苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:F:フリーテーマ > F-392~ ナイセイカンショウ

F-392:ナイセイカンショウ <vol.1;関数pの再定義ではなく、可能世界“w1”から別の“w2”への移行を促す>

 

 先日(2025320日)、サッカー北中米ワールドカップ アジア最終予選が開催されました(vs バーレーン)。勝てば本大会出場が決まる大事な試合で1ゴール1アシストと圧倒的なパフォーマンスを見せたのが久保建英選手。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた23歳の若者は、試合後このようなコメントを残しています。

 

何よりもみんなを安心させたい思いでプレーしていたので、前半は負けても良い試合のはずなのに負けちゃいけないみたいなところがプレーしている身からするとあって、ロングボールの精度とか、気持ちは入っていたけど、空回りではないけど硬さが見えていた。僕自身は動きが良かったので何とか結果を出してチームを落ち着かせたい、楽にしたいと思っていたので、アシストのところはゴールよりうれしかったかもしれない


 「みんなのために」「チームのために」と繰り返した後、ふと漏らしたのが

 

 自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う

 

 この「幼稚さ、幼さは抜けていい選手になった」というのは、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」が書き換わったということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 それは「自我」が書き換わったということでもあります。自我とは、「部分関数」であり、「評価関数(重要性関数)」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 釈迦哲学で言い換えると、自我とは「縁起の中心点」です。

私たちは必ず「他との関係性」により存在しています。それが縁起。自我が書き換わると関係性が変わり、関係性が変わると自我が書き換わっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「関係性が変わる」を違う表現で表すと「重要度が変わる」。その重要度が「評価関数(重要性関数)」としての自我です。重要度が変わるとRAS&スコトーマが変化し、それまでとはまったく違う世界を認識するようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「書き換わる」というのは、ただ「ズレる」というようなものではありません。その本質は「抽象度が上がる」こと。その抽象度が上がった感覚が、久保選手の「みんなのために」「チームのために」という言葉にあらわれています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

  自我が書き換わることの本質は「抽象度が上がる」こと

 

 以下、苫米地博士の著書「『性格』のカラクリ “イヤな他人”も“ダメな自分”も一瞬で変えられる」(誠文堂新光社、p193)より引用します。

 

 

人はさまざまな幻想に支配されている

 私たちを束縛したり振り回したりしている幻想は、他にもたくさんあります。

 

 「いい学校に進み、いい会社に入ってこそ幸せである」「家庭を持ってこそ幸せである」「自分の家を建ててこそ幸せである」といった幸福観。

 「社会人はこうあるべき」「家庭はこうあるべき」といった暗黙のルール。

 「会社を辞めたら食べていけなくなる」「結婚しなければ孤独で淋しい人生になる」といった恐怖。

 

 日々の生活の中で、親や兄弟、教師、友人、メディアなどによって摺り込まれたこうした価値観は、情動と結びつき、ブリーフシステムとして前頭前野に蓄積されていきます。

 いずれも実体はなく、幻想にすぎません。

 いい学校に進み、いい会社に入ったから、家庭を持ったから、家を建てたからといって、幸せになれるとは限らず、むしろ苦しみを抱えることも多いでしょう。

 「~はこうあるべき」といった価値観やルールは決して絶対的なものではなく、場所や時代が違えば簡単に変わってしまいます

 恐怖という感情の無意味さについても、PART3でお伝えした通りです。

 

 しかし、私たちはそれらを盲目的に信じ込まされています。

 「自分の意思で選んだ」「自分の意思で行った」と思っている選択や行為のほとんどは、誰かに選ばされていたり、やらされたりしていることであり、多くの人が、こうした過去の記憶、他者の価値観をもとに、自分の未来を決めてしまっているのです。

 

 もっとも、私は、ブリーフシステムの存在自体を否定しているわけではありません。

 ブリーフシステムは、社会による教育の成果でもあります。

 教育が行われ、ブリーフシステムによって行動が制御されなければ、人間はもっと本能のおもむくままに、利己的に生きることになってしまうでしょう。

 

 ただ、過去に摺り込まれた他者の価値観に振り回され、縛られて生きるのは、やはり「幸せ」ではありません。

 それは、他者によって洗脳され、支配され、奴隷化して生きることだからです。

 自分の本当の意思、自分の本当の望みに気づくことなく、他者の欲望を満たすために踊らされ続けて一生を終えるのは、とてもむなしいことだと思いませんか?

