苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:Q:質問等回答編 > Q-400~ ヒーリングやコーチングと意識状態の関係は?

Q-400:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

  

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 まずは「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察します。

 

 

A1:御指摘の部分は「オーセンティック・コーチング」(CYZO)のp170にあります。



オーセンティック・コーチング

 

 

 最後に自分のゴールが現状の外のゴールかを判断する簡単な基準を紹介しましょう。それはゴールについて考えた時、怖くなったり、不安になるか、どうかです。もしも不安になれば、これは現状の外のゴールです。

 そして、私たちコーチの仕事はクライアントに不安を作ることです。コーチは人生のあらゆる場面(バランスホイール)で現状の外のゴールを設定する手伝いをします。それは、人生のあらゆる場面に不安を作ることでもあります。つまり、コーチの仕事はカウンセラーとは正反対だということです。

 

 これは第5章の結びの言葉。その第五章のテーマは「コンフォートゾーン」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ゴールの重要なポイントである「現状の外」とは、「これまでのコンフォートゾーン(CZ)の外側」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 人の無意識はCZから外れると、慌てて元に戻ろうとします。そのときにマインドに生じる情動の代表が「恐怖」や「不安」です。

 (戻ろうとする力の正体は? 答えはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 よって、コーチングを縁に生じるコントロールされた「恐怖」や「不安」は、コーチングがうまく機能している証だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 補足すると、「コントロ-ルされた」とは、前頭葉前頭前野優位を維持できている状態のこと。ドキドキしているけれども、同時にワクワクも感じているといった感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33485940.html

 

脳内の神経伝達物質でいうと、ドーパミンがあふれている状態。

 (こちらに詳しくまとめました↓)

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 そんな前頭前野優位に対して、コントロールを失ってしまった状態が大脳辺縁系優位。その状態での「恐怖」や「不安」は、「戦うか? 逃げるか?」といったシンプルなリアクションを引き起こします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 もちろん、大脳辺縁系優位の状態では、現状の外にあるゴールを達成できません。その理由は?

 

 

 そう、抽象度が下がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が下がると、ゴール側のCZの臨場感が下がるばかりか、ゴールそのものも見失ってしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 だから私は、コーチング・セッション前には必ず、そしてクライアントさんが大脳辺縁系優位に陥りそうになるたびに、“ウォーミングアップ”を行います。

それは「抽象度の高い次元にアクセスできる意識状態づくり」です↓

F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html

 

 さて、「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」がクリアになってきたでしょうか?

 

 

 苫米地博士が「バラいろダンディ」(20211213日放送回)で明かされたコーチングの奥義「コーチングでは関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w1”から別の“w2”に移行することを促す」を用いて説明すると

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

下向きに外れた状態から元の「可能世界“w1”」=これまでのCZに戻るのがヒーリングで、ゴールが生みだす「別の“w2”」に向かってこれまでのCZを飛び出すのがコーチング

 

 脳の活性部位でいうと

 

 大脳辺縁系優位から前頭前野優位に戻すのがヒーリングで、前頭前野の活性化をさらにブーストするのがコーチング

 

 そして、意識状態では

 

 抽象度の高い次元へアクセスできる意識状態づくりがヒーリングで、さらなる高次元へのアクセスがコーチング

 

 といえるはず。

 

 以下、苫米地博士の著書「本番に強い脳と心のつくり方」(PHP研究所、p160)より引用します。博士は「逆境」の本質について書かれています。それは「抽象度の高い次元にアクセスできる意識状態づくり」に必須の知識。

「『逆境』を生みだすものは?」「『逆境』と『恐怖』『不安』の関係は?」という問いを意識に上げながら読み進めてください。Feel

 

 

◆逆境なんて存在しない

 スポーツにおいて、みずからの目標達成を阻害する要因の一つに「逆境」があると多くの人が考えています。

 みなさんがイメージする逆境とは、次のようなものでしょう。

 

 ▶試合の直前に親や友人が亡くなって精神的に不安定になっている。

 ▶ずっとケガに悩まされ、万全の状態で試合に臨めない。

 ▶アウェーの試合で、スタジアムには相手側のサポーターしかいない。

 ▶レッドカードでチームメイトが退場して、数的不利に立っている。

 ▶大量得点差で負けている。

 

 このような逆境に追い込まれると、ふだんどおりのプレー、練習どおりのプレーができないと言う人もいます。

 しかし私に言わせれば、そもそも「逆境」なんてないのです。

 たまたま調子がいいときと悪いときがある。

 たまたま試合をアウェーでやっている。

 たんにそれだけのことです。その単純な事実に「逆境」というネガティブな情報をみずから付加してしまうから、逆境になり、無駄な緊張をしてしまうのです。

 「いまは逆境だ、だから緊張するんだ」と考えるのはすべて自分の判断であって、「逆境なんてない」「今日の試合もいつもと変わらない」と考えることだってできる。

 だれだって体調がいいときと悪いときがあるのは当たり前。試合当日に偶然親しい人が亡くなることだってあるでしょう。しかし、それはたんなる事実であって、体調が悪いときは「今日は体調が悪いな」、親しい人が亡くなったら「あの人が死んで悲しいな」と思ってそれで終わりです。それを「逆境」と思うことがそもそものまちがいなのです。

