が重要になります。たくさんの個が集まれば力を持ちますから、それが間違った方向に行けば、人類じゃなくてもイルカやクジラを殺しまくってしまうかもしれません。あるいは、隣の星に行くことができるようになっていれば、隣の星を滅ぼすかもしれません。その危険性は今の世の中と同じです。それをしない慈悲はつねに必要なのです。つながっていたら、なおさら必要になります。

 端的に言えば、他者がある限り慈悲が必要です。他者がない概念をいつか覚えないといけません。それはつまり、慈悲を乗り越えるということです。

 そう、実は、慈悲はいつか乗り越えるべきものなのです。抽象度が極限まで上がれば、すべてが自であり他になり、同情や憐れみなどを持ち得なくなるのですから。私たちは慈悲を乗り越えるものとして設定して、いつか乗り越えることができるということを確信し、そこに向かって実際に役立つ行動を起さなくてはなりません。

 行為はものすごくたくさんあります。相手の状況によって行為がぜんぶ違ってきますから、何が慈悲の行為かを先に定義することはできませんが、他者は自分の延長ですから、やりたいこと、やるべきことだと思えることはすぐに決まるでしょう。

 引用終わり

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-209:マトリックス/Matrix -04Resurrections;慈悲的人類の進化>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27122988.html

F-297~8:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.4~5;苫米地式次世代リーダーが作る次の世界>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31764601.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31815930.html

L-142202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-05;人の成長(人間形成)や進化・向上は情報空間で起こる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

Q-283:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.3;「イライラ」と「ドーパミン」、コントロールが難しいのはどっち?>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29757834.html

Q-374~:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429253.html

 

 

近未来のブッダ



L-175202203月シークレットレクチャー -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

 

 前回(L-174/07)は「知識」について確認しました。今回は「学習」について確認しましょう。

 

ヒトの脳を作るのに使われる遺伝子情報は約1億ビットと推定されています。それに対し、実際の成人の脳形成に必要な情報量は10兆ビットなのだそう。

つまり、「ヒトの脳は環境からの情報入力により、遺伝子情報よりも10万倍も複雑な構造を形成していく」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

それを可能にしているのが学習です。「天才」は後天的に作られるのです。

 F-291:今日1日だけは… vol.4;「超人脳」獲得への2つのステップ 2)論理を超える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31405631.html

 

抽象度の低い脳科学的な視点で考察すると、学習とは「環境からの情報によって神経回路網が変化することです。このような変化は神経細胞どうしを結ぶシナプスの可塑(かそ)性によって可能となります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

可塑性とは、粘土に力を加えると、形が変わったままになるような性質のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

環境からの情報入力によってシナプスの結びつき方や情報の伝導効率が変化し、特定の情報を処理する神経細胞網が形成されます。すると、学習が達成されたことになります。

では、ここで問題。

 

「学習」は成功から生まれるでしょうか? それとも失敗から生まれるでしょうか?

 

 

何かを思い出すとき(例えば高校時代のことや旅行のことなど)、ハプニングや辛かったこと、苦い思い出がでてきませんか?

(私の思い出は↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28053878.html

 

このことからもわかるように、人間の学習は失敗から生まれます。今でこそ成功に学ぶという方法論もありますが、実際に何かを試みる場合は失敗から学ぶことが圧倒的に多いはずです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

人は失敗の積み重ねの中から成功をつかみ取っていく存在です。

 F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34206232.html

 

抽象度の高い認知科学的視点で考えると、学習とは「失敗とそれを修正しようとする調整の繰り返しのこと。私たちが認識しているものは、じつは、失敗の総合。目の前の世界は、失敗の歴史です。

 L-066202011月シークレット… -01目の前の世界はすべて〇〇でつくられている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28908637.html

 

そういうわけで、失敗のイメージから抜け出すことは、とても大変。

しかし、今は素晴らしい方法論が確立しています。それがコーチングです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

過去の自分の判断や行動について悩んでしまう方も、まったく心配はいりません。

その認識・判断・行動が何をもとに生まれたのかチェックすることはスコトーマを外すために重要ですが、心から望むゴールがあり、それに向かっているという確信があれば、結果がどうであろうがまったく悔いる必要はないのだから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

なぜなら、その認識・判断・行動は、その時点でのゴールへ向かうベストだから。振り返って「失敗だった」と思えば、今それを修正すればよいだけのこと。

それが学習。そして、その積み重ねがゴールに向かう進化・向上となります。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

過去の出来事の事実は変わりませんが、その意味または解釈については、今の行動とそれを生みだすゴールにより書き換えることが可能です。時間は未来から過去へと流れているからであり、その未来は“現状の外”へのゴール設定によりつくりだせるからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

さらに苫米地理論によって考察を深めると、学習とは「環境と情報をやり取りしながらゴールの世界を現実化しようとするホメオスタシス活動」だといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

心から実現したいゴールがあるから、それを実現するために必要な情報が手に入ります。「ゴールが先、認識は後」です。

Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

心から望んでいるから、自然に手に入る

 

それが学習。誰かに言われたからやるといった“勉めて強いる”的な「勉強」とは決定的に異なるのが、本来の意味での「学習」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

人間はやりたいことをしている時にIQが上がります。楽しんでいる間にますます創造的になります。それを“あたりまえの状態”とした時に、人生から失敗はなくなります。

 

すべてがゴール実現のための学びの機会になるからです。それがゲシュタルト(化)の感覚。ゴール側のコンフォートゾーン(化)の感覚です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再版、p205)より再引用します。「ゴール」と「ゲシュタルト」の関係性を理解し、「新たな世界(w2)」をソウゾウする感覚をつかんでください。Feel

 

 

現状の外のゴールは、ゲシュタルト能力によって叶う!

 そして、ここからが大切なのですが、ステップ7で私がゴールは現状の延長線上ではなく「現状の外に設定せよ」と述べたのも、実はまさにこのゲシュタルト能力を人間が備えているからです。

 「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトがつくられます。

 双方向性が働いて1個のゲシュタルトができるということは、その橋が架けられた状態がコンフォート・ゾーンになる。つまりそのゲシュタルトにホメオスタシスが働くということです。

 そうなればしめたもの、体の各部位や体全体が連動して展開することで歩行が実現するように、今の自分(部分)となりたい自分(全体)が双方向的に関わり合い一つの大きなフレームを瞬時につくり上げることができます。ゴールが見えなくても関係ありません。むしろ、ゴールが見えない方が、このプロセスの中でスコトーマがはずれ、ゴールに有用なものがどんどん現れ、ゲシュタルトがより強固になる。結果いつのまにか現状の外にある抽象度の高いゴールが叶うのです。

 これが、現状の外のゴールが叶うメカニズムです。

 私たちは本書で見てきたようにこの世に生まれ落ちたときから、さまざまな他者からの洗脳を浴び続けています。「現状の環境」と「自我」の間にゲシュタルトを築き、無意識にそこをコンフォート・ゾーンにして生きてきたといっていいでしょう。いわば、社会的洗脳状態というゲシュタルトを日々強化しながら生きているのです。

 しかし、それでは私たちが本来持つ無限のポテンシャルは発現できません。現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができるのです。

 引用終わり

 

L-176につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

つまり、「ヒトの脳は環境からの情報入力により、遺伝子情報よりも10万倍も複雑な構造を形成していく」ということ。それを可能にしているのが学習です。「天才」は後天的に作られるのです

 

苫米地博士は、「天才」を「高いレベルで抽象思考をし、ときどき内部表現宇宙から『空』へ頭を出せる人」と表現されています↓

F-335:分断緩和のための処方箋 vol.6;「内部表現から頭を突き出し」というゴール

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33671632.html

 

 *「空」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

  

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-036:縁起と宇宙と教育や学習の関係 ~「何もないところからレンブラントを発見」の補足説明~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963314.html

F-211:研修医時代の思い出 ~自由な発想の教授からの“無茶振り”に学ぶ~

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L-133202111月シークレットレクチャー -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係

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Q-141:前頭前野優位な状態で認知的不協和を解決していくことは無理なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22599454.html

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

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F-360:自由訳「OODA」 <vol.6;「OODA」とは〇〇〇そのもの ver.2

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34906708.html

 vol.5;コーチとして思う「OODAループ」の正体

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34957491.html

 vol.6;「OODA」とは〇〇〇そのもの ver.2

 

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 これが真であるのなら、「OODAループ」は生命現象の一つのあらわれといえるはず。それは現状の外にゴールを設定することで解き放たれる生命力そのもの!

