Q-381:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?
<前編;コーチが“みる”もの>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
その一部に回答いたします。
(変更を加えています)
Q:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、コーチが話の内容で相手が見えない場合、どのように対応すればいいでしょうか?
抽象度の高いほうへ話を持っていってもクライアントが納得してくれるのか心配です
A1:まずはコーチにとって大切な大原則から。コーチはコンテンツには一切関わりません。
Q-375:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?
<後編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34511531.html
御質問中の「クライアント側の圧倒的な知識や経験」とは、すべて具体的なものですよね?
ゴールが不明瞭な状態であれば、それらは抽象度が低い情報といえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
ところで、情報と知識の違いはクリアでしょうか?
…簡単にいうと、たくさんの情報がゲシュタルト化したものが知識。そのゲシュタルト化の起点がゴールです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
ゲシュタルトができると、知識がないものも認識することができるようになります。苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と話されています↓
L-103:2021年8月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html
人は、物事を解決するにあたって、「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」という能力を持っています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
つまり、「ゲシュタルトを作って、その中だけで思考することができる」ということ。反対にいうと、ゲシュタルトの外側はスコトーマに隠れてしまい、思考することができません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
さらにいうと、「圧倒的な知識や経験」とは、すべて過去。つまり、「知識や経験」にフォーカスするほど、過去に縛られることになります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
よって、具体的な「話の内容」がわからないことで「相手が見えない(ように感じる)」ことは気にする必要がありません。低抽象度かつ過去だから。
コーチが観察し分析するのは、あくまでも「ブリーフシステム(Belief System、BS)」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
もちろん、そのBSは、たいてい低抽象度かつ過去。
(その理由は? 答えはこちら↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html
そんなBSを指摘すればするほど、さらに過去に囚われることになります。多くの場合、エフィカシーが下がることにもなるでしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
だから、コーチはクライアントのBSの分析結果を一切話しません。
把握するのは、あくまでもリミッター解除のため。“現状の外”に飛びだすことを阻んでいるブレーキを見つけ、それを木っ端微塵に破壊するためです。
(その感覚を言語化してみました↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31130216.html
では、クライアントのBSを把握し分析するためにどうすればいいでしょう?
…私が意識に上げているのは「ブリーフシステムの三要素」です。
以下、苫米地博士の著書「世界一簡単に目標がかなう 成功脳の作り方」(日本文芸社、p54)より引用します。「コーチが“みる”もの」を理解し、その視点を体得してください。Feel!
ブリーフシステムの三要素
ブリーフシステムは、WORD(ワード・言葉)、PICTURE(ピクチャー・イメージ)、EMOTION(エモーション・情動)の3つで作られています。この3つがワンセットになってブリーフシステムを築き上げているのです。
WORDは短い中にたくさんの情報を持っています。とくにセルフトークといわれる自己対話は、何か失敗したとき、「しまった。こんなことしなければよかった」と言うと、そのWORDが自分の中で「しまった、しまった、しまった……」と何度も繰り返されてしまいます。
また、「こんなバカなことをして!」と母親に怒られた子どもは、「バカなことをした、バカなことをした……」と頭の中で繰り返してしまいます。
言葉の危険性は、実際に言葉で繰り返したことは、実際に体験したことと同じ効果があるということです。過去の失敗を思い出して「しまった」と思い、もう一回「しまった」と思うと、合計3回その体験したと同じ効果があります。言葉は何度も繰り返すことで臨場感を高めてしまうものなのです。
ですから、そういう失敗を何度も思い出して「しまった」と言えば、何十回もその体験をしたと同じブリーフを臨場感を持って、構成してしまうのです。
自分にとってのブリーフの集合体を自己イメージとよんでいます。私は「引っ込み思案」とか、「気が短い」など、マイナスの自己イメージがあると、つい何回もセルフトークしてしまいます。
人間は人から話を聞いているとき、それを理解したり、理解しなかったりしながら、自己対話を繰り返しているのです。
相手の話を聞いていても、自己対話を引き起こしやすいのがWORDなのです。自己対話をすると、それは実際、過去の出来事であっても、体験したと同じ効果があるのですから、WORDは自己イメージを強く作りやすい、ということになります。
PICTUREには動画や音も含まれます。これらは臨場感が強く出やすいので、セルフイメージを作りやすいものです。
また、強いEMOTIONは行動性向を決めやすいもので、たとえば殴られて痛かったら二度とやられたくないとか、WORDやPICTUREの最後に強い情動が乗ってくると強烈なブリーフになります。
これら3つそれぞれがイメージ想起性を持っていて、全部がセルフトークの中に入ることで、自己イメージが作り上げられる、というのが、このシステムの基本です。
他人に言われたことでも、言われただけであれば問題はありませんが、それをセルフトークに入れた瞬間に、本人を制約するものに変わってしまいます。
「お前はバカだ」と言われたとき、素通りするだけならいいのですが、これをセルフトークとして反すうした瞬間に、マイナスのイメージを作ってしまいます。さらにこれに情動が乗ってしまうと、さらに否定的な自己イメージを作ってしまいます。
自己イメージが出来上がった後に、その自己イメージに合致しない情報は見ることはできなくなります。自己イメージが必要としない情報がスコトーマになってしまうのです。
成功するためには、自分が成功するべき人間だと自己イメージすることが大切です。
引用終わり
(Q-382につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。
セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。
開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。
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一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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