 サッカーの試合で「40」といった大差で負けているときも同じこと。この状況を「逆境」と感じて「相手には勢いもあるし、うちも調子が悪いから逆転はムリ」と考えたら、緊張してしまい、実際に逆転もできません。

 でもよくよく考えれば、「40」だろうが「41」「42」だろうが、次の一点を取ることについては何も環境は変わらないのです。

 「四点負けているから、短い時間で五点取らなきゃ」と考えると脳波はベータ波支配となり、体は不安や雑念の緊張状態に陥ります。体は動かなくなり、余計に点が取れなくなる。

 そんなときは単純に、「五点取るためにはどうしよう」と考えればいいだけです。勝ち負けは関係なく、自分のゴールとして「五点取ること」を設定します。するとアルファ波支配のリラックス状態となり、IQも高まるので、おのずと五点取るためのアイデアもイメージできますし、体も五点取るための動きをします。

 逆境かどうかの判断は、すべて自分の側に委ねられています。つまり、自分自身が「逆境などない」と思えば、逆境は存在せず、ふだんどおりにプレーできるのです。

 引用終わり

 

 

 そもそも「逆境」なんてない

 

 すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するときの“マインド”とは、前頭前野での豊かな情報処理のこと

 

その前頭前野優位を保つ(戻す)ことがヒーリングであり、前頭前野をフルに活性化してゴールに向かうのがコーチングです。

 Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 

 それを一言で表すと

 

Q-401につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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L-06320209月シークレットレクチャー -03;全面肯定しつつ、“現状の外”を志向する

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Q-374~:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429253.html

Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 

お釈迦さまの脳科学

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Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html

 

 今回は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について考えていきましょう。

 

 

A2:前回(Q-400)確認したとおり、すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するときの“マインド”とは、前頭前野での豊かな情報処理のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

その前頭前野優位を保つ(戻す)ことがヒーリングであり、前頭前野をフルに活性化してゴールに向かうのがコーチングです。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 それを一言で表すと「中観」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 脳科学的には「ドキドキもワクワクも、脳内物質の多い・少ないの話」です。もしも「大脳辺縁系優位? or 前頭前野優位?」といったことにこだわるのであれば、それは情報空間の底面に意識が囚われている状態だといえます。脳の話だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 情報空間の底面に意識が囚われると、より高次の抽象度次元にひろがる可能性(可能世界)が認識できなくなってしまいます。その状態が「無明」。コーチングでいうと「スコトーマに隠れている」状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 仏教では、すべての存在現象には独立した実体などなく、他のものとの関係性において成り立っていると考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 例えば、無限にひろがる巨大な「網」をイメージしてください。

 無数の網目が集まって網を成していますが、その区切られた一つの「網目」だけを取り出し、それは存在しているといえるでしょうか?

 

 答えはNoです。「網目」という実体はないから。

 

 すべての存在現象は他に依存して、「仮」に現れているだけ。本来は生滅増減もなければ色形の区別もなく、「空」

 そのように宇宙を観るのが「空観」です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 そもそも、人がドキドキやワクワクを感じる根元には、遺伝子や細胞レベルの欲求である“煩悩”があります。例えば「お腹が空いたら、食べたくなる」など。

 Q-363各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

 そんな欲求が思いどおりにならないことから生じる苦しみや悩みのことを、釈迦は「苦」と表現しました。その代表である「四苦」とは、「生」「老」「病」「死」のこと。それは誰もが経験する物理空間上の“さだめ”といえます。

 L-03320204月シークレット… -02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html

 

 しかしながら、「四苦」を含む「苦」そのものも、そう認識しているだけの幻想に過ぎません。恐怖や不安、苦しみや悩み、そして不幸までも、すべて幻想です。

 

それら「苦」の理由をすべて吟味してみて、いずれも幻想でしかないとわかったなら、もうワクワクを重ねて幸せになるしかありません。

 なぜなら、「幸せではない」という理由自体がないから。

 L-03620204月シークレットレクチャー -05;「四苦」を超越する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html

 

 だから“煩悩”を捨てよう と言いたいわけではありません。

 

確かに、煩悩を捨てていき、すべてが幻想であると理解したなら、心穏やかに生きていけるでしょう。しかし、人が本当に煩悩を捨て去ったなら、人類は滅亡してしまいます。食欲を捨てたら餓死するし、性欲を捨てたなら命の連鎖が途絶えます。

