苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:F:フリーテーマ > F-101~ 「故障により上映できるかわかりません」

F-101:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.1;映画館での出来事


 ちょっと前のことですが、ある映画を観に行きました。

その映画はシリーズもので、前作の衝撃の結末から1年間心待ちにしていた待望の最新作(いろんなヒーローがassembleするあの映画ですw)。ですが、ちょうどその頃はいろいろと予定が立て込んでいて、なかなか観ることができませんでした。

これからお話しするのは、公開から2週間経ってやっと観にいくことができた日の出来事です。

 

 アラン・シルヴェストリ(1950年~)作曲のテーマ曲を陽気に口ずさみながら運転していた私は、軽い興奮状態でした。プライミングです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

ちょうど映画館に着いたとき、スマホが激しく鳴り響きました。緊急地震速報でした。

 地震はすぐにおさまり、見渡す限り特に被害はないようでした。熊本地震は本震が後に来たことを思いだしながらどうするか迷いましたが、結局、予定どおり映画を観ることにしました。

 

すでにあふれていたドーパミンの影響なのでしょう、始まった行動を途中で止めることができなかったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

「映画を観ている」という理想的なイメージの臨場感が高く、「映画を観るべきではない」理由を覆いつくしていました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 幸い映画館はいつもどおり。座席指定後、ロビーの椅子でリラックスしながら開場を待ちました。

 

入場時間になって入口に向かうと、「地震の影響で映写機が故障しており、現在調整中のためしばらくお待ちください」と言われました。しばらくして店員さんから個別に「予告編なしで映画本編からはじまることになります」と説明を受けました。

この時点で、私は予定どおり(あるいは少しの遅延で)鑑賞できるものと認識しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 ところが、本編開始の頃合いになっても入場のアナウンスはありません。他のスクリーンは問題がないようで、後から映画館を訪れた人たちが予定どおりに入場していきます。他の映画を観る集団がいなくなるたびにロビーに取り残される悲し気な人たちが全部で10人ほど。みんな徐々にうなだれていきました。

 

50分遅れで上映される(私が観る映画の)日本語吹き替え版は、予定どおりに入場がはじまりました。「別に日本語版でもよかったのに」と心の中でぼやきながら、それでもひたすら待ちました。必ず観れると信じて。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 さらに1時間以上が経過。

状況を店員さんに確認しにいくと、「上映できるかまだわかりません」という返事でした。そのやりとりの中で、申し訳なさそうにしているスタッフさんは正社員ではなく非正規労働者であることがわかりました。

 不安な様子でちらちらと様子を伺うスタッフさんが他に2名。その方々もおそらく非正規なのでしょう。目があうたびに不安と罪悪感が伝わってきました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13523715.html

 

結局、私は、その日映画を観ることを断念しました。

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事
 
Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点
 Vol.3;不安や怒りへの対処法
 Vol.4;リーダーの視点で
 Vol.5;フォロワーの立場で

 

F-102につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

湧きあがった悔しい気持ちは「D」。そんな時は「ラベリング→エモーションコントロール→」。下記ブログ記事でどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_375251.html

 

 

-追記2

 共同通信(201993日配信)によると、厚生労働省雇用環境・均等局が、国会答弁などの際に非正規雇用で働く人の呼称として「非正規労働者」や、単に「非正規」という表現を使わないように求める通知を省内にだしていたそうです。その意図とは何でしょう?

 いずれにせよ、このブログ記事は「ルール違反」といえます。厚労省的には。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_368012.html

 

 

-追記3

 同じ映画館での違う体験について、下記ブログ記事に書いています。「SWな一日」が再び訪れるワクワクは日に日に大きくなっています♪ May the force be with you

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615496.html

 

 

F-102:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19153107.html

 Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点

 Vol.3;不安や怒りへの対処法

 Vol.4;リーダーの視点で

 Vol.5;フォロワーの立場で

 

 

 …期待が裏切られた経験はありますか?

