苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:F:フリーテーマ > F-367~ 義を見て為さざるは、勇無きなり

F-367:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり>

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。

話題が新型コロナウイルス感染症に対しての“ワクチン”になったとき、理事長が私に向けて発した言葉が

 

  あいかわらず尖っていますね

 

 コーチとしてこの言葉を翻訳すると、「あなたは私たちのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)から外れている」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 理事長的には皮肉だったのかもしれませんが、私にとっては褒め言葉です。「Not Normal」と認めていただいているのだから。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなって

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 私は「Yes, I’m good!」とセルフトークを重ねながら、理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)の観察を続けました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 その時に浮かんできたのが

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 

 これは論語の中の一節(為政第二の二十四)。

 論語は、古代中国の思想家で儒教の教祖でもある孔子(紀元前551~紀元前479年)やその弟子たちの言行を、孔子の死後にまとめたものです。

 「学而第一」「為政第二」「八佾第三」「里仁第四」「公冶長第五」「雍也第六」「述而第七」「泰白第八」「子罕第九」「郷党第十」「先進第十一」「顔淵第十二」「子路第十三」「憲問第十四」「衛霊公第十五」「季氏第十六」「陽貨第十七」「微子第十八」「子張第十九」「堯曰第二十」という20編で構成されており、全部で512の短文が収録されています。

 

 その中でもとくに有名な一節が、「義を見て為さざるは、勇無きなり」。

 その意味は「人としてなすべきことと知りながら、それを実行しないのは勇気がないからである」とされています(デジタル大辞泉)。

 

 面談中にわかったのですが、なんと、理事長はコロナ“ワクチン”推進派。日本政府的な言い回しを用いると、「大切な人たちを守るために“ワクチン”接種を推奨する」という考えでした。この場合、「義」は「大切な人たちを守る」で、「為」が「“ワクチン”推奨」です。

 

 「大切な人たちを守る」という「義」は私も同じ(正確にいうと「大切な人たち」は△。追記で取り上げます)。つまり、理事長と私はゴールを共有しているということ。

 ただし、「為」はまったく正反対です。私の「為」は「“ワクチン”絶対阻止」だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

会話を続けながら、私は理事長の「為」を「“ワクチン”推奨」から「“ワクチン”絶対阻止」に書き換えようと思い立ちました。苫米地式でいうと「アサンプション・アップデート」。

F-270:冗長性と多様性 <vol.2;アサンプション・アップデート>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321842.html

  

 「理事長の『為』を『“ワクチン”推奨』から『“ワクチン”絶対阻止』に書き換える」をトゥールミンロジックで表現すると、「ワラント(warrant、根拠)をひっくり返す」。それを「ターンアラウンド(T/A)」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 そのために私は理事長のBSの分析を続けました。具体的にいうと、1)知らない(←スコトーマがある)、2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)、3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)、4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)のどの段階にあるかを見極めながら。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 以下、簡潔にまとめます。

 

 

1)知らない(←スコトーマがある)

 スコトーマが生じるのは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)のいずれかが欠けたとき。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 よって、ゴールを確認し(重要性)、そのゴールと理事長という機能を結びつけながら(役割/責任)、“ワクチン”に関する医学的情報を提供しました(知識)。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

 実際にはこの段階でターンアラウンドが起こったのですが、まだだったなら次の段階に移行するつもりでした。

 Q-207:「縁起」と「因果」 vol.4;家族に対してどんな声掛けをすれば-後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26568420.html

 

 

 2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)

 「不安・恐怖(Fear)」により人間らしい思考(認識・理解・評価・判断)ができなくなる状態のことを「ファイト・オア・フライト」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 さらに私は、「不安・恐怖(Fear)」に加え、「義務感(Obligation)」と「罪悪感(Guilty)」にも気をつけています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 この段階での目標は「前頭前野優位に戻して、維持する」こと。それが私にとっての「ヒーリング(Healing)」です。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 

 3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)

 先ほどの段階の「不安・恐怖(Fear)」と強く結びついているのが「煩悩」。

例えば「お金」とそれに紐付く「不安・恐怖 with 煩悩」が人を動物的にしてしまいますが(大脳辺縁系優位)、前頭前野優位をうまく保てたとしても「お金」の誘惑は続きます(むしろ“誘惑”は強くなるかもしれません)。

 L-144202111月小学校親子講演会 -07;「最高のCOT=コーチング」の真の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33432688.html

 

その結果として判断ミスが起きる というのがこの段階。「お金」に代表されるような「“何か”に紐付いた情動を伴った煩悩」が論理的判断を誤らせる=心が曇る(心曇る)という状態です。

Q-363各エリアのゴールについて想いを… -A2<止;煩悩を意識する>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html

 

この段階では徹底的に論理的思考を重ねる必要があります。それも複数の視点で。もちろんゴールは共有したまま。

詳しくはこちらでどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)

 論理的思考を行う場合に大切な注意点があります。それは「『決して相対化してはならないものがある』ということを忘れない」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

例えば、「“ワクチン”推奨か? 絶対阻止か?」という議論は論理空間上で行われます。論理空間とは、もちろん、情報空間の一部です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

情報空間には不完全性が働きます。つまり、「絶対に正しい答え」や「永遠に正しい解」は存在しえないということ。だからこそ、「命」のように相対化してはならないものを議論の対象にしてはならないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

ところで、皆さんは「人を殺してはいけない理由」を子どもたちにどのように説明しますか?

 

 私の場合、「ぎをゆな(議を言な)!」の一言です。

 (鹿児島弁です。詳しくはこちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19370962.html

 

 

 大切なことなので繰り返しますが、世の中には「決して相対化してはならず、議論の対象にしてはならないこと」があります。それは「論理を超えた空間がある」ということ。

その「論理を超えた空間」のひとつが「倫理(空間)」だと私は理解しています。よって、私にとって「倫理違反」や「倫理性に関する懸念」という表現はとても重く響きます。

F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 トゥールミンロジックにおいては「クリティーク(kritik)」。

「肯定側の推進する論理の背景もしくは前提にある哲学、思想、世界観、利用される用語などが望ましくないものであれば、肯定側のケースやプランの有効性にかかわらず、現実の世界では、肯定側のプランが採択されてはならないという議論」がクリティーク。

わかりやすく言うと、「そもそもおかしい。だから議論する意味(価値)がない」ということです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

 そのようなことを思いながら「義を見て為さざるは、勇無きなり」という言葉について考えていたら、猛烈な違和感が湧き上がってきました。このザラザラ感はきっと、「コーチとしてのレッドフラッグ」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 

 ところで、苫米地博士は、「義を見て為さざるは、勇無きなり」についてどのように考えていらっしゃるのでしょう?

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p92)より引用します。

 

 

皇帝が神として君臨するための橋渡し

 

 子曰く、その鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり。義を見て為さざるは、勇無きなり、と。

(為政第二の二十四)

 

 儒教おける忠義は、もともと先祖に対するものでした。それが論語では、君子を先祖と同様に扱っています。そのため忠義の対象には、君子も含まれるようになりました。論語が世界を席巻した大きな理由の1つです。

 この文は、忠義の対象が先祖から君子へとすり替えられた、橋渡し的な文だと言えるでしょう。「その鬼に非ずして之を祭るは、諂うなり」と「義を見て為さざるは、勇無きなり」という2つの文は、同じような意味合いです。

 多くは「自分の先祖以外の霊を祀るのはただのおべっか使いだ。逆に、正しいこととわかっていながら実行しないのは臆病者だ」と訳されています。

「自分の先祖以外の霊を祀るのはただのおべっか使いだ」という前半の文からは、「先祖を祀らないことはダメだ」という意図も読み取れます。要するに、「先祖は祀らないといけないが、祀る価値があるのは自分の先祖だけだ」と言っているのです。自分の先祖を祀るのは、当時では当たり前のことだったので、時代の文化として最も受け入れやすい言葉でした。

 しかし、孔子や皇帝というのは、信者からすれば他人です。他人を祀る必要はなく、そこに義はありません。ところが、先にも述べたように、孔子はそれを先祖と同じくらいに偉いのは自分、あるいは皇帝と、祀る対象を君子へとすり替えていきました。例外として孔子や皇帝も含めるのではなく、「この世の父は孔子であり、皇帝である」というのが、この文の論理なのです。

 孔子の本心は「先祖を祀るのと同じように、君子を祀りなさい」ということです。「自分もしくは皇帝以外に諂うのは間違い」と言っているのです。

 後半の文章も同じ意味です。孔子または皇帝を祀ることができない者は、勇気がない者だと言っています。

 「義を見て為さず」というのは、孔子または皇帝に対してやるべきことをやらないことです。拡大解釈すれば、義は正義となります。目の前に正義があるのに、それを実行しない者は腰抜けだと貶めています。

 では、正義かどうかはいったい誰が決めるのでしょうか。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

 

 今回の1)知らない(←スコトーマがある)、2)知っているが、理解できていない(←大脳辺縁系優位)、3)知っていて、理解もしているが、論理的判断ミス(←前頭前野外側部&大脳辺縁系のmix状態)、4)目的がそもそもおかしい(←倫理違反)のどの段階にも大きく関わる重要な概念があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そう、ゴール!

