F-363:シコウサクゴ
<前編:コーチング前は誰もが「思考錯誤」>
ちょっと気楽な話を。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
先日「ウォーミングアップとクーリングダウン」について書いたブログ原稿を読み返していたら、タイプミスに気がつきました。「シコウサクゴ」を、「試行錯誤」ではなく、「思考錯誤」と書いていたのです。
(その記事はこちら↓ タイプミスは修正しました)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html
慌てて修正してしまう心の中に、「恥」という感情を見つけました。
「恥」は「自分という存在や自分の言動が他人から見られ、評価される」という前提があって生じるもの。きわめて社会的な感情です。
Q-359~:こんな当たり前のことを訊いてもよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428035.html
つまり、私のブリーフシステム(Belief System、BS)は、「他人の目」「社会のモノサシ」といった他(外)の価値観に影響されているということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
BSの成り立ちを考えると当然のことではありますが、この状態を放っておくわけにはいきません。なぜでしょう?
…そう、「恥ずかしい」と考えると、脳は自分自身を「恥ずかしい存在」「力のない劣った人間」と低く評価してしまうから。そのままではエフィカシー(Efficacy)やセルフ・エスティーム(Self-Esteem)は下がるばかりです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
*「エフィカシー」と「セルフ・エスティーム」の関係はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html
それはコーチらしくない姿。
縁ある人々にとっていいコーチであり続けるために、早急に解決しなければなりません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
私はすぐに「私らしくない。私は常に自由だ」「コーチらしくない。私はすべての経験を学びの機会に変えている」とセルフトークを行いました。
Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html
そうすることで「いつも自由な状態」「失敗しても元よりよくなることができる状態」を「自分らしい」とすることができるから。それはゴールにふさわしいコンフォートゾーン(Comfort Zone)を強化するための大切な取り組みです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
ちょっと深掘りして説明すると、そのようなセルフトークのコントロールを重ねることで、過去の記憶でつくられた「支配的な映像(Dominant Picture)」から、ゴールを起点に自ら生みだす「置き換えの映像(Replacement
Picture)」へ書き換えることができます。
今回の例でいうと、「タイプミスをする私」「ミスを気にする私」から、「失敗を気に留めない私」「ミスさえもチャンスに変え、さらなるゴールへと向かっていく私」へと書き換えていく感じです。
Q-226:ReplaceしたらそれがDominantになればいいのですかね?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27729316.html
…きっとコーチングマインドが活性化されたのでしょう。「シコウサクゴ」を「思考錯誤」と書いたことが、徐々に必然に思えてきました。スコトーマが外れる体感とともに。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
ちょっと高揚した意識状態で「錯誤」を調べてみると、1)まちがうこと。まちがい。誤り、2)その人の認識と客観的事実が一致しないこと、3)民法上、意思表示をした者の内心の意思と表示行為とがくいちがっていることを表意者自身が知らないこと
…とありました(デジタル大辞泉)。
F-246:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という… <vol.3;高揚(興奮)>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28968302.html
2)の「客観的事実」を認識するためには、少なくとも主観から離れなければなりません。それはBSを一旦止めるということ。仏教でいうと止観ですが、一般の方にとっては簡単ではないかもしれません。
ならば、多くの方々の思考は「錯誤(状態)」といえるはず。
Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html
3)の例として、「英和辞典を買うつもりで、気づかずに和英辞典を買う」とありました。
これをコーチング実践前の状態に当てはめると、「自分の人生を生きているつもりで、気づかずに他人の人生を生きている」。
F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
本当はもっとすごい能力があり、もっともっと素晴らしい人生を送っているはずなのに、多くの人はその可能性(世界)を感じることができません。「私にはとても無理です」「できるはずがありません」など、自ら可能性を潰してばかり…
Q-293:私のような凡人にはとてもできそうになく、悶々とした日々を過ごしています
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321962.html
それこそが思考の「錯誤」。
つまり、「思考錯誤」とは… 自分で自分の限界を生みだしていること!
