F-437:風になりたい <vol.1;逆風
→順風 →無風>
早朝、換気のために窓を開けると、冬と春が混ざり合ったような風が流れ込んできました。そのとき、ふと学生時代のことを思い出しました。ウインドサーフィンの記憶です。
F-020:研究はすべてに通じる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7554483.html
苦学生だった私はバイト漬けの毎日。とてもウインドサーフィンをするような金銭的な余裕も時間的な余裕もなかったのですが、どうしてもウインドサーフィンをしたいと思っていました。学生の間しかチャンスがないだろうとも。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
その思いは完全に“現状の外”。でも、思い続けているうちにスコトーマが外れ、いろんな“可能性”が見えてきました。そして2年目の春、ついにウインドサーフィンをはじめました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
やがて今までは見えなかった「風」が見えるようになり、「風」との一体感を感じることができるようになりました。
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とはいえ、自然は怖いもの。
サークルの幹部学年(大学4年)のときは、合宿中にオフショア(浜から海へ向かう風向き)の風が強くなり、部員の多くが流され海上保安庁に救助されるという“失敗”を経験しました。
PMⅠ-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
なぜ流されたのかというと、「風上に向かう(=オフショアの場合:浜に戻る)のは難しい」から。
風の力のみで海面を滑走するウインドサーフィンは、斜め45度の角度でしか風上に向かえません。風が強くなるほど45度を維持することは難しくなり、技術と根性(←ゴールに向かう強い意思)が必要になります。
(コースレースの場合は、さらに風を読む能力と戦略も必要です)
F-109:気楽
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その感覚は、まさに「逆風」。コーチングの形式的定義「並列宇宙(可能世界)w1から別の並列宇宙(可能世界)w2への移行を促す行為」を用いて表現すると、「これまでの現状w1に引き戻される感覚」「コンフォートゾーンに縛られる感覚」「『やっぱりムリ』とあきらめさせられる感覚」です。
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反対に、風下へ向かう「順風」は、「ゴール側の可能世界w2にどんどん引き寄せられる感覚」「自由を得て思いどおりの未来に向かう感覚」「『うれしい』『楽しい』『気持ちいい』が弾ける感覚」です。
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「CoachingFormalDefinitionDrT20251005」より引用↓
ちなみに、コーチングにおける「逆風」「順風」を決めるのは“臨場感”です。臨場感の強さがw1>w2の間はまだまだ逆風で、w1<w2となった瞬間に順風に反転します。
F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html
そして、その「風」の正体は…
以下、苫米地博士の著書「洗脳護身術」(三才ブックス、p35)より引用します。
三つの概念と洗脳の関係
それぞれの概念が分かったところで今度は、ホメオスタシスと内部表現の関係を組み合わせて考えてみよう。もともとホメオスタシスとは、外界と生体との情報の応酬である。気温が上がったという情報を全身の神経が認識して、その情報が脳に伝わる。すると脳からは、発汗せよという指令が下り、皮膚で発汗が促されるわけだ。
これは、脳内では外界の気温が上がったという内部表現の更新と、それに合わせた生体を望ましい状態にするための内部表現の更新によって、その内部表現状態に生体が整合的に発汗するのである。自分自身と外界世界を表現する内部表現と、物理的な外部世界との間で情報状態を常に最新に維持し、生体を安定的な健康状態に保とうとするフィードバック関係が成立しているのである。ここで人間に特徴的な事柄がある。内部表現は、物理的現実世界だけでなく、仮想世界ともフィードバック関係を成立させられるということだ。例えば、映画でビルが爆破されるシーンを見たとき、我々はドキッとする。実際に生体レベルで心臓がドキッとする。また、小説の中の感動的な一節を読んでいると本当に涙が流れてくる。この心臓がドキッとするのも、涙が流れるのも、すべてホメオスタシス現象だ。人間は仮想世界とホメオスタシス関係を持つことができるのだ。
ちなみに臨場感の強さとは、即ちこのホメオスタシスフィードバック関係の強度である。面白い映画に没入しているときは、強いホメオスタシスフィードバックが内部表現と映画の仮想世界の間で築かれている。だから驚いたときの反応が、生体レベルまで強く出る。これが内部表現とホメオスタシスの関係である。
脳が進化していない生物の場合は、内部表現は物理的な生体と物理的な外界だけである。従ってホメオスタシスも、この二つの間でしか起こらない。脳が人間レベルにまで進化してくると、内部表現は仮想的な世界や生体の状態を包含できるようになる。そしてホメオスタシスの対象も物理的な現実世界のみならず、仮想的な世界にも持てるようになる。だからこそ、映画や小説の世界に臨場感があるのだ。
さて、内部表現とホメオスタシスの関係が分かれば、これに変性意識との関係を加えてみよう。変性意識状態とは、内部表現のホメオスタシスフィードバックの対象が、物理的な現実世界よりも、仮想世界の方に強くなっている状態と考えられる。とはいっても、物理的な現実世界とのホメオスタシスフィードバックがなくなることはない。さもなければ呼吸や心臓は止まり、生きていることができない。
人間の特徴として、ホメオスタシスフィードバックは、同時に複数の世界を持つことができる。その中で物理的な現実世界よりも、映画や小説、ゲームの世界とのフィードバックが強い状態が変性意識状態なのである。立っていられない程、現実世界とのフィードバックが弱まり、仮想世界の臨場感が遥かに強大になる……トランス状態となるわけだ。
では、これら三つの概念は洗脳とどう関係があるのだろうか?
