苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学びながら九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:F:フリーテーマ > F-129~ The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

F-129The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -1;不安に襲われる若者、希望を失う老人

 

 前回(F-128)、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 

 最近、立て続けに、子ども達から心身の調子を崩している友達の話を聞きました。いずれも10代後半から20代前半。本来なら「やりたいこと なんでもできるのさ♪」と人生を謳歌しているはずの若者たちです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_268333.html

 

 上記リンクのブログ記事(F-038~)で御紹介したとおり、内閣府が公表している「子ども・若者白書」によると、日本の若者は諸外国と比べて自分を肯定的に捉えている者の割合が低いことが明らかになっています。

 最新の令和元年版においても同様の結果が得られています。「自分には長所がある」と感じている者の割合は、残念なことに、さらに低下していました。

 内閣府「子供・若者白書(R1概要版)」特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~

 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/s0_1.html

 

 米国精神医学会が昨年(2019年)発表した調査によれば、アメリカ人の3人に2人が「健康」「経済状況」「家族の安全」に不安を抱いています。この傾向は若いほど顕著で、1834歳の70%が「経済状況」「家族の安全」に、66%が「パートナーとの関係」に不安を感じているとのこと。全体の約20%はすでにカウンセリングを受けているそうです。

 さらに米国心理学会の報告(2018年)によると、1997年以降生まれの“Z世代”はどの世代よりも心の健康状態が悪く、91%がうつや不安などストレスに関連した身体的または心理的症状を経験していることが判明しました。別の調査でも、過去1年間に「圧倒的な不安」に苦しんだ大学生は63%と多く、大学のカウンセリングセンターを訪れた学生数は2009年から2015年の間に30%以上増えているということでした。

 

 これらの調査結果を、先の日本の若者の自己肯定感の低さと合わせて考えると、日本では若者の心身の不調が他国以上に大きな問題になると予想されます。私のまわりに調子を崩している若者がいるのは決して偶然ではないようです。

 

 では、若者ほど不安を感じ体調を崩してしまうのはなぜでしょうか?

 

 多くの研究者が指摘しているのは、インターネットとソーシャルメディアの普及です。

 

現在、新型コロナウイルスによる感染症が世界的な脅威となっています。ウイルス自体の感染力について、WHO(世界保健機関)は「インフルエンザよりは高くない」という見方を変えていません(’20.3/16時点)。しかし、感染は瞬く間に世界中に拡大し、慎重な印象のテドロス・アダムノWHO事務局長もついに「パンデミックである」との認識を示しました(’20.3/11)。

インフルエンザほど感染力が高くないはずのコロナウイルスが、驚くべきスピードで拡散している理由は、「グローバル化」にあるといえるでしょう。それと同様に、ネットやSNSで世界中と(しかも常時)つながっている若者たちは、事件・事故や災害による悪影響を瞬く間に(しかも持続的に)受けてしまうといえます。世界のどこかで生じた「ファイト・オア・フライト」が容易に“感染”してしまうのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

ネットやSNSの問題は“感染力”だけではありません。過去のブログやセミナーでも取り上げたとおり「依存という“重症化”」の問題もはらんでいます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19572599.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19979953.html

 

昨年(2019年)、カナダの法律事務所がシューティングネットゲーム「フォートナイトFORTNITE)」を開発したEpic Gamesに対して集団訴訟を起こす準備を進めていることが報道されました。訴状ではWHOがけがや病気を分類する国際的なガイドラインである「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改訂版で、ふだんの生活に支障が出るほどゲームをやり過ぎてしまう「ゲーム障害」を新しい病気と認定したことにも触れ、ゲーム中毒は病気であることが強調されているそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 

 実際、最新のゲーム開発には心理学や認知科学の知見がふんだんに取り入れられています。つまり、脳と心(マインド)についての科学的探究により、今後ますます“感染力”が高まり、“重症化”していくのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13825013.html

 

では、そんな未来に対して、私たちはどのように向き合うべきでしょうか? 今回のテーマである「The Sweet Goodbye」を実現するために、何を心がければいいのでしょうか?

 

 私の答えは、「マインドについて理解し、しっかりとコントロールする!」です。

 

 マインドに関する知識とスキルは、ネット依存やギャンブル依存、酒やたばこを含む薬物依存といった他の依存症対策にも応用できるはずです。さらには四苦(生老病死)といった生きる上での苦しみの克服にも役立ちます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 なぜなら、ゴールを見つけるから。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 そして、希望をもって“今、この時”を生きれるようになるからです。希望あふれる人は自然に元気になり、健康であり続けます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 依存に陥り苦しむのも、依存を克服し元気に生きるのも、すべてマインド次第

 

 

 しかしながら、私の子どもを含む若者たちにとって、“現状の外”へのゴール設定はとても困難に感じられるはずです。

その理由のひとつが今回取り上げた「自己肯定感が低いから」「不安や恐怖に蝕まれているから」です。他にも「スピリチュアルペインを抱えているから(完全にはスコトーマに隠れていないから)」「ドリームキラーの影響を受けやすいから」「知識や経験が不足しているから」などが考えられます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 思いつく様々な理由の中で私が最も危惧するのは、「未来に希望が感じられないから」というもの。それは若者よりも、むしろ高齢者ほど深刻なはずです。老いや病、そして死という四苦(とくに老病死)を実感するほど、希望を失い、さらなるゴール設定が難しくなっていくから。そして、未来という残された時間(生)が短くなっていくからです。

 

 次回(F-130)は私が考える「The Sweet Goodbye」について説明します。その後、「The Sweet Goodbye」実現に必要なヒーリングについて、そして「The Sweet Goodbye」を実現するコーチングについて、若者向けと老人向けにそれぞれ考察したいと思います。

 

F-130につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_352303.html

 

 

F-130The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -2;「The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 

 過去のブログ記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 

 

 春は別れと出会いの季節。

 卒業、転勤、転・退職

今年も様々な別れがあったのではないでしょうか。

 

 これまで慣れ親しんだ環境が大きく変化する時、人は居心地の悪さや寂しさを感じます。それをコーチングでは「コンフォートゾーン(Comfort Zone)から外れる」と表現します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 コンフォートゾーンとは、学校や会社、住居といった物理的な場所(物理空間)のことだけではありません。所属や肩書、人間関係といった触れることができないもの(情報)も含みます。前頭葉が発達した人間においては、情報空間にもホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

 居心地の悪さや寂しさといったネガティブな情動の正体は、これまでのコンフォートゾーンに戻ろうとするホメオスタシス・フィードバック。外部環境の変化にもかかわらず体温や血圧、心拍数などを最適に維持してくれるホメオスタシスが同じように情報にも働くのですから、“別れ”が大きなもの(変化)であるほど寂しさや辛さ、悲しみに押しつぶされそうになります。それがこのシリーズでいう「The Sad Goodbye」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 では、ホメオスタシス・フィードバックを“Sad”から“Sweet”に変えるにはどうすればよいでしょうか? 「The Sweet Goodbye」とはどのようなものといえるでしょうか?