 

 何らかの期待が残念な結果に終わったときには、いわゆるエネルギーが放出されます。そのエネルギーを生みだすものはマインドでの情報処理です。期待が大きいほど、あるいは結果が悲惨であるほど、そのエネルギーは大きくなります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

イライラや怒りとしてそんなエネルギーが表出される場面を、きっと誰もが経験しているはず。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

その時のマインドの状態は「ファイト・オア・フライト」。まるで獣のように攻撃的になったり(ファイト)、反対にかたくなに閉じこもってしまったりします(フライト)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

いずれにせよ、ネガティブなエネルギーは、本人の心の中だけではなく周囲にも拡散しながら、最後には苦しみや辛さに帰結していきます。まるで闇に覆いつくされてしまうかのように。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

 

詳しくはシリーズ編第3弾で取り上げますが、2011年にカナダのバンクーバーで“あること”をきっかけに暴動が発生しました。立ち並ぶ店のショーウインドを割ったり、車をひっくり返し放火したりする騒ぎは、駆けつけた警官を襲撃しパトカーを炎上させるまでにヒートアップしました。

バンクーバーの町全体が炎上したかのようなこの大騒ぎのきっかけは、なんと、アイスホッケーの試合でした。地元のチーム カナックスが敗れたことに怒ったファンが暴徒化したのです。

期待が裏切られた時に発散されるエネルギーは、ときに町さえ破壊してしまうような強大なパワーを秘めているようです。

 

どうせならそのエネルギーをポジティブな方向で使いたいですよね。

コーチングはそれを可能にします。

 

例えばパーソナルコーチングでは、“現状の外”へのゴール設定を強力にサポートします。ゴール設定はとてつもない「期待」を新たに生みだす行為といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

アファメーションやビジュアライゼーションを駆使して「期待」の臨場感を高めるほど、その期待は実現に近づきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

もちろん、すべてが必ず現実化するとは限りません。むしろ、傍から見ると“失敗”と思われたり、心配されることの方が多いくらいです。“現状の外”にゴールを設定しているのですから当然です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

でも、ゴールを切望し続けるかぎり、そしてその達成を確信している限り、希望の灯が消えることはありません。期待が失望に変わることはないのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

今回は「期待が失望に変わるときの注意点」をテーマとしていますが、本当は期待が失望に変わることはありません。ゴールがある人たちはとっては。

“失敗”とは、エジソン風に言えば、「うまくいかない方法を見つけた」ということ。それは成功に向かう道程の大切な気づきのきっかけです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

もし「期待が失望に変わる」感覚に襲われたなら、立ち止まりゴールを思い出してください。ゴール達成の確信であるエフィカシーを高めてください。

 

…先日の映画館での体験では、正直にいうと、私は一瞬“失望”しました。

(それだけassembleを楽しみにしていたのですw)

 

ですが、すぐに「私らしくない」「コーチらしくない」とセルフトークを行い、趣味のゴール、職業のゴールをイメージしなおし、エフィカシーを取り戻していきました。「映画が観れなくて残念」を「映画は観れなかったけど、おかげでいろいろ気づけてラッキー!」に塗り替えていったのです。

 

「期待が失望に変わるときの注意点」とは、「そもそも失望は存在しないという事実を思いだすこと(忘れないこと)」

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654010.html

 

…そのために常にゴールを達成したイメージ(未来の私)の視点で自身を観察し、らしくなかったら止まることが重要です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

それを仏教では「止観(しかん)」と呼びます。ちなみに、止観で止めるものとは煩悩、観るものとは情報空間です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/18576926.html

 

失望するような状況は、解決するべき課題を見つけるチャンス!

そんな絶好の機会だから、怒ったり落ち込んだりしている場合じゃない!!

 

…そんなセルフトークが自然にできるようになる頃には、ブリーフシステムがゴール側に書き換わっています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

そしてそれは、認識する目の前の宇宙自体が、ゴール側にしっかりと書き換わっていることを意味します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823351.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823843.html

 

コーチングは、誰もが本来持っている無限の可能性を引きだします。ぜひ活用してください。

 

(F-103につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 本文中でリンクをはっていますが、お気に入りの記事なので再度御紹介いたします。“あるお方”の下記の言葉を取り上げていますw

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

 

  Fear is the path to the dark side.

  Fear leads to anger. Anger leads to hate.

  Hate leads to suffering.

 

   恐れはダークサイドに通じる。

   恐れは怒りを招き、怒りは憎しみを、

   そして、憎しみは苦しみを招く。

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/17563566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_342433.html

 

 

F-103:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.3;不安や怒りへの対処法

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19153107.html

 Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html

 Vol.3;不安や怒りへの対処法

 Vol.4;リーダーの視点で

 Vol.5;フォロワーの立場で

 

 

 今回のテーマは「湧きあがった不安や怒りへの対処法」です。

 

