Q-434:コーチングは行動科学とどう違うのですか? <vol.1;「次世代コーチング」のコアの確認>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
4回に分けて回答いたします。
vol.1;「次世代コーチング」のコアの確認
Q:コーチングは行動科学とどう違うのですか?
A1:まずは最新の「コーチング」(というゲシュタルト)の確認をしましょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
かつて出演されていた「バラいろダンディ」(2021年12月13日放送回)の中で、苫米地博士は「コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界w1から別の可能世界w2への移行を促す」と説明されています(放送では「wからw1への移行」と表現)。
これが「次世代コーチング」のコア。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
「苫米地式次世代コーチング」をテーマとした最後の「バラダン」(2024年9月9日放送回)での講義で、苫米地博士は「自我」の再確認をされました。
その理解が、コーチングにおいて、とても重要だからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
「バラいろダンディ」(2024年9月9日放送回)より引用
「部分関数」とは、ある集合を切り分けて取りだす関数のこと。例えば、「偶数」というのは、「自然数」という集合から「2で割り切れる数」を取りだす関数であると見なせます。
このとき「2で割り切れない数」=奇数が残ります。よって、「奇数」の方も同時に定義できてしまうことになります。
同様に、自我とは、宇宙を「自分」と「自分以外」に切り分ける関数のこと。よって、「自分がわかると、宇宙がわかる」。それが部分関数です。
「バラいろダンディ」(2024年9月9日放送回)より引用
次に話されたのが、自我のもうひとつの定義「評価関数(重要性関数)」。
例えば、「職業はコーチと医師を…」「子どもは3人いて…」「映画好きで、とくにSTAR
WARSが…」「生まれも育ちも鹿児島で…」などと自己紹介するとき、それは自分にとって重要な(あるいは関係性が深い)順に宇宙を並べ替えているといえます。
その並べ替え関数が「評価関数(重要性関数)」です。
ちなみに、宇宙に対する評価関数のことを、コーチングでは「コンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)」と表現します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
「バラいろダンディ」(2024年9月9日放送回)より引用
自我を確認した後、苫米地博士はコーチングの奥義を再々開示されました。それが…
コーチングが関わるのは、“p自我”ではなく、あくまで“w”の部分
以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2025年度版」(CYZO、付録②)より引用します。
自我を定義する「重要性評価関数」
一方で、コーチングでは、次の自我の定義を使います。現代分析哲学的な定義の仕方で表すと次の式となります。
{w∀y∃xp自我(x,y)}x,y∈宇宙
・w∀y∃x:wの中で「xはyより重要」
・p自我(x,y):xとyで成り立つ関数:p自我
・x,y∈宇宙:x,yは宇宙にあるもの
【解説】w(世界)において宇宙のすべての存在間で「xはyより重要」を定義する重要性評価関数p:自我
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初めて見る記号が出てきて、先ほどの部分関数よりさらにとまどった人もいるかもしれません。しかし、こちらも内容はシンプルなので、一つひとつを見ていけば意味を理解するのは難しくはないでしょう。
まず、この式は、「自我とは、宇宙のすべての存在を自分にとっての重要度で並び替える関数p。つまり、重要性評価関数」であることを示しています。重要性評価関数とは、宇宙の任意の2つのものx,yを持ってきたときに、それらを重要度によって評価し、並び替える関数ということです。
例えば、目の前にx:お母さんとy:ペットボトルがあったときに、どちらが重要かを決める関数が自我関数pです。たいていの人は、お母さんがペットボトルより重要だと評価するのではないでしょうか。それはお母さんとペットボトルを、自分にとっての重要度によって評価して並び替えたということです。
ちなみに、お母さんとペットボトルとの間で、どちらの方がより重要かわからない人、つまり悟った人をブッダといいます。悟った人は、無分別であり、すべてのものの重要性が同じなので、どちらがより重要かが決められないのです。
ですから、ブッダは理論的には存在しますが、物理的現実世界には実存しません。なぜなら、どれが自分にとって重要かを決められなければご飯も食べられないので死んでしまうからです。ブッダは目指すものであって、もし「私はブッダです」と言う人がいたら、その人の言っていることは怪しいということです。
お母さんとペットボトルとの間だと、どちらがより重要かについての評価は、ほとんどの人で同じであるためわかりづらいかもしれませんが、世の中には、どちらがより重要かが人によって大きく分かれるものがたくさんあります。
例えば、レストランで食後に「コーヒーにしますか? 紅茶にしますか?」「コーヒーにミルクは入れますか? 砂糖は入れますか?」と聞かれたら、どちらを選ぶかは人によって異なるでしょう。
どうして人によって選択が異なるかというと、それを決める重要性評価関数である自我関数pが一人ひとり異なるからなのです。
そうすると、人生がうまくいっている人とうまくいっていない人の違いは、この重要性評価関数である自我関数pなのだと思うでしょう。そして成功している人の自我を真似すれば自分も成功者になれると思うはずです。
そうして、自我関数pを書き換えることを一生懸命にやろうとします。実はそれではうまくいかないのです。
コーチングを学んだことがない人であれば、そうなってしまうことも仕方のないことかもしれません。しかし、本を数冊読んでコーチングがわかったと思っている「にわかコーチ」の人も、コーチングの本質を理解していないため、ここを間違えます。
つまり、自我関数pを変えることがコーチングだと誤解して、クライアントの自我関数pを一生懸命に変えようとアドバイスしてしまうのです。
例えば、「差別をするのをやめましょう」とか、「人種に関わらず好きになりましょう」などをコーチがクライアントに言うのは、一見よいことのように思えます。しかし、これはクライアントの自我関数pを変えようとコーチがアドバイスしているので、コーチングではないのです。
引用終わり
…繰り返しますが、「次世代コーチング」のコアは、「関数pの再定義を促すのではなく、可能世界w1から別の可能世界w2への移行を促す」。コーチングが関わるのは、“p自我”ではなく、あくまで“w”の部分です。
それを「クライアントのコンテンツには関わらない」と表現します。「こちらがより重要」という評価・判断に、コーチは一切関わりません。
Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるもの… ?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html
重要度を決めているのは、ほとんどの場合、他人から埋め込まれた情報です。他により埋め込まれたRASが、一人ひとりが認識している目の前の世界を決めています。
そのRASについて、多くの人は無自覚なまま。「RASについて“自分なりの判断”を行わない」ことは「思考停止」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
そもそもRAS(Reticular
Activating System、網様体賦活系)とは、脳の活性化ネットワークのことで、五感から入力される大量の情報の取捨選択を行うフィルターのようなもの。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
人は、そのフィルターを通過した情報のみを認識し(=スコトーマが外れる)、通過しない情報は認識することができません(=スコトーマに隠れる)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
博士が書かれている「コーヒーか? 紅茶か?」でいうと、「食後にコーヒーを飲む」といった無意識化された行動パターンがハビット(Habit)で、「どちらにしますか?」と聞かれて「コーヒー」と答える無意識の判断がアティテュード(Attitude)です。
L-096:2021年7月… -08;BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html
そのRAS&スコトーマやハビット&アティテュードを制御しているのがブリーフシステム(Belief
System、BS)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
つまり、自我(重要性評価関数)とブリーフシステム(BS)は同義。その自我≒BSへの向き合い方が、コーチングと行動主義(行動科学)では決定的に異なります。
(Q-435につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
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一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
―関連記事―
F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html
L-159:2022年01月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html
L-169:2022年03月シークレットレクチャー -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html