 

 

 今回のサブテーマは「『OODA』とは〇〇〇そのもの」のver.2

さらなる視点で自由に「OODA」を拡張します。鍵は「抽象度」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

まずは「OODA」をこのように再定義してみました

 

 OObserve    = 抽象度を上げる準備

 OOrient      = 抽象度を上げながらゴールを設定しCZをつくる

 DDecide     = ゴール側のCZ(高い抽象度次元)の臨場感を維持・強化する

 AAct          = 抽象度を一気に下げて実装化

 

 それぞれをシンプルに解説します。

 

 

OObserve = 抽象度を上げる準備>

 「抽象度を上げる準備」としての観察とは、「モニタリング」のこと。具体的には、無意識で行っている呼吸を意識に上げながら、自身の心身を観察していきます。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 呼吸を意識に上げることはとても重要です。なぜ?

 

 そう、呼吸は生命維持に必要なホメオスタシス活動でありながら、意識でもコントロールできるから。呼吸を上手く利用することで、「心身をリラックスさせて抽象度を上げながら、意識をホメオスタシスに介入させる」ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 違う表現でいうと「Rゆらぎ」。「現実世界R」に意識を向けると、その瞬間に「R」ではなくなります。自分の意識が介入することで「R」は「Rゆらぎ」になります。

 L-05620208月シークレットレクチャー -02;「〇〇〇〇」でゴールの世界に誘う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

 呼吸に意識を向け続けると、リラックスとゆらぎを得ながら、「物理空間から体感を切り離し、より高次の情報空間に臨場感を感じる」ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

OOrient = 抽象度を上げながらゴールを設定しCZをつくる>

 これまで確認してきたとおり、「Goal comes 1st.」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 しかしながら、最初に設定するゴール(らしきもの)は、ほぼ現状の中。現在のブリーフシステムが想定する「理想的な未来」であることがほとんどのはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 それは「現状の最適化」です。たいていは同じ抽象度での「普通のひらめき」であり、いたって常識的な論理空間内に留まります。

 F-290:今日1日だけは… vol.3;「超人脳」獲得への2つのステップ 1)論理を極める

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31350367.html

 

 より高次の抽象度次元に向かって動きはじめるために、最初はそんなゴール(らしきもの)でもかまいません。リラックスとゆらぎを保ちながら、ゴール(らしきもの)に向かって思考を続けていると、これまでとは異なるアイデアが浮かぶはず。

それを新たなゴールとして再設定(更新)し、さらに思考を続けていきます。

この思考のプロセスが「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

コンセプチュアル・フロー(ゴールと認識)4P

 「苫米地式 思考ノート術」(Kindle版)より引用(一部改)

苫米地式 思考ノート術 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

 コンセプチュアル・フローを続けていると、「すべてがつながり一体となる」ような感覚が生じます。それが「ゲシュタルト統合(再構築)」の感覚。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルト統合(再構築)をコーチングに寄せて表現し直すと、「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)化」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 それは「『ゴール(w2)』と『現状の自我(BS=p=w1)』という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架ける」ことともいえます↓

 L-171202203… -04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 

 ゴールの世界がCZ化すると、さらに理解が深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その結果、「本物のひらめき」と「自由」を手にすることができるようになります。

 F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

 

 

DDecide = ゴール側のCZ(高い抽象度次元)の臨場感を維持・強化する>

 「DDecide」とは意思決定のこと。別の言い方でいうと「選択」です。無限にひろがる可能世界からたった1つを選びだす選択。完全な自由意思による選択です。

 Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります<前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 「可能世界(possible world)」とは、想像力で生みだす仮想世界(ImageImagination)のこと。仮想世界のイメージに対する臨場感が高いほど(Vividness)、そのイメージは現実化していきます(Reality)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ここで問題が生じます。抽象度が上がるほど、臨場感が下がってしまうのです。通常は。

 L-11320219月シークレットレクチャー -01;夢

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32063846.html

 

 だから、ここでのポイントは臨場感の強化。そのために行うのが「ビジュアライゼーション」「アファメーション」「セルフトークのコントロール」です。

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

 *「セルフトークのコントロール」はこちら↓

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

 さらに臨場感を高めるために、私は「共感覚」を重視しています。

 Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 

AAct = 抽象度を一気に下げて実装化>

 コーチングによって情報場の因果関係を書き換えれば(BS=p=w1w2)、その情報因果は情報空間から物理空間へと影響を与え、物理空間で現象化します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 ただし、本当に物理空間で現象化するためには、クリアしなければならない課題があります。それが「物理法則の制約をふまえる」こと。

 ここでポイントとなるのが「知識」と「技術」。それも圧倒的な知識と技術です。

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 

 さて、今回のサブテーマ「『OODA』とは〇〇〇そのもの(ver.2)」の「〇〇〇」はイメージできたでしょうか?

 

 答えは「超瞑想」。イメージできた方はゲシュタルトができています。イメージできなかった方は、この機会にぜひゲシュタルト化(CZ化)してください。

 

 以下、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所、p21)より引用します。

 

 

超瞑想法で重要な3つのポイント

「正しく見る」「自由自在に見る」「臨場感を維持する」

 

 それでは、一体どうしたら「超瞑想」を身につけ、自分や世界を思いのままに変えることができるようになるのでしょうか。

 その前提となるのは、私がこれまでさまざまな著書で説いてきた「抽象度」です。高い抽象度に立たなければ、超瞑想力は獲得できません。そのうえで重要になってくるのが「正しく見ること」「自由自在に見ること」「臨場感を維持すること」です。

 さらに、本書では獲得した超瞑想力をどう使えばいいのか、それについても解説しています。

 

 ここで、それぞれの章立てをお知らせしておきましょう。

 

 第1章 抽象度を上げ、正しく見るトレーニング

 第2章 自由自在に見るトレーニング

 第3章 臨場感を維持するトレーニング

 第4章 実際に超瞑想力をどう使えばいいのか

 

 ちなみに、本書で教える超瞑想法は、一般的にイメージされる瞑想法とはまったく違うため、通常瞑想について書かれた本にあるような「正しい姿勢」や「一日何分ぐらいやればいいのか」などといった制約は一切ありません。

 大切なことは1つだけ。リラックスして行うことです。

 リラックスした状態で、24時間、いつでもどこでも、どんなときでも、瞑想中であることが理想です。そうなるために、最初はリラックスしながら集中できる時間を自分で決め、毎日取り組んでみるといいでしょう。

 

 それでは、そろそろ超瞑想の実践へと進みましょう。

 引用終わり(続きはこちらでどうぞ↓)

 Amazon.co.jp: 思うままに夢がかなう 超瞑想法 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

  

 超瞑想とは、「自分の心をコントロールして、自分や世界を形作っている関係性(ネットワーク)を変えることで、自分や世界のあり方を自由自在に変えてしまう」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 もちろん、それはコーチングそのものでもあります。

OODA」を意識に上げながら「思うままに夢がかなう 超瞑想法」に書かれているワークに取り組むことで、コーチングをさらにブーストすることができるようになるでしょう。

ぜひ取り組んでください。

 

 第1章 抽象度を上げ、正しく見るトレーニング

  ↑ OObserve = 抽象度を上げる準備

 2章 自由自在に見るトレーニング

  ↑ OOrient = 抽象度を上げながらゴールを設定しCZをつくる

 3章 臨場感を維持するトレーニング

  ↑ DDecide = ゴール側のCZ(高い抽象度次元)の臨場感を維持・強化する

 4章 実際に超瞑想力をどう使えばいいのか

  ↑ AAct = 抽象度を一気に下げて実装化

 

F-361につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

ただし、本当に物理空間で現象化するためには、クリアしなければならない課題があります。それが「物理法則の制約をふまえる」こと。ここでポイントとなるのが「知識」と「技術」。それも圧倒的な知識と技術です

 

 補足します。

 ゴールを達成するため、すなわち実装のための「知識」と「技術」が明確な場合、おそらくそのゴール(らしきもの)は現状の中にあります。得られるのは「普通のひらめき」であり、知識や技術を駆使するほど「現状の最適化」になってしまいます。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 本気のコーチングは、ゴール達成(実装)のための試行錯誤の過程で、「知識」「技術」ごと見つけていく感覚。それが「invent on the way」であるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 「OODA」=超瞑想によって情報因果を正しくかつ自由自在に見ることができていれば、ゴール自体はぼんやりとしたままでも、「何をすべきか?」という道筋ははっきりとわかるようになります。

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

その体感があれば、必ず「invent」できます。あとは信じ切るだけ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

その確信は、やがて革新へと変わっていくはずです。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-189~:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです

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L-10720218月シークレットレクチャー -09;「I×V」とは〇〇

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超瞑想法

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L-174202203月シークレットレクチャー -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html

 05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 

 

前回(L-173/06)は、“闇”への対処法について書きました。その本質は「抽象度を上げながら“自我”を巨大化し、自由自在になっていく」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを一言でいうと「観自在」。その実践法がコーチングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

コーチングを違った表現であらわすと、「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けること。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 そのために絶対に欠かせないものがあります。何でしょうか?