洗脳された状態とは、何らかの手法で生成された変性意識状態によって、洗脳者が築き上げた仮想世界とのホメオスタシスフィードバックが、現実世界よりも強くなってしまった状態である。そして、洗脳の怖いところは、その状態がホメオスタシスの力により、生体のレベルまで深くかかわっている点である。無理に洗脳を解こうとすると、呼吸困難になったり、意識を失ったり、悪寒がしたり、吐き気を催すのはこれが理由である。
また、仮想世界に臨場感が特に強いときは、超常的ともいえる色々な生体現象までもが起き得る。例えば、キリスト教を強く信じる人の手から血が流れ出す、いわゆる聖痕現象などがそうだ。これはキリスト教世界の強い臨場感が、強烈なホメオスタシス作用によって生体情報を書き換えていることで説明できる。長時間の瞑想などで光を見るという幻想などについても、変性意識、内部表現、ホメオスタシスの関係と、人間の脳内でのフィードバック空間が、物理レベルから仮想レベルまで広がっているということで理解できる。
ところで、変性意識の代表的な方法論である催眠現象は、術者が発する言語などの暗示が、一時的な内部表現への書き込みとなることで理解できる。例えば、変性意識が生成された後に「右手が挙がります」と術者からいわれると、変性意識の関係で臨場感は術者の言葉で生み出された仮想世界に強くなる。そしてホメオスタシスフィードバックもそちらに強化されているので、「右手が挙がる」という情報が内部表現に書き込まれれば、生体は内部表現の更新との整合性から、ホメオスタシスの影響により右手を挙げた状態に持っていくしかないのである。
催眠の場合は、言語の暗示が中心であり、これに対する反応性に個人差があるので、催眠感受性が高い人と低い人に分かれるが、現代的な洗脳は、あらゆる技術で変性意識を生成し、また仮想世界を構築する。内部表現が仮想世界まで広がり、ホメオスタシスフィードバックループが仮想世界まで広がっている以上、洗脳者の技術が優れていれば、我々は誰も洗脳から逃れることができないのである。
引用終わり
人間は仮想世界とホメオスタシス関係を持つことができる
臨場感の強さとは、即ちこのホメオスタシスフィードバック関係の強度である
…コーチングにおける「逆風」「順風」を決めるのは“臨場感”。そして、その「風」の正体は… 情報空間(仮想空間)に働くホメオスタシス(homeostasis)のフィードバックです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
学生時代のウインドサーフィンの記憶は、無意識下のホメオスタシスフィードバックの働きを意識化するのにとても役立っているように思います。
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
ホメオスタシスを「風」として感じられる気がするのです。
F-434:イメージするための表現の関数 <後編;表現=共感覚化>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38069440.html
私の体感ですが、ゴールを設定してゴール側の可能世界w2の臨場感が上がっていくと「風」が生じます。ただし、最初は「逆風」。ゴール側に向かっていくほど風下(=現状=これまでの可能世界w1)側へ引き戻す力が強まっていきます。
その間はぜんぜん進んでいる(=ゴールに近づいている)気がしませんが、ある時急に「順風」になり、まるで引き寄せられるかのようにゴールに向かっていくようになります。図にすると、直線ではなく、S字カーブのような感じで。
F-259:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.3;知らないことは認識できないのに新しい知識を得ることができる秘密>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29695715.html
ただし、ゴールに近づくと「風」は弱まってしまいます。まるで“見えない壁”に阻まれるように、その先へ進むことが難しくなっていきます。
F-428:見えない壁
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37908516.html
ウインドサーフィンでいうと、「無風」の状態。波風が立たない凪の状態です。
コーチングでいうと、それはコンフォートゾーンのど真ん中にいる感じです。
L-210:2022年07月シークレットレクチャー -08;狭く! 高く!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36862880.html
(F-438につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
苦学生だった私はバイト漬けの毎日。とてもウインドサーフィンをするような金銭的な余裕も時間的な余裕もなかったのですが、どうしてもウインドサーフィンをしたいと思っていました
…なぜウインドサーフィンをしたいと思っていたのだろう?
↑このような自問はとても大切です。他人や社会から埋め込まれた束縛から“自分”を解き放つきっかけになるから。
Q-452:コーチングの対象が自分であっても… <vol.1;コーチングは「自問自答」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37854944.html
では、あらためて…
なぜウインドサーフィンをしたいと思っていたのだろう?
…答えはすぐに見つかりました。前回まで取り上げていた「MIAMI VICE」です。
F-435~:MIAMI VICE
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_432533.html
オープニング映像の中に、女性がウインドサーフィンをしている姿があります(懐かしのサーファー艇で)。その映像(pictures)が「かっこいい」という感情(emotions)や「やりたい」という内省言語(words)とともに脳内に焼き付いていたのだと思います。
L-067:2020年11月… -02;思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html
そもそも換気をしたときに「ふと学生時代のことを思い出した」ということ自体が、「MIAMI
VICE」をテーマにブログを書いた影響(余波)でしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
…あらためてTVなどのマスメディアやSNSの怖さを感じました。
Q-458:「この世をよくしたいなら権力から離れる」… <vol.2;そもそも権力とは?>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37957648.html
-告知1-
次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-076:Ya Ya(あの時代を忘れない)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15961773.html
F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムはおかしい?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html
F-284~:気楽 ver.2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html
F-330~:分断緩和のための処方箋
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427910.html
L-192:2022年07月医療・介護研修会 -02;ゴールを考える前に必要なもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html
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