人間は進化の過程で前頭前野での思考を手に入れました。

平常時は、本能的な情報処理を行う大脳辺縁系の活動より、高度な情報処理を行う前頭前野の方が優位に働いています。

しかし、いったん危機に瀕すると、「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」という「戦うか、逃げるか」という心理状態に陥ってしまいます。不安や恐れが怒りを招くのです。それはダークサイドへの転落であり、その先に待つのは苦しみ(suffering)です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11594310.html

 

危機により「ファイト・オア・フライト」の状況になると、人間の脳では前頭前野の活動が抑えられ、扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になります。これはより確実に生き残るための本能的な働きではありますが、人間らしさを失い、ただの動物に成り下がってしまう原因にもなります。怒りでいえば、「人間的怒り」「公憤」は不可能となり、「動物的怒り」「私憤」に支配されることになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

CDCCenters for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中に、危機に瀕したときの行動(Negative Behavior)として、下記の四つがとりあげられています。

Demands for unneeded treatment:不必要な治療(対処)を求める

Reliance on special relationships:特別な関係に依存する

Unreasonable trade and travel restriction:不必要に商業取引と渡航を制限する

MUPSMultiple Unexplained Physical Symptoms):複数の医学的に原因不明な身体症状が現れる

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 

 緊迫する日韓関係を考えると理解しやすいと思いますが、「ファイト・オア・フライト」の状態に陥ると、「天皇が謝罪をせよ」「日本企業の財産を差し押さえて賠償させよ」などの要求やそれに対する強硬的対抗措置が続き(Demands for unneeded treatment、政権支持率が上昇し(Reliance on special relationships、不買運動や渡航制限が深刻化します(Unreasonable trade and travel restriction)。

今後は、国民の健康状態の悪化だけでなく、いろいろな社会的不具合が顕在化していくはずです(MUPSMultiple Unexplained Physical Symptoms)。

 

その本質的な解決策は「抽象度を上げること」です。政治家はもちろんのこと、国民一人ひとりのレベルで。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

抽象度を上げて「より高い視点」「より大きな枠組み(ゲシュタルト)」で思考することができるようになると、扁桃体・大脳辺縁系処理を制御し、前頭葉前頭前野優位の情報処理を行うことができるようになります。IQが下がった状態から抜けだせるのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

 繰り返しますが、本質的な解決策は「抽象度を上げること」です。そのことをふまえた上で、今回は具体的な対処法を御紹介します。

 

先日、興味深い報道がありました(CNN2019826日)。米フロリダ州の空港で、サウスウエスト航空の係員がゲーム大会を開催して、3時間近い遅れが出た便の乗客たちを楽しませたというものです。そのゲームとは「最悪の免許証写真コンテスト」。さらに「紙飛行機コンテスト」も行われ、勝った人には25ドル(約2600円)の商品券とサウスウエスト航空グッズが贈呈されたといいます。

乗客の一人はCNNの取材に対し、「友人を訪問するために急いでDCへ行きたかったので、便が遅れ続けることにひどく苛立っていた。でも係員がゲームを始めると、笑って素晴らしい時を過ごし、便の遅れも気にならなくなった」と答えています。

結局、便の出発は3時間近く遅れました。しかし、出発の際には乗客たちは係員に拍手と歓声を送ったそうです。最初はとっても険悪な雰囲気だったのに。

 

 乗客たちの心理は、なぜ大きく変わったのでしょうか?

 

 通常、空港は「飛行機に乗り降りする場」であり、そこで過ごす時間は「移動のための(待ち)時間」です。当然、なかなか飛行機に乗る(降りる)ことができずにたくさん待たされたなら、「ファイト・オア・フライト」の状態に陥りやすくなります。理想的な状況(予定)との乖離が認知的不協和を生むからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882652.html

 

 今回のケースでは、係員の機転により、乗客の意識が「待つ」から「楽しむ」に変わりました。そして、空港が「(一時的に)ゲームを楽しむ場」に変わり、そこで過ごす時間が「(空港ではめったに経験できない)すばらしい時間」に変わりました。拍手や歓声はゲシュタルトが変わったことのあらわれです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721479.html

 

その時、乗客の心の中ではゴールが変わっていたといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

ゴールが変わったことで、have towant toにかわり、RAS/スコトーマが変化し、見えるものや感じるものが大きく変わったのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721658.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

それは「認識する世界(宇宙)が変わった」ともいえます。世界が変わるのは、そもそも私たちが認識している世界自体が私たちの心(マインド)により生みだされているからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823351.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11823843.html

 

空港でのこの事例が示すのは、「ゴールを人生の様々な領域にたくさんもつことの重要性」です。「あれをしたい」「これもやりたい」がたくさんあれば、何かのトラブルに遭遇しても、心が自然にベストな判断を行います。エネルギッシュに、そしてクリエイティブに。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

