苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:F:フリーテーマ > F-254~ イノベーションがうまれるとき

F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 

 「コップに『半分入っている』から、コップは『半分空である』に変わる時、イノベーションの機会が生まれる。」

 

 経営学者 P.E.ドラッカー(注;正確にはP.F.ドラッカー)のコップ理論です。日本は、豊かで住みやすく穏やかな国。自分のサイロに閉じこもり「半分入っている」になりがちです。しかしながら、コロナを経て、時代は、急激に変わっています。

 

 地球規模の危機を実感する時代。国民一人一人、事業者それぞれが、「半分空である」という思いを共有すれば、日本は持ち前の団結力を活かして大きく変貌できると確信しています。

 

 私が目指す“新しい資本主義”では、日本の経済社会が直面する歴史的挑戦の全体像を国民に分かりやすく示します。その上で、市場や競争にすべてを任せるのではなく、官と民が経済社会変革の全体像を共有しながら、変革のために協働していくことを重視します。日本の連帯感の強さは官民協働の土台となります。

 

 そして、投資を引き出す新しい仕組み、また、付加価値配分のあり方を変えるための新しい仕組み。これらを成長戦略、分配戦略それぞれに埋め込んでいくことで、「成長と分配の好循環」を本格的に回していきます。

 

 

 これは岸田文雄首相のスピーチ文です(ダボス・アジェンダ、2022118日)。

□外務省HP>外交政策>経済外交>国際的ルール作りと政策協調の推進>世界経済フォーラム(ダボス会議)

 「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説 |外務省 (mofa.go.jp)

 □[参考2]岸田総理大臣によるスピーチ

 100291106.pdf (mofa.go.jp)

 

 この文章を読んでどのようなイメージを感じますか?

 

 私がコーチとして感じたものを(右脳言語野)、ありのままに言語化していきます(左脳言語野)。

 PM-06-12:仮説07)思考停止

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 前編;視点

 

 

 ずいぶん昔の話ですが、私は、予期せずにリーダーになったことがあります。「予想と違う」「期待と異なる」ことは無意識にとっては“失敗”です。私にとっても“失敗”だったのでしょう、当時のことはよく覚えています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 その頃は、もともと好きな心理学からまったく興味がなかった経営学まで、手当たり次第に読み漁りました。リーダーにふさわしいと思える本を。

 F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.4;リーダーの視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html

 

そんな日々の最中に、ピーター.F.ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker1909~2005年)と出会いました。もちろん“情報空間で”です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 私の中ではドラッカーと「コップ理論」は交わりませんが、あらためて調べてみるとこのような発言を見つけました。

 

 

 The glass is half-full and The glass is half-emptyare descriptions of the same phenomenon but have vastly different meanings. Changing a manager’s perception of a glass from half-full to half-empty opens up big innovation opportunities.

 

 コップに「半分入っている」と「半分空である」は同じ現象の表記であるが、意味はまったく異なる。経営者の認識が「半分入っている」から「半分空である」に変わる時、とても大きなイノベーションのチャンスが生まれる

 

 

 今回(前編)は、ドラッカーのこの言葉について、「視点」をキーワードに考えます。

まずは「視点を変える」から。

 

1) 視点を変える

 苫米地博士に出会う前の私は、「コップ理論」を完全に受け入れていました。事あるごとにこの例えを持ちだし、“心の持ち方”について説いたものですw

 

 「コップに『半分入っている』と『半分空である』」は、ドラッカーがいうとおり「same phenomenon」。違うのは解釈であり、その解釈は視点が生みだしています。視点が変化すると、解釈が変わります。

 コーチング用語でいうと「RAS&スコトーマ」のこと。同じ絵(same phenomenon)が、少女に見えたり、老婆に見えたりするのは、RASによりスコトーマが生じたり外れたりするからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その「RAS&スコトーマ」を決めるのはブリーフシステム(Belief SystemBS)。BSにより視点が決まり、RAS&スコトーマが変化し、解釈が変わっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 よって、「視点を変える」とは「BSを変える」こと。BSが変わると、物事に対する感じ方や好みが変わっていきます。その反対に、感じ方や好みを変えると、BS=人格が変わっていきます。双方向の関係です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 例えば、毎朝コーヒーを飲んでいる人は、紅茶に変えてみてください。こだわりのあること(habitattitude)をひとつ変えてみるだけで、新しい発見があることでしょう。スコトーマが外れるから。もしも新しい発見があったなら、BSは確実に変化しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26648449.html

 

 「認識が『半分入っている』から『半分空である』に変わる時」も、BSが変わり、新たな視点にてRAS&スコトーマが変化し、解釈が変わっていきます。その結果、新しい認識と理解が生まれ、新たな評価と判断によりイノベーションのチャンスが生まれます。

