苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:Q:質問等回答編 > Q-417~ なぜパワハラや虐待はなくならない?

Q-417:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 1;「S」>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A1:まずは医療に関連した知識から紹介します。

 

 肝臓に脂肪が蓄積している状態を「脂肪肝」と呼びます。

脂肪肝は、じつは、あなどれない病態です。そのまま放置すると慢性的なダメージが蓄積し「肝硬変」に至り、さらには「肝がん」を合併することもあります。

「だから、早期発見・早期治療を!」ということで行われているのが、現在のメタボ健診です。正確には「特定健康診査・特定保健指導」といいます。

F-056~:「不摂生が理由で病気になった人の医療費を健康のために努力している人が負担するのは『あほらしい』」ことなのだろうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_277070.html

 

 脂肪肝に加え、過体重、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などがある場合、飲酒量の確認が行われます。飲酒量が多くなく(アルコール 男性:210g/週未満、女性:140g/週未満)、主因が飲酒ではないと思われる場合には「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLDnon-alcoholic fatty liver disease)」と診断されていました。これまでは。

 

 ところが、最近、その診断名が「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLDmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)」に変わりました。その理由は何だと思いますか?

 

 答えは「『alcoholic』『fatty』という表現が差別的だから」です。

 

 

 しばらくの間、読み進めるのをやめて、御自身の心(思考)を観察してください。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」に対してどんなことを感じていますか?

違和感でしょうか? 驚きでしょうか? それとも憤り?

 

 

 おそらく多くの方にとって、「alcoholic(アルコール依存)」や「fatty(肥満)」という表現(ゲシュタルト)と「差別」(というゲシュタルト)は結びついていなかったはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 私自身は、「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」と聞いて、とても驚きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 医療・介護現場が主ではありますが、研修や講演の際にこの知識を紹介し、これまでの認識を確認してみました。すると、案の定、「alcoholic」や「fatty」が「差別」と結びついていない方がほとんど。これは「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」がスコトーマに隠れていたと考えることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 以下、苫米地博士の著書「立ち読みしなさい! ~美しいほどシンプルな成功術」(ありがとう出版、p137)より引用します。

 

 

◆「見る」と「観る」は似て非なるもの

 漫画の中で出てきた3つ目のキーワードは“スコトーマ”です。

 スコトーマとは「心理的盲点」という意味。見えているのに気付けない状態のことを指します。百聞は一見に如かず! 早速、このスコトーマを体験してもらいましょう。

 今、あなたがいる場所から見える範囲の中で赤い物を3つ探してください。

 赤色であればどんなものでも構いません。できるだけ早く赤色を3つ探してください。

 スタートです!

 

 いかがでしたか? 見つかりましたか?

赤色のモノはありましたよね。それでは青色のモノは幾つありましたか?

 

「え? 青色?」そう思った感覚が大切です。もう一度確認をしてみると、青色のモノも存在していると思います。これがスコトーマです。

一体どうしてこのようなことが起きるのか説明していきます。

 スコトーマとは見えているのに見えていない状態だと話しました。実際に青色の物があったのに見えていませんでした。不思議だと思いませんか?

 結論から話すと、私たちの脳は同時に2つの世界を維持することはできません。

 そして、見たいものしか見ないのです。赤色と言われれば赤しか見ませんし、青色と言われれば青しか見ません。その他の色も見えてはいますが、認識しないのです。

 

 少し違う観点から説明します。

 私たちが小学生の時に習った漢字「見る」と「観る」の違いです。

 「見る」という行為はただ漠然と眺めているだけです。目を開けているので見えているだけだと思ってください。見えてはいますが、私たちの脳にとってはあまり重要な情報ではありません。

 しかし「観る」という行為は、意識して観ている。集中して観ている。気になって観ている。そういった状態です。私たちの脳にとっては重要な情報を得ようとしています。一眼レフのカメラであれば、その対象物にズームし、ピントを合わせている状態です。

 

 ちなみに「聞く」と「聴く」も同じような意味があります。

 「聞く」はただ聞こえているだけ。たとえ寝ていても何かしらの音は私たちの耳に入ってきます。しかし、ほとんどの音はまさしく右から入って左にぬけていくだけの状態です。

 これに対して「聴く」は意識して聴いている状態。興味があり耳を傾けている状態です。

 私たちの脳がその音に対して重要な情報だと認識し情報を欲している状態です。

 