 

 

 その答えは苫米地式コーチングの真髄ともいえます。

 

 “Sad”を“Sweet”に変えるものとは ゴール。

“現状の外”へゴールを設定することによって、居心地の悪さや寂しさではなく、ワクワクやドキドキを感じながら、力強くかつ自然に先に進むことができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 御承知のように、一番強力なドリームキラーは自分自身です。変化を強力に嫌う(だから“Sad”になる)無意識に働きかけ、好ましく(“Sweet”に)感じられるようになると、自分自身が最大・最強のドリームサポーターに変わります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

 そんな意識状態が「ハイ・エフィカシー」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 現状の外、すなわちこれまでのコンフォートゾーンを大きく外れたところにゴールを設定するということは、(今までとは違う)新たなコンフォートゾーンをつくりだすということ。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 

人は2つのコンフォートゾーンを同時に維持することはできません。ホメオスタシスが働くのは必ず1つです。よって、2つのコンフォートゾーンができた瞬間から1つになろうとする(どちらかを選択する)エネルギーが生じます。

「認知的不協和」と呼ばれるそのような状態は、決して居心地がよいものではありません。しかしながら、訓練を重ねることで、その時生じるエネルギーを夢実現に活用することができるようになります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 その様子を認知科学者 苫米地英人博士は輪ゴムに例えられています。ワークを御紹介しますので、ぜひ夢実現エネルギーを“体感”してください。

 

 

 <ワーク:夢実現エネルギーを体感するゴムワーク> 

 

1.    輪ゴムを用意して、それを上下に引っ張る

-その時、上の手をゴール側の新たなコンフォートゾーン、下の手をこれまでのコンフォートゾーン(現状)とイメージしましょう

 

2.    さらに思いっきり引っ張る

-ゴムが伸びるほど、張力が強く働きます。指に食い込むことで感じる“痛み”が認知的不協和に相当します。そして、それが夢実現エネルギーの源です

 

3.    上の手(ゴール側のコンフォートゾーン)は絶対に離さず、下の手(現状)のゴムを手放す。その時、上の手に向かうエネルギーを体感する

-下の手(現状)からゴムが離れた瞬間が「新たなコンフォートゾーン(I)がリアルになった時(R)」です。解放されたエネルギーにより、一気に上の手(ゴール)に近づいていきます

 

4.    1.3.までを繰り返しながら、上の手と下の手が離れるほど(引っ張る力が強力なほど)、ひとたび力が解き放たれたら猛烈に上の手(ゴール)に近づくことを体得する

-「ゴールはより遠くへ、より高いところへ」という原則を体で覚えてください。「達成可能な目標を立てよう」「小さな夢からはじめよう」というのは誤った考えです。「夢やゴールは途方もないものほどいい」のです

 

5.    目を閉じてゴールが実現した未来を思い浮かべる。視覚(見えている風景)、聴覚(聞こえてくる音)など、五感で受け取る情報の臨場感をどんどん高めていく

-ゴールの世界の臨場感が現実世界の臨場感よりも高くなったとき、目の前の世界は変容します。それは(すでに)“夢実現”です

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

 今回は私が考える「The Sweet Goodbye」について説明し、関連するワークを御紹介しました。

ゴール設定により生みだされた新たな世界(ゴール側のコンフォートゾーン)に向かって、ドキドキ・ワクワクしながら勢いよく進んでいく(現状から離れていく) そのときのGoodbyeが「The Sweet Goodbye」です。

 

次回(F-131)は、「The Sweet Goodbye」実現に必要なヒーリングについて、若者向けにまとめます。

 

F-131につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15835817.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_352303.html

 

 

F-131The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 

 過去のブログ記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 

 

 医師としての私が経験したケースを御紹介します。

 (個人情報保護のため変更を加えてあります)

 

 患者さんは50代の男性。離婚後一人暮らしを行っていたある日、脳出血を発症しました。数日経ってから発見され専門医に救急搬送されましたが、重度の片麻痺(半身の運動麻痺)が残りました。生活動作のほぼすべてに介助が必要な状態となり、やがて「死にたい」「殺してくれ」と口にするようになりました。生きる目的(ゴール)を見失ってしまったのです。希望そのものを失くしてしまったのかもしれません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

 支援相談員がなんとか家族を見つけだしましたが、誰もが関わることを強く拒みました。その中で一人だけ、悩みながらも対応してくれるようになった息子さんがいました。まだ20代の若者です。

 ある日、「脳出血後の嚥下障害と食事の拒否により栄養状態が悪いため人工栄養(胃瘻カテーテル等からの栄養剤注入)の適応である」ことを説明しました。その場で息子さんは泣きながらこう発言しました。「父には生きていてほしいですけど、父自身は『生きたくはない』『もう死にたい』と思っているはずです」。さらに、とても辛そうに「私自身も生きている価値がないと思っています」と。

 

 生きている価値がない

 

 最初は父親のことをいっているのかと思いましたが、その後のやり取りで息子さんが自分自身を「生きている価値がない」と評価し、「死にたい」と苦しんでいることがわかりました。父親と同じように生きる目的(ゴール)を見失っているのでしょう。いや、そもそも生きる目的(ゴール)を、もっと言えば生きる意味を見いだせていないのかもしれません。

その苦しみは「スピリチュアルペイン」。思春期にすでに生じていますが、多くの人はいつの間にかスコトーマに隠れ感じなくなる根源的な痛み(苦しみ)です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 前回(F-130)、前頭葉が発達した人間においては情報空間にもホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いていることに触れました。そのことを世界で最初に論文にしたのは認知科学者 苫米地英人博士です。「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」と呼ばれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 そのホメオスタシス(恒常性維持機能)自体を最初に提唱したのは、米国の生理学者 ウォルター・ブラッドフォード・キャノン(Walter Bradford Cannon18711945年)。キャノンは、「生体の内部や環境因子の変化にかかわらず生体の一部が一定に保たれる性質」というホメオスタシスの目的を「生命の維持(生存)」としました。

コーチング理論に置き換えると、「生存することは生命本来のコンフォートゾーンである」ということ。よって、本来なら「生きたい(生きながらえたい)」があたりまえであり、「老いたくない」「病気になりたくない」「死にたくない」が本音のはずなのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 ところが、生存のためのホメオスタシス・フィードバックが強力なはずの若者ほど、不安に襲われ、ストレスに関連した身体的または心理的症状に苦しんでいます。自殺対策白書(日本)において特に中学生の自殺者数増加が危惧されていることを考えると、「思春期から青年期の間に生命本来のコンフォートゾーンから外れやすくなる」といえそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11298916.html

 

 コーチとして若者に向き合う時、私がまず取り組むのは「生命本来のコンフォートゾーンに戻してあげること」。それはコーチングというよりヒーリングです。「生きている価値がない」を「価値がある」に書き換えることではじめて、その“価値”を自ら創造するコーチングに取り組むことができるようになります。