 

 ゴールこそがすべての本質(コア)だといえます。もちろん、「正義」もゴール次第です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

F-368につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

「大切な人たちを守る」という「義」は私も同じ

 

 正確にいうと、「大切な人たち」という表現は△。「大切な人たちを守る」には、「大切ではない人は守らなくていい」という論理(言い訳)が入り込む余地があるから。無意識は“差別”を肯定してしまうかもしれません。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 この部分は「縁ある人たちを守る」と表現するべき。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 同じように感じられるかもしれませんが、「大切な」と「縁ある」はまったく異なります。前者は主観であり、後者は客観です。

コーチングにおいて重要なのは「外側視点」。コーチングは、主観ではなく、客観です。

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 

-追記2

 会話を続けながら、私は理事長の「為」を「“ワクチン”推奨」から「“ワクチン”絶対阻止」に書き換えようと思い立ちました

 

 念のためですが、この場合の「書き換え」はコーチングではありません。その理由はクリアですか?

 

 

 私は「リーダーシップ」のフレームで「書き換え」を行いました。コーチングとリーダーシップはまったく別物です。

F-294~:苫米地式次世代リーダーシップ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425234.html

 

その違いをわかっていなかった私は、かつて手痛い“失敗”を経験しました↓

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124527.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

F-303:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.5;芸術とコーチング(Authentic Coaching)とリーダーシップに共通する境地

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L-176202203月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地

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Q-383~:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429499.html

 

 

洗脳論語

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F-368:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 

 

 いきなりですが、以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p94)より引用します。前回引用分のつづきです(一部重複)。

 

 

 「義を見て為さず」というのは、孔子または皇帝に対してやるべきことをやらないことです。拡大解釈すれば、義は正義となります。目の前に正義があるのに、それを実行しない者は腰抜けだと貶めています。

 では、正義かどうかはいったい誰が決めるのでしょうか。

 それは、孔子であり、皇帝です。特に皇帝は、その時代に君臨しているので、皇帝が言うことが全て正義となります。正義は決して民主主義から生まれるわけではありません。

 現在でもその名残はあります。法治国家である日本にとっての正義は、法律です。法律だけが従うべきものであり、法律以外を基準にすることは許されません。しかし、実際はどうでしょうか。法律における正義と異なる正義が横行していませんか。人によっては、最高裁の決定以外にも従うべきことがあると思ってはいないでしょうか。

 法律と異なる正義があるという洗脳がなされている要因は、論語です。論語、儒教を取り入れてきた日本の文化にあります。

 かつては、従うべきものは全て先祖でした。先祖のためであれば、何をしても許されるという時代がありました。先祖崇拝は、儒教に限らず多くの国の文化で見られます。「自分の親が一番偉い。その親はもっと偉い」という考えは、当時としては普通の論理でした。

 しかし、現代ではその考えが通用しない部分が出てきました。現代科学の解釈を用いれば、先祖を拝むということは、とどのつまり生命の起源となるアメーバまで拝まなければならないという論理になってしまうからです。先祖が偉いというのであれば、アメーバや猿も偉くなってしまいます。

 昔の人は、まさか自分の先祖が猿やアメーバだとは知るよしもありません。人間から人間が生まれた、あるいは神が人間を創造したと考えていました。故に、先祖崇拝は当然の帰結だったのかもしれません。

 現在はそのようなことはないとわかっているにもかかわらず、未だに先祖を絶対だと信仰している人はいます。

 日本では、国民全てが平等です。日本国憲法第14条において「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と「法の下の平等」が規定されています。市井の人であれ総理大臣であれ、日本においてはなにびとも権利と義務の関係において等しく扱われます。それが基本的人権の尊重であり、法治国家としての誇りです。

 しかし、実際にはそうなっていません。東京電力の会長や社長と原発周辺の住民が平等な人権を有していると思っている人はいるでしょうか。

 そういう別次元の正義を作り出したのが、論語なのです。

 「先祖の言葉と同じくらい大切なのが皇帝の言葉」という論理によって、従うべきでない正義が生まれ、現代でもその思想は浸透しています。皇帝(=権力者)の正義は、今や暗黙の了解となっています。

 法律以外の正義が存在すれば、それは法治国家とは言えません。日本には道徳教育が施されていますが、私からすればもっての他です。法治国家、政教分離を謳っておきながら、儒教に基づいた宗教教育を施しています。その結果、法律とは異なる正義が生まれているのです。

 先生や警察、政治家を見ればつい諂ってしまう、そういった洗脳国家になりはてたのが今の日本です。そして、その元凶がこの文と言えるでしょう。

 引用終わり

 

 

 日本においてはなにびとも権利と義務の関係において等しく扱われます。それが基本的人権の尊重であり、法治国家としての誇りです

 

 その根拠となるのが、日本国憲法第14条。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない

 

 

 しかしながら、実際には歴然たる差別が存在し、格差がどんどん拡大しています。「国民なら脱税」という行為が「政治家なら不記載」で済まされてしまうことは、現代日本の腐敗の象徴でしょう。

 Q-383:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <前編;コーチング入門者向け>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34738124.html

 

 

 私はかつて禅道場をもつ病院で院長を務めていました。その11年間、ずっと「別次元の正義」と闘っていました。歪んだ「正義」の根っこに何があるのか問いながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124527.html

 

理事長を中心に多くの職員が取り組んでいた禅は、中国から伝わり、鎌倉時代に日本国内に広がりました。そのオリジンはインドの釈迦を祖とする哲学ですが、中国で儒教・道教と強く結びついた後に日本に伝わっています。そのため釈迦オリジナルの哲学は“中国化”されています。

Q-393クライアントが利己的なゴールを設定している場合、ゴールの再設定を促してもよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35284572.html

 

「この世に絶対(アプリオリなもの)はない」や「この世は心が作っている」という釈迦哲学のプリンシプルに対して、儒教のプリンシプルは「仁義の道を実践し、上下秩序を弁別する」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

「この世には初めから違いがある」「その違いに従え」というのが儒教システムの根幹です。そしてその正体は、「無分別」を是とする仏説(釈迦哲学)とは決して相いれない「差別思想」です。

L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

支配者や既得権益は、この論理(差別思想)を使ってシステムを強化してきました。もっとはっきり言うと“洗脳”。

(洗脳手法の典型が「ダブルバインド」。詳しくはこちらでどうぞ↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33414117.html

 

人類の進化途上において、かつての社会は「権力を持つ者」がそれ以外の「下々の人々」を支配し搾取するという構造でした。

「下々の人々にはそもそも権利はなく、それは支配者から一方的に与えられている」という理不尽なその構造は、“社会的洗脳”により民衆の潜在意識に植えつけられました。儒教的な「御恩と奉公」という言葉がそのいい例です。

F-207:マトリックス/Matrix -02Reloaded;現実を生みだすもの>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27012198.html

 

 つまり、引用文中の「正義かどうかはいったい誰が決めるのでしょうか?」に対する答えは「権力者(既得権益)」。私たちは、そうとは知らずに、「権力者(既得権益)」が生みだしたシステムによって自由を奪われています。生まれながらに持っているはずの自由を。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 「御恩と奉公」で思い出しましたが、雇われ院長でありながら創業家に対して“尖っている”私に対して、「御恩と奉公だから」と諭すように話してくださる先輩職員がいました。

個人の信条であり価値観であるため面と向かって反論はしませんでしたが、私はそのブリーフこそが自由を奪っていることをやんわり伝えました。

L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 この部分は次回(F-369)掘り下げますが、今も勤務し続けているというその職員さんのマインド(脳と心)は、have toばかりでがんじがらめに縛られているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 

 私たちは、そうとは知らずに、「権力者(既得権益)」が生みだしたシステムによって自由を奪われている

 

 

 それは「権力者(既得権益を継ぐ者)」にとっても同じ。

なぜなら、これは大きな社会システムのことだけではなく、個人のマインドにおけるシステムの話でもあるから。そう、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のこと。

 L-168202203月シークレット… -01;「BSをしっかり理解する」ための自問

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34842501.html

 

私たちの無意識はつねに“何か”に支配され、過去に閉じ込められています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 だから、現状の外へのゴール設定!

