苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:Q:質問等回答編 > Q-411~ やり場のない怒りはどのようにゴール設定する?

Q-411:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.1;クレーム>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? ご教授いただければ幸いです。


A1:「F-001:やり場のない」は7年前に書いた文章。苫米地式コーチング認定コーチとして3年目に入った頃のものです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516364.html

 

 その“フリーテーマ 1本目の文章”で、私はこのように書きました↓

 

 コーチングにより“現状の外”にゴールを設定し、アファメーション等でその臨場感を高めることができると、「やり場」ができあがります

 

 現状の外にゴール設定すると臨場感が高まる」は少しはしょりすぎ。ゴールを設定してすぐに(あるいは自動的に)臨場感が高まるなら、そのゴール(らしきもの)はまず間違いなく現状の中でしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールは必ず「現状の外」。スコトーマに隠れ、そもそも認識することさえできないものが本物のゴールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だから、ゴール設定は決して簡単ではありません。私は、コーチとの縁がなければ、ゴール設定は不可能だと思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 コーチングにおける重要なプリンシプルである「I×V=R」を用いて説明すると、「IImagination)」をつくる最初の行為がゴール設定、「VVividness)」を高めるために行うのがアファメーション等。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 そうやってつくった「I×V」が「やり場」です。

その「やり場」とは、新たに生みだすコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)だともいえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 最近の苫米地博士がよく用いられている表現でいうと、「やり場」とは、「可能世界w2」のことです。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 

 では、先に進みましょう。「『やり場』ができあがります」に続く部分がこちらです↓

 

そうなると「怒り」や「フラストレーション」は、現状を打破し、ゴールの世界に向けて自らをブーストするエネルギーとなります。ゴールを実現するための創造性の源へと変わります

 

 ゴール設定で「やり場(=I×Vw2)」を生みだし、かつその臨場感が十分に高い(Vivid)と、「目の前の現実世界(w1)」と「やり場(=I×Vw2)」とのギャップからエネルギーが生まれます。その状態が「認知的不協和」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 その時に生まれる落ち着かない感じを、暴走させるのではなく、正しく解放することが重要。では、“正しく解放”のために行うことは何でしょう?

 

答えは「きちんとクレームをつける」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

きちんとクレームをつける

 

その基本は何だと思いますか?

 

 以下、苫米地博士の著書「日本人よ、目を覚ませ!」(サン出版、p139)より引用します。

 

 

日本にクレームをつける

 さて、国家破産宣言の話によって日本の問題点が見えてきたのではないでしょうか。政治家、官僚、マスコミ、外資。これらが自分たちの利益の追求のために、何重にも手を組んで私たちの生活を脅かそうとしています。実際、私たちの生活はいままさに苦しく、夢が持てる状況ではありません。

 そんな状況を現実的に変えるにはどうしたらいいか?

 最初にしなければいけないのは、私たちの意識を変えることです。

 多くの日本人はなにか不満があっても、黙って耐えるクセがついています。それが美徳だとすら思っています。不満を口にしたり、怒りを爆発させることはみっともないと思っています。

 しかし、それで得をするのは誰でしょうか。

 やりたい放題にやっている官僚たちや、政治家、マスコミ、一部の企業だけです。ですから、私は提案したいのです。マスコミや行政のやり方に矛盾や怒りを感じたら、きちんとクレームをつけるべきだと

 さて、いまクレームという言葉を聞いてどう思いましたか?

 多くの人が「そんなみっともないことをしたくない」と思ったことでしょう。しかし、この意識こそ、マスコミによって植え付けられた洗脳なのです。そもそもクレームをつけるのは決して悪いことではないのに、いつの頃からか、クレームは、クレーマーという言葉とセットになって、危ない人がするものというイメージに変わってしまいました。

 なぜでしょうか。これは完全にテレビの影響です。一時期、各局でクレーマーたちの理不尽な振る舞いを盛んに映していましたが、あれで得をしたのはスポンサー企業だけでしょう。考えてもみてください。ほとんどの日本人はクレームをつけるべきところですらクレームをつけない、波風が立つことを極力嫌う人たちです。

 クレームというのは本来、企業の側に落ち度があるから起きるものです。私たちが怒るのは、そこで企業の側が誠実な態度を取らないからです。そして企業が誠実な態度を取らないことは多々あるので、我慢強い日本人でも怒ってしまうのです。ところが「クレーマー」という言葉が生まれてしまうと、悪いのはクレームをつける人ということになってしまいます。

 こうして私たちは不良品を掴まされても文句をいわず、従業員の態度の悪さにも我慢するという、企業としても国としても、とても操りやすい人間になってしまったのです。日本人には極力我慢してほしいというのが、企業の、そして国の考え方なのです。しかし、我慢をしていて良いことがありますか? 尖閣諸島の問題は我慢をしていれば解決できますか?

