Q-481:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか?
<前編>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
その一部に回答いたします。
(変更を加えています)
Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。
博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?
どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?
A1:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
「アファメーション(Affirmation)」の「affirm」は、「肯定する」「承認する」という意味です。コーチングにおいては「肯定的な断言をすることにより、無意識の力を引き出し、イメージを現実化する方法」として用いられています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
なぜ「無意識の力を引き出す」ことができるのでしょう?
…答えは「ゴール側の可能世界w2の臨場感を高めることができる」から。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
ゴールは現状の外にあるためクリアにイメージすることはできません(できる場合は現状の中です)。しかし、ゴールを達成している未来から逆算した自分やまわりのあるべき状態はイメージすることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
それはゴールに基づいたコンフォートゾーン(CZ)であり、ゴール側の可能世界w2です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「{w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈{w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です。
F-430:オーセンティック・コーチングの形式定義 <後編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37977729.html
その“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”を肯定的に断言すると、その臨場感を高めることができます。声に出しながら繰り返し読むと(=外部化)、臨場感はさらに高まります。
L-246:2022年10月介護施設研修 -06;可能世界w2の臨場感を上げる3ステップ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38099185.html
なぜ臨場感が高まると無意識の力を引き出すことができるのでしょう?
…答えは「“ゴールに基づいたCZ(=ゴール側の可能世界w2)”にホメオスタシスが働く」から。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
情報空間に働くホメオスタシス・フィードバックの強度が臨場感の正体です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
つまり、臨場感とは、CZのレベルやホメオスタシス・フィードバックの強度と同じ。そして、それはエフィカシーの高さのことでもあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。最新のコーチングにおいては「現状宇宙w1からゴール宇宙w2に移行する自己能力の自己評価関数」と定義されています。
Efficacy(w1)→ w2
…コーチングの実際の作業は「クライアントのゴール設定をサポートし、エフィカシーを上げる」こと。よって、アファメーションが有効なのは間違いありません。
F-323:観自在 <実践編-3;アファメーション>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html
では、なぜ「コーチングではアファメーションは行わない」のでしょう?
…ここで「新刊の『老い方をいますぐ、アップデート』」中のアファメーションに言及されている部分を確認しましょう。以下、同書(TAC出版、p165、2026年3月発売)より引用します。
エフィカシーの簡単な上げ方
第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。
そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです。
そこで、まず試してほしいのが、毎朝「今日はいい一日になる」と声に出しながら、コップ一杯の水を飲む習慣です。たった数秒の行動ですが脳の働きを活性化させ、作業効率を大きく底上げしてくれます。
なぜ水を飲むだけで脳が目覚めるのか。それは、水を飲むという行為と、ポジティブな言葉やイメージをセットにすることで、エフィカシーが自然と高まるからです。こうした「言葉で理想の自分を作る技法」はアファメーションと呼ばれ、自分で自分の肯定感を高める手法です。
人はどれだけ知識やスキルを持っていても、エフィカシーが低いと実力を発揮できません。逆に、エフィカシーが高まれば、自信を持って行動でき、成果にもつながりやすくなります。
では、アファメーションを使ってエフィカシーを高めるにはどうすればいいか。
まず、「こうなりたい」という未来の自分を明確に決めます。たとえば、「老後はずっと孤独だ」と悩んでいるなら、「主体的な仲間たちに囲まれた自分」がその理想のイメージになるでしょう。
次に、その理想の姿を具体的な言葉で自分に繰り返します。
「自分はできる」
「この目標を達成するのにふさわしい人間だ」
「仲間たちに囲まれて、自分のやりたいことをやり、社会に貢献できている」
こうしたポジティブな自己対話を毎日続けることで、未来の自分の姿がリアリティを帯び、行動も自然と変わっていきます。
何かができない人は「うまくできない自分」を根拠なく思い込んでいるだけで、本来の力を出せていません。
だから、理想の自分をさきに決め、その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づけるのです。これが自己イメージを高く保つやり方であり、結果として「なりたい自分」を現実化していくことにつながります。
朝の一杯の水は、自分の未来を変える自己イメージアップの呼び水なのです。
すでにご存じの方も多い方法ですが、ここであらためてアファメーションの作り方の基本ルールを整理しておきます。
「老い方をいますぐ、アップデート」p168より引用
Kindle版はこちら↓
Amazon.co.jp:
老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント
eBook : 苫米地英人: 本