以下、苫米地博士の著書「『1日10分』でひらめき脳に生まれ変わる
『とてつもない成果』を生み出すいちばん簡単な方法」(イースト・プレス、p119)より引用します。
自分の限界とは、自分のイマジネーションの限界だ
「私にはこれくらいしかできない」「そんなこと、私にはできない」などと自分の限界を自分で決めてしまう人がいます。
そういう人は、絶対にそれ以上のことはできません。自分ができないと思っていることができるはずはないのです。
じつは、自分の限界は自分にしか決められないのです。たとえ他人から「お前には無理だ」といわれたとしても、「そのとおりかもしれない」と思うのは自分です。また、「そんなことはない」と反発するのも自分です。
さらにいえば、自分の限界は自分のイマジネーションの限界です。自分にはできないと思っていることは、自分のイマジネーションの外側に存在します。自分ができると思っていることはリアルに想像できますが、そうでないものについては、想像すらできないでしょう。
想像できないものは、達成しようがない。それは誰もが無意識に思っているはず。たとえば、自分が大企業の社長になるというイマジネーションを持っていない人は、やはり大企業の社長になることはない。自分が日本の総理大臣になるというイマジネーションを持っていない人は、絶対に総理大臣になることはないのです。
逆にいえば、イマジネーションすることができれば、どんなことでもできるということ。リアルに大企業の社長や総理大臣になったイマジネーションができるなら、本当になれるのです。
だからこそ、なりたい自分というゴールの設定が重要なのです。
そして、「本物のひらめき」は、自分の限界よりもさらに上にいかなければいけません。
自分で「このへんが限界かな」と思ったよりも、さらに抽象度を上げる。
これは、それほど難しいことではありません。あまり高い抽象度でひらめいても、世の中では役に立たないことが多い。自分にしか理解できないようなレベルまで上がったひらめきは、後世で役に立つ可能性は高いでしょうが、逆に現在では役に立たないのです。
アインシュタインに相対性理論がひらめいたときも、当時はあまり意味がなかったと思います。誰もわかってくれなかったので、とても寂しい思いをしたのではないでしょうか。
いまの世の中ではアインシュタインくらいのレベルなら大丈夫。ましてや、いま現在のあなたの限界を少し超えるくらいであれば、それほど難しくもありませんし、寂しい思いをすることもないでしょう。
みな物理空間にとらわれているために、世の中には「できないことがある」という限界を決めてしまっています。
たしかに物理空間ではできないことが少なからずあります。しかし、多くの場合は、コストパフォーマンスの問題などがあるため、「できないことがある」と思い込んでいるのです。
たとえば、東京から大阪まで1時間で行けないかといった場合、いまの交通手段では行けないと思ってしまいます。しかし、ジェット戦闘機でなら1時間もかからずに大阪に到着します。マッハ0.4くらいで飛べばいいわけです。実際に米軍はそのくらいで飛んでいます。
ただ、東京から大阪まで出張で行く場合、戦闘機で行くかどうかはコストパフォーマンスの問題です。そこまでコストをかけて行く必要があるかどうかなのです。
ところが、情報空間にはコストパフォーマンスは関係ありません。物理的なコストはかからないのですから、できないものはいっさいありません。
たとえば、東京から大阪に行こうと思えば、情報空間ではいつでもタダで行くことができるのです。
大事なことなので、もう一度いいます。
情報空間では、限界はない。
自分の限界は、自分ができると思うか思わないかによって決まるのです。
そうであるならば、できないことをいっさい考えずに、できることだけを考える。できることというのは、自分ができることではなく、世の中すべてのこと、さらには将来できるであろうことを含めて、という意味です。
つまり、自分のイマジネーションは、無限に広げられるということです。
引用終わり
想像できないものは、達成しようがない
…自由に想像できる心の状態を生みだすことが、「思考錯誤」を克服するための第一歩。そして、それはコーチングの第一歩でもあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
(F-364につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
今回の例でいうと、「タイプミスをする私」「ミスを気にする私」から、「失敗を気に留めない私」「ミスさえもチャンスに変え、さらなるゴールへと向かっていく私」へと書き換えていく感じです
…「ミスさえもチャンスに変え、さらなるゴールへと向かっていく」ことをレジリエンス(resilience)と呼びます。くわしくはこちらでどうぞ↓
F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28657999.html
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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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