 人間は本来我慢などしてはいけないのです。努力に努力を重ねてなにかを得るという行為は、本質的にはゴールに向かっていく楽しみがありますから我慢とは言いません。ただただ忍耐を強いられているだけ、これが我慢です。いま、私たちはただただ忍耐しろと言われているのです。

 まずはこの意識を改めてください。私たちがいま正当な権利を主張しないと、官僚たちはますます好き勝手なことをするだけです。尖閣諸島で中国のやり方に多くの人が怒っていますが、官僚たちはもっとひどいことを私たちにしているのです。そろそろ、ごく当たり前のクレームをしていきましょう。これが私からの提案です。

 とはいえ、これまでクレームをつけたことのない人がいきなり国にクレームをつけましょうといってもなかなか難しいはずです。ですので、私からいくつか、ここはおかしいという点を提示させていただきます。

 引用終わり(続きはこちらで↓)

 Amazon.co.jp: 日本人よ、目を覚ませ! eBook : 苫米地英人:

 

 

 人間は本来我慢などしてはいけない

  

 我慢や忍耐など、私たちには必要ありません。本来、人は自由であり、差別などありえないから。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 マスコミや行政のやり方に矛盾や怒りを感じたら、きちんとクレームをつけるべき

 

「きちんとクレームをつける」ための基本は、「論理的思考をフル活用する」こと。その論理的思考はディベートを学び実践することで身につけることができます。ちなみに、現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

ディベートを学ぶ目的は、「論理的思考」を鍛え、最短時間で最適解を見つけられるようになること。では、その先にあるものは?

 

答えは「自由」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

論理的思考を徹底的に極めると、論理という系の外に出て自由になることができます。「超論理」「超言語」の意識状態です。

F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html

 

 それは“さらなる現状の外”にゴールを設定するために必須の心の状態です。

 Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35818349.html

 

だから、「やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?」に対する総論的な私の回答は「自由になってゴール設定する」。

 

 一言でいうと「観自在」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 *「論理的思考をフル活用」について、詳しくはこちらでどうぞ↓

01 よりよい”議論”のために : 苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T

 

Q-412につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE           

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

コーチングにおける重要なプリンシプルである「I×V=R」を用いて説明すると、「IImagination)」をつくる最初の行為がゴール設定、「VVividness)」を高めるために行うのがアファメーション等

 

 「アファメーション」の他に行うのは、「ビジュアライゼーション」や「セルフトークのコントロール」+α↓

 L-188202206月医療・介護研修会 -11;臨場感を高めるための一工夫

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35688489.html

 

 さらに私は「共感覚」を重視しています↓

 L-11120218… -13;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31473967.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-323:観自在 <実践編-3;アファメーション>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33063756.html

L-070202011月シークレットレクチャー -05「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html

L-11220218月シークレットレクチャー -14;臨場感を高めてリアリティを合成する秘訣 <後編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31509419.html

Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 

 

日本人よ、目を覚ませ!

Kindle版はこちら↓

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Q-412:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.2;初心>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A2:前回(Q-411)の内容をまとめると

 

 ディベートを学ぶ

 → 論理的思考をフル活用

 → 自由(=超論理・超言語の意識状態)

 → “さらなる現状の外”にゴール設定

 

 お気づきだったかと思いますが、最初の「ディベートを学ぶ」の前にもゴール設定が要ります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「ディベートを学ぶ」ことを“必然”とするようなゴールの設定が。

 (“必然”の感覚はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その最初のゴール設定も、もちろん、心が自由でなければできません。ただし、この場合の“自由”は「freedomfrom)」で大丈夫(なはず)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 では、何からの自由?

 

 そう、答えは「怒り」。

 続けてもう一問。「怒り」から自由になるために、何から取り組めばいいでしょう?

 

 私の答えは「『怒り』について知る」こと。

その本質は「『怒り』のゲシュタルトをつくりあげる」ことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p20)より引用します(青字)。「私はすでに十分に理解している」といった自己評価を一旦ストップし、初読のつもりで読み進めてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「初心忘るべからず」で。

 F-264:不満と傲慢のはざまでvol.8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html

 

 

「怒り」とは

 自分が物理的・精神的・社会的に攻撃されたと感じ、冷静さを失っている状態。「眉間にしわが寄る」「目がつり上がる」「口角が下がる」などの表情の変化を伴い、「血圧が上がる」「動悸が激しくなる」「震える」といった身体的反応が起こることが多い。

 引用終わり

 

 

 「怒り」を知りコントロールするための大切なポイントは、「宇宙や自分を“正しく”観察し続ける」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 この引用文でいうと「物理的・精神的・社会的」の部分を、「物理的or精神的or社会的」ではなく、「物理的&精神的&社会的」としっかり理解しながら読み進めること。それが「宇宙や自分を“正しく”観察し続ける」です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

理解の一助となるよう私の経験をお話しします。

私は同じ医療圏のある開業医に繰り返し嘘をつかれたことがあります。その嘘のせいで私個人が嫌な思いをしただけでなく(精神的)、多くの時間を失い(物理的)、ずいぶんと非難されたりしました(社会的)。事情を知らない人たちから。

 

 ここで注目していただきたいのは、「物理的」「精神的」「社会的」の3つがそろうことが「物理的&精神的&社会的」なのではないということ。

そうではなく、そのどれか1つでも攻撃を受けたら「物理的&精神的&社会的」です。なぜだと思いますか?

 

 答えは「すべて情報」だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「脳」と「心」が「脳と心」でひとつであることと同様に、「物理的」「精神的」「社会的」も「物理的と精神的と社会的」でひとつ。それが「物理的&精神的&社会的」の意味。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 私たちは、つい分別して、物事を捉えがちです。それが「認識し、理解する」ことだから。

 

分別しながら“ある枠組み”を決め、その中で思考する

 

それを「ゲシュタルト化」と呼びます。知識とは「ゲシュタルト化された情報」のことです。

 L-164202201… -08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 

人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。なぜでしょう?