 

 大切なのは“煩悩”を制御すること。ゴール(w2)を達成している自分(関数p=ブリーフシステム)にふさわしいようにコントロールすることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 具体的には、再度認識することで現れる世界の「仮」の姿を観察します。これを「仮観」といいます。例えば、半分くらい水が入ったコップを見たとき、「水が半分しか/半分も」といったことではなく、「水を飲むもの」と認識します。その機能や役割を見るのです。

すると、同じコップに「花を挿すもの」という別の仮の役割を持たせることもできるようになります。

 F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

 このように世の中のすべてを「空」と理解した上で、あえて「役割を持たされた仮の存在」と見るのが「仮観」です。

 

 すべてを「空」だと知った上で、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていく

  

 そうすると、結局のところ、この世の中に何一つ役割のないものは存在しないということがわかります。この考え方が「中観」。

 L-03020203… -0875歳以上では延命治療は不要?<プランサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26197802.html


苫米地式コーチングは中観です。もちろん、ヒーリングも中観。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

 「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」に一般的な時間の概念を入れて考えるなら、「中観」という意識状態の体得が先。空観 →仮観 →中観 →ヒーリング&コーチング という順です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳」(PHP研究所、p180)より引用します。

 

 

真の成功のためには、まず「悟りが先」でなくてはいけない

 何となく現状に不幸を感じながら、「ゴール」を設定することができず、したがって何をしたらいいかわからない。行動できない。そもそも、「ゴール」を設定することの重要性を知らないし、「ゴール」を考えるという発想にも慣れていない……

 こういう人は私の本の読者やセミナーの受講者にもよく見かけます。

 これは、日本の教育制度のせいかもしれません。「あなたはシステムの歯車の一部であり、それ以外になってはいけない」という教えがどこかに残っていて、いまだに小学校で「前ならえ」「右向け右」といった軍国主義さながらの訓練をさせるのが日本の教育なのです。

 「ゴール」を持っていない、設定できないという人は、このシステムの犠牲者です。この教育のあり方は変えていかなくてはいけないでしょう。

 とはいえ、この本を読んで大乗仏教的な幸福の意味を知った人ならば、いま現在「ゴール」を持っていないとしても心配はいりません。

 「社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない」のです。そのことに気づいた以上、社会に役立つ「ゴール」を持ち、それに向かって生きていくしか道はなくなるでしょう。

 

 よく、煩悩肯定的な「成功本」の類いでも、ゴールが大切だということは書かれています。

 もちろん、それは正しいのですが、煩悩を肯定している人が「ゴール」を設定すると、そのゴールもまた煩悩まみれになってしまいかねません。

 そんな「ゴール」を目指したところで、また実現したところで、決して真の幸福は手に入れられないでしょう。

 だから、まずは「悟りが先」でなくてはいけないのです。

 「空観」「仮観」「中観」を学び、大乗的な悟りを学んで、自分に嘘をつけない状態になってから「ゴール」を設定する。それは自然に「社会にとって役に立つゴール」になり、自分の真の幸福にもつながるのです。

 引用終わり

 

 

社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない

 

 この気づき(awareness)こそが、真の幸福を手に入れるためのヒーリングとコーチングに欠かせない意識状態である と私は確信しています。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

Q-402につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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Q-339~「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html

 

 

夢がかなう脳!

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Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察し↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html

 

 中編は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について確認しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 これまでの考察はクライアント側の視点での考察です。コーチ側に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

守秘義務内容に該当しますが、昨秋(2023年)、苫米地博士は「〇〇〇」(略語、英3文字)という表現を使われました。最後の「〇」は「Consciousness」の「C」です。それはまさに「意識状態」のこと。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 今回は、博士が指し示されている情報場(ゲシュタルト)を、一般開示されている具体的知識を用いて表現したいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

私なりの「言語を用いた非言語の働きかけ」のイメージで。

 F-328:お大事に <後編;最も大切にしなければいけないこと>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33311888.html

 

 

A3:「バラいろダンディ」(TOKYO MX20211213日放送回)の中で、苫米地博士はコーチングの奥義を明かされました。それは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す

 

 *実際のレクチャーはこちら↓

 銀河系ゼミナール20211213日放送回)

 「コーチングの基本概念を習熟して、新年に向けてエフィカシーをブーストしよう」

 https://www.youtube.com/watch?v=45-1UEYkl7Q

 

 「関数p」とは、「自我」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「可能世界“w(最近の博士はw1と表現されています)」とは、これまでのブリーフシステム(Belief System)が映しだす現状(Status QuoSQ)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そして、「別の“w1w2)」とは、現状の外へのゴール設定により新たに生みだす世界のこと です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 重要なので繰り返しますが、ゴールは現状の外に設定するもの。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