 先ほどの質問を思い出してください。

 「赤い物を3つ探してください」ということだったので私たちの脳が「赤い物だけ」を観よう! としました(「見る」ではなく「観る」です)。

 青色をはじめ他の色も見えていましたが、認識しませんでした。

 

 これはGoogleYahoo!の検索ワードで調べる場合とほぼ同じです。

 まず赤色が最優先の検索ワードで、それを3つというのがその次のワードです。

 まず赤色とそれ以外の色に分けられ、その次に、その色を3つ、となります。

 赤に近いピンクなどの色は脳の検索ワードに少しヒットしますが、赤色でないためスルーされてしまいます。しかし青色など全く違う色の場合は最初からスルーされていました。

 引用終わり

 

 

 スコトーマとは「心理的盲点」という意味。見えているのに気付けない状態のことを指します

 

 私は、このスコトーマの原理が働くことが、「パワハラや虐待がなくならない」理由の1つ目だと思っています。パワハラや虐待を繰り返す人の多くは、そもそも自身の行いが「パワハラや虐待」であると認識していないはずです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 だから、その行いが「パワハラや虐待」であることをしっかり認識してもらえば、パワハラや虐待はなくなる

 

 そうならいいのですが、そんなに簡単には解決しませんよね。解決どころか、「パワハラや虐待」はもっとエスカレートしてしまうかもしれません。

 Q-326~7:最近「記憶が抜ける」ようなことがvol.1~2;感情が起こるメカニズム>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31854899.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

 「パワハラや虐待を繰り返す人は、そもそも自身の行いが『パワハラや虐待』だと認識していない」ことは多くの場合で事実であるはず。しかし、「『パワハラや虐待』だと認識したところで解決しない」こともまた事実。

 

 では、どうすればいいのでしょうか?

 「パワハラや虐待」のもっと根深いところには、一体何があるのでしょう?

 

Q-418につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記1

医療・介護現場が主ではありますが、研修や講演の際にこの知識を紹介し、これまでの認識を確認してみました。すると、案の定、「alcoholic」や「fatty」が「差別」と結びついていない方がほとんど。これは「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」がスコトーマに隠れていたと考えることができます

 

 この仮説は「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」という主張(claim)が正しいことを前提としたもの。私が調べる限り、その根拠(warrant)や事実(data)ははっきりしません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 今回のブログ執筆をきっかけにもう一度考えてみましたが、やはり「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」には違和感があります。もっとはっきりいうと、「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」という考え自体が差別的!

 

 原因は、おそらく、差別と区別の違いが不明瞭なところにあるはず↓

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 鍵は「抽象度」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

-追記2

 さらに考察すると

 

「『alcoholic』『fatty』という表現は差別的」は「〇〇依存」という表現をタブー化するための仕込みなのでは?

 

 そんな疑念が浮かびます。

 

残念ながら、日本では、これから確実に「依存症」が増えます(case)。

 Q-383:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34738124.html

 

 その解決(plan)として、コーチングはますます重要になるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

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F-071~:「糖尿病リスク予測ツール」に思う

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Q-418:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A2:ずいぶん前に医師として経験した話を紹介します。

 

 その病院の院長は世襲の二代目。「優しい医療」や「仁」という言葉を好んで使っていました。しかしながら、職員の評価は微妙で、事実として離職率が高い職場でした。

 

 当初、私は“偽善”を疑っていました。しかし、院長自身はいたって真面目。本気で「優しさ」や「仁」を追求しているように思えました。

 PM-02-22~3偽善とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681205.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6681282.html

 

 そんな院長に対して、職員は3つのグループに分かれていました。1)10%が院長を崇拝するグループ、2)20%が院長を小馬鹿にするグループ、そして3)大多数(70%)が「どうでもいい」という感じの日和見グループ。

 つまり、職員の9割が、院長のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の外にいるという感じです。

 (↑今はこの分析は正しくないと思っています。その理由は次回まとめます)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その院長は、確かに明るい人ではありませんでしたが、根暗なわけでもありませんでした。今思い出しても、間違いなく真面目。

 F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

  こんなに一生懸命なのに、なぜ職員から評価されないのだろう?