鍵はゴールのバランスホイールです。それは臨場感空間の移動を可能とします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14524490.html

 

前回のブログ記事(F-102)のテーマでいうと、期待が失望に変わることを防ぐために、ひとつのゴールを持ち続けるだけではなく、ゴール自体の種類(カテゴリー)や数を豊富にすることが重要であるということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html

 

人生の様々な領域で期待を持ち続けることができると、やがて一度は挫折した(期待が失望に変わってしまった)領域においても、再び新たな期待を抱くことができるようになります。必ず。

ゴールの数だけ希望があります。だから、希望を失わないためにもゴールをもっとたくさん見つけてください。人生のあらゆる領域に。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

F-104につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 201910月に、鹿児島市と霧島市で、コーチングセミナーを開催します!

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19130955.html

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691562.html

 

 

F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.4;リーダーの視点で

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19153107.html

 Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html

 Vol.3;不安や怒りへの対処法

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19417065.html

 Vol.4;リーダーの視点で

 Vol.5;フォロワーの立場で

 

 

 …今回は「リーダーの視点」がテーマです。

 

 私の師である認知科学者 苫米地英人博士の著書に、「リーダー」をテーマとしたものがあります。「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス)です。

 その本の中で、リーダーとは「ゴールをリアルに認識し、それをすべてのメンバーと強く共有できる人」と定義されています。さらに、リーダーになるためには「最低条件として、自分が得意としている分野、やりたいと思っている分野を見つけることが大切」とあり、ゴールの重要性が強調されています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 止められても成し遂げたいゴールがあることを大前提に、博士が述べるリーダーの条件が「情報収集能力」「同調能力」「責任能力」です。

 

 情報収集能力とは、「高い視点から判断する能力」のこと。重要なのは情報をたくさん集めることではなく、選別することです。そのために情報を統括して高い視点から見る力、つまり抽象度を上げて判断する能力が求められます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4449018.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516484.html

 

 同調能力とは、「何も話さずとも、自分の考えを相手に共有させて伝える力」。その同調能力の理解に必要な「臨場感」「ホメオスタシス」「Rゆらぎ」が詳しく解説されています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831660.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971818.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4971956.html

 

 責任能力については、「リーダーとして責任を取る覚悟があるかどうか」と書かれています。覚悟 …そしてそれは一番難しいものだとした上で、責任能力の真の意味について解説されています。詳しくは同書をお読みください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19033189.html

 

 

…映画館での出来事は、正直、すごく残念でした。しかし、一方で「仕方ない」とも思いました。地震という誰のせいでもない突発的な出来事が原因だったからです。実際、10人以上いた同じ映画を待つ方々も、誰も感情的にはなっていませんでした。

 

もしも天災ではなく人災だったら、例えば「スタッフが遅刻した」とか、「コーヒーをこぼして故障した」とかだったら、どうだったでしょうか?

 「納得できない」という理不尽感が怒りとなり、ファイト・オア・フライトを誘発し、バカな行動につながったかもしれません。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

 理不尽感が低いことでストレスは小さいはずでしたが、私の情動は動きました。のんびり待ちながらその訳を考えていると、リーダーの姿勢に思い至りました。映画館のリーダー(その時の現場責任者)が、情報収集能力(高い抽象度で判断する能力)も、同調能力も、責任能力も何ら発揮していないように感じたのです。

 その結果、「状況がわからず(認識や理解ができず)、自らの行動を選択することができない(評価・判断ができない)」という状態が生まれました。客はもちろん、接客するスタッフにとっても。

 

 実際、誰かが上映の見込みなどについて質問するたびに、スタッフさんは電話で責任者とおぼしき人と連絡を取っていました。その表情から読み取れるのは“板挟み”。「苦しい」「辛い」といった心の声が聞こえるようでした。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987351.html

 

 では、リーダー(その時の現場責任者)はどのような行動をとるべきだったのでしょうか?