よって、「新たに生みだす世界」とは、これまでのコンフォートゾーン(Comfort Zone)の外側。未知なる領域になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 それは、コーチとの縁によりゴールを設定するまで、スコトーマに隠れまったく認識できなかった領域。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな未知なる領域へ向かう移行(w1w2)の間に、強い不安が出てきます。現状(w1)に戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックの一表現として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから、不安を感じている状態は理想的です。不安は現状の外に飛び出している証だといえます。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

コーチの役割はその不安を取り除くことではなく、むしろ大きくすること。w2側の臨場感をもっと高めていくことで、ワクワクを伴ったドキドキをブーストしていきます。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 では、なぜコーチは、クライアントが大脳辺縁系優位(fight or flight)に陥ることを防ぎながら、不安をもっともっと大きくすることができるのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 私の答えは「クライアントを信じ切っている」から。そして、「コーチ自身が自分の能力を確信している」から。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 

コーチ自身が、自分のコーチとしてのゴール達成能力、すなわち「すべてのクライアントのゴール達成をしっかりサポートする自分の能力」を確信している

 

 

 そう、「エフィカシー」のことです。コーチのエフィカシーの高さがその秘密であるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 ところで、最初に「コーチ側(の視点)に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要がある」と書きました。「抽象度を上げ続ける」というhabitattitudeはとても重要。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

では、「コーチ自身が自分の能力を確信している」の抽象度を上げると、どのような意識状態にいたるでしょう?

 

以下、苫米地博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p78)より引用します。博士の言葉に導かれながら、言語を超えた次元を感じてください。Feel

 

 

近未来のブッダ

 

 

広がりゆく存在の意識

 仏教とは「縁起の教え」で、縁起をわかるためにはいろいろな修行法があるというのが基本だと私は考えています。縁起がわかりにくいので「空」という考え方や、いくつもの修行の方法論が発明されているのです。

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります。帰属意識の話をすでにしましたね。修行によって前頭前野が鍛えられ、思考の抽象度がどんどん上がっていくにつれ、「私」「私の家族」というこぢんまりとした帰属意識は、学校や会社、地域の人、市区町村、都道府県、日本、アジア……どんどん広げていくことができます。その最たるものが、「慈悲の瞑想」として世間で言われている「生きとし生けるもの~」です。

 そして、そうした自分が存在するこの世の中でなんだかんだと役に立つことが大乗の世界、慈悲の世界です。大きな煩悩を認める。その瞬間に前頭前野を使って「私は何をできるか」を考える。その行為を慈悲というのです。

 「他の人のため」の慈悲ですが、大きな慈悲なら、その「他の人」に自分も自然と入ってきます。たとえば、「この世から戦争と飢餓をなくす」ことという私のゴール設定の対象は「全人類」です。そこにはもちろん「私」が含まれているわけです。

 大事なのは、慈悲は必ず行為を伴うということです。行為のない慈悲はあり得ません。自分以外の人に役立つ行為が慈悲なのです。

 引用終わり

 

 

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります

 

 「クライアントがいて、コーチがいる」という見方は、「存在→関係」という西洋哲学的な見方です。その見方においては、クライアントのエフィカシーを、コーチのエフィカシーが高めているように感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 博士が書かれているとおり、縁起が本当にわかると自分という存在が宇宙全体に広がっていきます。その時の意識状態は「『関係→存在』という因果での双方向性=自分」という感覚。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 そんな意識状態では、「コーチング」という関係性によって(因)、果として「クライアント」「コーチ」という存在が生じているように感じられます。そして、この場合のエフィカシーとは、「コーチング」という関係性にまで拡張します。

 「コーチ自身が自分の能力を確信している」でいうと、「自分」が「宇宙全体」に広がっていて、その「宇宙全体」を確信している感覚であり、「自分」や「宇宙全体」を新たに生みだす「コーチング」を確信している感覚です。

 

 私は、その感覚こそが、究極の「コレクティブ・エフィカシー」だと理解しています。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

 すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 目の前の世界(=自分)を観察しながら、抽象度を意識に上げ続けていると、やがて目の前の世界が立体的に感じられるようになっていきます。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

「情報空間の底面である物理空間から頂点である空(くう)まで一体」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「空」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それが「ヒーリング」にふさわしい意識状態。そして、

 

抽象度を上げながらさらなるゴールを設定し、新たな縁起空間を生みだし実装する

 

そんなゴール設定(=宇宙想像)とゴール達成(=宇宙創造)の確信が「コーチング」にふさわしい意識状態である

 

そのように私は感じています。

 

それをあえて別の言葉にするなら“無敵”↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より、「コレクティブ・エフィカシー」について書かれている部分を引用しました。参考にどうぞ

 

 

オーセンティック・コーチング

 

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの世界」(p128)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの時代」(p133)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

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