 

 そんな疑問を解決することなく、私は任期を終え病院を去りました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その後、認知科学者 苫米地英人博士に学ぶ中で、この病院での経験を思い出しました。そして、RAS&スコトーマで説明できるのではないかと思うようになりました。私の分析は

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 院長および崇拝グループ:パワハラや虐待があると思っていない

=スコトーマに隠れている

 その他の職員:パワハラや虐待がひどいと思っている

=スコトーマが外れている

 

 しかし、このような分析を行っても、やはりスッキリしないまま。何か大事なことを見逃している気がしていて、「一向にゲシュタルトが完成しない」という不安定な感覚が続きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

そもそも「パワハラ・セクハラ・モラハラ」や「虐待」はなぜ生じるのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(オープン・エンド、p39)より引用します。

 

 

■差別思想と身分制度

 儒教は、権力を持つに至った支配者が、その支配を維持し、より強固なものにしていくためには何をなすべきか、民衆をどう教育すべきか、ということを並べ立てた宗教なのである。本質的に支配者にとって利用しがいのある宗教だと言える。なぜならば、儒教はその中に差別思想をふんだんに内包しているからである。差別思想を民衆の中に埋め込めば埋め込むほど、国の支配は強固なものとなり、支配者にとって都合のよい安定(秩序)が生まれる。

 では、儒教の差別思想はどこから生まれてきたものだろうか。

 前項で述べた儒教の「孝」という概念では、先祖代々木の板や墓を守り継ぐ家長が最も偉いということになる。家長は血のつながりによって長男へと受け渡され、一族は存続していく。ここに、先祖、家長、長男、二男、三男といった順位が生まれる。

 また、儒教には「仁」という考え方がある。儒教の中で中心に置かれる徳目の一つで、人と人とが結び付くときの規範である。仁とは仁愛と言い換えることもできる。

 確かに、仁愛は自分が他者との関係を築くときの重要な心構えではあるが、この場合の「他者」がくせものなのだ。儒教で言う他者とは、限られた身内、あるいは、限定された空間つまり仲間においての他者を指している。

 たとえば「仁義」という言葉で説明するとわかりやすいかも知れない。やくざの仁義は同じ組織の中だけで通用するものであり、他の組織との間には仁義は存在しない。

 このように、仁とは身内にだけ通用させ、それ以外の人間との関係には適用しないものなのである。実は閉塞的で、身内さえよければという考え方に至るのは必然だろう。

 身内は仁によって守られているが、ともすればおしつけがましく上に立つ人間の意思しだいでいかようにもなる規範と言えよう。

 さらに、儒教は仁を支える「忠」という概念がある。仁の対象である組織における上下関係を強化する論理である。

 日本でこの「忠」をたくみに利用したのは、徳川家康である。忠を根本に置き、確固たる武家社会を築いたのだ。そのことは後述しよう。

 

 儒教において、「孝」は「仁」によって支えられ、「仁」は「忠」によって支えられ、より強固な差別を生んでいったのである。

 シャーマニズムでは、宗教的リーダーであるシャーマンが最も尊い存在である。この下に祖先の身分の高さに準じた父系の一族(血縁集団)がずらりと並ぶのだ。

 儒教においては、親から、ひいては祖先からいただいたものはすべて、身体はもちろん、身分も大切にしなければならないという論理が、祖先崇拝によって成り立っている。その論理の行き着く先が職分論、つまり各人の身分に結びついた、それぞれの職務・役割(職分)を果たすことが正しい生き方だとする考え方である。その結果、親の職業によって子どもの職業が決まることになる。言い換えれば、人の価値は血で決まるということだ。

 これは、支配者にとってはまさに都合のいい論理である。親の職業を継ぐことが是とされれば、支配者の職分をその子どもが継ぐことが当然とされ、地位、権力が安泰となることは言うまでもない。ここに身分制度が生まれるのである。

 インドのカースト制度でも同様である。輪廻転生を信じているインド人は、来世で別のカーストに生まれ変わるかもしれないと本気で思っている。しかし現実には、どこの家に生まれたかでカーストは決められ、カースト間の移動は認められていない。

 つまり、親がどのカーストに属するかによって、その人の一生が決まるというのがヒンドゥー教信者の宿命である。

 引用終わり

 

 

儒教はその中に差別思想をふんだんに内包している

 

