苫米地理論を研究し、苫米地式を実践する <CoacH T>

認知科学者 苫米地英人博士に学び活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:Q:質問等回答編 > Q-271~ それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~

Q-271現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.1;すべて「そのとおり」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 

 

A1:御質問に対する私の回答は「すべて『そのとおり』」。

 

 目の前の世界はすべて心(マインド)が生みだしています。

 それは記憶でつくられ、ホメオスタシスで維持される、重要な情報の集まり。つまり、幻想です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 

 ひとつの情報空間(情報場)にホメオスタシスがフィードバック関係を持つようになると、当然その臨場感は高くなっており、その空間(場)がリアルになります。その人にとって。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

この認知科学的事実をプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式 I×V=R」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 目の前の世界(R)は、すべて個人の情報処理(I×V)の結果です。

 だから、すべて「そのとおり」。詳しくはこちらで↓

 F-078~:ヘンリー・フォードの教え

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_342433.html

 

 

私は「クライアントのコンテンツに関わらずに共感することは可能」「共感はクライアントに伝わる」と考えています。そもそも共感できない人はコーチとはいえません。

Q-169~:自身の信念を失いそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

鍵は「抽象度」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

コーチ自身のゴールが抽象度を上げ続けることを可能にします。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

抽象度を上げながら、宇宙の理を理解し、「仮」として生ききる

 

それがコーチとしての責任です。

Q-230~:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416986.html

 

表現を変えるなら、「revengeavengeに書き換える覚悟」。

F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

以下、認知科学者 苫米地英人博士の「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ)から引用します(p151)。博士の“気”を受け取ってください。

 

 

 現代版慈悲は「一緒に楽しみましょう」

 宗教は、たくさんの人に開かれていて、役に立ってこそ存在意義があります。ブッダの時代は「四つの苦をなくしてあげる」といえば、そのニーズは絶大でした。でも、今はそれではだれもついてこないのです。

 ブッダの時代、大衆のニーズに、教えを説いて応えた実績は意義深いです。しかし、今やニーズが違ってきています。そういう意味では、ブッダの教えが有効に人々の役に立っていないような懸念を感じます。

 宗教は、多くの場合は本人の救済に役立ってこそのものです。そういう機能を提供していくことの大前提として、たくさんの人の耳に届く、たくさんの人が聞きたいと思うメッセージを発信していないといけません。ブッダの教えも基本は不変ですが、時代が変わるにつれて説き方もバージョンアップしていくべきですし、コンパッションという考え方もどんどん現代化していくべきです。

 二十一世紀のコンパッションは、「一緒に苦しみましょう」とか、「一緒に憐れみましょう」とか、「私もあなたと同じように苦しんでいるんですよ」でなくていいと思います。もちろん、そういうニーズにも応えますが、もっと一般的な、基本的には現代社会の楽しさや快適さを享受できている人たちに応える「一緒に楽しみましょう」でいいのです。

 引用終わり

 

Q-272につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

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 第5回目(R4.8/21開催)のテーマは「スコトーマ」。詳細は今後投稿するセミナー案内で御確認ください。

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F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

Q-192~:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか?

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Q-197:前代未聞の国会愚弄事件をなぜ衆参両院の憲法審査会は取り上げなかったのでしょうか? クズ政府の他責にせず自己責任なのでしょうか?

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Q-210~:世の中はどうしてドリームキラーばかりなのでしょうか?

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近未来のブッダ




Q-272現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.2;苫米地式「言」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29257774.html

 vol.2;苫米地式「言」

 

 

A2:「綸言」の「言」とは言葉のこと。

 私たちは「言葉(words)」と「映像(pictures)」に「感情(emotion)」を加えた3つの軸で思考しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 「コーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされる」という言葉によって、「共感出来ない」あるいは「信用できない」といったイメージ(抽象化された映像)が強化されていきます(I)。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 “強化”されるのは臨場感。そこに不安や不満といった情動が結びつきエスカレートしていくと、ますます臨場感が強化されていきます(V)。