 

 前回(F-130)書いたように、“Sad”を“Sweet”に変えるものとはゴールです。

“現状の外”へゴールを設定することによって、居心地の悪さや寂しさではなく、ワクワクやドキドキを感じながら、力強くかつ自然に先に進むことができるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 変化を強力に嫌う(だから“Sad”になる)無意識に働きかけ、好ましく(“Sweet”に)感じられるようになると、自分自身が一番強力なドリームキラーから最大・最強のドリームサポーターに変わります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

 そんな意識状態が「ハイ・エフィカシー」です。

 それに対して、すべてのはじまりといえるゴール設定を可能とする意識状態、すなわち「私にはゴール設定を行う価値がある」「私は自由にゴールを設定することができる」という最初の確信を、私は「ゼロ・エフィカシー」と名付けています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

「ゼロ・エフィカシー」の「ゼロ」とは「無い」という意味ではありません。生命本来の欲求である生存(本能)に向き合うということであり、すべてがここから始まるという原点(スタート地点)に立つという覚悟です。それは「無尽蔵かつ無制限の可能性にあふれている」という意味での「ゼロ」。そして、それは「空(くう)」を示すsunya(スンヤ)の「ゼロ」でもあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

その原点ゼロに戻る(戻す)ことが、若者にとってのヒーリング。それが「The Sweet Hello」と「The Sweet Goodbye」、すなわち「新しいものを100%want toで生み出すこと」を可能にします。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

最後に苫米地博士の著書「2050年 衝撃の未来予想」(TAC出版)からの引用です。この引用文の続きは次回に。ぜひ「苫米地博士がザ・パロッツを聴きにいってしまう理由」を考えてみてください。そこには「新しいものを100%want toで生み出すこと」に関する“秘密”が隠されています。

 

価値観をドラスティックに転換させろ

 しかし、「新しいものを生み出す」といわれても、実際に何をすればいいか分からない人もいるでしょう。画期的な商品やサービスを開発する? ミュージシャンになる? 小説家になる? そもそもクリエイターにならないとダメということ?

 こんな疑問に答えるために、私も長年のファンの、あるバンドについて紹介しましょう。そのバンドは「ザ・パロッツ」という、その名の通りビートルズのパロディ、つまりコピーバンドです。六本木のライブハウス「Abbey Road」を拠点に、すでに25年以上活動していますが、彼らのすごいところは、イギリス・リバプールで開催される「ビートルズ・コンベンション」に参加し、本場の観衆をも熱狂させてしまうほどの完成度です。

 ですが、いくら完成度が高くとも、突き詰めればビートルズを聴きたければレコードをかけるのが一番の近道で、それが唯一の方法です。本当のジョン・レノンの歌声はそこにしかなく、オーディオマニアの私の自宅には良い環境が整っています。しかし、それでも私はザ・パロッツを聴きにいってしまう。これはいったいどういうことでしょうか?

 

F-132につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21142618.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html

 

 

2050年 衝撃の未来予想ver.2




F-132The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -4SadSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 

 

 前回は医師としての私が実際に経験したケースを御紹介しました。

 「生きている価値がない」最初は父親のことをいっているのかと思いましたが、その後のやり取りで息子さんが自分自身を「生きている価値がない」と評価し、「死にたい」と苦しんでいることがわかりました。父親と同じように生きる目的(ゴール)を見失っているのでしょう。いや、そもそも生きる目的(ゴール)を、もっと言えば生きる意味を見いだせていないのかもしれません。

その苦しみは「スピリチュアルペイン」。思春期にすでに生じていますが、多くの人はいつの間にかスコトーマに隠れ感じなくなる根源的な痛み(苦しみ)です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

スピリチュアルペインは脳(とくに前頭葉前頭前野)が発達した人間だけが抱えている苦しみです。全生物の中で思考ができるのは人間だけのはずだから。

人間は誰でも思考することができます。しかし、その一方で、思考をやめてしまう人も少なくありません。思考をやめるとは、人間であることを自ら放棄することなのに。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14120540.html

 

 前回(F-131)、生存のためのホメオスタシス・フィードバックが強力なはずの若者ほど不安に襲われ、ストレスに関連した身体的または心理的症状に苦しんでいるのは、「思春期から青年期の間に生命本来のコンフォートゾーンから外れやすくなる」からではないかと書きました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 それは決して偶然ではないはず。思考という“進化の鍵”を手に入れた人類が、本来の潜在能力を覚醒させるために必要とする“ゆらぎ”なのではないでしょうか。スピリチュアルペインが進化を強烈に促している(求めている)気がします。

 

 

苫米地博士は、「思考停止という病」(KADOKAWA)の中で、「思考は一定の情報空間での抽象度をダイナミックに変化させる運動行為」と書かれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

では、その「ダイナミックな変化」をより高次の抽象度へと、すなわち進化へと導くものは何でしょうか?

 

 私の答えは「ゴール」。博士は「進化には必ず意思の力がある」と書かれていますが、その“意思”にアクセスする方法がコーチングなのだと思っています。コーチとの縁により“意思”にアクセスし、自らゴールとして見いだすのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 コーチとの縁により“意思”にアクセスし、自らゴールとして見いだす

 

ここから前回引用した文章(苫米地博士著「2050年 衝撃の未来予想」)の続きです。ぜひゴールが持つパワーを感じてください。

 

 リーダーの吉井氏は20代の頃から40年以上、つまり1980年に40歳で亡くなったジョン・レノンの人生よりも長く、ジョン・レノンとして音楽をやっており、ポール・マッカートニーとも共演を果たしています。つまり、そこにはジョン・レノンのコピーでありながら、本人とは別の新たな価値が生まれているのです。そして、その価値は将来ジョン・レノンそっくりの人工知能を搭載したロボットが登場したとしても再現することはできません。

 このように人口知能が発達し、社会がデジタルになっていくほど、人間的な部分、アナログな部分の価値が相対的に上がっていく現象が起こるでしょう。

 そもそもミュージシャンになれば、すなわち生産性の高い人間かというそんなことはありません。新しい音楽を生み出せるのは一握りの天才たちだけですし、将来的には人工知能が音楽理論を完全に理解し、「どんなメロディやビートが人間の脳を刺激するか?」「どんな歌詞が心に響くか?」という分析を加えることで、人間以上に新しい音楽を生み出す可能性もあります。しかし、そんな時代においても、私はザ・パロッツを聴きにライブハウスに通うことでしょう。デジタル技術の革新がアナログの価値を高めていることは、音楽が簡単にダウンロードできるようになってから、相対的にライブの価値が上昇していることを見れば、2050年を待たずとも理解できるかと思います。

 例えば、銀行は無人化するといいましたが、人工知能搭載の若いロボットよりも、年季の入ったいかにも“やり手”なオーラを漂わせた人間のおじさんの方が信用できるというニーズは必ず残ります。教師が人工知能に置き換わったとしたら、人間の家庭教師をつけたいというニーズは相対的に高まるでしょう。第1章でも指摘したように、白熱電球が数十万円で取引されているかもしれません。

