苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

タグ:アルバート・バンデューラ

Q-187:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -11;「I×V=R」を用いた3rd. StepRを高次元への“R”へ ~縁ある者たちの役割~ vol.2

 

 ちょっと前の話になりますが、認知科学者 苫米地英人博士のコーチング系セミナーに参加した際、受講者からこのような御相談をいただきました。

 

Q:母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?

(プライバシー保護の観点で、今回に限らず、変更を加えてあります)

 

「家族にはコーチングしない」ことを念頭に、母を「壮年」世代、祖父を「老年」世代と抽象化すると

 コーチとして壮年にどのように接するべきか?

 コーチとして老年にどのように接するべきか?

 家族として壮年にどのように接するべきか?

 家族として老年にどのように接するべきか?

 と分類することができます。

(前提も「老病死が顕在化」「老病死に向き合いながら生活中」と抽象化)

 

 じつは、「老年(老人)」に対するコーチングについては、ヒーリングのポイントとともに過去のブログ記事で考察しています。「青年(若者)」向けのコーチング&ヒーリングのポイントも取り上げています↓

 F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_396235.html

 

 このシリーズは、上記ブログ記事の続編として、「壮年(中年)」に向けたコーチング&ヒーリングのポイントを掘り下げていきます。キーワードは「I×V=R」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 シリーズの最後は「家族としての接し方」。そこは苫米地博士の著書「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)を読み解く形でまとめていきます。ぜひお読みください(Kindle版↓)。

 がんを克服できる脳 【特製音源CD無しバージョン】 | 苫米地英人 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon

 

 

 01;家族にコーチングしない理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25025653.html

 02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 03;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する> 前編(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25131114.html

04;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する> 後編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 05;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 理論編(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25194921.html

 06;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 実践編vol.1(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 07;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 実践編vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 08;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 実践編vol.3(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 09;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する> 実践編vol.4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25324197.html

10;「I×V=R」を用いた3rd. StepRを高次元への“R”へ ~縁ある者たちの役割~vol.1

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25346333.html

 11;「I×V=R」を用いた3rd. StepRを高次元への“R”へ ~縁ある者たちの役割~ vol.2

 

 以下、苫米地博士の著書「「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)からの引用の続きです。

 

 

 ◇がん患者のためのコーチング

 (前回引用の続き。前回はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25346333.html

 

 さて、コーチング理論で最も大切なことはエフィカシーを上げることになります。

 エフィカシーとは「自己能力の自己評価」の意味です。

 なぜこれが大切なのかと言えば、私たちは全員エフィカシーどおりの人間だからです。自分の能力は自分がこうだと決めるから、そこが限界になるのです。オリンピックがいい例です。体操のウルトラC30年くらい前は最高位の技でしたが、いまでは普通レベルの選手にもできる技になっています。つまり、技は難しいと思っているから難しいのです。誰かひとりでも、それに成功してしまうと、「なんだ、できるんだ」と思って、限界の壁が崩れます。だから、多くの人ができるようになるのです。ということは、あなたの感じ方は、そのまま臨場感のあるイメージとなって、あなたの限界を作っているということになります。

 そして、あなたはいま自分のことをどう評価していますか?

 もちろん、がん患者であることは間違いありませんが、そのほかにどんな評価をしていますか?

 

 いま「え~と」と考えてしまった人は、自分で自分を評価することすら忘れています。がん患者であるというのはただの事実です。それは評価でもなんでもありません。

 あなたにはどんな能力があり、何を好み、何を喜び、何を楽しいと思い、自分のどこを誇らしいと思いますか?

 それにひとつひとつ答えていくことが、エフィカシーです。がんであることは「あなたは男だ」「あなたは女だ」ということと変わりません。それは評価ではなく、ただの事実です。

 そんなものは認識さえしていればいいだけです。そうではなく、自分のどこを誇らしいと思うのか、どんな時に満足感を得るのかこそが、あなた自身を説明するための言葉になります。それが自己評価です。

 この自己評価=エフィカシーを上げることがコーチングのスタートになります。

 引用終わり

 

 