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 その臨場感あふれるイメージが、あなたにとっての現実(R)。だから「そのとおり」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 言い換えれば、その臨場感あふれるイメージは、あなたにとってのコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 私たちはコンフォートゾーンを強力に維持しようとしています。その働きがホメオスタシス(恒常性維持機能)。例えば「運動すると汗がでる」のは、発汗(→気化熱→温度低下)によって適切な体温を保とうとするホメオスタシス・フィードバックです(=CZ維持)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「汗」は物理空間での話ですが、大脳が発達した人間の場合、ホメオスタシスは情報空間にまで拡張しています。だから映画を観ているだけで、鳥肌が立ったり、涙を流したりするのです。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

 コンフォートゾーンの外側はスコトーマに隠れ、認識することができません。まずは「固まったスコトーマ」により「共感」できなくなっている自身の状態をしっかり自覚(モニタリング)してください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 さらに付け加えると、コーチの本当のすごさは、クライアント側からはわかりにくいものです。抽象度が違うから。もしもクライアントさんが「すごさ」を実感しているように思えたら、私自身はクライアントさんと同調している可能性を疑います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 繰り返しますが、自分の言葉が目の前の現実を生みだし、自身の言葉が現状のCZを強化し続けています。そのことをしっかり意識に上げてください。意識に上げ続けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 その上で行うのは?

 

 そう、言葉によって新たなイメージを創りだし、言葉によってその新たなイメージを強化していくこと。そのために行うのが「ゴール設定」と「アファメーション(Affirmation)」です。

 アファメーションとは「未来における特定の状況を、マインドの中で事実として認識して宣言する」こと。言葉の持つ想起性を利用して、ゴール側のCZの臨場感を強化する技術です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「『言葉』があなたの人生を決める」(フォレスト出版)から引用します。

まずは現在の「言葉」や「アファメーション」など“内省言語”についてしっかりチェックしてください。それが「w0」。

その後は、現状の外に設定したゴールがうみだす「w1」を、「言葉」や「アファメーション」を使って強化していきましょう。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

これは今すぐ取り組むべき重要なワークです。

 

 

言葉のメカニズムを解明したアファメーション

 ルー・タイスの重要な著作のひとつに、「アファメーション」(フォレスト出版)という本があります。アファメーションというのは、簡単にいえば、自分で自分に語り聞かせる言葉のことです

 これは、ルー・タイスが提示する方法論の中で、人生のゴールを達成するためのコアとなる技術です。人間が自分の望みを実現する原理を突きつめて考えていくと、アファメーションを自分に言い聞かせていくだけで人生のゴールを達成してしまう、とさえいうことができます。

 ルーは、「アファメーション」の中で、そこに働くゴール実現メカニズムを解明しています。ただ、その説明原理は、私がルーとともに彼のコーチングプログラムを再構築する以前の一世代前の心理パラダイムをベースとしたものになっています。いまあらためて読み返してみると、もう少し現代脳科学的な視点からの補足や説明を加えたほうが、さらに多くの人々によりよくルーのゴール実現メカニズムを学んでもらえただろうと感じました。

 「アファメーション」は、ルー・タイスが彼のプリンシプルを余すことなく伝えようとした、それほどコアな力作です。この名著にもう一度スポットを当てるためにも、私が認知科学者としての知見に基づいて、その入門編として成り立つような書物を著わす意義がありそうだと考えたわけです。

 言葉というのは、じつに不思議な力を持っています。

 どんな言葉を使うか。その使い方ひとつで、その人の人生は決まってしまいます。

 言葉がいかにその人に強い影響を与えるかについて記された本は、たとえばひところはやった「魔法のつぶやき」などのように、世の中にはいくつもあります。しかし、なぜそれが人生に大きな影響を与えるのか、残念ながら、そのメカニズムを明快に解き明かしたものはありません。

 あるとすれば、唯一、ルーの「アファメーション」だけではないでしょうか。

 現状を抜け出し、人生のゴールを達成したいあなたは、本書で、そのメカニズムをさらにはっきりと知ることになると思います。

 言葉が人生を決定する、その仕組みを理解することで、あなたは、現状を抜け出すことの意味や、そのために人生のゴールをより大きなものに描く必要性も理解することができるようになるでしょう。もちろん、人生のゴールを達成するために、あなたが身につけるべき考え方の全体像も、はっきりと把握できるに違いありません。
 引用終わり