 

 なお、現代の日本において、もっとも強力な洗脳装置として機能しているのが、テレビです

 

 映像や音が生み出す臨場感は、人の脳に強いインパクトを与えます。

 近年、多少はテレビ離れが進んだとはいえ、テレビが流す情報を鵜呑みにしてしまう人は、まだまだたくさんいますし、テレビで活躍した人、テレビで人気のある人が選挙で選ばれ、政治家になることも少なくありません。

 テレビからの情報は、現代の日本人のブリーフシステムに、かなり色濃く反映されているはずです。

 これは、異常かつ危険な状態であるといえるでしょう。

 

 また、多くの人は何も気づかずに、大手広告代理店やテレビ局、芸能プロダクションなどが提示する価値観を受け入れ、彼らが次々と与える欲望にとらわれています。

 洋服、旅行、グルメ、人にうらやましがられるような生活……

 たまに欲しいものを手に入れても、すぐにまた欲しいものが現れるため、本当に満足できることはありません。

 まさに、仏教でいう、「餓鬼」の状態になってしまっているのです。

 

 人は、洗脳による支配から自由になったとき、初めて自分の本当の意思に基づいて未来を選択できるようになります。

 そのためには、思考の抽象度を高め、物事を俯瞰して眺めること、スコトーマをずらし、見える世界を変えることなどが必要です。

 

 PART2PART3でご紹介したのは、単なる「『性格』を変える方法」ではありません。

 さまざまな洗脳から解放され、他者からの摺り込みによるものではない、自分自身の価値観に基づいて、本当の意味で自由に生きていくための方法なのです。

 引用終わり

 

 

 人は、洗脳による支配から自由になったとき、初めて自分の本当の意思に基づいて未来を選択できるようになります。そのためには、思考の抽象度を高め、物事を俯瞰して眺めること、スコトーマをずらし、見える世界を変えることなどが必要です

 

 ところで、コーチングの重要なポイントは「クライアントのコンテンツには一切関わらない」ということ。

 Q-381~:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429450.html

 

 ここでいう「コンテンツ」とは、BSや自我のこと。そして、そのBSや自我が生みだしている“現実”のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 では、コーチは何に関わるのでしょう?

 

 

 答えは「クライアントの“未来”」。正確には「今のまま(のBSや自我)では絶対に達成することができない未来や世界(可能世界w2)に向かう“方向性”」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 苫米地博士は、そのことを「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」と表現されています。

 (バラダンでの講義では「wからw1」でしたが、現在の博士の表現に統一しています)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 関数pの再定義を促さない =コンテンツに関わらない =(現在の)BSや自我には介入しない

 

 冒頭の久保選手の例でいうと、「『(これまでの)幼稚さ、幼さ』については評価・判断せず、それを変えようとも一切しない」ということ。

 Q-409BSをゼロベースで観察することが困難な中、どのように? <vol.3;方向>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35983549.html

 

 でも、結果的に久保選手のBSや自我は「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わり、「圧倒的なパフォーマンスを見せてW杯本大会出場獲得」という可能世界w2を現実化しました。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 一体何があったのでしょう?

 

F-393につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 映像や音が生み出す臨場感は、人の脳に強いインパクトを与えます

 

 久保選手のインタビュー中の姿(映像)や肉声(音)を観察しながら得たひらめきがこのブログ記事執筆のきっかけです。

 Q-408:ブリーフシステムをゼロベースで観察するvol.2;〇〇を感じ取る力>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html

 

 文字だけで「自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う」という言葉を確認した場合にも、果たして同じように感じただろうか?

 

 そのように自問しながら、あらためて「もっとも強力な洗脳装置として機能しているテレビ」の怖さを思い知りました。

 F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

L-06520209月シークレットレクチャー -05;「生と死の間/ between life and death」に向き合い、「生/life」そのものを磨き上げる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28529789.html

L-11520219月シークレットレクチャー -03;夢を現実化する方法

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L-170202203月シークレットレクチャー -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

Q-403~:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430302.html

 

「性格」のカラクリ



F-393:ナイセイカンショウ <vol.2;内政不干渉の原則>

 

 サッカー北中米ワールドカップ出場を決めた試合(2025320日、vs バーレーン)で1ゴール1アシストと圧倒的なパフォーマンスを見せた久保建英選手は、試合後このようにコメントしました。

 

 自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う

 

 これはブリーフシステム(Belief SystemBS)、あるいは自我が、「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わったということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 一体何があったのでしょう?