 

 

 しかしながら、ここで終わったら(止まったら)苫米地式とはいえません。

 苫米地博士と出会った後、私の中で「コップ理論」は崩れ去りました。「視点を変える」ことを否定はしませんが、それだけでは真のイノベーションは難しいはずです。

 

なぜなら、認識・理解・評価・判断といった情報処理が現状(Status QuoSQ)の中で行われてしまうから。

Q-137:問題が生じたゴールへの向き合い方 -02

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22312817.html

 

それはこれまでのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の強化と同じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 ドラッカーはたびたびヨーゼフ・シュンペーターの「創造的破壊」という言葉を引用しています。それをコーチング理論で“解釈”すると、「創造」するものは「ゴール側、すなわち未来のCZ」、破壊するものは「現状のCZ」といえるはずです。

 PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーンが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 だから、私の中ではドラッカーと「コップ理論」は交わりません。

 

 では、「創造的破壊」のためには、「視点を変える」の代わりに何をすればいいのでしょうか?

 

 そうです。答えは「視点を上げる」。

 

 

2) 視点を上げる

 苫米地博士は「コップ理論」のことを詭弁と評され、「無理矢理な視点の変え方では脳が納得しない」と語られています。

 脳が納得するのは視点が上がるとき。「視点が上がる」は、「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」と同義です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度を上げて、上から俯瞰するように物事を眺める

 

 すると、コップの水がいっぱいだろうが半分だろうが関係ないと感じられます。「どっちでもいい」「どうでもいい」をはるかに越えたところで感じる「違いがない」「まったく同じ」という感覚です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 その感覚で水が半分入ったコップを眺めると、「水」という機能がクリアに感じられます。もしも水がなくなったとしても、「コップ」という役割を感じられるでしょう。それが中観の感覚です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 「水→液体→→物質」「コップ→容器→→物質」というように抽象度を上げて「同じ」とみて、その上で少し抽象度を下げながらあらためて水が入ったコップを眺める(=区別)

 

そんな意識状態でまったく新しい“何か”を感じたなら、それがイノベーションの種になります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_284899.html

 

 つまり、イノベーションとは、同じ抽象度での視点の変化で生まれるものではなく、より高次の抽象度次元への視点の移動をきっかけとして生まれるもの。その時に起こっているのはゲシュタルトの統合です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 これはコーチングの“奥義”でもあります。

 コーチングとは、同じ抽象度での関数pの再定義ではなく、現状の外へのゴール設定で生みだす高次の可能世界“w1”への移動だから。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 この“奥義”を実践する上で、常に意識に上げておくべき注意点があります。それは「抽象度を上げることだけが重要なのではない」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

一度しっかり上げて(空観)、その上であえて下げる(仮観)

 

その自由自在な抽象度のコントロール(上げ下げ)が、イノベーションを実現するリーダーの資質であるといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

F-255につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

つまり、イノベーションとは、同じ抽象度での視点の変化で生まれるものではなく、より高次の抽象度次元への視点の移動をきっかけとして生まれるもの。その時に起こっているのはゲシュタルトの統合です

 

 ゲシュタルトが統合されるから(connect the dots)、理解が深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 「より高次の抽象度次元への視点の移動」「ゲシュタルトの統合」のために、日々実践するべき思考法が「コンセプチュアル・フロー」。苫米地博士の著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版)に詳しくまとめられています。
 シンプルにはこちら↓

 Q-182~185:家族ががんで… -06~09;「I×V=R」を用いた2nd.Step<ゲシュタルトを巨大化する>実践編vol.1~4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

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-関連記事-

F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

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Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

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Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 

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F-255:イノベーションがうまれるとき <中編;リーダーの資質>

 

 「コップに『半分入っている』から、コップは『半分空である』に変わる時、イノベーションの機会が生まれる。」

 

 経営学者 P.E.ドラッカー(注;正確にはP.F.ドラッカー)のコップ理論です。日本は、豊かで住みやすく穏やかな国。自分のサイロに閉じこもり「半分入っている」になりがちです。しかしながら、コロナを経て、時代は、急激に変わっています。

 

 地球規模の危機を実感する時代。国民一人一人、事業者それぞれが、「半分空である」という思いを共有すれば、日本は持ち前の団結力を活かして大きく変貌できると確信しています。

 

 私が目指す“新しい資本主義”では、日本の経済社会が直面する歴史的挑戦の全体像を国民に分かりやすく示します。その上で、市場や競争にすべてを任せるのではなく、官と民が経済社会変革の全体像を共有しながら、変革のために協働していくことを重視します。日本の連帯感の強さは官民協働の土台となります。