 

 

 答えは「知識」。

 今回は、あらためて知識について考えていきましょう。まずは歴史的な話から。

 

 かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」が大前提でした。それを「単調論理」と呼びます。

 そんな単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。

S-01-12三段論法がダメな理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658325.html

 

 その基本構造は「データ(事実)」「ワラント(根拠)」「クレーム(主張)」の3つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

さらに「バッキング(論拠)」「クオリファイアー(確率)」「リザベーション(例外)」の3つを足した六要素で論理構築が行われます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12504855.html

 

 

トゥールミンロジックの6要素

*詳しくはこちらをどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 先ほどの「例外のない法則はない」とは、「リザベーション(例外)」のこと。その根底にあるものを、西洋哲学で表現すると「不完全性」「不確定性」、東洋哲学では「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 いずれにせよ、「正しいもの以外は知識とは呼ばない」という大前提を外し、「間違っていても知識と呼ぶ」「真偽値が定まっていない知識を知識として認める」としたことで、この世界をより正確に記述できるようになりました。それが「非単調論理」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 と、ここまでが歴史の話。

 

 

 現代分析哲学では、知識とは「可能世界から可能世界への到達可能性関数」です。よって、現実世界で実現可能な関係であれば知識、実現不可能であれば妄想といえます。ここでいう現実世界とは、「情報空間のうち誰もが共有している世界」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 抽象度という軸で宇宙を並べ替えた場合の底面、すなわち一番情報量が多い次元が物理空間です。その物理空間が「情報空間のうち誰もが共有している世界」だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 つまり、「現状の自我(BS=p)」が生みだす現実世界という可能世界(←多くにとっては物理空間、w1)から、現状の外への「ゴール設定」で自ら生みだす新たな可能世界(w2)へ移動する関数が「知識」

 

 最新の苫米地博士の表現(「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」)に沿って言い直すと、「現状の自我(BS=p)」という情報場(w1)から新たな情報場(w2)へ移動するための乗り物が「知識」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 以下、苫米地博士の著書「年収1億円プレーヤーの仕事哲学」(宝島社)のCHAPTER-3「情報収集において決して検索エンジンを使わない」(p100)より、2回に分けて引用し(青字)解説します。ゴールの世界(=ゴール側のコンフォートゾーン)に移行する秘訣をマスターしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

年収1億円プレーヤーの仕事哲学

 

 

▶検索エンジンで知識は増えない

 前ページでも述べましたが、1億円プレーヤーは、ネット空間の情報を盲信しません。ですからグーグルなどの検索エンジンで情報を集めることもありません。あなたがもし、「検索エンジンは便利」と思い込んでいるのであれば、まさにそれがスコトーマです。検索エンジンは「意図的な情報操作を受けるリスクのある情報」を信じさせられる可能性がある上に、「決して知識が増えることのない」ものだということを知ってください。

 ネット空間の匿名性の高い情報が、操作を受ける可能性のある信用に足らないものであることは、おわかりいただけたと思いますが、検索エンジンを使っても知識が増えないのはなぜなのでしょうか。

 我々の目の前にある情報は、脳が過去の記憶をもとに「これは重要である」と判断し、認識されています。過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません。

 ですから、もしあなたが検索エンジンで知らない情報を見つけたと感じたとしても、それは必ず過去に知っているものであり、本当に知らないものは認識できません。情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚なのです。

 引用終わり

 

 

 以前(L-171/04)引用した苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)には、このような記述があります。

 

 

 認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです

 

 

 この言葉をシンプルにすると「I×V=R」。

 「I」とはImaginationImageのことで、「脳が過去の記憶をもとに『これは重要である』と判断し、認識」したものの投影です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 「過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません」とは、RASReticular Activating System)&スコトーマ(Scotoma)の話。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 前回(L-173/06)取り上げた「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法としても、RAS&スコトーマをしっかり理解し、正しくコントロールすることが重要です。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その第一歩が「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。そして、そのための基本中の基本が呼吸のコントロールです。

 L-166202201月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 以下、引用のつづきです。

 

 

▶大切なのは「例」ではなく、「概念」を増やすこと

 あなたの目の前を「車」が通り過ぎたとします。もし、仮にあなたが車という「四輪で動く機械」という「概念」を過去の記憶としてもっていなければ、車を見たとしても、何か得体の知れない動くもの程度にしか認識できないはずです。車という概念が過去の記憶として備わっているからこそ、目の前の車が「新車」や「レアモデル」であるという「例」が、あなたの脳にプラスされていくのです。

 検索エンジンで情報を調べるということは、この「例」を増やしている行為にあたります。あなたの脳が認識できるのは、すでに過去において知っている概念の例に過ぎず、膨大にある例のなかから、ときどき気になる例を引き出しているに過ぎません。ひとつの概念にどれだけの例を増やしたとしても、決して知識を増やしたことにはなりません。

 1億円プレーヤーに必要なのは真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識すること。つまり「例の数」を増やすのではなく「概念の数」を増やすことです。新しい概念を知るためには「まず対象に直接接する」。そして「五感を使って対象を認識」したうえで「抽象度を高めて概念化する」ことが必要です。

 ですから、この章で述べたように1億円プレーヤーは、情報の発信源に自ら実際に行き、五感でその情報を感じ取ることを常としているというわけなのです。

 引用終わり

 

 

 繰り返しますが、「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法の第一歩が、「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。

 

 そして、対処法のコアが「真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識する」こと。そのために「『例の数』を増やすのではなく『概念の数』を増や」していきます。ここで言う「概念」とは、ゲシュタルトのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 新しいゲシュタルトを得るための秘訣が

 

 対象に直接接する五感を使って対象を認識抽象度を高めて概念化

 

 そのプロセスの強化のために、私は「共感覚」をお勧めしています↓

 L-167202201… -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34445624.html

 

L-175につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 苫米地英人博士は著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版)の中で、「(ノートにおける)知識とは、潜在的に他者と共有しうる物事の関係性のこと」と定義され、例として「村上春樹を知っている」という場合の「知っている」の意味を分析されています。

1)知り合いだ                  → 共有できない関係 =妄想

2)名前は知っている       → 知識ではなくラベル

3)どんな作品を書いている人か知っている  → 共有できる関係 =知識

 

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 

苫米地 思考ノート術

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>

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Q-362:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか? -A1<ノートとメモの違い>

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L-171202203月シークレットレクチャー -04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に

 

 

 現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる

 

 苫米地博士が語られている「無限の可能性を開花させる」は、おそらく、とてもとても大きな話です。そのスケール感が実感できると、エフィカシーが桁違いに高まっていくはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 その理由は、前回書いた「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)のこと」という表現中にあります。

 Q-178:家族ががんで治療中です。どうすれば -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 

 前回(L-170/03)は、ゴールのポイントを説明しました。それは1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして4)自分中心を捨て去る の4つ。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 3)人生のあらゆる領域にゴールを設定することは、複数のカテゴリを同時に意識に上げ続ける訓練になります。その結果、自然に抽象度は上がっていきます。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

4)自分中心を捨て去るというのは、儒教的な「滅私」「無私」という意味ではなく、「部分関数としての“自分”をどこまでも拡大・拡張していく」ということ。それは「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」ことそのものです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *「抽象度」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そもそも2)心から望むもの の多くは抽象度の低い次元にあります。仏教でいう「煩悩」とは、抽象度を引き下げる力のこと。ほとんどの人は、煩悩により、抽象度が最も低い物理空間に縛られています。だから「フレーム=BS)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