 

 vol.1;関数pの再定義ではなく、可能世界“w1”から別の“w2”への移行を促す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36550679.html

 vol.2;内政不干渉の原則

 

 

 皆さんは「内政不干渉の原則」という概念(ゲシュタルト)を御存知でしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 Wikipediaによると、それは「国家は国際法に反しない限り、一定の事項について自由に処理することができる権利を持ち、逆に他国はその事項に関して干渉してはならない義務があるという、国家主権から導出される原則」のこと。

 内政不干渉の原則 - Wikipedia

 

 「国際法に反しない限り」「権利」「義務」「原則」という言葉からわかるとおり、「内政不干渉」は絶対的なものではなく、決して不可侵なものではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 それに対して、コーチングにおける「コーチはクライアントのコンテンツには一切関わらない」は絶対的であり、必ず守らなければならないこと。その理由は?

 

 以下、「DaiGoメンタリズム VS Dr.苫米地“脱洗脳”」(ヒカルランド、p270)より引用します。この対談本の最後には苫米地博士による「洗脳の定義」(苫米地コム、1998925日付)が収載されています。その部分からの引用です。

 引用した意図を推しはかりながら、「コンテンツには一切関わらない」ことの重要性を感じてください。Feel

 

 

個々の事例との類似性は、概念の定義ではない

 ちょっと脱線しましたが、ようするに言いたいことは、アメリカの最先端の研究の成果が書かれたものになって、さらに和訳されて、日本に浸透するまでの時間のギャップは、研究成果そのものが、アメリカで上がっている以上しょうがないものがあるということと、その和訳を権威ある定義だとしてしまうと、良くて10年、悪くて20年遅れた定義になりますよ、ということを言いたい訳です。

 大体私達が知りたいのは、brainwashingという、米国におけるいろいろなインスタンス(実例、事例)をグループ化したに過ぎない単体の意味ではなくて、もっと抽象化された「洗脳」の概念そのものの定義です。

 Toshiや貴乃花を見て私に質問をしてきたジャーナリスト達の「あれは洗脳ですか」という質問には、私をうならせる困った日本の学問の実状がこのようにからんできます。ジャーナリスト達が思い浮かべている「洗脳」は、確かに概念として存在します。それは、先に定義した「認知的行動主義的手法」の下位概念であり、昔の中国共産党が利用した一連の「brainwash」手法から帰納的定義した概念の上位概念になるものでしょう。

 現在でも、そのインスタンス(実例)が存在している概念でなければ、質問の答えとして親切ではないでしょう。英語なら、それに当てはまりようなのは、unethical cognitive behavioral controlとでもいえる概念だと思いますが、どうも、日本語では、「洗脳」という言葉がぴったりのようです。昔の中国共産党的な、物理的に拘束してガンガンやるやり方は、当時brainwashと呼ばれていましたが、これは、英語では死語に近い言葉です。どちらかというとmind controlという言葉のほうが生きていると思います。

 一方、日本語では、「洗脳」ということばは生きています。「洗脳セミナー」とか、「カルト洗脳」とか「洗脳された」という言葉は、良く聞く言葉です。だいたい昔の中国共産党的な「brainwash」は世界中まあどこにももうないでしょう。少なくとも日本ではあり得ないでしょう。でも、それで、Toshiや貴乃花は、「brainwash」ではないといっても、そんなのは当たり前で、答えになっていないし、それを、概念の定義レベルで言ってしまえば、それは、クラスとインスタンス、つまり、概念とその実例の差を取り違えて、説明してしまうことになります。

 引用終わり

 

 

 「コンテンツには一切関わらない」という理由は、一般向けには、「スコトーマを生みだすから」「限界をつくるから」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 コーチング実践者向けの本質的な理由は、「抽象度の上限はないから」であり、「空(くう)だから」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 人は空として存在し、無限の可能性を秘めています。そして、誰もその可能性すべてを知り得ることはできません。

 Q-409:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中vol.3;方向>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35983549.html

 

 だから、コンテンツには一切関わらない。

「『一人一宇宙』にそもそも関わりようがない」というのが私の本音です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 

 では、サッカーの話に戻ります。

久保選手の変化(=関数pの再定義)に興味を持った私は、早速サッカー日本代表の記事を調べてみました。

 (「興味」の正体は↓)

 L-06320209月シークレット… -03;全面肯定しつつ、“現状の外”を志向する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28501205.html

 

すると、わかったのが

 