だからこそ、徹底的な未来志向(=過去は一切関係ない)!

 

 コーチング実践者にとって、正義」を決めるのはゴールのみ です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

F-369につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムはおかしい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

F-206~:マトリックス/Matrix

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F-228~:ゼロトラスト

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F-330~:分断緩和のための処方箋

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Q-097~:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_376974.html

 

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F-369:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 

 

 私たちは、そうとは知らずに、「権力者(既得権益)」が生みだしたシステムによって自由を奪われている

 

 自由を奪う理不尽なシステムを取り繕うために活用されたのが、論語に代表される儒教や道教の教え。そして、儒教・道教化された仏教です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

それらは“社会的洗脳装置”として働き、民衆の潜在意識に差別を植え付けていきました。

PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

奴隷洗脳が完了した者のセルフトークの例として、前回(F-368/vol.2)は「御恩と奉公」という言葉を取り上げました。

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

皆さんは「御恩と奉公」に対して、あるいはその言葉が示す世界観に対して、違和感を感じますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 

 今回のメインテーマである「義を見て為さざるは、勇無きなり」の「義」について、苫米地博士は「拡大解釈すれば、『義』とは正義」と書かれています(F-367/vol.1引用文)。

それは「目の前に正義があるのに、それを実行しない者は腰抜けだ」という貶み。

コーチングのフレームで読み解くと、相手のエフィカシーを下げて支配を強化するための仕掛けです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 実際、「御恩と奉公」的なブリーフが埋め込まれている人は、苦しみを抱え、生きづらさを感じているように思えます。

 F-311~:デジタル自傷行為

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html

 

 その場合の「義」は、「正義」だけではなく、「義務」という解釈にまで拡張しているはず。そう、「want to」を「have to」に変えてしまう「義務感(Obligation)」の「義」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 「~するべきだ」「~しなければならない」といった「義務感」によって無理やり行動を変えようとしても、絶対にうまくはいきません。なぜ?

 

 そう、創造的回避が働くから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 では、なぜ創造的回避が働くのでしょう? 創造的回避の正体とは?

 

 創造的回避が生じる理由は「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)から外れている」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そして、その正体とは、これまでのCZへ戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 努力を重ね無理にCZを外れようとしても、ホメオスタシスの働きですぐに元に戻ってしまいます。それが人間のマインドのカラクリ。

 変わるために「努力をする」というのは大間違いで、本当は「努力をしてはいけない」のです。大切なのは、努力ではなく、気楽!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「ゴールに自然と向かっている」という気楽です。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 

 ここで矛盾が生じます。コーチングのコアであるゴールに関する矛盾です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールのポイントは 1)現状の外、2)心から望む(100%want to)、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして 4)自分中心を捨て去る の4つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 「1)現状の外」とは、「これまでのCZの外側」という意味であり、「スコトーマの中」ということです。ということは、そもそも本物のゴールは認識することができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

仮に認識し設定することができたとしても、元のCZにひき戻そうとする強力な力(ホメオスタシス)が働きます。多くの場合、その力は不安として表面化します。

 つまり、ゴールを設定すると怖くなるのです。怖くなるとIQが下がり、冷静な判断ができなくなってしまいます。そうなるとちょっとしたきっかけで、「コラー」と腹が立ったり(Fight)、「ギャー」とパニックになったりしてしまいます(Flight)。

 Q-306~8:私のまわりではそうでもないですvol.1~3:コンフォートゾーン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30925409.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30976461.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30996032.html

 

 私は、今も医療・介護の現場で働く医師であり、いろんな老病死(+生で四苦)に立ち会います。そんな“いのちの現場”では、患者さんやその御家族だけでなく、医療・介護従事者も一緒になって、「コラー」や「ギャー」を増幅しあっていることが珍しくありません。

 PM-04-07~8医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ Fight or Flight

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 その原因を分析すると、たいてい行き着くのは「不安・恐怖(Fear)」「義務感(Obligation)」「罪悪感(Guilty)」。それらが「~ねばならない(have to)」の源泉となっています(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 よって、私たちは自身の情動と向き合いながら、徹底的に「~ねばならない」を排除しなければなりません。「have to」をなくし、人生を「want to」で満たしていくのです。

 PM-06-07仮説02)「want to」「have to」とコンフォートゾーン(CZ)の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html

 

 では、「~ねばならない」を排除し、「やりたくないことをやめる」ためにはどうすればいいのでしょう?

  

 苫米地博士が教えてくださるのが「思考実験」。

 以下、博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める」(徳間書店、開拓社から再版、p127)より引用します。

 

 

やりたくないことをやめる思考実験

 「やりたくないけど、やらねばならない」ことばかりを我慢してやっていきながら、「頭をスッキリさせて勉強・仕事のパフォーマンスを上げたい」と言ってもそれは無理な話です。

 頭がスッキリし、パフォーマンスが上がり、潜在能力が引きだされるのは、やりたいことをやっているときだけ。

 にもかかわらず、自分の行動を「やりたいか、やりたくないか」で判断して選別するという習慣をもたない人がほとんどです。「やりたくないけど、仕方がないからやる」がいつのまにか無意識レベルでスタンダードになっているはず。自分は何がやりたくて、何がやりたくないかが分からなくなっている人が多いのです。

 また、仕事や面倒な人づきあいなど、やりたくないと分かっていても、いきなりそれをやめるなんて無理だと考える人も多いはず。

 そういう皆さんは、次のような思考実験をしてみてください。

 

     まず、「やりたくないこと」を書きだします。数は5個から10個。それ以上書きたい人はいくつ書いてもかまいません。中身は家庭のことでも仕事のことでもなんでも結構です

 

     次に、その「やりたくないこと」リストの中で、あなたがいちばんやりたくないことを選びます

 

     そして、その「いちばんやりたくないこと」をやめてみる、ということがすぐにできればよいのですが、多くの人はそこで躊躇してしまいます。ですから、まず思考実験の中で、いちばんやりたくないことをやめてみるのです

 

 もしあなたが「行きたくない」と思いながら会社に行き、「やりたくない」と思いながら仕事をしているなら、会社の何があなたの我慢のもとなのでしょうか。

 まず①と②で「やりたくないこと」を特定します。そうすると、「やりたくないことだらけだ!」と思い込んでいたのが、実は我慢のもとが1個から数個の原因に集約されることがほとんどです。それだけで頭のモヤモヤは少し減ります。

 次に、③でそれを「やめたらどうなるか」「やめるにはどうするか」を考えます。

 

 例えば、「感じの悪い取引先がある。もうあの取引先とはつきあいたくない!」ということが最大の我慢のもとならば、その取引先とのつきあいをやめてしまえばどうなるでしょうか。

 その取引先があなたの売り上げノルマのうちの25パーセントを占めているとすれば、取引をやめたらあなたの売り上げの4分の1がなくなります。

 ならば、その4分の1をほかの取引先でカバーすることはできないでしょうか。

 あるいは、取引先を新規開拓すればどうでしょうか。一気に25パーセントを挽回するのは難しくても、15パーセントずつで計算すれば、例えば既存の取引先2社から10パーセント増、さらに3社を新規開拓して15パーセント増で、合計25パーセント。そうすれば、嫌な取引先と手を切ることができます。そう決心することで、既存の取引先との取引の可能性を広げ、新規の取引先も開拓できる、という魅力的なオマケもついてきます。

 あるいは、ダウンする25パーセントの売り上げ相当額を、業務改革のコストダウンで取り戻して、プラマイゼロ。となれば、コストダウンの面白さにも目覚め、あなたの業務改革は社内で高く評価されるかもしれません。

 引用終わり

 

 

 「やりたくないことをやめる」という思考実験を続けると、自分の仕事や生活の中に「我慢していたけど、本当はやらなくてもよかった」ことがたくさんあることに気がつきます。スコトーマが外れるから。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その時こそ、「『やりたくないことを嫌々やる』というこれまでのCZ」を破壊し、「ゴール設定により自ら生みだす『やりたいことだけやる』というCZ」に移行するビッグチャンス!

 PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーンが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

そう、“覚醒”のときです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

F-370につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

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Q-058:自分がwant toでしている仕事でも、まわりの人から見たらhave toに見えていることがあるのでしょうか?

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Q-227~:低年齢の子どもも「want toで生きる」「have toは一切しない」なのでしょうか? しつけと教育の違いはどのように考えればよいでしょうか?

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Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

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Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 


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F-370:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い-

 

 

 思考実験はどうでしたか?

 

 「やりたくないことをやめる」という思考実験を続けると、自分の仕事や生活の中に「我慢していたけど、本当はやらなくてもよかった」ことがたくさんあることに気がつきます。スコトーマが外れるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その時こそ、「『やりたくないことを嫌々やる』というこれまでのコンフォートゾーン(CZ)」を破壊し、「ゴール設定により自ら生みだす『やりたいことだけやる』というCZ」に移行するビッグチャンス!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ところが、「『これまでのCZ』を破壊し、『ゴール側のCZ』に移行する」ことは決して簡単ではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 誰かが「CZとして維持されている世界」から抜け出そうとすると、まわりの人々が強力に引き戻そうとするから。そういう人々を「ドリームキラー(Dream Killer)」と呼びます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 じつは、最大のドリームキラーは自分自身です。

 Q-203:「自分自身が最大のドリームキラー」という意味はどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26417115.html

 

 実際、現状から抜け出そうというときは、必ず不安な気持ちになります。ゴール側のCZを臨場感豊かに感じるほど、足はすくみ、心臓がバクバクし、「やっぱりやめよう」という気持ちになるはずです。そうですよね?

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 現状を変えるとき、人生を変えるとき、夢に向かって走りだすとき 大きな変化が起こるときには、必ず不安や恐怖が津波のように押し寄せてきます。

 F-129The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -1;不安に襲われる若者、希望を失う老人

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21892496.html

 

 そんなときにぜひ思い出してほしいことがあります。それは、

 

  不安な気持ちが強ければ強いほど、劇的に人生が変わる

 

 という事実。

 

 

 勇気を振り絞って「ゴール側のCZ」を目指していると、やがて美しい景色が見えるようになり、自分が素晴らしい世界の一部であることを実感しはじめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 すると、人生が一変するような信じられない出来事が次々と起こるようになります。まるでゴールを実現するための縁が自然と引き寄せられるかのように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 勇気を振り絞って「ゴール側のCZ」を目指す

 

 苫米地博士に直接学ぶ前の私は、そんな「勇気」のことをエフィカシーだと思っていました。と同時に、「勇気」という言葉に気持ち悪さを感じていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 今思うと、「勇気」という概念(ゲシュタルト)に“社会的洗脳”の影を感じていたのかもしれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 現在の私は、「勇気」とエフィカシーを同じように考えることは完全な間違いだと思っています。その理由はクリアでしょうか?

 

 

 ところで、「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)の中で、苫米地博士は「勇気とはどんな感情を指すのか、正確に把握している人はほとんどいないのではないか」と書かれています(p150)。

 

 

「感情」の解剖図鑑

 

 

 さらに博士は、「ある目的のために行動するとき、成功する可能性とリスク、どちらの方が高いか。その両者の兼ね合いこそが、『勇気』なのかそうでないかを決め、『勇気』の度合いを決める」と書かれています(p151)。

 

「成功の可能性」と「リスク」のバランスであることを前提に「勇気」を分析すると↓

 □成功する可能性よりリスクの方がはるかに高い → 無謀な行動

 □リスクがはるかに少なく、「絶対に大丈夫」と自信あり → 普通の行動

 □目的が達成できる可能性よりも、リスクの方が少しだけ上回る → 勇気ある行動

 

 

 「勇気=エフィカシー」と理解している場合でも、博士の分析を熟慮することで違いが浮き彫りになってくるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 「勇気=エフィカシー」と考えるのであれば、エフィカシーとは「『目的が達成できる可能性よりも、リスクが少しだけ上回る』という状況での『達成できるという確信』」のことになってしまいます。

 

もちろん、このエフィカシーの表現は間違いです。これでは苫米地博士が最近とくに否定されている「CZを少しずつひろげる」「ステップ・バイ・ステップ方式」という考えに陥ってしまいます。

 

 以下、苫米地博士の著書「」オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp155)より引用します。「CZをひろげることの怖さ」を体感してください。Feel

 

オーセンティック・コーチング

 

 

◎コンフォートゾーンを広げることの怖さ

 ここで、ステップ・バイ・ステップ方式とコンフォートゾーンの関係についてもう少し話しておきましょう。

 前述したように、ステップ・バイ・ステップ方式と「コンフォートゾーンを広げましょう」という考え方は似ています。『PX2』では、「コンフォートゾーンを広げましょう」という考え方で一部導入しているという話はさきほどもしました。ただし、大人向けのコーチングでは「コンフォートゾーンを広げましょう」という言葉は使いません。その理由は人を現状に縛りつけてしまうためですが、さらにもうひとつ、ホメオスタシスの原理が働かなくなるという問題もあるからです。

 ホメオスタシスは、いまのコンフォートゾーンの居心地が悪く、そこから逃れようとするから働くわけです。

 ところが、コンフォートゾーンを広げてしまうと居心地の悪さが解消されてしまい、現状が心地よいものになってしまいます。

 現状が心地よくなると聞くと一瞬いい話のように思われる人もいるかもしれませんが、言葉を換えれば、これまでの現状が続くということです。しかも、心地よくなったとしてもそのやり方は大抵の場合、一時しのぎにしか過ぎません。

 一つ、とてもわかりやすい例を出しましょう。

 白人だけのクラスの中に黒人が一人入ってきたと思ってください。白人たちは非難囂々ですが、一人のリーダー的白人が「そういう差別はやめよう。黒人だって同じ人間じゃないか。仲良くしよう」と言って、その彼を迎え入れます。これには賛同者も多く、黒人はクラスメートになりました。それから数日後、もう一人、黒人が入ってきました。彼も受け入れられました。さらに数日後、今度は3人入ってきました。さらに数日後、今度は10人入ってきました。さて、クラスはどうなるでしょうか?

 「どうなっているんだ、このクラスは。ここは白人のクラスじゃなかったのか!」と大騒ぎになるでしょう。

 最初は白人のクラスというコンフォートゾーンでした。それを広げて、黒人を数人入れてもなんとかそのコンフォートゾーンは維持できました。しかし、数が増えて現実的に白人のクラスでなくなってしまったら、そのコンフォートゾーンは維持できないのです。白人のコンフォートゾーンはどこまで行っても白人のコンフォートゾーンであり、それが「現状」なのです。

 こうなった原因は何かというと最初が詭弁だったからです。「そういう差別はやめよう。黒人だって同じ人間じゃないか。仲良くしよう」というあの言葉に嘘があったのです。この言葉の裏には「一人くらいだったら我慢しよう」という意味合いが含まれていたのです。もしかしたらリーダーの一人だけは本気で差別をやめようと思っていたかもしれません。しかし、多くの白人たちにとっては「一人しかいないんだから我慢するか」だったのです。これが「コンフォートゾーンを広げる」というやり方です。

 何が間違いかというと根本的な発想が間違っているのです。

 現に、差別をなくしましょうと言っている限り、差別は残ります。

 黒人にとって差別的でない空間を作りたいのであれば、差別の概念そのものがない新しいコンフォートゾーンを作らなければいけません。

 私たちが目指さなければいけないのは、この「新しいコンフォートゾーンを作る」ほうなのです。

 引用終わり

 

 

 大人向けのコーチングでは「コンフォートゾーンを広げましょう」という言葉は使いません。その理由は人を現状に縛りつけてしまうためですが、さらにもうひとつ、ホメオスタシスの原理が働かなくなるという問題もあるからです

 

 「勇気」や「エフィカシー」、そして「コンフォートゾーン」を考えるとき、鍵となるのが「ホメオスタシス」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

次回、掘り下げます。

 

F-371につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

不安な気持ちが強ければ強いほど、劇的に人生が変わる

 

 補足として、苫米地博士の著書「立ち読みしなさい! ~美しいほどシンプルな成功術」(CYZOp121)より引用します。

 

 

立ち読みしなさい!