 1)現状の外へのゴール設定によって物理空間(次元)から離れられても、私たちは情報次元で強力に縛られます。その代表が「言語」。情報次元をであらわすなら、「フレーム=BS)」です。

 Q-057自分を取り戻せました!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12803279.html

 

コーチングの観点で考えると、「言語化」には下記のような課題があります。

 ①want tohave toに変わる

 ②ドリームキラーが生まれる

 ③エフィカシーが下がる

 ④抽象度の上限ができる

 ⑤言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる

 (詳しくはこちらでどうぞ↓)

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 

私がよく引用する「考えるな、感じろ (Don’t think. Feel.)」というフレーズは、映画「燃えよドラゴン(原題:Enter the Dragon)」での主人公(ブルース・リー)の言葉。

ここでいう「考えるな(Don’t think)」は、「思考=情報処理活動をするな」という意味ではなく、「言語情報処理をするな」という意味です。詳しくは「言語により構築された世界(抽象世界)を超えて、非言語情報処理を行え」。

その「非言語情報処理」が「感じる(Feel)」です。

L-08520213月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 

脳の機能でいえば、「前頭前野外側部を抑えて、前頭前野内側部を活性化する」ということ。さらには「左脳言語野の活性を抑え、右脳言語野を活性化する」。それをフレームであらわすと「フレーム=BS)」。

L-08320213月シークレットレクチャー -06;心の本質を捉える基本中の基本

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30130987.html

 

 「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」という変化を、苫米地博士は「可能世界wから別のw1への移行」と表現されています。

 (*現在の博士の表現は「可能世界w1から別のw2への移行」です)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

コーチングは可能世界 w から別の w1 への移行を促す

「バラいろダンディ」(TOKYO MX

20211213日放送回より引用

コーチングの基本概念を習熟して新年に向けてエフィカシーをブーストしよう Dr.苫米地 2021年12月13日 (youtube.com)

 

 

 その「可能世界w1から別のw2への移行」と前回(L-170/03)の引用文を合わせると、

 

 「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトが作られる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 さて、苫米地博士が語られている「現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる」ことがとても大きな話であろうことが感じられるでしょうか?

そのスケール感が実感できると、エフィカシーが桁違いに高まっていくわけは?

 

 以下、苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)より引用します。コーチングによる「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」→「フレーム=BS)」という変化をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

脳があるから宇宙がある

 脳機能の研究においては、これまでに話したような高い次元、抽象度の高いところでの機能を解明していかなくてはなりません。

 そうなると、脳の研究とは、つまり物理の研究から機能の研究になったとき、どうしても哲学、数学、心理学が必要になり、ファンクショナリズムを信じる認知科学の研究になるわけです。

 そうした脳機能の研究で、なぜ宇宙を語れるようになるかといえば、宇宙そのものを生み出しているのが脳だからなのです。

 それがファンクショナリズムの基本的なパラダイムであり、唯識のパラダイムです。

 私はディスカバリーチャンネルのナビゲーターをしていましたが、そこでの宣伝文句で「人体がわかれば宇宙がわかる」といっています。

 人体がわかれば宇宙がわかる。イコール「脳がわかれば宇宙がわかる」であり、つまりは「脳がなくては宇宙はない」ということと同じです。

 多くの物理学者は、そんなものがなくても宇宙はあるというのですが、波動方程式を書く者がいなかったら宇宙は存在するのか。

 記述を行う者がいるから、それは存在するのです。

 宇宙を記述する波動方程式ではなく、それを見るという我々、星を見る我々でもいいのですが、認識する我々の存在がなければ、宇宙は存在しないのです。

 認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです。

 まさに不確定性原理がいう「観測している者はだれですか」という質問なのです。それは我々の脳が宇宙を観測しているからであって、脳がなかったらビッグバンはないのです。

 それが、認知科学と脳科学が現在までに得るに至った定義でもあると思います。

 

 また、脳というものと宇宙というものには共通のテーマがあります。同じ問題を抱えているといってもいいでしょう。

 それが、“場”という概念です。場を考えることで、いろいろな仮説を立てることができます。

 例えば、脳の中にはなぜ脳波があるのか。その仮説の一つとして、脳波は、CPUの処理速度を決めるクロック周波数のようなものである、という考えがあります。

 CPUのクロックサイクルと同じように、何らかの情報処理をするためのクロックサイクルを発信する能力を脳が持っていて、その発信の結果として脳波がある。ただし、発信周波数がなぜかダイナミックに変わるという不思議なクロックなのですが。

 私は、脳は周波数変調しているのではないかと以前から考えています。

 周波数変調というのはFMラジオと同じで、例えば、八一・三メガヘルツという規定周波数帯があって、その周波数上に変調をかけることによって情報を伝達する方式です。基板周波数があって、搬送波の周波数を送信データの信号に応じて変化させることによって情報が送れるのです。

 同様に、脳も基板周波数の脳波があって、その上で変調をかけているのではないでしょうか。要するに、脳空間というのは巨大な電波の場であり、また、周波数変調の場ではないか。

 そして、脳の各部位が、その規定周波調で情報を乗せ合うというものなのではないかと考えているのです。五線譜の上にオタマジャクシを書き込んでいるというようなイメージでしょうか。

 実はこれに基づいた論文をアメリカの人工知能学会で発表したことがあります。すると、国防総省のお偉いさんがやってきて、予算を出すといってきたのです。

 脳では場所の問題があるため、宇宙空間に何百個かの人工衛星を打ち上げて、その衛星同士で周波数変調をやれば、巨大な脳のシミュレーションができると考え、予算を提示しました。

 ただ、あまりにも桁違いの予算になりすぎたのか実現には至りませんでした。

 この仮説を裏付けることはまだできていませんが、それでもいえることは、脳というのは一つの場と見るべきなのです。生命場と同じです。

 身体という生命場においては、細胞がつま先になるか鼻の頭になるかは場で決まるわけですから、同じように脳という場のどこで神経細胞として育つかによって、どういう機能を持つかということが定まっていくわけです。

 中で動いている情報が、その場によって特殊な情報として処理され、加工される。

 単に神経回路網というレベルでの、極小化された電流のシミュレーションでできるようなものとは違う、もっとグローバルな場が脳内にあるというように考えているのです。

 引用終わり

 

 

 脳がなくては宇宙はない

 脳というのは一つの場と見るべき。生命場と同じ

 

 この教えが体感を伴って理解できたとき、「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”が感じられるはずです。さらには“闇”までも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

L-172につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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苫米地英人、宇宙を語る



F-358:自由訳「OODA」 <vol.4Act

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 vol.4Act

 

 

 前回(F-357/vol.3)のテーマは「意思決定(Decide)」。引用した文章にはこのような表現がありました。

 

行動として具体化するための方策・手段を選択し、場合によっては方針・計画を策定する段階である

 

 行動として具体化する」というのは、もちろん、抽象度が下がる方向性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が下がるほど、つまり物理空間に近づくほど、人は自由を失っていきます。具体的情報量が増えてカオス化していくから。時間や空間、お金など、物理次元では制約がいっぱいです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 その一つひとつを調整(あるいは解決)していかなければ、ゴール達成はできません。「課題をうまく調整(解決)し、矛盾なくスムーズに実行できるようにする取り組み」のことを「実装(implementation)」と呼びます。

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

その実装のために、私はいつも「エクスプラネーション・パターン法」を実践しています。

それは人工知能の研究から生まれたもので、情報の分析と次の展開の予想に使われる方法です。具体的には、失敗や期待外れが生じた際に、「なぜそうなったのか?」という理由をいくつも考えていきます。

認知的不協和のエネルギーを知的に活用するイメージです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

重要なのは「真相を探ることが目的ではない」ということ。

(その理由は↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

もちろん真相が判明するにこしたことはありませんが、やるべきことはあくまで仮説を立てることです。それもできるだけたくさんの仮説を立てていきます。“一人ブレインストーミング”をする感じで。

F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

 

たくさんの仮説をたてたら、「トゥイーキング」に移行します。

トゥイーキング(tweaking、直すという意味)とは、過去の失敗の仮説をもとに「今起こっている問題(case)」をすみやかに解決するための修正法(plan)をつくるシステムのことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

