L-04520207月マネジメント研修会(医療法人、鹿児島県)レポート -05;「余裕」を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~ <研修4;ワーク付き>

 

 20207月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いたマネジメント研修を行いました。タイトルは「『余裕』を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~」です。

 内容について紹介し、いただいた御質問や御意見に対して回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変お待たせいたしました)

 

 01;イントロダクション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27054655.html

 02;「余裕」を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~ <研修1;ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27105005.html

 03;「余裕」を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~ <研修2;ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27142761.html

 04;「余裕」を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~ <研修3;ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27162802.html

 05;「余裕」を生みだす魔法のスキル ~折れない心の作り方~ <研修4;ワーク付き>

 

 前回は「働く仲間とゴールを共有するワーク」に取り組んでいただきました。

 

<ワーク:働く仲間とゴールを共有する>

 1)仲間と共有しているゴール(またはエンドステート)をイメージする

 2)自分のゴール(前々回ワーク済み)と相手のゴールの共通事項を探す

 PM-02-01:ゴール

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールの共有の次はスコトーマ外し。

 PM-02-04:スコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その際は3つのポイントを意識に上げてください。「共有するゴールを忘れない(何のために?)」「『ゴール』と『気づき』で考える」「ブレインストーミング&ブリーフィングの使い分け」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 2回に分けて、それぞれ説明します。

 

ポイント1:共有するゴールを忘れない(何のために?)

「ジョハリの窓」をご存じでしょうか?

 

 縦軸を「他人がわかっている/わかっていない」、横軸を「自分がわかっている/わかっていない」とすると、4つの領域に分類できます。「開放の窓(open self)」「盲点の窓(blind self)」「秘密の窓(hidden self)」「未知の窓(unknown self)」です。

 

Johari_window(Wikipedia)

Wikipediaより引用

 

 

 マネジメント研修でよく言われることは、「開放の窓(open self)をひろげなさい」。

 

 確かにそれは大切なことです。しかし、生じる認知的不協和によって「なんでわからないの」「まだわからないの」というような言動になってしまったらNG

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

エフィカシーを下げてしまうからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そのような過ちを犯さないために、つねに共有するゴールを思い描き、「なぜ開放の窓(open self)をひろげようとしているのか?」と問い続けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

ポイント2:「ゴール」と「気づき」で考える

 ポイント1も包摂した、さらに有効な思考法を紹介します。それは「ゴール」と「気づき」の2つの基準で考えるというもの。「苫米地式くせ・マトリックス」です。

 *「包摂(subsume)」とは「抽象度を上げる」ことです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 縦軸を「ゴール(目標)にプラス/マイナス」、横軸を「気づきあり/なし」とすると、下記のような4つの領域に分類できます。

 

 ゴール(目標)にとってプラスになる、気づいているくせ

 ゴール(目標)にとってプラスになる、本人は気づいていないくせ

 ゴール(目標)にとってマイナスで、気づいているくせ

 ゴール(目標)にとってマイナスで、本人が気づいていないくせ

 

 *ここでいう「くせ」とは、ブリーフシステム、およびその無意識下の表出(HabitAttitude)のこと↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18223480.html

 


くせ・マトリックス(薔薇色脳)

認知科学者 苫米地英人博士の著書「薔薇色脳」(主婦と生活社)より引用

 

 

 それではワークを行いましょう!

 

<ワーク:苫米地式くせ・マトリックスの実践>

 ①共有しているゴール(目標)をいつも思い描いておく

 ②その上で、目の前の事象を「ゴール(目標)にプラス/マイナス」「気づきあり/なし」により分類する

  ゴール(目標)にとってプラスになる、気づいているくせ

  ゴール(目標)にとってプラスになる、本人は気づいていないくせ

  ゴール(目標)にとってマイナスで、気づいているくせ

  ゴール(目標)にとってマイナスで、本人が気づいていないくせ

 ③エフィカシーを高めることを意識に上げながら働きかけを行う

  ゴール(目標)にとってプラスになる、気づいているくせ

   →本人に指摘して伸ばす

  ゴール(目標)にとってプラスになる、本人は気づいていないくせ

   →指摘せずに伸ばす

  ゴール(目標)にとってマイナスで、気づいているくせ

   →ゴール(目標)をイメージして直す

  ゴール(目標)にとってマイナスで、本人が気づいていないくせ

   →絶対に直す

 

成功のコツは“気楽に楽しむこと”。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 ワークを楽しみ、ゴールにどんどん近づいているプロセスそのものを味わってください(Life!)。

 Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

L-046につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

以下、苫米地博士が「くせ・マトリックス」について書かれている部分を、「薔薇色脳 ~悩みが1分で解決できる人生好転50のメソッド」(主婦と生活社)から引用します。

 

 あなたはコーヒー派ですか、紅茶派ですか? こう聞かれたときに、「コーヒー」などと無意識に答えるのは、その90%が、子どもの頃の親のモノマネをしていることがとても多いのです。つまり、あなたの好き嫌いの嗜好は、実は親の影響をかなり受けているのです。

 それは習慣についても同じ。喫煙などは、子どものときに親が吸っていたから自分も吸うようになったという人は多いでしょうし、親に殴られて育った人は同じような親になるとよく聞きます。

 しかし、くせに関していえば、自分が気づいた時点で、直すことができます。本当にやめたいと思えば、人間はやめます。身体に悪いと知っていてもタバコを吸っていた人も、本当に身体が悪くなったらタバコはやめるわけですから。本気でやめるモチベーションさえあれば、たいていのくせはやめることができるのです。

 ところで、くせというのはすべて悪いわけではありませんよね。直す必要のないくせもあるのです。そのへんは自分で、これはいいくせ、これは悪いくせだと判断ができると思います。

 さて、今ここでうなずいた方はちょっと危険です。

 

実はいいくせ、悪いくせの判断は自分ではなかなかつきにくいからです。逆によいと判断したくせのほうにこそ、直さなければいけないものが潜んでいることが多いのです。周囲に迷惑をかけているのに、本人は気がついていない。これが最悪のくせでしょう。人に指摘されるまでわからないので、かなりやっかいなのです。

 パートナーがいれば、パートナーに指摘してもらうのがいちばんなのですが、パートナーがいない場合は、過去を振り返って、「他人から指摘されて不快に思ったこと」をもう一度、吟味してください。必ず、そこに悪いくせは潜んでいます。ただし、過去を吟味するときは他人事のようにやってください。過去の怒りまで思い出したり、自分やパートナーを責めるのは禁物です。素晴らしいアドバイスだと思って生かす方向性で行ってください。

 まず、くせを指摘しあう前に、2人の共通目標を持ちましょう。何年後にマイホームを持つでもいいし、子どもを有名校に合格させるでも、なんでもかまいません。お互いにとって利益になる目標を掲げて、その実現のために、やめるべきくせ、やめなくていいくせを洗い出していくのです。

 私がおすすめするのは「くせ・マトリックス」を作ることです。縦軸は目標にとってプラスか、マイナスか。横軸はそのくせに本人が気づいているか、いないか、です。目標に対してマイナスで、気づいていないくせは、必ず直さなければいけません。ただし、この表に書かれた時点で、あなたの意識には悪いくせだと認識されます。さらに、あなたにとってプラスになる目標も提示されているのですから、直すことができるのです。

 これを機会に、家族や恋人同士でくせ・マトリックスを試してみてはいかがですか? ただし、必要以上の指摘をして、ケンカにつながらないよう、重々ご注意を(笑い)。

 

 

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