 

Q-273につづく)

 

 

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「言葉」があなたの人生を決める

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Q-273現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.3;苫米地式「綸」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29257774.html

 vol.2;苫米地式「言」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29294634.html

 vol.3;苫米地式「綸」

 

 

A3:今回は「綸言」の「綸」。

デジタル大辞泉によると、「綸」とは、1)絹糸をより合わせたもの、2)釣り糸、3)おさめ整える、4)天子の言葉のこと。

礼記中の「重い意味(綸:太い糸)」と合わせて現代的に解釈すると、「綸言」とは、「リーダーが発する重要なメッセージ」と理解することができそうです。

 

 講演や講義などで「リーダー」に関連する話をすると、途端につまらなそうにされる方々がいます。「私には関係ない」「興味がない」という心の声が聞こえてきそうw

 実際、「綸言汗の如し」という言葉を用いて話をしたときに、「私、リーダーじゃないんで」と拒絶されたことがあります。

 

 でも、そんなことはありません。誰もが自分自身の人生のリーダーです。

 それが「自由」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 今のあなたはどうでしょう。試しに心の中でこう呟いてみてください。

 

私は自分の人生のすばらしいリーダーだ

 

 少しでも違和感(=認知的不協和)を感じたなら、それは心が自由ではないということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 苫米地博士ならきっと、「それって奴隷じゃん」と話されるでしょう。「奴隷」という言葉が辛いなら、「無人運転」「自動運転」に置き換えてください。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 

 私たちは「言葉(words)」と「映像(pictures)」に「感情(emotion)」を加えた3つの軸で思考しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 前回(Q-272)は、1)「思考の3つの軸」がコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)をうみだしている、2)CZはホメオスタシスにより強力に維持されている、3CZの外側はスコトーマに隠れ、認識することさえできない ことを確認しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *ホメオスタシスはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 「思考の3つの軸」が生みだし、強力なホメオスタシスで維持されているCZとは、あなたのセルフイメージであり、ブリーフシステム(Belief SystemBS)そのものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 BSとは「信念が集まってできあがった脳内の統合的なシステム」のこと。信念(ブリーフ)とは「脳内の前頭前野や大脳辺縁系に作りあげられた認識のパターン」のことです。そのパターンは「強い情動を伴った記憶(情動記憶)」により生みだされています。

 つまり、「人は過去に縛られている」ということ。

 その証拠に、ほとんどの人が過去の結果が現在であると教えられ、現在の結果が未来であるという生き方を受け入れています。「過去→現在→未来」という時間観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 ここで質問中の表現を確認してみましょう。

 「コーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした

 

 この発言は「うまくいかなかった」という過去の因果に縛られた発想から発せられています。「今はまだ成果が出ていない」ではなく、「成果が出ない」と断言しているのは、未来を、未来の自分の姿を、信じられないからです。エフィカシーが不当に下がっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 では、エフィカシーが下がっている(なかなか上がらない)のはなぜでしょうか?

 

私がコメント中に感じるのは「『過去や現在の組み合わせから最適な選択をする』というブリーフ」の存在。そのブリーフがエフィカシーを下げているはずです。シンプルに表記すると「ブリーフが過去に縛られたまま→現状の外にゴールが設定できない→ゴール達成の確信=エフィカシーが上がらない(上がりようがない)」。

もしも思い当たるなら、今すぐゴールの再考を!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴール設定がうまくできていないことが「エネルギーが全く出ない」原因ならば(w0)、解決はゴール設定をすればいいだけです(w1)。その結果、ブリーフは書き換わっていきます。コーチングマインドを持つ者らしく。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 さぁ「ゴール」や「ゴール設定」について再確認し、バランスを意識に上げながら設定し直してみましょう。趣味や家族のカテゴリから取り組むことをお勧めします。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 過去や現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の選択ができるのが真実のリーダーです。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

以下、苫米地博士の著書「201冊目で私が一番伝えたかったこと」(ヴィレッジブックス)より引用します。博士の“気”を受け取ってください。

 

 