 では、そろそろ今回のテーマ「行動(Act)」に移りましょう。以下、Wikipediaより引用します。

 OODAループ - Wikipedia

 

 

行動(Act

 「意思決定」段階で採択された方針に基づいて、指揮官の意図・命令を踏まえて、実際の行動に移る。攻撃する場合には、実際の火力発揮が行われる。

 引用終わり

 

 『意思決定』段階で採択された方針に基づいて 実際の行動に移る」とあると、無意識は「意思決定(Decide)」と「行動(Act)」を分けて、つまり「分別」の意識状態で考えてしまうはず。

 

私たちの心はつねに情報空間の底面に囚われているので、ついつい物理空間だけで考えてしまいがちです(focus of attention)。トゥイーキングしているときは、とくにそうでしょう。

Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

 

 しかし、実際は物理空間も情報空間の一部。同じものの抽象度の違いに過ぎません。苫米地博士がよく用いられる表現でいうと、「心と脳」「心と体」でひとつ。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 よって、「意思決定と行動」も同じものの抽象度の違いであり、一体と考えるべきです。その“一体”がゲシュタルトの感覚です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 さらにゲシュタルトを大きくすると(connect the dots

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ObserveOrientDecideAct」でひとつ

 

 そのことを強く意識に上げながら、引用の続きを読み進めてください。

 

 

暗黙の誘導・統制とループ(Implicit Guidance ControlFeedforward / Feedback Loop

 従来の線型モデルにおいては、この実行の段階で意思決定プロセスは終了する。しかし、OODAループにおいては、再び「観察」段階に戻り、行動の結果を判定して、次の「情勢への適応」に続けることとなる。

 なお実際には、OODAループが順序通りに進むのは例外的パターンにすぎない。特にODAの部分については、ボイドのOODAループ最終版では「暗黙の誘導・統制」により「意思決定」を飛ばして進むことが理想的とされており、順序通り進められるのは、暗黙的な指示が十分でないときに限られる。これは、大部分の意思決定は暗黙的になされており、またそうあるべきであることを意味している。多くの場合、明示的な意思決定の必要はなく、情勢判断が直接に行動を統制する。ビジネススクールで典型的に教えられるタイプのフォーマルな意思決定は、経験が浅いときにのみ必要とされるにすぎない。

 引用終わり

 

 OODAループにおいては、再び『観察』段階に戻り、行動の結果を判定して」というのは、シリアルな情報処理ではなく、パラレルな同時並列的情報処理のことであるはず。

 その並列処理を可能とするのが、「ObserveOrientDecideActでひとつ」というゲシュタルト化です。

 

では、「Observe」「Orient」「Decide」「Act」を、一つ上の抽象度で包摂して“ひとつ”とするものは何でしょう?

 

 そう、ゴール!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 先ほどのトゥイーキングも、「OODA」のゲシュタルト化も、ゴールがあるからできます。

ちなみに、「再び『観察』段階に戻る」というのはラベリングのこと。ラベリングはゴール側の視点から行うものですので、ゴールなしではできません。

F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 私は「無意識を意識に上げるモニタリング」と「ゴール側から評価するラベリング」をとても重要視しています。臨場感の強化ができるからです。

 (詳しくはこちらをどうぞ↓)

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 ゴール側の臨場感が高まるほど、「明示的な意思決定の必要」はなくなり、「情勢判断が直接に行動を統制する」ようになります。あたりまえのように自然にうまくいく(現実化する)感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 なぜでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「すごいリーダーは『脳』がちがう 人を動かす3つの条件」(三才ブックス、p54)より引用します。「あたりまえ」「自然」を苫米地理論とともに感じてください。Feel

 

 

現実をすり替えることは可能なのか?

 脳の中で自分がどういうリアリティをつくっているのか-。

 人間の持つリアリティを知るための機械は、未だ発明されていません。fMRIは、脳のどこが活性化しているのかしかわかりません。できたとしても、活性化のパターンを認識して分類するくらいまでです。

 では、臨場感はいったいどのようにして築かれているのでしょうか。

 なぜ、少女は電車の揺れや窓の外の景色ではなく、小説に臨場感を感じたのでしょうか?

 

 そこにはホメオスタシスという機能が関係しています。

 ホメオスタシスとは、恒常性維持機能のこと。人間はストレスになりうる外界の環境の変化に対して、常に安定した恒常的状態に保とうとする仕組みを持っています。ホメオスタシスは、生体を生きながらえさせるために、外界とフィードバックして常に自分の情報を更新します。外界の気温が上がれば、体温を下げる。運動すれば、そのエネルギーを供給するために呼吸や心拍数が上がる……

 しかし、これはホメオスタシスの一般的な定義にしか過ぎません。ホメオスタシスの機能はそれだけではなく、実はもっと驚くべきものなのです。それは、ホメオスタシスがフィードバックするのは、必ずしも物理的現実世界とはかぎらないということです。

 

 ホメオスタシスは、仮想空間ともフィードバック関係を保てます。つまり、ホメオスタシスの働きは、物理的現実世界の環境の変化だけではなく、脳内の情報空間の変化にも反応するということです。

 世界は数え切れないほど存在します。仮想空間も含めれば、それこそ無限です。ホメオスタシスはそれらの世界とフィードバックの関係を持つことができます。

 臨場感は、最初からあるわけではありません。人間が臨場感を持つときは、仮想空間を含めた外の世界から一つを選んでいます。そして、選んだ世界にホメオスタシスがフィードバックすることで、臨場感が生まれるのです。

 

 世界は無限に存在していて、ホメオスタシスはそのどれともつながることができる-。

 このことがわかったとき、私は一つの結論にたどり着きました。

 簡単にいうと、一つの仮想空間(P)があるとします。このPに対して、自我があります。そして、自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる、ということです

 私はこれを当時サイバーホメオスタシス仮説と呼んでいました。二十年も前の話です。一般的にはCH理論とも呼ばれていました。ホメオスタシスは情報空間に広がっていて、情報空間としての仮想世界は無限にある、人間は物理集体でありながら、その無限の世界とホメオスタシスを持つことができる、ということです。

 要は、物理的現実世界でも完全なイマジネーションの世界でもどちらでもいいのです。ホメオスタシスのフィードバックが強ければ、そこに臨場感があるのです。そして、臨場感を持った世界が、その人にとってのリアルになるのです。

 物理的現実世界があるから、それに近い仮想世界があるから、臨場感があるのではありません。人間のホメオスタシスのフィードバックが強い世界に臨場感があって、そこが本人にとってのリアルとなるのです。

 

 ホメオスタシスの対象は普通は物理的現実世界です。なぜなら、物理的現実世界は、生まれてからずっと慣れ親しんできた世界だからです。

 しかし、何らかの方法で一つの仮想世界(P)にホメオスタシスフィードバックを起こすことが可能となります。すると、そちらがリアルとなります

 このことは後にオウムの洗脳事件に関わった経験で確信を得ました。

 オウムで洗脳された人たちは、親の顔が鬼や悪魔に見えていました。物理的現実世界ではありえない話です。どれだけ光の反射が違っていようが、親が鬼や悪魔に見えるわけがありません。しかし、現実に彼らの脳の中で描かれている親の顔は鬼や悪魔でした。逆に、オウムの指導者麻原彰晃の顔がとてもハンサムに見えていました。

 これは彼らのリアルが物理的現実世界とは別の世界にすげ替えられていたことを意味します。彼らのホメオスタシスフィードバックの対象を物理的現実世界からオウムの利となる世界へと変えられたために、彼らのリアルも変わってしまったのです。

 引用終わり

 

 

 世界は数え切れないほど存在します。仮想空間も含めれば、それこそ無限です。ホメオスタシスはそれらの世界とフィードバックの関係を持つことができます

 

 「ゴール側の臨場感が高まるほど あたりまえのように自然にうまくいく(現実化する)のはなぜ?」の答えは「ホメオスタシス」。

 

 ゴール側の臨場感が高まるほど、「明示的な意思決定の必要」はなくなり、「情勢判断が直接に行動を統制する」ようになるのは、ゴール側の世界(w2)にホメオスタシスが働くからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 言い換えると、「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋が架かった状態。その本質がゲシュタルト化です。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 つまり

 

OODAループ」とは、ゴールの世界(w2)に向かう強烈なホメオスタシスフィードバックであり、ゴールを縁に起こる新たなゲシュタルト化である

 

 それが苫米地式認定コーチとしての私の「OODA」の考察です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

F-359につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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L-170202203月シークレットレクチャー -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 

 

 まずゴールがあって、それから認識が生まれる

 

 コーチングにおけるコア中のコアはゴール。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして4)自分中心を捨て去る の4つ。

 L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「1)現状の外」とは、フレームの外側のこと。これまで確認してきたとおり、フレームの外側はそもそも認識することができません。スコトーマに隠れているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「2)心から望む」の主語は「私」ですが、その「私」は他人のモノサシや社会の価値観で作られています。時間でいえば、すべて過去です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 よって、心から望めば望むほど、“本当の自分”から遠ざかり、かつ過去に縛られることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 そのような状態(状況)で「3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)」にゴールを設定することは不可能です。そもそも“自分”の人生ではないのだから

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 

 今、違和感を感じていますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 ここまでの分析にはスコトーマがあります。では、足りない視点(知識)とは何でしょう?

