苫米地式認定コーチ CoacH T(タケハラクニオ) ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学びながら九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:Q:質問等回答編 > 医療・介護関連

Q-013:「経験をもたらす観察」のために重要なこと

 

 2018124日の講演会(霧島市、鹿児島県)後に、「スコトーマにびっくりしました」という意見をたくさんいただきました。ありがとうございます。

びっくりさせようと念入りに仕込んでいましたので、驚いていただき大変うれしいです(笑)。

 

 スコトーマ(http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html)がはずれた瞬間の「あっ、わかった!」「うわっ、見えた!!」という体感をしっかり記憶していてください。そして、目の前にはスコトーマに隠れて見えていない(感じられていない)感謝や感動や希望、可能性(可能世界)といったものが無限にあることを確信してください。

ぜひ、お子さんたちにもその感覚を伝えてあげてください。

 

 講演会は教育関係者やPTAが対象でしたが、市の看護師・保健師の方々にもたくさん参加していただきました。

 

今回は「近代看護教育の母」として知られるナイチンゲールの言葉を引用し、スコトーマについて考えていきたいと思います。

 

 

経験をもたらすのは観察だけなのである。

観察をしない女性が、50年あるいは60年病人のそばで過ごしたとしても、決して賢い人間にはならないであろう

 

フローレンス・ナイチンゲール(18201910年) 「看護覚え書」より 

 

 

ナイチンゲールが医療人に向けて観察の重要性を説いているのは、それだけ観察が難しいことだからです。

 

なぜ、難しいのでしょうか?

現代認知科学はその原因を、そしてその解決法を、すでに解き明かしています。

 

…“観察が難しいのは、私たちの認識に必ず「スコトーマ」があるからです。

 

私はスコトーマを生みだすものとして三つのことを意識しています。

一つ目は「知識」、二つ目が「重要性」、三つ目が「役割」です。

 

長男が生まれた頃、私はポケットベル(ポケベル)を使っていました。若い方はイメージしにくいと思いますが、まだ携帯電話が普及していない時代には連絡を取るためのとても大切なツールでした(今もフードコートなどで使われています)。

ポケベルが鳴ると私はすぐに目が覚めますが、隣の妻はピクリともしません。反対に子供が泣くと妻がすぐに目覚め、私が起きることはめったにありませんでした。

 その理由がスコトーマに関係します。

 

 妻はもちろんポケベルのことは知っていましたが重要ではなかったので、その音はスコトーマに隠れ認識にあがらなくなっていたのです。

 反対に、私は子供に関して知識も重要性もありましたが、授乳という役割を自覚していなかったので、その声が届きにくくなっていました。当時は不思議に思ったものですが、妻の体調がすぐれず「休ませてあげたい」と思っている日は、妻より先に子供の泣き声に反応して必死にあやしていました(結局は妻を起こすことになるのですが)。

 

 これがスコトーマ(心理的盲点)です。

 

 いくら目の前にあったとしても、知識がないと認識できません。

 知識があったとしても、重要性がなければ認識できません。

 知識も重要性もあったとしても、役割を感じていなければ(責任を自覚していなければ)認識できません。

 

 ナイチンゲールが述べる“観察”とは、「知識と重要性と役割がそろってはじめて可能となる認識」のことです。そして、それが“経験”をもたらし、“賢い人間”への成長を可能とします。

 

 “観察”のために、つまりスコトーマをはずすために、重要なことは「ゴール設定」です。

 

 心から望むものをゴールとして設定できてはじめて無意識レベルで重要性と役割が生まれ、成功に向かって自然に生きることができるようになります。

 

 講演会(1/24)の内容と関連して述べると、「心から望むゴール」とは「自己の存在と意味」を決めるものであり、それを自らの意思で見つけていくことは「本当の自分について知る」ための取り組みになります。

ゴールが、“自分”についての知識を得ることを可能とするのです。

 

