Q-379:自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか? <前編;case-side>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
その一部に関して、2回に分けて回答いたします。前編がケースサイド、後編がプランサイドです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
Q:高い抽象度で超情報場にいる感覚にいると、自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります。どうすればいいでしょうか?
A1:「下に引き戻そうとする」力の正体は、現状へ戻そうとするホメオスタシス・フィードバックでしょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス、p56)の中で、苫米地博士はこのように述べられています。
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すごいリーダーは「脳」がちがう | 苫米地英人 | リーダーシップ |
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世界は無限に存在していて、ホメオスタシスはそのどれともつながることができる-
このことがわかったとき、私は一つの結論にたどり着きました。
簡単にいうと、一つの仮想空間(P)があるとします。このPに対して、自我があります。そして、自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる、ということです。
引用終わり
コーチングにおける「一つの仮想空間(P)」とは、ゴール設定により自ら生みだす未来/社会のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
その「ゴール設定により自ら生みだす未来/社会」のことを、バラいろダンディでの講義(2021年12月13日放送回)の中で、苫米地博士は「可能世界“w1”」と表現されています。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
無限にある可能世界の中から自由意思で選びだす“w1”は、自分で選択するゴール側のコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)と言い換えることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
よって、「自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる」は、「自分中心を捨て去りながらゴール側のCZを“自分”とすることができると、ホメオスタシスの働きで臨場感が高まり現実化する」と理解することができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
これがコーチングの重要なプリンシプル「I×V=R」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
ポイントは“臨場感”!
ゴール側のCZの臨場感を、現状の臨場感よりも高めることです。
L-090:2021年7月シークレットレクチャー
-02;臨場感世界の現実化(realized virtuality)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html
では、ゴール側のCZの臨場感を高めるためにはどうすればいいでしょうか?
…そう、「アファメーション」「ビジュアライゼーション」「セルフトークのコントロール」を続けること。それが基本です。
Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html
「思考の3つの軸」と重ねて考えると、アファメーションにより「言語(words)」を、ビジュアライゼーションにより「映像(pictures)」をコントロールすることができます。
L-084:2021年3月… -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html
「言語(words)」「映像(pictures)」がしっかり作れているはずなのに「下に引き戻そうとする意識が働く」という場合、その原因は「感情(emotions)」にあるはずです。
実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
その下向きに働く力のことを「煩悩」と呼びます。
以下、苫米地博士の著書「お釈迦さまの脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう説くか?」(小学館、p129)より引用します。
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「煩悩」とは細胞レベルの苦
私たちは、食欲や睡眠欲といった細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。これら根本的な欲求を、上座部仏教では「苦」と言い、大乗仏教では「煩悩」と呼んでいます。
「つらい」「苦しい」といった情動としての「苦」であれば解消する方法があります。例えば、セロトニンなどの神経伝達物質の量を増やせば、苦の感情からは解放されるでしょう。死の恐怖さえ抑える洗脳は可能ですから、生老病死の「苦」を感じないことはありえます。
しかし、脳を麻薬で騙したところで、生きている限り、細胞レベルの欲求からは逃れることはできません。一時的なごまかしにすぎないのです。
人間が幸せに生きることの妨げになっているのは、この煩悩のためです。他人から操作された欲望によって不必要なお金を使ってしまったり、健康を損なってしまいます。また、怒りによって人を殺してしまう。例を挙げていくときりがありませんが、あらゆる不幸は煩悩を制御できないことで起こっています。現代人にとって煩悩をどうコントロールするかが、ますます重要になっているのです。釈迦はその方法についても語っていました。
上座部仏教で言う細胞レベルの「苦」、すなわち「煩悩」は、幻であると釈迦は説いています。
私が、臨場感を説明するときに使っている、ホメオスタシスという言葉があります。「寒くなると鳥肌が立つ」「暑くなると汗をかく」といったような生体の環境フィードバック関係のことですが、ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています。ですから、映画で怖いシーンを見ると鳥肌が立ったり、催眠などの暗示によって人に汗をかかせることが可能なわけです。
これは、細胞レベルの感覚ですら、脳にとっては単なる情報であり「幻」ということを表しています。「暑い」「お腹が減った」という感覚は脳にとってはすべて情報です。情報ということは、書き換えることができる「幻」です。このことを実感として理解するのは、なかなか大変ですが、仏教ではそのための瞑想など修行方法が用意されています。そのひとつが、後に説明する「止観」です。
細胞レベルの現象を「幻」だと本当にわかれば、それを操作することが可能になります。人間の脳という進化した情報処理器官には、そのような機能までもが備わっているのです。ですから、心によって炎を熱いと感じないこともできるし、病気を治すことも可能です。イメージ療法や気功によって癌が治ってしまうことがあるように、心の底から自分が健康だと思い込むことで遺伝子の情報すら書き換えることもありえるのです。
引用終わり
ホメオスタシスは物理空間だけでなく人間の心(内部表現)と直接リンクしています
…最初にお伝えしたとおり、「下に引き戻そうとする」力の正体はホメオスタシス・フィードバック。そこには何らかの「感情(emotions)」が張り付いているはずです。いわゆる「煩悩」として。
次回の投稿(Q-380)までの間、止観を行い、ぜひ御自身のマインド(脳と心)と向き合ってください。
Q-198:ネガティブループにはまって止観やヒーリングにすら取り掛かれません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26282829.html
自分を縛り続ける「感情(emotions)」を意識に上げて、一つひとつ吟味してみましょう。ゴール側から。
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
気楽にどうぞ。
(Q-380につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
自我とPとの間でホメオスタシスのフィードバックが強いときに臨場感が高くなる
…同様のことを、苫米地博士は「『ツキ』を引き寄せる洗脳術
自分を磨き上げる秘密のメソッド34」(三才ブックス)にも書かれています。以下、同書(p92)から引用します。
レッスン19 「ツキ」はすでに見えている?