 

 

 そう、「ゲシュタルト(能力)」。

 人は「バラバラに存在するものを統合して、新たな価値を生みだす能力」を持っています。それがゲシュタルト能力です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 「バラバラに存在するものを統合」とは、「バラバラ」の次元から一つ抽象度を上げ、「バラバラ」を包摂すること。それが「統合」という言葉の意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 低い抽象度ではバラバラ(ランダム、カオス)でも、抽象度が上がると一つの整合的な構造になります。その全体(統合)と部分(バラバラ)の関係がゲシュタルト。

 新たなゲシュタルトが生まれると、理解が深まり、それまではできなかったことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 それが「新たな価値」。本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 *「新たな世界(w2)」はこちら↓

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再版、p205)より引用します。「ゴール」と「ゲシュタルト」の関係性を理解し、「新たな世界(w2)」をソウゾウする感覚をつかんでください。Feel

 

 

現状の外のゴールは、ゲシュタルト能力によって叶う!

 そして、ここからが大切なのですが、ステップ7で私がゴールは現状の延長線上ではなく「現状の外に設定せよ」と述べたのも、実はまさにこのゲシュタルト能力を人間が備えているからです。

 「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトがつくられます。

 双方向性が働いて1個のゲシュタルトができるということは、その橋が架けられた状態がコンフォート・ゾーンになる。つまりそのゲシュタルトにホメオスタシスが働くということです。

 そうなればしめたもの、体の各部位や体全体が連動して展開することで歩行が実現するように、今の自分(部分)となりたい自分(全体)が双方向的に関わり合い一つの大きなフレームを瞬時につくり上げることができます。ゴールが見えなくても関係ありません。むしろ、ゴールが見えない方が、このプロセスの中でスコトーマがはずれ、ゴールに有用なものがどんどん現れ、ゲシュタルトがより強固になる。結果いつのまにか現状の外にある抽象度の高いゴールが叶うのです。

 これが、現状の外のゴールが叶うメカニズムです。

 私たちは本書で見てきたようにこの世に生まれ落ちたときから、さまざまな他者からの洗脳を浴び続けています。「現状の環境」と「自我」の間にゲシュタルトを築き、無意識にそこをコンフォート・ゾーンにして生きてきたといっていいでしょう。いわば、社会的洗脳状態というゲシュタルトを日々強化しながら生きているのです。

 しかし、それでは私たちが本来持つ無限のポテンシャルは発現できません。現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができるのです。

 引用終わり

 

 

 現状の外のゴールを利用したゲシュタルトのおかげで、過去も他者も能力も関係なく、私たちは無限の可能性を開花させることができる

 

 苫米地博士が語られている「無限の可能性を開花させる」は、おそらく、とてもとても大きな話です。そのスケール感が実感できると、エフィカシーが桁違いに高まっていきます(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

L-171につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

 「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」の冒頭で、苫米地博士はこのように書かれています。

 

 

 本当の集中とは、リラックスした集中です。静かなる集中です。頑張らなくても、緊張しなくても、エイッと気合を入れなくても、すーーっと集中状態に入っていける。そして仕事や勉強がサクサク進む。それが本当の集中です。

 

 

 そんな「本当の集中」を実現するために必要な“頭のゴミ掃除”が、「『頭のゴミ』を捨てれば」には書かれています。“覚醒”の夏の仕上げにぴったりの名著です。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!(Kindle版)

Kindle版はこちら↓

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める! | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon

 

 

-追記2

 「本当の集中」について考察しました。こちらもどうぞ↓

 Q-202:視点のきりかえとは、「1)現状の外からの視点」「2)現状の認識」「3)最悪の状態の想定」を切り替えて考えるということでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26408247.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34761055.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

L-11420219月シークレットレクチャー -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

Q-291:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.11;縁起的コミュニケーションのために>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29969615.html

Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

 



L-168202203月シークレットレクチャー -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

 

2021年11月シークレットレクチャー

 

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 

 

 メインテーマ「」とは、「フレーム」のこと。

 フレームは、「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky1927~2016年)が提唱した概念で、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のことです。

そのフレームを、苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 フレームとは、「認識の枠組み」のこと。フレームを持たないと、人はうまく情報を認識することができません。それを「スコトーマに隠れる」「スコトーマが外れない」などと表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

ちなみに、スコトーマを外すことができるのは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)がそろったときです。つまり

 

 人は知らないことは認識すらできない

 

例えば、普通に文章を読むだけでは、「情報」は得られても、「知識」はなかなか得られません。それなのに私たちは0から学習することができます。なぜ?

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 答えは「ゲシュタルト能力がある」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

ゲシュタルトができると、知識がないものも認識することができるようになります。苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と表現されています。

L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

人は、物事を解決するにあたって、「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」という能力を持っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

つまり、ある枠組みを作って、その中だけで思考することができるということ。その「枠組み」がフレームです。

Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

「フレーム」という言葉は様々な理論において多様な意味で用いられていますが、「ゲシュタルト」とほぼ同義と考えて差し支えありません。詳しくはこちらをどうぞ↓

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

 コーチングの“枠組み”でいうと、ゲシュタルト≒フレームとは、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そのブリーフシステムを理解することが、コーチングではとても重要です。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp88)より引用します。

 

 

◎ブリーフシステムとスコトーマ

 第3章はブリーフシステムです。第1章でも少し触れていますが、ブリーフシステムとは「未来にまで続くあなたの現在を作っているシステム」であり、これが変わらなければ、未来は変わりません。ですから、ブリーフシステムをしっかり理解することがコーチングでは重要になってきます。

 ではブリーフシステムを理解するにはどうすればいいでしょうか?

 それはスコトーマを理解することから始まります。

 スコトーマとはもともと眼科用語で盲点のことです。転じて、コーチングでは心理的な盲点を意味する言葉として使っています。

 心理的盲点とは、人は、その時に重要だと思っていることしか見えず、目の前にあっても見逃していることがとても多いということです。「心理的盲点など本当にあるのだろうか?」と、にわかには信じられない人がいるかもしれませんが、ちょっとした心理物理実験によって簡単に体感できます。

 (中略)

 こういった心理物理実験を体感すると、私たちの脳は「自分が重要だと思っているものしか見ることができない」ことがよくわかってきます。

 

 さて、これがスコトーマの原理でこれまでの本ではここで終わることが多かったのですが、本書では、もう一歩踏み込んで解説します。そもそも、これまでスコトーマの原理は「自分が重要だと思っているものしか見ることができない」とお伝えしてきました。

 もちろん、これは正しいのですが、その一方で、「本当に自分が重要だと思わないものは見えていないのか」という疑問が湧いてくるでしょう。

 もちろん、見えていないわけがありません。本来、私たちにはすべてのモノが見えています。それが一時的に見えなくなってしまうのは、自分でそういう基準を作っているからです。

 さきほどのように「時計のデザインはなんでしたか?」と聞かれれば、「時計のデザインを見る」が評価の基準となり、それ以外のファクターは評価が低下します。「時間は何時でしたか?」と聞かれれば、また評価基準が変わって、見える世界にはまた別のフィルターがかかります。

 自分にとって何が重要なのか、はそうやって決まります。

 別の言葉で言えば、評価関数です。どんな値を入力したか、で目の前の世界はいかようにも変わるということです。

 ただし、こう書いてしまうと、皆さんの意識は「何が入力されたのか」に向かってしまいます。入力する値を変えれば、自分が見えている世界は変わるだろう、と思ってしまいます。確かにそれはそうなのですが、少し短絡的です。

 本当に重要なことは「何が入力されたのか」ではありません。「誰によって入力されたのか?」のほうなのです。

 引用終わり

 

 

本当に重要なことは「何が入力されたのか」ではなく、「誰によって入力されたのか?」のほう

 

 ブリーフシステム(BS)とは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という、個々人が強く信じて疑うことのない固定的な思考=信念のこと。その信念がさまざまな判断基準の核となります。

 L-135202111月シークレットレクチャー -04;「囚」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33051194.html

 

 ブリーフシステムのブリーフ(信念)とは、前頭前野や大脳辺縁系に作りあげられた認識のパターンのこと。その“パターン”が「自分を含む世界の地図」を生みだします。古い表現でいうと、「内部表現(Internal RepresentationIR)」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 

 つまり、博士が問われている「誰によって入力されたのか?」とは

 

「自分を含む世界の地図」や「内部表現」を生みだしたのは誰か?