そして、その「自己の存在と意味」である「心から望むゴール」に向かって生きるプロセスだけが、本当は皆が潜在的に抱えているスピリチュアルペインの克服を可能とします。

 

人生とは、「“本当の自分”を知るための旅」といえます。

 

もちろん、ゴール(http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html)とは“現状の外”に設定するものです。つまり、“本当の自分”は、「現状がこのまま続く未来Status Quo」では決して見つけることはできません。

 

認識できないはずの“現状の外”へのゴール設定が可能となるのは、マインドのコントロールに精通したコーチが徹底的にサポートをするからです。

 

 したがって、近代看護教育の母の思いを現代風に言い換えると、「コーチングを学び、互いに実践せよ」と表現できます。それは看護師に限らず、すべての教育者や親、そして未来に向けた言葉でもあります。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

Q-168:スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?どうやって原因である無関心が生まれてくるのでしょうか?

 

 御質問をいただきました。ありがとうございます。

 (プライバシー保護のため一部変更しています)

 

Q:スピリチュアルペインを一番の矛盾に気づきながらスコトーマに隠すことと理解しました。生きる意味を失い、あえて見ないようにするように。いろいろなゴール同士、例えばお金や健康などともぶつかり、「臭いものにふた」じゃないですけどフォーカスを当てたくないから生じている(生みだしている)気もします。

スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?

 どうやってスピリチュアルペインの原因である無関心が生まれてくるのでしょうか?

 

A:スピリチュアルペインは、とくに緩和医療(緩和ケア)で重要な概念です。明確な定義はされていない?ようですが、「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」といった感じで使われています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 

ペイン(苦痛)だけに、その辛さから逃れようとして、意識的にも無意識的にもスコトーマに隠そうとしてしまうのではないでしょうか。例えば、浴びるように酒を飲んだり、ギャンブルにのめりこんだりして。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

私はそれを創造的回避の一種だと理解しています。実例として、私の両親のケースを紹介します。

二人はアルコール&ギャンブル依存でした。ふだんから酒とギャンブルに溺れるばかりか、トラブルに見舞われるとさらに飲む量が増え、ますます賭けにのめりこみました。そんな両親を目の当たりにしながら「逃げるんじゃねぇ!」とよく思ったものです。子どもながらに。

クリエイティブだったかどうかは別として、両親は間違いなく「創造的回避」の状態でした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 さらにヤバい状況に陥ると、両親は鬼のような形相でお寺に向かいました。行に参加し法主に相談した後は晴れやかな人間の顔に戻ります。しかし、再び鬼になっては寺に向かうという生活を繰り返しました。

私は「そんな無限ループに何の意味があるのか?」と思い悩み、答えを見いだせずに苦しみました。大人になるにつれて。

 今思えば、「そんな無限ループ」自体がコンフォートゾーンになっていたのだと思います。両親はもちろん、私にとっても。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 両親に必要だったのは、慰めでも施しでも激励でもなく、コーチングでした。

 

 とはいえ、時は昭和。「無責任男」や「ど根性と叫ぶカエル」の時代です。ルー・タイス氏によるコーチングはまだ発展段階で、もちろん日本には届いていませんでした。両親を責めるわけにはいきません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

  

 仮にコーチングを学べる時代だったとしても、今さら両親を責めるつもりはありません。すべてが過ぎ去った記憶であり、ゴール(未来)に関係ない過去(Nil)を振り返ることはまったく無意味だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

時間は未来から過去へ向かってどんどん流れています。過去は一切関係ありません。一切です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

コーチングに出会って以来、そして苫米地式コーチとなってからはますます、「“両親(&その子どもたち)”にどのように貢献するか?」を考え続けています...