 

 そう、抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 以下、「『感情』の解剖図鑑」(p20)からの引用のつづきです(青字)。「抽象度」を意識に上げながら読み進めてください。Feel

 

 

怒りの原因には、複雑なものが多い

 人が怒りを覚える原因には、「誰かにいきなり殴られる」といった単純なものもありますが、たいていはもっと複雑です。たとえば、「利害の一致する仲間や、信用していた人から裏切られて怒る」という場合、「その人と利害が一致する(その人が信用に値する)と判断する」「その人に裏切られたと判断する」「その裏切りによって自分が害をこうむったと判断する」といった、高度な情報処理の積み重ねがあって、初めて人は怒りを覚えます。

 なお、人間は仲間に裏切られたとき、敵に攻撃されたときよりも大きな心理的ショックを受けます。それは「その人は仲間であり、裏切るはずがない」というブリーフシステムに反する、「ありえないと思っていた」出来事だからです。

 

現代の日本社会に、怒りの居場所はない

 それぞれの感情に対する世の中の評価は、時代によって変わります。しかし、少なくとも現代の日本社会においては、怒りはほぼ役割を失っており、重要度が低い感情であるといえるでしょう。

 たとえばビジネスの場面では、あなたの仕事に対し評価を下すのは上司や取引先です。評価が不当だと感じれば怒りが生まれますが、だからといって、そうした相手に怒りをぶつけるわけにはいきません。企業社会には基本的に、怒りの居場所はないのです。

 それ以外の場所でも、怒ってばかりいる人は「変わった人」「困った人」と判断されてしまいがちです。現代の日本社会で怒ることが許されるのは、せいぜい家庭の中だけといえるかもしれません。

 そのため、この社会に生きる私たちには、怒りの感情をコントロールすることが求められます。

 

怒りのメカニズム

 「自分が何らかの攻撃を受けた」と脳が判断すると、怒りが生まれます。怒りの感情はたいてい、大脳辺縁系の扁桃体によって増幅され、その情報が視床下部に伝わると、ノルアドレナリンが分泌され、交感神経が活性化し、血圧の上昇、心拍数の増加、気分の高揚などが起こります。寝る前に、その日にあった腹の立つ出来事を思いだすと、頭に血がのぼって眠れなくなったりするのは、そのためです。一方、怒りによって大脳辺縁系が活性化すると、前頭前野の働きが抑えられ、IQが下がって、冷静な思考ができなくなります。

 しかし、人は長く怒り続けることができません。あらゆる情動の後には、必ずセロトニンが分泌されます。どんなに激しく怒っても、いつかはリラックス状態が訪れるのです。

 引用終わり

 

 

 どうですか?

 

 きっと「怒り」に関する具体的情報量が増えるほど、「怒り」がわかったような気がするでしょう。

 

 確かにそうなのですが、それは一方で危険なことでもあります。スコトーマにより肝心な部分や本質的な意味がかえってわからなくなる可能性があるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「具体的情報量が増える」というのは抽象度が下がる方向性です。それは「複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とする」という抽象度が上がる方向性(←コンセプチュアル・フロー)とは真逆。

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

「具体的情報量が増えることで抽象度が下がり、本質がわからなくなる状態」を「専門バカ」といいます。それは決してレアなことではありません。ですよね?

 F-277L下でのBSB vol.2brainstorming

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30655837.html

 

だから、初心忘るべからず!

 

 

 「初心」とは、もちろん、ゴールのこと。そして、そのゴールの先にある“さらなるゴール”のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

Q-413につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

私は同じ医療圏のある開業医に繰り返し嘘をつかれたことがあります。その嘘のせいで私個人が嫌な思いをしただけでなく(精神的)、多くの時間を失い(物理的)、ずいぶんと非難されたりしました(社会的)

 

 でも、そんな嘘の1つがきっかけとなり、苫米地博士に鹿児島で講演していただくことになりました。

 PM-03-17~8苫米地理論との出会い ~現状の外のイメージ実現と挫折~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702480.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702640.html

 

 その後の“挫折”も含めた経験のおかげで、私は“ゴールの本質”を体感しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

 (ただ今、質問受付中↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-265:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.9;“初心”とは?>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30002338.html

F-317Let’s connect the dots! <ナットウキナーゼ、ブロメライン、クルクミン>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32776714.html

L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 

「感情」の解剖図鑑



Q-413:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.3;抽象度>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A3:前回(Q-412)、人が持つゲシュタルト能力について触れました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

分別しながら“ある枠組み”を決め、その中で思考する

 

 その“ある枠組み”が「フレーム」であり、「ゲシュタルト」。

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

人は同時に1つのゲシュタルトしか維持できません。ところが、私たちは複数のゲシュタルトを統合して“1つ”とすることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトを統合すると、物事をより深く理解できるようになります。抽象度が上がるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 反対にいうと、ゲシュタルトの統合がないままではスコトーマは外れません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 例えば、私は前回「『物理的』『精神的』『社会的』の3つがそろうことが『物理的&精神的&社会的』なのではなく、そのどれか1つでも攻撃を受けたら『物理的&精神的&社会的』です」と書きました。

 (参考にこちらもどうぞ↓)

 F-311~:デジタル自傷行為

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html

 

 その理由は「すべて情報であり、『物理的』『精神的』『社会的』は同じ宇宙の抽象度の違いにすぎない」からですが、この“表現(ゲシュタルト)”が固定化すると、さらなる可能性を見失います。