 

 

 それを明らかにすることが、「ブリーフシステムをしっかり理解する」ことの1st. stepだといえます。

 

L-169につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

F-335:分断緩和のための処方箋 vol.6;「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴール

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33671632.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

Q-366~:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428654.html

L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 

 

オーセンティック・コーチング



F-356:自由訳「OODA」 <vol.2Orient

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 

 

 「客観的に見る」とは「視点を変える」という意味です

「視点を変える」という言葉の意味を、簡単に言うと、「物事に対する感じ方や好みを変える」ことになります

 

 前回(F-355)取り上げた「Observe」の秘訣とは、「視点を変える」こと。

 でも、ただ変えるだけでは十分ではありません。どのように変えればいいのでしょうか?

 

 

 「OODA」の最初の「O」は「Observe」。2番目の「O」は「Orient」です。

 「OODAループ」の提唱者である米国空軍 ジョン・ボイド大佐は、「OOrient」のことを“ビッグO”と称してとくに重要視していたそう。

 

 コーチングにおいても、「OOrient」はとても重要です。その理由(warrant)をイメージしながら読み進めてください。以下、Wikipediaより引用します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 

情勢への適応(Orient

 「情勢への適応」あるいは状況判断と訳される。「観察」段階で収集した「生のデータ」をもとに情勢を認識し、「価値判断を含んだインフォメーション」として生成する段階である。

 

 

Relationship_of_data,_information_and_intelligence(Wikipedia)

「データ」と「インフォメーション」、「インテリジェンス」の関連性

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 上図をコーチングのフレームで解説すると、「Data」→「Information」→「Intelligence」のためにはRASのコントロールが必要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 RASをコントロールするのは、もちろん、ゴール。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールが起点となり、ゲシュタルト化が行われます。

 L-161202201… -05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 

情報がゲシュタルト化されたものが知識。ここでいう「Intelligence」です。

F-338:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33827695.html

 

 ゲシュタルトが意味を決めます。だから、「価値判断を含んだインフォメーション」なのでしょう。

 L-164202201… -08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 

「ビジネスで圧勝できる脳科学」(サイゾー、p82)の中で、苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と書かれています。図式化すると

L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

情報(入力)→文脈(知識+ゲシュタルト)→認識

 

 この「認識」ができてはじめて、理解・評価・判断が可能になります。

 F-304:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が…~ vol.1;臨場感①>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 

 

 「OODA」に戻ると、意思決定者は、下記の5つの要素から構成される「判断のための装置」により、「データ」から「インフォメーション」に加工していくそう。

 以下、引用のつづきです。

 

 

 ■文化的伝統(Cultural Traditions

 ■分析・総合(AnalysisSynthesis

 ■従来の経験(Previous Experiences

 ■新しい情報(New Information

 ■世襲資産(Genetic Heritage

 

 「世襲資産」、「文化的伝統」、そして「従来の経験」がなければ、従来経験した環境と変化によって形成された精神物理学的能力についての含蓄的レパートリーを持ちえない。また各分野の領域の、あるいは各種の競合及び独立的なチャンネルにまたがって取得する情報の「分析および総合」がなければ、よく精通していない現象または見たこともない変化に対処するための新しいレパートリーを展開することはできない。そして多くの異なった領域およびチャンネルにまたがる取得情報についての推定、感情移入、相関および拒否という多側面の含蓄的な相互参照のプロセスがなければ、「分析・総合」はなしえない。

 引用終わり

 

 従来経験した環境と変化によって形成された精神物理学的能力についての含蓄的レパートリー」とはブリーフシステム(Belief SystemBS)のこと(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ブリーフシステムは1つではありません。前頭前野には、その人がつくりあげたいくつものブリーフシステムが収められており、それらが人間の複雑な内面の動きをつくりだしています。人間の内面で深い葛藤が起こるのは、前頭前野のブリーフシステム同士が互いに矛盾を起こすからです。

 L-09420217月シークレット… -06;ブリーフシステムと人格や未来との関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30598161.html

 

 その葛藤=矛盾を解消するためには、「取得する情報の『分析および総合』」が必要。そのためにはゴールが必要です。現状の外に設定する本物(Authentic)のゴールが。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 前回(F-355)取り上げた「Observe」の秘訣とは、「視点を変える」こと。その視点を「どう変えればいいか?」の答えがここにあります。クリアですか?

 

 

 「視点を変える」の「視点」とは、ゴール設定(再設定)により新たに現状の外に生みだすもの。視点が最初からある(アプリオリ)のではなく、ゴールにふさわしい視点を生みだすのです。もちろん、自由自在に。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 その新たな視点は、より高次の抽象度次元に上がることで生みだされます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 反対にいうと、高次の抽象度次元に上がることができないと、いつまでも同じ視点で同じようなことを繰り返すことになります。まわりを巻き込み、疲弊させながら。それが「OO-OO-OOスタック」。以下、引用のつづきです。

 S-03-21C)「意識化(エネルギーの情動への転換)」でのコントロール -vol.5-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21828878.html

 

 

 各人の「判断のための装置」は当然のごとく各人ごとに異なっており、いかなる環境においても適切に動作する保証はない。また、組織のレベルに拡大して、複数の意思決定者が存在する場合、これらの間に齟齬が発生することも珍しくない。このようにして、OODAループがこの段階に止まってしまい、次の「D」に入れない恐れも多分にある。そのような場合をOO-OO-OOスタックと称する。

 引用終わり

 

 コーチの視点で「OO-OO-OOスタック」を分析すると、その原因は「抽象度が変わらない」「抽象度が上がらない」ことだといえます。そして、その本質的理由は「ゴールがない」「ゴールを失っている(達成済み含む)」「ゴールが間違っている」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

まとめると

 

 「OOrient」とは「抽象度を上げる」こと

その結果として、本当の意味で「視点を変える」ことができる

 

 その起点がゴール設定。ゴール側から視点が変わり、ゴールに向かって視点(抽象度)が上がります。その過程が「Data」→「Information」→「Intelligence」です。

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

先ほどの図を用いると、こんな感じ↓

 

Relationship_of_data,_information_and_intelligence(Wikipedia)改3

「データ」と「インフォメーション」、「インテリジェンス」の関連性

Wikipediaより引用(一部改変)

OODAループ - Wikipedia

 

 

最後に、苫米地博士の著書「悩みを幸せに変える方法 揺るがない自分になれて、あらゆる不安から解放される方法」(主婦と生活社、p52)から引用します。「視点を変える」の意味とそのために必要なことをイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

自分の視点を変えてみる

 「自分のことを客観的に見なさい」というのは、自分が人から叱られるときも、自分が人を叱るときにも使う、便利な言葉のひとつでしょう。

 

 「客観的に見る」とは、「視点を変える」という意味です。

 「視点を変える」という言葉の意味を、簡単に言うと、「物事に対する感じ方や好みを変える」ことになります。なぜなら、物事の好みが変わったら、あなたの世界は一変するからです。洋服の趣味、化粧のしかた、しゃべり方、男性の好み、すべてが変わると考えれば、理解できるでしょう。好みを変えると人格が変わるということです。