 「儒教なんか私には関係ない」と思っている人も多いはず。しかし、私たちは儒教的な洗脳をたっぷり浴びています。その代表が「道徳教育」です。

 F-368:義を見て為さざるはvol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 

 「道徳」の「道」という言葉は、儒教の書である論語の中にも繰り返し出てきます。

 中国語では「道」を「タオ」と読み、通常は道教の始祖である老子の言葉を指すのだそう。だから、儒教は道教の影響を受けているといえます。

 道 (哲学) - Wikipedia

 

 「道徳」の「德」という言葉は、まさに儒教における重要な概念のことです。

 徳 - Wikipedia

 

 つまり

 

私たちは「道徳教育」という儒教(&道教)洗脳によって、「『孝』『仁』『忠』により支えられる強固な差別」を刷り込まれている

 

そして、その無意識下に潜む差別が「私(私たち)は正しい」「私(私たち)は〇〇してもいい」という偏見を生みだしています。本当は「絶対に正しい」などありえないのに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 その差別を根源とする偏見こそが“無明”の証。

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 今回取り上げたケースでいうと、院長の無意識には、間違いなく差別がありました。その差別が「〇〇家は偉い」「〇〇家は何をしてもいい」という偏見を生みだしていました。

 はっきり理解していたかどうかは別として、職員の20%(小馬鹿グループ)はそんな思い上がりに気がついていた(=スコトーマが外れていた)はずです。

 F-380:学びと破門で脅しをかける <vol.4;「自分のゴールに洗脳」の先で得るもの>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35997725.html

 

「道徳教育」により、無意識に「差別」が刷り込まれている

 

 その事実に無自覚なまま生き続ける人は、すべて“偽善”といえます。

 Q-192~:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_410371.html

 

Q-419につづく)

 

 

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F-257~:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429772.html

 

 

脱洗脳教育論

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Q-419:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 3;排他的でスノッブな空間>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36479608.html

 key 3;排他的でスノッブな空間

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A3:前回(Q-418)、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(オープン・エンド)より引用しました。その中で博士はこのように書かれています(p39)。

 

 差別思想を民衆の中に埋め込めば埋め込むほど、国の支配は強固なものとなり、支配者にとって都合のよい安定(秩序)が生まれる

 

 その「差別思想」の「民衆への埋め込み」として「道徳教育」がある というのが前回の趣旨。

差別思想の民衆への埋め込みが行われているのは、もちろん、日本だけではありません(日本は異常にうまくいっているといえますが)。

既得権益が利用する宗教には、「支配者にとって都合のよい安定(秩序)」を生むための仕掛けが内包されています。

PM-06-18~20:仮説13)宗教の限界

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526199.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14687476.html

 

 では、洗脳教育が巧みであるから、私たちは無意識に差別を刷り込まれるのでしょうか?

 

 今の私は(将来はわかりませんが)、マインド側にも大きな要因があると思っています。具体的にいうと「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」であり、BSにより生み出される「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp140)より引用します。

 

 

◎コンフォートゾーンの正体

 言葉としてのコンフォートゾーンは良いイメージを持っています。快適な空間であり、自分の実力を思う存分発揮しやすい場所です。実際、サッカーではアウェイよりもホームでの試合のほうが有利だと言われます。

 しかし、どうしてホームの試合が有利なのか考えてみる必要があります。

 ホームでの試合は自分のチームが実力を存分に発揮できる一方で、相手チームは実力を十分に発揮できないような雰囲気作りができていると言えるかもしれません。つまり、コンフォートゾーンというのは相手チームにとってみれば、とても居心地の悪いアンコンフォータブルな空間なのです。

 自分たちにとっては良いけれど、他人には居心地が悪い空間。こういった空間を私は良いものだとはあまり思えません。

 人が数人集まればコンフォートゾーンは形成されます。あるいは、自分の好きなものだけを集めて一人で寛げる場を作れば、そこはコンフォートゾーンとなります。そういう仲間たちと一緒に居る時、そういう場所でゆったりと過ごす時というのは至福の時間であることは間違いありません。ストレスもなく安心できる、自分の思ったようなものが思ったタイミングで出てくる、かゆいところに手が届く空間です。

 しかし、その空間はとても排他的であるということも理解しておかなければいけないのです。

 そして、排他的な空間には成長はありません。コーチング的に言えば現状の外のゴールはありません。それはそうでしょう。慣れ親しんだ場所とは新しいものが入る余地が最初からないからこそいいのです。