 つまり、デジタル社会、サイバー社会となった2050年では、アナログであること自体が価値として成り立っている可能性が高いのです。そして、「アナログ=人間らしさ」であり、「人間=自我」です。つまり、必ずしもクリエイターでなくとも、やりたいことをやり続け、その世界で唯一無二の自我を発揮できれば、そこにニーズが生まれ、価値が生まれます。

 ですから、これからの時代の「付加価値」とは、決して世間がいうようなデジタルなスキルや狭い専門性ではありません。人間が長い歴史の中で培ってきたリベラルアーツを学び、広く深い人間性を身につけること。その上で、やりたいことをやり、社会のニーズに適った機能を提供できる人間になっていくことが重要なのです。

 引用終わり

 

 ゴールはどんどん更新していくもの。

その更新のたびに抽象度が上がり、個人の進化といえる「人間形成」が実現していきます。引用した博士の表現でいえば「広く深い人間性」が磨かれていきます。

「人間は自己実現に向けて絶えず成長する生き物である」とした米国心理学者 アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow19081970年)の表現を用いると、欲求の階層(段階)を上がるときが、新しい階層に対しての「The Sweet Hello」であり、これまでの階層への「The Sweet Goodbye」。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 The Sweet Hello/Goodbye」をサポートし、その上で、さらに「やりたいことをやり、社会のニーズに適った機能を提供できる」ように導けることが、若者に対するコーチングの重要なポイントです。そして、それはコーチ自身の「社会のニーズに適った機能」でもあります。

 

F-133につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21142618.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html

 

 

2050年 衝撃の未来予想



F-133The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -5SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 前編>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 4SadSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22117623.html

 

 

 このシリーズのvol.3F-131)で、医師としての私が経験したケースを御紹介しました。

 脳出血後「死にたい」「殺してくれ」と口にするようになった50代男性患者さんの息子さん(まだ20代の若者)に対して、私は延命治療のひとつである人工栄養について説明しました。その際に息子さんが泣きながら発したのが、「父には生きていてほしいですけど、父自身は『生きたくはない』『もう死にたい』と思っているはずです」「私自身も生きている価値がないと思っています」という言葉でした。

 

 生きている価値がない

 

 最初は父親のことをいっているのかと思いましたが、その後のやり取りで息子さんが自分自身を「生きている価値がない」と評価し、「死にたい」と苦しんでいることがわかりました。父親と同じように生きる目的(ゴール)を見失っているのでしょう。いや、そもそも生きる目的(ゴール)を、もっと言えば生きる意味を見いだせていないのかもしれません。

その苦しみは「スピリチュアルペイン」。思春期にすでに生じていますが、多くの人はいつの間にかスコトーマに隠れ感じなくなる根源的な痛み(苦しみ)です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 そんな若者のためのヒーリング(F-131)とコーチング(132)について、そのポイントをまとめました。

 次に父親の世代、あるいはその父親(祖父母)世代に対するヒーリング(133~135)とコーチング(136、137)について、私の考えを述べたいと思います。

 

復習になりますが、若者のヒーリングとは「生命本来の状態に戻してあげる」ことです。

「本来の状態」とは、「生命の維持(生存)のためにホメオスタシスが働いている状態」のこと。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

コーチング理論を用いると、「生存することは生命本来のコンフォートゾーンである」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 つまり、若者の場合、身体的にはもともと元気な状態であり、とくに心理・精神的なケアを行いながら(ヒーリング)、その上でコーチングを行っていくと、必ず本来の元気(生命力)を取り戻していきます。ゴールを追求する過程で「人生の意味」を見つけ、スピリチュアルペインを克服するからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 かつてのゴールを達成しつつさらなるゴールを目指して生きていると、抽象度がどんどん上がり、ますます“健康”になっていきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 しかし、その“健康”(←WHO的定義)はいつまでもは続きません。年を重ねるとともに体力は衰え(老)、その経過で病気になり(病)、いつしか必ず生を終える日が来るから(死)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859828.html

 

老人の場合、元気を失っていくのは身体面(身体的苦痛)ばかりではありません。若者以上に精神面が落ち込んでいきます(心理・精神的苦痛)。その代表が思考にも関係するドーパミンです。一般的には10歳老いるごとに10%のドーパミンニューロンが死滅するといわれており、年を重ねるごとに物理空間での身体の運動と同じように情報空間での思考のスピードが遅くなっていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900535.html

 

そこに退職や引退による社会的機能・役割の喪失、友人や家族など身近な者との別れといった社会的喪失が重なっていきます(社会的苦痛)。やがて「自分もいつかは死ぬ」ことを感じはじめると、スコトーマが外れ、突然「自分の存在や意味」が突きつけられていることに気づくのです。

その時、衝撃とともに感じる苦しみが「スピリチュアルペイン」。本当は思春期から青年期にかけて生じていますが、いつの間にか感じなくなっていた(スコトーマに隠れていた)根源的な痛みです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11386276.html

 

 では、そんな老病死(+生で四苦)に苦しむ老人にとってのヒーリングとは、どのようなことをいうのでしょうか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

F-134につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21142618.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html

 

 


F-134The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -6SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 中編>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 4SadSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22117623.html

 5SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 前編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22194084.html

 

 

老人の場合、元気を失っていくのは身体面(身体的苦痛)ばかりではありません。若者以上に精神面が落ち込んでいき(心理・精神的苦痛)、社会的喪失が重なっていきます(社会的苦痛)。やがて「自分もいつかは死ぬ」ことを感じはじめると、スコトーマが外れ、突然「自分の存在や意味」が突きつけられていることに気づくのです。その時、衝撃とともに感じる苦しみが「スピリチュアルペイン」。

 では、そんな老病死(+生で四苦)に苦しむ老人にとってのヒーリングとは、どのようなことをいうのでしょうか?