 真のリーダーになるには

 あなたが「超一流脳」の持ち主になるための必須条件がもう一つあります。それは、「リーダー」になることです。

 世の中には、総理大臣、会社の経営者、サークルの代表、クラブのキャプテンなど、さまざまなリーダーがいます。リーダーは、なろうと思えば誰にでもなることができるものです。たとえば、会社が求めているノルマを順調にクリアし続けていけば、いずれあなたはマネージャーになれるでしょう。また、勉強ができずとも半端ではない根性があれば、地元の商店街のリーダーくらいにはなれるかもしれません。

 いずれにせよ、自分の才能と環境がマッチさえすれば、ある特定の分野でリーダーになることはそれほど難しいことではありません。

 しかし、逆に言えば、才能と環境がマッチしないと、リーダーになることはとても難しいのです。

 仮にあなたに根性があったとしても、どうしても苦手な分野においては、才能を発揮しきることができないでしょうし、当然リーダーになることは難しいでしょう。なれたとしても、それは一時的なもので、長くは勤まらないはずです。

 あなたが真のリーダーになることを本気で志しているのなら、自分が得意としている分野を見つけることが最も重要だということです。

 ここをクリアしていないと、どれだけ高い能力を持っていても、リーダーになる前に挫折してしまう可能性があります。

 自分の得意とする分野を見つけて入っていく。そのうえで、情報収集能力、同調能力、責任能力などさまざまな能力が必要になってきます。

 情報収集応力は、文字通り情報を集める力のこと。リーダーは、あらゆる場面で決断を迫られるものですが、その際に必要になってくるのが情報です。

 一般的にはリーダーに最も求められる能力は「決断力」であるとされていますが、本当に必要なのはその決断を支える「情報収集能力」です。必要な情報がしっかりそろっていれば、決断の局面において誤りを犯すことはありません。

 また、リーダーには他人を引き寄せる魅力、カリスマ性がなければなりません。情報を収集し、判断を下した後は、下の人間たちにそれを受け入れてもらう必要があります。

 カリスマ性の有無は、リーダーの判断に部下が自然と従うかどうかを左右します。この自然と部下を従わせる能力のことを、「同調能力」と言います。これは、説得力とは異なります。あれこれと細かい説明に時間を割かずとも自分の考えやビジョンを相手に伝えられる能力のことです。

 最後に必要になるのが、「責任能力」です。これは、あなたがリーダーとして責任をとる覚悟があるのかどうかということと同義です。物事がうまくいっているときよりも、物事がうまくいかなかったときこそ、リーダーの真価が問われるのです。

 引用終わり

 

 

 もう一度。過去や現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の選択ができるのが真実のリーダーです。

そのリーダーとしての自覚と責任が、自分自身を束縛(Matrix)から開放し、あなたと縁ある人たちをも自由にしていきます(evolutionsrevolutions)。

F-206~:マトリックス/Matrix

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414394.html

 

 その先にはきっと“無敵”が待っています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

Q-274につづく)

 

 

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F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

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Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

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S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!(目次)

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201冊目で私が一番伝えたかったこと

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Q-274現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.4;苫米地式「汗の如し」-前編-

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29257774.html

 vol.2;苫米地式「言」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29294634.html

 vol.3;苫米地式「綸」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29323919.html

 vol.4;苫米地式「汗の如し」-前編-

 

 

A4:前回まで、「綸言汗の如し」の「言」(Q-272)と「綸」(Q-273)を、それぞれ苫米地理論を念頭に考察しました。今回は「汗の如し」です。

 PM-01-11~17:超情報場仮説(理論)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 テーマとしている「綸言汗の如し」は、「皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができない」という意味。

 もちろん間違いではないのですが、大切な視点が抜けたままだと、大きな過ちを犯してしまいます。

 

「大切な視点」とは何でしょうか?

「大きな過ち」とはどういうことでしょうか?