 コーチとして日々痛感するのがエフィカシーの重要性。エフィカシーとは「(自分の)ゴール達成能力の自己評価」のことです。つまり、エフィカシーはゴールあってのもの。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 高いエフィカシーが実際のゴール達成能力にどのような影響を与え、さらには人生全体にいかなる影響を与えているかを科学的に研究し理論化されたものが「エフィカシー理論」です。その世界的権威が、スタンフォード大学心理学教授を長く務められたアルバート・バンデューラ博士(Albert Bandura1925年~)。

 その理論の中でバンデューラ博士は「人生をコントロールする能力の程度に対する信念が健康に影響を与える」と述べています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 人生をコントロールする能力の程度に対する信念が健康に影響を与える

 

医療現場では、「健康が人生に影響を与える」「健康が人生をコントロールする能力に影響を与える」「健康が人生をコントロールする能力に対する信念(=エフィカシー)に影響を与える」と錯覚しがちです。例えば、「がんと診断されて希望を失う」というように。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

もちろん、すべてが双方向の関係性、つまり縁起。エフィカシーと健康も互いに影響を与え合う関係といえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

しかし、因果関係を考えると、「因」はより高次の抽象度次元にあります。上位の抽象度での「因」が下位の抽象度で「果」となり、その「果」はさらに下位の抽象度次元において「因」として機能するという感じです。ゆるい双方向性を保ちながら。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 よって、エフィカシーが「因」で、健康が「果」です。ゴールが「因」で、健康が「果」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23108517.html

 

 では、そのゆるい双方向性を持った因果関係(高→低次元)で、「壮年(中年)」と「青年(若者)」や「老年(老人)」との関係性を考えるとどのようなことがいえるでしょうか?

 

 

 このシリーズの3回前(Q-184)でも取り上げた米国の心理学者 アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow1908~1970年)は、「人間は自己実現に向けて絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました(後に6層目を追加)。それが「自己実現理論」「欲求階層説」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 マズローが描いた階層は、抽象度の階層と見事に重なります。よって、マズローの「人間は自己実現に向けて絶えず成長する」という言葉の中の「人間」を「人類」に置き換えると、「人類は高(抽象度)次元に向けて絶えず進化する」と理解することができます。

つまり、青年(若者)世代が「因」で壮年(中年)世代が「果」、その壮年(中年)世代の「果」は老年(老人)世代の「因」ということ。

未来から過去への時間の流れと合わせると、「因」である青年(若者)から「果」である老年(老人)へと時間が流れているといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

Q-188につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-参考書籍-

 「がんを克服できる脳」(主婦と生活社、Kindle版あり)

 

 

-関連記事-

 「夢をかなえる方程式 I×V=R」関連はこちら↓

 F-070:「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、本当に夢が現実化した一例 ~映画「メジャーリーグ」~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

 F-117~Field of Dreams

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_390942.html

 

 ゲシュタルト関連はこちら↓

 F-019:「Connecting the dotsby スティーブ・ジョブス

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 Q-063:「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことなのでしょうか?

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 ヒーリングとコーチングの関係についてはこちら↓

 Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 

 

-告知-

 青山龍苫米地式認定マスターコーチと私 CoacH Tとのコラボ企画「Fight Coaching ProjectFCP)」がはじまっています(20206月~、月額制)。テーマは「マインド(脳と心)の健康」です。

 参加される皆さんの疑問・質問にもお答えする1年間の双方向(インタラクティブ)オンラインコミュニティの中で、徹底的に「マインドの健康」を追求したいと思っています。

一緒にさらなる“現状の外”へ飛びだしましょう!

(詳細は下記サイトで↓ FCPのみの受付は終了いたしましたが、青山コーチのコーチングクラブ2021に入会することで視聴できます)

http://aoyamacoach.com/fcp/

 

 

アルバート・バンデューラ(Wikiより引用)

アルバート・バンデューラ博士

Wikipediaより引用




Q-092181122福祉講演会(鹿児島県)- 14

 

 20181122日に、鹿児島県の福祉施設にて、コーチングをテーマとした講演を行いました。講演後にいただいたコメントに回答いたします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15981131.html

 

そもそも不完全な宇宙に生きている、必ずスコトーマを持った私たちが、「よりよく生きるために心がけるべきこと」とはなんでしょうか?

私の答えはこのシリーズの最後で)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 

「もっと知りたいことは?」という質問に対する皆さまの御意見です。

 

・知りたいことが、気持ちが大きくて特定できないです

 

A:いいですね!