第二の人生を充実させている人に共通するのは、環境や周囲の声に振り回されず、自分なりの軸をしっかり持っていることです。そうした自分への信頼が行動力や決断力の源になります。
そのために欠かせないのが、自分を好きになり、自分を肯定する「自己イメージ」を高めることです。
…その「自分への信頼」や自分の裏返しである「宇宙(世界)への信頼」の基盤となるのが… ベーシックトラスト。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
ベーシックトラストとは、「子どもの親(大人)への絶対的な信頼感」のこと。
それは親が子どもを徹底的に信じてあげることで育まれます。親から信頼されている状態がCZになる
ということです。
Q-229:低年齢の子どもも… 後編;しつけと教育の違い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27824108.html
ところが、現実においては、親はドリームキラーであることが多いもの。ベーシックトラストが弱く、なかなか「自分への信頼」が持てないという方は決して少なくないはずです。そうですよね?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
さらに老いが重なると、ますます「自分への信頼」は揺らいでいきます。心身ともに弱っていくから。
L-026:2020年3月シークレット… -04;老いの実感 ~乗り物酔いリターンズ~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26077153.html
よって、文字どおり「老い方をアップデート」するために、あえてアファメーションを取り上げられているのだと思います。
F-038~:「若いうちはやりたいこと なんでもできるのさ ♪」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268333.html
これはコーチング前の段階の話であり、コーチング入門者向け。
エフィカシーは「自分のゴール達成能力の自己評価」ですが、そもそもゴールが設定されていなければ高めようがありません。
ゴールがないままでは「理想の自分をさきに決める」ことはできず、当然「その姿にふさわしい行動をいまの自分に条件づける」こともできません。
ルー・タイスさんの言葉でいうと、「ゴールが先、認識が後」です。
Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html
引用した文章で博士が問われているのは…
自分を好きですか?
自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?
…ということ。
でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。
Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html
その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。もっと本質的に考えると… そもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だから です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。
Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html
…以上がコーチング入門者に対する視点での回答です。
次回はコーチング実践者に対する視点で回答し直します。
(Q-482につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
ちなみに、最新のコーチングにおけるCZの定義は「{w ∀y∃x rComfortzone(x,y) } x,y ∈{w_{current}}」。自然言語で表現すると「すべての現在の可能世界を並べ替える関数r」です
…思考することそのものが大切。思考とは「記憶と情報の関連性を無作為に組み合わせる」ことです↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30514015.html
ところで、最新のゴールの定義は「{∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈{w_{future}}」でしたが、「老い方をいますぐ、アップデート」と同時期に発売された「新・夢が勝手にかなう手帳 2026年度版」(Club Tomabechi)の中では「{w ∀y∃x qGoal(x,y) } x,y ∈{w_{future}}」と記載されており、「ある可能世界において」をあらわす「w」が追加されています。
これはなぜなのでしょう?
…そのようなことを探究し続けることが「コーチにふさわしいハビット&アティテュード」だと私は思っています。
L-096:2021年7月… -08;BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html
-告知1-
次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年秋に配信を開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-164~5:アンチ(anti)からウィズ(with)、そしてウェル(well)へ vol.2「老」;anti-aging <ワーク付き>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24337669.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24402109.html
F-371:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html
L-251:2022年10月介護施設研修 -11(最終回);<ワーク>自己充足的予言
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38141994.html
Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html
Q-450:現状が嫌でしょうがなくてコーチングを学び始めましたが、ちっとも変わりません。こんな私でもコーチングを受ければ変わることができるのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37819886.html
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老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント
eBook : 苫米地英人: 本