 (見失う“一例”はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33866119.html

 

 だから、まずは「宇宙の構造」「宇宙の理」を知り、そして「必ずスコトーマがあること」を意識に上げ続けることが重要。

 Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

 その上でゴール設定を行い、ゴール側の視点から「ゴールに関係すること(T)」はスコトーマを外し、「ゴールに関係ないこと(Nil)」「情動(D)」はスコトーマに隠していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

もちろん、「怒り(とくに動物的怒り・私憤)」は「D」です。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 そんなモニタリング&ラベリングと並行して行うのが、「抽象度のコントロール」。

 ゴールを無事に設定することができ、その達成に意識が向かうようになると、どうしても抽象度は下がりがち。

 よって、「さらなるゴールを思い描きながら(空観)、同時にゴール達成を模索する(仮観)」という感覚が重要になります。その感覚(=中観)が「抽象度のコントロ-ル」の肝だと私は思っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 最後に苫米地博士の著書「苫米地博士の『知の教室』:本当の知性とは難しいことをわかりやすく説明することです!」(CYZOp72)より引用します(苫米地博士の発言は青字)。

 「怒りのコントロール」をテーマに、苫米地博士は聞き手に合わせながら抽象度をダイナミックにコントロールされています。その“感覚(中観)”を感じながら読み進めてください。Feel

 

 

6時限 「怒りのコントロール」

― 博士、感情ってどうやってコントロールしたらいいんですか! 
苫米地 ん!? どうしたの? 急に

─ いや、なんというか夫婦間でいろいろあってコテンパンにやられて……
苫米地 要は夫婦ゲンカで負けたんだ。ワハハハ! でも、それでいいじゃん、負けておけば(笑)

─ いや、まあ、そうなんですけど、僕の人間が小さいというかですね、あとになって「なんで、俺が我慢しなきゃいけないんだ! 俺、悪くないじゃん!」ってなって余計腹が立ってくるのがどうにも、こうにも。はあ〜。
苫米地 相変わらず、自分が未熟で困る、という話ね(笑)。だからさ、前から言ってるように怒ったら我慢しなくていいんじゃないの? 自分が悪くないと思ってるんでしょ?

─ いや、そうなんですけど、そこで怒るとまた一悶着起きてしまって……

苫米地 面倒なのね(苦笑)。じゃあ、一生怒らないってことにしたら?

─ う〜ん。以前、そう決めたんですけど、ダメでした……
苫米地 でしょ、結局決めたって守れないんだから(笑)。要は怒ることはいいか、悪いかじゃないんだって。怒りたければ怒っていいの。でも、みんな必死で怒らないようにしたり、ヘタな感情の爆発のさせ方をしているから失敗するの。じゃあ、なんでそんな失敗をするのかっていうと、勘違いしているからなんだよ、感情をコントロールするっていう意味を

─ 勘違い?
苫米地 そう。そもそも感情ってなんだかわかる?

─ 博士がよくおっしゃっているのは、人間の生理現象であり、排泄物と一緒。だから我慢するものでもないし、我慢したら身体に悪い。
苫米地 そう。ということは、感情って出していいものでしょ。というか、出さなきゃダメでしょ。ただし、通勤電車の中で排泄したいと思った時、普通そこでする?

─ いや、絶対にしません。したらダメだと思います(笑)。
苫米地 だよね。電車が駅につくまで我慢してトイレに駆け込むでしょ

─ そうか! 怒りや感情もそれと一緒で人前でやっちゃダメだと。排泄物に例えるとわかりやすいですね(笑)。
苫米地 人前で出すと差し障りのあるものは人前では出さないってことが基本ね(笑)。要は感情を爆発させてはダメな場所やタイミングってあるわけ。タイム、プレイス、オケージョン。TPOをみて吐き出す。例えば、取引先の社長に頭に来てもそこで怒るのは大抵自分が不利になるでしょ。だったら、その場は我慢して、あとでバッティングセンターでボールを引っ叩いたり、木人拳を叩いてもいいし(笑)。それこそトイレに駆け込んで罵詈雑言を吐き出せばいいわけでしょ。その数分から数十分を我慢すれば? って言ってるわけね

─ それが感情のコントロールだと。
苫米地 そういうこと。で、その数分を我慢することって難しい? だって、みんなできているよ。電車の中で漏らさないでトイレ行けるでしょう。そんなのウチで飼っているネコだってやってるよ(笑)

─ そもそも感情のコントロールなんて大層な話ではないと。コントロールができないとか言っている時点でネコ以下だと(苦笑)。
苫米地 みんなできるし、現にもうやっている。じゃあ、なぜ問題が発生するのかというとそのあとの対処がなってないからなんだよ

─ そのあと?
苫米地 よく考えてみればわかると思うけど、怒るなんて感情は本来どうでもいいわけでしょ。怒ったからなに?で、問題は怒ったとか、怒らないとかではなくて、自分を怒らせるような出来事があって、それがのちのち自分に不都合な事態を引き起こす可能性があるかもしれないってことじゃないの?

─ 確かにそうですね。だいたい自分に不利益が起きるかもしれないから怒るわけで。
苫米地 ということは大事なのは怒ったあとにどう復讐するかってことじゃないの?