 とはいっても、何年も何十年も同じとなるとさすがに人は飽きてしまいますから、たまには刺激を欲します。その空間に興味を持つ人がいれば、さまざまな形の審査を行って入場を認めます。会員制クラブを想像すればわかるでしょう。

 ただし、その新しい刺激にしても、あくまでも現行のコンフォートゾーンを乱さないことが大前提です。だからこそ、新しい会員は現会員の紹介があった場合のみなのです。一見さんお断りの料亭も同じです。

 コンフォートゾーンは排他的であり、なおかつスノッブな空間でもあると言えるでしょう。

 私が最近見た排他的なコンフォートゾーンは、ある有名ホテルのクラブラウンジでした。外国製のスーツを着たワスプらしき外国人とそれを取り囲む日本人ビジネスマンの会食で、彼らは、最近どこそこの企業を買収しただとか、次はどこそこの会社を買収する予定だとか、油っこい話をにこやかにワスプに報告しているのです。

 私とすれば、そんな話をこんなところでしていいのか? と思ってしまう内容なのですが、全員英語だったので「どうせ周りの日本人にはわからないだろう」というわけです。

 なんというか、その我が物顔ぶりが鼻について仕方なかったですし、ワスプにすり寄る日本人ビジネスマンたちの姿に情けない思いすら感じてしまいました。

 しかし、当のワスプ&日本人ビジネスマンたちは世界を相手にビジネスをしていますと言わんばかりの胸の張り方です。こういったスノッブで差別的な空間であっても本人たちにとってみれば極上のコンフォートゾーンなのです。

 引用終わり

 

 

 自分たちにとっては良いけれど、他人には居心地が悪い空間

 

 それがコンフォートゾーン(CZ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 だから、CZは「狭く! 高く!」。

高くとは、もちろん、「抽象度が高い」という意味です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 人が数人集まればコンフォートゾーンは形成されます。あるいは、自分の好きなものだけを集めて一人で寛げる場を作れば、そこはコンフォートゾーンとなります

 

 これは「自我」のことでもあります。CZとは、「宇宙に対する評価関数」であり、自我そのものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 だから、「自我=CZは排他的(になりがち)」ということを、まずは厳しく自覚しなければなりません。ただし、自覚だけでは「排他的」を克服することはできないでしょう。

(その理由は↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 では、「自我=CZは排他的」を克服するために必要なことは?

 

 

 排他的な空間には成長はありません。コーチング的に言えば現状の外のゴールはありません

 

 そう、ゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 これまでの「自我=CZ」の外側、それもより抽象度の高い次元にゴールを設定することができると、「自分」を構成する新たな(ゴール側の)縁起を感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、その新たな縁起(=ゴール側のCZ)の臨場感が高まるほど、結果として「自我=CZ」が拡大(拡張)していきます。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 そんな「自我=CZ」の拡大(拡張)を繰り返すたびに、人は「自我=CZは排他的(になりがち)」を克服していくはずです。

 F-247:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.4;木鶏(ワーク付き)>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29025709.html

 

Q-420につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 CZに関連して補足します。

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 前回(Q-418)紹介した病院では、職員は3つのグループに分かれていました。1)10%が院長を崇拝するグループ、2)20%が院長を小馬鹿にするグループ、そして3)大多数(70%)が「どうでもいい」という感じの日和見グループ。

その中で実際に退職していったのは、「2)小馬鹿グループ」の人ではなく、「3)日和見グループ」の人でした。なぜだと思いますか?

 

 私の答えは、「1)崇拝グループ」と「2)小馬鹿グループ」はCZを強く共有していて、「3)日和見グループ」はそれほどでもなかったから。

 

 プロ野球でたとえると、「アンチ巨人」の人は、「巨人ファン」とは向きが真逆(勝つと↓/負けると↑)なだけで、「巨人」に対する重要度は高い状態です。

つまり、「アンチ巨人」と「巨人ファン」はCZを強く共有しているということ。「巨人」に対する臨場感が高いのです。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 対して、「巨人」どころか野球そのものに興味がない人、あるいは野球どころかスポーツに対して興味がない人は、CZをまったく共有していません。だから、離れやすいのです。ホメオスタシス・フィードバックが働かないから。

 Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35818349.html

 