1)アウェーでのサウジアラビア戦(202410月)に向けた練習に2日目から合流した際に覇気がまったくなかった

 2)試合の終了間際に出場するも、見せ場を作れなかった

 3)試合後「今日はすみません」と取材を拒否してバスへ乗り込んだ

 4)一連の言動を見守っていた森保監督から「日本のために戦えるか?」「戦えないなら帰るか?」と問われた

 5)(久保選手)号泣

 6)長友選手から「お前は日本代表に必要だ。ラ・リーガでプレーしているんだろ?」と声をかけられた

 

 …1)~3)の“らしくない低パフォーマンス(ハビット&アティテュード)”の裏には、いつもとは違う低いセルフイメージがあったはず。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 セルフイメージが低下する要因は、大きく分けると4つあります。「身体的要因」「心理・精神的要因」「社会的要因」、そして「スピリチュアルな要因」です。

 L-00120201… -01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 

 「スピリチュアルな要因」をコーチとして突き詰めると、それは「ゴールがない」こと。

「ゴールがない」をさらに分類すると、「そもそも設定されていない」「本当のゴールではない」「すでに達成している(再設定なし)」、そして「ゴール側の臨場感を失っている」という感じ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 森保監督や長友選手の言葉が刺さったことを考えると、久保選手の場合はおそらく「ゴール側の臨場感を失った状態」だったのでしょう。それは「エフィカシーが下がった状態」ともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 エフィカシーと双方向的に抽象度も下がり、「日本のために」という視点を失っていたはずです。それが久保選手が言及した「幼稚さ」「幼さ」の感覚でしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ここでのポイントは、森保監督や長友選手は久保選手のBSや自我に直接言及していないこと。「お前は〇〇だからダメだ」と評価・判断するのではなく、「何で〇〇しないんだ」と責めるわけでもなく、ただ「日本のために」という方向性を示しています。

もちろん、それは抽象度が上がる方向性です。

 F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html

 

 そんな働きかけが、結果的として久保選手のBSや自我を「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換えました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 では、森保監督らの働きかけと久保選手自身によるBSや自我の(結果としての)書き換えの間には何が起こったのでしょう?

 Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35882023.html

 

F-394につづく)

 

 

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-関連記事-

PM-06-10:仮説05)権利と義務の関係の理解不足

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L-175202203月シークレットレクチャー -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

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DaiGoメンタリズム VS Dr.苫米地“脱洗脳”



F-394:ナイセイカンショウ <vol.3;心の本質を捉える基本中の基本>

 

 サッカー北中米ワールドカップ出場を決めた試合(2025320日、vs バーレーン)で1ゴール1アシストと圧倒的なパフォーマンスを見せた久保建英選手は、試合後このようにコメントしました。

 

 自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う

 

 これはブリーフシステム(Belief SystemBS)、あるいは自我が、「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わったということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 一体何があったのでしょう?

 

 vol.1;関数pの再定義ではなく、可能世界“w1”から別の“w2”への移行を促す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36550679.html

 vol.2;内政不干渉の原則

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36598430.html

 vol.3;心の本質を捉える基本中の基本

 

 

 ポイントは、森保監督や長友選手による抽象度が上がる方向性への働きかけ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

その働きかけにより、結果的として久保選手のBSや自我は「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わりました。

 

 では、森保監督らの働きかけと久保選手のBSや自我の(結果としての)変化の間には何が起こったのでしょう?

 Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35882023.html

 

 

 答えは、久保選手自身に由る「内省言語の生成」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 苫米地博士は「本当のコーチは基本的にブリーフシステムを変えるためにおしゃべりなんかしない」と仰います。コーチングの本質的な部分は非言語です。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 仮に「その生き方は間違っている」「そのゴールは間違っている」と諭したとしても、まずもってBSや自我は変わらないでしょう。プッシュ・プッシュバックが働くから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882703.html

 

 もしも言葉(や論理)によって変わったとしても、そのうち深刻な状況に陥るはずです。心から納得することなく受け入れたものは理不尽度が高く、have toを生みだします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 人を本当に苦しめるものは、生じた出来事の大小ではなく、理不尽度。

 S-04-06~7:心に深い傷を負う理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22746255.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22817135.html

 

 その理不尽度は「自己責任感の大小」で決まります。

 S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 ここでいう「自己責任感」とは、「すべて自分で決めるという覚悟」のこと。コーチングに寄せていうと、「ゴールは必ず自分で設定する(している)というBS」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそ、BSは変わります。その思いが自然にあふれでるのが「内省言語」です。

 L-06020208月シークレットレクチャー -06;必要なのは意思と覚悟

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28153740.html

 

 最初(F-392/vol.1)に紹介したとおり、苫米地博士は「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」と表現されています。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「可能世界“w1」とは、これまで慣れ親しんできたコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。「別の“w2」とは、そのCZの外側にあるゴール側のCZです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 これまでのCZの外側に出ると(出ていかせようとすると)、強烈な反動が生じます。意識下でも、無意識下でも。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 その反動をコーチが言葉でひっくり返すことはできません。なぜなら、その反動とは、生命維持レベルの強力なホメオスタシス・フィードバックだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから非言語!