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 

 繰り返しますが、老人の場合、身体的にも、心理精神的にも、社会的にも苦痛が増大していきます。WHOの定義でいうとどんどん“不健康”になる感じ。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 

そして、ついにはスピリチュアルペインに気がつきます。本当は思春期から青年期にかけて生じていたのですが、ずっとスコトーマに隠れていた根源的な苦痛です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

つまり、老人においては抽象度を上げた“total”という視点(全人的苦痛/total pain)、すなわち「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル的」を包摂する次元でのヒーリングが必要になるということ。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

そして、その“total”という視点自体がヒーリング&コーチング実現の鍵となります。「抽象度を上げる」ことで、“希望”を見いだし、“苦痛”を解決し、“健康”(←苫米地流定義)になることができるからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

 vol.3F-131)で御紹介したとおり、物理空間に働くホメオスタシス(恒常性維持機能)を最初に提唱したのは米国の生理学者 ウォルター・ブラッドフォード・キャノン(Walter Bradford Cannon18711945年)。キャノンは、「生体の内部や環境因子の変化にかかわらず生体の一部が一定に保たれる性質」というホメオスタシスの目的を、「生命の維持(生存)」としました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 

 その「生体」や「生命」の抽象度を上げると、「生体が集合したもの」「生命の共同体」という意味で「人類(人という種)」や「社会」と考えることができます。さらに抽象度を上げて時間まで超越していくと、ますます情報次元(空間)へと広がっていきます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

 前頭葉が発達した人間においては、その情報次元(空間)にもホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いているというのが、認知科学者 苫米地英人博士が提唱する「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 ここまでをまとめると、「『個の生命の維持(生存)』のためにホメオスタシスが働いているが、抽象度を上げて考察すると『生老病死』という変化も人生というスパンでのホメオスタシスであり、それは『種や社会の維持(存続)』を目的としている」ということ。

コーチング理論に置き換えると、「生存することは生命本来のコンフォートゾーンであり、生きながらえながらやがて老い、病み、死ぬことは生命共同体(の一部)としてのコンフォートゾーンである」ということができます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

「生きたい(生きながらえたい)」が物理次元ではあたりまえである一方で、より上位の抽象度次元では「老いたい」「病みたい」「死にたい」(注:「老病死さえも楽しみ」という感覚)が本心であるはずなのです。それは遺伝子にしっかりと刻み込まれている生命本来の“意図”といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9672735.html

 

 例として「細胞と個体の関係」を考えてみましょう。

 一人の人間の命はひとつと思いがちですが、私たちの体は250種類 60兆個をこえる細胞の集合です。その一つひとつが決められたとおりに働き(生)、予定どおりに役割を終え(老)、次世代の細胞におきかわる(死)からこそ、全体としての生(生命)が保たれています。1日で1兆個もの細胞がおきかわりながら、それら無数の細胞(部分)が器官を形成し、たくさんの器官が見事に連携することでひとつの命(全体)が保たれているのです。

その様を東洋的にいえば無常であり縁起、西洋的に表現すればゲシュタルトであり「connect the dots」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 そんな縁起あるいはゲシュタルトを壊す存在といえるのが「がん細胞」です。あらかじめプログラムされている老いや死から逃れ、細胞レベルでの“永遠の命”を得たがんの存在(部分)は、やがてはより大きな集合である個体(全体)を死に至らしめます。そして、個体(全体)の死は、やがては“永遠の命”を得たはずのがん細胞(部分)の死を招きます。

 その関係性(縁起)をしっかり理解できることが、老人にとってのヒーリングの鍵。

 

「個の存在(部分)をより大きな存在(全体)の一部と考えることができ、個人の生老病死を人類や社会のための重要な役割・機能と理解できること」とは“超自我”。その超自我の境地に達することが老人にとってのヒーリングであり、SadSweetに書き換える準備であるといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

では、そのようなヒーリングを実現するために、私たちは何を心がければいいのでしょうか?

 

F-135につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

「個の存在(部分)をより大きな存在(全体)の一部と考えることができ、個人の生老病死を人類や社会のための重要な役割・機能と理解できること」とは“超自我”。その超自我の境地に達することが老人にとってのヒーリングであり、SadSweetに書き換える準備であるといえます

 

 その“超自我”への誘いは、教育が目的とすることでもあります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21142618.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html

 

 


F-135The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -7SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 後編>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 4SadSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22117623.html

 5SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 前編>

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22194084.html

 6SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 中編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22259321.html

 

 

 その関係性(縁起)をしっかり理解できることが、老人にとってのヒーリングの鍵。

「個の存在(部分)をより大きな存在(全体)の一部と考えることができ、個人の生老病死を人類や社会のための重要な役割・機能と理解できること」とは“超自我”。その超自我の境地に達することが老人にとってのヒーリングであり、SadSweetに書き換える準備であるといえます。

では、そのようなヒーリングを実現するために、私たちは何を心がければいいのでしょうか?

 

 

 答えは「若いときからゴールを追求すること」です。すなわちコーチングの実践!

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

老いる前(若者でいられる間)のコーチングの実践が、やがて老い病みながら死を実感する人生晩年でのヒーリングを可能にします。なぜなら、ゴールの追求により抽象度が上がるから。かつてのゴールを達成し、再設定したさらなるゴールを目指して生き続ける過程で、自ずと抽象度は上がっていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 人生をかけて到達する高い抽象度(次元)がヒーリングパワーの源泉です。抽象度が高いほど、より大きなエネルギーを発揮することができます。例えば釈迦のように。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20276623.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 

vol.4F-132)で取り上げたとおり、苫米地博士は「思考停止という病」(KADOKAWA)の中で、「思考は一定の情報空間での抽象度をダイナミックに変化させる運動行為」と書かれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

その「ダイナミックな変化」をより高次の抽象度へと、すなわち進化へと導くものが「ゴール」です。博士はよく「進化には必ず意思の力がある」とおっしゃいますが、その“意思”にアクセスする方法がコーチングであるといえます。コーチとの縁により“意思”にアクセスし、自らゴールとして見いだすのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 コーチとの縁により“意思”にアクセスし、自らゴールとして見いだす

 

 それを抽象度が上がった“超自我”の視点で再解釈すると、「一人の人間(部分)のゴールへの旅(生老病死)のその遥か先に“意思”があり、連綿と受け継がれる命のリレーによる人類(全体)としてのゴールへの旅(進化)の一部として個の人生が機能している」といえそうです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

それを東洋的にいえば無常であり縁起、西洋的に表現すればゲシュタルトであり「connect the dots」。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

“超自我”に達することで時間さえ超越した「縁起やゲシュタルトといった抽象的なイメージ(I)」をありありと感じられる状態(V)がヒーリングを実現します。それは老人にとってのというより人類全体にとってのヒーリングであり、SadSweetな現実(R:Reality)に書き換える(R:Rewrite)究極の準備となります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

 ここで皆さんの多くは疑問に思っているはずです。「誰もが抽象度を上げられるわけではない」「“超自我”の境地なんて簡単にはたどり着けない」「これから人生を生きる若者にとってはそうだとしても、すでに人生の終盤に差し掛かった老人には手遅れだ」と。

 

 「誰もが抽象度を上げられるわけではない」「“超自我”の境地なんて簡単にはたどり着けない」といった言葉は、ホメオスタシス・フィードバックの表れです。前頭葉が発達した私たち人間は、情報空間にもホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 それは昨日までの記憶でつくられた“現状”というコンフォートゾーンを強力に維持しようとする働きであり、「創造的回避」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

 そのような思いが頭をよぎった時は、まずは「自分らしくない」とセルフトークしてみましょう。心が整ったらゴールをイメージしなおし(word/picture/emotion)、ワクワクを感じながらエフィカシーをさらに高めてください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

 「これから人生を生きる若者にとってはそうだとしても、すでに人生の終盤に差し掛かった老人には手遅れだ」に対する私の再反論の根拠になるのも、やはりホメオスタシスです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12340209.html