 

 では、私の答えを。

 「大切な視点」とは「抽象度」のこと。そして、「大きな過ち」とは「自由を失う」ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 *「抽象度」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「綸言」のことを、私は「リーダーが発する重要なメッセージ」と解釈しました(Q-273)。

 「リーダー」も「メッセージ」も、物理的な実体ではなく、機能のことです。つまり「綸言」とは情報のこと。一方、「汗」は物理的実体です。

 

 抽象度という軸で宇宙をみる場合、情報空間の底面が物理空間です。

よって、「汗の如し」という言葉に囚われると、視点が底面(物理次元)に限定されてしまうことになります。それが「自由を失う」という意味です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「自由を失う」を別の表現で言い直すなら、「『過去→現在→未来』という時間観に囚われる」。

 

 時間は未来から過去へと流れています。

 あなたがこのブログ記事を読んでいるというのが「今」です。1時間後、「今」は1時間過去になり、1時間未来が新しい“今”になります。

 このように現在が時間が経って過去になります。だから、現在の結果が過去です。

 同様に、未来が時間が経って現在になります。だから、未来の結果が現在です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 時間は未来から過去へと流れています。

 その未来をうみだす行為が「ゴール設定」です。ゴールにより未来がうまれ、ゴールにより現在の状況が決まり、ゴールにより過去の出来事の意味合いがどんどん変わっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 さらにいうと、ゴールは人生のあらゆる領域に設定するもの(バランスホイール)。ゴールをたくさん設定するたびに、現在がますます豊かになり、過去がどんどん意味深くなっていきます。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 時間は未来から過去へと流れています。

 辛い思い出はもちろんのこと、すっかり忘れているような何気ない過去の出来事であっても、新たなゴール設定によって、人生の中でもとくに重要な出来事に変わる可能性があります。

 つまり、過去は記憶の中にあるということ。そして、その過去は、現在、未来の行為により、どんどん変わっていきます。

 Q-219~:ゴールに対するスケジュールはたてますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415812.html

 

 ゴール設定に関する基本中の基本が「ゴールは現状の外」。

 本当に現状の外にゴールを設定するためには、「『これまでの自分』を丸ごと捨て去る覚悟」が必要です。「過去は一切関係なし!」を貫きとおす覚悟が。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 その「覚悟」こそが「自己責任(自責)」

 

 私はそのように考えています。

 S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から復刊)より引用します。博士の“気”を受け取ってください。

 

 

 未来が過去をつくる

 では、どうすれば「これまでの自分」を丸ごと捨てることができるのか?

 まず、時間に関する考え方を反転します。

 私たちは一般的に「時間は過去から現在、未来へと流れている」と考えています。これは、「絶対神がビッグバンを引き起こして宇宙を創造し、そこから玉突きをするように次々と因果を起して現在に至っている」という古いユダヤ・キリスト教的な考え方にもとづく時間観です。私たちはその影響下にいるわけです。しかし、この時間観は本当に正しいでしょうか。この時間観も、古典的な西洋のモノサシにすぎません。

 一方、アビダルマ仏教哲学では、「時間は未来から現在、過去へと向かって流れている」とされています。現代分析哲学でもそういう見方があります。私はこの時間観に賛同するものです。

 自分が川の真ん中に、上流の方を向いて立っていることを想像してください。

 上流から赤いボールが流れてきます。手を伸ばしてそのボールを取るか否かはあなた次第。仮に、赤いボールを取らなかったとしましょう。

 しばらくすると、次に青いボールが流れてきます。しかし青いボールが流れてきたのは、あなたが赤いボールを取らなかったこととはなんの関係もありません。ただ青いボールが流れてきた。それだけです。つまり、「赤いボールを取らなかった」という過去は、「青いボールが流れてきた」という未来とはなんの関係もなく、過去は未来になんの影響も与えていないのです。

 このように、時間は川の上流という未来から、あなたが立っている現在へ、そしてあなたの後方の過去へと流れているのです。

 「そうは言っても、自分は努力しなかったから三流大学にしか入れなかったし、今も三流企業でこき使われているのだ」と言いたくなるかもしれません。

 

 では、こんなケースを考えてみてください。

 会社の帰り道にサプリメントを買うためにドラッグストアに寄ったとします。

 しかし、たまたまレジの前に行列ができていました。

 あなたは行列に並びしばらく待っていましたが、なかなか前に進まないので面倒になり、サプリメントを棚に戻し、「ついてないなあ」と思いながら、わざわざかなりの遠回りをして別のドラッグストアに行きました。すると、その店では先ほどの店よりも同じサプリメントが2割も安く売っていました。あなたは「ラッキー」と思いながら足取り軽く帰宅しました-。