Is “Tsuki” already in your presence?
あなたのイメージによって現実は変わる
自分がイメージした世界、つまりフリーゴールを、あたかも五感で体験しているように強烈にイメージすると、それが現実になります。あなたがどの世界を強烈にイメージするかによって、あなたの現実は大きく変わるでしょう。
設定したフリーゴールの世界を体感しているということは、あなた自身がフリーゴールの世界に臨場感を持っていることを意味します。
臨場感とは、その場に身を置いているように感じることです。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚……。ある空間に対して、あたかも五感で体感しているような感覚を、「臨場感を持つ」といいます。
臨場感は、人間が生まれながらに有している感覚能力です。この能力のおかげで、人間は様々な情報をリアルに感じることができます。
面白いことに人間は、臨場感を物理的現実世界だけでなく仮想世界にも持つことができます。
例えば、あなたが映画を見ているとき、あなたはさもその世界に自分が存在しているような感覚を受けるでしょう。これはあなたが、映画という仮想空間に臨場感を持っているからです。小説やマンガを読んでいるとき、あるいは妄想しているときも同じです。悲しい場面では本当に悲しくて涙を流したり、楽しい場面では笑みがこぼれたりしてしまうのは、あなたがその世界に臨場感を持っているからなのです。
そういう意味では、あなたがイメージするフリーゴールの世界は仮想空間かもしれません。しかし、そこに臨場感を持つことは可能です。
人間は自分がイメージした世界に臨場感を持つと、それがリアルになります。このことを臨場感空間の現実化(リアライズドヴァ―チャリティ)といいます。
リアライズドヴァーチャリティは、ホメオスタシスによって行われます。ホメオスタシスが現実世界ではなく、仮想空間とフィードバックすることで、仮想空間をリアルにするのです。
臨場感は、いきなり目の前に現れるわけではありません。人間が臨場感を持つときは、仮想空間を含めた外の世界から一つを選択しています。
通常は生まれてからずっと慣れ親しんできた世界である、物理的現実世界に臨場感を持っています。しかし、上手く仮想空間を選択することができれば、その世界にホメオスタシスがフィードバックすることで臨場感が高まります。
簡単にいうと、一つの仮想空間に対して、自我があり、自我とホメオスタシスのフィードバックが強いと臨場感が高くなります。すると、その仮想空間がリアルになるのです。
物理的現実世界があるから、あるいはそれに近い仮想空間があるから、臨場感があるのではありません。人間のホメオスタシスのフィードバックが強い世界に臨場感があって、そこが本人にとってのリアルとなるのです。
あなたがフリーゴールの世界に臨場感を持てば、あなたのホメオスタシスレベルは現状から外れ、フリーゴールの世界とアジャストし、フリーゴールの世界がリアルとなります。
年商百億円企業のオーナー社長になることがフリーゴールだとすれば、その世界を強くイメージして臨場感を持てばよいのです。そうすれば、あなたのホメオスタシスが年商百億円企業のオーナー社長の世界とフィードバック関係を持ちます。年商百億円企業のオーナー社長になるために必要な「ツキのある世界」があなたのリアルとなるわけです。
単純に「ツキまくりの世界」でも構いません。あなたがその世界をイメージして臨場感を持つことができればリアルになります。
あなたが持つリアルは、あなたがどの世界に臨場感を持つかでも大きく変わってくるのです。
引用終わり
-追記2-
実際のところ、私たちは「感情(emotions)」の働きにより、ついつい低い抽象度次元に囚われてしまうもの。「高い抽象度で超情報場にいる感覚」を持てたとしても、常に下向きの力が働くため「高い抽象度」を維持することは簡単ではありません
…だから、常に逆腹式呼吸を!
逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ることが重要です。止観の前にどうぞ↓
L-166:2022年01月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html
-告知1-
2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。
セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。
開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-196:コーチとして考える「ウォーミングアップ」と「クーリングダウン」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26364639.html
Q-276~:セルフトークのマネジメントについて
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html
Q-352:人に変に見られていないかがひどく気になります
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33133160.html
L-159:2022年01月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html
L-160:2022年01月シークレットレクチャー -04;フレーム解体×ゴール設定
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html
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