 

ただし、その“非言語”は、「声を出してはいけない」「話をしてはいけない」ということではありません。直接的にw1w1を生みだすBSや自我には介入しないということであり、会話自体は行ってもかまいません(博士はただの会話は厳しく戒められていますが)。

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(サイゾー、p116)より引用します。

 

 

内省言語を発生させる

 非言語コミュニケーションは特殊な技術ではありません。これは人が人に対して影響力をどうやって与えるかという話で、世間一般で頻繁に使われているものなのです。

 日常生活の中にもありますし、私たちが気づかずにいつもやっていることの中にもあります。

 人の心に内省言語を生み出すことは少し敏感になれば誰でもできます。例えば、最もわかりやすいのがCMです。多くのCMがしているのは商品の正しい説明ではなく、視聴者に恐怖を植え付けることです。「その洗濯物臭っていませんか?」「いつまで太っているつもりですか?」「まな板は雑菌だらけ」などなど、これが第一声でどこにも商品の説明はありません。

 でも、視聴者の心には「これは聞いておかないとマズいかも」という内省言語が発生しています。発生したら、そこで初めて商品説明が始まります。

 ひと目惚れのテクニックでも同様です。

 以前、私は、意中の会社の同僚を振り向かせるテクニックとして「趣味のキーホルダー」というのを紹介したことがあります。

 これは、意中の彼が釣り好きで、その彼に興味を持ってもらうために釣りを学ぼうとしていた女の子からの相談でした。彼女は釣り好きの彼に「自分も釣りを始めました」と告げようとしていたので「やめておきなさい」と私は言っておきました。「その彼を本当にゲットしたいのであれば、あなたが本当に釣りを好きになるだけでいいんですよ」と。

 数ヶ月後、その女の子はその彼と一緒に釣りに行くことになったそうです。しかも、誘ってきたのは彼のほうだといいます。きっかけは彼女がキーホルダーに使っていたミニチュアの釣り竿で、彼の方から「これって〇〇〇のレプリカ?」と声をかけてきたそうです。

 彼女は何ひとつ言葉を使っていません。ただ、ちゃんと釣りを好きになっただけです。人の心を動かすとはこういうことです。

 それを「コミュニケーションの仕方を学びましょう」「こう言われたらこう返しましょう」「部下とのコミュニケーションはこうしましょう」などというのはあまりにも人をバカにしています。

 心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと。いかにそれを言語を使わないで引き起こすのかということが極めて重要なのです。

 そして、それはまさにスコトーマの原理であり、非言語の本質はRASのシステムの裏表ということです。

 ですから、当然、非言語コミュニケーションは声を出してもいいのです。相手のRASがカクテルパーティー効果のようにこちらの声を消してくれるのならそれでいいというわけです。こちらから働きかけていることが相手の意識に上がってさえこなければ、声を出してもいいのです。

 実際、私がコーチングをする際、あまり話はしません。話しているのはクライアントのほうです。

 私はクライアントの話の内容に興味があるわけではありません。クライアントを現状に縛るブリーフシステムがどういうものなのかを探りつつ、それを超える内省言語を引き起こすように聞いています。

 逆に、クライアントは自分が変わっていることを自覚できません。ですから、「博士、もっとアドバイスをください」と言います。時には怒ったりもします。そこで私は「あなたはもう変わっていますよ」と告げ、セッションの最初の頃と比べて変わったところをいくつか伝えます。クライアントは自分が変わっていることを、その時初めて理解するのです。

 ブリーフシステムが変わるというのはこういうことなのです。

 引用終わり

 

 

 心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと。いかにそれを言語を使わないで引き起こすのかということが極めて重要なのです

 

 今回のテーマは「ナイセイカンショウ」。

 

 コーチは、クライアントのコンテンツには決して関わりません。それは「内政には不干渉」ということ。

 

ただし、「内省言語を引き起こすこと」には積極的に関わります。その関わりは「内省勧奨」。

 

それは、時間の流れでいうと未来からの、抽象度でいうとより高次の次元からの、強力な働きかけです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

F-395につづく)

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-100:芸術は爆発だ!