 

 私たち人間は、情報空間にもホメオスタシスが働くだけでなく、その情報空間(“場”)を共有することができます。共有した情報空間に同じようにホメオスタシスが働くことを「ホメオスタシス同調」と呼びます。古い心理学用語では「ラポール(rapport)」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/20377591.html

 

 つまり、ある老人が四苦(生老病死)やトータルペインに苦しんでいたとしても、縁ある誰かが“超自我”の境地で関りを持ち続けていれば、ホメオスタシス同調により自然にヒーリングされていくということ。私の例でいえば、WHO的な健康のイメージに囚われている人が、苫米地流の“健康”に書き換わっていくことで“元気”を取り戻していく感じです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859675.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859828.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

 Not normalな存在との双方向の縁によりそれまでのunrealrealに書き換わっていくことは、これまでの人類史の中で何度も繰り返されてきたことです。それは、じつは、身近なところでも何気に経験していることです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8900334.html

 

 すべては“現状の外”へのゴール設定からはじまります。

個人の“現状の外”がまったく新しい現実(R:Reality)を生みだし、ホメオスタシス同調により人類(社会)の“現状の外”へと拡大しながら、やがて大変革(R:Revolution)を引き起こすのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8292674.html

 

 となると、コーチが目指すのは「クライアント一個人のゴールを達成すること」だけではありません。「人類(社会)共通のスコトーマを外し、社会全体の抽象度を上げるように導くリーダーを育成すること」がコーチの使命といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14526054.html

 

個人の“現状の外”がまったく新しい現実(R:Reality)を生みだし、ホメオスタシス同調により人類(社会)の“現状の外”へと拡大しながら、やがて大変革(R:Revolution)を引き起こす

 

やはり、コーチングは人間形成、そして人類の進化のためにあるといえそうです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

 そして、そのプロセス(&縁)そのものが、人生終盤での、すなわち老人にとってのヒーリングになると私は思っています。

 

F-136につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

それは昨日までの記憶でつくられた“現状”というコンフォートゾーンを強力に維持しようとする働きであり、「創造的回避」です

 

 コンフォートゾーンを維持しようとする働きは、個人レベルだけでなく、組織や社会レベルでも働いています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13628746.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13837769.html

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21142618.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_292583.html

 

 

F-136The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -8SadSweetに書き換えるコーチング<老人向け 前編>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

今回は、その「The Sweet Goodbyeを実現するために」がテーマです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 4SadSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22117623.html

 5SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 前編>

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22194084.html

 6SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 中編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22259321.html

 7SadSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 後編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22335910.html

 

 

vol.5F-133)で私はこのように書きました。

老人の場合、元気を失っていくのは身体面(身体的苦痛)ばかりではありません。若者以上に精神面が落ち込んでいきます(心理・精神的苦痛)。その代表が思考にも関係するドーパミンです。一般的には10歳老いるごとに10%のドーパミンニューロンが死滅するといわれており、年を重ねるごとに物理空間での身体の運動と同じように情報空間での思考のスピードが遅くなっていきます。

そこに退職や引退による社会的機能・役割の喪失、友人や家族など身近な者との別れといった社会的喪失が重なっていきます(社会的苦痛)。やがて「自分もいつかは死ぬ」ことを感じはじめると、スコトーマが外れ、突然「自分の存在や意味」が突きつけられていることに気づくのです。

その時、衝撃とともに感じる苦しみが「スピリチュアルペイン」。本当は思春期から青年期にかけて生じていますが、いつの間にか感じなくなっていた(スコトーマに隠れていた)根源的な痛みです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

 前回(vol.7/F-135)は、そんなトータルペイン(全人的苦痛)に苦しむ老人のためのヒーリングとして、1)若い頃からコーチングに取り組み“超自我”の境地に到達する、2)“超自我”の境地に達した人と情報空間(“場”)を共有する(=ホメオスタシス同調)、という2つの方法を御紹介しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22335910.html

 

 このシリーズの最後は老人向けのコーチングです。暗中模索していた私が“答え”にたどり着いたきっかけ(F-136)と、現在実践している老人向けコーチングの具体例(F-137)についてまとめます。

 

 「老人に対してどのように向き合えばよいのだろうか?」という疑問は、苫米地博士に学ぶずっと前から抱えていたものであり、なんとしてでも解決したい課題でした。医師として、ヒーラーとして、老病死に苦しむ人々と日々関わりを持ちながら、どのような働きかけを行うべきかいつも悩んでいました。コーチングを学ぶようになってからは、それをうまく診療に応用できないか模索していました。

しかし、なかなかうまくいきませんでした。若者向けのコーチングで私がまず説明するロジックが使えない(通用しない)からです。そのロジックとは、「時間は未来から過去へと流れる」という時間観に関するもの。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

老人の場合、未来、すなわち残された時間に限りがあることを、誰もが痛切に実感しています。本当は気づかないままでいたいことが、老いや病を自覚するたびに、あるいは縁ある者を失うたびに、顕在化していく(スコトーマが外れる)からです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 

 どんどん残り少なくなる未来としっかり向き合ったまま、もっとはっきり表現すると確実に近づいてくる死を直視した上で、「このままでは達成できない何かをゴールとして設定する」というのはかなりの胆力を必要とします。身体ばかりでなくトータルで苦痛が増大している状況では、ゴール設定を促すほどhave toになってしまう危険が生じます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 老人へうまくコーチングを行うために、いったいどうすればよいのだろう?

 

そんな私の悩みを解決してくださったのは、やはり師である苫米地博士でした。週刊女性での連載「3分で幸せになるための『知恵力』ドリル」中の文章に大きなヒントがありました。以下、第49回「年をとるって、どういうこと? 人間は老いとどう付き合っていったらいいの?」から引用します。

 

 年をとるということは、未来が感じられなくなることです。老人とは、未来が短い人たちのことです。

 若者は、20年先30年先、どうしていたいかを考えなければなりませんよね。しかし、老人は違います。3年後5年後に自分はどうなっているか、が重要となります。現状を最適化することが目標になるのです。家にたとえるならば、リフォームをしようとする。引っ越しはしたくない、ということです。

 一方、人間は若いころは、現状の外側に最適化を考えます。だから親元を離れたり、目標を探したりするのです。つまり、未来がない人たちの考え方を、「保守的だからダメだ!」と言ってしまうのは、ちょっとかわいそうともいえます。

 ここで「やっぱり年をとりたくないわ」と思った方。ちょっと待ってください。年をとるということは決して悪いことではありません。認知科学の見地からお話ししましょう。

 あなたがいま見ている、目の前の現実とは、すべて記憶からできています。20歳と70歳とでは50年分の記憶の差があります。ということは、老人の見ている現実のほうが、若者よりもはるかに豊かなのです。わかりやすくいうと「ここには昔こんな建物が建っていた」といった、これまでの人生で見聞きしてきた“歴史”が加わるのです。これは、若者がどれだけ知識を持っていたとしても、年齢を経ている人間にはかないません。見えている現状に、深みがないのです。ですから、現状ではない違うところ、例えば新しい形態の職業を作ろうとしたり、外国などの新天地に夢を見ます。老人は、夢を見る必要がないくらい、記憶を持っていますし、若者よりもはるかに豊かな現状を見ているので、新たな現状を作る必要がないのです。

