F-335:分断緩和のための処方箋 vol.6;「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴール
対立を克服し補完しあうためには「ゲシュタルトの統合」が欠かせません。
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統合することで対立する(ように思える)概念を“同じ”とみられるからこそ、各概念(ゲシュタルト)を補完しあうことができるようになります。
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その補完により“苦しみ”を克服することができます。理解が深まるから…
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vol.1;サーフィンvsウインドサーフィン
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vol.2;本当は今までずっと苦しかった
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vol.3;「未来のビジョンによる引力の極大化」と「過去からの引力の最小化」
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vol.4;「ワークライフバランス」の落とし穴 <case-side>
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vol.5;「ワークライフバランス」の落とし穴 <plan-side>
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vol.6;「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴール
前回(F-334/vol.6)まで、「ワークライフバランス」という言葉が抱える本質的な問題(case-side)とその解決(plan-side)について考察しました。
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あらためて感じたのは、「バランスホイール(balance wheel)」の重要性。
F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>
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「ゴールを人生のあらゆる領域に設定する」ということを考えたとき、絶対に外せないのが「健康」のカテゴリ。そのゴール(側のCZ)のイメージは、きっと「いつまでも若々しく、元気いっぱい」という感じでしょう。
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ところが、現実はそんなわけにはいきません。人は確実に老い、ときに病み、そして必ず死んでいくのだから。
F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ♪」
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その事実を受け入れることができないと、“理不尽”はますます大きくなるばかり。もちろん、苦しみもどんどん大きくなっていきます。
Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが…?
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ただし、老病死(+生で四苦)をただ受け入れるだけでは、まだまだ十分とはいえません。何が足りないのでしょうか?
…そう、答えは「抽象度」。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
医療や介護の現場では、よく「年には勝てない」という表現を見聞きします。それは半分正解で、半分間違い。いえ正確には、ごく一部に限って正解で、ほぼ間違いというべきでしょう。
Q-140:若かったら挑戦しますけど、もう年なのでガマンします
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正解なのは、「物理空間においては『年には勝てない』は事実」だから。その事実を受け入れるからこそ、理不尽度を下げることができ、“今”を生ききることができるようになります。
Q-205:「縁起」と「因果」 vol.2;縁起と因果の違いを理解する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26507222.html
ほぼ間違いなのは、「物理空間は情報空間のほんの一部に過ぎない」から。抽象度を軸にとった場合、物理空間は広大な情報空間の底面です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
「熱力学および統計力学において定義される示量性の状態量」であるエントロピー(entropy)を用いると、物理空間ではエントロピーが増大しカオス化していき、情報空間ではエントロピーが縮小しシンプル化していきます。時間の経過とともに。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
苫米地博士が神奈川大学での講義(2023年)で解説されていますが、なんと生命現象はエントロピー縮小系です。
Q-338:エンドステートに対する臨場感の問題?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32350876.html
神奈川大学情報学部開設記念シンポジウム(2023年5月23日)より引用
基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達 Dr.苫米地 (2023年5月20日) - YouTube
つまり、私たちは時間の経過とともに抽象度の次元を上がっていく存在だということ。その頂点が「空(くう)」です。
F-318:観自在 <理論編-1;観自在菩薩行深般若波羅蜜多時>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32825990.html
ただし、抽象度の次元を上がっていく間も、物理空間上の身体は変化していきます。エントロピーが増大しながら。
確実に老い、ときに病み、必ず死ぬという物理宇宙の因果律から、私たちは決して逃れることができません。それが“生きる”ということです。
F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html
まとめると、「生きるとは、心の次元と身体の次元のギャップが拡大していくこと」。
…それが、私が今一番感じている「分断」です。
では、その分断を緩和するためにはどうすればいいのでしょう?
以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書 禁断の自己改造プログラム」(講談社、p182)より引用します。
本当の「自由意思」って何?