 

 そして、投資を引き出す新しい仕組み、また、付加価値配分のあり方を変えるための新しい仕組み。これらを成長戦略、分配戦略それぞれに埋め込んでいくことで、「成長と分配の好循環」を本格的に回していきます。

 

 

 これは岸田文雄首相のスピーチ文です(ダボス・アジェンダ、2022118日)。

□外務省HP>外交政策>経済外交>国際的ルール作りと政策協調の推進>世界経済フォーラム(ダボス会議)

 「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説 |外務省 (mofa.go.jp)

 □[参考2]岸田総理大臣によるスピーチ

 100291106.pdf (mofa.go.jp)

 

 この文章を読んでどのようなイメージを感じますか?

 

 私がコーチとして感じたものを(右脳言語野)、ありのままに言語化していきます(左脳言語野)。

 PM-06-12:仮説07)思考停止

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 前編;視点

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 中編;リーダーの資質

 

 

 つまり、イノベーションとは、同じ抽象度での視点の変化で生まれるものではなく、より高次の抽象度次元への視点の移動をきっかけとして生まれるもの。その時に起こっているのはゲシュタルトの統合です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 *抽象度はこちら↓

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 これはコーチングの“奥義”でもあります。

 コーチングとは、同じ抽象度での関数pの再定義ではなく、現状の外へのゴール設定で生みだす高次の可能世界“w1”への移動だから。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 この“奥義”を実践する上で、常に意識に上げておくべき注意点があります。それは「抽象度を上げることだけが重要なのではない」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

  


一度しっかり上げて(空観)、その上であえて下げる(仮観)

 

その自由自在な抽象度のコントロール(上げ下げ)が、イノベーションを実現するリーダーの資質であるといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 認知科学者 苫米地英人博士は、リーダーの条件として、1)情報収集能力(高い抽象度)、2)同調能力、3)責任能力 を挙げられています。

 F-251:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.8;選択>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29250667.html

 

リーダーとは、「ゴールの更新により『もっといい未来』を生みだし続け、どんどん現実化していく存在」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールを共有しラポールが強力であることが大前提ではありますが、真のリーダーであるほど「面倒い奴」「困った人」と思われているはずです。表現を変えると「Not Normal」。決して「優等生」ではありません。

PM-06-06:仮設01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

しかしながら、真面目なリーダーほど、「Not Normal」であり続けることに苦労します。「面倒い人」「困った人」と思われることに痛みを感じるから。皆さんはどうですか?

Q-012:ドリームキラーを気にせずに前進するために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6854056.html

 

 Not Normal」を貫くことが難しい本質的な原因は、じつは、もっと根深いところにあります。「根深い」とは、「生命維持に欠かせない恒常性維持機能(Homeostasis)が働くレベル」という意味。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そう、コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のことです。

 私たち人間は限定合理性で生きていて、「現在のCZが維持される状態での少しずつの変化」を求めています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より引用します(p168)。ぜひ今回のサブタイトル「リーダーの資質」をイメージしながら読んでください。Feel

 

 

 ◎現状維持がなぜダメなのか?

 現状維持がダメな理由については第1章でも書きましたが、人は限定合理性で生きているからです。

 限定合理性とは、人は生来的に変化を好む生き物だということです。同じことが続くことを好みません。ですから、お金持ちたちは有り余るほどお金を持っていても、もっとお金が欲しいと思うのです。人は、いまいくらお金を持っているのか、ではなく、いくら増えたのか、減ったのかにしか興味がないのです。

 人は本来、現状維持なんて大嫌いなのです。必ず、一定量の変化、特に増加を好ましく思うのです。

 その一方で、人は危険を避けます。生物として当然の行為で、慣れ親しんだ場所で安穏に暮らしていればそれで問題はないと考えます。

 つまり、人は変化は好きな一方で大きな変化は大嫌いなのです。

 これをいまの世の中に当てはめると、現状の世界がまったく変わらない中で、現状のシステムだけが肥大化していく理由が見えてきます。

 具体的に言えば、現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化が好まれている状態です。つまり、既得権益だけが肥大する社会なのです。

 これで得するのは誰かというと現在の格差社会の頂点に立つごく一部の人間だけです。巨大な資産は巨大な利益を生み、人々の労働で得た利益など比較にもなりません。

 いまの世の中は、富裕層にとってのコンフォートゾーンであり、それがいま全世界的に広がっている状態なのです。それが「現状」です。そこにいたら当然、格差社会と差別社会が広まるに決まっています。