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 現状を変える時、人生を変える時、夢に向かって走り出す時、大きな変化が起こる時には、不安な気持ちが津波のように押し寄せてきます。

 

 不安な気持ちが強ければ強いほど、劇的にあなたの人生は変わるということです。

 その不安や恐怖と正面からまともに戦ってはいけません。

 その代わりにマインドを変えてください。

 「不安な気持ちは素晴らしい人生への入り口だ!」という認識に変えるのです。

 

 不安になればなるほど、「これから素晴らしい人生に変わる準備をしている」と思ってください。開けることが怖い扉であればあるほど、その扉を開けた時、素晴らしい絶景が待っています。あなたが本当に見たかった景色がそこにあるのです。

 引用終わり

 

 

 その不安や恐怖と正面からまともに戦ってはいけません

 

 やはり、「勇気」とエフィカシーはまったく違うものであるようです。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

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F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

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Q-306~:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんけど

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F-371:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度>

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

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  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35508655.html

 vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度

 

 

前回(F-370)、「成功の可能性」と「リスク」のバランスであることを前提に「勇気」を分析しました。

 □成功する可能性よりリスクの方がはるかに高い → 無謀な行動

 □リスクがはるかに少なく、「絶対に大丈夫」と自信あり → 普通の行動

 □目的が達成できる可能性よりも、リスクの方が少しだけ上回る → 勇気ある行動

 

 以前の私は単純に「勇気=エフィカシー」と理解していました。しかし、それは完全な間違い。それでは「『目的が達成できる可能性よりも、リスクが少しだけ上回る』という状況での『達成できるという確信』」のことになってしまうから。

エフィカシーはそんな小さなスケールではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 では、勇気とエフィカシーとは、根本的に何が違うのでしょう?

 

 

 苫米地博士は「『目的が達成できる可能性よりも、リスクの方が少しだけ上回る』場合も、本当に『勇気』という感情が行動を促しているかどうかは疑問」と書かれています(「『感情』の解剖図鑑」p152)。

 

 その理由は「リスクがあるのに行動を起こすとき、人は必ず『脳内報酬』を受け取っている」から。「脳内報酬」の代表がドーパミンやセロトニンです。

 L-154202111月医療系研修会 -09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33904272.html

 

「ドーパミン(dopamine)」とは、“行動”を促す中枢神経系の神経伝達物質のこと。食事で摂取したフェニルアラニンやチロシンを元に作られ、興奮した状態をつくるアドレナリン、不安や恐怖を引き起こすノルアドレナリンに変わります。

かつてはアドレナリンやノルアドレナリンの単なる前駆物質と考えられていましたが、ドーパミンそのものに、運動調節、ホルモン調節、快の感情や意欲・学習に関わる重要な働きがあることがわかってきました。

L-167202201… -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34445624.html

 

そのドーパミンが減ると、運動や思考が緩慢になっていきます。

L-173202203月シークレット… -06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34980243.html

 

じつは年を重ねるほど、ドーパミンは減っていきます。10歳老いるごとに、なんと10%のドーパミンニューロンが死滅してしまうそう。その結果、物理空間での身体の運動のパフォーマンスは下がり、情報空間での思考のスピードも遅くなっていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

病的にニューロン死が起きた結果ドーパミンが不足してしまうのがパーキンソン病です。反対に、ドーパミンが増えすぎると幻覚や妄想などの問題を生じます。

F-245:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋をvol.2;双極性障害>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28916956.html

 

そんなドーパミンは、1)うれしい・楽しい状態で、2)ストレスがない状況のときに、中脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTAVentral Tegmental Area)から放出されます。

Q-076180804医療講演会レポート vol.4:コーチングが“痛み”に有効な理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15549035.html

 

 私たちが注意しないといけないのは、「勇気ある行動」に伴う満足感の裏には「脳内報酬>リスク」という“状況”があること。ここでいう“状況”とは、「ゲシュタルト」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 その“状況”を他者につくられてしまうと、自分の人生が他に支配されてしまいます。それが“洗脳状態”です。

 F-179:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-4;洗脳によって生まれる幸福

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25303095.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p153)より引用します。「勇気という感情との付き合い方」をマスターし、本物のエフィカシーを高める礎にしてください。

 

 

勇気という感情との付き合い方

 ここでは、勇気という感情との付き合い方を2つ、紹介しましょう。

 

「勇気」という言葉のイメージに惑わされない

 「勇気」は、概念としては存在しますが、実際には、単に脳内報酬がリスクを上回っただけの現象にすぎません。

 つまり、勇気などという感情は存在せず、「勇気を出す」ことは、偉いわけでもなんでもないのです。

 くれぐれも、「勇気」という言葉のイメージに惑わされないでください。本当は脳内報酬が出ているだけなのに、「私には勇気がある」と自分に酔ったり「あなたには勇気がある」などとおだてられたりして、思い切った行動に出てしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません。

 自分が「勇気を出そうとしている」と感じたときは、まずリスクを過大評価もしくは過小評価していないか、しっかり考えましょう。リスクの計算が冷静にできていないのに、思い切った行動に出るのは危険です。

 

洗脳状態にないか自分を見つめ直す

 リスクが著しく高いのに、「勇気を出そう」としているときは、何らかの価値観に洗脳されていないか、もう一度自分を見つめ直しましょう。さらに、リスクと引き換えに得られるものが、本当に自分にとって価値あるものかどうか、あらためて考えてみてください。

 脳内報酬はしょせん、脳内報酬でしかありません。命と引き換えにしてまで得る必要などないのです。

 引用終わり

 

 

 脳内報酬はしょせん、脳内報酬でしかありません

 

 「所詮は脳内報酬でしかない勇気」とエフィカシーは、根本的に何が違うのでしょう?

 

 

 私の答えは、もちろん、「ゴール」。ゴールの有無がその違いです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールがない、もしくは他者に埋め込まれている(=洗脳状態)という勇気に対して、エフィカシーは自身の自由意思で設定したゴールの存在を前提としています。「自分のゴール達成能力の自己評価」ですから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 そのエフィカシーことを、苫米地博士は「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のレベル」と表現されたりもします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 つまり、「エフィカシーを高める」とは、「CZをゴール側にずらす」ということ。

 Q-310:私のまわりではそうでもないvol.5:コレクティブ・エフィカシー -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 

 コンフォートゾーンはその語義どおり「本人にとって居心地がいい場所」です。ですから、「わざわざその場所から抜け出して、あえて不快な状態に身を置く」ことを、人は本能的に避けようとします。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 もしも対象や出来事がコンフォートゾーンから外れてしまうと、良い方に外れても、悪い方に外れても、無意識はそれをあらかじめ設定された元の状態に戻そうとします。その働きがホメオスタシス(恒常性維持機能)です。つまり、

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

エフィカシー =CZのレベル =ホメオスタシス・フィードバックの強度

 

 それがエフィカシー!

だからエフィカシーは、「脳内報酬>リスク」に過ぎない勇気とは、まったくの別物だといえます。

 Q-351:「情報的身体」というのがよくわかりません? <後編;プランサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32956635.html

 

F-372につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 エフィカシー =CZのレベル =ホメオスタシス・フィードバックの強度

 

 そんなエフィカシーのことを、私は「覚悟」だとも思っています。「勇気」ではなく、「覚悟」です。

 F-100:芸術は爆発だ!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-181:“幸福(well-being)”とは? ~「antiwithwellpart-6;「常識」という洗脳からの解放

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25428736.html

F-246:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.3;高揚(興奮)>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28968302.html

L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

L-172202203月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33148921.html

 

「感情」の解剖図鑑


 

F-372:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35508655.html

 vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

 vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

 

 

エフィカシーは、「脳内報酬>リスク」に過ぎない勇気とは、まったくの別物。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 コーチング用語を用いてあらわすと

 エフィカシー =CZのレベル =ホメオスタシス・フィードバックの強度

 

 *「CZComfort Zone」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 *「ホメオスタシス(Homeostasis)」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 これまで確認してきたとおり、「義を見て為さざるは、勇無きなり」という言葉は、権力者(既得権益)が人々の自由を奪い取り、意のままに動かし支配するための仕掛けです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 「義を見て為さざるは、勇無きなり」に代表されるような言語束縛が、人々のマインドにのしかかり、社会システムにはびこり、本来の無限の可能性を感じられなくしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

そんな言語束縛は、「バイオパワー」として機能し、お互いを縛り合う力にもなっています。現代社会は「人類総洗脳社会」です。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

