Q-223:コーチングが重要なのは理解しているが、医療現場は忙しすぎて実践できない 前編;何にwell-beingを感じるか?
医療・介護の現場からコーチングに関する講演や研修の依頼をいただいたとき、必ずといっていいほど取り上げているのが「トータルペイン(全人的苦痛)」です。
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「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル」という4つの苦痛について説明し、それらをトータル(total)とみる視点や視点の移動についてお伝えしています。
「視点」とは抽象度のこと、「視点の移動」とは抽象度を上げることです。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
先日も地域の安全と安心を支えている大病院で、「トータルペイン(全人的苦痛)」や「抽象度」について話をさせていただきました。その際、このようなコメントをいただきました。
コーチングが重要なのは理解しているが、医療の現場は忙しすぎて実践できない
…医療現場の過酷さを知る医師兼コーチとして、一般向けに回答させていただきます。
前編;何にwell-beingを感じるか?
発言者が「コーチングが重要なのは理解している」のは紛れもない事実。なぜなら、その発言は私を招いてくださった名誉院長のものだから。スタッフの皆さんのために、そして患者さんやその家族のために、「コーチングを学び、実践してほしい」という強い思い(情熱)を抱いていらっしゃいます。
F-162:コーチの視点で考察する“青春” ~心の若さと体の関係~
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だからこそ、「忙しすぎて実践できない」という現実に対して歯がゆい思いを感じていらっしゃるのだと思います。「歯がゆい思い」とは認知的不協和のこと。
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上手くマネジメントすると、認知的不協和はエネルギーと創造性の源になります。
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そのために、まずはゴール設定!
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止められても成し遂げたいゴールがあるから、スコトーマを外して課題を見つけることができ(case)、エネルギーとクリエイティビティを全集中して解決することができます(plan)。
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その過程そのものが「スピリチュアルペイン」の克服であり、「スピリチュアルwell-being」です。
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私は、まずは医療従事者が自身の「スピリチュアルペイン」に気を向けてほしいと願っています。その結果として、身体的に、心理・精神的に、そして社会的にwell-beingになっていくことができると信じているからです。「トータルwell-being(全人的幸福)」です。
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御承知のとおり、「健康」の定義とは「身体的に、心理・精神的に、スピリチュアルに、社会的に、『完全に良好(well-being)なダイナミックな状態』」です。
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つまり、医療の目的は「well-being」。そして、コーチングの目的も「well-being」といえます。シンプルに考えると。
その「well-being」は完全に各人のマインドによります。自己評価です。
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人間が感じる「well-being」とは、本能に基づいたものではなく、高次の情報空間に見いだすもの。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
それは脳内にドーパミンが放出されて変性意識状態に入り、深い自己催眠にかかっていくことで実現されていきます。
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それ故に危険も生じます。
「well-being」を感じるように催眠をかけるのは自分自身ですが、「何にwell-beingを感じるか?」は他人のモノサシであり、社会の価値観に由るからです。
プラス(うれしい・楽しい等)やマイナス(悲しい・悔しい等)の違いがあるにせよ、強烈な情動を伴った体験の記憶が「何にwell-beingを感じるか?」という判断基準を作ります。さらに、「〇〇は△△するものだ」「□□でなければならない」といった社会からの刷り込みが、その判断基準を強化していきます。
S-02~:自由に生きるために ~マナー、ルール、モラルについて考える~(目次)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17563396.html
お気づきですか?
…そう、その「何にwell-beingを感じるか?」こそがブリーフシステムであり、“人格”と呼ばれるもの。
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ブリーフシステムは過去の情動記憶と情報の記憶でつくられるので、「何にwell-beingを感じるか?」も過去の延長線上に限定されます。通常は。
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だから、「まずはゴール設定!」なのです。
ゴールは 1)心から望むもので、2)自分中心を捨て、3)現状の外 に設定するもの。
“現状の外”は定義上スコトーマに隠れているため、これまでのブリーフのままでは決して見いだすことができません。
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つまり、マインドについて教わりながら“現状の外”へのゴール設定を強力にサポートしてもらう本物のコーチングなしでは、決してシンのwell-beingは実現しないということ。
「医療の現場は忙しすぎて実践できない」は紛れもない事実ですが、「忙しすぎる」が問題の本質ではないはずです。最大の問題(課題)は、「本物のコーチングがスコトーマに隠れていること(わからないこと)」であり、「本物のコーチにアクセスできないこと」だと私は思っています。
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(Q-224につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
プラス(うれしい・楽しい等)やマイナス(悲しい・悔しい等)の違いがあるにせよ、強烈な情動を伴った体験の記憶が「何にwell-beingを感じるか?」という判断基準を作ります。さらに、「〇〇は△△するものだ」「□□でなければならない」といった社会からの刷り込みが、その判断基準を強化していきます
…そのような社会による刷り込みや方向付けを「生権力」と考えることができます。英語では「Bio-Power」です。
F-061~:バイオパワー(生権力)
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バイオパワーはピュアなwant toを重苦しいhave toへと変えてしまいます。いつの間にか、気づかないうちに。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
「不安・恐怖」「義務感」「罪悪感」を生みだし、心を蝕んでいきながら。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html
そんな「生権力/Bio-Power」に打ち克つためにも、「まずはゴール設定!」といえます。
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