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F-327~:お大事に

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Q-194:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか? Vol.3;マインドを100%活用するという覚悟(ワーク付き)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25604736.html

 

 

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F-395:ナイセイカンショウ <vol.4(最終話);認知戦に打ち勝つための「ナイセイカンショウ」>

 

 サッカー北中米ワールドカップ出場を決めた試合(2025320日、vs バーレーン)で1ゴール1アシストと圧倒的なパフォーマンスを見せた久保建英選手は、試合後このようにコメントしました。

 

 自分の実力は分かっている。幼稚さ、幼さは抜けていい選手になったと思う

 

 これはブリーフシステム(Belief SystemBS)、あるいは自我が、「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わったということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 一体何があったのでしょう?

 

 vol.1;関数pの再定義ではなく、可能世界“w1”から別の“w2”への移行を促す

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36550679.html

 vol.2;内政不干渉の原則

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36598430.html

 vol.3;心の本質を捉える基本中の基本

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36643053.html

 vol.4;認知戦に打ち勝つための「ナイセイカンショウ」

 

 

 私と縁がある方々の中に「自分を好きになれない」「今の社会がイヤでしょうがない」と訴え続ける人たちがいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そういう人たちに対して「すべてマインドが生みだしている」といった話をすると、「私が悪いというのですか」と怒ったり、「思っていた人と違った。冷たい」と非難されたりします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 コーチとしての私が必要に応じて伝えているのは、「マインドの使い方」であって、「いいか? 悪いか?」「正しいか? 正しくないか?」という価値判断ではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 そもそもコーチはコンテンツには関わらず、「内政」に対しては不干渉を貫きます。ここでいう「内」とはブリーフシステム(Belief SystemBS)のことで、「内政」とはBSが生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 最初(F-392/vol.1)に紹介したとおり、苫米地博士は「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」と表現されています。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その「可能世界“w1」が、「内政」であり、現在のCZCZは過去の記憶によりつくられたBSが生みだしているのですから、すべての人は過去に閉じ込められているといえます。コーチングを実践するまでは。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 過去は一切関係なし!

 

 コーチが関わるのは「クライアントの“未来”」のみ。正確には「今のまま(のBSや自我)では絶対に達成することができない未来や世界(可能世界w2)に向かう“方向性”」です。

 L-070202011… -05「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

 

 関数pの再定義を促さない =コンテンツに関わらない =(現在の)BSや自我には介入しない

 

 久保選手の例でいうと、「『(これまでの)幼稚さ、幼さ』については評価・判断せず、それを変えようとも一切しない」ということ。

 Q-409BSをゼロベースで観察することが困難な中、どのように? <vol.3;方向>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35983549.html

 

 でも、結果的に久保選手のBSや自我は「幼稚で幼い選手」から「幼稚さ、幼さが抜けたいい選手」に書き換わり、「圧倒的なパフォーマンスを見せてW杯本大会出場獲得」という可能世界w2を現実化しました。

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 その理由はゴール側の“w2”にふさわしい内省言語が生まれたから。そのための働きかけがコーチの重要な役割です(=内省勧奨)。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 冒頭に紹介した「自分を好きになれない」「今の社会がイヤでしょうがない」は、“w2”ではなく、“w1”を強化してしまう内省言語(セルフトーク)です。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 だから、そんな言葉を使うのはやめよう と言語で伝えるのはNG

 L-08420213… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

大切なのは、ふだんから自身の思考や身体を観察するモニタリングであり、それをゴール側から評価判断し(ラベリング)、ゴールにふさわしくアップデートしていくことです。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 その「モニタリング&ラベリング →アップデート」を促すことがコーチの役目。それを最近の苫米地博士は「エフィカシー関数を生みだす」と表現されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 今回のテーマに沿っていうと「内省鑑賞」のマスター

湧き上がる情動をコントロールしながら、まるでドラマや映画を観ているかのように“内なる変化”を楽しんでいるという感じです。もちろん、「外側視点」をしっかり保ちながら。

F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 その「内省鑑賞」というハビット&アティテュードは、これからますます重要になっていきます。社会はすでに“認知戦時代”を迎えているから。

 L-191202207月医療・介護研修会 -01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 

 以下、苫米地博士の著書「日本転生 絶体絶命の国の変え方」(TAC出版、p73)より引用します。

 