 いわば、その記憶を大切にしつつ、若者のようにいつまでも目標を持っていれば、素晴らしい人生を送ることができるということです。

 これを知ると、年をとることは決して嫌なことではないと思えると思います。

 引用終わり(続きは追記で)

 

 老人は夢を見る必要がないくらい記憶を持っていますし、若者よりもはるかに豊かな現状を見ているので新たな現状を作る必要がない

 

 ということは、前回書いた“超自我”の境地はもちろんですが、そこに至る過程の豊かな記憶そのものが、老人にとっての「The Sweet Goodbye」の要因になるといえます。さらに、その老人の情報場(豊かな記憶で構築された世界)を縁ある人々が共有することで、その“豊かさ”は世代を超えてひろがっていくはずです(=ホメオスタシス同調)。親(祖父母)世代の「The Sweet Goodbye」が子(孫)世代の「The Sweet Hello」を優しくサポートすると、子(孫)世代はさらなる“現状の外”へますます飛びだせるようになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 よって、老人向けコーチングのポイントは、「『豊かな記憶で構築された世界』の再発見(再認識)&共有」と考えることができます。

 

次回(F-137/vol.9)は、このシリーズの最終回。老人の情報場(豊かな記憶で構築された世界)を縁ある人々と共有する方法を紹介し、具体的な実践例を報告します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5306445.html

 

F-137につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

以下、本文中の引用文の続きです。

 

 そしてもうひとつ。実は脳の寿命はだいたい200年と推測されています。つまり、臓器や骨などをメンテナンスし続ければ、人は200年は生きられるということです。そうなると、いつからが高齢者かという考え方もあいまいになり、80代でも、これまでの若者のように30年以上先を考えなければならなくなります。「若者」「老人」という概念そのものが、根本的に変わっていく可能性もあるのです。

引用終わり

 

 このシリーズは「ヒーリングとコーチングを行う上での『若者向け』と『老人向け』のポイント」をテーマに書き綴っていますが、苫米地博士はその「若者」「老人」という定義(概念)そのものが「根本的に変わっていく」ことを想定されています。ディベートでいう「カウンターワラント(Counter Warrant)」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13076426.html

 

 これが抽象度の高い思考です。その高次の意識状態が、「誰も想像(I)したことがない未来を創造(R)すること」を可能にします。そして、つながる(縁ある)人々の意識をどんどん引き上げます。より高い抽象度次元へと。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_393431.html

 

 

F-137:The Sweet Hello, The Sweet Goodbye -9;SadをSweetに書き換えるコーチング<老人向け 後編>

 

過去の記事(F-128)で、スウェーデンの男女デュオ ロクセット(Roxette)のボーカル マリー・フレデリクソン(Marie Fredriksson)を取り上げました。最後に御紹介したのは「The Sweet Hello, The Sad Goodbye」という曲。

内科医としての私が医療・福祉の現場で経験するのは「The Sad Goodbye」ばかり。でも、苫米地博士に学ぶ今は、「ヒーリング&コーチングで『The Sweet Goodbye』を実現できる」と信じています。

その「The Sweet Goodbyeを実現するために…」をテーマとしたシリーズの最終回です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21580684.html

 

 1;不安に襲われる若者、希望を失う老人

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21892496.html

 2;「The Sweet Goodbye」とは?(ワーク付き)

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/21970436.html

 3;SadをSweetに書き換える準備となるヒーリング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22043888.html

 4;SadをSweetに書き換えるコーチング<若者向け>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22117623.html

 5;SadをSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 前編>

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22194084.html

 6;SadをSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 中編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22259321.html

 7;SadをSweetに書き換える準備となるヒーリング<老人向け 後編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22335910.html

 8;SadをSweetに書き換えるコーチング<老人向け 前編>

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22424986.html

 

 

 …命ある存在には、いつか必ず死が訪れます。

とくに“老人”と呼ばれる年代の方々にとっての“死”は、“生”として始まった人生という長旅の大フィナーレ。ベートーヴェンで例えると、「第九交響曲」のように盛大に、あるいはフェルマータで終わる「第五交響曲(運命)」のような厳かな余韻の中で、その瞬間を迎えることが理想だろうと思っています。コーチとしての私は。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14248557.html

 

 そうは言っても、“死”はやはり避けたいもの。死が近づくにつれ「ファイト・オア・フライト」に陥ることは仕方のないことと理解しつつ、本人はもちろん家族の苦しみまでも和らぐことを願いながら、「『ファイト・オア・フライト』を防いでほしい」「いち早く前頭前野優位にリカバーしてほしい」と思っています。ヒーラーとして。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 現在、医師としての私は穏やかな看取りを志向しやすい環境にいますが、それでも「ファイト・オア・フライト」を繰り返してしまうケースを経験します。

 (以下、プライバシー保護目的で一部変更してあります)

点滴治療を強く拒否する100歳の母親を見守る70代の息子さんは、母親に何かあるたびに辛そうにされていました。現状と今後の見込について何度も説明した結果「延命治療は行わない」方針となりましたが、説明どおりの自然な経過だというのに「どうしたらいいだろうか?」「何とかしてもらえないだろうか?」と逡巡していました。

このままでは穏やかな看取りはできないと思った私は、息子さんへの病状説明中にその胸の内を探ってみました。すると、母親にまつわる記憶に苦しんでいることがわかりました。その領域(記憶の塊≒情報場≒ゲシュタルト)を自分で観察できるように導くと、ついに「きっと母親に怒られる」と発言されました。もうすぐ怒ることさえできなくなることをやんわり伝えた後も、「死んだ後もずっと怒られそうな気がする」「怒るためにきっと夢にでてくる」と譲りません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 老病死(+生で四苦)は当人だけでなく、残される家族の心にも重くのしかかります。医療の世界では「グリーフケア(grief care)」と言いますが、「The Sad Goodbye」を「The Sweet Goodbye」に書き換える取り組みは、本人だけでなく縁ある人々にとっても重要であることをまたもや痛感しました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045953.html

 

 では、どうすればいいのでしょうか?