次に、本当の意味での「自由意思」とは何なのかを考えてみましょう。もちろん、定義上は、「不完全性定理」の宇宙の外側で発効される意思のことですが、現実問題として、それだけでは、言葉遊びにしか聞こえないかもしれません。
そこでもう一度、物理宇宙と情報宇宙の関係を考えてみましょう。もともと、情報宇宙というものがあります。そして、その宇宙の自由度が低い空間を物理宇宙と呼びます。ここで自由度が下がるということは、抽象度が下がるということです。
前項でお話ししたように、「未来の縁起に働きかけて、現在の選択を行う」ことは、一見自由意思のなせるわざに見えます。ただし、厳密に言うとそれは、「時空を包含した内部表現という系の内側において自由に見える意思」に過ぎず、本来の意味での自由意思であるか否かは、判断が難しいところです。
そもそも、我々が働きかけることのできる未来は、現在もしくは過去の経験で得た知識をもとに想定したもの。自由意思によって未来を知りえたわけではありません。知識というのはすべて、過去の認識の結果です。それゆえにどうしても、現在および過去の因果から自由にはなれないのです。
つまり、本当の自由意思とは、内部表現の外側から未来に関する何らかの知識を手に入れて、それを現在の行動に反映させることでしか得られないはずです。
では、どうすれば内部表現の外側に飛び出せるのでしょう? それはやはり、物理の因果から離れてどんどん抽象度を上げていくしかありません。そして、「ここが限界」というところまで到達して、さらにもうひとつ上げられたら、そこが内部表現の外側であり、仏教で言う「空」です。
内部表現が神の創った宇宙だとするなら、ここから「空」なる宇宙に頭を出した瞬間、「神を超えた」ことになります。悟りの世界は神を超えたところにあるということです。ただそれがどこにあるのかと言うと、内部表現世界のいたるところにあるということです。内部表現の抽象度をどんどん上げた内部表現の内側に、神を超える外側があるということです。
そこに至る準備ステップとして、まさにゲーデルとチャイティンの証明のインパクトをしっかりと考えてみましょう。宇宙そのものが全抽象度にわたってランダム性を内包しているとはどういうことか。それは、我々はもともと何物からも、「神」からさえも自由であるということです。まず、ここを認識していないと、我々はわざわざ自分自身を自分の記憶で縛ってしまいます。その閉じた記憶の内部表現世界でさえももともとランダム性が内包されているのにもかかわらず、です。まずは、自分は本来自由であるということをしっかり認識してください。
そして、自分自身を自分の記憶から解放する「止観」をしっかりと行い、そのうえで抽象度をどんどん上げていくのです。自由度をどんどん上げていくと言ってもいいです。そうするとごくたまにだと思いますが、これだという体感を得られるときがあるはずです。理性を超越する瞬間です。
もちろん、そんな本当の意味での自由意思に動かされるような体感は、そうしょっちゅうあるものではないでしょう。それがやりたければ、お釈迦様のように、山にこもって「空」の世界まで臨場感を上げるトレーニングを積むしかありません。
私たちはそこまで狙う必要はなく、内部表現の外側から叡智を得るのは数年に一度がいいところだと思います。
私自身がそういう瞬間を感じるのは5年に一度くらい。「何かが降りてきた」としか思えないひらめきから、科学の世界を変えるような(と自分では思える)何かを発見したときです。前に述べた、トマベチ・アルゴリズムを発見したときなどは、まさにそういう瞬間でした。
科学者や芸術家などは、誰も気づかないことを発想するのが仕事ですから、天から何かが降りてくるような瞬間に、数年に一度くらいは遭遇するようです。
そんなふうに考えると、これまでの歴史には世界を一変させる数々の発見がちりばめられていますが、それらはみな、自由意思の賜物なのだとわかります。天才とは、高いレベルで抽象思考をし、ときどき内部表現宇宙から「空」へ頭を出せる人なのかもしれません。
もちろん、誰にだってチャンスはあります。ふだんから高い抽象度で思考する習慣をつけていれば、いずれは内部表現の外側に飛び出す瞬間を体験できるはずです。
かなりハードルは高いけれど、本当の自由意思とはそういうものだということを心に留めておいてください。目標はあくまでも、
「何事も、社会や他人、過去のしがらみ、つまり自分自身の記憶から自由になって判断する自分になる」
ことで、その先にもうひとつ、最終ゴールとして、
「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」
ことを掲げておくのがベストでしょう。
いずれにせよ、大切なのは、ふだんから抽象度を上げて思考することです。
引用終わり
内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する
…それが分断緩和のための処方箋。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
つまり、中観で生きるということ。
そのためにコーチングを学び実践し続けるということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
「内部表現から頭を突き出し、真の自由意思を獲得する」というゴールこそが、人類の進化を促し、社会を幸福(well-being)にする。その時、個の人生においても、心の次元と身体の次元のギャップを解消している…
…そのようなイメージを私は抱いています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
苫米地式コーチング認定コーチ
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F-163~:antiからwith、そしてwellへ
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