洗脳とは、「人を変性意識状態にして情報の書き換えを行い、洗脳者の望む選択肢に導く」こと。

 

 *「変性意識状態」についてはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 そんな洗脳は、特殊なものでも非日常的なことでもなく、生活のあらゆる場面に潜んでいます。その代表が「テレビ」。だから「テレビは見てはいけない」↓

 F-153~:チャリティーマラソンで走った人が走った分だけ募金するシステムは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404043.html

 

 大切なのは「これは洗脳(手法)だな」と気づくことです。そのために、まずは洗脳について知り(=知識を得る=ゲシュタルト化)、その上で常にモニタリングを行い続けることが重要です。

 F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

 

 モニタリング中に“洗脳”の可能性に気づいたなら、次に行うのは論理的考察。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 その際のポイントは、「ブリーフシステムをいったん止める」こと。それはこれまでの重要度で考えないということであり、主観を排して客観に徹するということ。もっとシンプルにいうと、抽象度を上げることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 以下、苫米地博士の著書「脳の呪縛を解く方法」(KADOKAWAp100)より引用します。

 

 

脳の呪縛を解く方法

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 脳の呪縛を解く方法 eBook : 苫米地英人:

 

 

論理によるバイオパワーなら覆せる

 先だって、私の家人がクルマで高速道路の追い越し車線を走っていて、パトカーに捕まりました。理由は、追い越し車線を連続走行した、というものでした。

 違反の根拠になっている道交法第20条には、こうあります。

 

 第3章 第20

 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。

 

 これだけのことで、居丈高の警官に違反切符を切られたわけです。

 嫌がらせとしか思えませんが、知り合いに聞くと、追い越し車線の連続走行で捕まるドライバーが最近増えていると話していました。私は「警官の小遣いが足りなくなっているんだな」と思いましたが、ここではこれ以上の突っ込みはやめておきましょう。

 

 私たちは、道交法を詳しく知っているわけではありません。教習所が教えてくれるのはあくまでケーススタディであり、ドライバー歴35年の私だって、一度も条文に目を通したことはありません。

 私は、家人があまりにも不愉快な目に遭わされたことを聞いて、この件を不服として裁判を起こし、最高裁まで徹底的に争ってやろうかと思いました。走行車線が込み合っているときに、危険を避けるために追い越し車線を連続走行したからといって、交通の安全性が損なわれるわけではありません。いちいち込み合った走行車線に戻らなくてはならないというルールのほうが、よほど安全を軽視しているはずです。

 道交法の総則には、こう記されています。

 

第1章      総則

 (目的)

 第1条 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。

 

 総則というのは、法律の全体像を表す決まりごとで、憲法の前文に当たる重要な条文です。ここには、危険防止、安全と円滑化を図ること、障害の防止が法律の目的であると明記してあります。徹底的に争えば、これなら裁判に勝てる可能性は十分にあるでしょう。

 法律は、絶対的なものではありません。目的に照らし合わせて、変化していくものです。なぜかといえば、社会には法律よりも上位に位置づけられるものがあるからです。

 それは何かというと、私たちが社会の中で期待される何らかの言語、ということができるでしょう。法律が先に生まれて社会が後からできるわけではありませんから、法律が社会にそぐわなければ、改正したり廃止したりすればいいわけです。

 その意味で、私たちを束縛する宇宙は、国会議員と内閣法制局がつくり上げた言語宇宙かもしれません。しかし、私たちが本当に聞くべきなのは、彼らがつくった道交法の条文ではなく、もっとユニバーサルな最適化された、人間の尊厳や基本的人権を規定する文法としての言語宇宙です。

 しかも、私たちが従っているのは、その言語宇宙に対する臨場感でもありません。罪刑法定主義で法律に刑罰が書いてあり、その刑罰に臨場感を感じて、私たちが法律に従っているわけではないからです。

 

 では、私たちが何に臨場感を感じて従っているのかといえば、それは「見られているかもしれない」と感じる「内なる眼」でしょう。

 つまりこれもバイオパワーなのです。

 秘密保護法を改正したり廃止したりするのは容易ではないかもしれませんが、それが私たちを永遠に縛るということは考えられません

 なぜなら、いくら安全保障上の問題から秘密を守る必要があるといっても、それは論理です。論理が生むバイオパワーは、新たな論理によっていくらでも覆すことができます。論理を超えた右脳言語野の「内なる眼」がそれをいつまでも許すはずがないからです。

 引用終わり(このつづきはとても重要です。下記ブログ記事で引用しています↓)

 F-320:観自在 <理論編-3;自在に観る>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32922467.html

 

 

 論理が生むバイオパワーは、新たな論理によっていくらでも覆すことができます。論理を超えた右脳言語野の「内なる眼」がそれをいつまでも許すはずがないからです

 

 「義を見て為さざるは、勇無きなり」に代表されるような言語束縛から自由になるために必要なのは

 

 論理を超えた右脳言語野の「内なる眼」

 

 

 では、その「内なる眼」を覚醒させるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

F-373につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

モニタリング中に“洗脳”の可能性に気づいたなら、次に行うのは論理的考察。

 その際のポイントは、「ブリーフシステムをいったん止める」こと。それはこれまでの重要度で考えないということであり、主観を排して客観に徹するということ。もっとシンプルにいうと、抽象度を上げることです

 

 「抽象度を上げて、客観に徹する」をハビット&アティテュードにすると、コーチングそのものがさらにうまくできるようになります。なぜ?

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 そう、コーチングは主観ではなく客観 だから。

 

詳しくは苫米地博士の講義をまとめたこちらで↓

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 

-追記2

 医師として働くようになって、もう30年近く経過しています。

 その間の医療技術の進歩は目を見張るものがありますが、一方でとくにここ数年はバイオパワーも強力になっています。そのバイオパワーは、医療倫理の劣化、あるいは崩壊と言うべき事態を招いています。「『内なる眼』を失っている」といえる事態を。

 F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

 そんな中、今秋(20249月)、「私たちは売りたくない!」(方丈社)という本が出版されました。切実な訴えの底流には「義を見て為さざるは、勇無きなり」という強い思いがあるはず。この場合の「義」は、「義憤」に通じる「義」です。

 S-03-20C)「意識化(エネルギーの情動への転換)」でのコントロール -vol.4-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21747934.html

 

 時空を超えた抽象度の高い「義」を、私は「私たちは売りたくない!」の中に感じました。希望とともに。

 L-154202111月医療系研修会 -09;「明日への希望」から生まれる“幸福”の好循環

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33904272.html

 

 

私たちは売りたくない!

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭 eBook : チームK:

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

S-01~:よりよい“議論”のために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~

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F-206~:マトリックス/Matrix

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 


F-373:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35508655.html

 vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

 vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35605504.html

 vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

 

 

 「義を見て為さざるは、勇無きなり」に代表されるような言語束縛から自由になるために必要なのは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 論理を超えた右脳言語野の「内なる眼」

 

 では、「内なる眼」を覚醒させるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 私のお勧めは「ストーリーテリング」。

 抽象度の高い「ストーリー」であればあるほど、スコトーマを外しやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 さらには、抽象度の高い「ストーリー」であればあるほど、論理や言語を超えた次元で「内なる眼」を覚醒させやすくなります。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

 以下、苫米地博士の著書「人を動かす『超』書き方トレーニング」(ソフトバンククリエイティブ、開拓社より再販、p193)より引用します。テーマは「娯楽性を高めるための、書き方のヒント」ですが、明かされているのは「抽象度の高い次元に臨場感を感じる秘訣」です。

その“秘訣”を存分に感じてください。Feel

 Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

 

 

娯楽性を高めるための、書き方のヒント

 では、娯楽性を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。

 これには二つの方向性が考えられます。

 一つは「多くの人に支持されるためにはどうするか=売れる小説を書くにはどうするか」というものです。これは、「大衆が望むものの最大公約数はなにか」という部分がカギになります。

 具体的には、たとえば、テレビのワイドショーを見たりすると、大衆がいまどんなことを望んでいるか、大まかなことが見えてくる可能性があります(もちろん、ある種のメディアの意図が含まれていることを十分に理解しておかなければなりませんが)。

 もっと効果が期待できる方法に、売れている小説をたくさん読み、どんな単語が使われているかを調べるというものがあります。また、それらがなぜ売れているのか、自分なりに分析します。その分析結果を自分の小説に反映させます。