 

 …前回(F-136/vol.8)、老人向けコーチングのポイントは、「『豊かな記憶で構築された世界』の再発見(再認識)&共有」といえることを記しました。今回はその方法を紹介し、具体的な実践例を報告します。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22424986.html

 

 医学や医療と聞くと、科学的な視点を重視していると思われる方が多いと思います。もちろん、そのとおりです。信頼性の高い結果(エビデンス)を示す文献等で収集されたデータに基づいて行う医療を「EBM:Evidence-based Medicine」といいます。日本語訳すると「根拠に基づいた医療」です。

そのEBMは、データ(事実)をもとにワラント(根拠)を構築しクレーム(主張)を行うディベート(トゥールミンロジック)と同じように、論理空間で行われるものです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194585.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11613757.html

 

 詳細は省きますが、EBM偏重に対する批判(疑念)とともに、「NBM(Narrative-based Medicine)」という概念が新たに注目されるようになりました。「Narrative」とは「物語」という意味です。

 NBMは、「個々の患者が語る言葉(物語)から病の背景を理解し、抱えている問題に対して全人格的なアプローチを試みる臨床手法」で、EBMを補完するためのもの(対立概念ではない)とされています。その根幹である患者さんの自己語りは、高齢者を対象とした心理臨床実践においても、回想法やナラティブセラピーとして用いられています。

 

 NBMを苫米地理論やコーチング理論を用いて若者・壮年向けに言い換えると、「言葉(物語)からブリーフシステムや情報処理にアクセスし、まず物理空間へ投影されているバグ(情報処理のエラー)を明らかする(ケースサイド)。その上で、新たなゴールを“現状の外”に設定しエフィカシーを高めた結果として、全抽象度でバグ(エラー)を解消していく(=トータルペインの克服、プランサイド)…という実践スキル」といえます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14106619.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14248940.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

 そんなNBMを老人向けにアレンジしたといえる方法が、今回御紹介する「Guided Autobiography (案内型自伝)」です。それはジェロントロジー(Gerontology、老年学)の父といわれる南カリフォルニア大学(USC) James Birren教授らが開発した高齢者向けの心理療法のこと。

その「Guided Autobiography (案内型自伝)」では、1)人生の分岐点を想起し、2)忘却した記憶の中から出来事、関連人物などを思いだしていく、という作業を行います。そして、毎週2ページ程度の文章を書き、それを客観視しながらグループ内で共有していきます。ポイントは「重要な人生の分岐点を詳細に描きだす」こと。

 その心理療法を継続すると、「他者との自己史共有が自分自身の人生に新しい意味や視点を与え、自己発見を促すことができる」「自己評価を高め、家族やコミュニティでのコミュニケーションを有意義にすることができる」「不安や孤独感のない環境で他者の人生を追体験することで他者尊重の心理効果が生まれる」「自己評価に加えて他者評価も上がり、家族やコミュニティとの繋がりが強化される」といった効果が得られることがわかっています。

 

それらは前回お伝えした「『豊かな記憶で構築された世界』の再発見(再認識)&共有」の結果(成果)であるといえます。つまり、「Guided Autobiography (案内型自伝)」は老人向けのコーチングに応用できるということ。その老人自身はもちろんのこと、他の老人や家族、治療家といった関わる者すべてを“豊か”にする方法です。

 

 では、このシリーズの最後に、実際のケースを御紹介します。

(プライバシー保護目的で一部変更してあります)

 もともと厳格な性格だったという90代男性は一人暮らしを続けていましたが、ある病気を患った後老衰も加わり自立した生活ができなくなりました。近くに住むお子さんたちとの同居を試みましたが、いずれも「(本人の)強いこだわり」が原因でうまくいきませんでした。緊急避難的に入院となるたびに家族間で繰り広げられる駆け引きは、まるで「ババ抜き」をしているようでした(爺ですが)。

 本人と家族の間だけでなく家族間でもゴールの共有ができない状況が続いていたある日、改めて御家族にお集まりいただき未来についてお話ししました。「ますます老い、その経過中にさらに病み、必ず死を迎えます」と。

「限りある時間をともに悔いなく過ごすためにはどうすればいいか? 何ができるか?」といった“空気”を共有していただいた頃合いで、患者さん(父親)にも参加していただきました。そして、優しく誘導しながら自己史を語っていただきました。

 その場で患者さんは、「亡くなった妻にどんなに感謝しているか」「どんな覚悟で仕事を続けてきたか」「子どもの成長がどんなにうれしかったか」「老いていく自分の姿がどんなに悔しいか」を語ってくださいました。さらに友のこと、先輩・後輩のこと、地域への心配や家族へ託す思いまで …たくさん語ってくださいました。その中で、子どもたちとの同居の障害となった「こだわり」一つひとつに“思い入れ”があることがわかりました。

 後日、御家族から、その日語られた話はいずれもはじめて聞くことばかりだったと伺いました。今まで父親だけが持っていた“豊かな記憶”を共有したことで、御家族の心にも変化が生じたのでしょう。人生のゴールを迎えるまでの自身の“生”への思いも変わったようでした。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 

 …“現状の外”へのゴール設定によって、若者は「The Sweet Hello」を実現することができます。もしも「The Sad Goodbye」を経験することがあったとしても、ヒーリング&コーチングによって「The Sweet Goodbye」に書き換えることができます。

 その積み重ねが、生老病死という人生での「The Sad Goodbye」を「The Sweet Goodbye」に書き換えていきます。もしも、書き換えきれなかったとしても、そこまでの豊かな記憶を次世代と共有することで、次世代(子や孫)の書き換えをサポートすることができます。その過程で、きっと、老人自身のSadもSweetに書き換わっていくことでしょう。

 

 すべては縁により起こる

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 …苫米地式のコーチとして、マスターヒーラーとして、若者では「“現状の外”へのゴール設定」を、老人では「人生の分岐点の再意味付け」を、ますます強力にサポートしていきたいと思っています。お互いの人生や社会(縁起空間)を豊かにするために、そして、共有する未来を明るく書き換えるために。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1-

 私は、医療・介護の現場が「きつい・汚い・危険」の3Kから「感謝・感動・希望」の3Kに書き換わっていくことを願っています。そのためにコーチングを学び、思考錯誤しながら実践しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/15395021.html

 

 この世に唯一絶対の真実はありません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

 しかし、よりよく生きるための智慧は存在します。

すべてはマインド(脳と心)での情報処理だからです。その情報処理がSadをSweetに書き換えていきます。大脳辺縁系優位を前頭前野優位に変えていきます。

老病死(+生で四苦)に苦しむ患者さんやその家族と医療・介護者の間で結ばれる縁起の中に、新たな3Kがどんどんひろがることを心から願っています。COVID-19によって世界が揺らぐ今だからこそ、その実現を熱望しています。

そんな思いをぶつける取り組みが「Fight Coaching Project」です。ぜひ未来を共有してください↓

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/22517545.html

 

 

-追記2-

 老人向けコーチングとして御紹介した「Guided Autobiography (案内型自伝)」も、じつは、苫米地博士から教えていただきました。2016年12月15日に放送されたバラ色ダンディ内で解説されています(↓YouTube動画、20分頃~)。

 https://www.youtube.com/watch?v=BTanEsYbI3c

 

 

-関連記事-

Q-100~:病院から「早めにでてほしい」と言われています。どうしたらいいでしょうか?

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_378316.html

 

 

このページのトップヘ