 この例では、1軒目の店の行列をあなたは「ついてない」と思いました。しかし、2軒目の店で目当ての品が安く売っていたことで、1軒目の「ついていない」が「ラッキー」に変わりました。ということは、「未来によって過去が変わった」ということ。

 過去が未来をつくるのではなく、「未来が過去をつくる」のです。気をつけて見てみると、未来によって過去が変わるという右のような例を、私たちは日常的に体験しています。

 引用終わり

 

Q-275につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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Q-275現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.5;苫米地式「汗の如し」-後編-

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Qコーチはクライアントのゴールを100%応援すると言いながら、成果が出ないのはクライアントのせいにされます。現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね。今は全てそういう事も見抜けなかった自分の責任というのは受け入れました。

それぞれがそれぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ないのではないでしょうか?

 

 今回は5部構成です。全編通じてのテーマは「綸言汗の如し」。

 以下、Wikipediaより引用します。その意味を感じながら、ゆっくり読み進めてください。

 

 綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)は、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。

 

 「綸言」の出典は孔子の『礼記』緇衣篇である。原文では「王言如絲、其出如綸;王言如綸、其出如綍」となっており、王のちょっとした言葉(絲:細かい糸)が重い意味(綸:太い糸)を持つとの教訓である。

 

 「汗の如し(如汗)」の出典は『漢書』劉向伝であり、原文は「言号令如汗、汗出而不反者也」である。

 

皆さんならこの質問に対してどのように答えますか? もちろん共感しながら。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 vol.1;すべて「そのとおり」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29257774.html

 vol.2;苫米地式「言」

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 vol.3;苫米地式「綸」

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 vol.4;苫米地式「汗の如し」-前編-

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 vol.5;苫米地式「汗の如し」-後編-

 

 

A5:これまで「綸言汗の如し」を、苫米地理論を念頭に考察してきました。

 PM-01-11~17:超情報場仮説(理論)

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 その「綸言汗の如し」は、「皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができない」という意味。

 もちろん間違いではないのですが、大切な視点が抜けたままだと、大きな過ちを犯してしまいます。

 

 前回(Q-274)は、「大切な視点」とは「抽象度」であり、「大きな過ち」とは「自由を失う」ことであると書きました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 *「抽象度」はこちら↓

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度という軸で宇宙をみる場合、情報空間の底面が物理空間です。

よって、「汗の如し」という言葉に囚われると、視点が底面(物理次元)に限定されてしまうことになります。それが「自由を失う」という意味です

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 と書きましたが、ここで止まってしまうと、やはり「自由を失う」ことになります。「より大きな縁起がスコトーマに隠れてしまう」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「綸言汗の如し」の「汗」は「時間の一方向性」をあらわす比喩として解釈されています。その流れは、「現在→未来」ではなく、「未来→現在」であるというのがこれまでの内容でした。

 

 一方で、その「汗」は、物理的実体であると同時に現象のこと(発汗)でもあります。ホメオスタシス・フィードバックの結果としてあらわれる現象です。

 ホメオスタシス(恒常性維持機能)とは、「生体が環境とフィードバック関係を持つことにより、生体の機能を安定的に保とうとする機能」のことです。そのフィードバックは常に双方向。

例えば「運動すると汗がでる」のは、以前お伝えしたとおり(Q-272)、発汗(→気化熱→温度低下)によって適切な体温を保とうとするホメオスタシス・フィードバックです(=CZ維持)。その時、「汗」が縁になって起こる「→気化熱→温度低下」という変化は、自身の生体(体温)だけでなく、環境(気温)にも働きかけています。それが双方向という意味。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

人間の場合、ホメオスタシスは情報空間にまでひろがっています。情報空間での双方向のフィードバック関係が「縁起」。そして、その縁起空間(情報空間)には階層性が存在しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「縁起」とは「因縁生起(いんねんしょうき)」のこと。それは「すべての事象は種々の因(原因)と縁(条件)によって生じる」という仏教の教えです。