 

…リーダーがとるべき行動について、米国CDCのガイドラインが参考になります。CDCの正式名称はCenters for Disease Control and Preventionで、疾病予防管理センターと訳される米国厚生省管轄の保健衛生機関です。CDCがまとめた「Psychology of a Crisis」によると、クライシス(危機)時は、拒絶→不安・恐怖→回避→希望の消失→パニックと進行するとされ、こうした事態に対処するための4つの基本原則が示されています。

 

1)     最初に最悪の可能性を伝え、それが改善していることを数字で伝える

2)     「必ず解決します」などの約束はNG。むしろ状況の不確定性を正確に伝え、その問題を解決するプロセスについてのみ伝える

3)     問題解決のプロセスが進んでいることや状況が改善していることを伝えるために、それを示すデータや数字を継続的に提供し続ける

4)     恐怖を認め、問題に関連する文脈情報を与える

 

 今回のケースに当てはめると、1)故障の概要を説明し、最悪の場合は上映ができない可能性をしっかり伝え、2)故障に対してどんな対処を行うか(上映できない場合にどんな補償を行うか)を説明し、3)経過と見込を逐次報告しながら、4)故障した特殊な設備(BESTIAという「次世代映画館フォーマット」)の情報や映画館やショッピングモールに関する話題などを紹介する といった感じです。

 

 そのようなガイドラインに沿った対応を心がけることで、場の雰囲気が「拒絶→不安・恐怖→回避→希望の消失→パニック」と変化することを防ぐことができます。また、リーダー自身の「拒絶→→パニック」を防ぐことにもなり、(映写機にだけフォーカスするのではなく)抽象度を上げてお客や対応するスタッフの状況まで俯瞰することができ(情報収集能力)、映画上映/鑑賞というゴールを共有し(同調能力)、自らの役割を果たすこと(責任能力)ができるようになります。

 

 このようなケースにおいても、コーチングのエッセンスはとても役に立ちます。

 

F-105につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

本文中に「映画館での出来事は、正直、すごく残念でした。しかし、一方で『仕方ない』とも思いました。地震という誰のせいでもない突発的な出来事が原因だったからです。実際、10人以上いた同じ映画を待つ方々も、誰も感情的にはなっていませんでした」と書きました。

しかし、それは危険なことでもあります。もしも誰かに「仕方ない」と思い込まされてしまったら、状況を改善するためのエネルギー(怒り)を失うからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/14107083.html

 

 

-追記2

 201910月に、鹿児島市と霧島市で、コーチングセミナーを開催します!

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19130955.html

 

 

すごいリーダーは「脳」がちがう

すごいリーダーは「脳」が違う

苫米地英人博士のブログから引用

http://tomabechi.jp/archives/50839421.html

 

 


F-105:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.5;フォロワーの立場で

 

 このブログシリーズでは、目的の映画を観ることができると信じて待ちながら感じたこと、そして、日本語吹き替え版さえ観ることができないまま帰途につき思ったことをまとめます。

 

 Vol.1;映画館での出来事

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19153107.html

 Vol.2;期待が失望に変わるときの注意点

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19263292.html

 Vol.3;不安や怒りへの対処法

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19417065.html

 Vol.4;リーダーの視点で

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19485793.html

 Vol.5;フォロワーの立場で

 

 

…地震による映写機の故障で「状況がわからず(認識や理解ができず)、自らの行動を選択することができない(評価・判断ができない)」という状態が生まれました。客はもちろん、接客するスタッフにとっても。

 そんな状況を回避するための方策について、前回(F-104)はリーダーの視点で考察しました。今回はフォロワーの立場で再度考えてみたいと思います。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19485793.html

 

様々な研究により、人のストレスの大きさや心の傷の深さを決めるものは「理不尽度」であることが明らかになっています。そして、その理不尽度は「自己責任感の大小」で決まるとされています。ショックな出来事に対して「自分にも責任がある」と感じる人にとってその出来事の理不尽度は小さく、反対にその出来事に対して「自分には責任がない」と感じる人ほど理不尽度はとても大きくなります。

つまり、「自分にも責任がある」と考える人の心の傷は深くはならず、その一方で「自分には責任がない」と考える人の心の傷はとても深くなってしまうのです。

 

 「自分にも責任がある」と考えられるのは、自分で決断したという手ごたえがあるから。キーワードは「自己決定権」、もっとシンプルにいえば「裁量」といえます。

 

 先日、とても興味深い経験をしました。

 ある病院に入院中の手術直後の患者さんが体の不調を訴えていました。訴えは多彩でまさに米国CDCがいうMUPS(Multiple Unexplained Physical Symptoms)のようでした。不安げな表情で医学的に説明困難と思えるような症状を次から次に訴えるのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

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 しかし、たった一晩で劇的な変化が訪れました。翌朝には症状がすべて消失。患者さんの満面の笑みに迎えられた私は、しばらくの間、前日と同じ人物だと気づきませんでした。