 ストーリーはほとんどがギリシャ神話の変形ですから、ギリシャ神話そのものを読むのがよいのですが、もう一つ、ハリウッド映画をたくさん見て分析するという方法もあります。なぜなら、ハリウッド映画自体がほとんどギリシャ神話のストーリーの変形だからです。

 ハリウッド映画は、「いかに大衆に受けるか」を徹底的に考え、それを戦略的に具体化しています。シナリオにはパターンがあり、しかもそれほど多くのパターンがあるわけではありません。たくさん見ているうちに「これとこれは同じパターンだな」とわかるようになるでしょう。

 たとえば、「主人公がヒロインを助けるために冒険に出るが、その冒険の途中には困難が待ち受け、さらに冒険を邪魔する妨害者が現れる。主人公はたびたび危機に見舞われるが、協力者の登場などで力を得、知恵を使って困難を乗り切る。最後は妨害者と一対一の戦いになり、苦戦しながらも劇的な勝利を収め、ヒロインを救出する」というようなパターンがあります。

 おそらく、「このパターンに当てはまる映画を思い浮かべてみてください」と言ったら、かなりの数のタイトルが挙がることでしょう。映画に限らず、ロールプレイングゲーム(アドベンチャーゲーム)と呼ばれるものの多くも、このパターンの変形だと言えます。

 もちろん、これだけでは読者も「またこのパターンか」と気づいてしまいますし、すぐに飽きられてしまうでしょう。ですので、文体が大切になります。前にも書いたとおり、小説を読むというのはストーリーを楽しむことよりもむしろ、文体、文章表現そのものを味わう方に重きが置かれます

 「そんなことはない。ストーリーのおもしろさこそが大事だ」と言う人もいるかもしれません。「ストーリーなんてどうでもよい」と言うつもりはありませんが、何度も言うように、ほとんどがギリシャ神話のパターンの踏襲なわけですし、そもそもストーリーさえおもしろければよいのであれば、「あらすじ」だけでも十分だということになります。

 情景描写とか人物の心理描写といったものは、基本的にストーリーとは関係ありません。でも、読んでいて楽しい小説はほぼ例外なく、情景描写や心理描写が上手に書かれています。文章そのものに味わいがあり、読者はその味わいを楽しむことができるのです。

 では、小説の文章=文体がうまくなるにはどうすればよいのでしょうか。

 小説の文章が描写する対象は、「情景描写」「心理描写」という言葉があるように、「情景」もしくは「心理」です。つまり、「自然」や「世界」、そして「気持ち」や「情動」です。

 これらを文章にするわけですが、まずは文章にする前に「しっかりと見る」ことが大事です。自然や情動をしっかり見ることなしに文章にすることはできません。「情動を見る」というのは比喩的な表現ですが、要するに自分の心の中をしっかり見つめて、他人の心の中をおもんぱかるのです。

 また、「しっかりと見る」ためには、たくさんの自然に触れ、情動豊かな日常を送る必要があります。自然と触れ合わずに見ることはできませんし、いつも同じ自然ばかり見ていたり、同じ情動ばかり沸き起こったのでは、表現に幅が生まれません。

 「しっかりと見る」とき、たとえば山を見て「あ、山だ」ではいけません。とにかく、細かいところまでしっかりと見ると同時に、その周囲にまで目を配りましょう。そして、その山を見て情動が揺さぶられたら、どの部分に揺さぶられたのか、なぜ揺さぶられたのか、どんなふうに揺さぶられたのかなど、自分の感情についてもできるだけ細かく分析して、言葉にしてみましょう

 さらに「しっかり見る」ことと並行して、過去の古今東西の名作と呼ばれる(売れている、歴史に残っている、多くの人に支持されている)小説をたくさん読むことを忘れてはいけません。読んでいて「いい表現だなあ」と思う箇所に出合ったら、丸暗記するくらい何度も読みましょう。

 こうすることで、その文章に臨場感が増し、読者にもその臨場感が伝わりやすくなり、読者との臨場感の共有を実現することができます。

 引用終わり

 

 

小説の文章が描写する対象は、「情景描写」「心理描写」という言葉があるように、「情景」もしくは「心理」です。つまり、「自然」や「世界」、そして「気持ち」や「情動」です

 

 私たちは「言葉(words)」「映像(pictures)」「感情(emotions)」の3つの軸で思考しています。

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 「言葉」で表現されるストーリーに「情景(←映像)」や「心理(←感情)」の描写が上手くはまるほど、臨場感がどんどん上がっていきます。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 核となるのは「ストーリー

 

 言語化された「ストーリー」は想起性が高いため、抽象度を上げたときにも強い臨場感を維持することができます。

 (「想起性が高い」にはリスクもあります↓)

 Q-272現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.2;苫米地式「言」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29294634.html

 

 さらには、繰り返し「ストーリー」を読むことで脳内での体験を強化でき、「新たな現実」=ゴールの世界(w2)の臨場感を高めていくことができます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 そんな「ストーリー」の大切な条件として、苫米地博士は「他人が作った抽象度の高い情報空間であること」を挙げられています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 自分が作った「ストーリー」でイメージを膨らませるのは、ただの妄想です。それは誰もが(あまり意識せずに)常日頃行っていること。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

「他人が作った」は、ゴールの重要な条件である「自分中心を捨て去る」の感覚を身につける訓練にもなります(ハズ)。

L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 ただし、「他人が作ったストーリー」には注意点があります。それが「抽象度」。低い抽象度の「ストーリー」で情報空間をコントロールする/されることには、たいして意味がありません。意味がないどころか、抽象度が低いほど洗脳のリスクが高まります。なぜ?

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

 そう、抽象度が下がるほど“煩悩”にまみれるから。苫米地博士は“煩悩”のことを「細胞レベルの苦」と表現されています↓

 Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことが? <前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 「脳内報酬>リスク」といえる「勇」も、「細胞レベルの苦」であり、“煩悩”に過ぎません。

 

鍵は、やはり、「抽象度」。

目指すべきは、論理や言語を超えた次元で“覚醒”の体感をつかむこと!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

「他人が作った抽象度の高い情報空間」を用いた「ストーリーテリング」を生みだし体現することで「内なる眼」が覚醒すると、「義を見て為さざるは、勇無きなり」が抱える問題を余裕で解決することができるようになります。

 (その理由は↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

F-374につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「他人が作った抽象度の高い情報空間」を用いた「ストーリーテリング」

 

 私自身は、子どもの頃からずっと、「STAR WARS」の世界観を用いた「ストーリーテリング」を行っています。苫米地博士に学ぶのはJEDIの修行、苫米地アカデミーはJEDIアカデミーという感じw

 「SW」を用いた「ストーリーテリング」の解説はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24124167.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24275156.html

 

 「ストーリー」のつくり方については、下記ブログ記事を参考にされてください。博士の書籍より「自分主演のストーリーをつくる」を引用しています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32279767.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-320:観自在 <理論編-3;自在に観る>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32922467.html

F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

L-160202201月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 

 

人を動かす『超』書き方トレーニング

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F-374:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.8(最終話);コーチングの原点>

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35508655.html

 vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

 vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35605504.html

 vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35653525.html

 vol.8;コーチングの原点

 

 

 これまで「義を見て為さざるは、勇無きなり」という論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察しました。その間、私の思考空間を占めていたのはエフィカシー。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そもそも「義を見て為さざる」を思い出したのは、医療法人理事長との面談がきっかけ。話題が新型コロナウイルス感染症に対しての“ワクチン”になったとき、理事長が私に向けて発した言葉が「あいかわらず尖っていますね」でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

コーチとしてこの言葉を翻訳すると、「あなたは私たちのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)から外れている」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 理事長的には皮肉だったのかもしれません。皮肉の裏にはきっと、「CZをはみ出すのはよくない」「出過ぎるのはダメ」「他と同じでいるのが無難」というブリーフがあるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

実際、理事長は「『長い物には巻かれろ』じゃないですけど」と自身を擁護するような発言をされていました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 発言時の表情や仕草を観察しながら、私は「エスティーム(esteem)は高いが、肝心なエフィカシー(efficacy)が下がっているのでは?」と感じました。

 L-172202203月シークレット… -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html

 

 もしもそうなら、論語に代表されるような差別的価値観の擦り込みや言語束縛を受け入れているはず。それが「CZをはみ出すのはよくない」「出過ぎるのはダメ」「他と同じでいるのが無難」というブリーフを生みだしているのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 皆さんはいかがでしょうか?