─ えっ、復讐ってアリなんですか!?
苫米地 全然アリ(笑)。逆にしっかりリベンジしないからダメなんだって。「自分に不利益な事態が発生しそうだなと思ったけど放っておきました」ではまたやられるよ。それは地震警報が発令されたのと同じ。普通はどこに身を置いたら安全かを考えるでしょ。でも、「なんだよ、ゆっくり寝ているのに起こしやがって」って怒っていたらバカでしょってこと。でも、現実には皆さんそれをやっちゃってるんだよ

─ そうですね。よくも俺を怒らせやがって、許せねえって。
苫米地 でも、本当に大事なのは怒ったあと。次の理不尽な攻撃を防ぐための抑止力としての復讐をどうやるかってこと。じゃあ、その大事なことをするのに怒っててできる? 情動に負けてて抑止力としての復讐なんて論理的に考えられる?

─ 絶対無理です。
苫米地 でしょ。怒りながら抽象度の高い作業なんてできないわけ

─ ということは、怒ることっていうのはそもそも無意味なんですか?
苫米地 無意味は無意味だけど、でも怒ってもいいわけ。湧き上がった感情はTPOにあわせて吐き出せばなんの問題もないのに、いちいちそこで「怒るべきか、怒らざるべきか」って立ち止まるから問題になってしまうわけね。だけど、本当の問題は相手の次の攻撃があるか、ないか。ありそうだったら抑止力としての報復行動を取る。でも、それは怒ったままではできませんよってことね

─ そうか。怒りは一回すっきり全部吐き出して、そのあとに抑止力としての復讐を考えなければいけなかったんですね。それを「怒りたい、怒れない。我慢しなきゃ、でも、我慢できない」ってやってたからいつまで経っても……

苫米地 堂々めぐりだよ。感情は感情として吐き出しておいて、復讐は論理的にやらないと成功しないよという話。そういう報復行動は、人間は昔からしてきているんだよ。例えば、中国人なんて何千年も前からやっているよ。墓まで暴いて名誉を傷つけたりしているでしょう

─ ああ、死体を晒したりしてますね。
苫米地 あれは権力を握った者に反抗する人間をもう出さないためっていうことでもあるし、ありとあらゆる意味合いを持った報復攻撃でしょ。いまの日本だってやってるよ、それは。テレビで官邸批判をすると、すぐにその局の役員に、ある筋から電話がかかってきて「上の人間が怒っています」とかやるらしいよ。別に、上の人間は怒っていないと思うけど(笑)。これなんて抑止力としての怒りを活用しているいい例だよ

─ 怒るのではなく、怒っているフリ。
苫米地 いまの例の場合はね。肝心なことは、論理的に行動しているかってこと。ところが、怒りで悩む人っていうのは感情のハケ口としての復讐行動ばっかりとってない?

─ やり返えさないと腹の虫が収まらないんですよね(苦笑)。
苫米地 でも、それって自分の怒りを吐き出すことが目的であって、その後のことなんかなにも考えていないでしょ。脳内の情報処理でいえば前頭前野ではなく、扁桃体優位のままで動いている。それじゃあIQの高い行動に出られないわけで、結局、取引先を怒らせたり、奥さんを怒らせて、自分に不利益な事態を招いてしまうんだよ

─ そうですねえ……。そういう結果になるとわかっていながら、なぜかガーッと言いたいんですよね。
苫米地 実はそこにもうひとつの問題があるわけ。感情を爆発させるのを是とする風潮がいま日本にはある

─ えっ、そうですか?
苫米地 だって、昔の日本の教育は感情を出すのはみっともないだったはずだよ。人前で泣くなんて恥っていうのが日本の武家文化だったはずでしょ

─ いわれてみればそうですね。子供の頃、泣くなんてみっともないっていわれました。
苫米地 でしょ。それが戦後GHQによって感情表現を出していく文化を植え付けられて、少しずつ変わってきた。いまなんて、場合によってはTPOもわきまえないぐらい大げさに感情を出すほうがいいという風潮、それが男らしいみたいな風潮がどこかあるんじゃないかと思うんだよ

─ そうなんですか?
苫米地 うん。実は俺、この前の冬休みにNHKの大河ドラマの黒田官兵衛モノと坂本龍馬のヤツをDVDで全部見たんだよね。それでわかったんだけど、あんな泣いてばっかりいる武士なんていないよ。坂本龍馬ものなんか、龍馬も龍馬の周りにいる人もみんなワンワン泣いてない?

─ そうですね。特に龍馬はいまそんなキャラクターになっている気がします。
苫米地 でもさ、あんなに情動を剥き出しにする人間が切腹なんてできないよ。龍馬はずっと命を狙われていたんだよ。もっと情動を抑えているって。あれはさ、日本の文化をNHKはぶっ壊してない?