 そんな劇的な変化が起きた理由は、「自分で原因に気づいて、その因をコントロールできるようになった」ことでした。裁量、自己決定権、自己コントロール感を取り戻していったことで、ファイト・オア・フライトを克服し、MUPSが解消したのです。

超情報場仮説で解説すると、「まず高次の抽象度の情報を正しく見て、その因果関係を再構築し、下の抽象度に落とし込んだ」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

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痛みがとれたことについて、医学的には「ストレス状態の解消により中脳腹側被蓋野(VTA)からのドーパミン分泌が増え、大脳基底核を構成する腹側線条体の側坐核(NAcc)からμオピオイドが大量に放出され、続いてセロトニンやノルアドレナリンが放出され、痛みの信号を脊髄で抑制した(=スコトーマに隠した)」と説明できます。
 そんな複雑な物理空間(脳内)の変化を引き起こしたのは「ストレス状態の解消」。それを可能としたのが「情報空間の操作(内部表現の書き換え)」です。

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 ところで、PCAという医学用語を御存知でしょうか?

 PCAとはPatient Controlled Analgesiaの略で、患者自己調節鎮痛法と訳される治療法です。電動式PCAポンプを用いてオピオイド(医療用麻薬)の皮下注射を行いますが、医師があらかじめ設定した投与量の範囲内で患者さん自身が調整することができます。自らボタンを押すことで、痛みのコントロールに参加できるのです。

 

 PCAは痛みの緩和にとても効果的なことが分かっており、その理由として「迅速に対応できる」「きめ細かく対応できる」「個人差をカバーできる」「複数の薬剤を使える」「予防的に投与できる」「嘔吐や下痢時も継続できる」などの理由が挙げられています。

 私自身は、苫米地式コーチとして、「裁量、自己決定権、自己コントロール感を得ることで、ストレス状態を解消し、ファイト・オア・フライトを克服できる」ことが大きいと考えています。つまり、情報空間の操作(内部表現の書き換え)が行いやすくなるということ。

 

 ポイントは、「自分で決める」ということです。

このシリーズで取り上げた映画館でのケースでいうと、フォロワーに求められていたのは「自分で決めるという姿勢」だといえます。

 

地震によって映写機の故障がおこり、上映がどうなるのか誰にも分りませんでした。客にも、スタッフにも、リーダー(現場責任者)にも。

それでも(だからこそ)最悪の可能性を提示し、問題解決のプロセスを提示するというのがリーダーの責任です。たとえリーダーが役割を果たせなかった(果たさなかった)としても、その中で各自が「自分ができることを考え、選択する」というのがフォロワーの理想的なブリーフシステムです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

映画館のせいにするのではなく、客自ら待つか待たないか決める

リーダーのせいにするのではなく、スタッフ自ら客へのベストな対応を考え行動する

 …いつも自分の行動は必ず自分自身で決定する!

 

 …そんな心のあり方(覚悟)が、心の平静さにつながり、創造性を引きだします。サウスウエスト航空の係員のように。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19417065.html

 

 「感情労働(Emotional Labor)」について考察した記事(F-043)で取り上げていますが、米ペンシルバニア州立大学の心理学者 アリシア・グランデー氏は「本来の感情を長期間にわたって抑える感情労働の強制は、労働者の精神や肉体に甚大な悪影響を及ぼす。企業はそうした人々をもっとサポートすべきであり、感情労働そのものが不当で禁止されるべきものである」と発言しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987351.html

 

 もちろん私も、「感情労働」を禁止するように社会システムを改革していくことに賛成です。しかしながら、本質的な解決策は個人の情報処理システムを改革することであり、それはコーチングの知識とスキルを身につけ、自らゴールを設定することからはじまると思っています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 最後にもう一度。どんな状況でも「自分で決める」ことが重要です。そのためにしっかりとゴール設定をすること。たとえフォロワーの立場であっても、誰もが自分の人生におけるリーダーなのだから。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1-

 PCAは、特に不安の強い患者さんの場合に、過剰投与につながることが懸念されています。しかし、そこで「ダメ。ゼッタイ。」のような対応を医療従事者がしてしまったら、すべてが台無しになります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_352303.html

 

 

-追記2-

 PCAに関して、ちょうどこの原稿を仕上げるタイミングで、若い看護師さんに教えてもらいました。その御縁に感謝しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

 

 

-追記3-

 2019年10月に、鹿児島市と霧島市で、コーチングセミナーを開催します!

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/19527371.html

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13958864.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/13959033.html

 

 

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