 

国民不在の政治を変える「有権者の言葉」

 前項で「国民の手に政治を取り戻すため、日々の生活のなかで積極的に仕掛けていく方法がある」と書きました。そのやり方をお話ししましょう。

 まず、私たちの戦う相手は超国家的勢力に額ずいている政治家や財界、官僚、メディアたちです。彼らは完全に外国勢力に支配されています。日本政府はそれを助けることはしても、防ぐことはまったくしていません。

 では、具体的に彼らは何をしているのかというと「認知戦」です。認知戦をわれわれに仕掛けているのです。

 認知戦についてはその概要を別項(第7章「戦争の最先端、認知戦を理解せよ」参照)で説明しています。詳しくはそちらを見てほしいのですが、認知戦の特徴は最初に自国民に仕掛けるという点です。まさに、日本政府はこれをずっとやってきています。古くは1990年代で、まだ認知戦という概念すらなかった頃です。日本政府による自国民への攻撃ということであれば、私はバブルの崩壊を仕掛けた総量規制の頃からではないかと感じています。

 

 総量規制というのは国際決済銀行(BIS)によって決められた自己資本比率8%以上という枠組み(いわゆるBIS規制)で、融資額に対して銀行は自己資本が8%以上ないと貸出ができないというものです。これによって銀行の貸し渋り、貸しはがしが続出し、一気にバブルがはじけたのです。

 しかし、これは日本にとってまったく必要のないものでした。そもそもBIS規制は国際決済をする銀行に適用されるもので当時、国際決済をしていた銀行は東京銀行だけでほかの銀行はまったく関係ありませんでした。国内の決済だけをしている銀行は、自己資本比率は4%でよかったのです。それを当時の大蔵省は日本のすべての銀行に対して8%の自己資本比率を義務付けたのです。

 しかも、BIS規制は各国の反対も多く、具体的な内容はなかなかまとまらず、導入も国によってまちまちでした。ところが、大蔵省はBIS規制の概要が決まった1988年から移行措置を進め、90年に総量規制という名でBIS規制が導入される以前に、世界に先駆けていち早く、銀行の規制を始めてしまったのです。バブルの崩壊、つまり日本経済の崩壊は大蔵省によって画策されたと言っても決して過言ではないのです。

 その後、総量規制を行った大蔵省の役人はBISや国際通貨基金(IMF)など、国際金融のトップ組織の役員に“出世”していったのです。

 

 こういった日本政府による国民への攻撃はその後、30年以上続いています。これが「失われた30年」と言われるものの正体なのですが、近年、その攻撃は加速しているように感じませんか?

 特に、コロナパンデミックが始まった2020年からは、ワクチンの複数接種の事実上の強制やロックダウンによって日本の経済はさらに痛めつけられました。

 ところが、日本政府はその反省をするどころか、国民を言いなりにさせることに味をしめたかのように、マイナンバーカードの導入やmRNAのワクチン工場の日本誘致など、自国民の顔を見ていない政策を次々と繰り出してきます。

 しかし、そのやり方はあまりにもずさんで、特にマイナンバーカードは返納騒ぎが起こるなどほころびが出始めています。

 つまり、彼らがこれまで仕掛けてきた認知戦が馬脚をあらわしてきているのです。

 

 そういう状況下で私が提案するのは、私たちのほうから「認知戦を仕掛けていく」ということです。

 具体的には国会議員に対して認知戦を仕掛けます。

 「そんなことが私たちにできるのか?」と思ったかもしれませんが、国会議員などの政治家は選挙で負ければ“ただの人”です。選挙権を持つ人の「言葉」には基本的に弱いのです。

 実は、私たちの「言葉」には強い攻撃力があるのです。どれくらい強いのかというと、“私たちが洗脳されるくらい”です。

 これまで私たちはさまざまなメディアを通じて、自らの意見を形成してきました。「ワクチンを打つのが正しいのです」とメディアや政治家に言われれば、「それが正しいんだ」と判断してワクチンを打ちました。誰かの意見に従っていたのです。

 なぜ、従うのか。「この人の言うことは正しい」と自分で判断しているからです。これを内省言語と言います。「この人の言うことは正しい」と思った瞬間、「私もワクチンを打たないと。ワクチンを打たない人はそんなこともわからないのか。付き合うのをやめよう」などといった言葉が次々と湧き上がり、言葉によって行動を支配されてしまうのです。

 