─ う〜ん、たしかに情動出しすぎな感じはしますけど、日本の文化を壊すまで言うと大げさすぎる気もしますが(苦笑)。
苫米地 だけど、戦前は親が死んでも泣くのは恥ずかしいっていう文化だったんだよ。それが、武士も泣いていいんだっていうふうに180度変わっているよ

─ 確かにそうですね。全然気が付きませんでした。
苫米地 それが洗脳なんだって。で、ここ最近、その傾向に拍車がかかっているから問題なんだよ。で、その原因が……

─ 大河ドラマですか?
苫米地 違うんだよ。この前わかったんだけど、韓流ドラマなんだよ(笑)

─ え〜〜っ、ホントですか(笑)。だって、博士は韓流ドラマ好きじゃないですか。
苫米地 好きだし、よく見ているよ。だから、わかるんだけど、俺、日本国民があんなふうに泣いたり、怒ったりしたらダメだと思うんだよ

─ 韓流ドラマファンとは思えない発言ですね(笑)。
苫米地 俺はああいうのを娯楽として楽しんでいるからいいの。でもさ、見習っちゃダメでしょ(笑)

─ ダメだと思いますけど、見習う人なんていますか?
苫米地 NHK大河ドラマのスタッフは見習っていると思うよ。だから、あんな泣きすぎ龍馬を是としているんだよ。俺はあのドラマを見て「こんなものを1年も流して、日本人を弱っちいヤツにするための謀略か?」って思ったけど(笑)

─ そんな壮大な策略が大河ドラマというか、韓流ドラマにあったんですか。
苫米地 そう思えるほどNHKの大河ドラマは韓流ドラマみたいだったね(笑)

─ とりあえず、感情をコントロールしたければ、大河ドラマを見ちゃダメ(笑)。
苫米地 ダメ(笑)! ま、余談はこのぐらいにして、情動は出してもいいけど、それは人前で出さないってことだよね。で、抑止力的な報復が必要だと思ったら情動優位のままでは動かない。じゃあ、どうすれば情動優位状態をやめることができるのかといえば、論理的に復讐する方法を考えること。いきなり情動状態をやめようとするのは間違いってことだよね

─ ああ! 一生懸命論理的になろうとするんじゃなくて、どうやったら効果的な復讐ができるかを考えれば、自然に論理的になれると。
苫米地 だから、そういう意味でも、抑止的な復讐を考えるってことは大切なんだよ。で、最後にもうひとつ、一番いいのがそもそも感情的にならない人間になること。情動は娯楽として愉しめばいいんだから。逆に、娯楽に振り回されるからおかしなことになるんだって。情動はなにかというと、自分から出しに行くものなの。嬉しい、悲しいっていう感情を楽しみに行くのが正解。今日は思い切り怖がるぞってホラー映画を見にいくのが正しいわけ

─ それが感情をコントロールするってことだったんですね。
苫米地 そう。出したい感情を出したい時に出す。相手が選ぶんじゃない。自分で選ぶってことね

─ あっ、いまの言葉で凄く納得しました!
苫米地 わかった? ということで、夫婦ゲンカも娯楽にするように(笑)。

─ うぅ、頑張ります……

 引用終わり

 

Q-414につづく)

 

 

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Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

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Q-414:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.4;〇〇-感情-怒り>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36079057.html

 vol.4;〇〇-感情-怒り

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A4:前回(Q-413)は、「抽象度のコントロール」を意識に上げながら、「怒りのコントロール」を感じていただきました。だいぶ「怒り」に関するイメージや質感が変わったのでは?

 L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 「問題/課題(case)」を見つけ、その「解決(plan)」を考えていると、どうしても抽象度が下がりがちです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 それは抽象度を上げる方向性の「ゲシュタルト化」とは正反対。それでは本質を見失いかねません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 抽象度を上げながらより大きな「ゲシュタルト」をつくるほど、本質がわかり、理解がより深まっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

例えば「チワワ」「ブルドッグ」「コーギー」「ラブラドールレトリーバー」という抽象度ではよくわからなかったことも、一つ上の次元の「犬」というゲシュタルトで考えるとわかったりします。

 F-199:“あの人”の… Vol.3;「こんなにほったらかしにして」を生みだすスコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26545746.html

 

さらに「猫」「牛」「豚」「クジラ」「コウモリ」といったゲシュタルトまで統合して「哺乳類」というゲシュタルトをつくると、さらに「チワワ」や「ブルドッグ」の理解は深まります。それが人が持つ「ゲシュタルト能力」です。

 Q-268:薬をやめることができますか? <前編:induction

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29185121.html

 

 では、同じように「怒り」について考えてみましょう。「怒り」と同じ抽象度の概念(ゲシュタルト)は何でしょうか?

 

 そう、「悲しみ」「不安」「後悔」「劣等感」など。それらは「negative」とひとくくりにされるようなものですが、反対に「positive」でくくられるような「喜び」「勇気」「期待」「優越感」も挙げることができます。

 

 では、「怒り」とそれらを統合して“1つ”とする概念は?

 

 そう、「感情(情動)」です。

 「感情」という全体(のゲシュタルト)ができると、部分である「怒り」はもっとよくわかるようになります。そして、「怒り」がもっとよくわかると、それだけコントロールもうまくできるようになります。それが「観自在」の感覚です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 さらに「感情」を部分とするようなもっと大きなゲシュタルトができると、「感情」の理解が深まり、「怒り」はもっとコントロールできるようになります。

ただし、より高次のゲシュタルトをつくる前に、「感情」に関する誤解を解消することが必要。例えば、皆さんは「心が折れる」「感情的になる」と聞いて、どのようなイメージが浮かびますか?

 

以下、苫米地博士の著書「人間は『心が折れる』からこそ価値がある」(PHP研究所、p172)より引用します。「感情」に関する誤った刷り込み(=洗脳)を解くイメージで読み進めてください。Feel

 

 

感情を抑制してばかりの人間なんて、前時代的な工業化社会の奴隷にすぎない

 前章まで述べてきたように、今後開発が進んでいく人工知能は、「心の折れる人工知能」になります。

 人間の役に立つ人工知能にするには、人間の気持ちを理解できなければいけませんので、人工知能が「疲れた」「かったるい」「心が折れた」と言い出します。人工知能は、人間の情動システムを取り入れ、より人間的になっていきます。

 そういう前提で考えてみてください。

 ロボットがどんどん人間化されていくのに対して、逆に人間のほうがロボット化されてしまっては、本末転倒ではないでしょうか。人間がロボット化されることに、はたしていかなる意味があるでしょうか?