 

 きっとスコトーマが外れ、自分の中に眠るたくさんの可能性をしっかりと感じたのだと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

「こんなことをやってみたい」「あんなこともできる」など、次々とイメージが湧きあがる状態を「気持ちが大きくて」と表現されたはず。そんなイメージに“あるもの”が加わると、それは現実化していきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

その“あるもの”とはエフィカシー(自分のゴール達成能力の自己評価)です。コーチングではエフィカシーを重要視します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 

・医療現場で実際に活かすためにはどのようなことが大切なのか

 

A「エフィカシー理論」における世界的な権威であるアルバート・バンデューラ博士(元スタンフォード大学心理学教授)は、エフィカシーが健康やQOLそのものに強く影響を与えることを明らかにしました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859828.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

つまり、健康を維持しQOLを高めることを目指す医療・介護現場においては、「エフィカシーを意識的に高めること」を実現するコーチングがとても役に立つということ。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900705.html

 

 「お互いのエフィカシーを高めあうこと」は、「幸福度ランキング」が下がり続ける日本社会全体にとっても希望ある解決策となります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

 

・伝えたいことを伝えられない、がまんしてしまうとき、自身がイラついてしまうとき。もっとコンフォートゾーンについて知りたい

 

A:「伝えたいことを伝えられない」は、「伝えたい」という理想と「伝えられない」という現実との間にギャップが生じている状態です。それを認知的不協和と呼びます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 この時、理想と現実のギャップが大きければ大きいほど、より大きなエネルギーが生じます。そのエネルギーがモチベーションの源です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 モチベーションには「~したい(want to)」の建設的動機と「~ねばならない(have to)」の強制的動機があります。

(より詳細には4つに分類されます。Q-029で取り上げています。その記事ではゴール、エフィカシー、抽象度と“熱意”の関係をまとめました。下記リンクからどうぞ)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8435217.html

 

 エネルギーは、want toのときは理想実現に向かって発揮されますが、have toのときは理想を投げ出し現状を維持するように使われます。創造的回避です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

 756倍の生産性を実現するためにも、want toであり続けることがとても重要。そのためにとびきりの理想をゴールとして設定します。そして、さらなる理想を新たなゴールとし設定し続けます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 ところが、ゴールに向かい生きることは、決して簡単ではありません。世の中にはドリームキラーがあふれているからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 ドリームキラーに敗れ「がまんしてしまう」ことは、とてもストレスフルです。そのストレスは心に傷をつけ、やがては体をも蝕みます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10114934.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15833962.html

 

 見渡せば世間は「がまん」ばかり。いつの間にか忖度や感情労働が身近な言葉となり、人々はますます「イラついて」います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040523.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987351.html

 

 昨年、私のことを誹謗中傷する文書が裁判所に提出されました。しかしながら、その文書は、調停員にも、私の側の弁護士にも、完全に無視されていました。ただの“嫌がらせ”だったからです。

「読む価値はない」と助言されていましたが、私は「“だまし討ち”から学び、未来に活かしている」とセルフトークをしながらしっかりと目を通しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124527.html

 

文書は調停の申し立て理由を(申立側が)自ら完全に否定するという衝撃の内容でした。それだけでも驚きでしたが、さらに私を非難する根拠として「いつもwant toばかりしている」と書かれていました。

 

「いつもwant toばかりしている」は事実(データ)です。それが非難というクレームと結びつくためにはちゃんとした根拠(ワラント)が要ります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12340209.html

 

それなのに文書には根拠(ワラント)やその論拠(バッキング)は示されていませんでした。おそらく「経営陣にとっては『いつもhave to』があたりまえ」「そのhave toを職員にも厳しく押し付けている」ということなのでしょう。

つまり、「want toは許さない」がワラント。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12504855.html

 

このケースのように、have toはすっかりはびこり、人を狂わしています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076206.html

 

 「~しなければならない」「~してはならない」といったhave toは、社会全体のコンフォートゾーンになってしまっているのかもしれません。そして、今後ますます強まっていくはずです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 では、私たちはこの閉塞状況から抜け出すためにどうすればいいのでしょうか?

 

Q-093につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

アルバート・バンデューラ(Wikiより引用)

アルバート・バンデューラ

Albert Bandura
Wikipediaより引用

 

 


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