 これが認知への攻撃です。認知戦とは外側から一つのきっかけを与えられることで、内省言語を発生させて自分で自分を洗脳することなのです。

 別の言い方をすれば、「私たちの現実とは、外側の言語を取り込むことによって内省言語が作り上げた現実」ということになります。

 私たちがなぜ、ワクチンを複数回打たなければいけないと思い込んでしまったのか? 打つとさまざまな副作用が出るのに我慢して打った理由は「これが正しい」と自分で自分を納得させていたからです。3回目以降、多くの人が打たなくなったのは、「これで正しいのか?」という内省言語が湧き上がったために「打つのをやめた」という行動を取ったからです。

 このときこそ洗脳が解ける瞬間です。ここでもう一歩、「本当にこれは正しいのか?」という疑問を持ち続け、自ら情報を求めれば、認知戦に打ち勝つことができるのです。

 つまり、知識です。知識こそが認知戦に打ち勝つ方法なのです。

 ということは、知識を得ることで認知戦を仕掛けることもできるのです。

 

 では、認知戦を仕掛けるにはどうすればいいのでしょうか?

 簡単です。彼らの取ってきた方法をまねすればいいのです。

 日本政府、そしてそれを操る超国家的勢力が私たちを認知戦に引きずり込んだとっかかりは何だったか考えてみましょう。

 答えは恐怖です。

 病気になるのが怖い、死ぬのも怖い、貧乏になるのも怖い、間違っていると人から言われるのも怖い、人から孤立するのも怖い、こういった恐怖を先に見せてから対処療法を出してきて、人を取り込むのです。

 

 私たちはこれを政治家に向けてやっていくのです。なにしろ、政治家の最大の恐怖は選挙民の心が離れていくことです。私たちこそが政治家にとって最大の恐怖なのです。

 この恐怖をいまこそ使うのです。

 いまの政治家はお金ですぐに転んでしまいます。本当の恐怖が何だったのかを忘れているのです。いいでしょう、いくらでもお金になびけば。

 しかし、それによって本当の恐怖が襲いかかることを徹底的にわからせてあげましょう。次の選挙など待つことはありません。今日から、いまから、「あなたをもう支持しない」という「言葉」を、ソーシャルメディアを使って発信してください。同僚や友達にも話してください。議員のホームページに直接、メッセージも入れていきましょう。大手メディアにも積極的に意見を伝えましょう。

 ほんの少し、行動を増やしてください。シンプルながら、これが確実な方法です。

 マイナンバーカードを私たちが積極的に返納したから担当大臣は渋々ながら謝ったことを思い出してください。

 私たちがほんの少し行動を変えるだけで日本は変わります。日本を変えるにはこうした地道な積み重ねも必要なのです。

 私たちを怒らせることがどういうことか、徹底的に教えてあげましょう。

 引用終わり

 

 

認知戦とは外側から一つのきっかけを与えられることで、内省言語を発生させて自分で自分を洗脳すること。別の言い方をすれば、「私たちの現実とは、外側の言語を取り込むことによって内省言語が作り上げた現実」ということ

 

 誰もが無限の可能性を秘めています。

誰もが巨大な力を持っています。

ただ自分自身で、そしてお互いに、封印しあっているだけです。

そのことに気づき、マインドの力を解放して、封印を解いていくのがコーチング!

 

これからの社会(未来)は、既得権益が仕掛ける認知戦の高度化によって、ますます封印を解くことが難しくなっていきます。

だからこそコーチング!

 

 今こそ、誰もが行動を起こすとき。

その行動は、「ナイセイカンショウ」で生みだし、「ナイセイカンショウ」で強化する、ゴールからはじまります

 

 Fight for liberty

Fight for the future !!

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 今こそ、誰もが行動を起こすとき。その行動は、「ナイセイカンショウ」で生みだし、「ナイセイカンショウ」で強化する、ゴールからはじまります

 

 政治家の一部はそうは思ってはいないようですが、日本の主権は国民にあります。「内政」は国民全員のものです。

 Q-197前代未聞の国会愚弄事件をなぜ衆参両院の憲法審査会は取り上げなかったのでしょうか? クズ政府の他責にせず自己責任なのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26238799.html

 

その主権者たる国民が、共有するゴールを目指してエフィカシーを高め合う!

 

 そんな響き合うコレクティブ・エフィカシーの世界こそが、シンの「ナイセイカンショウ」、すなわち「内省干渉」である ...と私は信じています。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんけどvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

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 さあ、Fight for libertyFight for the future !!

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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