 「折れない心をつくる」とか「感情的にならないで生きる」などといっているのは、感情を失ったロボットになることを目指しているようなものです。それを強く望んでいるのは、一部の支配者たちです。一般の人を反抗しないロボットのようにして働かせて、それによって収益を上げようという考え方です。

 これは近代工業化社会の産物といえるでしょう。大量生産社会では、労働者を一人の人間と見ないで、感情を持たずに淡々と作業をこなすロボットのようにさせようとしました。「かったるい」「疲れた」などといっている社員は使いにくいですし、儲けにつながりません。心が折れないで、感情的にならずに仕事ができる社員を使ったほうが儲けられます。心が折れない社員は経営者には非常に好都合なのです。

 「折れない心をつくろう」などと思うのは、近代工業化社会のパラダイムにまんまと乗せられてしまっているだけです。何の感情も感じない人間になれば、心は折れなくなりますが、それでいいのでしょうか。人間はときに感情的であっていいし、つらいときには心が折れていいのです。

 人工知能を搭載したマシンが「心が折れました」「疲れました」というのは、システムや部品に何かの不具合を感じたときです。自動車のタイヤがすり減っているときや、コンピュータのハードディスクが壊れそうなときなどに、「もうダメです」とシグナルを送ってきます。そのシグナルを無視してしまったら、大きな事故につながりかねません。

 同じように、人間が「心が折れた」「かったるい」と感じるときは、心身のどこかに不具合を感じているときです。

 そんなシグナルを受け取ったときには、無視しないで、素直に受け取ったほうがいいに決まっています。

 かったるいのに、無理に仕事を続けるようなことをすると、かえって健康状態が悪くなります。つらいのに無理して長時間働きすぎると、精神的にもさらにつらくなります。「心が折れてはいけない」と思っていると、無理をするので、かえって心の病気になってしまうかもしれないのです。

 引用終わり

 

 

 何の感情も感じない人間になれば、心は折れなくなりますが、それでいいのでしょうか

 

 引用文に続く部分で、苫米地博士は、「不快な気分、ネガティブな気分があるから、人間は素晴らしい完成された存在なのです」「心が折れるのはダメな人間の証拠ではなく、人間の素晴らしさの証拠です」と書かれています。

(こちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33974189.html

 

 「感情」というゲシュタルトに対してネガティブなイメージがあるままだと、どうしても「怒り」に対して歪んだ思いが生じてしまいます。そのままではきっとコントロールも難しいでしょう。

 

 反対に、「感情」をさらに上の視点で理解することができると、「感情」全体をコントロールすることができるようになり、下の次元で「怒り」をさらにうまくコントロールすることができるようになります。

 

 では、問題。

「感情(情動)」を部分とするようなもっと大きなゲシュタルトとは何でしょうか?

その場合に、「感情(情動)」と同じ抽象度で部分となる概念は何でしょう?

 

 

 私の答えは「思考」です。

「感情(情動)」と同じ抽象度で部分となる概念とは、「言葉」と「映像」。そう、「思考の3つの軸」のこと。

L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 「怒り」を1つ上の抽象度で「感情」と理解し、さらに上の抽象度で「思考」と捉えることができると、苫米地博士がよく話される「娯楽にする」という感覚がよくわかるはず。

 重要なのは「抽象度を上げて捉え直す」ことです。

 Q-327:最近「記憶が抜ける」ようなvol.2;感情が起こるメカニズム -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

Q-415につづく)

 

 

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-関連記事-

F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

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Q-269:薬をやめることができますか? <中編:case-side(ワーク付き)>

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Q-366~:医師からのパワハラがひどすぎて心が折れました

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人間は「心が折れる」からこそ価値がある

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Q-415:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.5;条件・娯楽・目的>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

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 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

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 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

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 vol.1;クレーム

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 vol.2;初心

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 vol.3;抽象度

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 vol.4;〇〇-感情-怒り

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36114843.html

 vol.5;条件・娯楽・目的

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A5「怒り」を1つ上の抽象度で「感情」と理解し、さらに上の抽象度で「思考」と捉えることができると、苫米地博士がよく話される「娯楽にする」という感覚がよくわかるはず。

 重要なのは「抽象度を上げて捉え直す」ことです。

 Q-327:最近「記憶が抜ける」ようなvol.2;感情が起こるメカニズム -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31891038.html

 

  抽象度を上げて捉え直す

 

 それが「ゲシュタルト化」の感覚。ゲシュタルトとして全体がわかると、部分(の意味)がもっとよくわかるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 さらに前回(Q-414)の例でいうと、「思考-感情-怒り」といった異なる抽象度次元のつながりを保ったまま「怒り」について掘り下げると、その本質を見失うリスクは減ります(ハズ)。

抽象度を下げて具体的に考察していても、同時に抽象度の高い視点を維持できるからです。それはIQを上げることと同じ。

L-07520211… -04;抽象度を上げてIQを向上させる苫米地式トレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29486824.html

 

 では、そんな感じで「怒り」について詳しく確認していきましょう。

 

 「怒り」のゲシュタルトを構築中の方に対して、私が強くお勧めするのが苫米地博士の著書「『怒らない』選択法、『怒る』技術」(東邦出版)。

 

 

「怒らない」選択法、「怒る」技術

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 その書籍の中で、苫米地博士はたくさんのポイントを挙げられています。その中でも私がとくに重要視しているのが、「怒っていい時の条件」「怒りは最高の娯楽」「怒る目的を明確にする」です。

 

 

 ところで、皆さんは怒っている時に「自分が怒っている」ことに気づいていますか?