 

 これを利用するのです。あなたが今こだわっているものをひとつあげてください。

 例えば朝、コーヒーを飲んでいる人は紅茶に変えてみましょう。通勤・通学の道を変えるのでもかまいません。こだわりのあることをひとつ変えるのです。

 すると、新しい発見があります。新しい発見があったら、あなたは確実に変わったということになります。なぜなら、それまであなたは、その新しいことに気づかなかったからです。

 もう一歩踏み込んで、脳機能を使った本当の視点の変え方を紹介しましょう。それは“視点を変える”のではなく“視点を上げる”のです。

 

 例えばコップの中に入った半分の水。これを半分しかないととるか、まだ半分もあるととるかで、人生が変わってくるというのが、よくいわれる視点の変え方です。

 しかしみなさん、よく考えてみてください。これで不幸が幸福に変わりますか? 変わらないですよね。なぜなら、この話は詭弁だからです。

 コップの水を年収200万円にしてみましょう。「平均年収は400万だから半分もあるね」といわれて、幸せな気持ちになれますか? 逆に怒りが湧いてきますよね。

 こういう無理やりな視点の変え方では、脳が納得しないのです。脳が納得し、これならどこにもウソがない、幸福だと思わなければ、1度、不幸体質に入ったと思ってしまった人は、なかなか抜け出ることはできないのです。

 

 上から、俯瞰するように物事を眺める。すると、コップの水がいっぱいだろうと半分だろうと関係ありません。水があるというだけです。仮に何もなければ、空のコップが見えますね。何も入っていなくても、あなたはコップを持っていることは実感できるはずです。

 

 年収200万円にしても同じです。地球規模まで視点を上げると、日本に住んでいることがどれだけ幸せかわかるはずです。世界の7割の国ではいまだに飢餓が存在しています。しかし、日本で飢餓なんてほぼ考えられません。年収200万円でも不幸ではないのです。

 

 客観的に見るということは新しいことに気づきなさいということですから、結果的にあなたは客観的に自分を見ることができたわけです。

 

 自分を変えるとは、客観的に見るのではなく、こだわりのあるものをひとつ変えることなのです。すると、あなたの新しい世界、新たな可能性が見えてきますよ。

 引用終わり

 

F-357につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 OODA」の最初の「O」は「Observe」。2番目の「O」は「Orient」です

 

 Orient」の語源を調べると、ラテン語の「oriens」とあります。「昇ること」という意味で、「日出づるところ」「東方」という方位を示す言葉だそう。

 

 コーチングにおいては、「Orient」は「情報空間を昇る」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 その起点がゴール。その過程(思考)が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

-追記2

例えばコップの中に入った半分の水。これを半分しかないととるか、まだ半分もあるととるかで、人生が変わってくるというのが、よくいわれる視点の変え方です。

 しかしみなさん、よく考えてみてください。これで不幸が幸福に変わりますか? 変わらないですよね。なぜなら、この話は詭弁だからです

 

 日本のリーダーの“詭弁”を考察しました↓

 F-254~:イノベーションがうまれるとき

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421781.html

 

 

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Q-381:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は? <前編;コーチが“みる”もの>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、コーチが話の内容で相手が見えない場合、どのように対応すればいいでしょうか?

抽象度の高いほうへ話を持っていってもクライアントが納得してくれるのか心配です

A1まずはコーチにとって大切な大原則から。コーチはコンテンツには一切関わりません。

 Q-375:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい? <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34511531.html

 

 御質問中の「クライアント側の圧倒的な知識や経験」とは、すべて具体的なものですよね?

ゴールが不明瞭な状態であれば、それらは抽象度が低い情報といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ところで、情報と知識の違いはクリアでしょうか?

 

 簡単にいうと、たくさんの情報がゲシュタルト化したものが知識。そのゲシュタルト化の起点がゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

ゲシュタルトができると、知識がないものも認識することができるようになります。苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と話されています↓

L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

人は、物事を解決するにあたって、「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」という能力を持っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

つまり、「ゲシュタルトを作って、その中だけで思考することができる」ということ。反対にいうと、ゲシュタルトの外側はスコトーマに隠れてしまい、思考することができません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 さらにいうと、「圧倒的な知識や経験」とは、すべて過去。つまり、「知識や経験」にフォーカスするほど、過去に縛られることになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 よって、具体的な「話の内容」がわからないことで「相手が見えない(ように感じる)」ことは気にする必要がありません。低抽象度かつ過去だから。

 

 コーチが観察し分析するのは、あくまでも「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 もちろん、そのBSは、たいてい低抽象度かつ過去。

 (その理由は? 答えはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

そんなBSを指摘すればするほど、さらに過去に囚われることになります。多くの場合、エフィカシーが下がることにもなるでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 だから、コーチはクライアントのBSの分析結果を一切話しません。

把握するのは、あくまでもリミッター解除のため。“現状の外”に飛びだすことを阻んでいるブレーキを見つけ、それを木っ端微塵に破壊するためです。

 (その感覚を言語化してみました↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31130216.html

 

 では、クライアントのBSを把握し分析するためにどうすればいいでしょう?

 

 

 私が意識に上げているのは「ブリーフシステムの三要素」です。

 

 以下、苫米地博士の著書「世界一簡単に目標がかなう 成功脳の作り方」(日本文芸社、p54)より引用します。「コーチが“みる”もの」を理解し、その視点を体得してください。Feel

 

 

ブリーフシステムの三要素

 ブリーフシステムは、WORD(ワード・言葉)、PICTURE(ピクチャー・イメージ)、EMOTION(エモーション・情動)の3つで作られています。この3つがワンセットになってブリーフシステムを築き上げているのです。

 

 WORDは短い中にたくさんの情報を持っています。とくにセルフトークといわれる自己対話は、何か失敗したとき、「しまった。こんなことしなければよかった」と言うと、そのWORDが自分の中で「しまった、しまった、しまった……」と何度も繰り返されてしまいます。

 

 また、「こんなバカなことをして!」と母親に怒られた子どもは、「バカなことをした、バカなことをした……」と頭の中で繰り返してしまいます。

 言葉の危険性は、実際に言葉で繰り返したことは、実際に体験したことと同じ効果があるということです。過去の失敗を思い出して「しまった」と思い、もう一回「しまった」と思うと、合計3回その体験したと同じ効果があります。言葉は何度も繰り返すことで臨場感を高めてしまうものなのです。

 ですから、そういう失敗を何度も思い出して「しまった」と言えば、何十回もその体験をしたと同じブリーフを臨場感を持って、構成してしまうのです。

 自分にとってのブリーフの集合体を自己イメージとよんでいます。私は「引っ込み思案」とか、「気が短い」など、マイナスの自己イメージがあると、つい何回もセルフトークしてしまいます。

 人間は人から話を聞いているとき、それを理解したり、理解しなかったりしながら、自己対話を繰り返しているのです。

 相手の話を聞いていても、自己対話を引き起こしやすいのがWORDなのです。自己対話をすると、それは実際、過去の出来事であっても、体験したと同じ効果があるのですから、WORDは自己イメージを強く作りやすい、ということになります。

 

 PICTUREには動画や音も含まれます。これらは臨場感が強く出やすいので、セルフイメージを作りやすいものです。

 

 また、強いEMOTIONは行動性向を決めやすいもので、たとえば殴られて痛かったら二度とやられたくないとか、WORDPICTUREの最後に強い情動が乗ってくると強烈なブリーフになります。

 これら3つそれぞれがイメージ想起性を持っていて、全部がセルフトークの中に入ることで、自己イメージが作り上げられる、というのが、このシステムの基本です

 

 他人に言われたことでも、言われただけであれば問題はありませんが、それをセルフトークに入れた瞬間に、本人を制約するものに変わってしまいます。

 「お前はバカだ」と言われたとき、素通りするだけならいいのですが、これをセルフトークとして反すうした瞬間に、マイナスのイメージを作ってしまいます。さらにこれに情動が乗ってしまうと、さらに否定的な自己イメージを作ってしまいます。

 

 自己イメージが出来上がった後に、その自己イメージに合致しない情報は見ることはできなくなります。自己イメージが必要としない情報がスコトーマになってしまうのです。

 成功するためには、自分が成功するべき人間だと自己イメージすることが大切です

 引用終わり

 

Q-382につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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