 この場合の興味(=重要度)は、たいていの場合、外から刷り込まれています。その興味(=重要度=CZ!)を自身の自由意思で新たに生みだす取り組みがコーチング。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 つまり、コーチングは、縁起宇宙を再構築(w1w2…)することだといえます。

 F-348~:“MJ~縁起宇宙(w1)再構築!~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

L-07420211月シークレットレクチャー -03;ブリーフシステムによる〇〇思考を止める

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29458054.html

L-09420217月シークレットレクチャー -06;ブリーフシステムと人格や未来との関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30598161.html

L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30622243.html

L-09620217月シークレットレクチャー -08;ブリーフシステムとハビット&アティテュードと抽象度の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

L-09720217月シークレットレクチャー -09;ブリーフシステムを壊し、スコトーマを外すための方法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

L-168202203月シークレットレクチャー -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 

 

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Q-420:なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか? <key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現>

 

医療現場で働く方から切実な御質問をいただきました。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 key 1;「S

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36446341.html

 key 2;「パワハラや虐待」の根底にあるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36479608.html

 key 3;排他的でスノッブな空間

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36494091.html

 key 4;無意識レベルでのフェアネスの実現

 

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A4:これまで「必ずスコトーマがある」こと(key 1)、「教育により差別が刷り込まれている」こと(key 2)、「コンフォートゾーンは排他的である」こと(key 3)を取り上げました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 これら3つには共通点があります。何でしょう?

 

 

 私の答えは「無意識」 ふだんは意識に上がっていないということです。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 「無意識」の例として、苫米地博士がよく挙げられているのが「自転車の運転」。

 私たちが自転車に乗っている時、左右のバランスをうまく取ろうといった意識で乗っているわけではありません。「身体が勝手にバランスを取っている」という感じで、それを言語化することは難しいくらい。

 Q-175脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いてるということになるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html

 

乗れるようになるまではずいぶん苦労したのに、一旦乗れるようになってしまえば乗れないようにするのが難しいのが自転車の運転。そのカラクリは「ゲシュタルトができ、無意識が維持している」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

それは「全体と部分の双方向性の関係性ができ、ホメオスタシスで維持されている」という状態。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

抽象度を下げて具体的に表現すると、「今までバラバラだった『手の動き』『足の動き』『体重のかけ方』といった部分がつながり(connect the dots)、すべて連動して動かせる」という状態です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

しかも、自然に(=無意識化)、かつ、言葉を超えて(=超言語化)。

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 その「無意識」かつ「超言語」をしっかりコントロールすることが、脱洗脳の重要なポイントであるはず。そのコントロールが「『ブレない判断基準』を生みだすもの」に自身を導きます↓

 L-169202203月シークレット… -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html

 

 以下、「一瞬で自分を変える技術」(ビジネス社、p12)より引用します。

 

 

武術に学ぶ 一瞬で自分を変える技術

 

 

内部表現の一瞬の書き換え

 「内部表現の書き換え」とは一言で言ってしまえば、それまでの選択肢を変えてしまうことです。これまでAを選んでいた人がBCといった選択肢があることに気づいたり、BCを選ぶことでより良い人生、自分らしい人生を生きる手助けをするものです。

 ただし、「内部表現の書き換え」は洗脳技術とかなりの部分重複しており、危険な技であることは間違いありません。「そんな危険な技をなぜ公開するのか」という人もいるでしょう。

 確かにその気持ちもわかりますが、現在はあまりにもひどい洗脳時代です。洗脳技術を公開しないと、人々は手もなく、洗脳されてしまうのです。

 いまが洗脳時代である証拠の最もわかりやすい例は東京オリンピックです。東京オリンピックではいまボランティアという美名のもの、11万人のタダ働き要員を募集しています。しかし、ボランティアたちの無償の働きによって誰が得をするのかといえば、大手広告代理店です。彼らに利益が流れるような仕組みがあることを知っていながら、テレビと新聞はそれをほとんど報道せず、素晴らしい体験、おもてなしなどと言って喧伝しています。これを洗脳行為と言わずして何を洗脳と言うのでしょうか?