 

 この部分はとても大事。自身の怒り(<感情<思考)をつねにモニタリングしていることが基本です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 「自分が怒っている」ことに気づいたら、次に行うのは「『怒っていい時の条件』に合致するか?」を考えること。その内省により前頭前野優位を維持しやすくなります。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 「怒っていい時の条件」は2つあります。

 1つ目は「相手に過失があり、その過失によって自分に不利益が生じた時」。

 そして、2つ目は「その過失が予想外だった時」。

 

 ここでの鍵は「予想外」という言葉です。苫米地博士は「この『予想外』は、さきほどいった感情が喚起するきっかけと同じものです。感情が喚起するきっかけがそこにあるからこそ、怒っていいわけで、身体的に正しい怒りだといえるのです」と書かれています(p29)。

 Q-316:今、逃げましたよね? <前編;感情が発動するきっかけ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31589977.html

 

「感情が発動するきっかけ」である「予想外」は、トラウマ化やストレス度に影響する“理不尽度”とも大きく関係します。

S-04-06~7:心に深い傷を負う理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22746255.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22817135.html

 

 

 次は「怒りは最高の娯楽」について。

 最高の娯楽として楽しむために、苫米地博士は「感情と行動を切り離す」と書かれています(p75)。そのコツは、テレビドラマや映画を観ているときと同じように、目の前のリアルドラマを楽しむこと。観終わった瞬間にスパッと切り替えられるように繰り返し練習します。

 F-346:ヘンシン! <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34261064.html

 

 「スパッと切り替える」のは「情報場」。コーチング用語でいうと「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」、博士の最近の表現でいうと「可能世界w2」、今回のテーマに沿っていうと「やり場(I×V)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

 最後の「怒る目的を明確にする」は、コーチング実践者にとっての大切なハビット&アティテュード。なぜかというと

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 以下、「『怒らない』選択法、『怒る』技術」(p84)より引用します。

 

 

◎怒る目的を明確にする

 さて、本書の最後は、怒る目的について考えてみましょう。

 怒った時、私たちは必ずなにか目的を持っています。最も単純な理由は、「やり返したい」「相手を傷つけてやりたい」といったものです。大切なものを台無しにされたり、自らを軽んじられたら、当然湧き上がる感情です。これが解消できないとかなりのストレスになります。

 もうひとつ、怒りの目的としてあるのはコミュニケーションです。「あなたはそう考えるようだが、私はこう考える。意見を擦り合わせて、同じ目的に向かっていけるのなら、向かっていこうよ」、というやり取りをハードに行う手法です。一見、口喧嘩のように見えますが、互いにゴールを共有していれば、どれほど激しくいい合ったとしても喧嘩にはなりません。たとえ、その場では擦り合わせがうまくできなかったとしても、です。

 この二つの目的を並べると、一見、前者は間違いで、後者は正しいと思いがちです。しかし、ともに正しい怒りであると、認識してください。

 相手を傷つけたい、叩き潰してやりたいといった復讐心は現代の日本ではしばしば否定されますが、やられたらやり返していいのです。やられたままで黙っているなどありえません。

 ここで、「やり返したら自分が損する」などという人がよくいますが、やり返さなければもっと損します。なぜなら、やり返して来ないということは、受け入れたと判断されるからです。そう判断されたら、その後何度も何度もやられます。どっちが損ですか?

 ですから、本書では復讐心を肯定します。やられたらやられた分、等価交換で、きっちり相手にもその傷みを返してあげましょう。

 もうひとつ、ハード・コミュニケーションとしての怒りについては、一歩間違うとただの喧嘩になってしまうので、細心の注意が必要となります。なぜなら、怒りが爆発し過ぎると、IQが下がってしまって、目的を見失い、闇雲に「やり返したい」となってしまう可能性があるからです。

 大切なのはIQを維持したまま、怒ることです。そうすれば共有しているゴールを見失うことはありません。

 それは復讐心でも同様です。IQを下げてしまえば、リベンジを果たすことはできません。

 すべてはIQなのです。言語を自在に操作するためにも、ビジネスの場に怒りを持ち込まないようにするにも大切なのはIQなのです。

 引用終わり

 

 

 大切なのはIQを維持したまま、怒ることです。そうすれば共有しているゴールを見失うことはありません

 

 怒る目的を明確にする」ことができるのは、ゴールのことを四六時中考え、そのゴール達成のプロセスを常に思い描いているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールが「怒る目的」を決めます。そして、すべての評価や判断をゴール側からの視点に統一するために行うのが「ラベリング」です。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

そのラベリングが、コーチング実践者にとっての大切なハビット&アティテュード。

ラベリングにより、感情(情動)の動きを含む自身のすべての情報処理の目的が明確になります。

 L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html

 

Q-416につづく)

 

 

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