 私たちはここにノーを突きつけなければならないのです。

 ですから、現状の外側にゴールを設定し、現状の外に出る必要があるのです。

 最後に自分のゴールが現状の外のゴールかを判断する簡単な基準を紹介しましょう。それはゴールについて考えた時、怖くなったり、不安になるか、どうかです。もしも不安になれば、これは現状の外のゴールです。

 そして、私たちコーチの仕事はクライアントに不安を作ることです。コーチは人生のあらゆる場面(バランスホイール)で現状の外のゴールを設定する手伝いをします。それは、人生のあらゆる場面に不安を作ることでもあります。つまり、コーチの仕事はカウンセラーとは正反対だということです。

 引用終わり

 

  


 苫米地博士はたびたび“真のリーダー”について言及されます。コーチングとは「その人の人生を変えるだけでなく、世界を変えるもの」だから(「オーセンティック・コーチング」p212)。

 より豊かな世界(未来)に変えていくことが、コーチングの意義であり、冒頭の「高次の可能世界“w1”への移動」の意味。そして、それがリーダーの役割です。

 

そんな「世界を変える」ための苫米地式コーチングは「ゲバラ主義」。

 

 全抽象度にわたって、つまり頂点である空(くう)から底面である物理空間まですべてで、“自分”の存在を認め、行動する

 

それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「空(くう)」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 抽象度が高いだけでも、低いだけでもいけません。

 理想だけではなく、実際に行動していなければなりません。

 

 つまり、抽象度の高い世界できちんと行きたい(生きたい)ゴールの世界があって、物理的な抽象度でもなんらかの行動を続けているということ。

 

 ゴールを実現するために行動し続ける

 

 それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

苫米地博士御自身が私たちに示してくださっているリーダーの生き様です。

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

F-256につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第6回目(R4.9/18開催)のテーマは「洗脳」。詳細は近日中に投稿するセミナー案内で御確認ください。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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-関連記事-

PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

F-035~:クライシス(危機)の本質

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_395184.html

F-189~:くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411502.html

 

 

オーセンティック・コーチング




F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 

 「コップに『半分入っている』から、コップは『半分空である』に変わる時、イノベーションの機会が生まれる。」

 

 経営学者 P.E.ドラッカー(注;正確にはP.F.ドラッカー)のコップ理論です。日本は、豊かで住みやすく穏やかな国。自分のサイロに閉じこもり「半分入っている」になりがちです。しかしながら、コロナを経て、時代は、急激に変わっています。

 

 地球規模の危機を実感する時代。国民一人一人、事業者それぞれが、「半分空である」という思いを共有すれば、日本は持ち前の団結力を活かして大きく変貌できると確信しています。

 

 私が目指す“新しい資本主義”では、日本の経済社会が直面する歴史的挑戦の全体像を国民に分かりやすく示します。その上で、市場や競争にすべてを任せるのではなく、官と民が経済社会変革の全体像を共有しながら、変革のために協働していくことを重視します。日本の連帯感の強さは官民協働の土台となります。

 

 そして、投資を引き出す新しい仕組み、また、付加価値配分のあり方を変えるための新しい仕組み。これらを成長戦略、分配戦略それぞれに埋め込んでいくことで、「成長と分配の好循環」を本格的に回していきます。

 

 

 これは岸田文雄首相のスピーチ文です(ダボス・アジェンダ、2022118日)。

□外務省HP>外交政策>経済外交>国際的ルール作りと政策協調の推進>世界経済フォーラム(ダボス会議)

 「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説 |外務省 (mofa.go.jp)

 □[参考2]岸田総理大臣によるスピーチ

 100291106.pdf (mofa.go.jp)

 

 この文章を読んでどのようなイメージを感じますか?

 

 私がコーチとして感じたものを(右脳言語野)、ありのままに言語化していきます(左脳言語野)。

 PM-06-12:仮説07)思考停止

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 前編;視点

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 中編;リーダーの資質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29466625.html

 後編;ゲバラ主義

 

 

 苫米地式は「ゲバラ主義」です。

 

 全抽象度にわたって、つまり頂点である空(くう)から底面である物理空間まですべてで、“自分”の存在を認め、行動する

 

それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「空(くう)」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 抽象度が高いだけでも、低いだけでもいけません。

 理想だけではなく、実際に行動していなければなりません。

 

 つまり、抽象度の高い世界できちんと行きたい(生きたい)ゴールの世界があって、物理的な抽象度でもなんらかの行動を続けているということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゴールを実現するために行動し続ける

 

 それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

苫米地博士御自身が私たちに示してくださっているリーダーの生き様です。

 F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_393431.html

 

 