 

 ...たどり着いた答えの一つは、「『コーチングによるスピリチュアルペインの克服』をひろげていく」。だから、医療・介護の現場はもちろん、教育現場にもコーチングを届けようと活動しています。スピリチュアルペインは思春期にはじまっているといえるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11301259.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11386276.html

 

 ゴール設定を重ねていくと、教育の目的である自由に向かって進化・向上することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 抽象度が上がるからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 「スピリチュアルペインは抽象度でいえばどこに入るのでしょうか?」に対する私の答えは「全抽象度」。宇宙を抽象度という軸でならびかえた時の頂点、すなわち空(くう)から物理空間まで連続的に存在していると思っています。

 

 引用した下図で、「スピリチュアルペイン」は他の3つの苦痛(「身体的苦痛」「心理・精神的苦痛」「社会的苦痛」)と同じ2次元平面上に並べられています。

しかし、それぞれ抽象度が違うはずです。「身体的苦痛」は情報空間の底である物理空間に、「心理・精神的苦痛」は少し高次の情報空間に存在するというように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 そして、「社会的苦痛」はあらゆる抽象度の階層に縁起としてひろがっているはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

トータルペイン(MindsガイドラインセンターHPより淫羊)

MaindsガイドラインセンターHPより引用 

 

 

 対して、「スピリチュアルペイン(引用図では“霊的苦痛”)」は「全抽象度」です(と私は思っています)。つまり、「空(くう)」。「スピリチュアルペインが、物理空間で身体的苦痛として表出し、情報空間で心理・精神的苦痛として表現され、多次元の階層にまたがって社会的苦痛を生みだしている」ということです。

もっとわかりやすく表現すると、「すべての苦痛の元となる“根源的な痛み”がスピリチュアルペイン」だということ。だから「空」です。「空」であるがゆえに、ふだんはまるで感じられないのに(無)、ひとたび認識するととてつもなく辛いのです(有)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 そんな「スピリチュアルペイン」の原因は、決して無関心ではありません。無関心は原因ではなく、苦痛回避の結果といえます。そして、その苦痛回避は、確実に自らのエフィカシーを引き下げていきます。それはセルフ・ドリームキリングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

私は、コーチングによって、「〇〇依存」としてあらわれる苦痛回避の悪循環を断ち切れると思っています。

「ダメ。ゼッタイ。」の押しつけにただ従うのではなく、自ら選択することを可能にする知識。そして、覚悟をもった決意や責任をともなった自由意思を貫きとおすための技術。それらがコーチングシステムには内包されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_352303.html

 

 大切なのは“自分”に関心を持ち続けること。そして、しっかり観察し、より高次元に定義し続けること。そのすべてを一言で表現した言葉が「ゴール」です。

 そのゴールがない(または不明瞭な)ことがスピリチュアルペインの真の原因のはずです。

 

 

 以上が私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

そんな両親を目の当たりにしながら「逃げるんじゃねぇ!」とよく思ったものです。子どもながらに

 

 コーチとなった今は「逃げるんじゃねぇ!」というセルフトークとは無縁です。不完全性を理解し、空(くう)を体感しているからだと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 むしろ、クライアントなど縁ある人たちには「どんどん逃げて欲しい」と願っているくらいです。それは「ゴール設定により自らつくりだした未来(新たな現実)への逃避」という意味。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

気楽に生き、気楽をひろげたいと思っています。Take it easy

 

 

-追記2

 ゴール設定を重ねていくと、教育の目的である自由に向かって成長することができます

 

 その成長過程はマズローのいう「欲求の階層」を上がること。そしてそれは、「抽象度を上げること」であり、「人間形成」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 

-追記3

 ゴールを設定を重ねることで“人生の意味”を拡張し続けることができたなら、目の前のすべてが“意味”と関連するように感じられます。きっと3K(感謝・感動・希望)に包まれている感覚を覚えるでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15395021.html

 

 その時は全抽象度にわたってハッピーなはず。トータルハッピネスです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8431066.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8431170.html

 

 

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Q-073~180804医療講演会レポート

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