 もっと掘り下げると「因とは直接的な因果」「縁とは間接的な因果(もしくは条件)」とされているのですが、認知科学者 苫米地英人博士はその解釈を明確に否定されています。「本当は因も縁も直接的な因果だ」と。

 

 「因」も「縁」も同じく「直接的な因果」。ただ抽象度が違うだけ。「因」の方が抽象度が低く、「縁」の方が高いというように。

「縁」は間接的に見えて、じつは、高い抽象度で直接的である

 

 

 昨年、苫米地博士は一般向けに“コーチングの“奥義”を開示されました。その奥義とは「コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す」。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「w1」とは「世界」のこと。その「世界」とは「情報空間中にひろがっていく、双方向のフィードバック関係を持った縁起(空間)」のことです。

 

 つまり、コーチングとは、因を起して自分を変えることではなく、縁を起して新たな世界を創造する機能のこと。そのコア中のコアが「ゴール」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 苫米地博士はこのようにも語られます。

 

過去、現在の結果としての最適解ではなく、未来の因果から最良の状態を選択できるのが真実のリーダーである。過去、現在の因果ではなく、未来の縁で、真に自由な選択をするのが真実のリーダーである

 

 その教えをうけ、私は、「自分中心を捨て去るからこそ、『未来の縁』をうみだすことができる」「自分中心を捨て去るからこそ、『真の自由な選択』というリーダーの責任を全うできる」と確信するようになりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 だから私は、ゴールのポイント「2)自分中心を捨て去る」にこだわります。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 その「2)自分中心を捨て去る」を意識に上げながら、再度、自身の言動を確認してください。「それぞれの立場で固まったスコトーマを持ち、共感出来ない」理由が感じられるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 

 最後に、認知科学者 苫米地英人博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ、「縁起人」として生きろ。」(TAC出版)より引用します。苫米地博士の“気”を受け取ってください。Don’t think, feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

コーチング自体が、釈迦の縁起そのもの

 私はコーチング自体が、釈迦の縁起そのものだと思っています。

 なぜかというと、コーチングはマインドの使い方がもっとも大事だからです。

 正しいコーチングの見方とは、人が抱える問題点が、構造的・物理的なものであると分析されたとしても、それもすべて人間の心、マインドの問題だと捉えることです。

 この視点はとても大事です。

 この視点がなく、すべての問題の原因はマインドにあると捉えることができないと、コーチはコーチングできているとはいえません。

 

 縁起の考え方は、「この世のすべては自分の心が生み出している」ということです。それは、コーチングの「すべてはマインド次第」という考えと一緒です。

 そもそもコーチングのもとになる教えは西洋で生まれてきた概念ですが、内容の本質は仏教です。なぜなら、ルー・タイスはキリスト教徒ですが、大乗仏教とキリスト教は、ほとんど同じ考え方だからです。その理由については、私が今までさまざまな宗教の本で説明してきたので、ここでは割愛いたします。

 そういった事情を鑑みると、コーチングが釈迦の縁起と密接な関係があるというのは、不思議なことでもありません。

 また、ルー・タイスの言葉に「すべての変化はマインドで起きて外に広がる」というものがあります。

 必ずゴールが達成できるという確信をクライアントに埋め込んであげることがコーチの役割ですが、それはマインドの使い方にかかっています。

 それがゴールが縁起に関わる、コーチが縁起に関わるということです。

 確信が高いものが実際に起きるのが、この世の縁起のカラクリです。縁起は外に広がっていくので、常に確信していることが重要なのです。

 

 つまり、確信度が高いほど、変化が生じるわけですから、人間関係で悩む方も、もう悩まないと確信し、自分が幸せになるため、よい人間関係を作ることがイメージできれば、そこからすべてが始まるのです。

 

 ちなみに、マインドとはわれわれのイマジネーションが入るもののことなので、イマジネーションの限界が我々の限界ともいえます。でも、その限界を超越したところに、本当の変革があり、幸せがもたらされるのです。

 

 このように、マインドをうまく使う方法を知ることが、レベルの高い縁起人になることとともに、良好な人間関係の構築を後押しするというわけです。

 引用終わり

 

 

 この質問と回答を縁に、さらに「レベルの高い縁起人になる」ことを切に願います。

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

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 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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