L-172:2022年03月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”
2022年3月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「□」です。
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
リラックスを深めながら、気楽にお読みください。
F-284~:気楽 ver.2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html
*初回の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html
*2回目の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html
01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html
02;「ブレない判断基準」を生みだすもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html
03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html
04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html
05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”
脳がなくては宇宙はない
脳というのは一つの場と見るべき。生命場と同じ
…このことが体感を伴って理解できたとき、「本当の意味での付加価値とは、ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”が感じられるはずです。さらには“闇”までも。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
今回は私が感じている“光”と“影”についてまとめます。コーチングにおいて、とても重要な知識です。まずは“光”から確認しましょう。
「ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」に感じる“光”とは、「エフィカシー(Efficacy)」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
エフィカシーとは、ご存じのとおり、「ゴール達成能力の自己評価」のことです。「自己評価」なので、本来はマインドの力で自由に高めることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
たまに「なかなか成果が上がらず、エフィカシーが下がってばかりです」といったコメントをいただきますが、それは因果関係が逆。「成果が上がったからエフィカシーが高まる」「成果が上がらないからエフィカシーが高まらない」のではなく、「エフィカシーが高いから成果が上がる」のです。
Q-247:続・気楽に生きたいのですが… -05;「時間は未来から過去に流れる」とは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28437135.html
エフィカシーに過去の実績や根拠は一切関係ありません。ただ「私はできる(<すでにできている)」と確信するだけです。私自身は“覚悟”だと思っています。
F-100:芸術は爆発だ!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html
エフィカシーに過去の実績や根拠は一切いらない!
…その理由は「ゴール」の「達成能力」の「自己評価」だから。ゴールは未来の話です。コーチング実践者にとって、時間は未来から現在、そして過去へと流れていきます。過去はどんどん離れていくだけ。過去は一切関係ありません!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
「ゴール設定を縁に生じるエネルギーとクリエイティビティが結実する新たな世界(w2)」に感じる“光”とは、エフィカシー(Efficacy)のこと。では、“影”とは?
以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO、p122)より引用します。エフィカシーと混同されがちな“影”について思い巡らしながら、ゆっくり読み進めてください。Feel!
◎なぜ、エフィカシーを上げられないのか?
第4章のテーマはエフィカシーとなっていますが、これまで通りの話をするつもりはありません。本書はいままで書いたコーチング書籍のアドバンスに当たるものです。エフィカシーに関してもアドバンスな内容を伝えていくことになります。
エフィカシーはコーチングにとって重要なファクターであり、「エフィカシーを上げましょう」といった表現でよく使われます。このような表現をするということは、裏を返せば、多くの人がエフィカシーが上げられない、もしくは下がってしまう、ということで悩んでいることを意味します。
しかし、なぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか?
そもそもエフィカシーの定義は「ゴールを達成する自己能力の自己評価」です。これを噛み砕いていうと、ゴールとは自分が心から望んだものであり、達成するには自分のブリーフシステムを変える必要があります。また、ブリーフシステムを変えるのは自分であり、その自分を変える能力を自分で評価することをエフィカシーと言うわけです。よって、すべて自分の話です。自分の話であれば、自分で変えればいいだけなのですが、なぜか、多くの人がエフィカシーを上げるのは難しいと言います。
なぜ難しいのかを考えるのには鬱を例にしてみるとわかりやすいと思います。
鬱もエフィカシーと同じように、基本的には自分でやっています。ということは鬱を快方に向かわせるには鬱であることを自分でやめればいいだけなのです。
こう言うと「そんな乱暴な話があるか。苫米地は精神医学を知らない」と必ず批判されますが、私は「鬱の大半が自分で鬱になっている」と言っているだけで、自業自得だと言っているわけではありません。いくら自分でやっているからといって、自分でどこまでコントロールできるかはまた別の話なのです。
風邪の発熱と同じで、熱は自らの免疫システムによって発生しています。それをコントロールするのは難しいでしょうし、仮にできたとしても熱をむやみに下げるのは得策ではありません。熱が上がったのは免疫システムがウイルスと戦うためだからです。
ですから、全部が全部コントロールすればいい、コントロールできるはずだ、とまでは私だって言いません。実際、生得的な機能障害で鬱になることもあるでしょう。しかし、多くの鬱はわりと明確な原因があります。であるならば、ほとんどは自分でなんとかできるのではないですか?