 ところで、「ゲバラ」とは、アルゼンチン生まれの政治家(革命家) エルネスト・ゲバラ(Ernesto Guevara1928~1967年)のこと。

「チェ・ゲバラ」の呼び名で知られていますが、「チェ(Che)」とはスペイン語で「やぁ」「お前(親しみをこめた意味)」といった砕けた呼びかけの言葉だそう。初対面の人に対して「チェ。エルネスト・ゲバラ」と自己紹介していたことから、キューバ人がおもしろがって付けたあだ名なんだそうです。

 

 医師としてグアテマラで働いているときに祖国ペルーを追われ亡命していた女性活動家と結婚したゲバラは、グアテマラの革命政権の崩壊を機にメキシコに移住します。そこでキューバから亡命中のフィデル・カストロ(Fidel Alejandro Castro Ruz1926~2016年)と出会い、武装ゲリラ闘争への参加を決意。

 1956年、革命軍総勢82名は「グランマ号」に乗り込んでキューバに向かいます。ところが、上陸直後に政府軍の襲撃を受けて壊滅。生き延びることができたのは、わずか12名。

山中に潜伏しながら体制を立て直していった革命軍の中で、ゲバラは軍医として働きながら政治放送をするラジオ局を設立します。忍耐強さと誠実さ、冷静な判断力や、人の気持ちをつかむ才を発揮しながら、リーダーの一人として認められていったそうです。

そして、195911日、独裁軍事政権の大統領 フルヘンシオ・バティスタがドミニカ共和国に亡命し、「キューバ革命」が達成されます。キューバの市民権を与えられたゲバラは、キューバ新政府において国立銀行総裁に就任。さらに農業改革機構興行部長や工業相も務めます。

理想を追求するゲバラは、キューバ最大の貿易相手国だったソビエト連邦を「帝国主義的搾取の共犯者」と非難。それがきっかけとなり、家族を残したままキューバを去ることになります。その後、コンゴ民主共和国やチェコスロバキアを経てボリビアに入国。アンデス山脈でゲリラ部隊ごと政府軍に拘束され、1967109日に射殺されました。

 

 

チェ・ゲバラ(Wikipedia)

チェ・ゲバラ(Che Guevara

1960年(31歳時)「英雄的ゲリラ」より

Wikipediaより引用

 

 

ゲバラは西側(資本主義社会)の人たちにも強い影響を与えました。

フランスの哲学者・小説家 ジャン=ポール・サルトルは「20世紀で最も完璧な人間」と評し、ビートルズのリーダー ジョン・レノン(John Winston Ono Lennon1940~1980年)は「世界で一番格好良い男」と語っています。

 

ゲバラに関する書籍や映画が今でもつくられるなど英雄として取り上げられる一方で、混乱を引き起こした当事者として批判も根強く残っています。

むしろ、それは真のリーダーであった証。

 

 抽象度の高い理想を描き続け、本当に実行する(まわりから厭われても100%want toで)

 

 それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

そんなコーチングマインドあふれる生き方は、現状の外へのゴール設定からはじまります。そして

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 未来(w1)を創造しながら、現状(w0)を破壊していく

 

 それが苫米地式であり、ゲバラ主義!

真のリーダーのブリーフです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 誰もがコーチングマインドを持ち、各自がリーダーとして新たな世界(w1)をうみだすときが「イノベーションがうまれるとき」。

 

そのイノベーションからさらなるエボリューションがうまれ、時空を超えてひろがりながらレボリューションとなり現実化していく

 

 博士に学びながら、いつもそんなイメージ(気)に包まれています。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

 さて、GDP3位の経済大国 日本のリーダーはどうなのでしょう?

 

 誰もが自分の人生のリーダーです。皆さん自身はどうですか?

 

 全抽象度にわたって、つまり頂点である空(くう)から底面である物理空間まですべてで、“自分”の存在を認め、行動していますか?

 ゴールを実現するために行動し続けていますか?

 抽象度の高い理想を描き続け、本当に実行していますか(まわりから厭われても100%want toで)?

 未来(w1)を創造しながら、現状(w0)を破壊していますか?

 

 

最後にもうひとつ。

日本のリーダーのスピーチ(ダボス・アジェンダ)は、このような言葉で締めくくられています。

 

今、我々は、Great Resetの先の世界を描いて行かなければなりません

 

 岸田首相の言う「Great Resetの先の世界」が、ますます格差と差別がひろがった「既得権益だけが肥大する社会」ではなく、自由とフェアネスがあたりまえとなった平和な世の中であることを願います。

 PM-07-11:「平成」という元号に埋め込まれたコード -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/16660261.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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