 例えば「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」という言葉に対して、猛烈な違和感を感じますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳論語」(三才ブックス、p108)より引用します。

 

 

洗脳論語

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奴隷支配にとって「過ぎたる」は邪魔

 

 子貢問う、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰く、師や過ぎたり、商や及ばず、と。曰く、然らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰く、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。

(先進第十一の十六)

 

 「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」の出展です。皆さんも一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。

 弟子の子貢が、同じく弟子である師(子張)と商(子夏)のどちらが優れているかと孔子に尋ねたところ、「子張はやり過ぎていて、子夏は足りない」と答えたので、子貢が「では、子張のほうが優れているのですか」とさらに問い返したら、「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」と述べた、という話です。

 「やり過ぎることは足りないことと同じくらいによくない」というのが一般的な意味ですが、私から見れば、この言葉をすんなり受け入れられる人ほど洗脳されていることになるでしょうか。

 「及ばないのはよくない」と言いながら、「及び過ぎるのもよくない」と釘を刺しているところがこの文のミソです。及ばないのがよくないのは、誰もがわかっていることです。しかし、及び過ぎることは本当によくないことでしょうか。

 孔子が言っていることは、設定するゴールが低過ぎてもいけないが、高過ぎてもいけないわけです。テストで30点しか取れないのもよくないですが、100点もよくない、60点くらいがちょうどいいと言っているのです。

 私の著書を読んだことがある方はお気付きでしょうが、ゴールは高ければ高いほどいい。そうしなければ、エフィカシーが下がってしまいます。エフィカシーとは、自分の能力に対する自己評価です。「自分はこういう人間だ」というセルフイメージを指します。

 人は他人からの評価や、自ら気付いたことなどによって、自分に対して何らかの評価を下しています。そして、自分で下した評価の範囲内でしか、パフォーマンスを発揮できなくなります。「私は50点くらいが妥当だ」と判断すれば、その人は50点しか取れません。逆に「私は100点を取る」と判断すれば、100点を取れるようになります。

 エフィカシーが低いと、些細な欲望に囚われやすく、目標も低くなってしまいます。そして、何よりも洗脳されやすい状態になってしまうのです。

 高過ぎるのがよくないというのは、「夢を捨てなさい」「身分相応な生き方をしなさい」と言っているようなものです。極端に言えば、「奴隷は奴隷のままでいろ。高望みをするな」です。

 実際、こういった考えは、よく耳にします。「社長なんて高望みをせずに、堅実に生きなさい」とか、「プロ野球選手なんて夢のまた夢だから、地道に生きなさい」など。親や教師は皆、異口同音に言います。

 この考えは間違っています。「過ぎれば、過ぎるほどいい」のです。エフィカシーは高ければ高いほどいいのです。

 孔子の提言は、おそらく道教の「中道」の影響を受けています。中道とは間を行くこと。右に寄るのでも左に寄るのでもなく、真ん中を行くということです。

 しかし、この文は中道を説いているわけではありません。右か左かと問われれば真ん中がいいかもしれませんが、この文の場合は「賢い」か「賢くない」かを問われているのです。であるならば、「賢い」がいいに決まっているでしょう。真ん中で手を打っていいはずがありません。

 多くの日本人は論語の詭弁に騙されていますが、冷静に考えればすぐにわかることです。

 引用終わり

 

 

エフィカシーが低いと、些細な欲望に囚われやすく、目標も低くなってしまいます。そして、何より洗脳されやすい状態になってしまうのです

 

 誰もが生まれてからずっと洗脳され続けています。

 

 「洗脳され続けている」という表現に反発する方もいらっしゃると思いますが、そういう方でも「教育を受けている」という表現なら受け入れるはず。

 それこそが洗脳。洗脳と教育は、じつは、紙一重です。

 S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html

 

 苫米地博士は著書「洗脳原論」(春秋社)の中で、「洗脳」を「本人以外の第三者の利益のために意図的に情報操作を加えること」と定義されています(p33)。

 (その具体例と対策はこちら↓)

 F-114:情報が書き換わると現実が変わる vol.5;「幸せなら手を叩こう♪」(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477749.html

 

 

洗脳原論

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 「意図的に情報操作」された結果、洗脳された側は「永遠に醒めることのない仮想現実」に身を置くことになります。それは自由を完全に奪われた状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 私は洗脳されていないし、これからも洗脳されないだろうから大丈夫

 

 今、そんなセルフトークをしていませんか?

無意識に。心の奥深くで。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 断言しますが、誰もが洗脳されています。そして、これからも必ず洗脳され続けます。

 

わかりやすくいうと、洗脳は「いかに違う色眼鏡をかけさせ続けるか?」ということです。

ここで重要なのは「人は色眼鏡をかけている」という事実。その「色眼鏡」のことを、コーチングでは「RASReticular Activating System)」と呼びます。日本語では「網様体賦活系」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 RASの働きは「自分にとっての重要度に基づいて、遮断する情報と受け入れる情報をふるい分ける」こと。いわば“情報のフィルター機能”です。

 ついでに確認すると、「重要度」を決めるのがブリーフシステム(Belief SystemBS)で、「遮断する」は「スコトーマに隠す」と同じ意味。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 目の前の世界は各自が「受け入れる情報」で構築されています。それが現状(Status Quo)。

 重要度を決め、認識を生みだすのはBS。そのBSは過去の記憶でつくられているのですから、目の前の世界は過去といえます。

つまり、現状(Status Quo)とは過去です。

時間軸上は未来であっても、その未来を認識するBSは過去の記憶でつくられているのですから、このまま続く時間軸上の未来も過去だといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 ゴール設定のポイントは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る の4つ。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

現状の外とは、これまでのBSでは認識できないもの/ことであり、これまでのCZを遥かに超えたもの/ことです。

 

つまり、ゴール設定とは、認識している世界(w1)から何かを選ぶことではなく、「認識する世界(w2)」そのものを新たに生みだすこと

 

 現状の外にゴールを設定し、まったく新しい世界を創造する

 

 それがコーチングです。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

そんなコーチングは洗脳された状態ではできません。現状の外が見いだせないから。

 

だから、コーチングの前段階として、脱洗脳に取り組みます。

 F-365:経営判断ってなんだ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35263585.html

 

それは“自由”を取り戻すための大切な取り組みといえます。

 Q-345:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始? <vol.2;「走りながら考える」 コーチング実践編・自由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32510309.html

 

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

この論語の一節を苫米地式コーチング認定コーチとして考察しながら強く感じたのは、「人類総洗脳社会」という現実。

 

 

 人間は誰もが無限の可能性を持っています。

 でも、ほとんどの人がそのことに気づいていません。

 与えられた人生、与えられた夢を真実のものと思い込み、無限の可能性に満ちた自分や真実の夢に気づけないまま一生を終わっていく人の何と多いことか?

 

 これは「クラブ苫米地」に記載されている苫米地博士からのメッセージです。さらにこのような言葉が続きます↓

 CLUB TOMABECHI

 

 人類の一人一人が洗脳から解放され、本物の自由意思を獲得し、真実の自分の人生を歩み始めたとき、この世界から戦争と差別が永遠に消滅します。

 

 そんな未来を本当に実現することが、苫米地博士に学ぶ私たちの「義」。そのために“超越”をくり返す生きざまが苫米地流の「勇」

 

 2ヶ月にわたって考え続けた結果、私はこのようなイメージを体感しました。結局、原点に立ち返った感覚です。

 F-288~:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424792.html

 

 

人にはゴール設定を行う価値がある

誰もが自由にゴールを設定することができる

 

 この確信が、私のコーチングの原点。

 F-226:雑巾

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28053878.html

 

 この原点から次々と生みだされるゴールと「人類総洗脳社会」とのギャップが、私のエネルギーと創造力の源です。

 L-071202011月シークレット… -06;ゴールはとてつもない才能を目覚めさせる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29072606.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

つまり、ゴール設定とは、認識している世界(w1)から何かを選ぶことではなく、「認識する世界(w2)」そのものを新たに生みだすこと

 

 これはもちろん「T」ですが、本物のコーチング(Authentic Coaching)においては、まだまだ先があります。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

F-318~:観自在

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

L-01020201月シークレットレクチャー -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

L-163202201月シークレットレクチャー -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

Q-395~:セルフトークのコントロールをやっていますが、時折強い孤独感を感じることもあります

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429935.html

 

 

 

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