 洗脳で最も効果的なのは大手メディアを使った手法です。現代の日本はそれが日常茶飯事になっているのです。はっきり言わせてもらえば、テレビはすでに広告代理店が操作する洗脳マシンに堕しています。とてもメディアと呼べるような代物ではありません。

 そんな時代ですから、いまは、国民一人一人が「内部表現の書き換え」の技術を会得しておく必要があるのです。百歩譲って会得しないまでも、どういうものであるかぐらいは、知っておく必要があります。

 ですから、私はこういった書籍をずっと書いているのです。

 もちろん、「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります。

 私たちには多くの可能性が眠っています。自分ではこんなことは無理だと思うようなこともできてしまいます。

 「内部表現の書き換え」の技術は、実は対洗脳技術というよりは、そちらの方面で積極的に活用してほしい技術なのです。

そして、「内部表現の書き換え」を一瞬で行っていたのが武術なのです。

それが具体的にどういうことなのかは、本書で読んでみてください。

引用終わり

 

 

 「内部表現の書き換え」を伝えるのは洗脳社会から身を守るためだけではありません。この技術を使って「人間は自分自身の力でこんなことまでできるんだ」と気づいて欲しいということもあります

 

 その「内部表現の書き換え」の最新科学バージョンが「苫米地式コーチング」。そのコア中のコアがゴール設定。先ほどの「『ブレない判断基準』を生みだすもの」とは、ゴールのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは、1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 ゴールを設定し、そのゴール達成に夢中になって取り組む間に、人は刷り込まれた差別を脱却し(脱洗脳)、自由意思を獲得し、自らのブリーフシステムを(結果として)書き換えることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その積み重ねの中で、まずは個人のマインドから、そして社会が共有するブリーフから、「パワハラ」や「虐待」がなくなっていくはず。そのように私は信じています。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 最後に、これまでの考察をまとめ、シンプルに回答し直します。

 

Q:私は地方の病院で働いています。職員の間でのパワハラ・セクハラ・モラハラや患者さんへの虐待じゃないかと思える行いが嫌でしょうがありません。なぜパワハラや虐待がなくならないのでしょうか?

 

A:「差別はやめよう」「差別をなくそう」という発想では、いつまでも解決することはできません。なぜ?

 

その理由は「差別はやめよう」「差別をなくそう」は「差別」の存在を前提としているから。差別が「ある」「ない」は同じ抽象度の裏表です。

L-152202111月医療系… -07;ゴールとは「究極的に抽象度が高まった体感」で感じるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33851880.html

 

「差別」は道徳教育を通じて、個人(&社会)のブリーフシステムの中に刷り込まれています。無理やり変えたとしても、すぐに元の状態に戻るでしょう。強力なホメオスタシス・フィードバックが働くから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

シンの解決は、まずは「縁起を理解し、『差別はあり得ない』ことを知る」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そして、その上でゴールを設定し、可能世界w2に移行した結果としてブリーフシステムを変更(更新)すること。より高次の抽象度次元に。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

その積み重ねにより、無意識レベルでフェアネスを実現することができます。それは中観の実践でもあります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

 以上が私の回答です。

御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 鍵は「抽象度」ですが、「何でもかんでも抽象度を上げればいい」というわけではありません。大切なのは「抽象度を使い分ける」こと。それは「異なる思考回路を利用する」ということでもあります。

 

 以下、苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZOp162)より引用します。参考にされてください。Feel

 

 

抽象度を上げた反駁を効果的に使うには

 先ほど、「抽象度を上げて反論する」という話をしましたが、「何でもかんでも抽象度を上げて反論せよ」という意味ではありません。コンストラクティブ(立論)では同じ抽象度で反論し、リバタル(反駁)で抽象度を上げて反論するようにするのです。

 直接的に論理と論理とを戦わせることをクラッシュ(争点の衝突)といいますが、同じ抽象度で反論しないとクラッシュが起こりづらいでしょう。新しいことをどんどん出していいわけですから、同じ抽象度でできるだけ多くの情報を使って相手の論理を否定するのが、コンストラクティブの基本です。

 それに対して、リバタルではすでに言われたことに関わることしか言えないわけですから、同じ抽象度で反論するよりも、抽象度を上げて反論したほうが効果的であり、反論の反論になり得るわけです。新しいことは言えないというルール上、必ず前に誰かが言ったことに対応し、また包含することしか言えないことになります。

 情報量を多くするために抽象度を上げない戦略を取るコンストラクティブと、抽象度を上げて情報量を少なくしてまとめて一気に反論するという戦略を取るリバタルとでは、それぞれ異なる思考回路を利用する必要があります。

 引用終わり

 

 

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