と言っているのです。
では、その明確な理由は何かというと、お金です。大抵の場合、お金がないことが鬱の原因になっていると言っても過言ではないでしょう。「お金がなくて携帯代も払えない」「友達とも会話できない」「携帯も持てない自分が惨めだ」などといったことが積み重なって鬱に入っていくわけです。
いまの日本はお金を持っている人間が偉いというアメリカ型の資本主義を選択しているので、お金のないことが鬱の原因になりやすいのです。おそらく日本に経済的不安がなくなった時、かなりの鬱は治ると思います。
ですから、「鬱は自分でやめましょう」という意味は「社会的な要因に影響されない心を作りましょう」ということです。携帯代が払えないのであれば、携帯なんて持たなければいいのです。そういう当たり前の判断ができるようになれば、脳内にセロトニンが出てきて、前頭前野も含めた脳内全体のドーパミン量が正常に戻ってきます。そうなれば、前頭前野で思考ができるようになり、鬱になった根本原因についても解決できないまでも解決の方向性は考えることができるようになるでしょう。そうすることで鬱の症状は改善していくわけです。
これを私は一言で「鬱の人は鬱をやめたら治る」と言っているだけなのです。
引用終わり
「鬱は自分でやめましょう」という意味は「社会的な要因に影響されない心を作りましょう」ということ
…繰り返しますが、エフィカシーは「ゴール達成能力の自己評価」。それが“光”。エフィカシーには「社会的な要因の影響」は微塵も存在しません。
そんな“光”に対して、「社会的な要因の影響」が入り込んだ「自己評価」が“影”。その“影”とは、「セルフ・エスティーム(self esteem)」のことです。
エスティーム(esteem)は「尊重する」「高く評価する」という意味。だから、セルフ・エスティームは「自分を尊重する」「自分を高く評価する」。たまにエフィカシーと混同している方がいらっしゃいますが、二つはまったく別物です。
実際のところ、苫米地博士は明確にエフィカシーとセルフ・エスティームを分けられています。
*この場合の「分ける」とは「区別」のこと。「区別」と「差別」との違いがクリアでない場合はこちらをどうぞ↓
PMⅠ-06-13:仮説08)はびこる差別意識
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html
同じように感じられるかもしれませんが、エフィカシーとセルフ・エスティームはまったく異なります。
セルフ・エスティームとは、「社会的な地位に対する自己評価」のこと。
例えば、課長よりも部長の方が高いエスティームであり、部長よりも社長のほうが高いエスティームを持っている
…という感じです。
そこには「社会的な要因の影響」がたっぷり刷り込まれています。つまり、他人のモノサシや社会の価値観にまみれているということ。
F-241:トレーニングは「昨日の自分を超えていく自己確認」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28695996.html
社会的地位は「現状の中に居続ける」ことで意味を成します。それは「過去の記憶でつくられた現状のコンフォートゾーンに閉じ込められる」ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
まさに「フレーム=BS(囚)」、あるいは「フレーム=BS(囚)」の状態です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
そんな不自由な心の状態のままでは、現状の外にゴールを設定することなどできません。
Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html
だから、コーチングにおいてセルフ・エスティームは“影”。
“光”=エフィカシーに対する、未来に対する、そして自由に対する“影”です。
Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html
(L-173につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
そんな不自由な心の状態のままでは、現状の外にゴールを設定することなどできません。だから、コーチングにおいてセルフ・エスティームは“影”。“光”=エフィカシーに対する、未来に対する、そして自由に対する“影”です
…エスティームが高い人は、エフィカシーも高いことが往々にしてあります。そこで苫米地博士は、エスティームに新たな意味を追加し再定義されました。
詳しくは下記記事でどうぞ。「オーセンティック・コーチング」より「エスティームの新しい解釈」を引用しています↓
Q-256:私、立ち直れるかな? <前編;個人の視点で>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html
-追記2-
最新の講義の中で、苫米地博士は「エフィカシー関数」という表現を用いられています↓
F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html
-告知1-
今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。
次回は2024年8月25日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34761055.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-140~:不要不急
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400247.html
F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28657999.html
Q-204~:「縁起」と「因果」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html
Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html